社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

横須賀市療育相談センター

2023年03月24日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 特定非営利活動法人よこはま地域福祉研究センター

② 施設・事業所情報
名称 横須賀市療育相談センター 評価対象サービス 2022~ 障害者・児福祉サービス版
対象分野 児童発達支援センター, 医療型児童発達支援センター 定員 児童発達支援センター(50名)  医療型児童発達支援センター(40名) 名
所在地 238-8530
横須賀市小川町16番地
TEL 046-822-6741(代) ホームページ http://www.aoitori-y.jp/yokosuka-ryoiku/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2008年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人青い鳥
職員数
常勤職員:46 名
非常勤職員:58 名
専門職員
医師:12 名
看護師・臨床検査技師:7 名
理学療法士・作業療法士 言語聴覚士:7 名
ソーシャルワーカー:9 名
保育士・児童指導員:40 名
心理士:7 名
バス添乗員:9 名
事務員・医療事務員:12 名
栄養士:1 名
施設・設備の概要
指導室:12室
設備等:水治療室、ホール、園庭、弟妹ボランティア室、厨房、こども用トイレ、診療所など

③ 理念・基本方針
1、子どもと家族によりそい、心あたたまる療育を提供します
2、時代に先んじた、専門性の高い療育を提供します
3、横須賀に根ざし、地域とともにある療育を提供します

④ 施設・事業所の特徴的な取組
センターは横須賀市内唯一の療育相談施設です。相談、診療は18歳未満までの年齢層の広いお子さんを対象としています。利用者からの相談を受け、ソーシャルワーカーがインテークを行います。その後心理評価、医師による診察を行います。相談を受けたときから支援を開始していることで、利用者の方に安心を感じてもらえています。
従前の横須賀市の事業を引き継ぎ、市内各所で親子教室を開催しています。発達に不安のあるお子さんや保護者がセンターに通う前に職員が対応し、お子さんの適切な支援につなげる一歩としています。
通園では利用者のニーズに合わせて対応するため、柔軟なクラス編成を行い、待機することがないようにしています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/08/04(契約日) ~2023/02/21(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2014年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 横須賀市療育相談センターは、横須賀市に居住している18歳未満の発達の遅れや障害、発達に不安のある子どもを対象としています。乳幼児期から就学前の子どもには、療育相談・診療・訓練・各種教室や通園支援を行い、就学後からおおむね18歳未満の子どもには療育相談・診療・訓練を実施しています。

◆地域や利用者のニーズに合わせた、多様で柔軟な療育を実践しています
センターでは、地域や保護者のニーズに応じた様々な取り組みを積極的に推進しています。
新規利用時の保護者からの相談はソーシャルワーカーが対応し、電話相談や個別面談を行い、詳細に状況を聞き取っています。その後、心理職が発達・心理評価をし、医師の診察を行っています。医師の診察前に発達・心理評価をして支援を開始することで、待機期間がなく、保護者の安心につながっています。地域生活支援部門では、療育プログラムの一環として0~3歳児を対象の早期療育教室、4・5歳児対象の療育教室を運営しています。通園部門「ひまわり園」(児童発達支援、医療型児童発達支援)では3~5 歳児を対象に、子どもの発達課題に合わせ個別と集団を組み合わせた療育プログラムを提供し、子どもの主体性やコミュニケーション能力の向上、社会性・協調性を育む支援を行っています。通園課では、保護者の就労や保育園・幼稚園等との併行通園などを考慮し、週1日から週5日まで様々なクラス編成をしたり、医療的ケア児の送迎も開始するなどしています。保護者のニーズに応えて柔軟で多様な療育の方法を用意することで、発達に課題のある全ての子どもが専門性のある支援につながることを目指しています。保護者向けの勉強会や療育講座も実施しています。
センターの特色として、18歳未満までが対象となっていて、初診の半数以上が小学生以上となっています。学齢期の子どもの相談にはソーシャルワーカーと外来が対応し、作業療法士や理学療法士による個別指導で学習方略の工夫をしたり、関係機関と連携して不登校の子どもの支援をするなどの支援をしています。

◆多職種が連携することで、専門性のある質の高い支援につなげています
センターでは、診療部門と地域生活支援部門、通園部門に専門職を配置し、相互に連携して、それぞれの専門性を生かした療育をしています。各種会議や委員会、研修などで意見交換をしてセンターとしての方向性を確認して情報交換し、よりよい支援の実現に向けて取り組んでいます。 子どもの支援にあたっては、心理士職や理学療法士、作業療法士などの多職種が専門的な視点で評価をし、個々の療育課題に沿った活動プログラムを実施しています。所長を始めとして全部門の職員が一つの職員室を用いているのでコミュニケーションを取りやすく、ケースについてすぐに相談したり、助言やアドバイスを受けたりすることができます。通園課では、「ひまわりフォロー」「給食フォロー」として、多職種がクラスの様子を見て活動の流れや子どもの様子、喫食の様子などを見てアドバイスや助言を得、子どもの支援に反映しています。このように、チーム としてアプローチすることで、専門性の高い支援が実践されています

◆地域の関係機関と連携強化に向けて取り組んでいます
センターでは、基本理念に基づき、地域の関係機関との連携強化に取り組んでいます。ソーシャルワーカーが、18歳未満の子どもと保護者の相談にのり、地域の関係機関と連携して、地域生活の支援をしています。市内の4会場で保護者と一緒に子育てや発達について考える親子教室を実施しています。子どもが利用する保育園・幼稚園・こども園、学校等への巡回訪問等をして情報共有し、連携して子どもと保護者の地域での生活を支えています。また、保育園や幼稚園等を訪問してコンサルテーションを行う巡回訪問も行っています。事業所連絡会の開催や、地域の支援者に向けての療育講演会なども行っています。
横須賀市障害とくらしの支援協議会を始めとし、医療的ケア児支援協議会など様々な地域の会議に参画し、関係機関と連携して横須賀市全体の保健・福祉に係る共通課題の解決に取り組んでいます。また、障害のある子どもやその家庭と、教育・福祉などの関係機関同士が共通の相談・支援ファイルを用いて情報を共有し、地域が一体となって支援の方向性の共有化を目指す「サポートブック」作成にも積極的に協力するなど、連携して障害のある子どもと保護者の地域生活を支えています。
市内唯一の地域療育センターとして、障害のある子どもたちのより一層の自立と共生社会の実現に向けて取り組んでいかれることを期待します。

◆センターが培ってきたノウハウを文書化し、次世代につないでいくことが期待されます
センターでは、緊急時の対応や感染症、災害時の対応などを定めた「危機管理マニュアル」を整備し、必要に応じて随時、見直しをしています。清掃や水治療室の使い方などの手順書は、該当する箇所に掲示し、いつでも確認できるようにしています。
現在は経験が長い職員が多く、業務の中で不都合があった時にはその都度職員間で話し合って柔軟に対応し、子どもの個別性を重視した療育が実践されています。ただし、それらをマニュアルとして文書化するまでには至っていません。療育の中のよい事例や配慮すべきことなどを文書化することで、職員は困った時に立ち戻ることができ、質の担保にもつながります。将来の職員の交代などに備え、センターが今まで積み上げて来た豊富なノウハウを文書化してまとめ、常に最新のものとしていくことが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
当センターにとって二回目の第三者評価でした。
発達支援においては、かなりの量の業務を、質を維持しながら進めなくてはなりませんから、仕事がある程度ルーチン化されることは不可欠です。
それが故に、定期的に自らを振り返ることは、とても大事だと思います。職員の自己評価、利用者や関係機関の方々による評価、評価委員の皆様による細やかなアセスメントを受け、よりよい支援のために改善すべきことに取り組んでいきます。評価に携わったすべての皆様に心よりの御礼を申し上げます。
センターの理念にも掲げているように、人間性と専門性を追求しつつ、横須賀の地域に根ざし、そこで毎日を過ごす子どもたちに取って、少しでも役に立てるセンターになるべく、職員一同、これからも頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

センターの基本理念として①子どもと家族によりそい、心あたたまる療育②時代に先んじた、専門性の高い療育③横須賀に根ざし、地域とともにある療育 の3つを掲げるとともに、地域で安心な生活を支えるための様々な療育活動を行うことを運営方針に明示しています。理念や運営方針は、ホームページ、パンフレット等に掲載するほか、保護者等が利用するラウンジや職員室にも掲示して、広く周知に努めています。職員に対しては、年度当初の全体研修や節目の朝礼等でセンター長から全職員に説明し、理解浸透を図るほか、理念をカード化して名札と一緒に常時携行することをルール化し、職員一人ひとりの自覚・行動化に繋げています。通園を利用する保護者等に対しては、施設見学や利用契約時、家族懇談会等で説明していますが、通園のしおり等には記載していません。今後は、保護者等へのさらなる周知と理解浸透に向けた工夫が期待されます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

地域療育センターや就労支援・援助センター等の医療・福祉に係る広域的な事業を法人全体で展開し、関連施設同士のネットワークを通じて、社会福祉全体の動向把握を行っています。横須賀市の指定管理者施設として、市の子育て支援や障害福祉の担当課と随時情報を共有するほか、「横須賀市社会福祉審議会」や「障害とくらしの支援協議会」など横須賀市が開催する様々な会議に参画し、センターとしても地域の児童福祉関連事業所を対象に事業所連絡会を開催するなど、横須賀三浦地域全体の福祉の動向と最新の情報収集に努めています。相談及び診療件数、通園の稼働状況等を毎月「指定管理者業務報告書」にまとめ、市の所管課に提出するとともに、管理職会議等を通じてセンター内でも情報共有し、事業運営に活かしています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

横須賀市の指定管理者施設として協定を締結し、仕様書の規定に沿って、適正な事業運営の推進に努めています。センターの職員配置や事業内容、建物・備品等の管理、経理及び活動収支の状況は、管理課が動静を確認・把握し「指定管理者業務報告書」にまとめて市の所管課に月報として定期的に提出するとともに、人員補充や設備改修など仕様書の内容と実態に齟齬が生じないよう、随時必要な対処を実施しています。「指定管理者業務報告書」の内容は、管理職会議や各課の会議等を通じてセンター全体で情報共有するとともに、新たな課題やニーズが生じた際は各会議で対策を協議し、毎月定例の「連絡調整会議」等を通じて市の所管課に提案を行うなど、改善に向けた対応を行っています。また、法人本部にも運営会議等で報告し、理事会や評議員会とも情報を共有して中期経営計画や年度事業報告書に反映しています。一方、職員に対し事業計画を通じて運営方針や課題の周知に努めていますが、今後、職員間のさらなる運営課題の理解浸透と改善に向けた意識共有が必要と捉えています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

センターとして2019~2023年度の5か年に亘る「第一期中期経営計画」を策定し、利用者ニーズに沿った柔軟な療育システムの再構築と関係機関連携の強化、人材育成・職場環境の整備、経営改善、危機管理体制の充実化、地域貢献など5つの重点課題を明文化しています。また、各々の重点課題別に目標(めざす姿)と指標、具体的な取り組み(行動計画)を明示し、5か年の各年度別に実施する事業内容と成果目標を列記して、センター全体で意識の共有化を図っています。計画の内容はセンターの管理職会議を通じて実施状況の確認・評価を実施するほか、法人本部の運営会議でも定期的に進捗確認を実施しています。また、法人の作成する「第一期中期経営計画」と連動し、法人内の連携を通じて専門機能と組織力の強化に向けた取り組みを段階的に推進することで、相互の計画の実行性を高めています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

年度の事業計画書を策定し、中期経営計画の重点課題を年度の施設目標に位置づけ、目標到達のための具体的な取り組み内容を詳細に示しています。また、診療・通園・地域生活支援・管理の部門ごとに実施事業と数値目標を併記し、内容を明確化して職員間で認識の共有化を図っています。事業計画は管理課長が作成し、中期経営計画や事業報告書の内容を反映するとともに、横須賀市の指定管理者施設として、仕様書の規定を遵守し相互の整合性が取れた内容構成となっています。事業計画は管理職会議や各課内会議を通じて全職員に周知し、課ごとに書面の配布・回覧を行うほか、センターのPCネットワークを通じて随時閲覧できるようにしています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

診療課、通園課、地域生活支援課など、部門ごとに事業計画の内容に基づいて当該年度の実施の事業状況を検証・協議し、次年度に向けた取り組みの内容を管理職会議等で提示して、センター全体で認識共有を図っています。
事業計画は、中期経営計画の内容に沿って、管理職会議を通じて提示された課ごとの課題や次年度の実施事業の内容を取りまとめて管理課長が作成し、法人理事会で承認を得た上で全職員に周知し、組織全体の取り組みとしています。また、ICT化の推進や家族向けセミナーの開催など、センター全体に係る施策については、各課の職員が参加してプロジェクトを発足し、推進することとしています。
事業計画の進捗は、年度の中間に各課内会議や管理職会議を通じて確認するほか、状況に応じて見直し・修正も実施しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

法人のホームページの経営情報欄に事業計画を掲載し、広く情報発信しているほか、センターの運営協議会でも代表参加の保護者に対し年度の事業計画・事業報告を配付して、詳しい内容説明と意見交換を実施しています。通園や早期療育教室を利用する保護者に対しても、保護者懇談会を通じて事業計画の主要な内容を説明するとともに、通園のしおりに基づいて当該年度に実施する療育内容等の説明を行っています。通園のしおりは、事業計画の内容を踏まえて毎年内容を更新しています。なお、センターの利用者に対し、事業計画の策定に参加を促すための周知・説明の工夫等は行っていません。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

管理課が毎月「指定管理者業務報告書」を作成し、各課の事業の実施状況を把握・確認しているほか、管理職会議を通じて各課に状況を伝達し、都度取り組み状況の振り返りを実施しています。また、事業計画の進捗確認や事業報告書の策定にあたって、課ごとに各年度の取り組み状況を定期的に検証するとともに、指定管理業務基本協定書の内容を照合し、適正な事業運営がなされているか随時確認しています。
センター全体の事業運営の内容は、前年度の状況を踏まえ、管理職会議や安全衛生委員会等で協議し、中期経営計画や次年度の事業計画に反映するなど、PDCAサイクルで改善を図る組織体制を確立しています。第三者評価の受審も定期的に行っています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

通園や各種教室のほか、療育講演会や保育園・幼稚園等の巡回訪問など、様々な機会を通じてアンケート調査を実施し、管理職会議等で結果を精査・分析してセンター全体で課題共有し、業務改善とさらなるサービスの質向上に努めています。通園では、アンケート結果に基づいて定期的に自己評価を行い、結果を「通園課自己評価シート」に文書化して、センターのホームページに掲載し、公表しています。
各課内会議を通じて部署ごとの課題改善に取り組むとともに、安全衛生委員会や評価会議、外来会議など、多職種で構成する委員会やプロジェクトチームを組織して活動を推進するなど、組織全体で改善に取り組む体制を構築しています。改善策は年度の事業計画に明示し、定期的に進捗状況を確認しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

所長は、全職員に対し年度当初の全体研修を通じて、事業計画の内容やセンター運営の方針等について説明を行うとともに、年度の事業概要やホームページの所長挨拶等に自らの療育方針や信条を掲載して、所信表明を行っています。法人の職制規程や運営規程、職務分掌等に管理者の職務内容と責任権限を明示するとともに、人事考課規程にも職員の等級別職務グレードの一覧表を示し、組織全体で認識の統一化を図っています。危機管理マニュアルや緊急連絡体制のフローチャート等を策定し、有事の連絡体制と指示系統、管理職の不在時等の権限移譲を明確化しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

センターの法令遵守に係る責任者に所長を位置づけ、組織全体で法令遵守の徹底に努めています。横須賀市の指定管理者施設として、指定管理に関する仕様書や基本協定書、療育相談センター条例等の内容を遵守するとともに、個人情報保護や子どもの権利擁護、ハラスメントの禁止など、法人の各種規程に基づいて適正な対応を実施しています。また、事務規程に基づき、外部の関係機関との公平・公正な関係性確保にも配慮しています。センター全体の法令遵守推進に向け、横須賀市の所管課と随時連携するとともに、外部研修にも参加するなど、法令遵守に関する最新情報を収集し、管理職会議や安全衛生委員会等を通じて全体周知しています。課ごとにも文書回覧やミーティング等で随時職員に情報伝達するほか、毎年全職員を対象に全体研修を開催し、子どもの権利擁護やハラスメント防止など法令遵守に関する職員教育を実施して、組織全体の意識向上と職員一人ひとりの実践を促しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

所長は、診療課の医師として直接診療に携わるとともに、センターの管理者として事業運営に関わり、実施する事業内容を常に検証・評価し、療育サービスの質向上に尽力しています。また、小児精神科の専門医として、地元横須賀市の教育委員会や自立支援協議会等に参画するほか、療育に関する研修会の講師やメディア出演を行うなど、小児療育や発達障害児の支援に関する普及啓発に努めています。日々の診療や法人内外の様々な会合への参加を通じて情報収集し、地域の療育ニーズを反映したサービスの提供にも努力しています。センター内の各種会議・委員会に参画するとともに、所属課や職種、勤務形態に関わらず、広く職員とのコミュニケーションを図り、職員の意見や改善提案を積極的に取り上げ、実務に反映する仕組みを構築するなど、自ら業務改善に率先して取り組んでいます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

人事・労務・財務等の運営状況は、管理課で統計を取り、「指定管理者業務報告書」にまとめて市の所管課に毎月報告を行うとともに、管理職会議を通じて所長及び各課の管理者間で認識を共有しています。また、法人の運営会議で定期報告を行い、運営状況を共有しながら課題の明確化を図っています。センター運営に関し横須賀市と課題の共有化が必要な場合は、市の所管課との連絡調整会議を通じて対策を協議するとともに、地域の福祉ニーズを踏まえて、人員配置の対応や新規事業の導入等の提言も行っています。具体例として、2021年度中途から通園で医療的ケア児の送迎を開始した事例や、食育推進に向け栄養士の勤務形態を変更した事例などがあります。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

横須賀市の指定管理者施設として、仕様書や基本協定書に基づき職員配置を実施するほか、市の所管課と連絡調整会議を通じて実務の状況を説明し、職員配置に関する提言を行うなど、療育サービスの質向上と支援の充実化に向けた対応を行っています。食育推進に向け、栄養士の雇用形態を変更したほか、相談支援や巡回訪問、療育教室の開催など、より柔軟なサービスの提供に向けソーシャルワーカーを非常勤雇用し配置するなど、費用対効果のバランスを考慮し、より効果的な人材の登用・配置の工夫を行っています。法人として人材の確保に注力し、ハローワークや就職サイト等を活用して積極的な採用活動を推進するほか、毎年定例で「青い鳥セミナー」を開催し、障害児者支援の基礎講座や、法人関連施設・事業所の紹介等を行っています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人として人事考課制度を導入し、公正かつ透明性のある人事評価と計画的な人材の育成に努めています。法人共通の給与規程及び人事考課規程に基づき、給与体系や昇降格基準を明確化して、職員に周知しています。また、人事考課シートを用いて職員ごとの年度目標と達成時期、行動計画を具体化するとともに、定期的に目標管理面接を実施して職員の取り組み状況を確認し、意欲評定と能力評定、実績評価を踏まえた総合評価を行っています。職員の意向調査も定期的に実施し、職務希望や満足度等を聴取して意向把握に努めるほか、必要な助言や実務への反映も行っています。一方、職員が自らの将来像を描けるキャリアビジョンの構築は、今後の課題となっています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

管理課長を労務管理の責任者に位置づけ、センター長及び各課の責任者と情報を共有し、職員の就業状況の把握と管理を行っています。安全衛生委員会を毎月定例で開催し、労働安全衛生に関する対応を協議するほか、各種休暇の取得や時間外労働の最小化推進など、労働環境の改善に取り組んでいます。ストレスチェックを定期的に実施し、状況に応じて各課の管理職が随時職員と個別面談を実施し、必要な場合は休職や受診勧奨を行うほか、法人本部及びセンター内にハラスメントの相談窓口を設置しています。各種予防接種や健康診断費補助など、福利厚生の充実化に努めるとともに、コロナ禍における休業手当や男性職員の育児休暇や時短勤務も推奨し、働きやすい職場づくりにも力を入れています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「職員に求められる職務遂行能力」として、職種別に能力評定の基準を明示しています。法人全体で人事考課・目標管理制度を導入し、職員一人ひとりの段階的な育成と資質向上を図る取り組みを行っています。人事考課シートを用い、職員ごとの年度目標と達成時期、行動計画を設定するとともに、年2回の目標管理面接と年1回の意向調査を通じて、意欲・能力評定と実績評価、総合評価を実施しています。年度目標の内容は、職員の主体性を尊重しつつ、具体的な数値など明確な成果目標を示すことで、考課者・被考課者間の認識に齟齬が生じないよう配慮しています。また、年度事業計画と施設目標、部署目標と連動した内容とすることで、組織全体で事業運営の方向性や取り組みを共有できるよう工夫しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人共通の人事評価・能力評定の基準を「職員に求められる職務遂行能力」として職種別・階層別に明示し、人事考課に関する全体研修や目標管理面接等を通じて全職員に周知しています。指定管理に関する仕様書や指定管理業務基本協定書の配置基準に沿って医療・福祉の有資格者の採用を行うほか、法人の人事考課規程に基づき、所定の研修修了と人事評価の実績を管理職の昇格要件とするなど、組織運営に必要な専門資格・技術を明確化して、全体の認識の統一化を図っています。各課から担当職員を選任して研修委員会を設置し、研修計画に沿って様々なテーマで内部研修を開催しています。研修内容は実務に必要な知識・技術や職員の要望等を反映するとともに、年度末に検証・評価して次年度の研修内容に活かしています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

法人共通の研修体制を構築し、センターで実施する全体研修のほか、新任研修・階層別研修・職種別専門研修を実施しています。職務経験や職種・職責等に応じて様々なカリキュラムを準備し、人材育成計画に基づく段階的な職員教育を行っています。外部研修の情報は、回覧や専用ファイルで周知するとともに、希望者には可能な範囲で参加を認めています。全体研修は、より多くの職員参加に配慮し開催時間を調整するほか、非常勤職員を対象とした研修会も定期開催しています。経験の浅い職員とベテラン職員を組み合わせ、課ごとの専門職同士でOJTを実施するほか、法人内の事業所間の交流研修や、職種ごとに専門部会を発足して研修会や意見交換の場を設けるなど、法人全体で継続的に専門性の向上を図る取り組みを行っています。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

事業計画に「社会貢献(地域における公益的な取り組み)」として実習生受け入れの姿勢を明示し、次代の福祉人材の育成と実習指導を通じた療育内容の見直しを行う機会として、センター全体で実習生の受け入れを積極的に推進しています。センター独自の実習対応マニュアルに基づき、看護師や保育士、作業療法士及び言語聴覚士の現場実習を受け入れるほか、横浜市立大学附属病院から研修医の臨床実習も受け入れています。実習担当は各課の専門職及び通園課の主任が担当し、事前に綿密なオリエンテーションを実施して、センターの機能や特性をより的確に理解できるよう配慮しています。職種に応じて実習担当者を外部研修に派遣するほか、次期実習指導者の育成も行っています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

センターのホームページを開設し、センターの機能や相談の流れとともに、設立経緯と運営方針、基本理念等を分かりやすく紹介しています。センター事業を詳細に示した事業概要のほか、児童発達支援センター(通園課)の自己評価も掲載するなど、横須賀市の指定管理者施設として積極的に情報を公開し、運営の透明性確保に努めています。発達障害に関する啓発活動にも取り組み、発達障害をテーマにした療育講演会を定期的に開催し、広く地域住民に参加を呼び掛けています。横須賀市の指定管理者施設として、協定に基づき寄せられた苦情・要望意見と回答結果を開示するとともに、第三者評価を定期的に受審し、福祉医療機構(WAM-NET)の総合情報サイト等で評価結果を公表しています。地域の関係機関に案内文書やパンフレットの送付も行っています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

事務管理規程や文書取扱規程など、法人内共通の各種規程を用いて、適正な組織運営に努めています。各規程類は規程集ファイルに統合して事務所内に配置し、全職員が随時確認出来るようにしています。法人監事による内部監査を年1回、会計監査法人による外部監査を年2回定期的に実施し、理事会で結果を情報共有するとともに、法人のホームページを通じて現況報告書や各年度の決算報告及び監査報告書、収支予算書の公表も行っています。公認会計士、社会保険労務士等の外部の専門家による助言・指導を取り入れ、経営改善と効率化にも取り組んでいます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本理念に「横須賀に根ざし、地域とともにある療育を提供する」ことを掲げ、センターの考える地域との関わり方の姿勢を明文化しています。センターの通園施設のラウンジや診療所の待合スペースに、障害福祉に関する制度や福祉サービス、障害児の子育てサークル等の情報のほか、講演会等のイベントの開催案内を掲載するなど、地域の情報を積極的に発信しています。通園では、横須賀市教育委員会主催の作品展に子どもたちの作品を出展するほか、散歩や遠足などでも公共施設を積極的に利用しています。また、センターとして、障害児理解と療育の普及啓発に鑑み、医師等の専門家を講師に療育講演会を定期開催するなどの取り組みを行っています。そのほか、新型コロナの感染防止に配慮し現在は活動を中止していますが、公立保育園との交流保育や、通園の保護者会が主催する夏祭りへの協力など、様々な活動実績があります。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティアの受け入れに関する基本姿勢の明文化は行っていませんが「社会貢献(地域における公益的な取り組み)」として、ボランティアの受け入れ推進を事業計画に明示し、通園児の弟妹保育ボランティアの導入を行っています。ボランティアマニュアルを策定し、受け入れ時の手順をはじめ、子どもの呼称や衛生管理、プライバシーの保護、保護者の心理面への配慮など活動時の留意事項及び緊急時の対応等も明確化して、事前のオリエンテーションで説明を行っています。センター内に弟妹保育専用スペースを設置し、担当職員が仲介して利用調整を行っています。事業計画に学校教育への協力を掲げ、学生の職場体験の受け入れを実施しています。なお、令和3年度は県立養護学校の生徒の職業体験実習を受け入れた実績があります。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の関係機関リストを作成し、センター内の諸会議等を通じて各機関の機能や特性を職員間で情報共有しています。横須賀市が主催する社会福祉審議会や障害とくらしの支援協議会、障害関係施設協議会など、様々な会合に参画し、関係機関と連携して横須賀市全体の保健・福祉に係る共通課題の解決に取り組むほか、障害のある子どもやその家庭と、教育・福祉などの関係機関同士が共通の相談・支援ファイルを用いて情報を共有し、地域が一体となって支援の方向性の共有化を目指す「サポートブック」にも積極的に協力を行っています。
診療や相談支援事業の支援対象を18歳未満までとしているほか、利用終了後のアフターケア等を含め、サービス事業所の紹介や機関同士の連携のための連絡調整を実施するなど、地域の支援ネットワークの構築にも尽力しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

健康福祉センターや児童相談所、保育園・幼稚園、保護者や地域代表、学識経験者等が参加し、毎年2回定例でセンターの運営協議会を開催しています。協議会では、センターの運営状況の報告とともに、各関係者との意見交換を通じてセンターに対する要望・意見等を聴取し、地域の療育ニーズの把握に努めています。市内4か所の健康福祉センターと連絡会を開催するほか、市教育委員会の支援教育推進委員会や、地域の養護学校・特別支援学校の運営協議会にも参画し、発達障害を取り巻く地域課題の把握と解決に向けた協議を重ねています。児童発達支援事業所連絡会に参加するとともに、通園利用児の併行通園先への巡回訪問やセンターの見学受け入れも随時実施し、障害児支援に関する助言指導を行うなど、地域全体で障害児を支える体制作りにも注力しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

地域療育の拠点として、診療や通園等の専門機能の提供や地域の保育園等への巡回訪問、地域住民向けの療育講演会の開催、関係機関同士の連携推進など、地域コミュニティの活性化に尽力しています。センター運営協議会をはじめ、地域の小児医療・保健・福祉・教育に関する様々な会議に参画し、社会情勢の変化や地域ニーズを踏まえた新たな療育サービスの創出と具体的な実践にも取り組んでいます。横須賀市主催の「発達支援コーディネーター研修」の実習へ協力するほか、神奈川県の委託を受け「横須賀三浦圏域 医療的ケア児コーディネーター配置・運用事業」にも協力を行うなど、センター独自の高い専門性を活かし、様々な取り組みを推進しています。また、通園利用児のニーズを踏まえ、2021年12月より専用車両を導入し、医療的ケア児の送迎対応も実施しています。大規模災害発生時の福祉避難所として横須賀市の指定を受け、有事の要援護者の受入体制を整備し、災害備品の備蓄管理も行っています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

基本理念として、「子どもと家族によりそい、心あたたまる療育を提供します」を掲げ、全体研修や朝礼等で所長が説明しています。「倫理綱領」および「横須賀市子どもの権利を守る条例」を職員の見える所に掲示し、職員が意識して支援にあたれるようにしています。研修委員会による人権研修を定期的に実施していて、今年度は虐待防止研修を行っています。通園や早期療育教室では、日々の療育の終了後に振り返りをしています。所長を始め、職員皆が同じ職員室を用いていて、気になる事例があった時にはすぐに相談・対応する体制ができています。なお、定期的にチェックリスト等を用いて自己点検し、結果を集計・評価する仕組みの構築は今後の課題となっています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

倫理綱領にプライバシーの保護を記載し、職員に周知しています。おむつ交換はトイレで行うなど、子どもの羞恥心への配慮をしています。相談や診察などは個別の部屋を使用し、アセスメント時に「やってほしいこと」「やってほしくないこと」を保護者からしっかりと聞き取り、個々の意向を尊重しています。通園では、子どもの状況に応じて個別のスペースを確保するなどの配慮もしています。ただし、支援のマニュアルに子どものプライバシーや羞恥心への配慮について記載することはしていないので、今後の取り組みが期待されます。保護者には利用開始時に個人情報保護や写真・動画等のSNSへの掲載などについて説明しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

ホームページ、パンフレットでセンターの情報を提供しています。パンフレットには、センター理念とともに、地域生活支援部門、診療部門、通園部門の3つの療育機能、利用の流れなどの要点を分かりやすく掲載しています。文字を大きくするなど視覚的にも工夫しています。パンフレットは、健康福祉センターを始めとして学校、保育園、幼稚園などの市内の関係機関に配布し、情報提供しています。利用希望者からの問い合わせにはソーシャルワーカーが対応し、丁寧に相談を受けています。インテーク後には心理評価を実施し、医師の診療を待たずに支援が受けられるようにしています。通園の利用希望者に対しては、事前に説明会・見学会を実施しています。ホームページ、パンフレットは適宜見直しをしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

障害児相談支援や通園入園の際には、重要事項説明書及び利用契約書を用いて説明し、同意を得た上で、契約を交わしています。通園(ひまわり園)では、入園前に説明会を行い、園のしおりを用いて通園の概要や個別療育目標、通園バスの利用、注意事項などについて説明しています。保護者と複数回面談をして家庭の事情や要望などのニーズを聞き取って療育の方法を提案し、利用者の意向を尊重して通園回数などを決めています。外来では、早期療育教室などの療育プログラムの案内をしています。外国籍の保護者に対しては、通訳を介して相談を受けるなどの配慮をしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

センターでは、17歳まで外来を継続して利用することができ、担当のソーシャルワーカーが窓口となって利用者と保護者の様々な相談を受けています。18歳以降の地域移行を見据えて、必要に応じて障害者相談サポートセンターや基幹相談支援センターなどの地域の相談窓口につなげたり、入所施設や医療機関などの関係機関への引き継ぎをするなど、利用者のニーズに合わせた支援をしています。通園や療育教室では、必要に応じて、就学先の小学校への引き継ぎをしたり、小学校教諭の見学を受け入れるなど、連携してスムーズな就学につなげています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

通園や早期療育教室では定期的に保護者アンケートを実施しています。療育講演会後にもアンケートを取っています。子どもの満足度は、子どもの表情や言葉、反応などから把握するよう努めています。通園では、全体懇談会やクラス懇談会、年3回の個別療育面談を実施し、保護者の意見や要望を聞き取っています。また、保護者会があり、役員会には園長が出席し、意見を聞いています。運営協議会には通園2名、外来利用児1名の保護者も参加し、意見交換しています。把握した保護者の意見や要望は、管理職会議で取り上げて検討し、改善に生かしています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決責任者は所長、苦情受付担当者は管理課長で、第三者委員2名を定めています。各フロアの入口や通園のラウンジに「苦情申出窓口の設置について」を掲示するとともに、通園および障害児相談支援の重要事項説明書に記載し、保護者に周知しています。通園のラウンジには意見箱を設置しています。苦情や意見は管理職会議等で検討し、受付と対応は適切に記録し、部署ごとに保管しています。意見箱に寄せられた意見は、内容と回答を掲示して公表しています。苦情内容と対応策は必ず本人にフィードバックし、全体に関わる内容については個人情報に配慮した上で公表しています。保護者の声を受けて、ラウンジと診療所の待合スペースに地域情報を掲示したなどの事例があります。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

第三者委員の氏名と連絡先を掲示と重要事項説明書で保護者に紹介し、直接意見を申し立てることができるようにしています。外部の相談窓口として、横須賀市民生局福祉こども部指導監査課とかながわ福祉サービス適正化委員会を紹介しています。担当ソーシャルワーカーだけでなく、園長やクラス担任、その他職員や法人本部職員など誰でも相談を受ける体制がありますが、その旨を文書にして配布するまでには至っていません。相談の際には、プライバシーに配慮して個別の相談室を用い、落ち着いて相談ができるようにしています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

ソーシャルワーカーやクラス担任を始めとし、職員は皆、保護者の話を傾聴し、信頼関係を築くように努めています。意見箱(通園)、アンケート(通園、早期療育教室、療育講演会等参加者)などで保護者の意見を積極的に把握するようにしています。保護者からの意見で検討に時間がかかる場合には、状況を速やかに説明しています。遅刻や早退の際の出入口までに屋根がないという保護者の意見を受けて、雨の日の出入りの方法を検討したなどの事例があります。なお、苦情対応規程はありますが、相談や意見を受けた際の対応策についてのマニュアルは作成していませんので、今後作成していくことが期待されます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメントの責任者は所長で、月1回、管理職と各課の主任、看護師による安全衛生委員会を開催しています。危機管理マニュアルを整備し、定期的に見直しています。保育室に手順書「緊急時の対応メモ」などを掲示し、職員間で共有しています。事故は事故報告書に記録し、安全衛生委員会で分析・再発防止策を検討し、ヒヤリハットは毎月課ごとに集計して分析し、委員会で共有しています。また、報道などで得た事故事例を取り上げてセンターとしての対応策を検討し、職員間で共有しています。通園では、保育室内やバス添乗中における緊急時の対応訓練を定期的に実施しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症対策についての責任者は所長で、診療所の看護師と連携して対応しています。危機管理マニュアルに感染症予防と発生時の対応についての項目があり、職員間で共有しています。通園では嘔吐処理のマニュアルを掲示し、ビデオ研修を実施しています。各課で感染症の種類や対策について確認するとともに、看護師がセンター内をラウンドし、職員に指導をしたり、改善に向けてのアドバイスをしたりしています。新型コロナウィルス感染症対策については、管理職会議で方針を決定し、眼鏡とマスクの着用、手洗い・消毒の徹底などの予防策を講じています。マニュアルは定期的およびガイドラインの改正時などに随時見直しをしています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

危機管理マニュアルに地震や火災を想定した災害時の対応を定めています。通園では、毎月火災や地震、津波などを想定した避難訓練を実施していて、引き取り訓練も行っています。センターおよび入居する「はぐくみかん」全体での訓練もそれぞれ年2回実施しています。保護者には一斉メール、職員には一斉メールおよびSNSを用いて連絡する体制を整えています。非常食や備品のリストを作成し、管理課長が管理しています。センターは災害時における二次福祉避難所となっていて、横須賀市と協定書を交わしています。なお、高潮時の避難計画および福祉サービス提供を継続するための計画(BCP)については、横須賀市と協議・検討しながら作成を進めています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

一般的な業務は、センターの各課それぞれの業務内容に応じて、相談対応や設備・備品の使用手順等を示した簡易的なマニュアルを作成し、PCネットワークのフォルダや各々の場所への掲示を行うなど、職員間で共有・活用するほか、日常業務を通じて随時見直し・改訂を行っています。危機管理マニュアルを策定し、事故対応をはじめ感染症予防や食物アレルギー、医療的対応等の手順や留意事項等を詳細にまとめているほか、大規模災害発生時や不審者対応、子どもの所在不明等の対応も明示し、職員の役割分担等も明確化して職員間で共有しています。なお、センターの方針として、マニュアルにとらわれず柔軟にサービス提供を行うことを重視し、マニュアルに基づく実施手順の確認は行っていないほか、プライバシー保護や権利擁護の姿勢を明示するまでには至っていません。これまで蓄積した豊富なノウハウを維持・継続し、次代の事業運営に繋げるためにも、標準的な実施方法を明文化したマニュアルの整備とともに、プライバシー保護や権利擁護の姿勢を明確化することが期待されます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

各課のマニュアルは現場の業務状況に基づいて随時見直しと修正・更新を実施するほか、通園では、毎年度末に園長・主任が見直しを行い、内容を更新しています。マニュアルの検証・見直しにあたっては、各課内会議等で出された意見や職員の改善提案等を取り上げるとともに、通園児の状況や保護者等の意見を反映しています。危機管理マニュアルの内容は、制度変更や感染症対策など、最新の情報や実務の状況を踏まえて安全衛生委員会で随時検証・評価を実施するほか、2年に1度定期的に見直し・改訂を実施しています。一方、センターとして「マニュアルにとらわれない柔軟なサービスの提供」を重視する方針から、各マニュアルの内容は手順の明示が中心のシンプルな内容構成となっており、個別支援計画の内容を反映するまでには至っていません。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

児童発達支援管理責任者を個別療育目標/通所支援計画(個別支援計画)の作成責任者に位置づけ、担当保育士と協働して計画を作成しています。作成にあたっては、地域生活支援課のソーシャルワーカーが聴取した情報や医師の診療結果、発達検査等の内容を基に、独自様式のアセスメント表を用いて、心身の状況やコミュニケーションなど、複数の視点から詳細な状態把握を行っています。また、計画作成のためのカンファレンスを開催し、センター各課の専門職の意見を取り入れ、各々の課題に応じた目標設定と具体的な支援内容を明確化し、職員間で認識共有を図っています。支援困難ケースに対しても、健康福祉センターや児童相談所のほか、地域の保育園や児童発達支援事業等の関係機関と随時連携し、安定した地域生活を送ることができるよう、必要なサポートを行っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

園長を医療型、主任を福祉型の児童発達支援管理責任者として配置し、個別療育目標/通所支援計画(個別支援計画)の作成と支援の進捗状況の管理を行っています。個別療育目標の内容は、クラス担任と保護者とで前期・後期・まとめの年3回個別面談を実施し、アセスメント表に基づいて子どもの成長・発達の状態や支援課題の達成状況を相互に確認し、保護者の意向も聴取しながら支援の実践に努めています。また、子どもの心身の状態や保護者・家庭の状況に変化が生じた際は、随時計画の見直し・変更を行うこととしています。個別療育目標及びアセスメント表は、子どものケース記録に添付し、通園課の会議やミーティング等で職員に周知し、情報の共有化を図っています。個別療育目標は、必ず保護者にも配付して詳細に説明を行い、同意の署名を得ています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもに関する情報は、診療録に集約して管理するとともに、インテークや心理評価、各種訓練、アセスメントなどの様式を統一化して職員間で情報共有しています。また、PCを活用した情報共有システムを整備し、情報の重要度に応じて職員の階層別にユーザーアカウントを設定するほか、外部接続用PCで個人情報に係る操作を行わない等のルールを設定しています。法人の個人情報保護規程に基づき、USBメモリ等の記録媒体の帯出を禁止するとともに、規程に沿った使用を義務づけるなど厳正に対処し、適正な情報の管理に配慮しています。各記録の内容は課ごとに管理職が目を通し、主観的な記述など偏向がないか確認し、状況に応じて助言・指導も行っています。安全衛生委員会や評価会議、外来会議など、各課の職員が参加して検討を行う会議体をセンター内に複数設置し、多面的な視点で協議を行う体制を構築しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

法人として、個人情報保護に関する規程類を複数整備しています。センター独自にも「指定管理業務に係る個人情報の保護に関する規程」を策定し、横須賀市の定めに基づいて個人情報の管理について詳細に規定するとともに、情報開示請求に係る各種様式も整備して、適正な管理体制を確立しています。また、同規程の中で管理者の責務や情報の利用及び制限等を明文化し、不適正な情報の利用防止のための対策を講じるとともに、センターの就業規則においても、不適正な行為に対する罰則規定を明示して職員に意識付けを図っています。記録管理の責任者に法人の事務局長とセンターの所長・管理課長を位置づけ、法人の全体研修やセンターの安全衛生委員会を通じて職員教育を実施し、雇用形態に関わらず守秘義務・個人情報保護に関する誓約書を取得しています。通園の保護者等に対しては、入園説明会や重要事項説明書等を通じて説明し、書面で同意を得ています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

センターでは、子どもや保護者の意向を尊重し、必要な情報提供と選択肢を提示して主体的に意思決定ができるように支援しています。通園の利用など支援の方法を決定する際には、保護者の思いを傾聴して、子どもの状況を伝えていくつかの選択肢を提案して相談にのり、保護者が自己選択できるよう支援しています。通園では、子どもが楽しく通園できるよう、成功体験を重ねることで自信につながるようプログラムを工夫しています。保護者から子どもの好みを聞き取り、複数のおもちゃを呈示して選択するなどの活動に取り入れています。複数の遊びを用意するなど子どもが自己選択できる機会を多く設定し、子どもが選択して言葉で伝える練習を重ねることで、主体的に取り組めるように支援しています。言葉でのコミュニケーションが難しい子どもには、絵カードや写真、実物等を用い、子どもの表情や仕草などから子どもの思いを汲み取り、希望に沿った活動ができるようにしています。保育園・幼稚園と併行通園しているクラスでは、じゃんけんで順番を決めたり、鬼ごっこなどルールのある遊びを取り入れるなどし、主体性を育んでいます。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

倫理綱領と「横須賀市子どもの権利を守る条例」の逐条解説をセンター内に掲示し、職員に周知しています。研修委員会による人権研修を定期的に実施し、職員が意識して職務にあたれるようにしています。「身体拘束等の適正化のための指針」を整備し、外部講師による身体拘束の全体研修をするとともに、各課でも確認しています。職員は子どもと保護者の様子を見守り、虐待等の早期発見に努めています。虐待等不適切な養育を疑われるケースについては管理職会議で情報共有して対応について協議し、必要に応じて関係機関と連携する体制を整えています。同じ「はぐくみかん」内にこども家庭支援センターが入っていて、迅速に連携して対応することができます。利用者に対しては、重要事項説明書に対応方法を記載し、利用開始時に保護者に説明しています。通園バス使用時の腰ベルトの使用等については、医師や理学療法士などの専門職も参加して安心・安全面など様々な視点から確認・検討し、保護者にも確認して通所支援計画に記載し、実施しています。今年度、虐待防止委員会を発足し、今後は定期的に開催していく予定です。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

新規利用時には、ソーシャルワーカーが面談し、子どもの生育歴や心身の状態、家庭の状況、保護者の要望等を聞き取ってアセスメントをし、医師の診察前に、心理職が発達・心理評価をしています。医師の診察前に発達・心理評価をすることで、早期に支援を始められるようにしています。地域で実施している親子教室には、医師の診察なしで参加することができます。通園では、一人ひとりのニーズに合わせて個別療育目標を設定し、一人ひとりの自律・自立生活に向けた支援をしています。子どもの発達特性や年齢、保護者の就労や保育園・幼稚園との併行通園などを考慮し、週1回~週5回の多様なクラスを用意しています。保育室に、数字や絵カード、写真等を用いてその日の予定を分かりやすく掲示し、担任が子どもに合わせて説明して一緒に確認し、子どもが理解し、納得して次の活動に移れるよう支援しています。できたことは褒めて評価をし、段階的に次の活動につなげることで、子どもができることを増やせるように支援しています。通園のラウンジや診療所の待合スペースに福祉制度や社会資源についての情報を掲示するとともに、ソーシャルワーカーによる制度の活用や各専門職による自助具や車椅子、座位保持椅子等の選定、住宅改修についての相談など、個々に応じた支援をしています。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達状況を踏まえて、各診療科の専門医の治療方針に基づき、心理職、理学療法士、言語聴覚士、作業療法士等の専門職が検査・評価を実施して、個々の状況に応じた支援をしています。通園では、絵カードや写真、文字、実物など視覚的で分かりやすいコミュニケーション方法を工夫し、子どもが理解して見通しを持ち、コミュニケーション能力を高められるように支援しています。意思表示が難しい子どもには、職員間で連携して子どもの様子を観察して、視線や身振り、表情の変化など個々の子どもに合わせたコミュニケーションの方法を探り、子どもが理解できるコミュニケーション手段を獲得できるように支援しています。理解、表出とともに対人についての目標も設定し、おもちゃなどを自分で選択して意思表出したり、自分の意思を担任に伝えるなど、人と関わる経験を重ねられるようにしています。コミュニケーションの幅が広げられるよう、タブレット等のコミュニケーション機器も利用しています。外国籍の保護者に対して医療通訳や自動翻訳機を用いるなど、コミュニケーションを取るのが難しい保護者に対する配慮もしています

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

ホームページ、パンフレットにいつでも相談に応じる旨を記載し、ソーシャルワーカーを複数配置して相談に応じる体制を整えています。保護者からの相談はソーシャルワーカーや担任だけでなく、職種を問わず関係する職員がいつでも対応しています。必要に応じて心理職等の各専門職の面談の機会を設けています。ラウンジや外来の待合室に行政や関係機関の情報や制度の紹介、地域資源など様々な情報を掲示し、必要な保護者には個別にも提供し、利用者自らが選択できるようにしています。通園では、年3回個別療育面談を行うほか、連絡帳や日々の会話で保護者の状況を把握し、必要に応じて面談を設定して相談に応じています。療育面談では、子どもの育ちや子どもの取り組む様子について話し合い、個別療育目標・通所支援計画の確認や振り返りを保護者と一緒に行っています。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:a】

通園では、個別療育目標作成前にアンケートを実施し、保護者の要望を聞いています。把握した保護者の要望や子どもの興味、関心等を踏まえて一人ひとりの希望や特性に合わせた療育目標を設定し、活動プログラムを実施しています。個別の課題に沿った個別療育とともに、集団療育としてサーキット運動や、光遊び、季節の製作などの活動をしています。静と動のバランスにも配慮し、子どもを待たせることがないよう、活動内容に応じて小グループに分けるなど工夫しています。製作等は同じ内容でも、個々の目標に応じて内容や量を調整しています。自由遊びでは、子どもの興味・関心を広げられるような遊びを取り入れています。週5日通園のクラスでは、クリスマスやハロウィン、豆まきなどの行事を実施し、季節感を感じられるようにしています。週5日クラスでは、運動会や遠足も行い、今年度の遠足の行き先は保護者懇談会で意見交換して決めています。現地に直接行くのが難しい保護者には駅から職員が一緒に同行するなどの配慮もしています。地域のイベントや研修、肢体不自由児向けの運動クラブ、障害児と親のための地域団体などの情報を掲示し、保護者に紹介しています。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は、内部・外部に関わらず積極的に研修等を受講し、スキルアップに努めています。毎週の評価会議には、医師や看護師、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、心理職、保育士、ソーシャルワーカーなど多職種が参加し、子どもの情報を共有しています。子どもの不適応行動などには保育士が個別対応し、廊下や使っていない保育室でクールダウンしたり、園庭で遊ぶ時間を作ったりと、不適応行動に至らないような環境作りをしています。保育士は、子ども同士の関係性を把握し、グループ分けを工夫して活動の時間をずらしたり、活動人数を調整するなどの配慮をしています。園長は、保護者会の活動に参加し、保護者同士が円滑にコミュニケーションが図れるように努めています。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

栄養士は、残食を記録するとともに、クラス担任から子どもの喫食状況を聞き取り、子どもの嗜好を把握しています。献立は、子どもの嗜好に合わせて栄養士が作成した季節の様々な食材を用いたものとなっていて、外部の委託業者がセンター内の厨房で調理しています。季節の行事食など、子どもが食を楽しめるような工夫もしています。普通食の他、刻み食やムースなど特別形態食を用意し、摂食外来の医師の指示に基づき提供しています。「給食フォロー」として理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、栄養士などの専門職が食事の様子を見て咀嚼や摂食状況を評価し、椅子や食具、食形態の調整をするなどしています。食物アレルギーのある子どもには、主治医の意見書の指示に従い、除去食や代替食を提供しています。また、麺が苦手な子どもにはご飯、白いご飯が苦手な子どもにはふりかけを提供するなど、個別の食の嗜好にも対応しています。排泄は個々の子どもの状況に合わせて支援し、お漏らしなどで汚れた場合には、シャワーや清拭をしています。単独通園の子どもには希望により通園バスによる送迎をしています。昨年度からは、看護師が同乗する医療的ケア児の送迎も実施しています。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

清掃は、共有部分については外部の業者に委託し、保育室や訓練室等は担当職員が清掃・消毒を行っていて、清潔に保たれています。年に複数回、建物全体の清掃業者による定期清掃を行っています。内装は木材を多く用い、窓は大きく日当たりがよく、明るい雰囲気となっています。新型コロナウィルス感染症対策として、空気清浄機、サーキュレーターを設置し、換気を徹底しています。おもちゃや教材は使用後には必ず消毒しています。園庭があり、医療型や親子通園の子どもが主に利用しています。保育室を仕切ってプライベートスペースを確保し、子どもが集中して個別の課題に取り組んだり、落ち着いて過ごすことができるようにしています。必要に応じて廊下や使用していない保育室をクールダウンの場所として用いています。ホールはパーテーションで仕切り、小グループで安全に運動遊びを楽しめるように環境構成しています。遅刻や早退の際に利用する出入口までに屋根がないという意見を受けて、雨の日の出入口を検討するなど、保護者の声を安心・安全な環境づくりに反映しています。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

外来の小児精神科およびリハビリテーション科医師の指示のもと、一人ひとりの障害の状況や要望等を考慮したリハビリテーション目標を設定し、子どもの療育課題に応じて心身機能の改善に向けて支援しています。遊びを中心としたいろいろな活動を通して、手の機能や認知面等の発達を促し、日常生活に必要な力をつけられるよう指導や支援をしています。通園では、一人ひとりの特性や能力を引き出すねらいのある個別療育目標を設定し、運動や遊び、創作活動など様々な活動プログラムを策定して支援しています。医療型児童発達支援では水治療室を利用した水治療も行っています。「ひまわりフォロー」として、作業療法士や理学療法士、言語聴覚士、心理職がクラスの活動の様子や全体の流れを観察してアドバイスをしたり、多職種による摂食指導など、各専門職が連携して支援する体制ができています。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康状態は、診療の際の問診や検査を通じて状態を把握するほか、子どもの成長や発達、障害や疾病の状況に応じて定期の健康チェックを行っています。通園では、保育園・幼稚園・こども園に通っていない子どもを対象に、内科検診と歯科検診、身体計測、耳鼻科検診を実施しています。単独通園の子どもは連絡帳を活用し、登園時の状況と家庭での様子について保護者と情報交換しています。登園時に担任が子どもの健康状態を確認するとともに、通園担当の看護師がラウンドして子どもの健康状態の確認をし、職員の相談に応じています。必要に応じて、看護師が保護者面談に同席し、健康面での保護者の相談にのり、アドバイスをしています。医療型児童発達支援では看護師を常時配置し、毎朝健康チェックとバイタルサイン測定をしています。療育中の子どもの体調変化や怪我には、看護師と園長で確認し、必要に応じてセンター内の医師が診察し、緊急対応のフローチャートに沿って対応しています。医療型児童発達支援では、子どもの主治医から子どもの健康状態についての情報を得、連携して適切な対応ができるようにしています。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:a】

医療的な支援の責任者は所長で、医療的ケアの対応方針を明確化し、通園課の看護師が中心となって医療的な支援を実施しています。医療的なケアが必要な子どもは、子どもの主治医の診断書と保護者の記載した医療的ケアに関する同意書を提出してもらい、喀痰吸引や経管栄養、酸素療法、導尿などの医療的ケアを実施しています。単独通園にあたっては、多職種による会議で緊急時対応や、危機管理体制等について検討しています。医療的ケア児やてんかん発作などの慢性疾患がある子どもに対しては、個別の緊急時対応マニュアルを作成し、様々な場面を想定したシミュレーション訓練を実施しています。服薬支援は主治医の診断書を基に実施しています。基礎疾患に関わる薬は、毎回持参してもらって担任が確認して受け取り、看護師が管理しています。非常災害時に備えて3日分の薬の預かりもしています。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

センター基本理念に「横須賀に根ざし、地域とともにある療育を提供します」と掲げ、子どもと保護者が安定した地域生活を送っていけるよう支援しています。週5日クラスでは、年1回遠足に出かけ、子どもの経験値をひろげられるようにしています。近隣の散歩に出かけることもあります。利用者のニーズに合わせて社会資源の活用等の情報提供をしていますが、外泊や友人との交流の支援等はしていません。通園のクラスでは、おあつまりで着席して話を聞く練習をしたり、簡単なルールを決めて守るなどの就学に向けた取り組みをしています。また、面談等で保護者の思いや悩みを聞き取り、就学に向けての取り組み状況を確認し、意思決定できるようサポートしています。就学説明会で進学についての話をしたり、ピアカウンセリングとして「先輩ママとの座談会」を実施するなどの取り組みもしています。学齢期の子どもの相談にはソーシャルワーカーと診療部門で対応しています。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域の様々な社会資源の情報を収集してセンター内に掲示するとともに、利用者のニーズに応じてソーシャルワーカーが情報提供しています。通園では、子どもの8割強が地域の保育園や幼稚園、こども園、他の福祉施設等に通っていて、併行通園先を訪問したり、センターでの様子を見に来てもらったりして連携し、協力しながら子どもと保護者の支援をしています。就学にあたっては、就学先の先生と引き継ぎをしたり、様子を見に来てもらったりし、就学後もソーシャルワーカーが中心となって、個別相談に対応したり、学校訪問してアドバイスをするなどの支援をしています。17歳を迎えた子どもには、希望に応じて相談支援事業所や医療機関につなげています。また、センター利用者が通う学校や保育園、幼稚園へのソーシャルワーカーによる巡回相談、保育園や幼稚園、学校などへの訪問でのコンサルテーション、地域の支援者に向けての療育講演会などを実施し、地域関係機関と連携しています。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

センターでは、子どもと保護者が安心して地域生活を送れるように、保護者支援に力を入れています。新規申し込み後には、ソーシャルワーカーが面談に応じ、保護者の不安解消を図っています。早期療育教室、療育教室、親子教室には、保育士だけでなくソーシャルワーカーや看護師、専門職が入り、遊びを通じて状態を評価し、保護者の相談に応じています。また、懇談会を実施し、必要な情報提供や勉強会などを通して養育力を高め、保護者同士が交流できるようにしています。通園では、年3回の個別療育面談、療育参観、クラス懇談会、保護者勉強会などを実施し、保護者の子どもの障害への理解が深まるようにしています。外来を利用している未就学児あるいは学齢児の保護者を対象として「発達障害のあるお子さんへの対応の仕方」などの家族セミナーを年間を通して実施しています。必要に応じて家庭訪問を実施し、環境構成についての助言をするなどの支援もしています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用開始時にソーシャルワーカーが相談を受け医師の診断を経て、各部門や職種が連携して最適な支援を実施しています。専門職による個別的な発達支援、早期療育教室、療育教室、通園など子どもの状況や保護者のニーズに応じた支援を実施しています。通園では、多職種による評価を基に個別療育目標を設定し、子どもの課題に沿った個別療育とともに、集団での療育プログラムを通して、子どもが人との関わり方や社会性を身につけられるように支援しています。子どもの特性に応じて、集団での活動や簡単なルールのある遊びを取り入れ、集まりなどで人の話を座って聞くなどの経験をし、子どもが自立生活を送るための基礎を築けるようにしています。保護者懇談会などで必要な情報を提供するとともに、保育園や幼稚園、児童発達支援事業所などの関係機関と連携し、必要な支援をしています。

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】