社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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清水ヶ丘保育園

2023年04月03日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 清水ヶ丘保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 100名(利用者:92名) 名
所在地 232-0007
横浜市南区清水ケ丘25
TEL 045-242-1834 ホームページ https://shimizugaoka.u-i.or.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2020年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 石狩友愛福祉会
職員数
常勤職員:20 名
非常勤職員:15 名
専門職員
園長:1 名
主任:3 名
保育士:23 名
保育補助:3 名
栄養士:1 名
調理補助:3 名
施設・設備の概要
保育室:6室
トイレ:4箇所
調理室・厨房:1
事務室:1
育児支援室:1
調乳室:1
職員休憩室:1
園庭:あり

③ 理念・基本方針
石狩友愛福祉会は、保育理念として3つの心を大切にしています。ありがとうと「感謝できる心」、素直に相手の意見を聞き入れる「謙虚な心」、喜びも悲しみも同じように感じ相手に寄り添う「共感の心」。その心を忘れることなく、福祉事業を通し求められる社会的価値を地域社会に提供することを最大の理念としています。令和2年度民間移管園としてスタートした後は、安心・安全を大切に保護者が安心して預けられ、園児が安心して過ごせる保育園となり健やかな成長のために日々模索し、保育の質の向上に努めています。

保育方針
①人権に配慮し、一人一人の人格を尊重した保育を行う。
②子どもの発達に応じた環境を構成し、工夫して保育を行う。
③専門性や保育園の特性を生かし、保護者・地域への子育て支援を行う。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
園は最寄りの駅から徒歩7分と市街地にも近い環境です。園庭は0歳、1歳児クラス用の1階園庭と2歳~5歳用の2階園庭があります。屋上も安全に遊べる広い空間となっており、思い切り走ったりや三輪車を漕いで遊ぶなどに適して活用しています。また、近隣には大小さまざまな公園があり、散歩で出かけて園外の自然に触れる機会も多くあります。
 幼児クラスではコロナ禍の中,積極的な異年齢活動は控えつつも、朝夕は広い室内で一緒に遊んでいます。3、4歳児は5歳児にあこがれの気持ちを持ち、5歳児は年下児に対して年上らしくふるまおうとして、様々な体験や活動を共有する中で成長する姿が見られています。食事はランチルームと称した5歳児室にて3~5歳児クラスが一緒に席に着き、テーブルにパーテーションを設置して「美味しく食べる」「楽しく食べる」を大切にしいます。畑とプランターでイチゴや野菜を栽培し、クッキングを行うことで食育活動に取り組んでいます。
 どの年齢も、子どものやりたい気持ちを尊重し、子どもが選択できる遊びの提供を心がけています。子どもの環境についても、子どもが手にするおもちゃは発達に適した物を、手に取りやすくきれいに棚に並べるなど、健やかな成長を願い考えながら用意するようしています。そして、一人一人の子どもが、暖かいまなざしの保育士に見守られ、適切な援助を受けて自己肯定感を持てる人になるよう願って関わっています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/09/01(契約日) ~2023/03/07(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)子どもの主体性と選択性を尊重した保育を実践しています
選択肢が様々ある中で、こどもの主体性を尊重した保育を目指し、日々子どもたちの興味・関心を大切にした環境設定を行っています。広い保育室を生かしたコーナー保育では、子どもたちが好きな遊びを選べるようおもちゃや絵本の位置を設定し、子どもたちの遊びの充実を図っています。また、幼児クラスでは、子どもたちが話し合って、その日の活動内容を決めたり、行事の内容を考えています。職員は子どもたちの興味・関心が今どこに向いているかに注意し、職員間のミーティングで確認し合い、子どもたちが主体的に活動できる保育環境を検討し、実践につなげています。

2)経験豊かな職員のもと、質の高い保育を提供しています
2020年4月に横浜市からの民間移管を機に、法人がある北海道からの異動や横浜市内での採用などによって様々な保育を実践してきた職員が集まっています。それぞれの職員の経験を生かすため、毎日のミーティングや保育会議・職員会議など、話し合いや情報共有の場を多く設けています。法人として大切にしたいことや子どもたちの興味・関心を基本に、一人ひとりが新しいアイディアを出し合うことで多角的な視点を持った質の高い保育を提供しています。

3)中・長期計画の策定及びそれに基づいた単年度事業計画の作成が期待されます
法人で中・長期計画は策定しておらず、園独自の中・長期計画もありません。単年度の事業計画・事業報告は策定していますが、中・長期計画がないため、中・長期的な取組を反映した内容にはなっておらず、数値目標や前年度の成果を踏まえた当年度の目標も計画内にありません。この数年で取り組んできたことをベースとして数値目標や工程案などを記した中・長期計画を策定し、内容を反映した単年度事業計画の作成が期待されます。

4 )期待する職員像を明示して目標管理の仕組みを整備することが期待されます
年度始めの個別面談の際に各職員から今年度の個人目標を確認し、目標が見出せない職員には期限を設けて再度面談しています。各職員の目標について、年度末に達成度を確認しています。個々の目標はそれぞれの職員に合ったものになっていますが、目標水準、目標期限は明確ではありません。また、法人の理念は「感謝」「謙虚」「共感」ですが、園長の考えている「期待する職員像」が職員に明示されていません。今後、「期待する職員像等」を打ち出し、目標管理のための仕組みを作っていくことが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今回の第三者評価の受審を通し、評価機関の皆様に私たちの保育を見ていただき、いろいろな視点からの意見交換もさせていただき、評価出来る点、課題点を伝えていただいいたことは、これから4年目となる清水ケ丘保育園が前進する力となりました。
お忙しい中、保護者の皆様にはアンケートに協力いただきありがとうございました。これからも皆様と共に、安心で安全な園運営と共に子どもたちの主体性を大切にした保育実践をしていきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念及び横浜のグループ園と共通の保育目標を、園のパンフレットとホームページに記載しています。また、重要事項説明書、保護者懇談会資料にも記し、入園説明会及び保護者懇談会で周知しています。さらにパンフレットにはどんなことを大切にしているか、重要事項説明書にはどういう視点で保育を行っているかを記し、保育目標を達成するために園がどう取り組んでいるかがわかるようになっています。現在、園では、保育目標に沿って一人ひとりが主体的に遊びを展開できるよう工夫を重ねています。周知を図る取組は行われていますが、十分ではない状況です、更なる周知の取組と周知状況の確認、及び継続的な取組が期待されます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

待機児童の状況や外国籍の子どもの割合など南区の状況については、南区の園長会で情報を入手しています。また、法人が地域の状況や経営状況の分析を行っており、その概要については毎月開催されている法人の園長会に出席することで共有しています。ただ、園長は状況の把握が十分ではないと認識しており、今後法人とのさらなる連携が期待されます。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

園では最も重要な課題を人材の確保であると考え、グループ園とともに保育士養成機関を回って実習生を増やすことで、新入職員の確保につなげようとしています。また、法人の「両立行動支援計画」に沿って働きやすい職場づくりを進めています。園の課題は法人の園長会での報告を経て理事会で共有されていますが、職員への周知が徹底しておらず、園長は今後の課題と捉えています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

法人で中・長期計画は策定しておらず、園独自の中・長期計画もありません。園では中・長期的に解決すべき課題があることは認識しており、リーダー会議や職員会議で話し合っていますが、計画として文章化していません。この数年で取り組んできたことをベースとし、数値目標や工程案などを記した中・長期計画の策定が期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

単年度の事業計画・事業報告は策定していますが、中・長期計画がないため、中・長期的な取組を反映した内容になっていません。また、数値目標や前年度の成果を踏まえた当年度の目標も計画内に明記していません。中・長期計画を策定することによって、単年度の事業計画が園の取組の経過を反映したものになることが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画は園長と主任で策定し、完成した計画は職員会議で周知され計画内容を職員へ伝えています。園では毎年各職員が自己評価を行い、自身の課題と園の課題を記載していますが、その意見は事業計画に直接反映されていません。今後は、職員の評価、意見を反映した計画策定が期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

保育時間、保育園の一日、保育の特徴など事業計画の主な内容は重要事項説明書に記載しています。また、事業計画そのものを法人の他園と同様ホームページで公開しています。障害児保育、避難訓練、地域との交流など保育に直接関係する項目は保護者の理解を深めるためにわかりやすく記されています。その他、具体的な保育実践内容及び計画について保護者懇談会でも説明しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

保育の質の向上に向けて法人で毎年開催している「合同研修会」に参加し、一年間の成果を発表して翌年度の改善につなげています。昨年度はコロナ禍で研修会の発表自体は中止になりましたが、グループ園と交流保育を行って得られた多くの気づきを合同研修会の報告書にまとめています。気づきから保育内容を改善し、年度末の職員会議でも振り返っています。今年度は「保護者対応」という新たなテーマに取り組み、研修会で発表する予定です。また、毎年各職員が保育士としての自己評価と園の自己評価を行っています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

各保育士が毎年園の自己評価を行って、課題及び改善方法を挙げています。また、「リーダー会議」で園の取り組むべき課題をリストアップし、職員会議に提案しています。また、年度末の職員会議では次年度に向けた具体的な改善内容や方法を決定しています。民営化されて日が浅い為、改善計画の見直しにまでは至っておらず、今後の課題となっています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

園長の役割について、運営規定に「教育及び保育の質の向上を図り、職員の資質の向上に取り組むとともに、職員の管理及び業務の管理を一元的に行う」と記されており、園長は園の管理に関する方針を会議で周知しています。また、運営規定では園長の専決事項についても記しています。園長不在時は主任保育士に権限を委任することが決まっています。他の職員の役割についても運営規定で明記していますが、今後の課題として、さらに具体的な個々の職務内容の文章化が期待されます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は南区の園長会、法人の園長会で遵守すべき法律について理解し、育児休業など制度の変更について把握しています。遵守すべき法律で不明な点があるときは、園長経験の長い他の園長に相談・確認しています。リスクマネジメントなどの研修に参加しています。職員が十分に理解しておくべき法令については、園内研修で周知しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は日々の保育場面やミーティングを見回り、感じたことがあればすぐに職員と話し合いの場を持ち、速やかに改善できるようにしています。園長、主任、各クラスから選出されたリーダーが構成メンバーであるリーダー会議を毎月開催し、現場から挙がってきた課題を検討しています。重要な課題については職員会議や保育会議で問題提起し、改善策を全員で考えることで保育の質の向上を図っています。しかし、課題の共有化、改善策の具体化についてはまだ十分とは言えないと園長は考えています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は設備機器の交換や園舎の改修の必要性を見極めて法人に伝えています。民営化された当初は水回りを優先し、トイレの床などの改修を行いました。また、適正な人員数の確保に努め、クラスの子どもたちを小グループに分けて保育士を配置することで、業務の効率性を高めようとしています。組織内に同様の意識を形成するためにリーダー会議を設置し、各クラスのリーダーに経営の改善や業務の実効性の向上について提案する機会を作っています。しかし、これらの取組はまだ十分ではない点があると捉えており、今後の課題となっています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人で「採用部会」を設け、複数の園の園長が参加して採用計画を立てています。採用の計画や状況は園長会での報告で把握しています。ホームページに採用情報の欄があり、経験不問、人柄重視の方針、各種待遇と募集要項、職員の声などを載せており、ホームページからの問い合わせもあります。その他、実習生の積極的な受け入れや就職説明会への参加などの採用活動も行っていますが、職員の補充がスムーズに進まないこともあり、課題と認識しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人の就業規則で採用、異動、昇格、降格等の基準が定められています。人事考課制度で職務遂行能力や成果を評価しています。園長が職員の意向、意見を聞く場を設けています。法人の理念は「感謝」「謙虚」「共感」ですが、園長の考えている「期待する職員像等」は職員に明示していません。職員が目標を持って資質の向上を図るためにも、「期待する職員像等」を職員に示すことが期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

法人には職員を大切にする姿勢があり、両立支援行動計画を策定して、ワーク・ライフ・バランスに配慮した労務管理を行っています。法人のある札幌から横浜に転勤した職員もおり、社宅借り上げ制度や引っ越し費用補助があります。職員アンケートを実施して、待遇だけでなく労働環境など広く職場に対する意見を募り、相談を希望する職員に対して総務部長が面談を行い、改善策などを検討・実施しています。意向調査を毎年11月に行い、異動の希望などを確認しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

年度始めの個別面談の際に今年度の個人目標を確認し、目標が見出せない職員には期限を設けて再度面談しています。各職員の目標について、年度末に達成度を確認しています。個々の目標は、「発信力をつける」「環境保育を先輩から学ぶ」など各職員に合ったものとなっていますが、目標水準、目標期限は明確ではなく、「期待する職員像」も職員に提示していません。園では目標管理のための仕組みづくりを課題としています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

常勤職員向けの園内研修の計画を立て、事業計画に反映しています。園内研修では、乳幼児保育に関するテーマを定めて資料を作成し、全職員に報告して実践に生かしています。今年度のテーマはSIDS(乳幼児突然死症候群)や虐待予防、保育所保育指針などで、全5回のうち予定どおり4回まで終了したところです。このほか、年度中にインクルージョン、コミュニケーション力の園内研修も計画し、実施しています。今後は期待する職員像を明確にして、研修計画に盛り込むことが期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

各職員の研修歴を把握し、まだ受講していない研修への参加を促しています。受講しやすいようシフトの調整などもしています。キャリアアップ研修をはじめ、横浜市及び南区が主催する研修に参加できるよう情報提供を行っています。研修終了後は研修報告書を作成し、職員間で情報共有を行っています。新任職員については、各クラスのリーダーがOJTを行っています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

法人でも園でも実習に力を入れ、保育士養成機関と連携を図って、積極的に実習生を受け入れています。「実習生受け入れマニュアル」「実習生受け入れの手順」を整備し、それに基づいてオリエンテーションを行い、クラスに入った時の注意事項の伝達などを行っています。園長は実習計画に目を通し、担当保育士にアドバイスをしています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

ホームページに保育理念、保育目標、保育方針、事業計画、事業報告、決算情報を公開しています。今回初めて受審する第三者評価の結果は系列の園と同様、掲載を予定しています。「地域における公益的な取組」については、法人の現況報告書に記載しています。一時保育も実施していますが、ホームページの「一時保育対応の保育施設」の欄では実施状況が伝わりにくい状況です。園長はホームページのさらなる有効活用と地域に向けた印刷物や広報誌の配布を今後の課題としています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人が公正かつ透明性の高い適正な経営・運営を目指して、外部の専門家から定期的に助言を受けながら園の経営に携わっています。運営規定にもありますが、園の事務処理等についての権限・責任は横浜の系列保育園と業務を兼務している事務長が担っています。経理処理は経理規程に基づき適正に実施しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

事業計画・全体的な計画・年間指導計画の中で、地域との関わり方について明記しています。掲示板を活用し、地域の催しなどがある時には保護者に情報提供しています。コロナ禍でいくつか中止している交流行事もありますが、5歳児が公園愛護会会員と年に2回行う花植え活動と公園の清掃活動は今年度も実施し、地域との交流に努めています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

次世代育成に力を入れ、高校生のインターンシップやボランティア、中学生の職場体験の受け入れを行っています。「ボランティア・体験学習受け入れマニュアル」を整備し、ボランティア受け入れの目的とねらいを明記しています。コロナ禍でしばらくボランティアの応募が途絶えていましたが、今年度に入り少しずつ中学校や高校から連絡が入るようになり、体験学習を実施しています。応募者に対しては事前にオリエンテーションを行い、スムーズに子どもたちの中に入っていけるよう支援をしています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

子どもの育ちを支える関係機関について資料を作成し、互いの関係がわかるように図示しています。特に区役所のこども家庭支援課の保育園担当者、保健師と連携を密にしています。また、幼稚園、他の保育施設、地域の小学校と連携を図るため、南区の「幼保小交流事業」に参加し、5歳児が小学校を訪問して交流しています。要保護児童対策地域協議会に定期的に参加し、必要に応じて児童相談所と連携しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

社会福祉協議会、地域ケアプラザ、特別養護老人ホーム、町内会、更生保護女性会、異世代交流ひろば「かのえサロン」などと交流を行い、地域の具体的な福祉ニーズ・生活課題等の把握に努めています。南区地域子育て支援拠点や行政との連携を通して、コロナ禍で子どもが安心して遊べる場所が少なくなっているという情報を得ています。また地域の高校の運営協議委員会の一員として、子育て世帯を取り巻く状況を把握しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

南区地域子育て支援拠点や行政と連携し、地域の子育て支援として一時保育、園庭開放、育児相談を行っています。コロナ禍のため、一時保育については、受け入れを最大4人に限定し、他のクラスに入れず一時保育専用の部屋を使うなど、感染予防に努めています。園長は今後防災の備えなどについて地域と共有できないか、可能性を検討しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園の保育方針として、「人権に配慮し、一人ひとりの人格を尊重した保育を行う」とあり、職員にも周知されています。年度初めの職員会議では、保育所保育指針や全国保育士倫理綱領を読み合わせています。園では、子どもを尊重した保育の実践として、グループ園と交流研修会を実施し、子どもの主体性・選択性について学びを深めています。外国籍の子や障害児に対して、子どもたちが思い合える保育を実践しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

園では、子どものプライバシーについて十分に配慮しており、おむつ替えの際は、外部や他児に見られることのないようパーテーションの設置や別室で対応しています。プール遊びの際はカーテンで外部から視野を遮ったり、幼児クラスは男女で着換えを分けています。園では、今後、保育の中で配慮しているプライバシー保護についてまとめ、文書化する予定です。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

園の保育目標や基本的な考え方について、園のパンフレットやホームページで確認することができます。ホームページでは、園の概要、年齢別の園の保育の流れや行事などを確認することができます。見学希望者には随時対応しており、園長がわかりやすく説明し、案内をしています。また、南区の子育て情報誌「はぐはぐの樹」にも園が紹介されていて、園の利用希望者に必要な情報が提供されています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

保育の利用開始時に、保護者には入園のしおり(重要事項説明書)をもとに丁寧に説明しており、同意書をもらっています。また、年度や年度途中に入園のしおり(重要事項説明書)の変更があった場合、差し替えの文書を配布し、再度保護者から同意書を受け取っています。外国籍で日本語が不慣れな家庭には、ルビを振るなど個別に対応しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

卒園児や卒園児の保護者が園を訪問することがよくあり、園長・主任・職員で対応しています。相談などを受ける準備は整っており、相談できる部屋を用意することもできます。また、家庭の事情で退園した子が一時保育を利用することもあります。園では、卒園児、退園児、転園児の相談方法や窓口を明確に記した文書作成の準備を進めています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の保育の中で子どもたちが満足して楽しく過ごしているかは、職員が子どもたちの表情や会話から汲み取るようにしています。また、保育の様子を写真撮影しており、写真から子どもの満足度を確認することもできています。保護者には、行事の際や年度末にアンケートを実施し、定期的に満足度の確認をしています。把握した満足度は、職員会議で共有し、振り返りや改善検討の機会となっています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の体制を整備しています。苦情・相談の責任者は園長となっていて、第三者委員も設置しています。苦情解決のしくみを玄関に掲示し、「おひさまボックス」という意見箱を設置しています。入園のしおり(重要事項説明書)にも記載し、入園時に説明しています。苦情の内容は職員間で共有し、園長を中心に職員会議で対応や解決方法を検討した後、保護者へフィードバックしています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

入園時に、相談や意見を述べることができる苦情解決の仕組みについて説明しています。保護者へ配布する入園のしおり(重要事項説明書)には、「第三者委員制度」として相談・意見・要望についての記載があり、玄関にも掲示しています。意見箱も設置しています。園には相談できるスペースがあり、保護者が希望する時間に職員が対応する準備ができています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

職員は日々の送迎時に保護者と積極的にコミュニケーションを図り、保護者との信頼関係の構築を心がけています。また、保護者から相談や意見・要望があった場合は、園長・主任に報告し、迅速な対応に努めています。検討が必要な相談や意見・要望は、園長を中心に職員会議等で話し合い、保育の質の向上につなげています。 園では、行事ごとのアンケートの実施や意見箱の設置など、積極的に保護者からの意見や要望・相談を受けるようにしています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

事故発生時の対応や安全確保については、安全管理マニュアルに明文化しており、職員へも職員会議や園内研修で周知・確認をしています。園内でのヒヤリハットや事故報告は職員間で共有し、報告書を作成して記録に残しています。保育園や子どもに関わる事件・事故のニュースについては、職員と共有し、園での危険箇所や安全確認、保育の見直しなどに繋げています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症(予防・対応)マニュアルを整備し、感染症の予防や発生時の対応について明確にしています。また、感染症の流行時期を迎える前に、職員会議でマニュアルを確認し、嘔吐処理の園内研修を実施しています。感染症の予防として園内の消毒を徹底し、各保育室に空気清浄機を完備しています。園内で感染症が発生した場合は、保護者に確認をとり、周知し、注意喚起をしています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害発生対応マニュアルを作成し、災害時に備えています。園は土砂災害区域に指定されており、避難確保計画を作成して避難訓練を実施しています。災害時における保護者と職員の安否確認は、保育システムによるメール配信と災害伝言ダイヤルで確認することになっています。備蓄品の個数と賞味期限は主任が確認しています。年に1度、消防署に依頼して煙体験などの訓練も実施しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

標準的な実施方法については、「デイリープログラム」で文書化して職員に周知し、それに基づいた保育を適切に実施しています。デイリープログラムは事務室で確認できます。新規入職者への指導は、OJTによる個別の指導で徹底しています。園長と主任は時折保育に参加して、標準的な保育が実施されているかどうか確認しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

日々のミーティングや毎月の保育会議、職員会議での職員からの意見をもとに、標準的な実施方法の検証・見直しについて、年度末の職員会議で実施されています。法人の園長会でも検討しており、グループ園での情報を園での見直しの参考にしています。見直しに関しては、子どもの育ちや遊びを重要視しており、必要に応じて指導計画にも反映しています。また、保護者との面談やアンケート結果から標準的な実施方法の見直しにつなげることもあります。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

指導計画は各クラスの担任が作成しており、園長・主任・栄養士が参加する保育会議の場で共有しています。クラスの指導計画や個別の指導計画は、子ども一人ひとりの育ちや家庭状況を踏まえたものとなっています。入園時にも、保護者・園長・主任・栄養士で対応し、その子にあった個別の計画を立案しています。配慮が必要な子どもに関しては関係機関とも連携し、個別の保育計画を作成しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

保育の指導計画の評価・見直しについては、年間指導計画は期ごと、月間の指導計画は月末、週案は週末に担当保育士が評価・反省して、主任・園長が確認する手順になっています。また、月に1度の保育会議でも職員間で指導計画の評価・見直しをし、内容も周知しています。緊急時の計画の変更は毎日のミーティングや申し送りノートで職員に周知しており、口頭でも確認しています。評価・見直しについては、クラスや会議で話し合い、保育の質の向上に向けて課題を明確にし、次の指導計画に生かしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

園では、統一した書式で子どもの記録を管理し、職員会議で共有して、次期の計画につなげています。子どもの記録は、紙媒体及びネットワーク上で保管し、随時確認できるようになっています。新規採用の職員には、OJTで記入の仕方を指導しています。記録内容を園長・主任が確認し、職員によって記録内容や書き方に差異が生じないようにしています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

個人情報取り扱いマニュアル・個人情報取り扱い管理マニュアルを整備し、それに基づき記録を適切に管理しています。子どもや保護者などの個人情報が含まれているファイルは事務室の鍵付きロッカーで管理しています。またパソコンにはパスワードを設定しています。職員に対しては、入職時の説明及び定期的な確認によって周知を徹底しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、毎年度、職員からの意見を主任が集約して園長に確認し、職員へ周知しています。全体的な計画には、「保育理念」「保育方針」「園の保育目標」「保育姿勢」を明記し、個々の項目はそれに基づいて作成しています。また、「地域とのかかわり」「幼保小連携」「保護者・地域に対する子育て支援」などを項目に入れ、地域の特性として個別の支援が必要な家庭が多いことから、地域とのかかわりに重きを置いた計画となっています。全体的な計画は、毎年度、子どもの様子や保護者のニーズ・地域の保育ニーズなどをもとに見直し、指導計画に反映させています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

各クラスに湿温度計を設置し、職員は確認しながらエアコンや扇風機を作動させ、子どもたちが心地よく過ごせる状態を保持しています。また、各クラスに空気清浄機を設置し、適宜、換気をしながら感染症対策へ取り組んでいます。玩具は子どもたちの遊びに合わせ、職員が手作りすることもあります。調査日には、手作りのおでんの具材のおもちゃで子どもたちが見立て遊びを楽しんでいました。各クラス、廊下、トイレなどは清掃・消毒を徹底しています。集団での生活に疲れてしまった子が休んだり、一人になれるスペースや時間も用意してあり、子ども一人ひとりのペースに合わせた対応を行っています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

園の保育方針に「子どもの発達に応じた、人、物、場等の環境を構成し工夫する保育を行う。」とあり、一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に合わせた保育を実施しています。入園時の面談では、子ども一人ひとりの発達状況、家庭環境などの聞き取りをする中で状況を把握し、必要な支援につなげています。入園後は、子どもの様子に合わせて慣れ保育を行い、子どもが安心して自分の気持ちをありのまま表現できるよう、職員全員で意識しています。特に乳児や自分の気持ちを十分に表現できない子どもには、個々に合わせて気持ちに寄り添うよう配慮しています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

園では、保護者と連携し、一人ひとりの子どもが発達状況に応じて生活に必要な基本的な生活習慣を身につけていけるよう進めています。まずは、子どもが自分でやろうとする気持ちを大切にし、食事や衣服の着脱の場面などでは見守る姿勢で援助し、できたという達成感が得られるようにしています。乳児については、活動と休息の生活時間に個人差があるため、保育室の広さを生かして環境設定に配慮しています。体の仕組みや病気の予防など、基本的な生活習慣を身につける大切さを子どもたちにわかりやすく伝えています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

子どもたちの興味・関心に合わせ、自分でやりたいという気持ちを大切にした主体的な活動を多く取り入れた保育を展開しています。戸外活動では、ルールのある鬼ごっこやかけっこなどで十分に体を動かし、散策や落ち葉拾いなどで自然にも触れ、楽しめるよう援助しています。また、戸外活動は、横断歩道や信号などの交通ルールを確認したり、地域の方に挨拶したりなど社会的なルールを身につける機会にもしています。今年度は、バイオリンとピアノのコンサートなど、子どもたちが歌を歌ったり、リズムに合わせて踊るなど、自由に表現活動ができるような行事が予定されています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児の保育については、発達段階に個人差があるため、個々に合わせた指導計画を作成し、職員と愛着関係がもてるようにしています。0歳児は3名体制でゆるやかな担当制で、子どもたちの気持ちに寄り添い応答的な関りを意識しています。子どもたちの育ちに合わせ、手作りおもちゃを作成し、職員との関わりを大切にしています。また、広い保育室を十分に使い、運動遊びやリズム遊びで体を十分に動かすことを意識しています。送迎時には、保護者から家庭での様子を確認し、職員は一日の子どもの様子を伝え、子どもの育ちを共有しています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもたちが自分でしようとする気持ちを大切にして職員がかかわるように配慮しています。職員は子どもたちの興味・関心から遊びを展開できるよう環境を設定し、訪問日には、手作りのおもちゃでごっこ遊びを展開していました。戸外活動では、公園で落ち葉拾いをしたり、セミやダンゴムシなど生き物の観察などの探索活動を楽しんでいます。自我が芽生える年齢ということから、子どもたちの気持ちを受け止め、応答的な関わりを意識しています。また、おもちゃの取り合いなどの場面では、職員が間に入り、お互いの気持ちを代弁しながら友だちとの関りが持てるようにしています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳以上の一人ひとりの育ちに合わせ基本的な生活習慣が身に付くよう配慮しています。職員は、3歳以上児の保育において、異年齢でのかかわりを心がけて、年長児への憧れと年少児への思いやりが育まれるよう意識しています。給食時は、3歳児・4歳児・5歳児が同じ場所で食事をすることで、一緒に食べることを楽しんでいます。3歳以上児では、クラスごとに遠足に行くことで、他児とのかかわり、自然事象への興味・関心が経験できるよう意識をしています。5歳児の協同的な活動については、児童要録にて就学先の小学校に伝えています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

園内に手すりを設置するなど、障害のある子どもへの配慮を行っていますが、エレベータや多機能トイレの設置はなく、車いすを使用するなど身体的な障害がある場合の対応には課題があります。障害のある子どもに関しては個々の状況に応じた個別指導計画を作成し、クラスの計画と紐づけています。障害のある子どもには、子どもの気持ちを汲み取り、落ち着かない時には無理強いせずに落ち着けるよう、職員配置や環境設定を工夫して対応しています。保護者ともコミュニケーションを多くとり、家庭での様子を参考に園での活動内容を考え、安定して過ごせるようにしています。必要に応じて横浜市中部地域療育センターとも連携し、積極的に障害に関わる研修会に参加して、知識を深めています。保護者には、入園時に統合保育を実施していることを説明しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもたちが安心し、安定的に生活ができるよう、ゆとりを持った保育計画を作成しています。また、子どもたちが好きな遊びを十分楽しめるよう、絵本や玩具などの設定を行っています。室内や廊下の壁面の装飾は季節感のあるものを用い、子どもたちが落ち着いて過ごせるよう意識しています。朝や夕方は子どもの人数に合わせて、合同保育で異年齢と関われるよう設定しています。保護者への伝達は、クラス担任からの情報を担当の職員が口頭と視診表をもとに確認し、ミスがないようにしています。延長保育を利用する子どもには、補食・夕食の対応をしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画に、「幼保小連携」の項目があり、「アプローチカリキュラム」「横浜市保育所児童指導計画」「幼保小連携教育交流事業」が設定されています。実際の5歳児の保育では、時計を見て時間を意識したり、活動内容について子ども同士で話し合いをすることで、就学に向けての意識付けがされています。また、5歳児は近隣の小学校を訪問する機会があり、小学生との交流の機会にもなっています。また、職員は小学校の教員と意見交換の場に参加し、連携を深めています。保護者とは、毎年1月の懇談会にて小学校に向けての保育内容を説明しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康管理について、「健康管理マニュアル」をもとに一人ひとりの子どもの健康状態を把握し、年間の保健計画を作成しています。登園時と降園時には子どもの健康の状態を保護者と共有し、保育中の体調の変化は37.5度の発熱を目安に保護者に連絡しています。発熱だけでなく、顔色が悪かったり、普段と様子が違う場合や怪我や事故の場合も保護者へ連絡をしています。子どもの既往歴や健康に関する情報は、健康台帳に記録されていて、職員会議で職員にも周知しています。また、保護者からの新たな既往歴や予防接種の情報は送迎時や連絡帳で共有しています。乳幼児突然死症候群(SIDS)については、園内にポスターを掲示することで、保護者に対し情報提供をしています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

年2回健康診断及び歯科健診、月1度身体測定を行って、子どもの健康管理をしています。また、3歳児に視聴覚検診、3~5歳児に尿検査を行っています。健康診断・歯科健診・身体測定の実施後は、家庭での生活に生かされるよう保護者に結果を報告しています。また、健康台帳に記録して職員に周知しています。健康診断、歯科健診の受診に際して、保護者から質問があれば、嘱託医に伝えています。健康診断・歯科健診などの前に、子どもたちに絵本などを用いて身体の仕組みや健康についての話をしています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

園では、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」をもとに、アレルギー疾患のある子どもへは職員周知のうえで対応しています。アレルギー疾患の子どもの場合は、入園時の面談で園長・主任・栄養士同席のもと、アレルギーの状態について詳しく聞き取りをし、医師による「生活管理指導表」を提出してもらいます。食物アレルギー児への対応では、子どもに合わせた個別の献立を作成し、保護者との対応は主に栄養士が行います。誤食・誤配膳を防ぐため、専用の食具・食器・トレイを用意してアレルギー食とわかりやすくし、調理員と職員でダブルチェックしています。職員は、園内外の研修会に参加し、アレルギーについての知識を深めています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食育計画を作成し、保育と一体化した食育を実施しています。0歳児・1歳児・2歳児クラスでは、少人数のグループで食べることで、楽しく食事をしています。3歳児・4歳児・5歳児は、同じ場所で食事をしており、食事を通して異年齢同士の関わりも見られます。食事の際は、無理強いはせず、子どもの状況に応じた食事の援助をしています。園内で、ナス・インゲン・オクラなどを栽培し、季節の野菜に興味がもてるよう工夫しています。また、乳児クラスでは、トウモロコシなどの皮むきや幼児クラスはバター作りなどの食育活動を通して、食への関心につなげています。保護者には、給食のサンプルを掲示し、家庭と連携しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

園では、栄養士が子どもの発達状況に合わせた献立を作成しており、子どもからのリクエストメニューにも対応しています。献立は2週間のサイクル献立で、日々のミーティングで子どもたちの残食を確認し、残食が多かったメニューは、次に提供するときに色合いや形状を工夫しています。七夕やひな祭りなどの行事には、子どもたちの気持ちが盛り上がるような行事食を提供しており、クリスマスには子どもたちが自分で仕上げられるデコレーションケーキを用意しています。園では、なるべく地元の商店から食材を購入し、地域の食材や旬の食材を意識して給食を提供しています。食事中は栄養士がクラスを回り、子どもたちの喫食状況を確認したり、声をかけたりして献立作成の参考にしています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

0~2歳児クラスは全員、3歳児以上は希望者のみ連絡帳で家庭との日常的な情報交換を行っています。年度始めと年度の終わりにクラス懇談会を行い、参加できなかった保護者には資料を渡しています。個人面談を期間を設定して実施していますが、保護者または園が必要と考えた場合は期間に関係なく何度でも実施しています。また、保育の意図を理解し、子どもの発達や育児を共に考える機会となる保育参加を7~2月に人数制限を行ったうえで実施しています。保護者との情報交換の内容は、必要に応じて毎日のミーティングで共有しています。個人面談に関しては、面談記録としてファイルに綴っています。園では、コロナ禍とはいえ、保護者に保育の方針や意図を伝える努力がいま一つ足りなかったのではないかと考えており、感染予防に配慮したうえで、親子で参加できる行事を企画したいとしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者対応マニュアルを整備し、保護者との信頼関係を築くために必要な基本姿勢などを記しています。相談を希望している保護者に対しては、遅い時間でも園長か担任が対応しています。子どもの様子で気になることがあり、園側から保護者にアクションを起こす場合は、担任、主任保育士、園長で情報共有し、誰が、いつ、どのように声をかけるべきかを確認しています。まず面談を行うこともありますが、保育参加をしてもらってそのあとに家庭での様子を聞く場合もあります。必要に応じて関係機関とも連絡を取って支援しています。個人面談を行ったときは必ず記録を残し、気にかかる状況がなくなったあとも保護者へのアフターケアを行っています。ひとり親など、特に保護者支援の必要な家庭から土曜保育の申し出があった場合などは、快く預かるようにしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

虐待予防マニュアルを整備し、対応のフローチャート、発見や観察のポイントを記しています。虐待についての園内研修を実施し、南区主催の虐待の研修に参加しています。登降園時の保護者の声や様子、子どもの様子などが普段と違うときにはすぐに職員間で共有し、傷があるなど虐待等の疑いがあるときは、福祉保健センターのこども家庭支援課担当職員に連絡して面談に同席し、記録に残しています。今後見守りが必要となった場合は、個別に記録を取り、必要に応じて日誌にも綴っています。保育支援の申し出があれば積極的に対応しています。また、児童相談所に通告するケースでは、カンファレンスに参加して情報共有を行っています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

保育士は月間指導計画、年間指導計画、保育記録を通して、自らの保育実践を振り返り、自己評価を行っています。また、年度末には保育士の自己評価も行っています。しかし、これらの自己評価が園全体の保育実践の自己評価に結びついていないと園では認識しており、改善を試みています。まず、指導計画において子どもの育ちをしっかりとらえた上で全体を振り返るという部分が十分では無いと考え、次期の計画案に振り返りの内容が落とし込めるよう、記録の取り方も含めた指導を始めています。次に、各会議の中で、自己評価の内容について十分な検討が行えていないので、限られた時間の中で職員間で共有できる方法を検討しています。これらの取組により、保育士の自己評価が徐々に園全体の自己評価につながっていくことが期待されます。