社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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港北はぴねす工房

2023年04月20日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 港北はぴねす工房 評価対象サービス 2022~ 障害者・児福祉サービス版
対象分野 就労継続支援(B型) 定員 定員:35名(利用人数:42名) 名
所在地 223-0051
横浜市港北区箕輪町2-4-41
TEL 045-561-8270 ホームページ https://www.denkikanagawa.or.jp/service/happiness.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2020年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 電機神奈川福祉センター
職員数
常勤職員:6 名
非常勤職員:5 名
専門職員
施設・設備の概要
居室/数:10室
静養室:
面談室:
食堂:
作業室:3か所
更衣室:3か所
清掃用具室:
倉庫:

③ 理念・基本方針
運営法人である社会福祉法人 電機神奈川福祉センターの運営理念として
①障害者の社会的な自立
②地域福祉の充実を目指す
③福祉に対する啓発
使命:ミッション 最善最適なサービスの提供
誓い:コミットメント 絶えざる研鑽と成長
を挙げています。
これらを踏まえて、本年の重点目標を
①第三者評価を受審し、利用者処遇に関わる記録の管理、個別支援計画の適切な運用、必要な規定の整備を行ない、健全な事業所運営を目指します。
②利用者の自己決定や権利擁護に係る職員研修を実施し、施設運営に生かしていきます。
としています。
その実現に向けて、施設長は基本指針として職員に対し示しています。
利用者に最善最適なサービスの提供をするために、職員が絶えざる研鑽と成長をしていきましょう。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
東急東横線日吉駅と綱島駅の中間に位置する就労継続支援B型事業所です。以前は横浜市の授産施設でしたが3年前に現運営法人下の施設となりました。作業場は3つあり、紙器の製造、緩衝材の生産、スプリングの検品などの作業が行なわれています。自立度の高い利用者が、作業を通し、自立生活・就労を目指すことを目的とした施設であり、医療的支援・生活介護などのサービスは行なっていません。またここで提供されるサービスの大半は作業場での作業中心であり、いくつかの項目では読み替えが必要です。
・働く場を通じて社会的な自立を目指して、できるだけ高い工賃を得ながら質の高い生活ができるようにしています。
・意思決定支援の実践としては、当事者会を立ち上げ、施設のルールや活動について当事者会で話し合うことを行なっています。話し合った内容については議事録を作成し、掲示しており、実践の成果物としては、「昼休みのTVチャンネルをルール化」したことや、仕事ばかりではなく仕事が終わった後の「お疲れ様会」というお茶会を開催し、働いて得た工賃を使い、仲間との懇談することで癒しや働きがいを得て、働く尊さを知る機会を提供しています。このことにより当事者の尊厳が守られる重要な活動として位置づけています。
・施設で利用するだけでなく、就労したいというニーズに対しても経験豊富な職員がそろっており、いつでも就労する機会の提供が可能であり、施設の戦力になっていたとしても、本人の意思決定を尊重する施設運営をしています。
・ものづくり経験のある定年退職をした企業OBを雇用し、生産工程に入ってもらうことで、品質や納期等の外注からの依頼に適切に対応することができ、信頼を得ることにより受注量が増え、工賃アップにつなげることができます。
・福祉(障害、高齢、児童)、企業、教育、医療(看護師)等、幅広い経験を持つ職員がいるため、目指すべき方向性が定まらないことがあります。一方で、その多様性が時には利用者の可能性を広げるアイディアにもつながっているため、多様性を認め、利用者に良い影響がでるように方向付けをしていきたいと考えています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/08/01(契約日) ~2023/03/23(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)高工賃を目標として利用者のやりがいにつなげています
事業計画の目標として平均工賃25,000円を掲げ、利用者と職員が協力して取り組んでいます。玄関に目標を掲げ、利用者にも分かるようにしています。作業は利用者が分かり易いように手順を図で示し、少ない工程を受け持つ作業者も順次多くの工程を担当できるように工夫しています。利用者の状況に沿った作業環境を整え、利用者が目標工賃の達成にチャレンジ出来るように支援しています。利用者個人の特性に合わせて役割を持ってもらい、取り組む意欲につながるようにしています。

2)巧みな人材戦略による専門職員配置で支援の質を高めています
施設長自身の就労支援の経験から、利用者支援の体制を整えています。生産管理に詳しい定年退職者を採用し、利用者が作業しやすいように冶工具や作業工程の見直しをしています。作業効率の工夫に取り組み、利用者の行える作業の可能性を広げ、工賃上昇で実績を残しています。就労や社会的自立のための利用できる多種多様な社会資源の情報を得るため特別支援学校における経験豊富な進路担当経験者も手配しています。職務に長く勤務できる可能性のある非常勤職員として雇用し、継続的な支援体制を整えようと考えています。

3)専門職員を配置し、サービスの充実を図っています
様々な職種の経験を持つ職員を揃え、多様性を持った対応が期待できます。事業所の基本指針として、利用者に最善最適なサービスの提供をするために、職員が絶えざる研鑽と成長をしていきましょう、を挙げており、職員の満足度を上げ、事業所内の雰囲気の改善に役立っています。今後は各分野の専門職を配置することで更にサービスの充実を図ることを検討しています。

4)利用者ニーズを引き出し、個別支援計画作成に取り組んでいます
現在の施設長着任前の約1年程度の期間、個別支援計画書の作成が出来なかった時期がありました。原因などについて調査を進めています。昨年後半から、アセスメント、モニタリング、計画の策定など個別支援計画書の作成プロセスを実施しています。現在、計画策定を行い、アセスメントの際は日頃の会話を充実させて行っています。利用者の日頃の活動を通じてニーズを把握する工夫をしています。

5)事業所独自の中・長期計画の策定が望まれます
法人の中・長期計画には港北はぴねす工房が盛り込まれておらず、新しい中・長期計画の策定が予定されています。事業所独自でも中・長期的視野での施策を検討しています。事業所内での後継者育成や福祉資格所有者育成など次期のリーダー育成が課題となっています。方向性など、検討している内容を文書化し、職員や関係者と共有することが望まれます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今回は第三者評価を初めて受審することとなり、職員のグループワークやアンケート等を通じて、日頃の支援や方向性などを多角的に点検できる時間となりました。その中で、法人としては中長期計画の策定はしていたものの、施設の中長期計画の策定はしておりませんでした。中長期計画から施設の地域における在り方を見極め、1年毎に計画的に進めていく重要性を改めて認識をしており、個別支援計画書未作成案件も含め、改善に取り組みたいと考えております。
 今回の評価結果を受けて、組織的な取り組みや人事評価制度、研修等の取り組み、従業員満足度を上げる仕組み、利用者支援の取り組み等において評価を頂いたことについては、法人が掲げる理念とともに「(ミッション)利用者へ最善最適なサービスの提供をするために、(コミットメント)職員が絶えざる研鑽と成長をする」と言う目指すべき方向性について実践できているということが改めて感じることができていました。今後も、このような機会を定期的に設けていく必要性を強く感じました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

「社会的な自立」などの3項目を理念として、その理念達成のためのミッションやコミットメントをパンフレットに記載しています。業務日誌に理念や運営方針を記載し、職員は常に確認しています。全職員が出席する全体ミーティングや作業改善会議において、月1回は理念等を職員が確認し、理解を深めています。家族や利用者には重要事項説明書で説明しています。さらに障害を持つ利用者のために、資料「利用する上で大事なおはなし」を作成し、施設の目的や利用する際の注意点なども含め分かり易く説明しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

法人からの情報や横浜市障害者プランなどから、業界や地域全体の状況を把握、分析しています。特別支援学校や紹介する団体からの利用者が多く、事業所の定員を充足しています。そのため潜在的な利用者把握や地域での課題について十分な把握を行っていません。就労継続支援事業所であり、仕事量の分析や利用者の作業コスト分析などについては、定期的に把握、分析を行っています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

毎月開催の法人連絡会で経営状況の把握や分析を行っています。事業所では自立支援協議会の就労支援分科会で課題把握を行っています。法人からの経営情報を含め、経営環境などを会議で職員に知らせています。事業所では把握が難しい地域支援を事業所の課題ととらえ、他の機関と連携を図っています。課題解決に向けて、地域ネットワークに詳しい学校の元教師を非常勤職員として迎え、具体的な取組を進めています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人による中・長期計画「2018-2023発展強化計画」を策定し、振り返り、中間報告で修正しています。見直し後に事業所が公立から移管されたため、その後の見直しがなく、港北はぴねす工房の事業が中・長期計画に反映されていません。中・長期計画は作成時の各種事業について、課題と解決の具体策を示し、評価が出来る内容となっています。事業所では、来年度以降の中・長期計画策定を進めています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人の中・長期計画の方向や課題をもとに事業計画を策定しています。中・長期計画には該当事業所の情報がなく、事業計画は中・長期計画との関連が不十分となっています。事業計画は港北はぴねす工房も含めた計画として法人でまとめています。事業所部分の計画では、2項目の重点目標と3項目の就労支援活動、及び運営に関する4項目の施策を明記しています。就労支援活動では、利用者の月平均工賃目標25,000円を掲げ、全員で目標達成に取り組むこととしています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業計画は職員ミーティングなどで状況や意見を把握し、施設長と課長が相談して作成しています。決められた手順により作成した計画を、法人理事会に挙げて承認を得、その後職員に周知しています。事業計画は半期ごとに生産活動や苦情解決、安全衛生などを振り返り、理事会に報告しています。出勤率が計画とは異なり、予算や施策を変更した事例もあります。事業計画を評価し、年度ごとに事業報告書を作成して関係者に報告しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

保護者会である「はぴねす会」を年3回開催し、事業報告と事業計画を報告しています。法人全体の事業計画書をホームページで公開しています。事業所独自の事業計画を玄関に置き、工賃などの事業目標を掲示していますが、事業計画の周知や説明の工夫には課題もあります。親と同居している利用者も多いため、保護者には計画の他に関連情報を伝えています。事業における工賃収入や利用者の内訳、会計の仕組み、障害者グループホーム情報などを保護者に伝え、保護者に安心してもらうようにしています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

支援の質の向上について法人の理事会や評議員会で審議しています。事業所では年に各2回の利用者アンケートや保護者アンケートを実施して評価しています。事業所では全体会議、作業改善会議などで、支援の質の向上に取り組んでいます。事業所内に苦情解決委員会や安全衛生委員会など各種委員会を組織し、評価して改善につなげています。法人の計画により第三者評価を定期的に受審していますが、定められた様式による自己評価は毎年行ってはいません。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

利用者支援について、苦情解決委員会や虐待防止委員会などでの評価結果をもとに改善に取り組んでいます。ヒヤリハットについては担当者を決めて、年間の傾向などを分析しています。安全衛生委員会による職場確認により、苦情や事故につながる前に対策を講じ、記録に残しています。検討により給茶機の配置換えや作業段ボールの整理などの事例があります。利用者同士のトラブルを避けるため、個人の作業時間帯を変更するなどの改善を行っています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

運営規程に管理者およびサービス管理責任者の職務内容を記載しています。組織図で管理者およびサービス管理責任者である施設長の責任を示しています。施設長は目指すべき方向性と自らの役割を全体ミーティングなどで取り上げて伝え、日々の活動の中で具体的に説明しています。施設長の自らの役割と責任について伝えていますが、文書化して表明してはいません。法人の職務規定やBCP(事業継続計画)により、災害時の代行や権限移譲について明記しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設長は横浜市が実施する指導者集団講習会で勉強し、遵守すべき法令等を理解しています。横浜市の障害福祉サービスガイドブック等で理解を含め、利害関係者との関係を適切に保持しています。管理職研修ではインボイス制度についても研修を行っています。虐待防止研修の受講が義務化されたことを受けて職員研修を実施し、虐待防止委員会と連携させています。法令遵守に関係する事例などを夕方のミーティングで取り上げ、職員の法令遵守に取り組んでいます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は事業所の状況を把握し、朝礼や夕礼、臨時職員会議等を開いて問題を共有し、改善策をミニ研修会などで検討しています。利用者処遇においてのヒヤリハット事項に取り組み、館内整備では清掃担当を採用するなどの改善を行っています。「Good-Job制度」を活用して、職員や部門での良い取組を取り上げ、共有すると共に活性化を図っています。この制度で事業所から作業を分りやすくする工夫などで複数表彰を得ています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は事業計画をもとに予算と実績の管理、人事、効率などの業務をリードしています。事業計画の目標である工賃アップに向けて生産管理の熟練高齢者を採用し、作業の手順や配置を見直して効率を上げています。事業目標については職員だけでなく、利用者とも現状や改善を共有して成果に結びつけています。人員構成では熟練と経費のバランスを考え、常勤職員と非常勤職員を配置しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

事業所運営に必要な人材や人員体制の基本的な方針を定めています。利用者の就労支援や自立支援を行うために必要な経験のある専門職を採用しています。話し合って仕事を進める体制により、職員の定着率も高くなっています。職員の産休による休職者の補充や福祉資格を持つ職員が課題となっています。利用者の作業支援や自立支援などの専門家による運営体制を計画的に整えています。法人では人材確保の計画のもと、WEBなどの手段を通じて募集し、段階的に面談して採用しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人によるキャリアパス制度により、期待する人材像を明確にしています。7等級のキャリアレベルに応じた専門性や職務能力を定めて人事考課や報酬と連動しています。職員の自己申告と上司との確認・評価によりキャリアアップの制度となっています。事業所ではキャリアパス制度により人事管理を行っていますが、その運用に対して職員が評価しておらず課題があります。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

事業所では施設長のもとに職業指導と生活支援、目標工賃達成指導の責任体制を明確にしています。その体制の下に職員の勤務状況を把握して、本人の希望や意向を聞き、働きやすい職場づくりに努めています。有給休暇も毎月取るように指導して達成しています。「Good Job制度」で良い点を認め合う人間関係もでき、働きやすい職場となっています。労働組合が設立母体である法人として、職員の就労しやすい労働環境に配慮しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

キャリアパス制度により期待する人材像を明確にし、それぞれのレベルごとの職能キャリアプランがあります。プランには利用者支援、日常業務、外部交渉、人材育成などについての役割が明確になっています。職員は7段階の職能が決められ、組織運営にあたっての職位(所長は5等級相当)と連携しています。職員はキャリアパス評価と働く姿の評価による面談シートを用いて自らの目標と実績を明確にしています。本人記入後に、上司の評価、協議後結果と考課につなげています。自己申告と面談は中間を含めて年2回あり、人材育成を行っています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

年度ごとに個人別の職員研修計画があります。専門的な研修は常勤職員に行い、資格取得の研修も受講してもらっています。非常勤職員は現場指導が主なため、内部での研修となっています。内部研修は15分ほどのミニ研修、全体研修、目的別研修があり、毎月実施しています。研修報告書により研修内容を共有し、研修の評価も行っています。研修計画や研修内容について、その都度見直しをしていますが、定期的に手順を決めては行っていません。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

それぞれの水準に応じた研修計画により、職員に受講してもらっています。キャリアパス制度の中で、研修未達成状況を確認し、受講を促しています。中途採用の職員にも階層別研修に参加してもらい、該当研修が実施されない場合は管理者が講師となって研修を行っています。外部研修ではズームを使っての研修もあり、非常勤職員にも受講してもらっています。今年度より職員のレベルに応じてOJT による研修制度も実施しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生受け入れの基本姿勢などを明記した受け入れマニュアル策定しています。「障害者を理解してもらうこと」「働く事の重要性を理解する」の資料などを整えて、専門学校からの保育士実習生を今年度も2名を受け入れています。受け入れは研修を受けた施設長と課長が担当し、実習派遣元の学校とプログラムなどの確認を行っています。2週間の実習に対して、実習前のオリエンテーションと実習後の反省会を開いています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

ホームページにて法人や事業所の理念や基本方針、サービス内容、事業計画、事業報告、会計報告を公表しています。また、第三者評価の結果や運営規定、苦情解規程、役員報酬規程、指導監査結果通知等も掲載しています。事業所での苦情や利用者間トラブルについても個人情報に配慮して掲載しています。事業所のパンフレットなどは、養護学校や地域ケアプラザなどに配布しています。ホームページでは障害者雇用を検討している企業に向けて、特徴や採用までの流れ、Q&Aを載せています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

事務や経理に関する請求マニュアルや文書取扱規程で権限や処理手順を明確にしています。法人による事業所への内部監査や、外部の専門家による法人への監査を定期的に実施しています。監査による状況や対応を理事会や評議会で確認、審議を行っています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

理念に「地域福祉の充実を目指す」を明記して、「わたくしたちは、これからも地域の福祉力アップのために努めます。」を掲げています。事業所内の掲示板やホワイトボードに利用者が活用できる社会資源などの情報を掲示しています。コロナ禍でもあり、行事に地域の方を招待するイベント等の開催はありませんが、利用者の集い「おつかれさま会」で地域の飲食店を使っています。日吉の駅前の企業見学により交流を行っています。防災訓練は地域の小学校の協力のもとに実施し、協力と交流を行っています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティアを受け入れ、利用者の作業を手伝ってもらうことを方針にしていますが、基本姿勢を文書化していません。養護学校には就労支援での作業や自立支援活動などを紹介し、教育に協力しています。また、養護学校などからの見学を年に50人ほど受け入れて紹介すると共に利用者の励みにつなげています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

理念に「福祉に対する啓発」を掲げて関係機関と連携しています。関係者が集まる港北区自立支援協議会には年4回参加しています。2ヶ月に1回開催する協議会の就労支援部会へ会場の提供をし、事業所の活動を見てもらっています。横浜市知的関連施設協議会や民間企業ネットワークなどの経験から得た施設長の人的ネットワークとの連携を図っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

関係機関との連携や地域との交流を通じて、地域ニーズを把握するように努めていますが十分ではありません。養護学校や通える範囲の障害者など幅広いエリアでのニーズを把握しています。事業所に関連する団体を把握して、事業報告書に関係図を記載し、連携できるようにしています。近隣地域でのニーズ把握と地域支援の検討が課題となっています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

養護学校の要望に応じて現場実習を受け入れています。特別支援学校のPTAの集まりで講演を行っています。企業や教育部門、福祉部門に呈して就労継続支援の役割や存在価値を伝える努力をしています。企業などの関係者に見学や講義を行い、障害者支援の啓発を行っています。事業所による地域コミュニティへの参加や活性化への協力には至っていません。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

理念に「障害者の社会的自立を目指す」と明記し、障害者一人ひとりの個別の目標を設けて、総合的な育成を図っています。就業規則で倫理について明記し、職員は実践するようにしています。虐待防止と権利擁護の研修を実施しています。利用者を尊重し自己決定することを支援しており、事業所内では当事者会「みなみ会」で話し合うようにしています。食堂にあるTVのチャンネル決定に関して、「みなみ会」で話し合って決めています。話し合いでは言い合いの場面もありますが、自分の意見を出すことが大切と考えて、職員は見守る姿勢を取っています。決まったことは守ることが徹底されています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

個人情報保護規程について定めていますが、プライバシー保護の規定やマニュアルはありません。ビジネスマナーとして、利用者の不安定な気持ちへの対応やプライバシーに配慮しています。新人研修では利用者への配慮について学んでいます。利用者の嫌なことを小さな苦情ととらえ、気付いて対応することで、利用者の安心につなげています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

利用希望者には個別に丁寧な説明をしており、見学、体験実習等の対応をしています。近年、利用希望者の多くは養護学校の卒業生であり、在学中から体験実習にくる方が多い状況です。また、他施設等からの利用希望者にも体験実習が行われています。2週間の実習で事前調査を行い、本人の意向の確認とアセスメントを実施し、利用までに暫定的な個別支援計画を作成します。利用対象者は65歳未満の障害者(療育手帳保有者)で、住所を所轄する福祉事務所(福祉保健センター)に施設利用希望を提出してもらいます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

利用開始時には、利用契約書、重要事項説明書、個人情報同意書について説明を行い、同意を得ています。表現をシンプルでわかりやすいものにした利用者版を作成しており、事業所の概要や支援内容なども簡潔に表現されています。また、サービスの変更の際にも、利用者へ説明を行い、同意を得るようにしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

当事業所のサービスの終了として、就労などの場合は、就労後の相談について書面での取り交わしはしていませんが、口頭により相談はいつでもしてよいことを伝えています。利用者本人よりも保護者から相談してよいか等の問い合わせがあり、対応しています。また他のサービスに移行する利用者については、基本情報などを記した引き継ぎ資料を移行先の事業所に送付し、支援の継続性に対応しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

以前からアセスメントに合わせて、年2回利用者の意見を求めるアンケートは行われていますが、満足度調査という形でのアンケート形式の調査は今回の第三者評価が初めてです。その他にも日常の支援の中で利用者との会話をする機会を増やし、都度記録していくことで利用者のニーズを引き出すようにしています。アセスメントのための面接ではなく、この方法で対象期間の利用者ニーズを引き出しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

法人では苦情解決事業規程を設け、苦情の範囲、苦情解決責任者の設置、苦情の受付、解決に向けての話し合いや報告、記録についてそのプロセスを定めています。具体的には事業所の所長が苦情解決責任者、課長が苦情受付窓口にあたっています。利用開始時の重要事項説明書で、第三者の苦情受付、行政機関の苦情受付窓口等の連絡先などを案内しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

日頃から事務所の職員が利用者の面談を実施しています。相談があれば現場職員に声がけをして、相談・意見を伝えやすいようにしています。障害特性に応じた説明方法や、静養をしてから面談を実施するなど、その時の状況に応じて対応をしています。相談体制については公表されており、見やすい場所に提示されています。相談場所は内容や状況により面談室や静養室等で行っています。アセスメント前にはアンケートを行い、そのなかでは話やすい職員名を書く欄もあります。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

利用者が打刻するタイムカードのラックの横に意見箱を設置しています。メモを書くこと自体負担と感じるような利用者もおり、これまで意見箱への投函はありません。メールやSNSなどで意見等を受けることはあり、内容や利用者の状況を踏まえて対応しています。利用者の日々の対応については、本人の状態が日々変化、成長する中で、マニュアル化できない部分があるため、事業所としては日誌を丁寧に作成し、本人の対応が変化した段階で全体へ共有し、その記録から対応方法を周知する方法をとっています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

事故発生時にはマニュアルに沿って対応することが徹底され、職員にも周知しています。安全衛生委員会がヒヤリハット報告書を元に、再発防止策も検討し、日々の朝礼の中で職員にミニ研修を行い意識づけをしています。鶴見川が近く、洪水などを想定した避難訓練も行われており、避難経路は写真を使ってビジュアル化しています。不審者の侵入に対しても作業中は自動ドアが手動になるなど対策がなされており、避難経路も表裏2ヶ所あります。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

コロナ禍において、感染予防ルールの設定と周知、適切な手洗い・消毒・うがいの指導を繰り返し行う等、感染予防策を行っています。2022年3月に事業所から複数名の感染者が出たため、事業所閉鎖を余儀なくされましたが、結果現在では職員、利用者、家族も同様に意識が高く、報告、連絡、相談について適切に行われています。入り口には検温・消毒用アルコールが備えられる等、感染症対策が行われています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

大規模災害については法人として対応マニュアルを作成しており、3日分の必要物資の備蓄を備えています。利用時の発災後は家族等が迎えに来るまで所内待機をするようにしています。鶴見川が近く津波・洪水などを想定した避難訓練も行われており、避難場所の公園までの避難経路を写真を使ってビジュアル化しています。東横線沿線という交通の要衝に近く、渋滞混乱による職員の参集の可否などの考慮が必要と考えています。今後は発災後の事業継続計画の策定が期待されます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

事業所で支援する標準的な実施方法を明示しています。標準的な実施方法を具体例などで示し、職員で共有しています。支援の実施方法の記載においては、利用者の尊重や権利擁護などの指針が十分に明示されていません。支援の方法については掲示などでも周知しています。実施状況を日々の活動で確認し、職員会議の中で検証しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

支援の実施方法を会議等で見直して修正しています。改善すべき点は職員が施設長に報告しやすい関係が出来ています。利用者からも意見を言いやすい雰囲気に配慮し、前向きに取り入れて支援方法の改善につなげています。支援方法の検証や見直しは随時行っており、定期的な時期や方法は決まっていません。標準的な支援方法の手順は、利用者の個別支援計画作成に取り入れられています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

現在の施設長が着任前の約1年程度の期間で、個別支援計画書の作成が出来なかった時期があります。原因などについて調査し、今後対策に反映する予定です。昨年後半から、個別支援計画書の作成プロセスに沿って計画を策定しています。サービス管理責任者の設置、アセスメント手法の確立、目標、などの一連のプロセスで策定を実施しています。個別支援計画書の未作成期間があったものの、現在は体制を作り、支援困難ケースの対応も含めて支援計画を策定しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

個別支援計画書の作成が出来なかった時期がありましたが、現在は決められた手順に沿って策定しています。個別支援計画の見直しについても、取組を決めて行うようにしていますが、未だ見直しの実績には至っていません。見直しは定期的に行う以外に、必要に応じて見直す様になっています。見直しを行う時期に至っておらず、できていないことや課題については明確になっていません。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

個別支援計画の内容は職員全員が閲覧でき、把握しています。モニタリングすべき内容についても共有されており、実施状況の適切な記録が行われています。1日の出来事、対応方法について事業所内のデータベースで管理しており、誰でも入力・共有できる体制づくりとなっています。また、利用者基本情報のフォームがあり、本人の基礎的な情報の確認ができるようにしています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

法人作成の個人情報保護規程により利用者の記録、保管、保存、破棄、情報提供については規程通り実施されています。また必要な個人情報の取り扱いについては、利用開始時に利用者に重要事項説明書で説明し、個人情報使用同意書の書面にて了承を得ています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

日頃から利用者との面談や会話をすることでニーズの引き出しを行っています。事業所内のルールについては利用者で当事者会を設置し、作業後の「おつかれさま会」、食堂のテレビ番組ルール等、施設のルールを決めています。休憩時間中のゲームの持ち込みを許可していますが、作業時間までやっていた場合には施設のルールについて説明し、作業時間に遅れないよう指導しています。利用者の特性に配慮し、利用時間の変更、仕事内容の配慮等を行っています。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

法人の虐待防止対応規程をもとに、虐待防止マニュアルが作成されており、具体的な事例や対応方法などが掲載されています。その上で個々の事業所に即した虐待防止研修が設定され、話し合う機会となっています。また、利用者対応におけるヒヤリハット対策を行っており、利用者の処遇について全員で関与する仕組みがあります。虐待防止研修の中で利用者の権利について共有し、施設のルールとして示すことと自己決定によって決められる部分を明確にするように伝えています。虐待防止のチェックシートを用いて職員の意識を高めています。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

事業報告書に事業所の目的「障害を持つ人が作業を通して社会的自立や就労が出来るように支援し、安心できる場を提供する。」を掲載しています。支援も柱として「障害者の意思決定の尊重」「障害者の働く力の育成」「障害者の就労と働いている障害者の継続的フォロー」を挙げています。利用者及び家族の意向を確認し、その関係性に配慮しながら作業を通し、出来なかった作業が出来るようになる等の達成感を得ています。また、面談や生活訓練の指導などを行い、就労意欲と自立生活への意欲を醸成しています。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

口頭で理解できる人、書面で理解できる人、書いて説明をしてから書面を渡す人など、障害特性に応じた意思伝達をしており、本人の理解度を確かめながら進めています。聴覚障害のある利用者に対しては、文字や見本指導を用いて意思確認をし、またイラストを描くのが得意な利用者にはイラストを描いてもらってコミュニケーションを図っています。日頃から報告・連絡・相談をする訓練を行っており、利用者の障害特性に応じて話せる範囲を把握した上で、求めるレベルを設定し、利用者本人や場合によっては家族が報告できるようにしています。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

事業所は作業中心に運営していることから、作業以外の相談があれば、事務所にいる職員が対応する仕組みを取っています。仕事と話したいことについてはメリハリのある環境設定がされており、利用者本人が相談しやすい状況になっています。定期的なアセスメントに合わせた個人面談という形ではなく、日頃から利用者と面談を行なっており、利用者との会話の内容を記録することによって利用者ニーズを引き出すようにしています。今後はさらにニーズの引き出しを行い、計画書への反映が期待されます。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:b】

事業所では3グループに分かれ、菓子箱などの製函、緩衝材の製作、スプリングの検品などの作業が行われています。各グループで企業OBの生産管理経験者らの指導の元、作業分担を行い製造ラインを形成し、効率よく高品質の製品を製作しています。事業所での日中作業はこれらの作業が中心となり、各グループの各工程の一つひとつができるようになることで利用者に達成感を与え、かつ工賃にもつながるために意欲の増加につながっています。また近隣のレストランなどでお疲れさま会という親睦会を行っています。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員の専門知識習得のため、各種情報提供や研修の受講で支援の向上を図っています。また、個別の障害特性に応じた対応を行っており、その記録もしっかりと残しています。感情のコントロールが効かなくなるなどの強度行動障害をもつ利用者への対応についても研修に参加した職員が周知を行い、行動には必ず理由があり、正しく対応することが出来れば平穏に過ごせることを理解しています。過度の刺激を外部から与えないように、アイソレイトされた環境を作る等の配慮を行って対応しています。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

現在の施設長着任前の約1年程度の期間、個別支援計画書の作成がありませんでした。昨年後半から、個別支援計画書を順次作成しています。食事提供はありませんが、弁当手配などの配慮を行っています。自立度の高い利用者が作業を行なう事業所であるため、入浴や排泄支援等の生活介護支援は行っていません。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

安全衛生委員会が施設の安全を確保しており、施設内については清掃班を編成し室内の清潔を維持しています。また、面談室や静養室、ベッドを完備しており、利用者の心身の状態に合わせて使用しています。また、安全や清潔に関わることは、みなみ会において利用者の意向を汲み取り、改善しています。日中作業を行う作業場では整理・整頓の2S活動の徹底を図り、安全な作業場となっています。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:b】

作業を中心とする事業所で、就労を目指す利用者が多く、自立度が高いために機能訓練は行われていません。生活訓練としては、生活面における報連相について、家庭と連携して「休暇届」や「遅刻」「早退」の連絡ができるように指導しています。就労を目指している利用者の遅刻が多く、寝る時間の指導や携帯電話の使用方法について指導をしています。衣服の交換ができない利用者には、家庭と連携して曜日ごとに着る服を決め、常に清潔な服装が着れるよう指導するなど、個々への支援を行っています。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

毎回検温し体調の確認をしています。年1度、健康診断を実施し、個別の通院状況については必要に応じて確認して、経過観察をしています。また、発達障害者に対しては主治医と連携を取りながら対応することもしており、通院同行も行っています。作業主体の事業所であるため自立度が高い利用者が多く、入浴などの支援は行なっていません。作業中の様子などを注視することにより健康状態の把握をしています。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:非該当】

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

コロナ禍で外出レクリエーション等の実施が出来ていません。余暇活動としてお疲れ様会を実施し、近隣のレストランなどで親睦を図る機会を設けています。就労を希望する利用者のために企業見学も行われています。学習支援としては就労に向けてのビジネスマナーやエチケットについての書籍の閲覧や、面接や面談への対策をするなど支援を行っています。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の平均年齢は29歳と若く、利用者の今後の生活について、利用者及び利用者家族の意向を把握し、地域生活への移行、具体的にはグループホーム等での自立した生活を進めるため、意欲を高める後押しをしています。また、利用者の障害特性や事業所の環境に合わない利用者、または合わなくなってきている利用者のアセスメントを日々の支援の中で実施し、当該施設にて対応可能な状況か、他の手段はないかなど、多角的な検討をした上で、地域移行を検討するケースもあります。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

年3回実施しているはぴねす会(保護者会)は、20名程度の家族が参加し、情報交換を行っています。事業所の事業報告、利用者の将来的な地域での自立生活への移行などを視野に、グループホームの見学や計画相談の状態などの情報提供をしています。また、アンケートを配布して改善に向けた取組をしています。利用者と家族との関係性に配慮しつつ、関心の高いグループホーム等地域生活への移行を進めていきたいと考えています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

就労を希望する利用者が多くなかったため、これまで企業などへの就労目標としては年間1名程度です。声がけや面談をする中で利用者の特性等を考慮し、自立・就労を促しています。利用者の反応もあるようで、就労希望の利用者も増えています。施設長の就労支援での経験もあり、就労意欲の醸成が行われています。企業見学、実習、面接、採用、採用後の定着支援まで実施することが可能であり、今後の施策が期待されます。

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:a】

就労継続支援B型の機能としては就労、高工賃を目指している事業所が少ない中、事業所としての工賃は平均月額20,000円を超えています。作業の工夫、利用者の能力を最大限に引き出して実施することで、高い作業能力の発揮に繋がっています。特に作業工程を見直し生産管理などモノづくりの企業OBを雇用することで、品質や納期を適切に守り、取引企業からの信頼もできています。工賃については、実際の作業に対する評価をもとに決めており、適切に設定されています。また、年2回、全員同額を賞与として支給しています。

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:b】

施設長の就労支援などの経験もあり、就労を希望したい利用者を増やしていくための企業見学会も実施しています。また地域課題や地域資源の把握など情報取得のための職員を配置するなど工夫しています。企業見学、実習、面接、採用、採用後の定着支援まで実施することが可能であり、今後の進展が期待されます。