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特別養護老人ホーム 若竹苑

2023年04月03日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 特別養護老人ホーム 若竹苑 評価対象サービス 2022~ 高齢者福祉サービス版
対象分野 特別養護老人ホーム 定員 100名(99名) 名
所在地 221-0863
横浜市神奈川区羽沢町550-1
TEL 045-381-3232  ホームページ https://www.wakatake.net/category/facility/wakatakeen/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1989年07月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 若竹大寿会
職員数
常勤職員:60 名
非常勤職員:56 名
専門職員
看護師:3 名
管理栄養士:1 名
准看護師:1 名
介護支援専門員:2 名
生活相談員:2 名
機能訓練指導員:2 名
事務員:1 名
施設・設備の概要
1人部屋:4
2人部屋:4
4人部屋:25
静養室:1室
医務室:1室
食堂:1
機能訓練室:1室
理髪室:1

③ 理念・基本方針
法人の使命(法人の理念)
若竹大寿会は職員一丸となって人を幸せにします。人が大切にされる世の中を創ります。

若竹大寿会 職員の誓い
私たちの目指すもの、それは自分自身が親にしてあげたいお世話、自分自身の子どもにひらきたい未来、自分自身が利用したいサービス

若竹大寿会のあるべき姿
地域の信頼を得て地域を支え、地域に支えられる法人

品質方針
1.顧客志向 2・専門性向上 3・効率向上 4.素早く継続的な改善 
5.明るい職場

④ 施設・事業所の特徴的な取組
若竹苑では、利用者にとって、食事は一番の楽しみであり、生きる源であると考えて美味しくまた薬膳を取り入れた体にとって良い食事の提供を心がけています。管理栄養士は、年1回の嗜好調査から利用者の意見を把握し献立に生かしています。本物を味わって頂く為に、食器にこだわり、京焼、海外の高級な食器を揃えてきました。
行事食では、七夕には天の川そうめん&スイカポンチ、敬老の日にはお刺身、赤飯、てんぷら等、豪華な食材と季節をイメージした彩り、美味しい季節料理に利用者の笑顔が溢れる楽しい食事となっています。
現在はコロナ禍で中止となっていますが、薬膳を取り入れたバイキングを実施し利用者が豊かな食生活を楽しみ、食の充実が図れるよう取り組んでいます。全床にご利用者の睡眠状況を把握できるセンサーと、介護記録ソフトを導入しています。スタッフは手持ちのスマートホン、もしくはパソコンにてご利用者様の状態を随時確認し睡眠を妨げることはありません。以前は6月には朝市が開催され、近隣のたこ焼き屋さん、パン屋さん、農家の方の野菜販売、保土ヶ谷中学吹奏楽、ママさんたちの合唱と賑わっていました。
今後は、バイキングや地域の方を呼ぶイベントの再開に向け準備しています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/06/01(契約日) ~2023/03/08(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)美味しく楽しい食事に力を入れています
利用者にとって食事は一番の楽しみであり、生きる源であるとし、美味しく体に良い食事の提供を心がけ、薬膳を取り入れた献立を管理栄養士・栄養士が作成して提供しています。管理栄養士は年1回の嗜好調査の実施等で利用者の意見を把握し、献立に活かしています。行事食では、七夕には天の川そうめん&スイカポンチ、敬老の日にはお刺身、赤飯、てんぷら等、豪華な食材と季節の彩り、美味しい料理に利用者の笑顔溢れる食事となっています。現在はコロナ禍で中止となっていますが、薬膳を取り入れたバイキングを実施して利用者が豊かな食生活を楽しめるよう取り組んでいます。

2)利用者が望む生活が実現できるように支援しています
職員は、利用者の思いや希望を十分に把握できるよう、日々の活動の中で利用者とコミュニケーションを取り、信頼関係を築いています。職員の気づきを記録し、職員間で共有しています。ケアマネジャーが中心となってケアカンファレンスを開催し、多職種の職員で利用者一人ひとりの思いの表出、自己決定支援に力を入れています。専門性を活かした話し合いを重ねることで、利用者がその人らしい楽しみのある生活が送れるように支援しています。

3)利用者の思いに寄り添って毎日の生活を支援しています
利用者の要望を大切にした上で、嚥下能力、栄養面に配慮し、粥やミキサー食、みじん食など多彩な食事形態で食事を提供しています。自助具を利用し利用者のペースに合わせて嚥下しやすいよう、できるだけ座位を保持できるように工夫しています。入浴形態は、利用者の心身状態に応じて支援しています。体調に配慮しつつ入浴時間も利用者の希望に応じています。排泄介助は、立位ができる利用者にはトイレで排泄を行えるよう介助を行い、排泄の介助を行う時は羞恥心に配慮し、さりげなくトイレに誘っています。排泄時はカーテンを閉めるなどの配慮をしています。


⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
初めて第三者評価を受審し、施設運営に対する客観的な評価に接することができました。
評価結果につきましては真摯に受け止め、問題点を職員全員で共有し業務 運営の向上に努め、信頼される施設を目指したいと思います。
コロナの影響で面会ができていなかったためにご利用者、ご家族様には寂しい思いをさせてしまいました。
コロナ渦で何もできなかったでは済まされるものではありません。一日も早くコロナ前の生活に戻していけるように職員一丸となり頑張ります。第三者からの助言は、客観的に事業所を見つめる良い機会となりどのように改善していったら良いかのアドバイスが具体的で参考になりました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

理念、基本方針をホームページやパンフレットに掲載しています。また、全職員に理念が記載されたWakatakeブックを配布し毎朝ミーティング時に復唱し、事務所内、各階ホール、職員休憩室にも掲示して周知を図っています。利用者や家族には利用説明時にパンフレットや重要事項説明書に沿って説明していますが、利用者等への周知に課題があります。施設の基本方針は「若竹大寿会 職員の誓い 私たちの目指すもの、それは自分自身が親にしてあげたいお世話、自分自身の子どもにひらきたい未来、自分自身が利用したいサービス」です。理念と整合性が取れ、覚えやすく、職員へ周知も図られ、共感できる内容となっています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

事業の動向については、法人全体で厚生労働省や県の社会福祉協議会等から制度的な動向を把握し、よこはま地域包括ケア計画や神奈川区社会福祉計画等からは地域情報を確認しニーズの分析を行っています。法人は、当施設以外にも特別養護老人ホーム4施設、介護老人保健施設を2施設、地域ケアプラザを6施設等多くの施設を運営しています。そこから得た情報を法人全体の会議で共有し、施設として事業計画を策定しています。また、施設の各サービス稼働率を日毎に報告し、施設内・法人内で共有して施設経営確認会議や特養管理者会議などで状況分析しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

管理者や各現場の責任者が参加して施設経営会議を毎月行い、経営分析を行っています。経営上の課題分析と解決策について検討し、必要な取組につなげています。また、毎月施設活動報告をまとめ、経営数値、職員体制、運営状況の課題を明確にして法人に報告しています。法人は全体の経営状況や課題を把握し、必要な対応を行っています。課題については随時施設管理者や職員全体に対してメール等で周知し、直近の課題として人材確保の求人活動に取り組んでいます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人の中・長期計画に沿って施設の中期ビジョンと具体的な計画を立てています。経営課題としての利用率や人件費については数字目標にし、ケア課題については具体的な成果がわかるようにしています。中・長期計画は必要時には、施設内で見直しをしています。収支計画については施設の状態を見据えて大きな修繕や設備投資についての計画を立てています。設備も含めた中・長期計画としてまとめられていないので、施設の中・長期計画書を作成し、関係者と共有・協力を得ることが望まれます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

単年度の事業計画は、中・長期計画を踏まえて策定しています。収支計画においては、具体的には稼働率のアップ、部屋の利用率アップ等の指標を決め、目標達成に向けて対応しています。目標を決めるにあたり、解消すべき要因、解決策を検討しています。特にコロナ禍の中での利用率アップや感染対策など、また利用者満足度についても具体策に明記し施設内で連携を図り、具体的な活動につなげています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

施設事業計画書は、収入、事業費、事務費、人件費を考え、予算作成を1月までに確定し、それを基に施設長が職員と相談の上、事業計画書(案)を策定しています。その後、実現に向けて具体的な方法を再確認し進めています。基本的には日々進捗を追いながら実行し、毎月末にまとめ・報告を行い、実績と併せて改善策も示し、施設経営確認会議資料として報告しています。改善策は具体的に決めて報告しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

入所の際に、利用者へ事業計画は施設内に常備してあり、いつでも閲覧できることを説明しています。さらに、広報紙「若竹便り 号外として」に施設長のメッセージを掲載し、わかりやすく簡潔な文章でまとめて周知に努めています。施設内行事は年間計画で示し、家族来訪時に見てもらえるようにし、必要に応じて説明をしています。しかし、コロナ禍で面会にも制限がありなかなか周知が難しい状況です。今後はさらに周知が進むような工夫が期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

福祉サービスの質の向上に対しては、法人としてISOを取得し、法人として設定しているPDCAサイクルにより実施しています。支援計画については毎月チェックし、年間の支援計画(P)に沿い、実施(D)し、毎月及び改定時に見直し(C)、課題を抽出し、課題は次期計画に組み込む(A)活動を心がけています。実務的にはアセスメントの実施とそれに向けてのモニタリングの実施となっています。自己評価(キャリアデザインシート)については年2回実施しています。内部監査もあり、結果を職員会議で検討しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

課題等は、施設のリーダー会や各委員会、フロア会議等でパソコン上の連絡網に記載し、共有しています。改善策を話し合い、評価結果は法人で集計及び分析し、決定事項もこの連絡網に載せて積極的な実施を促しています。今後は、評価結果及び改善の取組を組織として実施することが望まれます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

施設長の権限と責任については、運営規定等で示し、日常の業務については職制に権限を委譲し、推進しています。運営規定に、施設長について「常勤にて専ら施設の職務に従事し、施設の従業者の管理、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行う。また、従業者に必要な指揮命令を行う」と規定されています。施設長は、ISO(災害対策マニュアル)組織図、全体会における記録等に自らの役割と責任に関するメッセージを表明しています。事業継続計画(BCP)に施設長不在時の権限委任等を明文化しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、常に遵守すべき法令等を把握し、利害関係者等との適正な関係を保持しています。法令遵守等に関する最新情報は法人が収集し、経営確認会議等で報告し、施設長がリーダー会議で職員に伝えています。職員に関しては年間を通じ人材育成研修のカリキュラムに沿って参加を要請するなど、法令を周知し遵守するために力を入れています。コロナ禍ではありますが、今後行政等が主催する法令遵守に関する外部研修へ職員の受講が期待されます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は各フロアを回り、利用者や職員の動きを確認し、現場の声を聞いています。把握した課題は、リーダー会議等で改善策について話し合っています。看取りやリスク、入浴、栄養、機能訓練の各委員会では、継続的に評価分析を行い、課題の抽出と解決策を検討しています。具体的には「眠りスキャン」の導入をしています。資格取得の研修については参加しやすいように環境を整えています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は、経営確認会議で各部署の収入、人件費、事業費、事務費を定期的に評価・分析し、課題を把握しています。また、人員体制や有給取得の状況などを把握して分析しています。新たなタイムカードの導入や職員休憩室の改修など、人員配置や職場環境の改善に向けて取り組んでいます。職員のやりたいことや気づいたことが実現できる働きやすい職場、リーダーと連携し意見を言いやすい風通しの良い職場を目指しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人は、求める人材についての考え方をホームページに明示し、職員が働きやすい働きがいのある職場づくりと職員が自己の目標とするキャリアデザインを目指せるよう、その基盤づくりに努めています。採用は、法人が中心となって行っています。介護専門職の配置確保の為、毎年約40名の新卒採用を計画的に進めています。採用のための広報を、ハローワーク、法人独自の募集要項、SNS等を利用し、積極的に行っています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

全職員に配布のwakatakeブックには法人理念にもとづく「期待する職員像」が明記され、法人の使命、職員の誓い、若竹大寿会のあるべき姿が明確になっており、研修などで職員に周知されています。評価、昇格エントリーの流れ、役職の登用、グレードなど、人事基準に関することについては新給与制度の動画、配付資料で職員に周知されています。職員が将来の姿を描けるようなキャリアデザインシートの仕組みがあります。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

施設長は、定期的な面談のほか、随時職員とコミュニケーションを取り、職員の心身の状態や家庭の事情を把握し、職員がモチベーションを持って働けるよう、相談やアドバイスを行っています。キャリアデザインシートではリーダー職員が個別に面接を行い、職員の相談事を聞く体制をとっています。ワークライフバランスの取組としては子育てと仕事が両立できるように時短勤務の導入や、希望するシフトだけの勤務も認めています。福利厚生では職員の卓球大会、施設内での食事会の補助などを行っています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員育成について法人は「人財育成カリキュラム」を作成し、「キャリアデザインシート」、「接遇シート」、「自己点検シート」、及びOJT(職場内指導)によって取り組む仕組みを整備しています。キャリアデザインシートには個人の目標について、どのような活動をしたか、その成果や目標を達成できたかの自己評価を行い、以後の課題を見つけています。また、異動希望、次期目標、チャレンジしたいことも記載しています。年2回、リーダーが面接を行い達成度を確認しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人使命(理念)では基本方針と共に、期待する職員像についても明示しています。法人の階層別研修計画や年間内部研修スケジュールは「人財育成カリキュラム」として作成され実施されています。法人は年度末に人材育成カリキュラムを策定し、研修項目に沿って事業所単位での受講を勧奨しています。受講履歴は全職員の「いきいき研修シート」で把握し、また、研修ごとの研修報告書やアンケートを通して、さらに次年度の研修計画へ反映する仕組みとなっています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

施設長は、職員の知識や技術水準、専門資格の取得状況を把握し、個々の職員のスキルアップを図っています。新任職員層、中途採用研修、中堅職員研修、役職者・管理職のカリキュラムがあり、該当する職員が参加出来るように配慮しています。ファーストステップ研修の後は必ずフォローアップ研修をしています。それぞれ職員の経験、習熟度に配慮した研修となっています。また、資格取得に向けて介護福祉士、ケアマネジャー、EPA介護福祉取得の講座も設けています。新入職員には先輩職員によるOJT研修をしています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

法人が中心となり、実習生受け入れマニュアルを整備し、受け入れのための仕組みを整えています。実習生の専門性に応じたプログラムが準備され、学校側と連携を図りながら実施しています。栄養士の専門学校からの実習生の受け入れもあります。また、いつでも対応できるよう受け入れ側に関する実習生オリエンテーションの手順、受け入れの目的等のマニュアルもあります。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人と事業所のホームページに理念や方針、提供するサービスの内容を掲載しています。事業計画や事業報告、予算・決算情報など、また、苦情・相談の方法や対応等の体制について公表しています。実際の苦情相談については個人情報に配慮しつつ公表したり、家族などに報告しています。第三者評価は今回初めての受審で、今後公表していく予定です。施設のパンフレットを地域の居宅介護事業所、地域ケアプラザなどに置いています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

事務、経理、取引に関する規定は法人統一の経理規定に定めてあり、職務分掌と権限は職員に周知されています。会計責任者は毎月、「月次試算表」を作成し、法人の会計責任者に提出しています。内部監査は前期と後期に定期的に行なわれ小口現金や事務などについては法人によるチェックを受けています。法人では公認会計士等の外部の専門家による指導やアドバイスを受け、経営改善に取り組んでいます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

地域との関わりについては「若竹大寿会のあるべき姿 地域の信頼を得て地域を支え、地域に支えられる法人」として明記されています。地域で定期開催されている「羽沢プロジェクト」「ミニデイサービス」「シニアサロン」等に参加し、民生委員や区役所、自治会長、社協職員などと話し合って地域の状況、課題を把握し、協議しています。コロナ禍のため外出が難しい状況ですが、利用者が入居前に利用していた病院や商店を継続して利用できるよう、家族などに働きかけることもあります。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティア受け入れに関する基本姿勢、手続き、事前説明等を記載したマニュアルを用意するなど、ボランティア受け入れのための体制が整備されています。ボランティア活動前には 「ボランティア活動を始める皆様へ」を使用し必要な研修を行っています。コロナ禍前には、話し相手や楽器演奏などのレクリエーションボランティアの受け入れ事例があります。学校教育への協力についてはwakatakeブック理念編に記載されています。小学校で介護の講座を行ったり、中学校や高等学校の体験学習を受け入れていましたが、現在はコロナ禍で実施できていません。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

警察や消防、区役所、地域ケアプラザ、医療機関などの地域の関係機関のリストがあり、事務所に置かれていて、職員はいつでも確認することができます。羽沢プロジェクト、区役所との定期的なミーティング、羽沢地域支え合い連絡会などが定期的に開催され、地域課題について検討しています。消防訓練には地域の消防団も参加し、熱傷の手当てや救急蘇生法の指導などが実施されています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

毎月1回、羽沢地域で区役所、社協、羽沢地区の自治会長、民生委員などで開催されている羽沢プロジェクトに参加し、子どもから高齢者までの地域の課題や、現在進行形で起きている困りごと等を協議しています。顔の見える関係で地域の情報を共有し、有意義な会となっています。また、地域での行事やお祭り等の情報や、コロナの状況等を共有しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

施設として地域貢献を目指しています。コロナ禍以前には地域住民を施設のお祭りに招待し、職員が「エイサー」を披露したり、地域の方を招いて施設での食事会、地元でとれた新鮮野菜の即売会「わかたけ朝市」などのイベントを開催していました。コロナ収束の状況を見て再開していきたいと検討しています。防災については、地域の消防団と一緒に防災訓練をしたり、「災害時応急備蓄物資保管場所」として非常食などを備蓄し、災害時には地域住民に提供できるよう準備をしています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「若竹大寿会 職員の誓い 私たちの目指すもの、それは自分自身が親にしてあげたいお世話、自分自身の子どもにひらきたい未来、自分自身が利用したいサービス」として利用者を尊重した福祉サービス提供についての基本姿勢が明示されています。法人の理念や具体的な行動規範は「Wakatakeブック 理念編」に記載されており、全職員に配布し、周知徹底しています。利用者の尊重や基本的人権への配慮については、研修計画に位置付け、定期的に勉強会や研修を実施しています。ケアカンファレンスにおいても、定期的に利用者の状況把握・評価を行い、適切な対応を図っています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

利用者のプライバシー保護について、社会福祉事業に携わる者としての姿勢・責務などを明記した規定・プライバシー保護マニュアルなどが「Wakatakeブック ルール編」整備され、研修などで職員への理解が図られています。標準的なサービス実施内容にも反映され、ISO入浴介助手順、排泄介助手順などにより介護現場においても徹底されています。利用者や家族などには重要事項説明書や契約書で説明し、周知を図っていますが課題としています。ホームページなどへの写真掲載については事前に確認しています。職員への研修は法人の研修計画に沿って実施されています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

施設の福祉サービスの内容や特性などをホームページで紹介しています。施設のパンフレットは地域ケアプラザなどに置いて情報提供しています。パンフレットはカラー印刷で簡潔な文章にするなど読みやすく作成されています。介護支援専門員からの紹介も多いのでパンフレットを配布し、利用希望者等に有効に届くよう努めています。利用希望者の見学は随時受け付けていますが、現在はコロナ禍で施設内部の見学はできず、施設内部の様子については動画の利用など今後工夫されることが望まれます。利用希望者に対する情報提供については適宜見直しを実施しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

サービスの開始前には、事前に契約書を郵送し、読んでおいてもらえるよう配慮しています。重要事項説明書や契約書を用いて、利用者、家族などにサービスの内容や料金などについて分かり易く説明し、書面で同意を得ています。変更時にはその都度同じように説明して同意を得ています。サービス内容については、利用者、家族などの意見を反映したケアプランを作成し、同意を得ています。意思決定が困難な利用者へは家族などに確認していますが、どのように本人の意思を確認すればよいか、今後さらに工夫検討してのルール化が期待されます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

福祉サービス内容の変更については、以前の内容を踏まえて利用者の現状に即した内容となるように配慮しています。他の福祉施設・事業所や地域・家庭へ移行する際には、福祉サービスの継続性に配慮した手順を定め、本人や家族の要望に沿い、フェイスシートや、看護サマリでの引き継ぎの他、直接面会、電話での聞き取りなども行って引き継ぎをしています。利用終了後も職員に相談できる旨の説明は行っていますが、その内容を記載した文書は渡していません。今後、文書化して渡されることを期待します。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

年1回、嗜好調査として、同じ食事をとっているスタッフへのアンケート、利用者本人への栄養士による聞き取り調査を実施しています。その内容を分析して改善策を検討し、発表しています。施設では利用者の意見を聞く大切な機会と捉えています。一方で家族会や生活全般についてのアンケートなど利用者満足度を把握するための仕組みは整備されていません。今後の検討が期待されます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の体制として施設長が苦情解決責任者、相談窓口は相談員、第三者委員としています。施設及び法人での解決が難しい場合は、第三者機関や行政に相談できるとして、連絡先を重要事項説明書に明記し、説明していますが、周知には課題があります。玄関には意見箱と、苦情解決の仕組みを分かりやすく説明した掲示物があります。出された苦情は必要であれば法人と連携してリーダー会議等で検討し、迅速に対応し記録に残しています。個人情報に配慮したうえで可能であれば内容や改善策を公表しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

利用者や家族などには契約書や重要事項説明書の中で、相談について複数の方法と迅速かつ誠実に対応することを明記し説明しています。相談については施設の玄関に掲示して利用者などに周知し、利用者が相談し易い環境を整えています。相談を受ける時は一階のサンルームを使用していましたが、コロナ禍の現在は玄関の風除室を利用し感染対策に配慮しながら、ゆっくりと落ち着いて対応できるようにしています。今後は相談室の設置等が望まれます。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

苦情だけでなく、利用者・家族等からの意見や要望、提案等に積極的に対応できるようにしています。生活相談員は利用者の居室を回り、利用者の様子を見たり、意見に応じるよう努めています。家族からトイレ介助について相談があった際には、利用者本人の状態や意向を尊重して対応することにし、介護計画を見直しています。相談や意見対応についてのマニュアルの定期的な見直しが期待されます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスクマネジメントに関する責任者を明確にし、リスクマネジメント委員会を設置し、毎月会議を開いています。その月に起こった事故やヒヤリハットの事例をもとに、職員参画のもとで発生要因を分析しています。また、会議の中では事故報告書で施行された是正について有効であったかを検証しています。リスクマネジメントの研修は新人職員向けと全職員向け研修を毎年行っています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

今年度の事業目標に「感染防止対策の徹底」を挙げており、感染発生時の施設内の療養体制はしっかりと整備され、管理者が不在の場合も代理を立てています。ゾーニング模擬研修を行い、ゾーニングができる人が代理になっています。感染マニュアルも、インフルエンザ、結核、コロナウイルス、ノロウイルス等の各項目に整備され、発生時にはすぐに対応できるようになっています。また、月1回「定例感染会議」を開き、予防や安全に関する勉強会を開いています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

災害BCPマニュアルには災害緊急連絡リスト、災害対応、防災組織担当、任務等が記載されています。年2回地元消防署、自治会の協力のもと、避難訓練を行っていましたが、コロナ禍により地域の方と共同の訓練は行わず、施設内における避難訓練、消火訓練を行っています。職員の組織図には災害の体制が示されています。調理部では通常非常食献立表や食料や備品類等の備蓄リストを作成し、ローリングストック法で管理しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

4月に行う全体会で法人のwakatakeブック資料編・ルール編・理念編等の研修を行っており、法人の使命、職員の誓い、若竹大寿会のあるべき姿が明確にされています。全職員はこのwakatakeブックを日常的に活用しており、継続的に周知徹底が図られています。全体研修の後は全職員に「いきいき個人研修記録シート」を配布し、研修日及び研修内容についての日にちを記入しています。外部研修の際は、日付、自分の持っている資格、免許の取得日等を記載しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

利用者が必要としている福祉サービス内容の変化や新たな知識・技術等の導入を踏まえ、定期的に現状を検証し、必要な見直しを図っています。「伝達帳」では職員の意向・意見に基づき、改善策を検討・実施しています。Wakatakeブックは改善策が出揃った後、5月以降の新人の研修に合わせて改訂版が出来上り、全職員に配布されています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な福祉サービス実施計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

ケアプランは3ヶ月ごとに見直しを行っています。その際に歯科、看護師、ケアマネジャー、機能訓練指導員、管理栄養士、介護職員等、多職種の職員が集まって協議し、評価、見直しを行っています。電子記録ソフト(ケアカルテ)には、ケアプランのニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容が記載されています。「モニタリング総括表」に個々のケアプランの状態を記録しているため、その記録と本人の状態を観察しながらケアプランの見直しに繋げています。支援困難の利用者の対応については、カンファレンスの時に多職種で検討を行っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に福祉サービス実施計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

毎週火曜日に歯科、看護師、ケアマネジャー、機能訓練指導員、管理栄養士、介護職員等で情報交換し、ケアプランについて担当者会議を行っています。会議議事録は職員に直接周知するほか、電子記録ソフト(ケアカルテ)を通じて回覧できるようになっています。入院や看取り時等、変化があった際にはその都度変更を行っています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

電子記録ソフト(ケアカルテ)のフェイスシートを用いて一律した様式で記録しており、各種情報が各部署どこからでも誰でも見ることができるようになっています。「モニタリング総括表」を用いてケアプランのサービス内容がどのように実施されているのかを記録しています。毎週火曜日に歯科、看護師、ケアマネジャー、機能訓練指導員、管理栄養士、介護職員等がケアプランについて担当者会議を開催し、課題について検討し、見直しに繋げています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

契約時に利用者・家族等に個人情報保護に関しての別紙を用意し、「個人情報使用同意書」で同意を得ています。入所契約書第12条で個人情報の保護を定め、利用者のサービス提供に関する記録を利用終了後5年間保管します。その後、溶解処理にて廃棄を行っています。また、利用者から記録の開示の請求を受けた時は適正に対応します。毎年必ず全体研修にて個人情報の「具体的な個人情報取り扱いのポイント」で禁止事項、パソコンの管理、著作権について等を学んでいます。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

利用者の心身の状況に合わせ、その人らしく自立した生活となるよう支援し、一人ひとりに応じた過ごし方ができるように工夫しています。入所時面接で利用者、家族等から意向を聞き、フェイスシートに記載しています。健康状態、身体状況、服薬・病歴等を把握し、理解したうえで、自立支援を行っています。午前中はタオル畳みやラジオ体操、機能訓練、水分補給等を行い、午後は昼寝やおやつとお茶の時間、各自TV鑑賞やラジオを聞いて過ごし、利用者の生活のリズムに配慮した支援をしています。フロア会議で利用者に応じた生活になっているかを検討し、他部署とも連携を図り、改善を行っています。コロナ禍の中、利用者による趣味のガーデニングや毎月担当を決めて行う行事レクリエーション(花火、シャボン玉、車椅子で洋服の買い物、焼き芋会等)で生活の楽しみに配慮した取組を行っています。

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:評価外(特養、通所、養護・軽費)】

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:評価外(特養、通所、訪問)】

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者の日々の訴え等は電子記録ソフト「ケアカルテ」に記録し、職員はいつでも誰でも見られるようになっています。また、居室担当は日頃より希望を聞きながら個別支援をしています。フロア会議や「伝達帳」で職員の提案や意見を募集し、全職員の意見を求めています。コミュニケーション方法や支援について、利用者との関わりを検討し、定期的に見直しを行っています。職員は全体会議で「接遇マニュアル」の研修をしています。毎日ミーティングの後で、言葉遣いのポイントを復唱しています。言葉遣いに問題がある場合はリーダーが面談や口頭で指導をしています。難聴や意思表示が困難な利用者に対しては筆談、ホワイトボード、メモ用紙、ジェスチャー等で個別に対応をしています。

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

利用者の権利擁護について周知出来るように対応マニュアルが整備されています。各委員会、全体ミーティング、全体会議等を開催することにより全職員に周知を図っています。全職員にwakatakeブックを配布し、各自で確認できるようにもなっています。権利擁護についての防止と早期発見のため、ケアプラン作成時などのケアカンファレンスを開催した折に具体的に話し合っています。利用者、家族等には身体拘束、虐待防止について、入所時の契約時に生活相談員から説明をしています。職員は初年度に全体会にて権利擁護研修を受講しています。

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:a】

施設の環境は明るく清潔で、室温、湿度、加湿器、エアコン、ライト等は適切に管理されています。窓から見える風景は、四季折々の樹々や遠方にはランドマークタワーが見られ、心が安らぎます。居室担当者が利用者の意向を把握し、食べたいものや欲しいものなどの聞き取りをしています。快適に過ごしてもらうため、ラジオ、アルバム、写真立て等馴染みの物を持ってきてもらっています。部屋の移動については、フロア会議で話し合い、リーダーが確認しています。物品依頼については食料品は調理部、洋服等は事務所に提出し、電子記録ソフト(ケアカルテ)に物品購入の記録をしています。シーツ交換は月2回程度行い、トイレ、共有スペース等の清掃は委託業者が行っています。

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

1階の一般浴室は座ったまま入浴できるリフト浴で、2階の特別浴室は横になって入浴できる機械浴槽です。利用者の心身の状況等に合わせ、安全で快適な入浴支援を行っています。入浴前に検温し、看護師が電子記録ソフト(ケアカルテ)で状態を確認し、入浴の可否、またはシャワー浴、清拭の判断を行っています。入浴の誘導や介助を行う際には、浴室の出入口や脱衣室はカーテンやパーテーションで仕切り、男女入れ替えの時等は利用者の尊厳や羞恥心に配慮しています。入浴を拒否する場合は、その理由を把握し、時間を空けたり、対応を変えて介助方法を個別に検討しています。入浴委員会では業務改善アンケートを取り、「入浴板」を改善しました。以前の課題を踏まえ、誘導表は男女が分かれ、リフト浴かシャワー浴かが一目でわかるようになりました。

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者一人ひとりの排尿・排便の排泄量を電子記録ソフト(ケアカルテ)に記録し、他部署にも周知しています。写真が必要な場合は画像として記録に残しています。排便コントロールは基本的に看護師が行いますが、指示のもとに職員が投与することもあります。下痢、水様便、血尿等は赤字で記録しています。自然な排せつを促すため、起床時や本人希望時、食事前、入床前にトイレ誘導を促し、テープ式オムツをしていても、立位が取れるなら二人介助でトイレ誘導を行っています。入院していた利用者が退院してきた場合は、利用者の心身の状況に合わせて、排泄介助の方法を各階職員、看護師、機能訓練指導員等でケアカンファレンスを開いています。また、フロア会議や排せつ委員会の情報を共有しています。トイレはカーテンを二重にして仕切り、車いすや介助者がいても十分なスペースが確保されています。カーテンの使用状況等によって利用者の尊厳や羞恥心、間違って寄りかかったり、引っ張ったりして転倒しないか等、安心・安全面での配慮が望まれます。

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者一人ひとりの心身の状況に合わせ、移動支援を行っています。車いすを使用している利用者でも、短い距離を自立歩行してもらったり、手引き歩行で歩いてもらうなど自力での移動を支援しています。また、ベッドから車いす、車いすからベッドの移乗を職員見守りのもと、自立で移乗してもらい、できることは少しずつでも自分ですることでADL低下予防をしています。 部署ごとに利用者の状況を電子記録ソフト(ケアカルテ)に記録し、ミーティングやフロア会議で話し合い、情報を共有して機能向上の訓練に取り組んでいます。

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

利用者の楽しみでもある食事は季節感を大切に、美味しく体に良いものを提供することを大切にしています。コロナ以前は料理に合わせて食器にもこだわり、月ごとの行事や季節の料理イベント等を行っていました。コロナ感染が流行してからは、感染対応のために、パーテーションの設置、下膳がスムーズになるようなお弁当箱などを取り入れています。現在は食堂での食事を中止し、各居室で食べています。多床室では隣の利用者とテーブルを並べたり、窓から見える風景を見ながら食べるなどそれぞれご自身の好みに合わせています。居室での食事を好まない方には廊下などで対応していますが、コロナの状況を踏まえて、少しずつ以前の雰囲気を取り戻していきたいと考えています。調理部では去年6月からHACCP(ハサップ)の考え方を取り入れた衛生管理計画を導入しています。

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者一人ひとりの心身の状況等に応じた食事提供をしており、各利用者の摂取状況、摂取量を電子記録ソフト(ケアカルテ)へ記録しています。他部署ともに食事に関して把握ができるように情報を共有しています。管理栄養士は栄養ケアマネジメントを行っており、栄養スクリーニングで栄養状態を把握し、栄養アセスメントでは栄養に関する問題を把握し、ケアカンファレンスで栄養ケア計画を作成しています。管理栄養士は利用者や職員から聞き取りを行い、ケアカンファレンスで話し合い、各利用者に合った介助用具(スプーン等)を提供する事によりADLが低下しないよう支援を行っています。 嚥下能力等は口腔ケア委員会を開催し、介護職員にも周知出来るように研修会を行っています。食事摂取が少ない利用者には、家族に連絡して好きな食べ物を持ってきてもらうこともありますが、賞味期限や食中毒に注意しています。

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の心身の状況に応じて、施設歯科衛生士による口腔衛生管理体制に取り組み、利用者の口腔内の全把握に努めています。一人ひとりの口腔ケア方法を電子記録ソフト(ケアカルテ)に記録し、介護職員は食後や就寝前に口腔ケアや口腔内のチェックをしています。利用者の口腔清掃の自立度を把握し、一人ひとりに応じた口腔ケア計画を作成し、実施と評価・見直しを行っています。嚥下能力等は口腔ケア委員会を開催し、介護職員にも周知できるように研修会を行っています。訪問歯科医との連携が出来ており年1回の全利用者の歯科検診と必要な方への訪問歯科治療を随時実施しています。また、口腔状態及び咀嚼嚥下機能の定期的なチェックを行っています。

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

OHスケール(危険要因)は対象者がどの程度の褥瘡発生危険度=リスクを持っているか明確にするものさしで褥瘡ケアの方法に役立ちます。褥瘡発生後の栄養管理の基本は低栄養の改善で、栄養スクリーニングで低栄養あるいはそのリスクがある対象者を抽出します。各フロアリーダー、介護職員、管理栄養士、機能訓練指導員、介護支援専門員等で構成されている褥瘡予防委員会を開催し、職員で利用者のリスクについて情報共有します。アセスメント表等も定期的にチェックし、発生時には嘱託医師による皮膚科往診で処置について情報共有しています。褥瘡時にはエアマットの必要性も検討します。褥瘡ケアの最新の情報を収集し、職員に周知徹底するため、「スキンケア」「軟膏の種類」「床ずれの体位変換、ポジショニング」「マットレスの種類の勉強会」等、定期的に研修会を開催しています。

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

喀痰吸引や経管栄養を必要とする利用者が、生活の場において、安心・安全に暮らし続けるためには、利用者の状況に応じて、適切にケアが提供されることが求められます。喀痰吸引と経管栄養については法令の定める一定の要件を満たす場合に、所定の研修を修了した介護福祉士及び介護職員等が実施することができます。医師、看護職員等の医療関係者との連携を担保とし、「喀痰吸引等業務提供に係る同意書」「介護職員等喀痰吸引等指示書」等、医師の文書による指示のもと適切に実施しています。喀痰吸引研修は実務者研修を受けた後、「喀痰吸引指導者看護師研修会」を終了した看護師により実技研修を受けて習得しています。50時間の研修を受けていない職員には個別に研修の機会を確保し、喀痰吸引ができるように体制を整えています。

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者一人ひとりの心身の状況に応じて機能訓練や介護予防を日々の生活動作の中で行っています。歩行訓練として、平行棒や足漕ぎ運動があります。トイレでの排泄動作の訓練は自立生活の維持となっています。全介助の利用者にはベッド上でマッサージや関節可動域訓練をしています。機能訓練が必要な利用者には個別機能訓練計画を作成し、3ヶ月毎に見直しています。現状に変化のある場合は変更案を作成して、ケアカンファレンスで話し合っています。見直しがあれば、各部署に回覧し、確認のための押印をもらっています。介護職員や看護師と連携し、電子記録ソフト(ケアカルテ)に記録することで全職員に周知でき、介護予防活動に繋がっています。機能訓練指導員は全国病院理学療法協会に所属し、定期的に講習会を受講しています。

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者一人ひとりの日常生活動作や認知症状、これまでの生活歴については、電子記録ソフト(ケアカルテ)のフェイスシートを把握し、認知症の状態に応じた支援をしています。起床介助、着替え、入浴等で介護拒否があった場合は、無理強いせず、ケアカルテに記録された日常の個人記録等を見て、その日にいる職員やフロア会議で話し合い支援しています。徘徊、帰宅願望、不穏等がある利用者には、ステーションの近くに移ってもらい、テレビやアイパッドを見たり、話しやすい利用者の席で過ごしてもらい、安心・安全で落ち着ける環境となるように配慮しています。コロナ禍以前は認知症研修がありましたが、現在は必要に応じてwakatakeブックの認知症ケアマニュアルで認知症の知識や情報を得ています。

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

看護師及び介護職員等は日々利用者の健康チェックを行い、その結果を電子記録ソフト(ケアカルテ)に記録し、介護に関わる職員等へ周知しています。ケアカルテには体温、血圧、脈拍、食事記録、個人記録が記録されています。毎朝のミーティング、夜勤者から日勤者への申し送り、ケアカルテ等で利用者の健康状態を伝達しています。利用者の急変時には急変時マニュアル、夜間対応マニュアルを整備し、各フロアリーダー、看護師、生活相談員、ケアマネジャーでいち早く対応できる協力体制ができています。また緊急時には6名の嘱託医師と24時間オンコールで繋がっている看護師と連絡体制が取れているため、すぐに対応できます。内服薬は看護師が中心に管理していますが、与薬は昼食後薬、夕食後薬は看護師、朝食後薬、眠前薬は介護職員が行っています。

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

入所時に利用者・家族に対して「看取り介護に関する指針」を渡し、施設の方針及び利用者の状況を説明しています。看取り期に入ったと判断した時は、医師から再度確認のために家族と面談行います。詳細は看護師から再度確認しています。「看取り介護同意書」、「家族の意向書」で家族の意向を確認します。コロナ感染対策もあり、直接面会は個室に移動してから短時間での対応となる事も説明し、必要であれば電話での状況確認もできる事を説明しています。看取り研修は2ヶ月に1回開催しており、関わらなかった職員も振り返りを行っています。また、グリーフケアも行っており、悲しみから立ち直るまで、適切な精神的ケアを実施しています。

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

家族等に対し、定期的および体調変化のあったときには、メール、SNS、電話で報告をしています。報告の内容は電子ソフト記録(ケアカルテ)に記録しています。転倒した時等は必ず家族に連絡し、確実に伝わるように、「家族連絡方法マニュアル」で伝達方法を工夫しています。緊急時や体調に変化のあった時、問題行動を起こした時は施設に来苑してもらい説明をしています。またケアマネジャーからは介護計画書等のことで定期的に報告をし、同意を頂いています。利用者と家族がつながりを持てるように、利用者の居室担当者が援助して年賀状を送っています。絵手紙になっており、家族は大変喜んでいます。利用者アンケートの意見では、コロナ禍が収束して面会できるのを楽しみにしている様子が窺えました。

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:非該当(特養、通所、養護・軽費)】