社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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特別養護老人ホームわかくさ

2024年03月21日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 公益社団法人神奈川県社会福祉士会

② 施設・事業所情報
名称 特別養護老人ホームわかくさ 評価対象サービス 2022~ 高齢者福祉サービス版
対象分野 特別養護老人ホーム 定員 110 名
所在地 236-0023
横浜市金沢区泥亀2-12-1
TEL 045-784-6900 ホームページ https://saiseikai-wakakusa.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1980年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人恩賜財団済生会支部神奈川県済生会
職員数
常勤職員:72 名
非常勤職員:19 名
専門職員
生活相談員:3 名
介護支援専門員:2 名
看護職員:6 名
機能訓練指導員:1 名
管理栄養士:2 名
医師:1 名
施設・設備の概要
居室:120
浴室:個浴12 機械浴室2
多目的室:
会議室:
相談室:2
休憩室:4
食堂:
厨房:
洗濯室:
屋上庭園:
ボランティア室:2
事務室:
医務室:

③ 理念・基本方針
(理念)
「ともに あなたらしさの虹をえがく」
入居されるそれぞれの方が有している様々な人生の価値観に寄り添い、満足していただける時間を過ごして戴くという思いが込められています。
(基本方針)
「良質なサービスを提供します」
良質で適切なサービスを提供し、利用される方やご家族の皆様から、選んでよかったと思っていただける施設をめざします。
「向上心を持った職員が接します」
常に高い向上心を持った職員が利用者の方に接し、利用者の立場を考えたサービスを提供します。
「地域との連携を図ります」
地域の皆様から信頼され、安心していただける開かれた施設として、地域の皆様との連携に努めます。
「笑顔が絶えない施設を作ります」
利用される方やご家族の皆様が何でも言える、そして、利用される方も職員も笑顔が絶えない施設をつくります。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
〇特別養護老人ホームわかくさは、日本最大の社会福祉法人恩賜財団済生会の一員としての福祉分野を担っています。
〇昭和55年4月に横浜市金沢区に定員70名の特別養護老人ホームとして開設しました。40年近くが経過した2020年に現在地に移転し、定員110名のユニット型施設として、これまでの経験を活かしながら質の高いケアの提供を目指しています。
〇定員110名で利用者の平均年齢は86.3歳です。12のニットで構成され全室個室です。1ユニットの定員は10名で、本入所の他に定員10名の短期入所及び居宅介護事業所を併設し運営しています。
〇施設運営の基本方針に、「地域との連携を図ります」を掲げ、地域の皆様から信頼され、安心していただけるひらかれた施設として地域の皆様との連携に努めることを目指しています。また、「笑顔が絶えない施設を作ります」を基本方針に掲げ、利用される方やご家族の皆様が何でも言える、そして、利用される方も職員も笑顔が絶えない施設づくりを目指しています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/05/15(契約日) ~2024/03/11(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2014年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ◇特長や今後期待される点
〇施設全体の明るい雰囲気と職員の笑顔がある
 ユニットケアによる小規模の職員構成とユニットごとの支援の独自性が、職員の仕事のやりがいと責任感につながっている。職員は「いいねカード」でお互いの良い点を認め合い、互いに声を掛け合い、職員相互に「こうした方が良い」と指摘し合う雰囲気がある。第三者評価で実施した利用者アンケートに、「ホーム内が明るく汚れなく整っている」「入居者の顔が明るいのは、日ごろから職員の声かけや、その人に合った接し方で、安心しているからだと思う」「季節感のある職員の小さな心遣いが良い」等の複数の意見が寄せられている。

〇活発な委員会活動で入居者へのサービス改善につなげている
 身体拘束・虐待防止、安全管理、褥瘡対策、ケア記録の管理等13の各種委員会を立ち上げている。委員会ごとに達成すべき課題を明確にして年間の活動計画を策定し、達成状況を評価し次年度の施設行動計画に反映している。ケア記録管理委員会の活動は特徴的である。ケア記録及び日誌記載の標準化を図り、記録要領を策定し各種記録が要領に沿ったものであるかの記録監査を実施して記録物の質の向上を図っている。各種委員会で、記録物の品質に関する情報共有を図り、サービスの改善につなげている。

〇適切なサービスが実施されているかを、利用者の視点で、職員が自己評価を実施し、サービス改善課題の把握に努めている。
 毎年顧客満足度調査を実施し調査結果を分析し課題を明確にしてサービス向上に繋げている。加えてユニットスタッフアンケート調査を行い、また、高齢者虐待自己点検シートをもとに職員自己点検を実施している。入居者の満足につながる支援について職員が利用者の立場に立ってサービス改善の気づきを出し合い、全職員で共有し改善に取り組んでいる。高齢者虐待自己点検シートはスタッフ用と管理者用があり、毎年一斉点検を実施している。介護従事者としての倫理観が欠如していないか等チェックし施設としての課題の把握に努めている。

〇職員皆で考え行動することを施設運営の基本としている。
 当施設は、職員皆で考え行動することを運営の基本と考えている。2020年の施設移転時に5か年の中期計画を立案し、毎年幹部職員と職場のリーダが集まり、施設全体の行動計画を検討し、全職員に周知している。施設全体の行動計画から、部署ごとの行動計画を策定している。部署の行動計画から、職員各自が自身の1年間の目標を設定し、目標達成に向けて取り組んでいる。施設目標、部署目標、個人目標が連鎖することで、職員と施設が共に成長することを目指している。

〇利用者の楽しみとなるレクリエーション等の実施の工夫が望まれる
 入居者アンケートの結果では、半数以上が「楽しみが少ない」と指摘している。コロナ禍の中での行事開催等には注意が必要であるが、日々の入居者の生活の中で年齢や個々の生活暦に配慮し、ユニットごとのレクリエーションの実施等楽しみを作る支援の工夫がのぞまれる。

〇ユニットケアの現場の職員の声を施設全体で共有する取組みの工夫が期待される。
 今回の第三者評価で実施した職員アンケートの結果では、多数の職員が「とても働きやすい職場である」と感想を述べているが、ユニットごとに現場の職員の負担感にもかなりの違いがある状況のようである。ユニットケアの少人数制のなかでは、シフト勤務にも無理が発生し、職員の時間外勤務にもユニットごとの違いがある。ユニット毎の独自性を尊重することに加え、協力ユニット制の実施等により施設全体で課題を共有する取組みが期待される。


⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
第三者評価を施設の総点検の機会として捉え、そして、受審準備を通じてチームワークが醸成されることを期待し受審いたしました。評価では我々だけでは気が付かなかった施設の良い点や、改善が望まれる点などを指摘していただきました。また、ご利用者・ご家族アンケートと職員アンケートでは忌憚のない貴重な意見を賜り、施設の運営に活かしてまいります。ご家族には、コロナ禍の中で居室での面会を制限させていただいており、答えられない質問が多くご迷惑をおかけいたしました。ご協力ありがとうございました。
 今後、この経験を土台にして、評価の着眼点をケアの質の向上に活用していきたいと考えます。また、業務を執行するにあたりPDCAサイクルが重要であることを再認識いたしました。
 評価結果及びアンケート結果を真摯に受け止め、職員で共有し、良いところは伸ばし、改善点は改め、コミュニケーションのとれた風通しの良い組織を構築して、利用者様・地域の皆様・職員に信頼される施設を目指してまいります。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

「ともに あなたらしさの虹をえがく」を理念に掲げている。入居されるそれぞれの方が有している様々な人生の価値観に寄り添い、満足してもらう思いが込められている。理念の実践に向けて「笑顔が絶えない施設をつくります」等の4項目からなる「運営基本方針」を定めている。理念・基本方針を各職場に掲示し全職員に周知している。また、毎年開催する施設行動目標検討会で、職員への理念や基本方針の理解と周知に努めている。入居者や家族には、ホームページやパンフレット、毎月発行する広報誌「わかくさニュース」で理念の周知を図っている。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

施設長は、福祉新聞や全国済生会福祉施設長会議の情報等をもとに社会福祉事業全体の動向を把握している。また、施設長は金沢区地域福祉保健推進会議、及び金沢区レベル地域ケア会議の委員であり、行政等から発信される情報をもとに地区福祉計画の内容の把握に努めている。地域の人口・高齢者率、高齢者施設の整備状況、当施設利用申し込み者数等から施設を取り巻く環境の状況変化を把握している。それらの状況からSWOT分析(経営戦略を立案するために内部環境・外部環境を洗い出す現状分析手法)を実施し、施設の進む方向性を検討し年度ごとの施設行動計画に反映している。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

毎年11月に「行動目標検討会」を開催し幹部職員と職場のリーダークラスが参加し、施設の経営・運営の現状について認識を共有し、当年度の課題や翌年度の目標を協議している。検討会の結果を施設の最高意思決定会議である「運営会議」で検討し、その結果を受けて次年度の「施設行動計画書」を策定している。経営環境、経営状況についてはSWOT分析の結果を活用している。当施設の強み・弱み等に配慮し、経営課題の解決・改善に向けて対策を具体化し施設行動計画に反映している。施設長は、職員説明会を実施し、施設行動計画の内容を全職員に説明し周知を図っている。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

法人の理念・使命・ビジョンを明示した5か年の中期計画を策定し、令和5年度より第3期中期計画に入っている。法人の中期計画をもとに施設の中期計画を策定している。生活困窮者支援の積極的推進等の施設の第3期中期計画の重点目標を掲げ、課題ごとの現状を分析し実施計画を明記している。当施設の中期目標として、「信頼される施設になる。~済生会初のユニットリーダー研修施設を目指す~」を掲げ、ケアの質の向上と入居者・家族、地域から信頼される施設を目指すことを明記している。中期計画は年度ごとに見直しを行い、課題を明確にして施設行動計画に反映している。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

中期計画を踏まえた単年度事業計画、資金収支予算、施設整備計画及び施設行動計画を策定している。行動計画は、BSC(バランススコアカード)の手法を用いて、顧客・プロセス・学習と成長・財務の四つの視点での戦略を明記し、課題ごとの目標値を設定している。令和5年度は四つの戦略を達成するための13の行動計画を設定し、行動計画ごとに達成に向けた23の目標値(重要業績評価指標KPI)を設定し取り組んでいる。毎年11月に施設行動計画の達成状況を評価し、計画の項目毎に継続の必要性や質の高いケアを目指すための変更内容を確認し、翌年度の施設行動計画の策定に繋げている。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

毎年11月に幹部職員と20名ほどの職場のリーダークラスの職員が集まり、行動目標検討会を開催し施設行動計画の素案を作成している。検討会では当年度の計画の実行状況及び実績をグループワークで評価し、月次収支は計画・予算の対比でまとめ差異があればその要因を分析し改善を図っている。また、身体拘束・虐待防止、安全管理、褥瘡対策、ケア記録の管理等13の各種委員会を立ち上げ、委員会ごとに達成すべき課題を明確にして年間の活動計画を策定し、達成状況を評価し次年度の施設行動計画に反映している。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

令和5年5月の広報誌「わかくさニュース」に、事業計画や予算について掲載している。広報誌を入居者・家族に配付し、数字のみならず当該年度の施設の利用者支援に関する取組みを説明しているが、入居者支援の具体的な記述はなく入居者にわかりやすい説明としては十分とは言えない。新型コロナの影響で家族会は現在開催されていないが、施設の各種行事等に入居者・家族の積極的な参加を促す意味でも、今後事業計画等に関する入居者・家族への説明の機会を作り事業計画の理解と周知への取組みの配慮が望まれる。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

毎年顧客満足度調査を実施し入居者支援の課題の把握に努め、調査結果を分析し課題を明確にしてサービス向上に繋げている。また、ユニットスタッフアンケート調査や高齢者虐待自己点検シートをもとに職員自己点検を実施している。入居者の満足につながる支援について職員が利用者の立場に立ってサービス改善の気づきを出し合い、全職員で共有しサービス改善に取り組んでいる。また、年一回、運営状況点検書による自己点検を実施している。点検書は、人員基準や運営基準、介護報酬等点検数は350項目にも及び、点検結果を活かし施設の福祉サービスの質の向上に取り組んでいる。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

顧客満足度調査及びユニットスタッフアンケート調査の結果を分析し、ユニットリーダー会議等で対策を検討し入居者支援のサービス向上に繋げている。高齢者虐待自己点検シートはスタッフ用と管理者用があり30項目のチェック項目である。毎年一斉点検を実施し、「介護従事者としての倫理観が欠如していないか」等をチェックし施設としての課題の把握に努めている。ユニットリーダ会議の決定事項は構成員から各ユニット会議等で全職員に周知し共有化を図っている。また、各種委員会が所管する課題については委員会ごとに対策を講じている。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

施設長はホームページで理念・運営基本方針を示し、具体的な施設運営の思いを表明している。毎年の年頭所感を発表し、新年度に取り組むべき方向性を明示し職員に周知している。年度初めには、事業計画である行動計画を作成しているが、その巻頭言でも施設目標を示し、職員に説明し理解を求めている。職務分掌規程により施設長の役割と責任、権限および不在時の権限委任を明確にしている。災害等での対策本部設置時には本部長および本部長代行を取り決め、確実に対応できる体制を敷いている。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人の「コンプライアンステキスト基準編」を策定し、コンプライアンス重視の経営について明示し職員に周知している。
施設長は法人本部主催のコンプライアンス研修に出席し、主任以上の幹部職員に対して年度初めにコンプライアンス研修を実施し、法令だけでなく社会的規範や倫理基準の遵守を含み、全職員へは各部署で伝達研修を実施し社会の要請に応えていくことを伝えている。特に個人情報保護には力を入れており、9月には外部講師により全職員対象に個人情報保護に関しての研修を行っている。出席できない職員にはビデオでの受講を用意し、周知を徹底している。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は毎月苦情内容やインシデント・アクシデント分析、入院に至る入居者の実態、および年1回の顧客満足度調査から課題を把握している。課題解決に向けて必要なプロジェクトを立ち上げ、職員の意見を取り入れる仕組みを整備し、ケア記録管理委員会を設置し、記録要領を作成して各ユニットの標準化を図っている。施設長は各種委員会(安全管理、感染対策、身体拘束・虐待防止)活動に委員として参加し、グループワークで職員の意見に耳を傾けている。また、研修委員会の委員として年間研修計画の立案に参加し、研修について立案や効果測定方法の検討にも関わっている。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は、毎月ユニット別に入居者の状況や業務の実態を把握し経営分析を行っている。経営改善計画として重点5項目(人員の見直し、働き方改革、利用率向上、加算収入、利用者負担)の検討チームを立ち上げ、改善計画に関するQ&Aを作成し職員説明会を開催し周知を図っている。部署行動計画と経営改善計画のヒアリング、各部署責任者との意見交換会を実施し計画の進捗管理に努めている。ユニットケアの基本マニュアルを作成し、各ユニットのケアの見直しや節電節水、オムツの適正使用等に関する研修などにも取り組んでいる。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

業務量、労働負荷、勤務シフト、加算に必要な有資格者、退職意向者などの情報から人員計画を作成し、どのような人材を必要としているかを明示し職員に周知している。人材の確保及び定着に向けては、業務の標準化やタスクシフトを推進し、働き方改革の対応に努めている。介護職員のキャリアラダーに則り育成研修や資格取得の支援をしている。人材確保についてはハローワークや人材紹介会社ホームページ、求人広告、就職説明会への参加等のほか、職員紹介制度や定年退職者の再雇用希望、実習生からの雇用など様々な方策を行っている。現在職員の欠員はない。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

施設理念とともに施設の求める人材像を玄関に掲示し、職員説明会等機会あるごとに提示して職員および新規採用者に示している。人事基準については職位を定義し推薦書や小論文等昇格基準を明確にして、人事委員会、運営会議の合意制による決議を経て人事を決定している。職位の定義書は就業に係る規則集に綴り職員がいつでも確認できるようにしている。定期的に職員による「施設の持ち味アンケート」を実施し、また、職員代表者と施設の管理部門による労働条件プロジェクトを立ち上げ、職員が求めているものを処遇や労働環境改善に反映させている。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

労務管理は職務分掌規程で責任体制を明確にし各課ごとに担っている。有給休暇は平均して10日程度は取得しており、時間外労働については超過勤務申請書及び管理簿で把握しその状況を確認している。いずれも部署・ユニットごとの勤務状況には差があり、個別に職員にヒアリングしている。健康診断及びストレスチェックのほか、職員希望のオプション検査を事業所負担で行い、相談窓口や育児休暇等の体制を整え働きやすい職場環境を目指している。選挙による職員代表と施設管理者による労働働条件プロジェクトを設置し、職員の労働環境について話し合い改善に取り組んでいる。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員の人材育成を目標とした目標管理制度を整備し、個々の目標の達成度を評価し人事評価に反映している。施設目標・部署目標から職員一人ひとりが自己目標を設定し、1年間の取組みの成果を評価している。目標設定時と期末の成果評価時は職員と直属の上司が面談を行い、部署責任者の評価と合わせて人事委員会で審査を行っている。昨年度から成果評価に加え行動評価を実施し、一般職員に管理職も含めた職種及び職位に応じて施設が求める基準の行動評価表に照らし評価している。職員と上司によるコミュニケーションを図り処遇に反映させ、モチベーションの向上に繋げている。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

資格取得者台帳を作成し必要とする資格及び資格保有者を把握し個々の職員の育成に活かしている。教育研修委員会では職員研修の年間計画を策定している。階層別研修や法定研修の他、職員が希望する研修のアンケートから、アンガーマネジメント、接遇、認知症等に関する要望があり、令和5年度の研修計画に反映している。集合研修にはグループワークを取り入れ、研修後アンケート調査や効果測定を行っている。また、ビデオ視聴による全員受講や各ユニットに講師が出向いての出前研修等を実施し、職員が受講しやすいように工夫している。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員の資格取得管理一覧と目標管理の面談を通じて、職員の知識や技術等を把握している。介護職員はキャリアラダーをもとに経験等に合わせた研修を受けられるようにし、階層別研修や職種別研修を実施している。外部の研修案内を施設全体に回覧し職員の受講を促し、アンケート調査による職員の希望する研修を研修計画に反映している。介護職員の喀痰吸引研修では講師を施設に招聘し実地研修を施設内で実施できる体制を整え、資格取得を支援している。OJTはユニットごとのケア特性に配慮し、ユニットリーダーが中心となり実施している。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

「介護に係わる専門職の実習者受け入れ基本方針」を掲示し、福祉サービスに関わる専門職を目指す学生等の養成を目的とした体験実習を提供している。介護福祉士、看護師、相談員及び介護支援専門員の養成にマニュアルやプログラムを用意している。学校等と協議してカリキュラムを作成し、実習期間中の学校指導者との意見交換等連携を図っている。日々の実習の目的を明確に定めた「本日の目標」を実習生に伝え、実習に関する支援の意味や根拠を考えるように伝えている。昨年度は20名程度の実習生を受け入れている。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

ホームページ・パンフレット・広報紙を活用し、施設の理念・基本方針、事業計画・予算、事業報告・収支報告を掲載して公表している。行動計画書に第三者評価受審に向けて、令和4年度にプロジェクトにより取り組んでいることを明示している。また、広報誌(わかくさニュース)に施設運営方針を明示し、入居者支援の様子を写真等画像も併せて掲載し、分かりやすく伝わるようにしている。広報紙を毎月200部発行し、施設入居関係者の他、地域の様々な利用施設に配架依頼し、地域住民への周知を図っている。苦情・相談の公表については、実際に取り扱い件数があった際は、申し出者に確認の上公表している。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

職務分掌規程、決裁規程、経理規程等の各規程に関する「規程集」を策定し、事務・経理・取引ルール等について明記している。規程集を各部署に設置し、職員がいつでも確認できるように周知している。毎年、法人本部の監査指導室による業務監査、及び法人支部監事による業務監査・会計監査を実施し、指摘事項については改善した内容を報告し経営改善を図っている。また、法人としての会計監査人を設置し、監査法人による外部監査を実施し監査結果をホームページに公開している。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

コロナ禍での見直しはあったが、以前から地域の夏祭りや盆踊り大会など、入居者が参加し地域交流を図っている。「済生会横浜金沢医療福祉センター」や施設併設の居宅介護支援事業所を通じて、地域情報の収集を行っている。地域との交流機会を設けるため、施設内に「地域交流室」を設置し、入居者との交流を条件に「開かれた施設」を目的にした利用規約を作成し、令和6年度を目途に地域住民が利用開始できるように準備を進めている。外国につながる子どもを対象とする日本語教室を定期開催できるよう、地域のNPO団体と利用調整を行っている。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

「ボランティア受け入れ規程」を策定しボランティア受け入れの目的等の基本的考え方を明記している。また、「ボランティア受け入れマニュアル」を作成し、受け入れ手順や入居者の権利擁護、プライバシーの保護等について明示し、感染症予防や安全な車いす操作など、入居者・ボランティア双方の安全を図るようにしている。「地域との連携及び交流に関する基本方針」に基づき学校教育への協力など地域との連携を図り、中学生の職業体験や高校生のインターンシップを積極的に受け入れている。また、介護士や看護師養成のための実習生を受け入れており、受入れマニュアルを作成し実習各校のカリキュラムに従い実施している。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

横浜市発行の「介護保険事業者ガイドブック『ハートページ』」を地域の資源情報として活用し、関係機関との連携を図っている。ガイドブックには、介護保険や周辺情報が過不足無く掲載されている。施設長は、横浜市社会福祉協議会高齢福祉部会の部会員として活動し、また、金沢区地域福祉保健推進会議や金沢区地域ケア会議のメンバーとして活動している。施設長が定期的に連絡会に出席し、関係機関との連携に努めている。地域の高齢者に対するコロナワクチンの接種に関する情報など、各会議内容は、施設長より幹部職員に伝達され、必要に応じて職員への共有を図っている。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

施設は、横浜市の津波避難施設として位置づけされ、主に屋上庭園部分を避難場所として備蓄保管を含め、地域住民の受け入れ体制を整え、町内会と連携し地域の情報の把握に努めている。地域では、民生委員児童委員協議会に対する期待が大きいこともあり、同団体が運営する高齢者カフェに着目し、当施設も地域チームの一員として参加し、高齢者介護に関する専門技術に関する情報提供の機会に繋げている。施設は、済生会横浜金沢医療福祉センターの一員であり、定期的に他施設との情報交換を図り、当施設の多機能性を生かした地域での総合相談会の実施に取り組んでいる。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

母体の社会福祉法人済生会の「なでしこプラン」「ソーシャルインクルージョンプラン」に則り、福祉・医療の面から生活困窮者支援事業を実施している。「済生会横浜金沢医療福祉センター」では、子ども食堂やベルマーク運動を実施し、また、医療・福祉・介護・保育の総合相談室を開催し、地域福祉への施設の専門性の還元を図り地域コミュニティの活性化や町づくりに貢献している。当施設は、横浜市との間で「自然災害発生時の福祉避難所および備蓄提供」に関する協定を締結している。収容人数について、施設定員の倍数にあたる220名が想定され有事に際し市と協議することになっている。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「施設行動目標検討会」を年一回定期的に開催し、施設長から職員に対して理念や基本方針に係るプレゼンテーションを行い、理念に掲げる「入居者それぞれの人生の価値観に寄り沿った支援」等の理解と実践について職員への周知を図っている。また、年度ごとに「行動計画書」を策定し、理念や基本方針の説明を掲載し、職員が適宜確認できるよう配慮している。「職員倫理綱領」「職員倫理綱領に基づく行動指針」を策定し職員に周知し、入居者を尊重した福祉サービスの提供に向けて、身体拘束・虐待防止委員会を設置し、入居者の権利擁護に努めている。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

入居者のプライバシーへの配慮について「職員倫理綱領」「倫理綱領に基づく行動指針」に明記し、施設の玄関に掲示し、入居者・家族にプライバシー保護について周知している。また、「ケアにおけるプライバシー保護マニュアル」を作成し、職員がいつでも閲覧し確認することができるようにスタッフルームに設置し、職員への注意を喚起している。入居者は全室ユニットケアの個室であり、自宅の家具の持ち込みも可能である。居室の入口に鍵を付け設備面での配慮があり、プライバシー保護が保たれている環境である。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

施設パンフレットを地域の法人内各施設(病院、訪問看護ステーション、障害者施設、保育園、ケアプラザ)に設置し、ホームページや市の特別養護老人ホームGUIDE BOOKでも施設情報を提供している。相談にはパンフレットを用いて専門用語を使わないように丁寧な説明を心がけ、写真等で施設での生活をイメージできるようにしている。見学案内は生活相談員が対応し、利用希望者の都合に合わせているが、入居者の面会対応がない午前中を勧め十分な相談時間を取れるようにしている。可能であれば短期入所の利用も勧めている。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

利用開始までに入居希望者の状態や自宅での様子を把握し希望を聞き取っている。入居への本人・家族の同意を得て契約書に捺印をもらい、入居日までに入居者の意向を反映した暫定ケアプランを作成し、職員が情報を把握してサービスを開始できるようにしている。入居前後の生活の相違から状況に合わせてケアプランを見直すこともある。ケアプランの説明・同意では本人の意向を尊重し、変更点について検査データや生活記録等を用いて丁寧に分かりやすく説明している。意思決定困難者の対応フローチャートを作成し、家族等がいないケースを含め適正な運用を図っている。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

入居者が他施設や医療機関に移る場合には、退所手順のフローチャートに沿って対応している。看護・介護サマリーを作成し情報提供の引継書とし、入居中の対応等が著しく変更されて本人が不安に感じることがないようにしている。特に入院までの状況説明は丁寧に行い、移行にあたっては家族の相談に応じている。入居者の多くは看取り対応でのサービス終了になっているが、在宅への移行では医療機関や支援体制等のサービス提供機関への情報提供書を用意するなどしている。サービス利用の終了時には担当窓口を設定し担当者が相談に応じる旨を伝えている。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

入居者満足度調査を毎年行い、調査結果を運営会議及びユニットリーダー会議で共有し、課題を協議して改善に取り組んでいる。昨年度はケアの質を考える機会として、利用者満足度調査と同じ項目で職員から見た満足度を調査したところ、課題の指摘があり職員の言葉使いや態度について振り返る機会になっている。入居者の声は職員が代弁してユニット会議に上げたり、行事等の感想を聞き取り、次の行事の参考にするなどしている。家族からは面会時に相談員が聞き取り、面会方法の工夫などにも反映している。入居者や家族からの相談にはプライバシー等に配慮してその都度対応している。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の仕組みを整備しており、入居者および家族へは入居契約時に重要事項説明書にて説明している。また、説明資料を施設の正面玄関内に掲示し、誰でも内覧し確認できるようにしている。施設以外の苦情受付機関について、重要事項説明書に市および県の対応窓口を記載し、施設内にかながわ福祉サービス運営適正化委員会ポスターを掲示し、複数の窓口があることを周知している。施設の第三者委員2名を設置し苦情受付状況を定期的に報告している。また、苦情内容は苦情申し出者の同意を得た上で、年に一度、ホームページに公表している。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

「入居者の意見聴取及び対応に関する手順書」を作成し、意見聴取の方法や配慮点、担当者、記録方法等を明記し、手順書に基づき対応している。各フロアに意見箱とアンケート用紙を設置し、入居者や家族の他、職員も意見を述べやすいようにしている。家族や入居者から寄せられた意見は個人ファイルや介護システムへ記録し保管している。また入居者が職員に相談したい時や意見したい時は、相談室等のスペースを確保しいつでも相談に応じるようにしている。施設には第三者委員を2名設置し、入居者が職員以外に相談したい時に対応している。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

職員は、「入居者の意見聴取及び対応に関する手順書」を作成し、入居者が相談しやすいように配慮し福祉サービスの向上に努めている。手順書は毎月開催する運営会議に図って随時見直しを行っている。入居者や家族からの相談や意見について、ポスターを掲示して呼びかけ、各フロアのエレベーターホールに意見箱を設置しアンケート用紙にて随時申出が可能なようにしている。その他、利用者満足度調査や食事アンケート等、意見を述べる機会が複数設けられている。入居者や家族から相談や意見の申出があった際は、支援課長が集約し運営会議を通じて共有すると共に改善策等を検討している。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

「安全管理委員会」を設置し、月一回委員会を開催し施設運営や利用者支援に関するリスクの把握・評価・分析・対応のプロセスを通じて、安全なケアを提供するように努めている。また、「アクシデント事象検討委員会」を随時開催し、重大なアクシデントにつては事実関係を速やかに確認している。また、ヒヤリハットや事故報告を集約し要因分析や対応策を講じて再発防止に努めている。安全管理委員会が中心になって「事故発生時や安全確保についてのマニュアル」を作成し、また、「休日・夜間の救急受診、救急対応マニュアル」を整備し入居者の緊急時対応に備えている。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「感染症指針」「感染症対策マニュアル」を策定し、各種感染症に応じた予防対策を推進している。令和4年度は「感染対策委員会」が中心になり「感染症BCP」を作成している。新型コロナ等重大な感染症の発生時には直ちに対策本部を立ち上げ、実際に感染症が発生したユニットでのゾーニングなど蔓延防止対策を実施している。また、ノロウイルスの汚物処理等の実践訓練を毎年定期的に実施している。感染対策委員会を月一回開催しており、感染症発生の原因や対応について振り返りを行い、BCPやマニュアルの見直しを行い再発防止・拡大予防の取り組みを推進している。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

地域で南海トラフ巨大地震が想定されており、「地震対策BCP」「水害対策BCP」を策定し大規模災害に備えている。「わかくさ消防計画」を策定し、防火管理者を設定し、法令で定められた消防訓練、火災、地震・津波・水害を想定した訓練を年に6回実施している。内1回は夜間を想定し、津波を想定した訓練も実施している。施設の屋上庭園は、津波発生時に地域住民の避難場所になっており、備蓄倉庫を持ち、食料や毛布等を備えている。「防災委員会」を設置し、毎月開催している。また、災害を想定したシナリオを策定して訓練を行っている。消防署には火災(昼・夜)を想定した計画書を提出している。各訓練実施の結果を記録として残している。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

介護マニュアルを整備している。介護マニュアルには、「生活の継続性」「自己決定の尊重」「残存能力の活用」の介護の三原則によるユニットケアの介護の実践について明記し、食事ケア、口腔ケア、排泄ケア、入浴ケア等の標準的な介護の内容について明示している。また、入居者全員を対象に個々の入居者の支援の特性に配慮した手順書を作成している。「24時間シート」を作成し、食事や排泄、服薬など一日の生活リズムに沿って入居者一人ひとりの意向・好み、自分でできること、サポートが必要なことを具体的に明示している。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

標準的な実施方法の見直しについては、毎月開催のユニットリーダー会議で議題として検討し、必要に応じてマニュアルの見直しを実施している。ユニット会議(サービス担当者会議)で現場の職員が個々の入居者の支援の状況より、手順書の変更の必要性をチェックし、介護現場での適用について検討しユニットリーダー会議に報告している。ユニットリーダー会議で職員の意見をまとめてマニュアルを変更し全職員に周知している。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な福祉サービス実施計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

ケアプラン作成及び見直しに合わせてアセスメントを実施している。「アセスメント手順書」を作成し、手順書に沿ってアセスメントを実施している。手順書には入居者の日常生活の自立度やADL、コミュニケーション能力、社会との関わり、BPSD(行動・心理症状)等の情報確認の方法を明記している。アセスメントを実施し入居者支援ニーズを把握し、支援課題を設定しケアプランに反映している。ケアプランに沿った支援の状況について毎日モニタリングを行い、「ケアプランモニタリング表」にケアプランの課題ごとに記録している。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に福祉サービス実施計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

半年ごとにケアプランの見直しを実施し入居者・家族の同意を得ている。ケアプランには、入居者・家族の生活に対する意向を明記し長期・短期の目標を設定し、解決すべき課題ごとに支援内容を明確にしている。ケアプランの課題に沿った支援が実践されていることを日々の担当職員がチェックし、「実施モニタリング表ケース一覧」に記録している。月ごとにユニット会議でモニタリングの結果について話し合い、また、支援困難ケースに関しては、逐一ケース記録に残し、職員間の共有を図りケアプランの見直しに反映している。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

「ケア記録管理委員会」を設置し、ケア記録及び日誌記載の標準化、介護報酬に求められる実施記録、LIFE(厚生労働省が運用する科学的介護情報システム」データ提出、及び記録の確認・監査を実施している。LIFEは毎月報告し、半年ごとに提供されるフィードバックデータを管理している。また、「記録要領」を策定し、各種記録が要領に沿ったものであるかの記録監査を実施して記録物の質の向上を図っている。ユニットリーダー会議や各種委員会で、記録物の品質に関する情報共有を図り、介護システムの活用、文書・資料の回覧、共有ファイルの利用に関する職員の周知を図っている。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

施設の「個人情報保護規定」を策定し、個人情報とは何かを定義し個人情報の目的外利用の禁止等個人情報保護のための対策を講じている。また。重要事項説明書に個人情報の利用目的を明示し、個人情報の提供は必要最低限とし、個人情報使用についての同意確認について入居者・家族に周知している。施設内のコンプライアンス研修や新任職員研修で個人情報保護に関する職員の意識の徹底を図り、入職時・退職の際には誓約書を取り交わし個人情報の漏洩防止に努めている。パソコンのデータは職員のパスワード管理を徹底し、USBデータの取り扱いを規定し情報漏洩の防止を図っている。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

職員は、アセスメント表を活用し入居者の心身の状態や意向等を把握し、ケアプランに反映し職員間で共有している。ケアプランには、本人の意向を本人の言葉そのままに記載し理解に努めている。本人の意向が聞き取れない場合は、日常の様子から要介護状態の軽減や悪化防止に繋がるように支援の内容を工夫している。「24時間シート」を作成し、ユニットの入居者一人ひとりの生活リズムを一覧にし、個別に合せた対応を行っている。
 日々心身の状態に合せて入浴や食事等ケアの時間を調整している。食事前の口腔体操や季節を感じる飾り付け、近隣への散歩、買い物等の活動やユニット共有の洗濯物たたみなど、また、トレーを拭くなどの役割を果たす等気に入ったことに入居者が取り組めるようにしている。日中は車いすやリクライニング車いすで共有のフロアに出て交流したり、日常を楽しめるよう工夫している。職員は、ユニット内のカンファレンスやユニット会議でサービスのPDCAサイクルで支援の状況を評価し改善に繋げている。

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:評価外(特養、通所、養護・軽費)】

評価外

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:評価外(特養、通所、訪問)】

評価外

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:a】

「職員倫理綱領」と「倫理綱領に基づいた行動指針」に基づき、職員は入居者の尊厳に配慮した接し方や言葉遣いを心がけている。1日2回看護師が健康状態等確認のために各ユニットを巡回しその都度入居者の思い等を聞き取っている。介護職員は居室を回り入居者に声をかけたりして、傾聴し入居者の状況把握に努め、看護師や生活相談員等と連携し入居者の思いの実現に努めている。ユニット内では連絡ノートに記載し職員間で共有し、ケア記録やユニット内のカンファレンス等で入居者支援の情報共有を図っている。
 入居者の話を聞く際にはプライバシーに配慮し、耳元ではっきりと返答をしやすいようにしている。入居者特性に応じてホワイトボードやひらがな表を活用し、また、必要に応じ家族と連携しコミュニケーションが取りやすいように工夫している。職員は、ケアプランの更新時やユニット会議等で入居者一人ひとりとのコミュニケーションや支援について把握し支援の統一性を図っている。

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

 職員は、契約時に入居者・家族に運営規程を提示し、入居者本人の意思と人格の尊重、苦情処理、秘密保持について説明し、安心して生活できることを伝えている。コンプライアンス研修で権利擁護意識の強化を図り、また、倫理綱領及び行動指針を提示し権利擁護意識の徹底を図っている。虐待防止委員会で虐待や身体拘束に関する事例検討会、研修会を実施している。県主催の高齢者虐待研修を受講し、また、高齢者虐待に関する内部研修を定期的に実施し、職員間で不適切なケアを見逃さないように注意し虐待等の早期発見に努めている。職員から見た顧客満足度調査の実施では、職員自身が自己の言葉や行動を振り返り権利擁護意識の強化に繋げている。身体拘束の必要が生じた場合には身体拘束判定会議で3要件に基づき審議している。手順書を作成し家族の同意を得て実施し、記録を毎週評価し、早期解除に向けて取り組んでいる。

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:a】

施設は新しく、各居室には窓から自然光が十分に入り、明るく清潔に保たれている。介護職員が清掃を行い、生活の場としての衛生的な環境維持に努めている。一人ひとりの生活を尊重し入居前の生活状況を取り入れて家具の配置を行い、身体状況に応じて車いす等での動きにも配慮している。電気製品や好みの家具等を持ち込みもでき、本人が過ごしやすいよう整えている。居室は個別空調で入居者の希望に沿って調整している。東西で日差しが異なり、カーテン等居室に合せて設定している。ユニットのフロアは吹き抜けの中庭に面し、自然光の明るさが感じられる。
 車いす利用者が多い事もありフロアのテーブル配置や動線に配慮し、居室内と同様に安全を確保している。職員は日々危険を察知する意識を持ち、入居者の体動がベッド柵にぶつけやすい状態があれば即座に変更等の対応を行うなどしている。主張が難しい入居者の様子を観察し、掛け物や衣類調節等快適性に配慮している。

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

介護マニュアル「入浴ケア」を作成し、入浴ケアの意義や目的を明確に示し職員に周知している。職員は、「清潔を図ること、精神的肉体的緊張を緩和すること、安全で快適な環境を整えることが入居者に生きがいと機能再起の意欲をもたらすもの」との理解に基づき支援を行っている。使用浴室のうち、「個浴」は、家庭用に近い仕様のユニットバスであり、各ユニットに1箇所設置され、マンツーマン入浴を基本にしている。「特浴」は、2フロアに1箇所設置されている。「特浴」を使用する入居者の割合は、全体の4割程度である。
 入居者の要介護度の平均は4.1であり、全介助を要する方は全体の8割を占めているが、入居者個々の心身状態に合わせてケアプランを作成し、バーセルインデックス(ADL表)を参考に支援している。衣類の着脱時には、自立を損なわないような支援を心掛けている。毎回、入浴前の時点で、健康チェックを行い、結果を介護システムに記録し医務課の確認を取っている。入浴中は入居者への声掛けをこまめに行い、入居者が安全かつリラックスして入浴できるようにしている。

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

介護マニュアルに「排泄ケア」を掲載し、職員に周知している。排泄を健康のバロメーターと認識し重視すると共に、入居者の自立に対する気持ちを尊重し、ADLの状態に応じて支援している。入居者の排泄手段について、入居者の歩行や起き上がりの状態に応じて、各ユニット内で共用のトイレ・居室内設置のポータブルトイレや尿器使用を基本とし、ADLの状態に応じて介助を行っている。おむつを最後の手段と位置づけ、介護側の都合で判断しないよう心掛けている。
 入居者個々の心身状態に合わせてケアプランを作成し、入居者個々の排泄状況について介護システムに記録し、職員間で共有している。マニュアルには、プライバシーの配慮や誘導のための声掛け、ケア用品の用い方、介助後の汚物処理に至るまで介助者に厳しく注意を喚起し、入居者への声掛けを必ず1動作ずつ行うよう取り決めている。入居者の健康チェックを目的として、排泄物の観察方法を具体的に明記している。感染防止の観点から、介助時に使用する備品をマニュアルに明記し、一介助一手洗いを徹底している。

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

介護マニュアルに「移乗ケア」を掲載し、職員がいつでも確認できるようスタッフルームに設置している。ユニット内では、寝たきりや廃用症候群等を予防するため必要であるとの考えに立ち、積極的に入居者の自立支援を行っている。入居者の意向を聞きながら環境を整え、日常的にユニット内を移動したり、職員体制が可能な限り屋上庭園で散歩を実施したり、近くのスーパーへ買い物に外出したりし支援している。入居者が移動を希望した際、職員の状況を声掛けして伝えつつ、できる限り応えるよう心掛けている。
 入居者のADLをもとに、介護職員・看護師とで協議の場を設け、ケース記録を確認しケアの内容を見直し変更している。入居者の中には、在宅時は寝たきりに近かったが、施設で居住環境が改善された結果、車いすや歩行器利用で安全に移動できるようになった事例がある。介護職員に対し、移乗ケアの際、注意すべき事項をマニュアルに明記し、介助に伴う負担軽減を図っている。

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

管理栄養士を配置し、適温での常食・きざみ食やゼリー食の形態で食事を提供している。「食事摂取基準」に則り献立を作成し、「安全衛生マニュアル」に則りユニットと栄養課との間で食事箋の発行など「給食業務に関する約束事項」を定めて食事を提供している。各ユニットでは、日々の献立表示を入居者に分かりやすいように工夫している。米飯を炊飯し、厨房から提供された料理をユニット毎に用意した食器に給仕し、適温で食事を提供し、入居者の性格や好み、食事介助の要否も含めてテーブル配置を行っている。
 「栄養管理委員会」を毎月開催し、給食委託業者をメンバーに含め衛生管理・栄養管理を推進し、家庭的なあたたかさを目標に質の高い食事の提供を目指している。献立には、季節感のある行事食の他、月に一度は地域のご当地メニューを取り入れ、入居者から好評を得ている。食事アンケートを年一回実施し、入居者の食事に対する声をメニューに反映し、また、日常的にも、ユニットから栄養課あてに、入居者の食事に対する要望等のメッセージを届けておりメニューに反映している。

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

入居者ごとに「栄養ケア計画」を作成している。介護システムを活用し入居者の体調や嚥下状態の変化を職員間で共有し、栄養ケア計画に沿った支援の状況を毎月確認している。また、個別に24時間シートを作成し、入居者の意向や入居者が自分でできること、サポートが必要なことを整理し、食事面での対応に活用している。ユニットでは、入居者ごとに食事のペースや負担感に差があることをふまえ、個別に食事の提供方法や声掛けを工夫している。入居者ごとに、介護システムのケース記録に日々の食事状況を記入し、個人別食事指示箋と併せて、食事形態や摂取量の変化を多職種にて情報を把握し共有している。
 ユニット会議を開催し、入居者の状態を共有し支援方針を検討している。食事形態の変更もユニット会議で検討している。「経口移行・経口維持計画書」を作成している。入居者ごとに経口による継続的な食事摂取のための支援について多職種で話し合い、経口での摂食が維持できるように支援している。

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

介護マニュアルに「口腔ケア」を掲載し、意義・目的を明示し、ケアの基本や注意事項を具体的に示している。また、「口腔ケアチェックリスト」を作成し、ユニットごとに、日常的に入居者に声掛けし、口腔体操(パタカラ、トウキョウトッキョ等)を実施している。また、DVDを活用したり、自身で行えない入居者には顔・首マッサージにより筋緊張をほぐすなどの支援に取組んでいる。
 歯科診療所から派遣の歯科衛生士の助言を受けて、「口腔ケア・マネジメント計画書」を策定し、入居者ごとの口腔ケアの課題を明記し職員に周知している。歯科衛生士が週1回ユニットを回って口腔ケアを実施している。また、入居者の診療や口腔機能維持にかかわる助言や職員研修を実施している。入居者個々について、歯科から個別に指導や助言を受けた際、介護システムのケース記録に入力し情報管理している。ユニットごとに、毎食後入居者の口腔ケアを実施し介護システムに記録している。

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

「褥瘡対策委員会」を設置し毎月委員会を開催し、入居者の褥瘡予防に努めている。「わかくさ 褥瘡対策のための指針」を策定し施設内の褥瘡予防対策を推進している。毎月全入居者を対象にブレーデンスケール(褥瘡の発生リスク評価)を実施し、入居者個々の「褥瘡ケア計画書」を作成している。褥瘡発生の要因を分析し、関係部署が連携しポジショニングの見直し、食事面の評価・改善の対策等を講じている。「褥瘡対策マニュアル」を作成し、日頃より褥瘡対策委員委員が褥瘡回診を行い、2時間ごとの体位交換を実施し、ハイリスク入居者のポジショニングを検討し、写真を撮影し職員間の情報共有を図り統一したケアを心掛けている。また、ユニット会議等で利用者の食事摂取量や体重の増減を確認し褥瘡の予防に繋げている。現在褥瘡で治療を要する入居者は一人もおらず褥瘡予防の成果につながっている。

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

20名ほどの入居者は、喀痰吸引や経管栄養、バルーンカテーテルなど医師の指示による医療的ケアを必要としている。5名の看護師と特定医療行為研修修了者の介護士19名が入居者の支援に当たっている。「喀痰吸引マニュアル」「口腔内吸引評価表」「胃ろうまたは胃ろうからの経管栄養評価表」等を整備し、また、「喀痰吸引等業務(特定行為業務)計画書)」を作成し、入居者個々の医療行為に係る注意点や介護方法を看護師が指導し、ケアプランに明記し夜間の吸引等を含め支援の統一化を図っている。毎年計画的に介護職員の特定医療行為研修の受講を推進し、施設行動計画に明記し医療的ケアの入居者支援体制の強化を図っている。

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:b】

週1回歯科衛生士が施設を訪問し、利用者の口腔ケアを指導し、職員はユニット毎に嚥下機能の維持や肺炎予防を目的とした口腔体操や健康体操を実施している。しかし、入居者のADLの低下に伴い、離床や歩行等の機能訓練等が必要な入居者が増加しており、施設には理学療法士が在籍しておらず、法人内の協力病院と連携し機能訓練に関する指導を依頼している状況である。協力病院の理学療法士に実際に入居者の状態を診てもらい支援内容をケアプランに記述しているが、十分な支援ができているとは言えない状況である。機能訓練に係る専門職を配置し、入居者の高齢化や日常生活の自立度、移乗や車椅子の利用に係る事故防止等に配慮した機能訓練及びモニタリングの積極的実施が期待される。

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

介護マニュアルに認知症の人への接し方や認知症に伴う各種症状に対する具体的ケアについて明記し、職員に周知している。職員は、個々の利用者の行動特性についてユニット会議やカンファレンスで話し合い、支援の統一性を図っている。入居者の8~9割は認知機能障害のある入居者であり、週2回医師が施設を訪問し入居者の身体状況に関する相談に応じている。また、入居者の利用開始時やケアプランの見直しに合わせてアセスメントを実施し、全入居者を対象にパーセルインデックス(ADL評価表)評価を実施し、入居者のADLの状況変化より認知症の症状を把握している。認知症ケアに関する職員研修に力を入れている。今年度は、認知症の基礎知識、中核症状・周辺症状、認知症介護にポイントを置いて、DVD教材をユニットごとに配布し、ユニット及びグループごとにケースカンファレンスの実践研修を行い、研修終了後の効果測定を実施している。

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の体調変化や急変に際しては、必要に応じて同じ法人の協力病院と連携し受診できる体制を整備している。通常は同じ協力病院の医師が週に2回往診しており、回診の際に看護師が日々の入居者の状況の変化等について報告し、医師の診断による内服処方や検査を受ける仕組が整備されている。また、看護師が毎日2回入居者を巡回し体調の変化を早期に発見できるようにし、ユニットの介護職員とはカンファレンスの時に入居者の病気やそれに伴う観察や注意点、薬の副作用や内服の注意点について情報共有を図っている。また、「夜間(18:30~7:30)救急対応マニュアル」を整備している。夜間は通常看護師のオンコール体制であるが、看護師不在の時など緊急事態の介護職員の救急対応についてフローで示し、体調不良者の緊急対応に備えている。

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「看取り介護に関するの指針」を作成し、対象者の尊厳に配慮した終末期の介護を行うための看取り介護の視点と、具体的な支援内容について明記している。入居開始の時に家族と本人に終末期の対応について確認し、終末期になった時に施設での看取りについて再度確認し、同意の上で看取り介護のケアプランを作成している。看取り期の対応やケアについては、「看取り介護マニュアル」を作成し、医師を含め看護、栄養、介護、ケアマネ―ジャー等多職種によるカンファレンスを行い本人・家族に寄り添った支援を行うための職員間の情報共有を図っている。看護師が講師となり看取りについての研修を実施し、看取り介護で職員が不安を感じることがないようにしている。亡くなった後は、グリーフカンファレンスを実施し、看取り介護について振り返るようにしている。

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

生活相談員が窓口となり入居者の家族とのコミュニケーションを図っている。毎月ユニットリーダーが家族に手紙で入居者の医療や生活の状況、日中活動の様子等を伝えている。また、毎月、広報誌「わかくさニュース」を家族に配付している。わかくさニュースに外気浴などの日々の生活の様子や行事に参加している時の入居者の表情などを写真を用いて紹介している。入居者の状況の変化については、看護師や介護職員からも家族に入居者の状況について詳しく説明している。家族からの相談については、相談内容を日々のケース記録に残し職員間の情報共有を図っている。コロナ禍にあっても入居者と家族が面会できる環境に配慮し、天気の良い日は一緒に散歩を楽しめる環境維持に努めている。

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:非該当(特養、通所、養護・軽費)】

非該当