社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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特別養護老人ホーム南さいわい(ユニット型)

2025年04月24日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社ケアシステムズ

② 施設・事業所情報
名称 特別養護老人ホーム南さいわい(ユニット型) 評価対象サービス 2022~ 高齢者福祉サービス版
対象分野 特別養護老人ホーム 定員 42 名
所在地 212-0016
川崎市幸区南幸町3丁目149-3
TEL 044-542-3695 ホームページ https://www.misasakai.or.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2013年05月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人三篠会
職員数
常勤職員:26 名
非常勤職員:23 名
専門職員
医師:2 名
看護職員:7 名
管理栄養士:3 名
事務員:4 名
相談員:1 名
調理員:9 名
施設・設備の概要
居室数:ユニット型個室 42床
設備等:個浴4か所、特殊浴槽1か所、共同生活室4か所

③ 理念・基本方針
利用者本位。(子どもたちや高齢者のことを中心に物事を考える姿勢)
外部意識。(保護者・家族、地域・ボランティア等から安心と信頼を得られるように努める)
お互いさま(職員関係:お互いを尊重し、協力する姿勢を持つ)
イベントの再開。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
ノーリフティングケアが定着し、ご利用者の24時間の生活をノーリフティングケアで支え、悪化予防を実施している。
また職員の腰痛予防としてもノーリフティングケアを実施している。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/06/30(契約日) ~2025/04/18(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(令和3年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 特長
・経営層は自らの役割と責任を果たし理念の実現に向けてリーダーシップを発揮している
経営層はチーフ会議や運営会議、相談員会議などに出席し事業の方向性などを示し、年度初めの会議では単年度の事業計画について説明している。人事考課制度も導入しており年1回全職員との個別面談の機会を設けている。また、フロアのラウンドも実施し職員や利用者とコミュニケーションを図ったり、地域で開催される各種の会議体にも積極的に参加したりしている。経営層は、施設の目指していることの実現に向けて事業の方向性を示唆しリーダーシップを発揮している。

・ノーリフティングケア・ユニットケアを取り入れて個々に応じた支援を充実させている
利用者一人ひとりの生活スタイルの継続を目指し、ノーリフティングケア・ユニットケアを取り入れて個々に応じた支援を提供している。各種委員会や会議を定期開催することで、項目ごとに検討を重ねて改善に取り組んでいる。会議では、施設長・看護師・介護職リーダー・生活相談員・管理栄養士・機能訓練指導員・事務職が参加して、情報の共有や多角的な視点での課題検討を行うことができており、有用な取り組みとなっている。

・個別支援や自立支援に向けた取り組みを定着させている
利用者の入所時には、事前情報をもとに利用者や家族などから聞き取りを行い、生活歴、出身地、職歴、性格、家族構成、趣味、大切にしていること、よく話すエピソード、1日の過ごし方などの利用者のパーソナリティに関する情報を重点的に把握するように努めている。その情報を利用者のコミュニケーションに活用し、認知症のある利用者の支援でも活かすようにしている。また、ノーリフティングケアを導入しており、移動リフトやスタンディングリフト、スライディングボードなどの福祉用具の活用によって定着している。ノーリフティングケアの定着により、利用者と介護職員がお互いに安楽な移乗支援が行えるようになっている。

今後期待される点
・地域住民との交流等がコロナ禍で減ってしまったため、各種の取り組みを再開することを課題としている
法人は特別養護老人ホームをはじめ養護老人ホームや保育園なども運営しており、地域の中核的な福祉施設になっている。よって地域社会との連携を図ることに力を入れており、積極的に地域交流スペースを貸し出して連携を図っている。また、コロナ前は地域の福祉施設と連携して情報交換などを積極的に行ったり、地域の社会資源を利用者に還元する機会も抱負に取り入れていた。地域住民との交流などがコロナ禍で減ってしまったため、各種の取り組みを再開することを課題としている。

・サービス担当者会議には利用者や家族の出席を検討されたい
施設サービス計画書の更新時や利用者の心身状況の変化時には、介護職員、看護師、機能訓練指導員、管理栄養士などの多職種が連携し、サービス担当者会議を実施している。しかし、現状では利用者本人や家族の参加を積極的に促す取り組みが十分に行われていない。利用者については、心身状況に問題がなければ主体的な意見を反映できるよう参加を促すことが求められる。また、家族に対しては、コロナ禍の影響を踏まえ、感染状況を見極めつつ出席を促す工夫が期待される。


⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
利用者支援に関しては、ノーリフティングケアがケアの手法の一つとして定着していることを評価していただいた事、また、情報の共有や多角的な視点においては事業所内では課題を感じつつも評価をいただけていることは、職員の自信や意識の向上につながるものと考えられる。
令和6年度より地域交流スペースの活用を再開し、地域の方々との関りや併設の保育園との交流が徐々に増えている。
令和7年度には、地域の方の協力を得つつ新たにご利用者の楽しみにつながるような企画を進めている。
ご利用者・ご家族とのサービス担当者会議の開催については、事業所の開催時間での参加の難しさ等から、相談員による意向の伝達となっている。課題とされている様に、ご利用者・ご家族の参加調整が必要と考えるが、先ずはご利用者ご本人の参加から調整を検討したい。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

・法人の理念として、「歩・実・心」の手帳を全職員に配布するとともに、施設の方針は人事考課制度の「上下期目標記入シート」を通じて、周知に努めている。また、法人として実施している新人研修では法人理念や基本方針などを説明し、さらに施設長が年度始めのリーダー会議において事業計画を説明する際にも、法人理念に触れ理解を深めてもらえるようにしている。
・さらに、理念や基本方針を分かりやすく標記した資料を作成するなどによって、利用者や家族への理解を深めてもらえるような取り組みを継続して行うことも望まれる。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

・事業経営については、毎月開催している定例会議において現状報告を受け、課題を抽出して具体的な解決案の検討を行うことにしている。さらに、理事長も主席する経営会議を3か月毎に開催しており、複合施設内の各責任者などから報告された重要な案件について、協議する機会を設けている。経営に関する職員の意見は、日頃の関わりや各種会議や委員会、個別面談などで把握し経営の参考にしている。
・高齢福祉全般の動向などは法人や施設内外の会議などから収集しているが、地域福祉の動向などを分析し、事業計画に反映することも望まれる。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

・単年度の事業計画に沿って施設運営に取り組み、期中(年度内)に事業の進捗状況を把握したり、定例のリーダー会議では各事業ごとに経営状況の報告や課題を抽出し、改善案や進捗状況の報告を行っている。必要に応じて計画の見直しに取り組んでいる。リーダー会議では単年度事業の進捗状況の確認に加え、改善による成果や次年度への継続案件などが共有できるようにしている。また、年度の総括や課題は年始より同会議において検証し、事業報告書にまとめることにしている、施設一丸となって事業計画を達成する仕組みが整っている。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・法人として中・長期の事業計画を策定しており、それらを踏まえて予算も含めて単年度事業計画を作成している。事業計画は事業報告書において総括され、それらをもとに次年事業計画を策定するマネジメントサイクルも整っている。さらに、職員一人ひとりの人事考課目標を設定し、個人の目標や課題が事業計画とリンクするようにして事業を推進する仕組みも整っている。
・さらに、中・長期事業計画は「中期」「長期」の概念を明記したり、に数値目標や具体的な成果などを設定したりして、実施状況の評価を行える内容とすることも望まれる。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・中・長期計画は、数値目標や具体的な成果などを設定することにより、実施状況の評価を行える内容とすることが望まれる。単年度事業計画には各部署、部門別の目標をはじめ、職員研修、行事などの年間計画も盛り込んでいる。また、単年度の事業計画をもとに予算計画を立案するなどの体制を整えている。
・さらに、法人の中長期事業計画を受け、施設として中長期事業計画を策定し、それらの内容を反映した単年度における事業内容を具体的に明示することも検討されたい。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

・単年度事業計画に明示した「年間のサービス提供方針」に沿って円滑に事業を推進する仕組みとして、リーダー会議などの場において職員に説明し周知を図っている。また、事業計画の進捗状況については運営目標として掲げている稼働率などを数値化し達成に取り組んでいる。また、各種の委員会も定期的開催しており、事業計画の推進を側面から支援する体制が整えられている。
・さらに、期中において事業の実施状況から、「上方」「下方」などへの修正が必要になった際の手順を取り決めるなども検討されたい。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

・単年度事業計画はリーダー会議において職員へ配布しており、各ユニットの利用者には職員を通じて説明を行うことにしている。また、利用者や家族が回覧できるよう玄関にファイルを設置するとともに、利用者家族から事業計画の閲覧希望などの申し出があれば、閲覧を促し説明も合わせて行うことにしている。
・さらに、事業計画の主な内容をまとめた資料などを作成し、利用者会や家族会などを開催して説明するなどの工夫を行うことも検討されたい。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

・各種の委員会は概ね3か月毎に開催しており、各サービス内容についての検討を行って質の向上に取り組んでいる。また、各委員会において検討した内容は年度末に評価を行い、次年度のサービス内容に反映させるようにしている。それらの機会を通じて支援やサービスの質の向上について検討する機会を設けており、特にノーリフティングケアについては年間の研修計画を策定して組織的に取り組んでいる。さらに、第三者評価の結果については、職員への周知に努め、改善状況の検証や施設内での公表などに取り組まれることも望まれる。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

・組織の課題を明確にすることを目的に、相談員が参加する定例会議、各フロアの主任・副主任・リーダーが参加するリーダー会議、各種委員会などにおいて、課題に対して計画的な改善策の検討に取り組んでいる。年度末には組織全体として事業評価に取り組んでおり、議事録を作成して回覧によって職員間で共有できるようにしている。経営層は定例会議やリーダー会議、各委員会において各種の課題に関して指導や助言に取り組んでいる。
・さらに、評価結果を分析した結果や課題を事業報告書に明示し、次年度の事業計画書に反映有れることも望まれる。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

・経営層は年度始めに単年度事業計画や人事考課制度の個別面談を実施するとともに、リーダー会議では管理者の役割と責任、法人及や施設の方針などを説明している。また、リーダー会議、定例会議、各種委員会、朝礼など、組織として運営について協議する場を設け、具体的な事案を検証し結論を導くことで施設運営をリードしている。
・さらに、ホームページや各種の広報媒などを通じて、経営層の役割と責任について表明することも工夫されたい。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などについては、就業規則や職員倫理規定などに明示し、さらに入職時研修やリーダー会議で遵守すべき事柄などを通じて周知を図っている。また、各種の委員会を通じて法令・倫理要綱・社会的規範の周知徹底とコンプライアンスの推進を図っている。利用者の尊厳の尊重をテーマとした事業所内研修を実施して職員の注意喚起を促している。
・さらに、施設として環境への配慮なども含む幅広い分野についても、遵守すべき法令等を把握して取り組まれることを検討されたい。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・施設長は、リーダー会議においてフロアリーダーから課題の報告を受けて改善策などを提唱しており、その際には職員の意見なども反映させることにしている。定期的な職員面談においても現状把握に努め、年間研修計画に反映させることにしている。その際には職員が参加を希望する研修を確認して、相談員や介護主任で検討し決定することにしている。介護負担軽減、利用者の生活が向上できるよう新たな福祉機器の導入を行い、職員の意見を反映している。また、職員の教育のため研修を実施しサービス向上に努めている。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・施設長をはじめ管理職の業務内容は法人の規程に明示し、施設内の役割分担については組織図や業務分担を設けている。さらに会議や委員会の内容や目的なども明示しており、組織の運営体制を分かりやすく伝えている。施設長自ら、リーダー会議などの機会を通じて語りかけ、単年度目標に沿った講話によって役割と責任を果たしている。また、現在の取り組みがすべて正しいとは認識せず、新たな取り組みへのチャレンジを進めることで、経営の改善や業務の実効性を高めるよう努めている。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・職員採用については、新卒は関東エリアとして一括採用とし、キャリア採用は施設ごとに実施することにしている。併設事業などもある複合施設であることを踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる。また、目標管理制度を導入しており、年度初めに個人別に目標を掲げてもらい、達成するための具体的な行動を明記する内容となっている。目標記入シートをもとに所属長が定期的に面談を行い、達成に向けて助言などしている。面談において意見を聞き取って、適材適所の配置に努めている。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

・法人で統一された人事考課制度を設けており、育成や評価、報酬の連動、個人目標シートを活用した面談を行い、職員一人ひとりの育成に取り組んでいる。定例の人事希望聴取面談で職員の希望や働き方、資格取得などについてもヒアリングを行っている。評価は処遇と連動しており、法人として考課者研修も実施している。さらに、法人としてキャリアパスなども整備し、長期的な人材育成を図ることも検討されたい。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・経営層は職員(家族を含む)の健康状態については特に留意するとともに、就業状況や残業時間や有給休暇の消化状況を把握し、ワークライフバランスに配慮した職場環境の整備に努めている。法人独自のフレッシュアップ休暇の取得を促すとともに、健康管理では健康診断やインフルエンザ予防接種を補助している。また、メンタルヘルス対策として、ストレスチェックを実施し早めの対応を促し、希望により産業医への相談も可能である。法人として悩みごとの相談窓口を設けている。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・法人の資格取得制度などによって職員のキャリアアップの支援に取り組んでいる。上半期の目標記入シートの作成時にはフロアリーダーとの面談を行い、下半期開始時の9月から10月では、施設長による中間面談を行っている。その際には法人の資格取得制度などの説明も行い、職員のキャリアアップのサポート体制を充実させている。また、年1回、法人内表彰制度(ベストサービスアワード)を開催し、個人や施設で取り組み、成果を上げたことを発表する場を経験することでモチベーションの向上に努めている。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・年間を通して研修計画を策定しており、新人職員については入職時研修やフォロー研修を計画的に実施し、内部研修では、各委員会が施設の現状のサービス内容や目標、課題をベースに研修テーマを作成するとともに、職員が参加しやすいようにオンラインで開催するなどの研修方法を用いている。リーダー層に対してマネジメント研修を継続し、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的指導者としてのスキルアップを支援している。また、法人内外の研修参加も積極的に支援している。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

・内部研修の一環として、各部署リーダー職員へOJT資料を配布し、職員一人ひとりの習熟度をベースにした研修にも取り組んでいる。また法人として、利用者をはじめ職員の身体にも配慮した「ノーリフティングケア」に取り組んでおり、新人職員へは入職時に個別にノーリフティングの介護技術が身につくよう研修を行い、無資格者へは認知症介護基礎研修の取得ができるように取り組んでいる。新入職員には3か月間OJT研修をフロアリーダーが中心となって実施しており、スポットの外部研修についても、職員の希望をもとに参加できるようにしている。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

・実習生の受入れについては、受け入れや指導的役割をになう担当者として「社会福祉士指導者講習修了者」を配置し、福祉系大学や専門学校の社会福祉士を中心に受け入れている。受け入れに際しては、学校とも連携を図りながら実習の主旨を相互に確認しながら、留意点などの説明を行って周知に努めている。丁寧に実施することに心がけており、将来目指している職種を聞き取り、それに合うような実習内容を設けるように努めている。
・さらに、実習生等の福祉サービスの専門職の研修・育成についてのマニュアルなどを整備し、標準化を図ることが望まれる。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

・法人のホームページには法人概要や施設一覧、プロジェクトなどが掲載されており、法人としての取り組みを紹介している。当該施設の紹介ページでは、施設内外観の写真や開設の経緯、特色などについて触れている。パンフレットでは写真を多用しており、分かりやすい文章で施設の設備や取り組みを説明して、入所後の生活がイメージしやすくなっている。
・さらに、地域向けとして、理念や基本方針、活動などを盛り込んだ媒体などを設けるなど、地域社会への情報提供を充実させることが望まれる。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・施設の情報はホームページやパンフレットが中心になっていることや、入居に関する情報など運営に関わる事柄については定期的に市に報告して連携を図っている。また、施設の事務や経理などは主に事務長が権限と責任をもって管理しており、法人として事務に関する研修を実施している。さらに、関東ブロック施設の事務担当が連携を図り、お互いに内容のチェックを行う仕組みを設けている。施設の会計に関しては外部委託の税理士が実施しており、行政の行う監査や集団指導に出席して適切な会計になるようにしている。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・施設内の地域交流スペースについては、地域の団体や個人などに対して無料貸し出しを行っている。また、地域の祭りに利用者が参加するなどの機会を設けたり、利用者が外出や買い物の希望がある場合は近隣の商業施設に同行したりして、地域の社会資源を還元することに取り組んでいる。また、組織の透明性を高めるためのパンフレットの内容を充実させるなど、地域に開かれた施設を目指している。地域との関わり方について基本的な考え方を文書化したり、活用できる社会資源や地域の情報を収集し、掲示板の利用などで利用者に提供することも望まれる。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

・ボランティア受入れに関しては積極的に取り組んでおり、事前に打ち合わせを行って留意点などの説明し、同意書を交わすことにしている。ボランティア活動の一環として、地域の中・高生の職業体験を受け入れており、学校教育などへの協力につなげている。
・ボランティアの問い合わせに積極的に応じていることを踏まえ、受入れに関する基本姿勢を明文化し、ボランティアと利用者との交流を適切に図ることを目的に、担当窓口などを明確にして必要な研修を行うことも望まれる。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

・地域のネットワーク作りやニーズを把握することを目的に、病院をはじめ地域の関係機関と連携を図ることに力を入れている。また、地域の情報(行政の取り組みや行事予定など)はフロアに掲示したり、直接口頭で伝えたりしていたが、コロナによって情報提供は限られたものとなっていることを課題としている。
・さらに、個々の利用者の状況に対応できる社会資源を明示したリストや資料を作成したり、地域に適当な関係機関・団体がない場合には、利用者のアフターケアなどを含め、具体的な取り組みて発展させることも望まれる。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:c】

・生活相談員を中心に、法人内をはじめ外部の居宅介護支援事業所や町内会などから地域の高齢福祉に関する動向やニーズの把握に取り組んでいる。ただし、「収集した各種の情報を、どのように施設運営に還元するか」についてを課題としていることがうかがえる。本来できれば「入所支援」に活用したり、「利用者に還元できる社会資源」を拡充するなどが望まれるが、新型コロナウイルスについても完全な収束になっていないことを踏まえ、感染数減少のタイミングなどを通じて地域のニーズや課題の把握に努めることが望まれる。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

・地域の連絡会議などに参加しており、地域の福祉ニーズを把握するとともに、施設の認識度を向上させることに取り組んでいる。また、地域の福祉ニーズをもとに地域交流スペースの無料開放にも取り組んでいる。さらに、把握した福祉ニーズにもとづいて、地域貢献に関わる事業・活動の実施や、地域コミュニティの活性化やまちづくりなどにも貢献したり、ノウハウや専門的な情報を地域に還元することも望まれる。また、地域防災や被災時における福祉的な支援を必要とする地域住民に対して、安心のための備えや支援を充実させることも望まれる。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・基本的人権についての配慮については年に2回身体拘束廃止委員会にて高齢者の権利擁護、虐待防止についての研修を行い、利用者の尊重や基本的な人権、権利擁護についての内容も学んでいる。OJTなどの新人研修時でも実施しており、職員間での意識づけを図っている。さらに、利用者ごとに担当者を決め、個人の意志を尊重できる体制を取っている。
・さらに、利用者を尊重した福祉サービスの提供に関する「倫理綱領」や規程等を策定し、職員が理解し実践するための取り組を行うことも望まれる。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

・入所時には個人情報の保護について重要事項説明書・利用約款を基に説明し、同意を得ている。更に「個人情報の使用に係る同意書」を準備しており、個人情報の使用期間・使用目的・使用条件について説明し、同意を得ている。法人としてプライバシーポリシーを定めており、個人情報保護法に基づいた適切な対応や個人情報の管理など、組織全体で万全の情報保護体制をとっていることを明記している。また、居室での生活プライバシー保護に努めている。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

・施設の運営状況は、定期的に情報共有することで適切な連携が図れるように努めている。地域の居宅介護支援事業所には適時情報を提供し、施設の広報活動の一環としている。利用希望者へはパンフレットなどをベースに料金説明、施設の情報を説明している。新型コロナウイルス感染予防で居室やユニット見学を中止していたが令和6年度より再開している。
・さらに、理念や基本方針、実施する福祉サービスの内容や福祉施設・事業所の特性などを紹介した資料を、公共施設等の多くの人が入手できる場所に常置することも望まれる。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

・入所の際に利用者・家族に対してサービス内容や留意事項、利用料金などについて重要事項説明書・利用約款を基に説明し、同意を得ている。説明時には延命希望の確認や施設で提供できる医療の限界について丁寧に説明することを心がけており、利用者・家族が理解を深め、納得して入所ができるように生活相談員が協力して実践している。定期的に家族へ本人の状況を説明し、家族の希望を踏まえたケアプランを作成している。本人にサービス利用についての意向を確認している。サービス内容変更や介護方法の変更は本人、家族へ説明し同意を得ている。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

・利用者の体調変化などによって医療機関への移行が必要な際には、生活相談員が窓口となって関係機関と連携を図り、診療情報提供書・サマリー・内服薬情報・フェイスシートなどを準備・提供して移行後も必要な医療・介護が受けられるように対応している。医療機関も含めて、他施設への移行(転居)する際には家族へ許可を得たうえで情報提供している。
・さらに、サービスの利用が終了した時に、利用者や家族等に対して退所後の相談方法や担当者について説明を行い、その内容を記載した文書を渡すなど、支援の継続性に配慮することが望まれる。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・施設では個別支援が行えるように利用者ごとに担当者を決めたり、ユニットごとに個別行事や季節の行事などを開催している。ケアプラン更新(見直し)時には利用者や家族の意向や要望を把握したり、食事の嗜好調査を実施したりして満足度の把握に取り組んでいる。また、6か月毎のモニタリングでは、ケアプランの満足度や計画の達成(進捗状況)の把握に取り組んでいる。
・さらに、利用者満足を把握する目的として「利用者会」や「家族会」などを開催したり、利用者参画のもとでケアプランの検討会議を設置することも検討されたい。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

・苦情解決体制を整備しており、苦情受付担当者や解決責任者及び第三者委員を配置している。施設内には苦情相談を受け付けることや、苦情対応の案内を掲示し、利用者・家族等に周知を図っている。意見や苦情などがあった場合は「苦情受付表」に記入し、受付担当者が申出人に対応を説明し、解決を図っているが、内容によっては苦情解決責任者が対応している。重要な案件であることを踏まえ、定例のリーダー会議などにおいて、把握と問題解決及び改善策を話し合っている。法人内及び施設内で苦情解決に向けた体制が確保されている。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

・1階受付前に意見箱を設置したり、面談希望者に面談室を利用して面談するなどプライバシーに配慮して行うことを心がけている。重要事項説明書には苦情窓口とは別に相談窓口の記載もあり、気軽に問い合わせができる旨も説明している。さらに、利用者から意向や要望などを受付けた際には神速に対処することにしている。また「対応できないこと」などを受付けた際には、必要に応じて家族に対しても説明し、説明責任を果たすことに力を入れている。
・意見箱が活用されたことは無く、利用者は直接職員へ意見を言う機会がほとんどとなっていることから、設置場所について検討が望まれる。利用者が気軽に職員へ意見を言える環境作りを目指しており、日頃からの信頼関係構築に努めている。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

・利用者からの相談や意見、苦情については介護ソフトにすべて記録され、経過記録、支援経過とともに共有できるようにシステム化されている。苦情報告書は介護支援ソフト内にあるフォーマットを活用し、受付から解決までの詳細について1週間以内を目安に入力している。利用者からの意見は各ユニットの職員が受け付けており、受付者は申し送りノートに記載して全体への迅速な情報共有を図っている。
・相談や意見に対しては、できる限り迅速な返答を行うようにしているが、時間がかかるようならば、その旨を伝えるように取り組んでいる。相談や意見に対し、直ぐに返答ができないことについては報告書を作成し、情報共有と対応策を検討している。また、必要に応じて施設長が対応し、法人へ報告する場合もある。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

・事故防止対策委員会の指針に基づき、定期的な委員会の開催及び研修体制を整えている。3ヶ月ごとに事故防止対策委員会を開催し、ヒヤリハット報告書及び事故報告書の集計及び、傾向と対策を話し合っている。また、事例をもとに他部署へも事故の周知を図ったり、定期的な研修を行ったりしている。委員会で話し合われた内容はリーダー会議で共有し、各ユニットへ伝達されている。
・緊急時対応マニュアルを整備し、各ユニットに設置して、職員間で共有化を図り、いつでも確認ができるようになっている。緊急時対応マニュアル内には、事故発生時での対応方法がフローチャートとして記載され、状況に応じて対応ができるように努めている。また、事故が発生した場合には、事故報告書を作成して再発防止に努めている。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・感染症・食中毒対策委員会を中心に、施設の感染対策を徹底している。看護師が主な役割を担っており、平常時の注意点や消毒の管理を行いつつ、利用者へのラウンドによる健康観察に努めている。利用者一人ひとりが、安心安全な日常生活を過ごせるように、定期的にリスクマネジメント関連の委員会を開催して職員への意識の高揚を促している。特に感染防止対策には力を入れており、一定の成果を上げていることが報告されている。また、迅速に報告書を提出して対策を講じたりすることにも努めている。
・各種の研修や委員会活動を通じて、ケアの方法を検証して職員のスキルアップに取り組んでいる。感染予防研修を年2回の頻度で行い、感染症の基本知識やスタンダードプリコーションについての振り返りや、感染が発生した場合の動き方を確認するグループワークを実施している。また、近隣のつながりのある病院医師や看護師による研修を施設内で開催してもらうことで、より高度な知識の習得につなげている。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

・法人が策定している消防計画に基づき、年2回の避難訓練を実施している。日中帯と夜間帯それぞれで発災したことを想定し、通報から避難の流れを利用者と一緒に訓練している。毎月、施設内各部署の関係者が参加する防災対策検討委員会を開催し、想定される災害に対する避難訓練や災害発生時に必要とされる各種の備蓄品などを検討している。
・食料の備蓄は3日分と定め、管理栄養士が定期的に確認を行っている。備品に関しては生活相談員がリスト化して管理しており、緊急事態に対応できるように常に備えている。災害時BCPを策定し、定期的な研修と訓練を通じて職員の理解を深める取り組みを継続しているが、リーダーを除く介護職員の理解度については今後の課題として捉えている。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

・施設では、法人の雛形をもとに、同県内の特別養護老人ホームと合同で整備されたマニュアルを使用している。各マニュアルは、合同委員会を通じて内容が確認され、現場に即した形で整備されている。作成されたマニュアルはファイリングされ、職員室に常置することで、必要な際にはすぐ確認できる環境を整えている。
・月1回で開催する部署ミーティングや各委員会ごとでマニュアルを活用しており、OJT研修や内部研修などでもマニュアルの内容を抜粋してレジュメとして活用し、職員間での共有を図っている。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

・各マニュアルは年度初めに各委員会で見直しを行い、必要に応じて改訂を実施している。また、ヒヤリハットや事故発生時、苦情、法改正などがあった場合にも各委員会ごとで、都度マニュアルの見直しを行って必要に応じて改訂をしている。
・マニュアルの改訂があった場合には、部署ミーティングなどでの確認を行い、OJT研修や内部研修などでマニュアルを活用した際、内容が古くなっていたり、施設の現状と合ってなく職員からの指摘や意見などがあった場合などにもマニュアルの見直しを行う体制を設けている。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な福祉サービス実施計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

・入所時には相談員が事前情報を基に利用者や家族から聞き取りを行い、アセスメントを実施している。心身状況や既往歴に加え、生活歴、出身地、職歴、性格、家族構成、趣味、好きな物、大切にしていること、よく話すエピソード、1日の過ごし方など、パーソナリティに関する情報を重点的に把握し、施設サービス計画書に反映させている。
・アセスメントで得た情報は、居室担当を中心に職員間で共有し、支援に活かせるよう努めている。特に、利用者のパーソナリティに関する情報はフェイスシートにまとめ、職員が閲覧できるようにしており、利用者一人ひとりの支援に反映させるように努めている。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に福祉サービス実施計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・事前情報とアセスメント、実際の利用者の心身状況や様子などを把握して、施設サービス計画書の作成を行っている。施設サービス計画書は基本、6か月ごと更新をし、居室担当によるモニタリングを実施、再アセスメント、サービス担当者会議にて見直しを行っている。
・施設サービス計画書の更新時での再アセスメントでは、変更点を赤字で記載することにより、変更内容が確認しやすいような工夫に努めている。また、利用者の心身状況の変化や入退院時、介護保険更新時などには、都度での施設サービス計画書の見直しや変更を行っている。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

・利用者の日々の支援内容や様子などは、ノートPCを活用し、介護ソフトと連動したケース記録に入力することで適切に記録している。職員は出勤時に必ずケース記録を確認するようにし、ノートPCを用いることでタイムリーな情報共有に努めている。また、ケース記録には申し送り内容を赤字で入力することができ、申し送り内容のみプリントアウトして職員間での確認を行っている。
・施設サービス計画書の更新時には、基本、6か月ごとにモニタリング、サービス担当者会議、再アセスメントを実施している。ただ、サービス担当者会議への利用者本人や家族の参加ができるような検討が望まれる。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

・入所時での契約の際には、利用者や家族へ個人情報の取り扱いや利用目的の説明をし、契約書や重要事項説明書と合わせて個人情報使用に関わる同意書を交わしている。個人情報を保護することをはじめ、介護認定の申請、サービス担当者会議での情報提供、行政、介護保険請求、急病・事故による医療機関との連携などによる外部への情報提供を必要時に行うことを説明して同意を得ている。
・職員の入職時には個人情報の取り扱いに関する誓約書を交わしており、退職後でも秘密保持の厳守を約束している。また、OJT研修や年3回での個人情報に関する職員研修を実施している。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・入所前に相談員が利用者の自宅や病院、介護老人保健施設などを訪問し、事前面談を実施している。その際、事前情報をもとに利用者や家族からの聞き取りを行い、心身状況や既往歴に加え、生活歴、出身地、職歴、性格、家族構成、趣味、大切にしていること、よく話すエピソード、1日の過ごし方など、利用者のパーソナリティに関する情報を重点的に把握している。さらに、利用者や家族の意向を確認し、入所後の生活や支援に反映できるよう努めている。
・利用者のパーソナリティに関する情報を職員間で共有し、利用者一人ひとりに合った施設での過ごし方やレクリエーション活動の提供に努めている。ユニットやフロアでは個々に飾る物づくりや調理レクリエーション、外出レクリエーションを実施し、家事作業としてエプロンたたみ、お盆拭き、テーブル拭きなどにも取り組んでいる。また、施設全体として秋祭りや敬老会などのイベントを開催し、利用者が楽しく過ごせるよう工夫している。

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:a】

・利用開始時の聞き取りでは、利用者の心身状況や家族構成、既往歴などの基本情報に加え、生活歴、性格、趣味、利用者・家族の意向を把握し、アセスメントを実施している。これらの情報を施設サービス計画書に反映し、個別機能訓練や生活リハビリを適切に実施できるよう努めている。また、利用者が可能な限り自分でできることを行えるよう自立を促しつつ、安全面にも十分配慮した支援に取り組んでいる。
・買物が可能な利用者には個別支援として買物同行を行い、基本的には家族による買物代行を中心に支援を実施している。家族での対応が難しい場合には、必要に応じて施設側が立替で買物代行を行い、利用請求とともに家族へ請求する仕組みを整えている。また、成年後見人制度が必要な利用者には制度を活用し、適切な支援につなげるよう努めている。

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:b】

・施設サービス計画書は、6か月ごとの更新時だけでなく、利用者の心身状況の変化、入退院時、介護保険更新時などの都度で変更を行っている。その際には、利用者から支援に関する意向を確認し、計画へ反映させたうえで支援を実施している。また、家族からの意向についても、相談員が電話や手紙などを活用して確認し、必要に応じて施設サービス計画書に反映している。
・施設サービス計画書の更新時や利用者の心身状況の変化時には、多職種が連携してサービス担当者会議を実施している。しかし、現状では利用者本人の参加を積極的に促す取り組みが十分に行われておらず、心身状況に問題がない場合には、参加を促すことが期待される。また、家族の参加についても、コロナ禍前は一定の促しを行っていたが、現在は実施されていない状況である。感染状況を見極めつつ、家族の出席を呼びかける工夫が望まれる。

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:a】

・利用開始時のアセスメントでは、心身状況や既往歴に加え、生活歴、出身地、職歴、性格、家族構成、趣味、好きな物、大切にしていること、よく話すエピソード、1日の過ごし方など、パーソナリティに関する情報を重点的に把握し、フェイスシートにまとめている。これらの情報を活用し、利用者一人ひとりに適した介入方法やコミュニケーションの取り方を工夫している。また、日々の施設生活での言動やレクリエーション活動から得た新たな情報は24時間シートに記録し、再アセスメント時に追記することで、利用者の意向を踏まえた継続的な支援に努めている。
・利用者のパーソナリティに関する情報は、フェイスシートやカンファレンスを通じて職員間で共有されている。新たに得た情報は、介護ソフトと連動したケース記録や24時間シートにノートPCから入力し、タイムリーに情報共有を図り、支援に反映させるように努めている。

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

・入所時の契約時には、利用者や家族に対し、個人情報の取り扱いや利用目的について説明を行い、個人情報使用に関する同意書を交わし、必要に応じた外部への情報提供についても同意を得ている。その際には利用者の権利擁護に関する説明を行い、高齢者虐待防止や身体拘束防止の重要性についても説明し、適切な支援の提供に努めている。
・職員の入職時には個人情報の取り扱いに関する誓約書を交わし、退職後も秘密保持を厳守することを義務付けている。また、OJT研修や年3回の個人情報に関する職員研修では、高齢者身体拘束廃止委員会が中心となり、利用者の権利擁護や高齢者虐待防止に関する研修を実施し、職員間での意識向上を図っている。さらに、入浴や排泄時のプライバシー保護に関する研修も行い、利用者の尊厳を守るよう取り組んでいる。居室担当は定期的なモニタリングを通じて利用者の意向を確認し、施設生活に反映できるよう努めている。

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・廊下を含む共有スペースにはソファーをはじめテレビやマガジンラックを設置し、利用者が自由に過ごせるよう配慮している。季節の飾りを利用者と職員が共同で作成し、温かみのある空間づくりにも努め、利用者が落ち着いて過ごせる環境を整えている。また、加湿機能付き空気清浄機を設置し、快適な環境を維持する工夫を行っている。利用者の携帯電話の持ち込みは応相談となっているが、施設内ではWi-Fiが利用可能で利便性の向上にも取り組んでいる。
・施設内の清掃は、外部の就労支援による清掃専門業者が定期的に実施し、共有トイレや居室トイレを含む全体の清掃を行っている。これにより、利用者が清潔で快適な環境で過ごせるよう努めている。また、業者による清掃以外にも、汚れが見られた際には介護サポーター職員が対応し、夜間は介護職員が適宜清掃を行っている。さらに、清掃後には必ず消毒を行い、感染症防止にも配慮した環境整備に取り組んでいる。

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

・施設では、一般個浴、リフト浴、ストレッチャー式機械浴を用意し、利用者や家族の意向を踏まえたアセスメントや事前情報を基に、実際の心身状況を把握しながら介護職員間で入浴形態を決定している。自立面と安全面を考慮し、シャワーキャリーを活用した一般浴での入浴を実施する場合もある。また、利用者の心身状況の変化に応じて入浴形態を見直し、必要に応じて機能訓練指導員からのアドバイスを受けるなど、適切な入浴支援の提供に努めている。
・入浴拒否がある場合には、無理な誘導はせず、時間や入浴担当を変更することにしている。また、入浴とは伝えずにレクリエーション活動を行いながら楽しみながら誘導するなど、利用者の負担を軽減する工夫をしている。入浴順番は、感染症のある利用者を最後にするなど心身状況を考慮して決定し、それ以外の範囲では利用者や家族の希望に沿う対応に努めている。また、肌の露出を最小限に抑えるためバスタオルで身体を覆うなどの配慮を行っているが、ユニットにおいては脱衣室の入口にはパーテーションなどの目隠しがないため、今後の課題となっている。

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

・事前情報やアセスメント内容、実際の心身状況を把握し、利用者一人ひとりに適した排泄支援を決定している。排泄支援やトイレ誘導は施設で定めた基本時間を基に実施しているが、排泄量の多い利用者にはケース記録を活用し、個別に適した時間を追加して支援を行っている。また、オムツを使用している利用者でも、つかまり立ちが可能な場合は移乗介助を行い、トイレでの排泄を促すことで、できる限り自然な排泄ができるよう努めている。
・共有スペースでのトイレ誘導時には、ほかの利用者に気付かれないよう耳元で小さな声かけを行い、利用者の羞恥心に配慮した誘導を実施している。また、居室での排泄支援においては、オムツカートを廃止し、バッグを使用して排泄用品を運ぶことで、プライバシーを守る工夫をしている。さらに、排泄委員会を中心に、提携するオムツメーカーと連携した研修を実施し、職員の知識や技術向上を図り、より適切な排泄支援に努めている。

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

・アセスメントや事前情報を基に、機能訓練指導員が中心となり介護職員と協議し、利用者や家族の意向を確認したうえで、施設内の移動方法を決定している。安全面と残存機能を考慮し、基本的には3か月ごとの個別機能訓練計画の更新時に移動方法を見直しているが、心身状況の変化や転倒事故が発生した際には随時見直しを行い、必要に応じて変更している。また、車イスでのシーティングやベッドでのポジショニングについても、機能訓練指導員と介護職員が検討し、利用者の状態に応じた設定を行っている。設定内容は写真に記録し、居室への掲示やノートPCでの確認を可能にすることで、職員間の情報共有を図っている。
・車イスや歩行器などの管理は、福祉用具一覧表にナンバリングを行い、機能訓練指導員が毎月の定期点検を実施している。不備や不具合が発生した際には、機能訓練指導員が対応し、対応が困難な場合には福祉用具業者へ依頼し、修理や交換を行っている。しかし、福祉用具一覧表には定期点検を行った日付の記載がないため、点検日の記録を残すことで管理体制のさらなる強化が期待される。

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・利用者が食事を楽しめるよう、年に2回嗜好アンケートを実施し、介護職員が代筆する形で管理栄養士と連携しながら利用者の嗜好を把握している。その結果を行事食や日々の献立に反映させる工夫を行っている。また、管理栄養士が日々のラウンド時に利用者との会話や様子、残食の状況から嗜好調査を行い、イベント食のメニュー内容にも反映するよう努めている。これにより、利用者が食事をおいしく楽しめるよう配慮している。
・施設では、行事食や季節に合わせたイベント食を提供し、食事の楽しみを感じられるよう工夫している。また、管理栄養士と介護職員が連携し、利用者が参加できる調理レクリエーションを実施することで、食に対する意欲の向上につなげている。ユニットでは米飯を炊飯して、炊き立てのご飯を提供しているほか、主食は米飯とパンの選択が可能であり、急な希望にも冷凍パンのストックにより柔軟に対応できる体制を整えている。

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

・施設の食事形態は、主食として米飯、軟飯、お粥、ムースを用意し、副菜は常食、刻み食、極刻み食、ムース食、ペースト食を提供している。一口大はユニット対応とし、刻み食と併用できる軟菜食も用意している。アセスメントや医療情報、実際の喫食状況などから多職種で検討し、利用者一人ひとりに適した食事形態を決定している。また、心身状況の変化がみられた場合には再検討し、次の食事から変更できる体制を整えている。それでも喫食が難しい利用者には、栄養補助食品も用意しており、ゼリー、ドリンクなどの種類やパウチタイプを利用者に合わせて提供している。
・採血結果や体重測定をもとに、アルブミン値やBMI値を算出し、利用者一人ひとりに適した栄養ケア計画を作成している。現在、ユニット内では、低リスク者が47%、中リスク者が53%、高リスク者は0%となっており、日々の栄養管理に努めている。また、モニタリング期間は、低リスク者は3か月ごと、中リスク者は1か月ごと、高リスク者は2週間ごとに設定し、利用者の状態に応じた適切な食事支援を継続している。

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

・施設では、週1回の歯科医師訪問と週2回の歯科衛生士訪問を実施し、経口内チェックや義歯の調整、嚥下機能のチェックを行い、利用者の経口摂取の継続に努めている。訪問時には介護職員が中心となって立ち合い、口腔ケア方法や嚥下状態に応じた食事形態のアドバイス、食事介助方法、喫食時の姿勢やシーティングの指導を受け、支援に反映させている。また、必要に応じて管理栄養士、機能訓練指導員、看護師が立ち合い、多職種間での連携を図りながら適切な口腔ケアを行っている。
・歯科医師および歯科衛生士の訪問時には、利用者一人ひとりの口腔内状況について報告を受け、歯磨きや義歯洗浄の方法について指導を受けている。これにより、適切な口腔ケアの実施に努めている。また、外部講師を招いて一般的な口腔ケア研修を実施し、介護職員や看護師を中心に研修内容を学び、日々の支援に活かせるよう取り組んでいる。

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

・排泄・褥瘡予防委員会が3か月に1回、ブレーデンスケールを活用した褥瘡予防の評価を実施し、支援の見直しに努めている。また、常駐医師による週1回の褥瘡回診を行い、回診結果を基に看護師を中心にエアマットや耐圧分散マットレスの選定を適切に行っている。さらに、介護職員、機能訓練指導員、管理栄養士が連携し、シーティングやポジショニング、栄養面など多方面からのアプローチを行い、褥瘡予防に取り組んでいる。
・機能訓練指導員が参加するノーリフティングケア委員会を中心に、ノーリフティングの支援に取り組んでいる。委員会では研修計画を立て、移動リフトやスタンディングリフト、スライディングボード、シートグローブなどの福祉用具の活用方法を学び、ベッドや車イス、トイレの移乗支援に反映できるよう努めている。しかし、職員のタイトなスケジュールの影響で全職員の研修参加が難しい現状があり、今後の課題として挙げている。

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:非該当(利用者の状況により)】

看護師のみの対応のため非該当

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:a】

・機能訓練指導員は、アセスメントや施設サービス計画書、利用者の実際の心身状況を基に、利用者や家族の意向を把握し、個別機能訓練計画書を作成している。計画書には、利用者の意向を反映させた生活リハビリなどを含む具体的な目標を明示し、支援の方向性を明確にしている。また、3か月ごとにモニタリングを実施し、再アセスメントを行うとともに、心身状況の変化や施設サービス計画書の変更があった際にも適宜見直しを行い、必要に応じた更新に努めている。
・個別機能訓練計画書は、利用者の日々の生活場面で活かせるよう作成され、機能訓練指導員と介護職員が連携して生活リハビリを実施している。移動や移乗、つかまり立ちなどの基本動作をはじめ、トイレ時の移動や動作、入浴、着脱、食事、排泄などの場面で機能訓練を取り入れている。また、機能訓練指導員が介護職員へ支援方法の申し送りや指導を行い、継続的な支援に努めている。さらに、体操や個別外出、ぬり絵・切り絵などの活動を通じて、利用者が楽しみながらリハビリに参加できるよう工夫している。

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

・利用者の認知症ケアにおいては、生活歴、出身地、職歴、性格、家族構成、趣味、大切にしていること、よく話すエピソード、1日の過ごし方など、パーソナリティに関する情報を重点的に把握し、フェイスシートにまとめている。これらの情報は職員間で共有し、日々の支援に反映させることで、利用者一人ひとりに寄り添ったケアを実施するよう努めている。
・認知症の利用者で帰宅願望や不穏状態がみられた場合には、介護職員がマンツーマンで対応し、落ち着くような声かけを行っている。また、施設内やベランダでの散歩を取り入れ、外気浴による気分転換を促す工夫をしている。利用者ごとに適した声かけや対応方法を職員間で共有し、ケース記録やアセスメントに記載することで情報共有を図っている。一方で、認知症に関する研修は新入職員のOJT研修時のみであるため、今後は全職員を対象とした研修の実施が課題となっている。

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・施設には常駐医師が在籍し、日曜日以外は曜日ごとに2名の医師が交代で9時から17時まで常駐している。常駐医師は看護師を中心に多職種と連携し、利用者の健康管理に努めている。急な体調変化や事故発生時には、常駐医師が迅速に利用者の状態を確認し、その後の対応を判断している。日曜日は、看護師が判断を行い、夜間に関してはオンコール体制を整えている。また、各部署には急変時対応マニュアルや夜間対応マニュアルを常置し、常駐医師による研修を通じて職員間での共有を図っている。
・調剤薬局から届いた薬は、看護師同士でチェックを行い、医務室に保管している。フロアやユニットにおいても看護師と介護職員が再度チェックを実施し、誤薬防止に努めている。服薬時には、介護職員が薬袋に記載された利用者名や服薬日時を読み上げ、飲み込むまでの確認を行っている。これらの手順は服薬介助マニュアルに記載し、職員間で共有している。一方で、誤薬や落薬が発生した際の事故報告書の共有が不十分な部分がみうけられるため、今後の改善検討が望まれる。

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・施設では看取り介護を実施しており、契約時に利用者や家族へ説明を行っている。看取り介護へ移行する際には、常駐医師が中心となり、再度の説明と確認を行っている。また、移行後は毎月カンファレンスを開催し、多職種間で支援内容を検討している。家族の面会についても緩和措置を設け、通常は原則禁止されている子どもの面会や午前中での面会も、看取り介護の利用者に関しては可能とするなど、柔軟な対応に努めている。
・施設では、看取り介護に関する事例検討や内部研修、外部研修への参加を通じて、職員の知識向上と精神的ケアに努めている。また、看取り介護が終了した後にはカンファレンスを実施し、対応の振り返りを行い、次の利用者への支援に活かせるよう取り組んでいる。これにより、終末期を迎えた利用者が安心して過ごせる環境を整えるとともに、職員の負担軽減や支援の質の向上にも努めている。

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

・家族などとの面会は基本的に13時から17時の間で、受付に声をかければ自由に行うことができ、居室や共有スペース、相談室などでの面会が可能となっている。コロナ禍では面会制限があったが、現在は緩和され、より柔軟な対応が取られている。また、家族が来所した際には、相談員や居室担当の介護職員が窓口となり、利用者の施設での生活の様子を伝えるなど、家族との円滑なコミュニケーションに努めている。
・家族には年3回ほど、施設での生活の様子やイベント時の写真を送付し、利用者の様子を伝えるよう努めている。また、利用者の心身状況の変化や体調不良、人間関係のトラブルがあった際には、相談員や居室担当の介護職員が中心となり、家族へ電話連絡を行っている。詳細な内容については、各職種ごとに報告を行い、適切な情報共有に努めている。施設サービス計画書の更新時には、近況報告や意向確認の連絡を行っているが、今後は家族にサービス担当者会議への参加の促しを行うことが期待される。

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・施設サービス計画書の6か月ごとの更新時や、利用者の心身状況の変化、入退院時、介護保険更新時などの都度で変更時には、多職種が参加するサービス担当者会議を開催し、利用者の支援内容を検討している。加えて、日々の朝礼での申し送りにより、職員間で利用者の状況を共有し、安定した支援に努めている。また、定期的に開催されるミーティングにおいても、居室担当を中心に介護職員間で支援の検討を行う体制を整えている。ただ、今後は、利用者本人がサービス担当者会議に参加しやすい工夫が期待される。
・新入職員の入職時にはOJT研修を実施し、実践的な指導を通じて利用者支援に活かせるよう努めている。また、各委員会が中心となり、内部研修を実施するとともに、外部研修へ参加し、職員のスキルアップに努めている。これにより、職員の専門性向上と支援の質の向上につながるようにしている。