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特別養護老人ホーム南さいわい(従来型)

2022年05月02日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社ケアシステムズ

② 施設・事業所情報
名称 特別養護老人ホーム南さいわい(従来型) 評価対象サービス 2021 高齢者福祉サービス版
対象分野 特別養護老人ホーム 定員 100 名
所在地 212-0016
川崎市幸区南幸町3丁目149-3
TEL 044-542-3695 ホームページ https://www.misasakai.or.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2013年05月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人三篠会
職員数
常勤職員:53 名
非常勤職員:44 名
専門職員
医師:1 名
看護職員:4 名
事務員:4 名
相談員:2 名
調理員:8 名
その他(宿直、日直、技術員):6 名
施設・設備の概要
居室数:100室(従来型個室22室、多床室78室)
個浴:8か所
特殊浴槽:2か所
共同生活室:8か所

③ 理念・基本方針
法人理念:歩・実・心
施設方針:利用者本位。(子どもたちや高齢者のことを中心に物事を考える姿勢)
     外部意識。(保護者・家族、地域・ボランティア等、お越しくださった方へのおもてなし心や関わっていく姿勢)
     お互いさま。(職員関係:お互いを尊重する)
     チャレンジ。(ベストサービスへの挑戦:一歩前に踏み出す気持ち)

④ 施設・事業所の特徴的な取組
ノーリフティングケアを施設全体で進めており、年間計画のもと、施設内研修を1回/月実施し、外部講師による指導を半年毎に受けている。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/07/20(契約日) ~2022/04/25(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(令和元年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ・定期的にノーリフティングケアに関する研修を行い、職員の知識、技術習得を図っている
法人の特徴でもある「ノーリフティンングケアの導入」に関しては、毎月ノーリフティング推進委員会を設け、ベッド上のポジショニングの振り返りなどを実施している。また、定期的にノーリフティングケアに関する研修を行い、職員の知識、技術習得を図っている。新任研修でも多くの時間を使い、指針・用具・活動内容の説明が行われ、技術及び実技の指導、演習も実施されている。日々のOJTの中でも技術に関する指導が行われており、ノーリフティングケアに対する職員の意識の高さが伺える。利用者に関しても、拘縮の改善や姿勢の改善、嚥下機能の向上、食事摂取量の増加などの効果が見られており、身体機能の維持・向上に繋がる取り組みとなっている。

・研修体制を充実させ、職員の資質の向上に努めている
年間研修計画の作成時には、職員の参加したい研修の希望を把握するように努めて、それを考慮しつつ、職員の現状のスキルなども確認し、足りない部分が補足できるように、施設長と相談員、統括介護主任で検討して作成している。突発的な外部研修などがあった際にも職員の参加希望を確認するようにして、年間研修計画書にもとづきバランスを考えて決定している。その際に外部研修との兼ね合いで立て続けで職員が似たような研修に参加してしまう場合には、年間研修計画の見直しを行い、次の月に調整を行っている。また、内部研修での各研修は、各委員会が中心となって施設の現状のサービス内容や目標、課題などを含めた研修内容になるよう考慮して実施するように取り組んでいる。
改善を求められる点 ・コロナ禍における面会方法や手段を充実させることが望まれる
利用者家族へは状態変化が生じた際に生活相談員が迅速に電話連絡を行ったり、定期的に写真やハガキを送付して施設での生活の様子を伝えている。利用者家族アンケートからも、「電話や手紙で逐一報告があり、ありがたい」「定期的に報告があり安心」との意見が多く見受けられており、好評と伺える。しかし感染症蔓延の影響により、利用者家族の面会方法に制限がかかっており、窓越しでの15分間となっている。家族からも「面会ができない」「職員付き添いの面会の為、ゆっくり話せない」などの意見も見受けられるため、感染症対策を行いつつ、利用者・利用者家族が満足できるような安全な面会方法の検討が望まれる。

・実習生やボランティが円滑に活動できる仕組みを充実させることが望まれる
実習生の受入れ時には、施設長が中心となって実習生への聞き取りや学校のプログラムに合うような実習内容を用意するようにしているが、実習生に対する対応がスムーズに行えるようにマニュアルの整備などの検討が望まれる。また、ボランティア受入れ時でも、事前の打ち合わせは行っているものの、ボランティアに対する対応が職員でスムーズに行えるよう研修などを設けることの検討も期待される。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
ノーリフティングケアの考え方や支援方法については、移動・移乗場面だけではなく24時間を通じてケアを工夫することができ始めていると感じている中で、外部の方からも評価をいただけたことで、ノーリフティングケアの定着が進んでいると実感できることができた。今後は学ぶだけでなく発信することができるようにしていきたい。

コロナ禍でご利用者様とご家族様には制限の多い生活にご協力いただいており心苦しい状況にある。コロナ禍以前のように、ご利用者や職員と直接顔を合わせて話をする機会が減少している中で、少しでも現状をお伝えできる機会を工夫しているが、引き続き地域等の感染状況を見ながら少しでも満足していただける環境づくりに努めていきたい。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

・法人の理念は重要事項説明書や法人ホームページ、パンフレットなどに記載している。また、全職員に配布する手帳や年2回実施する上下期目標シートには、法人の理念や基本方針を記載し、職員に施設全体の目標として共有化を図っている。
・法人本部の新人研修時には法人の理念や基本方針の説明を行っている。また、年度初めのリーダー会議において、施設長が事業計画の説明を行う際に法人理念の内容に触れている。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

・3年ごとの介護保険の見直しによってサービス内容や利用料金に変更が生じた際には、内容の確認を行うとともに利用者、家族、職員への周知に努めている。
・施設長、事務長、統括介護主任、相談員などをメンバーとする定例会議を月2回で開催し、事業経営に関する検証を行うことにしている。その際には現状の報告によって課題を把握し、具体的な解決案などを決定することにしている。今年度に関しては、コロナウイルスの影響により、利用稼働率が目標を下回っていることを踏まえ、利用促進に関する内容が課題となっている。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

・3か月に1回、理事長、施設長、事務長をメンバーとする運営会議を開催しており、事業所運営関する各部署の細かな課題などを挙げて、対応策などを検討することにしている。
・運営会議で挙がった課題や対応策などの内容は、定例会議や毎月のフロアリーダーが参加するリーダー会議において報告され、事業所全体で共有するとともに実行に移すことにしている。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・法人として中長期の事業計画を策定しており、リーダー会議などで共有を図るとともに事業所の単年度事業計画に骨子を反映させることにしている。また、人事考課制度の一環として実施している職員個々の目標記入シートにおいても、法人の中長期計画に沿った目標を設定することにしている。
・法人として中長期の事業計画においても重要施策として位置付けている「ノーリフティングケア」についても、内外部研修によって事業所全体への浸透を目標にしている。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・単年度事業計画は、法人の中長期事業計画の骨子を盛り込んで作成するとともに、利用人数や稼働率などの具体的な数値を記載した前年度の事業報告書をもとに作成し、各項目の具体的な目標を掲げて分かりやすい内容にまとめられたいる。
・年度初めの4月から5月で年間事業計画の作成を行い、3か月に1回の運営会議において進捗(達成)状況を検証して適切に実施できるようにしている。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

・単年度事業計画は、3か月毎に運営会議において進捗(達成)状況を検証し、必要に応じて見直しに取り組んでいる。また、年度末の2月から3月の間で評価や理事会での報告を行い、次年度の事業計画に反映させるようにしている。
・単年度事業計画は各会議などで説明を行い、組織一丸となって取り組めるようにしている。また、リーダー会議では、単年度事業計画に基づいて、目標記入シートの作成を行うことにしている。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

・単年度事業計画は、リーダー会議において職員への配布を行い、職員を通じて各フロア利用者への説明を行うことにしている。また、利用者家族から事業計画の閲覧希望などの申し出があれば、閲覧を促し説明も合わせて行うことにしている。
・さらに、利用者家族に対しては、定期的に事業計画の配布や閲覧、説明などが行える場を設けることを検討されたい。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

・3か月毎に各種の委員会を開催しており、各サービス内容についての検討を行って質の向上に取り組んでいる。また、各委員会において検討した内容は年度末に評価を行い、次年度のサービス内容に反映させるようにしている。
・年2回(上下期)目標記入シートを作成して職員一人ひとりが自己評価を行っていたり、第三者評価の結果を職員間で共有し、改善策を検討したりして改善に取り組んでいる。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

・各委員会や年度末には組織一丸となって事業評価に取り組んでおり、議事録を作成して回覧によって職員間で共有できるようにしている。
・経営層は定例会議やリーダー会議、各委員会において各種の課題に関して指導や助言を行い、計画的に実施できるように事業所運営をリードしている。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

・法人として業務分掌を設けており、役職者をはじめ職員個々の業務分担を明示している。管理者はそれらに沿って自らの役割と責任に基づいて行動することに努めている。具体的にはリーダー会議において管理者の役割と責任を表明し、職員間で共有できるようにしている。
・緊急時や災害時での管理者の役割を明確にし、管理者である施設長の不在時には、事務長が代役を行うような取り決めを設けている。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・入職時のオリエンテーションや研修、現任者に対して実施している各種研修、リーダー会議などを通じて、福祉サービスに従事する者として守るべき法・規程・倫理などの理解が深まるように取り組んでいる。また、法人のコンプライアンス委員会によって、施設内の法令順守への取り組みを定期的にチェックする仕組みを設けている。
・コロナ禍によってオンライン研修となっているが、法令遵守に関わる集団指導には施設長が出席して理解を深め、リーダー会議において報告したり、職員研修時にも内容を盛り込んだりして職員への周知に努めている。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・施設長は、リーダー会議においてフロアリーダーから課題の報告を受けて改善策などを提唱しており、その際には職員の意見なども反映させることにしている。定期的な職員面談においても現状把握に努め、年間研修計画に反映させることにしている。その際には職員が参加を希望する研修を確認して、相談員や統括介護主任で検討し決定することにしている。
・ノーリフティングケア研修では、施設長も参加し、施設として推進していることの理解を職員に促している。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・年2回(上半期と下半期)、理事長も参加する経営会議を開催しており、利用稼働率や人事に関する課題などを共有・分析するようにしている。職員配置については部署ごとで職員の希望を考慮し、施設長や事務長、統括介護主任で人事異動などを決めて適材適所な人員配置に取り組んでおる。
・ノートパソコンやタブレットの導入によってICT化による業務効率を図り、職員の働きやすい環境に配慮している。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・法人の人事部が新卒説明会などに出席して人材確保に努めるとともに、欠員などを考慮して人員配置などを検討している。中途採用に関しては主に紹介業者を中心に行うととも、福祉求人媒体の掲載や既存職員からの紹介などの人材確保に取り組んでいる。
・新入職員は法人の研修終了後に配属を決定する流れとしており、施設内ではフロアリーダーを中心に3か月間のOJT研修を行っている。また、必要に応じてOJT期間は前後する場合がある。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

・法人で統一した人事管理基準を設けており、施設もそれらの基準に沿って人事管理に取り組んでいる。職員用通用口の玄関には、処遇改善加算によるキャリアシートを掲示し、職員への周知に努めている。
・年2回の目標記入シートの作成によって職員の目標を明確にしており、年1回の人事希望聴取面談では職員の希望や働き方を把握し、資格取得に関してのサポート体制などを詳しく説明し支援することにしている。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・常勤職員は最低でも年5日の有給休暇取得や、年3日のフレッシュアップ休暇を取得を促し、取得状況の把握に取り組んでいる。目標記入シートの作成時には、フロアリーダーの面談や中間面談として施設長の面談も行うことにしている。
・職員の希望休は月2日までとし、組織全体としてに希望休が取れるようにしている。またICT化により、業務効率を図って職員の負担を軽減している。ノーリフティングケアの推進によって、職員の身体への負担軽減に繋げている。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・上半期の目標記入シートの作成時にはフロアリーダーとの面談を行い、下半期開始時の9月から10月では、施設長による中間面談を行っている。その際には法人の資格取得制度などの説明も行い、職員のキャリアアップのサポート体制を充実させている。
・法人内表彰制度を設けており、施設長、事務長、相談員、統括介護主任とで、前例のない提案や工夫したサービスの提案をした職員に対して表彰し、職員のモチベーション向上に繋げている。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・年間研修計画を作成し、職員の参加したい研修の希望を考慮して、施設長と相談員、統括介護主任で検討し、職員の参加する研修を決定している。予定外の外部研修などがある場合には、年間研修計画とのバランスを考慮して参加する職員を決め、場合によっては翌月の研修予定などを変更し、年間研修計画の見直しをしている。
・内部研修では、各委員会が施設の現状のサービス内容や目標、課題をベースに研修テーマを作成し実施に取り組んでいる。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

・年間研修計画を作成する際には、職員の参加したい研修の希望を考慮しつつ、職員の現状のスキルなども把握して、不足分などが補えるようにしている。
・新入職員には3か月、OJT研修をフロアリーダーが中心となって行っている。予定外の外部研修についても、職員の希望をもとに参加できるようにしている。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

・実習生の受入れは、福祉系大学や専門学校の社会福祉士を中心に受け入れている。施設長も実習生と話す機会を設け、将来目指している職種を聞き取り、それに合うような実習内容を設けるように努めている。
・各学校プログラムに合うように考慮するとともに、学校や実習生には、実習時での留意点などの説明を行って周知に努めている。コロナ禍での実習になるため、PCR検査を受けてもらい感染予防を徹底して実施している。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

・事業内容の報告や変更等、ホームページの活用や書面で家族に郵送を行っている。施設案内、重要事項説明書や運営規定の玄関エントランスへの掲示などにより、施設の活動を開示し活動内容を地域社会に対して情報発信している。さらに、社会福祉施設としての機能・専門性を活かしつつ関係機関と連携して地域の一員としての役割を果たすことに力を入れている。ただし、コロナ禍による感染症予防対策の観点から、地域交流スペースは閉鎖している。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・施設の事務や経理などは、主に事務長が権限と責任をもって管理している。また、法人として事務に関する研修を行い、関東ブロック施設の事務担当が連携を図り、。お互いに内容のチェックを行っている。
・施設の会計に関しては外部委託による税理士で行っている。毎年、行政の集団指導に出席をしている。また、3年前には実地指導も受けている。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・地域のお祭りに利用者と参加することにより、地域との交流に努めている。また、施設の秋祭りには地域住民の参加などがあり、敬老会やクリスマスなどのイベント時には法人内や近隣保育園の園児に参加してもらっている。
・施設の地域交流スペースを地域の団体や個人へ無料貸し出しを行っている。ただし、それらの取り組みはコロナ禍による感染予防対策のため中止となっている。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

・ボランティア受入れ時には、事前に打ち合わせを行い、施設での留意点などの説明を行っており、同意書を交わしている。
・地域の中学校からのボランティアの受入れも行い、職業体験や社会科見学によって、学校教育などへの協力に繋げている。
・新型コロナウイルスの感染予防対策のために、コロナ禍においては、ボランティアの受入れは控えている。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

・法人の理念・基本方針の実現を図るための重要課題として「地域連携および地域貢献」を挙げている。地域のネットワークつくり、ニーズ把握に努め、病院等の関係機関とも密に連絡を取り連携をとっている。また、併設する居宅介護支援事業所では、地域の医療機関の情報を収集し、必要時には連携できるように取り組んでいる。
・例年であれば、地域の団体などからの依頼によって、地域交流スペースの貸し出しなどを行って連携を図っている。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

・内外の居宅介護支援事業所や町内会などと日頃より連携を図っており、地域のニーズや課題の把握することを計画している。
・コロナ収束後や感染数減少のタイミングなどを通じて、地域交流スペースの貸し出しによって、地域のニーズや課題の把握に努めることを計画している。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

・社会福祉協議会、地域の連絡会議などに参加し、地域の福祉ニーズを把握するとともに、施設の認識度を向上させることに取り組んでいる。例年であれば、行事への参加などを促しているが、令和2年以降は新型コロナウイルス感染防止対策の一環として、地域交流活動が自粛傾向となっている。地域のニーズによって、地域交流スペースの無料開放を行っているが、施設が主体的に活動しているわけではないので、今後は検討していきたい。また、コロナ禍においては、感染予防対策のため中止となっているのが現状である。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・年2回、全職員に対して身体拘束廃止委員会が中心となり、身体拘束廃止研修の開催を行い、その際には利用者の尊重や基本的な人権、権利擁護についての内容も学んでいる。OJTなどの新人研修時でも実施しており、職員間での意識づけを図っている。
・身体拘束マニュアルや接遇マニュアルを整備し、職員間での共有化に努めている。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

・利用者のプライバシーの配慮を特に必要とする排泄介助では、ほかの利用者に排泄だと分からないような声かけ、トイレのドアを閉めることの徹底、換気をするなどの配慮に努めている。また入浴介助では、脱衣室や浴室では利用者の肌の露出がないように身体をバスタオルで覆ったり、廊下から脱衣室が覗けないように長いのれんを設置するなどに取り組んでいる。
・入所時の契約では、個人情報の秘密保持と使用内容などを重要事項説明書を用いて、利用者や家族に説明し、同意書を交わしている。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

・利用希望者やその家族に対しては、ホームページやパンフレットによって施設の情報を提供している。法人の理念や基本方針をはじめ、施設の特色などの説明や外観、施設内の写真も掲載している。
・コロナ禍での施設見学は、感染予防対策の観点から、相談室で施設の写真やパンフレット、資料を用いて説明を行っている。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

・サービスの開始前までには、面接時に行ったアセスメントや利用者・家族の意向をもとに施設サービス計画書を作成している。施設サービス計画書は利用開始時には利用者・家族への説明を行い、同意を得ている。
・施設サービス計画書は6か月毎での更新や利用者の心身状況の変化時で都度の変更を行っており、その際にも利用者や家族への説明を行って同意を得ている。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

・利用者の入院時などには入院先の病院との連携を図るために利用者の情報提供を行っている。利用者がほかの施設への移行などがある場合には、支援が継続的に行えるように連携して、移行先の施設への情報提供を行う方針となっている。
・在宅に戻る際でも同様となっており、在宅での居宅介護支援事業所の担当ケアマネジャーとの連携に努める方針となっている。利用終了後でも、相談窓口で利用者や家族の相談をいつでも受けられる体制を整えている。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・利用者の満足度や計画の達成(進捗状況)を把握することを目的に、6か月毎にモニタリングを行っている。また、施設サービス計画書の更新時には再アセスメントを行い、その際には、利用者や家族の意向も確認している。
・コミュニケーションが難しい利用者には、24時間シートを活用し、日々の生活の様子や利用者の言動などから意向を汲み取るように努めている。第三者評価受審時の利用者アンケートなどを参考に満足度の把握を行い、課題を挙げて改善策などの検討をしている。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

・苦情に対する窓口を設けており、重要事項説明書にて利用者や家族に説明を行っている。苦情窓口としては、施設の相談員、法人、行政機関の窓口とし、それぞれの連絡先を重要事項説明書に記載している。
・苦情があった場合には苦情マニュアルに沿った手順での対応を行っている。また、苦情報告書の記載を行い、苦情内容、原因分析、再発防止の対応などの記入をし、今後の対応に反映させるように努めている。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

・利用者が相談事などがある場合には、個別での相談が行えるように、面談室などを活用して個別面談が行えるように配慮している。1階受付前には意見箱を設置して、いつでも意見を述べられるようにしている。
・重要事項説明書には苦情窓口とは別に相談窓口の記載もあり、気軽に問い合わせができる旨も説明している。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

・相談や意見に対しては、できる限り迅速な返答を行うようにしているが、時間がかかるようならば、その旨を伝えるように取り組んでいる。相談や意見に対し、直ぐに返答ができないことについては報告書を作成し、情報共有と対応策を検討している。
・相談内容によっては、必要に応じて施設長が対応し、法人本部への報告を行う場合もある。意見箱の設置を行っているが、特に投函されていないことがあると報告されている。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

・3か月に1回、事故防止対策委員会を開催して、事例をもとに検討している。また、事故防止対策委員会を中心に、定期的な研修を行っている。緊急時対応マニュアルを整備し、各ステーションに設置して、職員間で共有化を図り、いつでも確認ができるようになっている。
・緊急時対応マニュアル内には、事故発生時での対応方法がフローチャートとして記載され、状況に応じて対応ができるように努めている。また、事故が発生した場合には事故報告書を作成して、再発防止に努めている。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・感染症・食中毒予防対策委員会が中心となって、感染予防研修を年2回行っている。感染症予防マニュアルを整備し、職員間での共有化を図っている。感染症予防マニュアルは毎年、感染症・食中毒予防対策委員会が年度初めに見直しを行い、必要時には改定を行っている。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

・消防計画にもとづいて、年2回の避難訓練を実施している。その際には、消防設備会社の参加などもある。災害時対応マニュアルは整備しており、災害時での対応方法や利用者と職員の安否確認の方法などが記載され、職員間での共有化を図っている。
・BCPとしては、コロナウイルスに関しての内容までとなっているので、災害時でのBCPの策定を早急に行うことを検討している。食料や備品などについては厨房にて備蓄しており、管理栄養士による管理を行っている。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

・各種マニュアルが整備され、法人が提供するサービス内容の質の標準化が図れるように取り組みがなされている。排泄ケア、感染症予防、ノーリフティングケアフォロー、身体拘束防止など様々な法人内研修を充実させ、技術・知識の向上に努めている。
・マニュアルに沿った介護サービスが提供されているか、日頃のOJTの中で確認して指導している。また、6か月ごとに行われる個人面談の中で業務内容についてフィードバックを行っている。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

・スタッフミーティング内でマニュアルの検証・見直しを行い、多職種からの意見や提案を吸い上げられるように取り組まれている。月1回開催のリーダー会議の中で、スタッフミーティングであげられたマニュアル見直しに関しての提案について検討している。
・多職種の意見をもとにマニュアル見直し・改定が行われる為、各種専門職のサービス実施計画内容を反映することができている。法人の他施設合同の勉強会を開催し、法人が求めるサービスの質について見直しが行えるように取り組んでいる。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な福祉サービス実施計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

・ケアマネジャーが計画策定の中心となり、6か月ごとにケアプランの見直しを行っている。その際はケアカンファレンスを開催し、サービス提供に関わる多職種とニーズ、アセスメントを共有している。
・アセスメントは、食事、排泄などの7項目からなるケアチェック表をもとに行われ、初回及びプラン更新時に活用されている。アセスメント、プラン作成、モニタリングの一連の流れがマニュアル化されており、法人として作成手順を明確にしている。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に福祉サービス実施計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・6か月ごとのモニタリング、アセスメントを行い、ケアプランに対しての評価を実施している。使用する書式は、法人で作成した決まった書類で統一している。新たなケアプラン内容は、ケアカンファレンスの中で共有化されている。担当者会議の要点はミーティングにて周知徹底している。
・食事形態変更や、ADLの低下に伴うケアプラン変更が生じた際の手順が統一されており、迅速に対応できるように取り組まれている。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・必要な記録は介護ソフトに集約され、各部署全てのPCから必要な情報が取り出せるようになっている。また、必要に応じて書類での記録も活用している。
・入職者研修にて各種帳票類への記録の書き方・入力方法を生活相談員から指導してもらうことで、法人の中で定めた記録の質を保てるように取り組まれている。会議録の回覧や、介護ソフト情報の閲覧などは必要に応じてICTも導入し、迅速に情報共有が図れるように工夫している。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

・個人情報の取り扱いに関する誓約書を全職員からもらい、事業所や利用者に関する情報を適切に管理できるよう努めている。記録管理に関する責任者の設置が望まれる。個人情報保護に関する研修を年に数回開催しており、グループワークやロールプレイを交えて行うことで、より深い知識習得に努めている。
・個人情報使用同意書を作成しており、利用者本人、利用者家族それぞれから同意を得ている。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・利用者の意向を重視する利用者本位の施設運営方針が定着している。利用者家族と利用者の意向にずれが見られた場合は、利用者の意向を尊重するようにしている。
・自立支援への配慮を欠かさず行っており、車イス移動の利用者でもトイレでの排泄を希望した場合は排泄誘導を行うよう支援している。
・自宅での生活で習慣になっていた物は、施設でも継続できるように努めている。喫煙に関してはできない取り決めにしているが、多少の飲酒であれば他の利用者への配慮をしたうえで認めている。

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:a】

・利用者の生活歴・趣味嗜好の情報収集を欠かさず行い、今までの生活リズムを崩すことなく毎日が送れるように工夫している。また、24時間シートを作成しており、内容をケアプランに反映しつつ、利用者の生活リズムを職員が把握できるように努めている。
・室内には自宅で愛用している馴染みの品を持ち込むことができ、落ち着いた環境での生活が送れるように努めている。
・従来型の居室も「個室風」の作りにしている。木製の扉と壁で多床室を仕切り、個室に近い空間にすることで、自分らしい生活が送れるような作りとなっている。

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:a】

・毎日の洋服選びや整容、歩行、車イス自走など、利用者のできることは行ってもらう支援を心がけており、自立支援に結びつくサービス実施に努めている。
・利用者アンケートからも、職員が皆親切にやってくれる、丁寧で優しい、などの意見が多数見受けられており、自立に配慮した支援の結果が表れている。
・精神疾患や認知症の周辺症状に応じた個別対応ができるように、利用者が安心して生活できるようなケアプラン作成に努めている。

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:a】

・聴覚障害を患っている利用者とのコミュニケーションを円滑に図れるように、週に1回、手話の勉強会を行っている。
・認知症に対する勉強会・研修に力を入れており、利用者の尊厳に配慮した声のかけ方や、活動・行動の促し方などの知識習得を図っている。
・職員の希望に応じて外部研修の参加も行えており、研修終了後は勉強会を開催して知識の共有化を図っている。

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

・3か月に1回、高齢者身体拘束廃止委員会を開催し、権利擁護高齢者虐待の指針を確認している。グループワークでの学びや、身体拘束マニュアルの整備も行っている。
・現場の介護リーダーが職員の介護サービスをチェックし、虐待に繋がってしまうような不適切な介護にならないよう、常にサービスの質を確認している。
・原則として身体拘束は行わない取り決めをされているが、自傷他害や緊急でのやむを得ない場合の身体拘束についての説明が重要事項説明書に明記されている。

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・多床室も「個室風」の作りにしている為、プライバシーに配慮された自由な空間に近い環境が整っている。自宅で使用していた馴染みの品物の持ち込みも行え、利用者一人ひとりに合った生活環境づくりに取り組みことができている。
・掃除業者が平日の午前に入っており、施設内は清潔に保たれている。また、サポーター職員が毎日備品の確認を行い、必要に応じて補充などの対応を行っている。

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

・特殊浴槽(ストレッチャータイプ)2部屋、個別浴槽(通常浴槽・リフト対応)8部屋が用意されている。アセスメントやカンファレンスで利用者の身体状況に応じた浴槽の選択を行い、安全な入浴サービスを提供している。また、ゆず湯や菖蒲湯などを行うことで、入浴の楽しみを加えている。
・個別浴槽対応の利用者に対し、入浴の声かけから誘導、浴室内介助まで1人の介護士が対応することで、羞恥心の軽減に努めている。
・入浴は週に2回行い、午前・午後の希望も可能な限り実現している。特殊浴槽対応の利用者に関しては安全面を優先し、職員2人介助で対応している。
・入浴拒否が見られる利用者に対しては、職員の変更や時間の変更、曜日の変更を臨機応変に行い、気持ちよく入浴していただけるように支援を行っている。

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

・朝の起床時に排泄の声かけ・誘導を実施している。日中は個別に応じたタイミングで声かけ誘導を行っている。尿測やチェックシートによる排泄確認をもとに、ケアカンファレンスで誘導タイミングを決定している。また、排尿・排便の確認を行い、必要に応じて看護師や医師へ報告している。
・おむつカートを廃止し、羞恥心への配慮に努めている。多床室の空いた空間に利用者一人ひとりの小物を入れられるBOX及び保冷バッグを準備し、おむつ用品や清拭タオルなどの備品を収納している。
・消臭剤の使用や職員による消毒を徹底しており、衛生面や消臭対策に努めている。

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

・移動手段に関しては、ケアカンファレンスにて利用者の意向、ADLを踏まえたうえで決定している。統括主任中心に多職種で意見を出し合い、利用者に応じた福祉用具の選定も行えている。
・ノーリフティングに力を入れており、利用者及び職員の負担軽減に繋げている。また、法人のノーリフティンングケアの講師にメールや電話でアドバイスを求め、質の高いサービス提供に努めている。講師自ら年2回の施設訪問を行い、実際のサービス内容の確認を行うよう取り組まれている。
・車イス自走ができる利用者に対しては、声かけや近位・遠位見守りにて対応し、自立を促しつつ安全面への配慮も行っている。

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・栄養士による年2回のアンケートによる嗜好調査や職員からの聞き取りを基に、利用者の食べたい物をリサーチしてメニュー化するなどの工夫を行っている。毎回30~40名程の利用者から聞き取り調査が行えている。
・ノロウイルスマニュアルや食事マニュアルを整備し、安全な食事提供に努めている。また、厨房には栄養士・調理師専用の衛生管理マニュアルがあり、ノロウイルスやO-157などの食中毒対策を徹底している。月2回、栄養士・調理師会議を開催し、メニューや衛生管理に関する対応について協議している。
・調理後2時間以内であれば、定時よりも遅く提供することも可能としている。

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

・主食は、米飯・軟飯・全粥・粥ミキサーで、副食が常食・軟菜食・刻み食・極刻み食・ソフト食・ミキサー食と利用者の嚥下・咀嚼状態により決定している。従来型とユニット合同で、試食会や食事形態・自助具・食事介助の研修を年に1回行っており、安全な食事介助に繋げられるように取り組まれている。
・年2回の血液検査、年1回の健康診断にて、アルブミン値、BMIを測定して低栄養リスクの利用者のピックアップを行っている。医師・看護師・栄養士との連携を密に行い、必要に応じてハーフ食や補助食品を追加している。また、栄養ケア計画書に反映し、職員へ共有している。
・低栄養リスクの利用者に栄養補助食品の追加などを行っているが、基本的にはその利用者の好みの食物を家族に持参してもらい、食欲増強及び食事量増加に繋げられるよう取り組まれている。

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

・毎食後に口腔ケアを実施している。自力で行える利用者に関しては声かけ促しで実施してもらい、喀痰吸引の必要な利用者に関しては、看護師が口腔ケアの支援を行っている。口腔ケアの留意点や実施手順は口腔ケアマニュアルに整理されており、質の高い支援が行えるように努めている。
・希望者は週2回の訪問歯科を利用することができている。診療情報に関しては、相談員中心に多職種へ共有し、日々の支援に生かせるように努めている。

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

・3か月に1度、褥瘡防止対策員会を開催し、利用者のリスクを共有している。高リスクの利用者に関しては、褥瘡のアセスメントスケールを活用して褥瘡発生予防に努めている。
・褥瘡を予防するための対策方法を文章化し、カンファレンス内にて共有している。ベッド上のポジショニングや、車イス上のシーティングの見直しに医師・看護師に介入してもらうことで、より専門的な予防に繋げている。
・年に2回、褥瘡予防研修をを開催し、職員の知識向上及びノーリフティングケアの技術向上を目指している。また、褥瘡予防に関するマニュアルを整備し、日々の支援の中で活用している。

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:c】

・喀痰吸引・経管栄養を実施する体制はなく、看護師のみでの対応となっている。事業所登録含め、今後の課題としている。

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:b】

・機能訓練士による専門的な個別機能訓練の実施はしておらず、介護職員中心に生活リハビリを提供している。
・活動プログラムの中に体操を取り入れたり、日々の生活の中で足ふみ運動やフロア内歩行を取り入れ、活動量の増加及び、残存機能の維持を図っている。
・定期的に行っているノーリフティンング研修の中で、シーティングやポジショニング、トランス実施方法について学ぶ機会を設けている。

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

・認知症介護実践者研修の講師資格を持つ介護統括主任による勉強会をフロアーミーティング内で行い、認知症基礎知識及び対応方法について学ぶ機会を設けている。
・新卒職員研修にて認知症に関する指導を行い、日々の支援の中では上司及び先輩職員からのOJTにて認知症対応を学んでいる。
・認知症を患っている利用者対応に関しては、介護者本位の支援にならないように努め、常に傾聴の姿勢を心がけている。支援に対して拒否が見られた場合は、職員の変更や時間・曜日の変更を臨機応変に行い、利用者のペースに合わせるようにしている。

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・利用者の体調急変時に関しては、看護師・医師が中心となり対応にあたっている。夜間に関しては看護師へのオンコールにて対応している。緊急時対応マニュアル・夜間救急時マニュアルを整備しており、慌てず落ち着いて行動できるように対策が取られている。マニュアルに関しては、年に1回見直しが行われている。
・新卒職員研修や中途採用者対象の介護職員基礎研修にて、介護・看護・薬についての基礎知識を学ぶ機会を設けている。
・事故防止対策委員会にて、夜間急変時の対応や看取りの対応、心肺蘇生法を学べる研修の企画・実施が行われている。
・内服薬は看護師中心に管理しており、誤薬が生じないような多重チェック体制が整っている。

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・年間で逝去される方の50%が看取りに移行している。看取り期の利用者に関しては、医師・看護師中心に様子観察を行い、家族に対して施設の方針及び利用者の状況を説明している。
・利用者担当の看護師中心に様子観察を行い、体調の変化をすぐに捉えられるように、頻繁にラウンドを行うように取り組まれている。
・看取りに移行した利用者への面会は、コロナ感染対策を緩和して居室での直接面会を行えるようにしている。家族の希望に応じて、毎日面会することも可能としている。

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・利用者の状態変化に関しては、生活相談員から随時利用者家族へ電話連絡している。また、面会時に直接家族へ様子の報告を行っている。家族アンケートからも、体調などで問題があった場合の報告が早い、との好評も得ている。
・日頃の利用者の様子を手紙や電話連絡で家族に報告している。
・家族アンケートの中に、現在の面会方法が職員付き添いのうえ、15分間の窓越しもしくはPCのみで、ゆっくり話せず施設内での様子がわからない、との意見がある為、ICTの活用も含めた面会の工夫に今後期待したい。

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・各種委員会や定期的に行われるミーティング、研修の開催を通じて、常に最新情報を習得できるように努めている。また、会議、研修に参加できなかった職員は、研修報告や会議録の閲覧・捺印により、共有漏れのないように対策を取っている。
・各種マニュアルに関しては明確な改定時期を定めていないものの、委員会などで定期的に見直されており、最低年に1回はすべてのマニュアルが更新されている。
・法人のノーリフティング外部講師による研修が年2回行われており、指導・助言がもらえる環境が整っている。