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特別養護老人ホーム ゆうあいの郷

2022年04月01日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 特別養護老人ホーム ゆうあいの郷 評価対象サービス 2021 高齢者福祉サービス版
対象分野 特別養護老人ホーム 定員 110 名
所在地 〒246-0038
横浜市瀬谷区宮沢3-25-1
TEL 045-303-8080 ホームページ https://shonanyuuaikai.or.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1991年03月19日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 湘南遊愛会
職員数
常勤職員:41 名
非常勤職員:44 名
専門職員
介護福祉士:16 名
介護支援専門員:2 名
看護師:7 名
管理栄養士:1 名
鍼灸師:1 名
施設・設備の概要
居室:一人用居室6室
居室:二人用居室12室
居室:四人用居室20室
設備:事務所
設備:当直室
設備:応接室
設備:厨房
設備:浴室
設備:洗面室
設備:会議室
設備:機能訓練室
設備:食堂
設備:プレイルーム
設備:汚物処理室
設備:ロッカー室
設備:医務室
設備:談話コーナー

③ 理念・基本方針
<理念>
1.「心に遊びの気持ちを」(「ゆとり」ある心)
人は誰でも幸せな生活を送る権利をもっています。私たちは、あなたが心に「ゆとり」を持てる生活のお手伝いをし、安らぎに満ちた人生を歩んでいただきたいと思っております。
2.「心に愛の気持ちを」(「ゆるす」気持ち)
「ゆるす」とは、心に愛を持ち、相手を慈しむこと。私たちは、あなたに愛のある生活を送ってもらうお手伝いをし、慈愛に満ちた人生を歩んでいただきたいと思っております。
3.「心に会話の気持ちを」(「ほほえみ」ある生活)
「ほほえみ」を絶やさないことは、人が幸せになるカギです。会話をすることで、心のふれあいが出来ます。私たちは、優しさの通う会話のある人生を願っております。

<運営方針>
1.個別ケアの推進 
利用者ひとりひとりの状況に合わせたケアプランを策定し、個別ケアを展開します。
2.楽しみのある施設づくり 
利用者の日常生活を豊かにするのは当然ですが、職員にとっても生きがいのある施設作りを目指します。
3.地域住民との共存 
地域住民との協力に基づいた施設運営を行います。また、町会と防災協定等を結び、災害時への対応も行うようにいたします。
4.法令を遵守した運営 
公共性が高く、尚且つ人の命を預かっていることを認識し、各種の法令を遵守した運営をいたします。

<特別養護老人ホームゆうあいの郷の特徴的な取り組み>
季節感のある行事を開催したり、折り紙、塗り絵、書道、ゲームなどのレクレーション活動やご利用者の趣味嗜好にあったフリープランを実施しています。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
【施設・事業所の特徴的な取り組み】
●特別養護老人ホームゆうあいの郷は、社会福祉法人湘南遊愛会(以下、法人という)の経営です。法人は平成3年に特別養護老人ホームゆうあいの郷(以下、ゆうあいの郷という)の設立をスタートに、平成8年に「横浜市阿久和地域ケアプラザ」の委託を請け、平成14年に軽費老人ホーム「ケアハウスゆうあい」(横浜市戸塚区)を開設し、平成24年には、高齢者の方がより健やかに豊かな生活を送っていただけるよう、新しい支援の型であるユニットケアの特別養護老人ホーム「ゆうあいの郷 衣笠」を横須賀市に開設しています。令和4年には居宅介護支援事業所「ケアプランセンターゆうあい」(横浜市戸塚区)を開設する等、全施設で地域の福祉に大いに貢献しています。
法人のロゴマークは、4つの施設を示す「幸せな4つ葉のクローバー」とし、4つの葉は各施設の「特徴」を示し、茎は利用者を支える「まごころ」という想いを込めています。

●ゆうあいの郷は、横浜市の最西端に位置する瀬谷区宮沢にあります。瀬谷区は横浜市の中でも緑が多い区であり、その中でも宮沢は特に緑に恵まれた自然豊かな地域です。和泉川に沿う遊歩道の整備や自治会の活動も盛んであり、助け合いの精神が根付いている地域です。ゆうあいの郷は2階建て(3階は屋上とその出入りスペース)であり、4人部屋を中心に、個室と2人部屋での居室構成となっており、プライバシーも比較的守られつつ、他人との交流もしやすく、生活のしやすさがあります。2階は認知症フロアが設けられ、認知症ケアで注目される回廊式の広い廊下により、利用者が徘徊しやすい設計となっています。回廊の真ん中は明かり取りの中庭風となっており、光がふんだんに入り、廊下の幅も広いので、歩行訓練や車椅子の訓練等に活用されています。2人部屋居室は原則、同性で使用しており、4人部屋居室は左右両側に和風の家具と物入で仕切られ、さらにカーテンで自分のエリアが確保されており、落ち着いた雰囲気で過ごせるよう配慮されています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/11/03(契約日) ~2022/03/24(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 初 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ◇特に評価の高い点
1.【食生活の充実】
ゆうあいの郷では、食生活の充実を心がけています。利用者にとって、食生活とレクリエーションは1日の楽しみでもあり特に、食事は一番の楽しみであり、生きる源です。食事は給食委託会社を活用していますが、管理栄養士が在籍しており、委託会社と連携して和食を中心とした献立を提供しています。管理栄養士は、なるべく利用者と一緒に食堂で食事を行い、咀嚼しながらゆっくり食べるよう伝え、傍で見守りを行っています。また、利用者の声を吸い上げ、献立に生かすよう配慮しています。食事は適温の状態で提供し、旬の食材、季節に応じた行事食(月1回)を提供しています。行事食では、秋には「もみじ御膳」等、豪華な食材と季節をイメージした彩り、美味しい季節料理に利用者の笑顔が溢れる楽しい食事となっています。現在は新型コロナウイルス禍(以下、コロナ禍)で中止となっていますが、他にも外食プランやお茶会、鮪の解体ショー等の機会を設け、利用者が豊かな食生活を楽しみ、食の充実が図れるよう取り組んでいます。

2.【レクリエーションの充実】
ゆうあいの郷では、利用者が余暇を楽しめるよう行事、レクリエーション活動の充実を図っています。年間行事では、お花見、誕生日会、七夕、ゆうあい祭り、クリスマス会、新年会、節分等、季節感のある行事を企画し、レクリエーション活動では書道、折り紙、ぬり絵、カラオケ、編み物、ゲーム等を用意しています。また、地域の方々やボランティアによるイベントでは楽器演奏(和太鼓等)や、コーラス、踊り等を催し、日々の生活に活気を提供し、利用者に楽しんでもらえるよう工夫しています。さらには、職員有志によるクリスマス会の演奏を行う等、アットホームなレクリエーションの展開が成されています。今年は、コロナ禍により自粛気味でしたが、施設敷地内にある農園「ゆうあいふぁーむ」では、職員を中心に季節の野菜を栽培し、春は小松菜、かぶ、秋には里芋やさつま芋の収穫を利用者と一緒に行い、食卓にも供する等、利用者と共に職員も喜び、一人ひとりの生活に寄り添い、温かくゆうあいの郷の生活を彩っています。

3.【ショートステイ、阿久和地域ケアプラザ等からの情報収集体制】
高齢者施設を必要とする方の情報・ニーズについては、社協等の公的情報に加え、利用者の「生の声」が必要です。地域の情報の入手はなかなか難しいですが、ゆうあいの郷には施設内に併設している短期入所生活介護事業、法人系列の横浜市阿久和地域ケアプラザ(委託)での部門別による事業等からの情報収集体制があります。併設のショートステイの利用者や、ケアプラザの相談に訪れる方々及び、デイサービスの利用者、それに居宅介護事業所に相談に訪れる方たちからの実際の情報を特別養護老人ホームの経営に役立て、より良いサービスに生かせる体制網を有していることは今後に展望が広がります。
改善を求められる点 ◇改善を求められる点
1.【看取り中断の早期解消】
高齢者施設では看取り介護を実施する体制を整えている施設が増えています。また、自宅での看取りを希望するも、住宅事情や家族事情、回復が見込めないケースや在宅介護での看取りが難しいケースでは、施設での看取りが選ばれています。ゆうあいの郷でも体制を整え、看取りの実績があります。今年度は、コロナ禍の為アフターカンファレンスが開催できませんでしたが、関係者に個別に話を伺い、その内容をまとめる形式でカンファレンスとしました。終末期、看取りの期間も個人差が大きく、進行の阻止が期待できず判断が必要となった場合において、早急な対応ができる医師の確保について、十分な準備と対応の見直しを期待いたします。

2.【稼働率の向上について】
業務の効率化については、いずれの施設でも苦慮しているところですが、部屋の充足率は重要と言われています。特別養護老人ホームは、終末期まで過ごせる長期入所型で上限スペックを持ち、施設の収入を上限スペックに近づけることが稼働率を高めるということになると思います。そのためにも、空室が1部屋でも出れば充足を考える等、色々な工夫が必要となります。稼働率が低下している場合は、その原因を調査及び分析し、原因を取り除く対策方法を見極めることが重要になると思います。不特定要素のある中、例えば、施設のニーズを得るよう、対象地域の拡大や、地域拠点としての役割作りの為の運営内容の見直しや、気軽に利用しやすいサービスを充実させる等が考えられます。いずれにも具体的な手段の検討を図り、工夫等に期待いたします。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名: 特別養護老人ホーム ゆうあいの郷         

<評価(自己評価等)に取り組んだ感想>
   
今回初めて第三者評価を受け、当施設の良い部分、悪い部分が明確になり、早期に解消しなければならない点、今後の方向性を決定するにあたり大変参考になりました。
良い点は、さらに伸ばすため、職員一丸となり地域1番の介護施設となるよう努力してまいります。

<評価後取り組んだ事として>

ご利用者様に、より良い介護の提供ができるよう努力し、技術力の向上を図るため、介護研修を基礎から全て行うようにしております。
現在コロナ禍のため、創意工夫をしながら行事も行うようにし改善致しております。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

ゆうあいの郷は、平成3年3月に設立された多床式の特別養護老人ホームです。一時期、ユニット型特別養護老人ホームが注目されたことがありましたが、利用者等の経済面、心理面から多床式が見直され、入所希望が多い状況です。理念は、「心に遊びの気持ちを」、「心に愛の気持ちを」、「心に会話の気持ちを」を謳い、文言に法人名の「遊愛会」を入れ、思いを深めています。施設の理念は、覚えやすく、普遍性が高く、「遊び、愛、会話」は幅広い展開が可能であり、年ごとの目標を設定しやすく、職員の姿勢への浸透も図られ、共感できる内容となっています。理念、方針については期初に方向性を打ち出し、7月・12月に職員に理解度を確認し、賞与に反映するようにしています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

事業の動向については、厚生労働省や全国及び県の社会福祉協議会等から得る全体的な傾向を把握し、瀬谷区社会福祉協議会等からは地域情報を確認しています。法人は、当施設以外にも横須賀市衣笠に特別養護老人ホーム、横浜市戸塚区に軽費老人ホームを経営し、同瀬谷区には横浜市委託の地域ケアプラザを運営しており、それぞれから得た情報を全体の施設長会議で共有し、やるべきことを決定し、環境に合わせて事業を進めています。社会や業界の動向、施設長会議での情報等について、職員には周知していません。法人は社会福祉法人であり、経営状況は全て法人のホームページに開示されていることを踏まえ、今後、職員自身が働く職場をより深く理解できるよう、取り組みが望まれます。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

これまで、職員定着における不安定な状況を課題の1つとして挙げていましたが、新たに就任した介護長と共に職員数も確保し、体制が固まりつつあり、現在、職員の質の向上に向けて取り組んでいます。経験値の高い職員は独自ノウハウと共に業務の対応力を持ち、新しい職員は元気で明るく、業務の応用力は今後に期待される面であり、組織として確立した体制を検討及び実践に向け取り組んでいます。体制を作る過程において、組織の育みと共に全体に一体感が生まれ、職員一人ひとりの資質も向上していく機会が得られます。継続して指導・教育に期待いたしております。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

ゆうあいの郷の運営方針は、①「個別ケアの推進」、②「楽しみのある施設作り」、③「地域住民との共存」、④「法令を遵守した運営」の4つを掲げています。運営方針の③については、地域住民との共存はまだ十分とは言えないところもありますが、施設開設時に比べ、周辺は住宅地に順次変わりつつあり、中長期の計画の核に「地域に根ざした福祉」に置き、地域のための施設を目指すこととし、今後取り組んで行きます。法人が展開する各福祉事業と連携を図り、地域の「特別養護老人ホームゆうあいの郷」を目指し、ビジョンを明確にして始動しています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

単年度の事業計画に関しては、中・長期計画を踏まえて策定しています。収支計画においては、具体的には稼働率のアップ、部屋の利用率のアップ等、指標を決めて目標達成に向けて努力しています。しかし、不確定要素も多々あり、目標を決めるに当たり、解消すべき要因、解決策を検討する必要があり、担当や法人本部と図り、具体的な工夫に期待いたします。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

部門ごとの事業計画は、部門内で検討し、事業計画(案)を策定し、それを施設長が承認及びオーソライズして施設の事業計画とし、その後、実現に向けて具体的な方法を再確認し進めています。基本的には日々進捗を追いながら実行し、毎月末にまとめ・報告を行い、実績と併せて不足分の改善策を付けて運営委員会に報告しています。改善策は具体的に実施する業務と、担当者も決めて報告しています。進捗が思わしくない項目については、期の見通しを下方修正し、不足分を他の項目で補完する等、部門内、他部門、事業計画、経費の削減へと補完していくよう修正を図り、全施設一丸となって推進しています。事業計画未達の見通しについては理事会の承認を得ています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画の利用者等への周知については、事業計画をわかりやすく伝えるよう、施設長のメッセージと共に、施設のビジョンや行事計画の提示等から理解を促すようにしています。また、社会福祉法人として事業計画、事業報告は施設内に掲示すると共にホームページにも掲載しています。さらに、広報紙「ゆうあい通信」に施設長のメッセージを掲載し、告知に努めています。施設内行事は年間計画で示し、施設内の掲示板に貼り出し、家族来訪時には見てもらえるよう参加を呼びかけ、必要に応じて説明をしています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

福祉サービスの質の向上に対しては、科学的手法に基づくPDCAサイクルの活用を心がけています。支援計画については毎月チェックしており、年間の支援計画(P)に沿い、実施(D)し、毎月及び改定時に見直し(C)、課題を抽出し、課題は次期計画に組み込む(A)活動を心がけています。実務的にはアセスメントの実施とそれに向けてのモニタリングをしっかり実施しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

評価結果及び取り組むべき課題等は、パソコン上のソフトの掲示板に記載し、課題を共有するようにしています。評価結果は法人本部で集計及び分析し、決定事項もこの掲示板に記載し、積極的な実施を促しています。今後は評価結果及び改善の取り組みを組織として実施する必要があると思われます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

施設長の権限と責任については、運営規定等で示し、日常の業務については職制に権限を委譲し、推進しています。施設長は、広報紙「ゆうあい通信」等に自らの役割と責任に関するメッセージを掲載し、表明しています。但し、東日本大震災等の教訓から、事業継続計画(BCP)、施設長不在時の権限委任、階層別業務内容等を明文化しておく必要があると考えます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設長は、遵守すべき法令等について常に把握し、法人本部に担当職員を配置し、組織として適正・公正な施設運営に取り組んでいます。基本方針の1つとして「法令を遵守した運営」を掲げ、職員会議や施設内研修会でも法令について取り上げ、話し合いを持っています。また、施設長は、幅広い分野の法令等を把握し、環境に配慮した取り組みも行っています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は、サービスの質の向上に向けて組織の整備を図り、命令系統の簡素化を図り、速やかに動ける組織体制を構築しています。トップを施設長(―副施設長)とし、組織を「介護部門」と「事務部門」(含む介護以外の部門)に分け、部門別に介護長・事務主任が統括するよう短い組織体制を採用し、トップの考えが即、組織の長に直結する体制を整備し、速やかな意思・情報伝達を実現しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

業務の効率化に関する取り組みでは、前述のシンプルな組織体制と併せ、委員会等を専任メンバーで推進しています。「職員研修委員会」、「経営運営員会」等、様々な委員会を設定し、専任メンバーで課題解決に取り組んでいます。施設長は、リーダー会議等を通じて業務の推進、改善に取り組み、指導力を発揮しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

人材の確保については、法人系列である学校法人彩煌学園湘南医療福祉専門学校の卒業生が入職する他、法人理事長が公益社団法人横浜市社会福祉事業経営者会に関係しており、職業紹介事業を通じて外国人人材(ベトナム・フィリピン・インドネシア等)の受け入れも実現しています。現在の課題は、経験値の浅い職員の育成が急務であり、1階に2つの特定技能担当の係を設け、まとめて教育に取り組んでいます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

「期待する職員像」に関しては、法人としてキャリアプランを階層別に策定し、キャリアプランに沿った昇格、昇給を推進している段階です。現在は、若い職員が多く、先ずは、①キャリアプランに盛り込まれた職務内容を正確に教育する、②学んだ業務を介護現場で実践する、③キャリアプランに盛り込まれた職務の実践等についで面談を行う等、教育・指導を優先し、組織の醸成に努めています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

職員の就業状況に配慮し、働きやすい職場作りを心がけています。シフトについては職員の要望を聞き、なるべく平等を保ち、介護長が考慮しながら作成しています。有給休暇取得、時間外勤務は職員の希望に応じて対応しています。また、職員一人ひとりの心身の健康に留意し、「NEC VALWAY」に加入し、ストレスチェック等、メンタルケアに配慮し、職場環境改善に努めています。ワーク・ライフ・バランスでは、人材確保もできており、休暇は比較的に取りやすく、個人の時間が持てるよう仕事と生活の調和が図れるよう配慮しています。福利厚生では、神奈川県医療従事者健康保険組合に加盟し、健康保険や、健康診断が受けられます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人のキャリアプラン(期待する職員像)に沿い、部門長は職員一人ひとりと個別面接を実施し、目標を決め、年2回、達成度の確認及び反省の機会を設け、助言を行う等、次年度の目標につなげています。人事考課については、テーブル表に沿って考課、昇格、昇給を行っています。職員が掲げる目標と組織目標は連動しており、職員が達成することによって組織の目標の達成を目指します。職員自ら目標の管理に努め、業務への積極性や主体性を培っていくよう、キャリアプランについて、職員への十分な説明・周知が望まれます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人のキャリアプラン(期待する職員像)に沿い、福祉サービスの内容や目標を踏まえ、必要とされる専門技術や専門資格を明示し、階層別に研修計画を策定し、研修計画に基づいて教育・研修を実施しています。研修内容やカリキュラムに関しては毎年評価し、見直しを行っています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

職員の実践的研修機会の確保のため、習熟度に応じて個別的なOJTを制度として行っています。特に、外国人人材の教育に関しては技術の他、メンタル面、文化の違いにも配慮して行っています。研修の機会は均等に促していますが、コロナ禍の影響も受け、参加しにくい状態にあります。なるべくOJTで実務を多く経験することができるよう配慮に努めています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

後進のサービスに関わる専門職の研修・育成については、法人・部門としても力を入れています。受け入れに当たってはマニュアルに沿い、基本的な注意事項(守秘義務等)を事前に説明しています。実習では、養成校と継続的に連携の維持を図り、基本的合意事項を取り決め、なるべく養成校の意向に沿った実習を心がけています。今年度は、コロナ禍での予防対策を十分行った上、法人系列の湘南医療福祉専門学校から1名実習を受け入れています。また、ゆうあいの郷には、介護福祉士実習指導者講習会修了者が在籍し、今年度はもう1名受講予定者がおり、実習生の受け入れ体制を整えています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人は社会福祉法人であり、運営内容を開示しています。法人の理念・基本方針、運営方針、事業計画・報告等は文書で公表すると共に、ホームページでも公表しています。情報の提供では、パンフレット、ホームページ、広報紙等で周知を図り、瀬谷区社会福祉協議会、地域ケアプラザ等にパンフレットを置かせてもらい、自由に入手できるようにしています。法人の理念、ビジョン等を地域に周知する活動として、毎年、福祉大会に参加し、広く一般に周知を図り、地域の1つの文化施設として認識してもらえるよう活動に努めています。継続して取り組みに期待いたします。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

公正かつ透明性の高い適正な経営については、内部管理体制の整備に努め、各種マニュアルの整備、組織体制の整備、内部監査体制の整備、専門家による監査等、管理体制の整備に努めています。今回、第三者評価を受審するにあたり、職員の自己評価を実施し、改めて日々の業務を見直す良い機会となり、意識の面で大きな効果があったと考えています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域との関わりについては、法人の方針として、地域と共に歩みながら築き上げた歴史を大切にしています。地域の太鼓会ボランティアやその他、地域関連のボランティアを受け入れて来た実績があります。建物改修前には喫茶を行い、地域に開放していました。また、町内会への参加や神社の清掃等も行い、継続して地域の理髪店から利用者の散髪に来訪してもらう等、地域との交流を図っています。現在は、コロナ禍で様々な活動が中断されていますが、法人系列の福祉事業と連携を図り、コロナ禍収束後は再開したいと考えています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティアの受け入れに当たり、「ボランティア等受け入れの手引き」(マニュアル)を作成し、手引きに沿って基本的な注意事項(守秘義務等)を事前に説明しています。地域の中学校の体験学習等もこの範疇に入りますが、教育施設とは継続的な連携の維持を図るよう努めています。ゆうあいの郷では学校へ出向き、説明会を行う等、コロナ禍収束後にはボランティアの受け入れの予定をしています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

社会資源として、近隣の病院、保健所等、医療・保健施設の他、横浜市では地区センターや地域ケアプラザ等、地域の関係機関・団体のリスト及び資料を作成し、活用しています。横浜市ハートページナビ(瀬谷区)も活用し、まだ情報量は少ないですが、法人系列の阿久和地域ケアプラザや、居宅介護支援事業所から短期入所の紹介を受ける等、連携を図っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の福祉ニーズ等に関しては、ゆうあいの郷は瀬谷区社会福祉協議会の会員であり、横浜市、瀬谷区役所、他の福祉施設からの情報や、法人系列の阿久和地域ケアプラザからの情報等から地域の福祉ニーズ等に基づく公益的な事業・活動の情報を入手及び把握し、協力しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の福祉ニーズ等に基づく公益的な事業・活動については、地域の方が利用する神社の清掃等、できる範囲内で協力しています。地域の社会資源の施設として、地域の方への相談窓口や講習等の開催も一考されると尚良いでしょう。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者を尊重する姿勢として、法人の理念に「心に遊びの気持ちを」、「心に愛の気持ちを」、「心に会話の気持ちを」を謳い、職員への教えとしています。また、「運営規定」の中に倫理規定(第7章服務規定)を示し、一貫して利用者尊重が法人の基本となっていることを示しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

プライバシー保護については、重要事項説明書に明示し、個人情報、プライバシー保護の扱いについて注意を促しています。居室は個室と2床室、4床室があり、4床室が中心ですが、4床室は家具とカーテンで仕切り、プライバシーが保てる配慮が成されています。トイレは共用とし、プライバシー保護には十分配慮しています。入浴に関しては、希望があれば同性介助体制があります。施設内の掲示物、ホームページにおいて個人の写真利用は、入所時に掲載の可否を確認し、肖像権に配慮しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

利用希望者に対する情報の提供では、パンフレット、ホームページ、広報紙等で積極的に情報提供を行っています。瀬谷区社会福祉協議会、地域ケアプラザ、居宅介護支援事業所等にパンフレットを置かせてもらい、必要な方が自由に入手できるようにしています。施設見学の際にはパンフレット等で視覚的に説明し、理解しやすいよう取り組んでいます。見学日時については、コロナ禍でもあり、全ての希望には沿えませんが、極力利用者の都合に合わせるよう配慮しています。有料老人ホームではないので、体験入所、一日利用の制度はありません。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

福祉サービスを開始する、もしくは介護の方針等を変更する場合には、利用者等がわかりやすい資料を用いて説明を行い、納得した上でサービスをスタートするようにしています。特に、これまでの介護の進め方を変更する場合には、利用者等の抵抗も視野に入れながら丁寧に事前説明を行い、納得を得てからスタートするようにしています。配慮が必要な利用者等への説明については、職員全員のコンセンサスが大切であり、誰もが統一した説明の仕方のルール化を図り、利用者等への安心・信頼を提供できるようにしています。意思決定が困難な利用者等に対しては、説明をする相手の選定(縁故者や成年後見人等)についても個別対応を検討することにしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

福祉サービスの内容の変更は、利用者にとっては大きな問題です。変更により改善される点ばかりではないので事前の説明が必要です。特に、従前の内容から著しい変更や不利益が生じないよう、変更に当たり事前に検討会としてご家族に説明し、その進め方等を文書に残し(及び同意書)、納得を前提とした移行をするよう心がけています。また、介護保険法の改定によるものであっても、利用者は従前のサービスに比し、不利益が生じないよう配慮することが重要としています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者満足度については、利用者アンケートを実施し、集計・分析をデータ化し、把握しています。アンケート結果を検討し、施設計画の改善等に反映させ、利用者満足の向上につなげています。また、処遇改善会議を通して話し合い、サービス向上に取り組んでいます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の仕組みについては、入口掲示板に苦情解決のフローを貼り出すと共に、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員を決め、苦情解決についての仕組みを重要事項説明書に明示し、周知しています。職員には伝え難い苦情もあることを鑑み、第三者委員を明示し、電話番号を掲示しています。また、ご意見箱を設置し、記入用紙も備え、自由に書き込めるようにしています。相談や意見・希望は日頃の会話等で聞き、相談・苦情とまとめ、職員会議で意見・要望等について共有し、解決策を協議し、改善につなげています。改善内容については公表するようにしています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

利用者は個室、または多床室でもカーテンで仕切られており、定時の検温時に職員に相談できます。何か話したそうな様子が伺えた場合は声かけを行い、話しやすい状況にして意見を聞くようにしています。多床室で話しにくい場合には相談室等の活用もできるようにしています。ご家族には相談する際に、複数の方法や相手を自由に選べることを伝えてあり、話しにくい様子の時には第三者委員の紹介もしています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

苦情、相談を受けた場合には、組織的かつ迅速に対応できる体制を作り、早期に解決策を協議し、内容と対応策を公表し、進捗を見られるように工夫し、改善に努めています。利用者が意見等を述べやすい環境作りに心がけ、具体的にはアセスメント時に意見を聞くようにしています。苦情解決の仕組みについては施設の掲示板に掲示し、周知してあります。費用や職員の採用等に関する相談・意見等、直ぐに処理が難しいケースでは途中経過を知らせています。意見等は記録に残し、対応マニュアルの見直しも行っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメント体制については各部署に安全衛生委員会を設置し、委員会を中心に責任者の明確化、事故発生時の対応、手順の明確化、安全確保の責任、組織体制について検討し、事故対応と再発防止体制を講じています。施設内研修で事故事例を検証し、危険が想定される事例等ではヒヤリハットをこまめに記入し、その分析と原因究明、事前の予防により、事故を未然に防ぐよう共通認識を図っています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症に関しては、施設内の利用者間での蔓延防止、蔓延による体調の悪化、重篤な状態にさせないことが最大の課題であり、適切な対応により蔓延を最小限に止めるよう心がけています。具体的には、先ず、地域の感染症発生状況を把握し、事前に対応するよう努めています。施設内で感染症が発生した場合には看護師を中心に、医師と連携を取りながら速やかな対応に努め、拡大防止に留意しています。介護職員にも感染症マニュアル確認の周知徹底を図り、看護師と連携しながら毎日の検温等の中で早期発見、早期治療に努めています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害に備え年3回程度、防災訓練を実施しています。防災管理責任者(事務主任)の責務、一般職員の役割、分掌職務、緊急連絡網、災害発生時の流れ、体制等を定めています。ゆうあいの郷は、丘陵の中腹にあり高い立地であり、土砂崩れ、水害は無い地域と考えられ、火災、地震を対象にした訓練を行っています。停電については自家発電の装備を備え、その作業の訓練も実施しています。災害時における利用者の安否確認の方法も家族、職員に周知しています。備蓄については、在庫管理表を作成し、賞味期限を点検し、都度補充しています。ゆうあいの郷は、瀬谷区との防災協定があり、二次避難場所として瀬谷区が選定した避難対象者を受け入れることになっています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

提供する福祉サービスの標準的な実施方法(業務マニュアル)を作成しています。標準的な実施方法では、バイタルチェック、入浴、食事、おやつ、健診等の手順、体制を示し、研修、OJT、個別指導等により統一あるサービスが提供できるよう職員へ周知しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

標準的な実施方法(業務マニュアル)については、法人全体で業務マニュアルを統一して活用しています。変更等は施設ごとに修正を図り、法人全体での見直し時に各施設から提案し、業務マニュアルの全体修正を図っています。共通する大きな修正については、法人全体会議で随時検討を図り、各施設において委員会にて修正を行います。施設の各部署での見直しに際しては、担当職種のみならず、他職種の意見を聞き、幅広く検討するようにしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な福祉サービス実施計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

アセスメントの為の担当者会議は、個人別の実施計画を策定するケアマネージャが招集し、基本的には担当介護職員とリーダーを中心とし、テーマに応じて看護師、リハビリテーション、薬剤師、管理課等の参加も要請します。担当者会議による実施計画の検討では、利用者及びご家族にも参加をお願いしています。アセスメントの手法は定着し、新人職員には教育を行っています。また、アセスメントに必要な資料類についても定型化が進んでおり、アセスメントで討議する項目の詳細については各自メモを持参し、効率的に会議運営の短縮化を図っています。実施計画確定後は、実践しながら稼働状況をモニタリングし、次の実施可能な計画へとつなげています。支援困難ケースにも積極的かつ適切に対応に当たっています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に福祉サービス実施計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

実施計画は、検討会議に参加した職員等によって定期的に(アセスメント実施後)評価・見直しを行っています。評価結果は次の実施計画の作成に生かしています。大幅な変更については、期間内でも新たに実施計画を策定する場合もあります。緊急に変更する場合の仕組みについては、例えば、課題や利用者のADL等の変化が著しい等、状況が明確な場合を前提に整備しています。期中の変更は実施計画に朱記して実施し、年度末に反省の上、次年度計画に組み込むようにしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

介護の実施状況、バイタル等は適切に記録し、パソコンのデータベースで共有化を図っています。書面での手書きによる蓄積から、統計・分析に活用できるパソコンでの入力に移行し、体制の切り替えを進めています。ケアにおける積み重ねたデータこそ正しい方向性を示すと考え、データ蓄積に努めていく予定であり、体制の構築に期待いたします。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

利用者に関する記録の保管、保存、廃棄、情報提供等の規定は、法定及び施設独自の規定を備え、規定年数で保管しています。個人情報の不適正な利用や漏洩対策として、記録管理責任者を設置し、個人情報の取扱いについて利用者及びご家族に説明しています。個人情報を他に知らせる際には、必ず利用者及びご家族に承諾を得てから行うようにしています。職員へ利用者の記録に関する個人情報保護規程等を説明及び周知し、遵守の理解を深めるよう取り組みに期待いたします。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

余暇を楽しむようリクリエーションでは、新人職員や外国人人材要員も利用者に支援ができるよう、利用者の心身の状況に応じて口腔体操や、ジェンガ(テーブルゲーム)、季節の装飾物作り、コーヒーの提供等、室内で楽しめる内容を企画し、また、和太鼓を聞いたり、施設内の畑を耕し野菜の栽培や、ラジオ体操を行う等、近間での活動を行っています。新人職員、外国人介護者も業務に安定性が見られレクリエーションに参加できる職員が増え、さらに、業務の定着と共に、利用者の心身の状況に配慮しながら日中活動に参加できるよう工夫しています。職員は、一人ひとりに寄り添い、個々に応じたケアに対応しています。

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:a】

利用者の心身の健康の為、心身の状況と暮らしの意向等を把握・理解し、利用者一人ひとりに応じた生活をサポ-トしています。生活の自立に向けて、心身の状況に配慮しながら生活の手伝いをしてもらっています。手伝いでは、洗濯の手伝い、下膳等台所仕事、清掃、清拭布畳み等、居室の掃除も清掃のパート職員と一緒に行っています。文字が上手な方には翌日の献立内容を書いてもらったり、畑や野菜作りについては、入所時の情報を基に声かけをして一緒に畑を耕したりと、それぞれの得意を生かすようにしています。外国人介護者は各利用者の名前を覚え、利用者も介護者の名前を呼ぶ等、良好な関係を築いています。日常生活で利用者は金品をあまり保持しないようにしていますが、小銭でジュースを買ったりしています。

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:a】

介護職員は、生活相談等を通して利用者一人ひとりの心身の状況や、暮らしの意向等を把握及び理解し、個々の利用者に応じた生活ができるよう支援しています。希望は日中活動に反映するように努め、現在は、コロナ禍で実施できていませんが、サンマルクカフェや買い物に出かける等、社会参加のプログラムも取り入れています。また、訪問理美容や訪問マッサージも要望に応じて提供しています。職員は、利用者の要望や訴えを傾聴し、援助を行い、個別性を持った生活を支援するよう努めています。また、行政手続、生活関連サービス等の利用についても支援しています。ご家族には利用者本人の様子や希望等を伝え、実現につなげられるよう協力をお願いしています。

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:a】

話す・聞く際には個人の尊厳に十分留意し、利用者一人ひとりの話の傾聴に努めています。意思疎通の方法については、それぞれの利用者に応じて柔軟に対応し、コミュニケーション方法については常に探求しています。委員会では虐待防止について話し合い、コミュニケーションの留意点として職員に周知しています。

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

利用者の権利擁護について、施設内に貼り出し、権利侵害の防止に取り組んでいます(見える化) 。施設内に虐待防止委員会を設置し、権利擁護のための検討及び再発防止について検討しています。また、「虐待0の手引き」を活用して内部研修を実施し、啓蒙しています。届出・報告(行政)について手順等を定め、第一に家族に報告し、次いで行政に報告します。

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:a】

施設環境については、周囲は雑木林や畑が残り、長閑で四季を感じられる静かな立地にあり、穏やかな時間が流れる環境にあります。建物は2階建てで、周辺は大きな建物もなく日当たりが良く、施設2階には広い回廊を備え、中庭が抜け感を醸し、明るい雰囲気と清潔さを感じる施設です。居室は、個室、2人部屋と多床室を設備し、落ち着いた家具を配置し、カーテンでプライベートを確保しています。多床室は男女別々の居室となっていますが、ご夫婦については空き状況にもよりますが、2人部屋に一緒に入居できるよう配慮しています。1階のホールには思い思いに利用者が集まり、廊下を歩く利用者等、そこに行き交う職員が声かけや挨拶を行う光景には、笑顔があります。

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

入浴の支援については、入浴委員会で利用者一人ひとりの心身の状況に合わせて検討・見直しを図り、尊厳・感情(羞恥心)に配慮して支援するよう心がけています。入浴拒否の利用者については、職員・時間・日を変える等、最善の方法を様々に試し、促すよう努めています。入浴の可否は、入浴前にバイタルチェックを看護師が行い、確認後、入浴を支援しています。入浴の基本は、個浴対応とし、体が不自由な方には機械浴を設備し、併用して入浴支援しています。

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

排泄については、利用者の心身の状況、ADLに応じた支援を行い、利用者の負担を考慮しながらできる限りトイレでの自然排泄を目指して支援を行っています。居室にポータブルトイレを設置して排泄を促すよう対応もしています。利用者の尊厳については、居室ではカーテンやドアを閉め、プライバシーに配慮しています。職員は、研修にて排泄介助の技術研修を受け、利用者への声かけ、自立を含む全員の尿・便の観察、利用者一人ひとりの健康状態の確認を行っています。おむつメーカーによる研修も受け、知識を業務に生かしています。便秘対策としては食物繊維の含まれた食品をなるべく食事で提供するよう工夫し、便意の有無はサービス記録に付けて確認しています。

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

移動支援については、利用者の心身の状況を踏まえ、残存能力に注目し、機能訓練を踏まえて車椅子を動かす訓練をしています。「お達者カー」と称し、できるだけ自力で移動できるよう支援しています。車椅子は保有数に限りがありますが、ADL状況、現病歴や既往歴を考慮して職員間で情報共有を図り、その方に適した移動方法を検討し、サポートしています。移動は廊下で練習します。利用介助の方法は個人別に介護計画を作成して進めています。

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食事・献立については、給食委託会社に委託し、バランスの取れた食事を提供しています。給食委託会社の栄養士が献立を考えますが、施設にも常勤で管理栄養士が在籍しており、給食委託会社の提案をチェックし、管理栄養士からも要望を出すようにしています。食事は利用者の楽しみでもあり、美味しく食べられるよう、できる限り利用者自身で食せるよう援助し、個々の特性に応じて食具を用意して支援しています。食事は適時適温で提供できるよう工夫しています。

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

食事の提供については、利用者一人ひとりの体調、嚥下状況、栄養面を配慮し、個々に合った食事を提供しています。食事はなるべく利用者自身で摂取できるよう援助し、食事動作が止まったところで声かけや介助を行うようにしています。管理栄養士はなるべく一緒に食べるようにして、味や好きな食事等を聞いています。食事提供、支援・介助方法等については利用者の心身の状況を把握し、常に検討と見直しを行っています。また、利用者一人ひとりの水分の摂取量を把握し、適宜、水分補給を行うよう留意しています。

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者の口腔ケアについては、有料にて歯科衛生士に来訪してもらい実施しています。口腔ケアに関して職員は研修を受け、ケアを行っていますが、今後、歯科衛生士に指導を受けることを検討しています。また、定期的に訪問歯科医の診察を受け、治療内容や口腔ケア状況の助言から内部研修につなげるよう考えています。また、口腔体操や口腔チェック表も検討中であり、実施に期待いたします。

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

褥瘡については、予防・対策方法を検討し、指針等について全職員に周知し、共有を図っています。また、常に褥瘡発生の現状把握を行い、褥瘡ケアの最新情報を収集し、日常のケアに取り入れるよう検討課題に入れています。標準的な実施方法については、研修で周知徹底を図っています。ゆうあいの郷では、職員の気づきと早めの対応により、皮膚が傷つく程度になることはあっても、利用者に褥瘡が1人も存在しない状況であり、優良なケアが行われています。

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

ゆうあいの郷では看護師の正規職員は不在であり、また、医師、看護師による介護職員への指導が行えていないため、介護職員等による喀痰吸引・経管栄養の実施はできません。また、看護師が帰宅後の喀痰吸引・経管栄養は行っておらず、夜間に必要になった場合は看護師に連絡をして対応する現状体制です。一定の研修を受けた介護職員等は、一定の条件下で喀痰の吸引や経管栄養等の特定行為を実施でき、研修を修了した介護職員等は、「認定特定行為業務従事者」として認定証の交付を受け、さらに、認定特定行為業務従事者が所属する事業所は、「登録特定行為事業者」として都道府県の登録を受けた上で、利用者に対して喀痰吸引等を実施することが可能であることを踏まえ、体制を鑑みながら、一考を期待いたします。

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:a】

機能訓練について、施設には機能訓練担当として鍼灸師1名が在籍(週2日)しています。介護計画に沿った機能訓練であり、1日利用者15名位を担当し、予防活動を行っています。利用希望者は原則、介護保険の範囲内で利用し、利用者自らが健康に留意できる意識を育てるよう支援しています。判断能力の低下や認知症症状の変化を早期発見し、医師等と連携し、必要な対応を行っています。施設の2階には認知症フロアを設けています。

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

認知症ケアについては、施設2階に認知症のフロアを設定し、専門ケアを実施しています。入所時及び定期的(3か月に1回)にアセスメントを実施し、ケアプランの評価は毎月実施しています。あらゆる場面で、職員等は利用者に配慮し、支持的、受容的な関わり・態度を重視した援助を行っています。行動・心理症状(BPSD)がある利用者(現状、あまり顕著な方はいません)には、一定期間の観察と記録を行い、症状の改善に向けたケアプランや生活上の配慮を行っています。職員に対しては認知症の医療・ケア等についての最新知識・情報の外部研修等を受講し、知識を深めています。認知症の利用者に対しては個別対応をすることで安心して落ち着ける環境作りを工夫しています。施設では内科、歯科の他、精神科医師の訪問も受け、助言を支援に生かしています。

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の急変時の対応については協力医療機関である湘南泉病院と連携し、体制を整えています。日々のバイタルチェックを実施し、朝9時、午後16時の申し送りを確実に行っています。新人職員には高齢者の健康管理や病気、薬の効果や副作用等に関する研修をOJTも含めて実施し、個別指導やその後の告知指導も行っています。薬が変更になった場合にはパソコン上の掲示板に記載し、共有化を図っています。

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

終末期については、方針と手順を明らかにし、家族の看取りの意思を確認し、医師から看取りに関する説明を受け、同意の上、家族、職員、医師、三者で話し合い、利用者本人の意思は元より家族の意向を十分尊重し、ユニットで経験値の高い介護士、看護師が付き、看取りのオンコールを準備して進めます。職員に対して、終末期のケアに関する研修を実施し、利用者の担当職員等に対して精神的なケアにも配慮しています。担当医師等、不意の対処における早急な対応体制の構築に期待いたします。

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

家族に対しては、月1回お便りを郵送し、利用者本人の変化や具合の様子を担当の相談員やケアマネージャがお知らせしています。家族等からの要望等は入所時や来訪時に聞いています。家族からの相談内容はケース記録に記録し、職員間で共有しています。現状、コロナ禍で面会も自粛してもらっていますが、面会の工夫としてZoomの活用等を行い、ご家族から好評を得ています。

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員全体にサービスの実施方法・手順等を徹底するため朝夕のミーティングを実施し、周知を図っています。併せて、パソコン上の掲示板での利用者情報等の共有や、定期的なケアカンファレンスを通して先輩職員等への相談や助言等が得られる機会を持つようにしています。