社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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百合丘ルミナス保育園

2023年05月24日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 ナルク神奈川福祉サービス第三者評価事業部

② 施設・事業所情報
名称 百合丘ルミナス保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 50(60) 名
所在地 215-0011
川崎市麻生区百合丘1-19-2星ビル3階
TEL 044-969-5258 ホームページ https://www.yoikode.com/product/yurigaoka/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2017年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社アイオル
職員数
常勤職員:16 名
非常勤職員:9 名
専門職員
保育士:園長:1 名
保育士:主任、副主任:3 名
保育士:16 名
看護師:1 名
栄養士(内管理栄養士):2(1) 名
調理員:1 名
子育て支援員:1 名
施設・設備の概要
乳児室(0~2歳児室):3室
幼児室(3~5歳児室):1室
沐浴室:2室
調理室:1室
トイレ:3室
事務室:1室
職員休憩室(更衣室):1室
鉄骨造り7階建ての2階、3階 :建物延床面積:303㎡
園庭:138㎡

③ 理念・基本方針
【保育理念】
子どもの「生きていける力」を育みます。
今だけを見るのではなく、子どもたちの未来を見据え、その子が大人になったとき
に、一人の人間としてしっかりと生きていくことができるように、今できる最善の環境・体験を提供します。         
【保育方針】
①笑顔で接し、優しく語りかけ、認めて褒めて大きくする。
②子どもだって小さな社会人。
笑顔で優しくかたりかけられることで子どもは安心感共に先生のことが大好きになり、子どもとの信頼関係も深まります。大好きな先生から認められて褒められることで自分にもできるという自信につながります。何か1つでも得意なことを見つけてあげて、認めて褒めて子どもの自信につなげてあげられる、そんな保育環境を提供していきます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
【立地および施設の概要】 
百合丘ルミナス保育園は、平成29年4月に開設し、小田急線の百合丘駅から徒歩
3分に位置する7階建てビルの2階と3階にあります。保護者にとって利便性が高い場所にあります。百合丘周辺には保育園が多く、子育て世代も多いことから、この地域では子育て相談がしやすい環境となっています。0歳から5歳まで定員50名のところ60名が在籍しています。百合丘ルミナス保育園の設立経緯は、平成13年に個人立の地域保育園を開園した後、平成15年に有限会社を設立し、平成19年に株式会社に組織変更しています。平成21年に川崎市認定保育室の指定を受け、平成29年に認可保育所となっています。法人は、川崎市内に認可保育所3園、川崎市認定保育室2園、東京都江東区に東京都認証保育所1園を運営しています。
【園の特徴】
ビル内の保育園のため、子どもたちは近隣の12か所の公園で戸外遊びを楽しんでいます。天気が良い日は、子どもたちの意見を聞いてどこの公園に行くかを決めて散歩に出かけ、公園で思い切り走りまわっています。一日に2回散歩に出かける日もあります。保育内容は、英語遊び、サッカー遊び、ヒップホップ調のリズム遊び、0歳児からのクッキング食育等を実施しています。保育サービスは、乳児保育・障がい児保育・延長保育を実施しています。職員は、会議を円滑に進行する討議技法の「ファシリテーター技能研修」を継続的に学び、経験の浅い職員は、産業カウンセラーから「アサーション・トレーニング」を学ぶなど、コミュニケーションスキルを充実させています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/07/01(契約日) ~2023/04/08(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1.保護者支援の工夫 
園は「保護者連絡用アプリ」を導入して6年目となり、0~2歳児は連絡ノートの
ほかに個別の記録を、3歳児以上は活動記録を配信し、細やかなコミュニケーションをとっています。職員は、朝夕の短い時間でも、保護者の気持ちに寄り添った言葉かけと保護者の様子を観察し、保護者の不安や相談事があれば気兼ねなく安心して相談出来るよう配慮しています。保護者とは、懇談会や個別面談等を通じて、園の保育内容や取組を伝えています。運動会は、0~2歳児は動画で配信、3、4歳児は保護者一人の参加、5歳児は保護者二人の参加で開催しています。また、初めて入学を迎える保護者には「小学校入学準備講座」を園で開催し、園長から保育園との環境の違い、持ち物や生活習慣の違い等を説明し、保護者の不安軽減に努めています。

2.保育の内容と質の向上
園の保育理念に「人と関われるコミュニケーション、自分で考えられる主体性、好
きを見つけられるプチキャリア」を挙げ、子ども一人ひとりを受け止める保育に努めています。5歳児は、子ども会議を開催し、自分の意見をしっかりと話す、そして相手の気持ちを尊重するという体験を重ね、一人ひとりの個性を伸ばす取組をしています。ヒヤリハットのパネルを見て、どこが危ないかを探して意見交換する場面もあります。職員は、1週間前に指定されたテーマの保育を行い、互いの保育を他者評価する園内研究保育を毎月開催し、保育の質向上につなげています。

3.中・長期計画等の整備の検討
法人は、理念や各園の基本方針を踏まえて経営方針を作成しており、5年後を見据えた経営方針として「今だけでなく未来を見据て」を根底に ①「理念を深める」、②「働き続けられる職場を目指して」の2つを掲げています。中・長期計画として、これらの実現に向けて保育内容、職員体制、人材育成等の課題を明らかにし、達成時期・数値目標・収支計画を明確化することが期待されます。

4.地域子育て支援の取組の検討
長引くコロナ禍の影響もありますが、民生児童委員等と連携し、地域の福祉ニーズを積極的に把握し、地域の子育て関連の育児講座、育児相談、食育講座等につなげる取組が望まれます。
 
5.法人作成の人材育成ビジョンをベースにした職員育成計画の検討
法人作成の人材育成ビジョンをベースにして、職員の経験年数や職位に応じて、保育・安全・保護者対応・倫理等の必要分野別に必要な知識・資格・研修項目等を明示し、これに沿って職員各自の年間研修計画を立案、実施、フォローすることが期待されます。 

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
平成13年に認定保育園として開園後、認可保育園に移行し今年度で22年目の園となりました。
日々の園運営を行う中で、客観的な視点を持つことは難しく、自園の保育や取組を第三者の視点から見ていただき、見直す機会になればと思い、第三者評価を受審することになりました。評価表にそって職員と話し合いを進めていき、様々な分野・視点から客観的に保育を見つめ直す機会になりました。
園としての評価を作成していく中で、保育士は子ども達の育ちに携われることに改めて喜びと責任を感じ、この立場として職員に伝え続けること、そして保育士は未来を担う子ども達を育む仕事だという事も伝える重要性を感じました。
保護者の皆様にはアンケートにご協力いただき感謝申し上げます。コロナ禍で行事を縮小、制限する中で、保護者の皆様へ日頃の保育を理解していただく機会が減ったにも関わらず、70%以上の家庭が園の取り組みを知っていると回答いただき、皆様からの貴重なご意見として受け止め今後も期待と信頼により応えられるよう努めていきたいと感じました。
今回の評価で課題となった点として、地域の子育て支援やニーズをより的確に把握し、育児相談、食育講座等を開催して保育所としての地域の役割を果たすため、保育士育成に繋がる研修体系の構築を進めていきたいと思います。
最後になりましたが、今回の第三者評価の経験を活かし、今後は更に職員一丸となって子ども・保護者の皆様・地域に寄り添う保育を目指していきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

・園の理念や保育方針、保育目標は、重要事項説明書、園パンフレット、法人のホームページ、全体的な計画およびアイオルbook(法人の理念や経営方針が明記され職員の行動規範となるもの)に記載しています。
・保育理念は、「子どもの『生きていける力』を育てる」「子どもの笑顔を通して保護者を笑顔にさせること」を謳い、保育方針は、法人のアイオルの「10の保育目標」をふまえたもので、職員が行動指針にできる具体的な内容です。法人および園が目指す方向性、考え方が読み取れます。
・職員には、採用時の研修で周知し、職員会議で繰り返しアイオルbookを読み合わせて理解を深めています。
・保護者には、理念や基本方針は、重要事項説明書」「ご利用の手引き」等をもとに、入園説明会で周知しています。入園後は、行事や懇談会および園だより等で園の取組とともに説明し、日常の会話やアンケートにより理解度を図っています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

・社会福祉事業全体の動向は、管理者会議で法人の統括園長や各園施設長が分析し、把握しています。地域の福祉計画については、麻生区の園長会に参加して情報交換し、現況を把握しています。
・園長は、少子化が進んでいること、コロナ禍で育休を延長する家庭が多く、0歳児の定員割れが起きていることを認識しています。地域で選ばれる園を目指し、法人全体での運営やコスト分析をしながら優先課題を探り、管理者会議で協議・検討しています。
・地域の子育て家庭のニーズは、コロナ禍で引きこもりがちな保護者の不安や、発達障害の疑いのある子どもの相談窓口であることを把握しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

・毎月の運営委員会(代表取締役社長と各園施設長が出席)で、法人全体の運営状況を共有し、各園の保育に関する課題を報告し協議しています。施設長は改善課題を各園に持ち帰り、職員会議で報告し、取組を話し合っています。
・園では、「保育の質の向上」への取組を最重要課題に挙げて、毎月の職員会議の中で保育の勉強会を実施するほか、互いに学び合う園内研究保育に取り組んでいます。また、園長は毎月の職員との面談で保育士の就労環境の改善を図っています。職員の定着率を上げるため、ワーク・ライフ・バランスへの配慮や資格取得支援により人材確保に取り組んでいます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・園の中・長期計画は、法人の運営会議で協議し、理念や各園の基本方針をふまえて、年度ごとの経営方針として打ち出しています。今年度は5年後を見据えた経営方針として、「今だけでなく未来を見据えて~子どもも保護者も」をテーマに挙げ、①定着率について②一人ひとりの働き甲斐を見つけるなどの具体的内容を記載しています。2023年度は、「5年後にアイオルはこんな会社になるために、本気で選ばれる園作りを」として採用についてポイント等を挙げています。アイオルbookに明記し、ビジョンの共有を図っています。
・事業計画は、中・長期の期間をかけて、経営課題や問題点の解決・改善を行えるよう、具体的項目を挙げて達成時期を明記し、評価を行える数値目標を設定することが望まれます。事業予算の裏付けとなる収支計画も併せて、立案することが求められます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・単年度事業計画は、毎年2月の職員会議で次年度の事業計画を検討開始し、3月に確定しています。
・計画の内容は、職員の定着率を上げるために、各職員の意向調査をもとに「就労意向状況」を分析し、シフトの調整や残業の軽減等を行うなど、建設的で具体的な内容になっています。
・単年度の事業計画は、前年度の反省をふまえ、事業環境の変化をとらえており、単なる「行事計画」にはなっていません。
・単年度の事業計画は、中・長期計画(経営方針)および収支計画を踏まえて、具体的項目ごとの達成状況や数値目標を明記することが望まれます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

・単年度の事業計画は、クラス会議や職員会議、職員面談で把握した意見や保護者アンケートの意見を検討し、園長・主任が中心となって作成しています。
・事業計画は、年度始めの職員会議で周知し、園内外の研修を通して理解を促しています。年度末の職員会議で園全体の評価を出し、園の評価は施設長会議で報告し、法人全体の評価を協議したうえで、職員会議でフィードバックしています。
・年間行事計画および各指導計画は、期間ごとに振り返り(評価・反省)を行っています。毎月の園長・主任会議で実施状況の評価を話し合い、職員会議で進捗状況を周知したうえで課題を共有し、事業計画の見直しを行っています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

・事業計画や園の取組は、「入園の手引き」や重要事項説明書をもとに入園説明会で周知し、入園後に保護者会や個人面談を通して説明した後、連絡アプリを通して資料を保護者へ配信しています。
・年間事業(行事)予定は、予定をカレンダーに記載したものを年度始めに保護者用連絡アプリで配信し、希望者には携帯用に印刷したものを配付しています。保護者の予定を立てやすくして参加を促すとともに、例年と異なる行事については、変更点や留意点を周知しています。今年度開催した生活発表会では、廊下に会場案内(変更)を掲示し、ホワイドボードで子どもの保育活動の配信予定を通知しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

・保育理念や目標を明確にした全体的な計画に基づいて、各クラス指導計画や食育計画、保健健康計画を立案しています。各計画に振り返りや省察等の評価欄があり、クラス会議・職員会議で振り返りながら、次期指導計画に反映しています。
・毎年度末の職員会議で振り返りを行い、法人で集約して課題・改善等を協議し保育の質の向上に取り組んでいます。
・第三者評価受審は設立5年目を迎えた昨年度から準備しています。乳児担任、幼児担任に分け、保育の向上に向けた課題を話し合い、職員一人ひとりが園の評価を意識しながら保育環境の見直しを行っています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

・評価結果の振り返りを職員会議(正職員)で話しあい、課題検討は議事録としてまとめています。議事録を回覧して非常勤職員に周知し、課題を共有しています。
・評価結果から明らかになった課題は、毎月の園長面談やクラス会議・職員会議で話しあい、保護者アンケートからの意見要望も検討して改善につなげています。
・改善課題である保育力の向上に向けた取組として、「園内研修」でテーマを決めて具体的取組を話し合っていますが、職員が輪番でファシリテーター(議事進行役を担い参加者の意見を引き出し集約する技術)を務めることで、職員のコミュニケーション力の向上も図っています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

・園長は、園の運営方針や取組を、運営規程・中・長期計画、年間事業計画、重要事項説明書、園のホームページ、パンフレット等で明らかにしています。
・園長は、自らの役割と責任について職務分担表を運営規程に明記して、年度始めの職員会議で職員に周知しています。
・園長は、有事(災害・事故等)および園長不在時の権限委任について、職務分担表に明記するとともに、日常業務の中で常に園長の判断基準を周知しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・園長は、遵守すべき法令等を充分に理解し、利害関係者とは適正な関係を保持しています。
・園長は、麻生区園長会や川崎市および主催の研修に参加し、現行法令制度および、社会福祉事業の経営や環境配慮まで幅広く学んでいます。
・園長は職員に対して、入社時の法人研修や職員会議で、服務規程、守秘義務について説明し、日常の保育実践を巡回指導しています。
・園長は、環境への配慮として節電やごみの分別を日常的に徹底し、節水を啓発するためのポスターを手洗い場に掲示しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長と主任は、日常的な巡回指導もしくは、保育に参加して日常の保育の実践を把握するとともに、法人会議や外部研修を受講し、保育の質に関する課題を見極めています。
・園長は、毎月の職員面談で保育理念の周知を図り、意見交換を行っています。職員の人材育成をふまえた研修を実施し、保育力を高めています。
・園長は、職員が園内の業務や行事担当、研修の「ファシリテーター」や職員会議の書記等の多くの経験を積み、自信をもって保育に取り組めるように指導しています。職員は、ファシリテーターの職務を経験することで、参加者の意見を引き出し集約する技術を学び、保育活動だけでなく保護者対応にも生かしています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長は、経営改善、業務の効率化に向けて、統括園長・人事・主任と連携し、人事・労務・財務の実効性向上に向けた分析を行っています。
・園長は、法人の基本理念や基本方針に沿って人員配置を行い、職員の働きやすい福利厚生や環境整備を行っています。
・園長は、職員の定着が重要課題と考え、チームワークを大切にすること、ワーク・ライフ・バランスへの配慮、人材育成に向けたキャリア形成に取り組んでいます。
・職員の働きやすい環境づくりとして、意向希望に合わせた勤務時間やシフトの調整、就労時間内に「事務作業の時間」を設ける、時間外勤務の30分以上は自己申告するなど残業時間の軽減を図っています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・園の人員体制に対する考え方や職員の育成に関する方針はアイオルbookに明記し、法人の経営方針に沿って採用を行っています。
・採用は、法人が人材紹介業者を通して一括して行い、各園の人員確保を行っています。
・園長・主任が「人材育成」をふまえた研修担当で、法人の人材育成ビジョンに沿った階層ごとの研修のほか、園内の保育力向上研修を行っています。非常勤職員もオンラインで受講できます。
・園では職員の出身校へ講師を派遣し、子育て支援としての役割や園が大切にしている保育について説明し、次世代に向けた人材確保を図っています。保育士資格取得見込みの学生アルバイトを雇用し、採用につながった例があります。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

・法人の理念・方針・目標に沿った「期待する職員像」をアイオルbookに明記しています。
・園長は、専門性や経験年数を考慮して園内の人員配置のバランスを整え、必要な人材を法人へ要請しています。法人に就業規則(賃金規程や業績分配給規程等)があり、職員の経験年数や職位、資格や専門性、職務に関する成果や貢献度を評価するための基準を定めています。
・職員処遇の水準は、法人で分析を行い、勤務年数によりキャリアアップ研修を計画的に実施し、処遇改善につなげています。職員は自ら希望して受講しています。
・アイオルbookに明記された人材育成ビジョンや職務分担表、賃金規程等により、職員が将来の姿をイメージできる仕組みがあります。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・園長は、労務管理の責任者として、職員の就業状況、時間外労働、有給休暇取得状況を毎月確認し、法人に報告しています。
・園長と主任は、一人ひとりの職員の家庭状況を把握し、勤務時間に配慮しシフトを組んでいます。また、毎朝の検温や定期健康診断、ストレスチェックにより、心身の健康状態を把握しています。法人は1~3年目職員を対象に、産業カウンセラーによる「アサーショントレーニング」(自分の意見を適切に伝える技術)等の専門研修を年3回開き、必要な場合、面談も受けています。
・園長は、職員面談を毎月行って一人ひとりの意向を把握し、家庭状況や希望により働きやすい環境を整え、定着を図っています。
・借り上げ社宅制度や食事代補助等の福利厚生制度については、職員の処遇改善の必要性を検討し、法人全体で取り組んでいます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・園の保育理念・保育方針・保育目標にもとづいた「期待する職員像」をアイオルbookに明記し、職員会議で読み合わせ確認し合っています。
・園長は、一人ひとりの職員に合わせた目標設定を行い、毎月の職員面談で進捗状況を把握しています。面談では、月ごとの目標に向けた取組や課題を中心に、事前に提出する面談シートをもとに話しています。新採用職員には3~4年目職員がOJT担当、主任がリーダーとなり指導を行っています。
・園では、保育の質の向上の取組として、「園内研究保育」(園長が1週間前に通知し、園長・主任・空き時間の職員が互いの保育活動を参観する)を定期的に実施し、職員同士の学びの場としています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

園が目指す保育を実施するための保育方針の中に「期待する職員像」を明示し、全体的な計画や重要事項説明書に記載しています。
・年間研修計画は、園の提供する保育内容や目標をふまえて、園長と主任が職員の経験年数や専門性を考慮して立案しています。法人は、人材育成ビジョンに沿った研修計画を作成し、毎年度見直しています。職員は研修後、職員会議で伝達し、報告書を非常勤職員も閲覧できるようにしています。  
・年間の研修計画は、各人の報告書や個別面談、保育の実践を見ながら、評価・見直しを行っています。
・単年度の研修計画はあります。さらに、人材育成ビジョンに沿った一人ひとりの職員の計画的な研修計画の立案が望まれます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

・園長と主任は、日常の巡回指導、職員の自己評価、面談等から、職員の知識・技術水準・専門資格の取得状況を把握しています。
・新採用職員には法人研修のほか、3~4年目職員がOJT担当、主任がリーダーとなり個別指導を行っています。
・今年度のキャリアアップ研修(3年目職員対象)のテーマはコミュニケーション研修で、職員ごとに計画的に進めています。川崎市および麻生区主催の外部研修は、園長と主任が研修担当として年度始めに調整しています。保育力向上に向けた園内研修のほか、オンラインによる講座も、希望すれば非常勤職員でも受講することができます。子育て支援員の資格取得研修に参加を促した例があります。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

・実習生受け入れマニュアルに、受け入れの意義や目的を明記しています。
・園は園長・主任・副主任で受け入れ体制とプログラムを検討し、実習生には事前にオリエンテーションを行ったうえで、個人情報保護等の誓約書を受けています。
・主任は川崎市の実習担当者研修を受講し、クラス担当が直接指導をしています。
・実習プログラムは、学校側と連携を取り、実習期間内に教員と振り返りをしています。
・実習生受け入れについては、保護者へ事前に園だよりと掲示でお知らせしています。今年度は実習生1名、インターンシップ2名を受け入れました。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

・法人、保育園の理念や基本方針、保育の内容は、ホームページの活用等で適切に公開していますが、事業報告・予算・決算は法人の会社事業報告書の中で記載しています。
・園は、第三者評価を初めて受審します。苦情や相談の体制や内容は保護者会等で公表しています。
・保護者の意見や改善要望への対応として、新採用職員のOJT制度や園長による毎月の職員面談を実施し、改善に努めています。
・園のパンフレット等を麻生区役所の窓口に置いています。   
・地域や小学校に向けて、園の事業活動等の情報を広く配布することが望まれます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・法人が設定する運営規程に沿って園の職員の職務分担表を作成しています。また、職種による権限・責任も明記しており、全職員に周知しています。
・法人は、令和4年度から保育園の内部監査を実施しています。内部監査は、法人本部職員と傘下の他園の保育園長で構成し、半日で実施しています。本園の内部監査は本年度中を予定しています。
・法人は、社会保険労務士や公認会計士等の意見を取り入れています。
・外部の社会保険労務士等による助言を受け、就業規則の内容をその都度改善し、非常勤職員の就業規則等を作成しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・ハロウィンの際に、園付近の商店街を子どもたちと職員が歩いて楽しんでいます。
・区役所主催で保育園、幼稚園、認定保育園を対象に「作品展」が毎年開催されます。今年は、コロナ禍で作品をデータに変更され、園もwebで出展しました。期間は2週間程度オンラインで鑑賞しました。コロナ禍以前は、子どもたちが特別養護老人ホームで歌を歌い、手遊びを披露しています。
・個々の子どもや保護者のニーズに応じて、地域療育センターや子育て相談、発達相談等の機関を伝えています。
・玄関、廊下のパンフレット置き場に虐待防止のチラシやワーキングマザー等、数種類の案内チラシを提供しています。保護者が取りやすくする工夫が望まれます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

・ボランティア受け入れの基本姿勢を明記し、活動者に誓約書の提出を義務付けています。今年は高校生のインターンシップを2日間受け入れています。
・主任が受け入れの窓口で、受け入れ手順を定め、事前説明、保護者や子どもへの連絡、受け入れクラスに関する項目をマニュアル化しています。
・コロナ禍前ですが、NPO法人および大学生の協力で、園の2階を使用して月1回、午後5時から2時間、予約制でカレーを提供する「子ども食堂」を開催しています。コロナ禍でカレーから「弁当販売」に変更し、担い手の事情もあり昨年の夏以降中止しています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

・麻生区児童家庭課、川崎市北部児童相談所、川崎市北部地域療育センター、地域の保育園、病院等の一覧表を事務室に掲示しています。
・園長は、麻生区児童家庭課、川崎市北部児童相談所、園医(内科、歯科)等と定期的に連携しています。
・虐待が疑われる場合には、必要に応じて要保護児童対策地域協議会や川崎市北部児童相談所等関係機関と連携が図られています。
・一人ひとりの子どもや保護者の状況に対応する社会資源の案内やリスト、パンフレット、資料等の配置工夫が望まれます。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

・麻生区の子育て支援事業「子育てサロン」で手作りおもちゃやベビーマッサージ等の講座を開いて入園につながっていました。現在は入園を検討する見学者や交流する保護者、施設の職員等との会話から、地域の具体的な福祉ニーズを把握しています。
・コロナ禍以前は、育児講座、育児相談、食育講座、園の見学等で収集したニーズを職員のプロジェクトで検討し、地域で安心して子育てができる園の課題に活かせるよう配慮しています。
・地域の子育て支援やニーズをより的確に把握できるよう民生児童委員等との連携が期待されます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

・地域貢献に関する事業として、実習生の受け入れ、高校生の職場体験を実施しています。コロナ禍以前は、育児講座(子育てサロン)、育児相談、食育講座等を開催していました。
・園として、長引くコロナ禍で保育所機能を活用した地域へ還元できる支援内容等を検討中です。
・消防署が道路はす向かいにありますが、園内にAEDを備えていることを園入口に掲示して、地域の人が使用できるよう表示することが望まれます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・保育理念に「子どもの『生きていける力』を育みます」と謳い、子どもたちの未来を見据え、今できる最善の環境・体験を提供すると定めています。理念や保育目標は、職員が理解しやすく、実践しやすいよう職員会議等で説明や振り返りを行っています。
・子どもを尊重する保育の基本姿勢は、法人が作成する「アイオルbook」の第3項に「保育理念・サービス理念・人財理念」の3つの理念として掲げています。
・アイオルbookは、手軽に読み込んだり、サイズ的に持ち運びができ、園の保育の標準的な実施方法の原点としても活用しています。
・園長は、子どもを尊重する保育の実施に向けて職員会議や園内研修等で説明し周知しています。さらに、職員は、研修会等の説明を受けて、自主的な勉強会を開催し深めています
・園長は、子どもは他者との比較でなく、一人ひとり違いがあること、互いの生活習慣や考え方があること、すべて同じでなくて良いこと等を伝えています。
・男女の性差について、遊びの内容、色の選択を子どもに任せています。また、職員は固定的な観念を植え付けないように言葉かけに配慮しています。
・園長は、重要事項説明書の人権擁護の取組と併せて、子どもの人権、文化の違い、お互いを尊重する園の保育姿勢について、保護者に保育の方針を伝えています。   

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

・プライバシー保護は、社会人、福祉事業に携わる者としての責務と捉え、就業規則等にプライバシー保護を記載し、職員会議や園内研修で職員に周知しています。
・重要事項説明書の「写真・動画データの取り扱いについて」の項に、写真や動画の取り扱いへの注意を呼び掛けています。
・テラスでのプール時の目隠し、トイレ内やシャワーブースのカーテン、衝立等、子どものプライバシーに配慮した設備等の工夫をしています。
・入園説明会でプライバシーの保護について保護者に説明しています。コロナの陽性が発生した場合の混乱を防止するため、最近では、コロナの陽性者が乳児か幼児を伝えています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

・園の理念や基本方針、保育内容を紹介したパンフレットは、麻生区役所に置いています。また、園のホームページや子ども・子育て支援情報公表システム「ここdeサーチ」で閲覧することができます。
・園のパンフレットは写真、絵や図を入れたりして、分かりやすいものにしています。
・園見学は、事前申し込み制ですが、電子メールでの申し込みができ、説明もオンラインで実施しています。現地での説明の場合は、感染症等に配慮しながら短時間かつ丁寧に対応をしています。見学後に何かあれば電話での質問に応じています。
・園のパンフレットや見学時に使用する資料等は毎年見直しを行い、ホームページは必要に応じて更新しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

・入園説明会では、園の概要・保育内容・園での生活・持ち物等について、絵で説明したり、実物を示すなど、分かりやすく説明しています。
・登・降園の時間、土曜日の利用等を分かりやすく説明し、延長保育等は麻生区役所に保護者が申請をするシステム等を伝えています。
・特に配慮が必要な保護者への説明については、言葉の問題等必要に応じて、重要事項の単語を英語に直したり、フリガナ付きの書類等を利用しています。
・入園説明会時の個別面談は担任職員が対応していますが、必要に応じ園長が面談を行っています。 
・特に配慮が必要な保護者には必要に応じて園長が面談していますが、担任によって差異が出ないように、説明手順を明文化することが期待されます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

・川崎市は、認可保育園への転園の際は、児童票のコピーを送付し、引き継ぎ書を提供することと定めています。
・保育園の利用終了後の相談窓口は、園長または主任となっています。
・保育園の利用終了後も園が相談に応じることを、保護者には口頭で説明しています。
・保育園の利用終了後も、園で相談できる体制があることを文書等で保護者に渡すことが望まれます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・職員は、子どものふとした言葉や態度、仕草、目線等から子どものニーズ等を把握しています。
・保護者とは朝夕に子どもの様子を伝え合い、個人面談や保護者懇談会で保護者の意見等を把握し、面談記録に残し、職員会議で共有しています。
・年度末に保護者アンケートを実施(2022年3月未実施)し、その結果や職員の自己評価を含めて園の自己評価としています。
・毎年2回開催されるクラス保護者会には、担任がオンラインで参加し、資料は写真を随所に取り入れ分かりやすく作成し、園の保育目標やクラスでの取組、新しい取組等を記載しています。
・利用者満足度に関する調査にあたっては、職員のプロジェクトで集計・分析・検討を行い、改善に向け取り組んでいます。
・前年度末の保護者アンケートの要望を受け検討した結果、職員間の経験値による保育の差異を少なくすべく、毎月、「園内研究保育」を開催しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

・苦情解決制度は、主任が苦情受付担当とし、苦情解決責任者を園長と定め、第三者委員1人を配置して重要事項説明書に記載しています。
・保護者が意見や苦情等を出しやすいよう、意見箱を常設しています。
・苦情対応は、苦情対応マニュアルに沿って実施し、苦情処理記録や意見要望記録簿に、受け付けた内容と検討結果、保護者への報告内容を記載しています。
・匿名の保護者からの要望を受けて、新採用職員のOJT制度や園長による毎月の職員面談を実施し、保育力の向上に努めています。
・苦情等が少ないことから、保育の質の向上に関わる事案はありません。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

・保護者が意見や相談をする場合、職員や苦情受付担当をはじめ、第三者委員・意見箱・麻生区役所等の複数の方法や相手を自由に選ぶことができるようにしています。
・職員は、保護者から気軽に意見や相談を受けやすい雰囲気や環境を作ること、また、話し方等に関する園内研修を実施しています。
・保護者から意見や要望を聞く場合には、職員室や空いている保育室等を活用し、外部からの視線を遮り、声が漏れず、プライバシーに配慮しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

・職員は、クラス懇談会等に限らず、日々の送迎時の会話、0~2歳児の連絡帳でのやり取り等、保護者が相談しやすい環境を整え、保護者の思いに寄り添えるように努めています。また、意見箱の設置や日ごろの声かけを大切にし、保護者の意見等を積極的に把握するよう努めています。
・保護者から提供された相談や意見の案件に時間がかかる場合は、途中での経過や状況を含めて迅速に対応するようにしています。
・苦情対応マニュアルについて、その都度マニュアルの精査や見直しを行い、職員会議で確認し共有しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

・園長がリスクマネージャーとなり、リスクマネジメント関係を検討する場を設けています。検討会は、園長、主任、副主任、必要に応じて看護師や栄養士が参加しています。また、「ケガミーティング」を開催し、安全管理、防犯、事故防止等の安全安心な体制づくりに努めています。
・小さなケガや打ち身等も事故報告書に記載し、職員会議で全職員に周知しています。職員は、安全対策のセルフチェックを活用しています。
・ヒヤリハット事例は、川崎市等からの情報提供のほか、園も積極的に収集してメモに残し、対策記録にまとめています。       
・園バスの取り残し事例は、園の散歩置き去り等につながるとし、自園を想定する防止策を検討しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・感染症対策のマニュアルを作成し職員会議等で周知し、見直しは、園長・主任・看護師等で検討しています。
・看護師は、手洗いやうがいの大切さ、手洗いの仕方等、図や絵を使って説明し実行しています。保護者には、毎月保健だより等を発行しています。
・園では、嘔吐物、吐しゃ物対応の処理用キットを各保育室に備え、処理研修もしています。
・新型コロナ対応として、手洗い場に「コロナに負けるな!」の表示と手洗いの順序をイラストにして張り付けています。
・感染症が疑われる場合には、すみやかに保護者へ連絡し子どもの安静と感染症防止拡大のため、事務室内を工夫して見守りを行っています。
・感染症が発生したときは、素早く感染症名を玄関に掲示し、保護者向け連絡アプリで保護者に知らせています。  

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

・避難訓練マニュアルや防災組織図等、災害時対策を整備しています。避難訓練は、地震や火災等の訓練に加え、ビル火災を想定した訓練をしています。結果を毎月避難訓練簿に記録しています。
・災害時の保護者への連絡は、保護者連絡用アプリを活用して知らせ、玄関に周知文を掲示することになっています。
・避難訓練の結果を年2回、川崎市所定の書式で消防署に提出しています。
・職員は、園の連絡網を活用して、保育を継続する訓練をしています。備蓄品の管理は3か月に1回程度実施しています。
・備蓄庫には「発電機、保存食、水、備蓄品、ミルク、紙おむつ」等を備蓄し、更新・管理点検しています。
・消防署の協力を得て、3階からの避難訓練等の連携が期待されます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

・保育の標準的な実施方法は、法人のアイオルbookに「コミュニケーション・主体性・プチキャリアを育成する」の3本柱とをツールとして周知しています。
・アイオルbookに、3本の柱ごとに保育目標や取組の具体的事例を例示しています。
・保育の標準的な水準を維持するため、職員会議や園内研修を行い、画一的でなく誰でもが行える子ども一人ひとりの保育実践を目指しています。
・標準的な実施方法にもとづいた実践状況の確認は、日誌・指導計画の評価・反省等の記録および園長が一日1回保育室を巡回して実際の保育実践の状況を確認しています。
・また、本年度から実施した内部監査においても標準的な保育の実施を確認することができます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

・アイオルbookに明示する手順書等の検証や点検は、法人傘下の施設長会で随時行っており、令和5年に改訂版を発行しています。また、関連するマニュアル等の点検は、中間期や年度末に全マニュアルを対象に点検を行っています。
・マニュアル関係の見直しは、職員の職務分担等を基本に、マニュアルごとにプロジェクトを編成し、クラスごとにマニュアルに沿った保育が実践できているか、また指導計画にもとづく保育実践になっているか点検し、必要に応じてマニュアルの修正をしています。
・職員の意見や提案は、日々のミーティングや職員会議、職員面談等で把握し、保護者の年度末のアンケート実施や行事ごとの感想・意見、日々聞き取った意見等を集計分析し、必要なものはマニュアルを見直し反映しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

・指導計画の責任者は園長で、園の全体的な計画にもとづいて作成しています。クラスの指導案作成については、クラスで原案を作成し、副主任・主任・園長が最終チェックしています。
・アセスメントは、入園前の児童票や児童健康台帳等で、子どもの生育歴や家庭状況および入園前の面談で子どもと保護者のニーズを把握し記録しています。
・食物アレルギーに関しては、医師の指示のもと、栄養士、担任、園長、保護者と定期的に確認した献立を作成しています。
・障がい児の指導計画は、必要に応じて川崎市北部地域療育センターや川崎市北部児童相談所と連携する体制ができています。
・支援困難等、様々な子どもについては、カリキュラム会議で対応を検討し、必要に応じて関係機関と連携して支援が行き届くよう努めています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・指導計画は、年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。各計画に振り返り欄を設け、年間指導計画は期ごと、月間指導計画は月ごと、週案は日々の振り返りを行っています。2月に年度末の保護者アンケートや職員の自己評価・振り返りを行い、次期の計画につなげています。
・指導計画の見直しの結果については、職員会議等で周知し共有しています。
・指導計画を緊急に変更する場合、保護者には保護者向け連絡アプリで共有しています。職員は、ミーティングで確認します。また、職員向けグループラインを活用しています。
・保育の質の向上に向け課題が生じている場合は、課題に関連した職員によるプロジェクトで取り組んでいます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・一人ひとりの子どもの発達状況や生活状況を把握し、法人で定めた様式の経過記録、児童票、健康台帳等に記録しています。
・0~2歳児の子どもは、個別支援計画を作成し、子どもの様子や内容を記載し、自己評価と職員の振り返りを行っています。
・職員による記録や日誌の書き方の記録要領ポイントを作成し、差異が出ないよう書き方や添削をする職員を副主任以上で指導しています。
・全ての職員が会議等に参加はできませんが、個人記録は全員が確認できます。
・月1回の職員会議、週3回のミーティング等を開催し、職員会議の中に各クラスの報告の時間を設け、全園児の様子が分かるような仕組みがあります。
・職員間で、パソコンのパスワードを使って情報を共有しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

・法人が定める「個人情報保護規程」があり、個人情報の保護に取り組んでいます。子どもの記録の保存や廃棄は規程にもとづき定めています。
・個人情報に関する書類は、園長が責任者となって事務室の鍵がかかる書庫に定められた期間保管し、その後に規程により廃棄・消去しています。
・職員は、守秘義務を理解し、園内外での個人情報関係の研修に積極的に参加し、受講後は職員会議で研修の報告を行っています。
・入園説明会や年度始めの保護者会等で、保護者の撮影する写真やビデオへの他の園児や名前等の映り込み、SNS掲載について、個人情報保護の視点から説明をしています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画は、保育理念、保育方針、保育目標を掲げ、児童憲章、児童の権利に関する条約、児童福祉法・保育所保育指針等の趣旨をとらえて作成しています。
・全体的な計画は、年齢ごとの養護と教育(三つの視点)の保育内容と保育士の配慮事項を明示し、地域支援・保護者支援・長時間保育・障害児保育等を考慮した取組を明記しています。法人の基本案をもとに、全体の職員が参画して、保育方針の理解を深めながら職員会議で立案しています。
・計画の内容は職員会議で周知し、毎月の振り返りで課題を点検しています。年度末の職員会議で自己評価を行い、改善点を次年度の計画に反映しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

・室内の温度・湿度は、床暖房・エアコン・加湿器・扇風機等で、子どもが心地よく過ごせる状態に調整しています。感染予防のための除菌機を導入し、室内は常時換気しています。保育室は駅から近いビルの中の2、3階ですが、採光は十分で騒音はありません。
・家具や玩具、テーブルは使用後に次亜塩素水で拭き取り、保育室や廊下にはアルコールスプレーを置いて随時消毒しています。午睡用の布団は園オリジナルの布団を使用してテラスで天日干しとし、シーツと肌掛けのバスタオル2枚は週末の持ち帰りとし、衛生管理に努めています。
・低い棚に子どもが使うオムツや着替え入れのコンテナを置き、子どもが自由に絵本や玩具を出し入れできるようにしています。玩具は年齢や発達に合わせ、安全で消毒しやすいものを選び、活動と食事や午睡は、テーブルや棚等の家具のレイアウトで変えています。
・幼児3クラスは同じフロアですが、幼児用トイレが2か所しかないため大人用トイレも使用しています。3クラスが同時に活動を行う際は、3歳児がトイレに近い側のフロアで活動し、トイレ休憩をずらすなどの配慮をしています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

・職員は、入園時に提出された家庭状況調査(児童票等)や健康診断、入園後の経過記録から個別の事情を把握しています。どの保育士も同じ対応ができるように、各クラスに端末を置き、個別の配慮事項をいつでも見られるようにしています。
・保育士は、一人ひとりの子どもの姿や表情を観察し、気持ちを受け止めては応答的な声かけを行っています。自分の気持ちを言葉で表現できない子どもには、表情から意思をくみ取ったり気持ちを代弁したり、場をうつして問いかけています。
・保育士は、子どものさまざまな欲求に折り合いがつくまでそばにいて、気持ちを受け止めながら、辛抱強く見守っています。
・保育士は、子どもに話すときは、かける言葉や表情だけでなく、個別の発達過程や家庭環境にも考慮して、声のトーンに気を配りながら穏やかに話しかけています。
・保育士は、強い言葉で抑止したり、不用意にせかしたりしないようにしています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

・保育士は、食事や排泄等の生活習慣は、家庭とやり取りしながら子どもの発達に合わせ意欲を見ながら進めています。着替えや手洗い、挨拶等のルールは、集団の中で自然に身につくよう、保育士が手本を見せながら繰り返し促しています。
・保育士は、スプーンや箸の持ち方は子どもの発達状況と習熟度に合わせ、意欲を尊重しながら少しずつできるように声かけし、できた時に大いに誉めて自信につなげています。蛇口に手の届かない子どもには足台を用意しています。
・年少児は、1日の生活の中で子どもの心身に負荷がかからないよう、家庭の生活リズムを考えて柔軟に対応しています。年長児は、就学を見通して、集中力を促し活動への関心を誘う声かけをしています。
・基本的な生活習慣を身につけるために、子どもの好きな手遊びや歌、馴染みの絵本を用いたり、自発的に行動する年長の姿を見せたりしながら働きかけをしています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

・日中活動は、天気の良い日は午前も午後も散歩に出かけます。近くの公園で行うサッカー遊び(3歳児以上)のほか、英語遊び(4、5歳児)、リズムダンス遊び(3歳児以上)、リトミック遊び(1、2歳児)等の外部講師による専門遊びを取り入れて、子どものプチキャリア(好きを見つけられることの意)を育んでいます。
・3歳児以上には個人もちの道具箱に素材を常備し、自由に表現できるようにしています。玩具は子どもの発達や年齢、関心を見て選び、朝夕は、コーナーで遊びこんでいます。
・戸外遊びでは、保育士が子どもに散歩コースや遊びの希望を聞き、子どもの自主性や意欲を引き出しています。散歩では、公園の遊具の使い方、地域の方への挨拶、交通安全等の社会ルールを学んでいます。
・異年齢児で過ごす朝夕の自由遊び、合同散歩等では、年少児は4、5歳児の姿を模倣して遊びを広げるとともに生活習慣を学び、年長児は年下の子どもへの思いやりを学んでいます。
・保育士は、年齢に応じてルールの分かりやすい遊びから始め、集団でできる遊びに誘い、次第に子ども同士でルールを作る遊びに発展するよう図っています。運動会や発表会では、子ども同士で協力し、やり遂げた喜びを感じています。
・公園で拾ったドングリで駒を制作し、セミやだんご虫を持ち帰り飼育、観察しています。
・コロナ禍ですが、散歩の際には地域の方と挨拶を交わし、最寄りの消防署に立ち寄って署内の見学をしたり、消防車に乗せてもらったり日常的な交流があります。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・乳児保育(0歳児)では、できるだけ家庭での様子を聞きとり、家庭と同じ生活リズムで過ごしながら徐々に園の生活になじむよう図っています。入園時の子どもの様子を見ながら、1週間を目安に慣らし保育を進めています。離乳食や排泄の進め方は、どの保育士も同じ対応ができるよう個別の対応を申し送っています。
・授乳の際は目を合わせて抱き、笑顔で語りかけながら行っています。保育士は子どもの表情や姿を観察し、サインを見逃さず応答的に関わっています。
・発達に応じて抱っこやおんぶ、ふれあい遊びをしながら信頼関係を築き、多くの言葉かけをして発語を促しています。無理に寝かしつけず、子守唄を歌ったり背中をさすったり見守りながら、SIDS防止の呼吸チェック(0歳児から1歳3か月までは5分ごとに、1歳4か月以上2歳児は10分ごとに、3歳児以上は30分おき)を行っています。
・保護者とは送迎時のやり取りや連絡帳、行事や懇談会、園だより等で家庭での様子を聞き取り、園での一日の過ごし方を申し送っています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・子どもの自分でやりたい気持ちを尊重して見守り、できたら大いに誉めてさらなる意欲につなげています。一人ひとりの子どもの発達と意欲を見ながら、家庭と連携しています。
・ハイハイやつかまり立ちが十分に行えるよう、家具を配置しています。安全を確認したうえで、関心を呼ぶ玩具や遊びで誘っています。戸外活動では、広々したスペースのある公園で思う存分動きまわり、落ち葉を拾い虫を見つけています。
・保育士は、子ども同士の距離を離したり進行方向を一方にしたりして、体を大きく動かす遊びでも危険なく遊びこめるよう配慮しています。
・保育士は、気持ちの折り合いの付かない子どもの思いを受け止め、問いかけながら葛藤する姿に寄り添っています。
・子ども同士のトラブルは、保育士が一緒に遊ぶ中で仲立ちをしています。お互いの気持ちを代弁し、気づきを促しています。
・朝夕の自由遊びで異年齢の子どもや他のクラスの保育士とも過ごしています。給食の時間には、栄養士が配膳しながら喫食状況を見て回り、英語やサッカー等のプログラムではさまざまな講師と交流しています。
・保護者とのコミュニケーションは、日常の会話や連絡帳等で情報交換を密にし、子育ての方針が一貫するようにしています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・3歳児以上は、全体的な計画の中に年齢別の保育目標を定めています。
・3歳児は、新入園児の身支度を教え手助けしたり、ちょっとした職員のお手伝いをしたり、プール遊びには自分の荷物を管理しています。ハサミや粘土の入った道具箱が自分専用になり、物を大切にすることや自分のものを管理することに取り組んでいます。
・3歳児は、ダンス中心のリズム遊びへ移行し、サッカー遊びが始まり、興味等が増えています。
・4歳児は、チームで行う遊びを多く取り入れ、友だち同士の関わりを楽しめる機会を増やしています。新たに、英語遊び、鍵盤ハーモニカ(メロディオン)を使って発表会で演奏できるようにしています。また、職員の話を静かに聞く、時計の時間が分かり、行動するなどの生活習慣を身につけています。
・5歳児は、子ども会議の場を作り、子どもの自主性を育てる支援をしています。また、小学校入学に向けて、筆圧の強い「クーピー」を使用して、鉛筆の持ち方等に取り組んでいます。
・「子ども会議」は、自分の意見をしっかりと話し、相手の気持ちを尊重する場とし、時には、ヒヤリハットのパネルや写真を見て、危ないところを探して意見を出し合う場面もあります。会議は2週間に1回程度開催し、子どもたちの意見を聞いて運動会の楽器を決めたりしています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

・ビルの2階と3階が保育室で、エレベーターでの移動ができます。子どもたちのトイレは車いすの利用ができません。麻生区役所との意見交換では、下肢障がい等の車いす利用以外の障がいのある子どもを受け入れる合意ができています。
・現在、障がい児認定を受けた子どもはいませんが、民間の医療・療育機関に並行通園している配慮が必要な子どもがいます。療育センターや医療機関等の関係機関とは連携できる状況にあります。
・配慮が必要な子どもの保護者とは、随時に相談ができることを伝えています。
・主任が2022年に川崎市の障がい児保育関係の研修(インクルーシブ保育)を受講しています。Web研修のため、研修後は職員会議で報告し、職員間で共有しています。
・障がい児保育の受け入れをパンフレットや重要事項説明書に記載するなどの取組が望まれます。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画に長時間にわたる保育を加え、子どもたちがゆったりと過ごせる1日の生活の流れにして、子どもが落ち着いて過ごせる環境づくりなどに配慮しています。
・全保育室が床暖房であり、冬季でも保育室内は一定の温度が保たれ、湿度管理や二酸化炭素測定器での管理もできています。園は、子どもが長時間でも落ち着いて過ごせるようなコーナーづくりや、職員とのゆったりした家庭的な雰囲気で過ごせるように配慮しています。
・0歳児や年少の子どもが安心して過ごせるよう、幼児クラスの子どもたちとの仕切りをマットや荷物入れ等で仕切っています。
・延長保育の子どもたちには、夕方のおやつのほか、保育時間帯により午後7時に補食の時間を設定し、最長20時までの保育を実施しています。
・延長保育の時間帯により、水分補給の時間をつくり、心も体も休息できるようにしています。
・長時間の子どもの状況について、職員間の引継ぎは申し送りノートに記録し、お迎え時には保護者に子どもの様子を伝えています。 

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画の「小学校との連携」の項目に、保育所児童保育要録の提出・送付、学校公開への参加、幼保小連携会議への参加を記載しています。5歳児の年間指導計画および月間指導計画に小学校との連携を明記し、年間を通しての取組となっています。
・小学校でハンカチやティッシュを入れる「移動ポケット」を持ち歩くため、5歳児クラスは10月頃からタオルやハンカチ、ティッシュを入れた移動ポケットを身に付けています。 
・幼保小の連携会議は、年長児担当者会議と実務担当者会議に参加しています。
・保育所児童保育要録の作成に当たっては、5歳児の担任が作成しています。記録の書き方等は、主任が指導していますが、書き方の変更等があったときは、担任が研修に参加しています。
・初めて入学を迎える保護者を対象に「小学校入学準備講座」を開催し5世帯が参加しています。園長から、保育園との環境の違い、持ち物や生活習慣の違い、年齢差による体力や気持ちの持ち方等を説明し、保護者の不安軽減に努めています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・子どもの健康管理に関するマニュアルがあり、健康診断記録や歯科健診記録等とともに健康状態を把握しています。
・朝の受け入れ時やお迎えの際は、子どもの体調面、様子等を確認しています。また、当日ケガをした子どもは、クラス担任に申し送りノートで伝え、保護者にケガの経緯等を伝え、翌日の登園の際に様子を確認しています。
・保健健康計画を作成し、年間と四半期の「ねらい・配慮・活動計画」を設け、健康管理の目標等を作成しています。
・食物アレルギー等の既往症のある子どもについては、入園時の面談で保護者から聞き取り、職員会議で共有しています。
・園の健康に関する方針は、重要事項説明書およびご利用の手引きで、日常の健康・くすり・ケガ・予防接種・伝染性疾患等について記載しています。また、毎月発行している「園だより、保健だより」で情報提供しています。
・午睡中のブレスチェックは、職員が子どもの体に触れ顔色を確認しています。また、うつ伏せの状態のときは仰向きに戻しています。0歳児から1歳3か月までは5分ごとに、1歳4か月以上2歳児は10分ごとに、3歳児以上は30分ごとにチェックし、記録しています。
・保護者には、入園時やクラス懇談会で乳幼児突然死症候群(SIDS)に関する情報を伝え、家庭での仰向け寝を奨励しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

・身体測定等は毎月実施し、健康診断は3か月に1回実施、歯科健診は毎年1回実施しています。健康診断結果を健康台帳に記録し保護者に伝えています。身体測定等は、保護者向け連絡アプリで連絡し、園医からの助言や見解等は健康台帳に記録し、ミーティング等で関係する職員に周知しています。
・園では、看護師から子どもたちに歯磨きの大切さを説明し、食後の歯磨きを実施し、0~2歳児は仕上げも実施しています。
・歯科健診前に保護者から事前アンケ―トで、歯に関する質問や悩みを聞いて、終了後に歯科健診だよりを発行して保護者と共有しています。個別の質問については、園医に伝え、健診後にアドバイスを保護者に個別に伝えています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・園では、厚生労働省が示す「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」をもとにマニュアルを作成しています。
・アレルギー疾患のある子どもについて、保護者から医師の指示書を提出してもらい、ガイドラインをもとに対応しています。川崎市健康管理委員会(事務局、川崎市こども未来局)に、除去食対応の新規・変更・継続・解除を報告しています。
・アレルギー疾患のある子どもの保護者と連携して、除去食を提供しています。除去食は、トレイに名札を載せ、器を別柄にし、席を少し離すなど、職員間で声を出しダブルチェックしています。
・食物アレルギー除去食対応については、毎月の献立確認面談を栄養士、担任、園長、保護者の4者で行い、除去食を提供しています。さらに、食後の手洗い、口の周りの清拭は、子どもたち全員に徹底し、室内に食べこぼし等がない状態を徹底しています。
・半年ごとに医師の診断を得て除去食申請書を提出し、継続か解除の申請をしています。
・看護師や主任は、アレルギー疾患、慢性疾患等の園内研修を行い情報提供しています。
・食物アレルギー疾患、慢性疾患等についての対応を重要事項説明書に記載しており、入園説明会で保護者に伝えています。
・アレルギー疾患、慢性疾患について、ほかの子どもたちに分かりやすい言葉で対応の重要性を伝えています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・全体的な計画に、年齢等に応じた目標を定めた食育年間計画を作成しています。
・テラスでオクラ・ニンジン等を栽培し、子どもたちも水やり等を体験しています。
・食事の前に電子ピアノ演奏や手遊び、エプロンシアター等をしています。
・幼児クラスでは子ども2人が、あいさつと「いただきます」のことばかけをし、一斉に食事をします。
・0、1歳児は職員が向き合い、言葉をかけながら援助しています。2歳児クラスは、スプーンか箸を決めて食べています。3歳児以上は箸を使って食事をしています。お代わりができます。
・箸の使い方は、強制していません。食器の形は同じにし幼児は陶器製で少し重くしています。                                                                                                                                                                                                
・月に1回全クラスで「クッキング食育」を実施しています。例示として、0歳児は、ニンジンや玉ねぎ等に触れてみる。3歳児ではニンジンの型抜きやカレーを作ります。5歳児では、五平餅づくりやナイフで野菜を切ったりしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

・一人ひとりの子どもの発育状況や体調等を考慮し、栄養士と看護師が話し合って、献立・調理の仕方を工夫しています。
・月1回の給食会議を開催し、保育士と栄養士で食育活動の取組や振り返りをする機会としています。行事食や絵本献立の感想、クッキングの感想等の意見交換をして、子どもたちがおいしく食べられるように検討しています。
・クラスの担任は、子ども一人ひとりの好き嫌いや喫食量を記録しています。残食は、クラスごとにまとめて記録し、栄養士は残食量を確認して、次期の調理に生かしています。
・献立は川崎市で統一したものですが、旬の食材を使用し、テラスで育てた野菜を調理するなど、季節に応じたメニューになっています。行事食は、絵本献立や世界献立等の食文化を取り入れ工夫しています。
・栄養士は、各クラスの喫食状況を見回り、食事の様子や子どもの反応を確認しています。
・調理室用の衛生管理マニュアル等があり、調理員において適切に管理されています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

・保護者との情報交換には、保護者用連絡アプリを用いた連絡帳(0~5歳児)があり、0~2歳児は個別の記録、3歳児以上には活動記録を配信しています。
・保護者とは、行事や懇談会、生活発表会、個別面談等を通じて、園の保育内容や取組の意図を伝えています。運動会や生活発表会、年2回の保育参観は、保育士と保護者が子どもの成長を共有し、喜び合う機会としています。運動会はコロナ禍の感染予防策として、0~2歳児は動画配信とし、3、4歳児は1人、5歳児は2人の保護者参加と人数を制限しながら開催しています。廊下壁面には子どもの制作品(1歳児の雑煮、3歳児のオカメさん、4歳児のおせちづくり)を展示しています。
・保護者とやり取りで得た家庭状況を含む子どもの情報は、面談記録や子どもの個別ファイルに残しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・園の理念の2本柱の一つ「保護者支援」として、朝夕の短い会話だけでなく、園だよりや保護者用連絡アプリを活用した細やかなコミュニケーションを大切に考えています。
・保育士は、朝夕の送迎時の保護者に疲弊した様子や落ち着きのない様子がないか、注意深く観察しています。担任は積極的に、保護者の気持ちに寄り添った言葉かけをし、保護者に不安があれば空いた保育室で、随時相談に乗っています。お迎えの保護者は、子どもが支度をする間に、ほっとした表情で園長や保育士と会話を交わしています。
・園は、必要に応じて、麻生区や川崎市北部児童相談所、民間の発達支援機関や園医と連携しています。
・保護者との相談記録は、「面談記録」や「個人ファイル」に残し、職員会議で共有しています。園ではOJT制度を採用しており、相談を受けた保育士は、OJT担当や主任、クラスミーティングや直接、園長から助言を得ることができ、自信をもって対応できるようにしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

・保育士は、子ども一人ひとりの心身の状態や家庭状況を把握し、ガイドラインに沿って、頭髪や衣服、表情や身体状況を観察しています。アザや傷を見つけた場合は写真に残し、聞き取りを行って虐待等の早期発見に努めています。
・虐待等権利侵害が疑われた場合は、速やかに情報を共有し、クラス会議や職員会議で対応を検討しています。園の周辺は虐待ケースの少ない地域で、今までに通報したケースはありませんが、権利侵害の予防的措置として、きょうだい関係や卒園児のネットワークで情報を収集しています。
・緊急連絡先として、麻生区児童家庭課や川崎市北部児童相談所、警察署等の関係機関をリストにしています。職員は、法人作成のマニュアルと川崎市児童虐待対応ハンドブックに基づいて、児童虐待の定義や保育園の役割を法人研修や外部研修で学び、職員会議で共有しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

・保育士は、毎月保育実践の振り返りを行い、事前に提出した面談シートをもとに、園長と主任との面談で自己評価を行っています。
・保育士の自己評価は、指導計画に基づく子どもの活動や結果だけでなく、0歳児の「自我が芽生えて自分の意思を指差しや喃語で表現することができるようになった」過程や、「5歳児になり散歩に図鑑を持参して新しく見つけた虫や植物を友だち同士で教えあう」等、子どもの意欲や取り組む過程に注目しています。
・保育士は、指導計画ごとの振り返りを行い、次期計画に反映しています。保育実践の課題や改善策を職員会議で話しあい、保育力向上の取組につなげています。
・保育士は、業務担当や行事リーダー、職員会議の「ファシリテーター」を交代で行うほか、園内研究保育で、互いの保育を評価し学び合いの場としています。人材育成のOJT制度、園内外の研修によって保育力向上を図るとともに苦手を克服し、互いの専門性を磨いています。