社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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立場エンゼル保育園

2021年03月08日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 学研データサービス

② 施設・事業所情報
名称 立場エンゼル保育園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 52 名
所在地 245-0024
神奈川県横浜市泉区和泉中央北2-36-66
TEL 045-800-3356 ホームページ
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2006年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 特定非営利活動法人 グランディール
職員数
常勤職員:13 名
非常勤職員:9 名
専門職員
保育士:14 名
栄養士:1 名
看護師:1 名
調理員:4 名
施設・設備の概要
居室等:保育室5室、給食室、医務室、園庭、園長室、休憩室
設備等:お風呂場、大人トイレ2か所、乳児トイレ、幼児トイレ

③ 理念・基本方針
幼児期に受けた経験は、数十年の時を超えても、なお鮮明に記憶して甦ってきます。
「三つ子の魂百まで」と諺にもありますが、幼児期は人間形成の最も大切な時期。
この大切な時期にこそ慈しみ育てることは、この子の生涯を豊かなものにします。
特に人生の初期に人から愛されることによって、自分も相手を大切にしようとする心の芽生えを
見逃さず、身近な人と親しみ関わる中で、人に対する優しさ思いやりと、そして人権を大切にする
心を育てます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
➀地域との交流
開設以来地域の方や農家の方々との交流が続いている。毎年芋ほり遠足に誘われたり又園でのお楽しみ会の折は新鮮な採れたての野菜や果物を出店していく。慣れ親しんだ地域の方々は散歩中に愛おしい眼差しで話しかけてくれ季節ごとにお花や野菜を頂くことがよくある。 
②定員52名の家庭的な保育を心掛けている。
近年小規模保育所が好まれるのか希望者が多く見学者が増えている。
③職員の勤務年数が長い
④里帰り保育(小学2年生から6年生まで)
共に育ちあった卒園生の仲間たちが在園児のてつだいをしたり交流活動を通して卒業後も在園児たちの成長を見守っている。

・卒園してからも繋がりがあり、行事問わず来園生が多い 
・食育では開設以来低無農薬(米)調味料(全)野菜一部は地産地消取り入れている(2年度より)

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/07/09(契約日) ~2021/01/20(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2015年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ◆ 一人ひとりの子どもと向き合い、いつくしみ育てる保育を行っています
 園の保育目標は「ぬくもりのある雰囲気の中で子どもの様々な要求を満たし、情緒の安定を図る」となっています。木材を基調とした園内は、くつろぎ、友だちや職員と安心して過ごせる場所となっています。保護者の満足度も高く「ほめて育む」保育が一人ひとりの子どもに合わせた形で行われています。すべての年齢の子どもに「連絡帳」と「個人ノート」があり、連絡帳の活用、柔軟な相談体制を通じて保護者が安心できるように連絡や報告をしています。家庭的な雰囲気の中で小規模保育の良さを生かして、異年齢保育や合同保育にも力を入れています。例年は地域と連携した行事や交流会を積極的に計画し、開催しています。

◆ 提供する食事を通して食べることを楽しみ合えるように食育を行っています
 食育を「健康な生活の基本として基礎を培うもの」であり「生活や遊びの中で食に関する体験を積み重ね、互いに食べることを楽しみあえる」ことと位置づけています。食育計画表は0~2歳児、3~5歳児の2本立てとなっていて、2歳児までは子ども一人ひとりに合わせた支援計画を作成します。子どもの嗜好、喫食状況を担当職員とともに栄養士が把握し、定期的に会議を行い次月の献立や食育計画に反映させています。給食やおやつの食材は、地産地消に取り組み地元のものや、季節の減・無農薬のものを使用することを心がけています。地域指定の胚芽米を使ったり、週に2回は魚の献立を出したりして、おいしく、安全で安心な食事を提供しています。
改善を求められる点 ◆ 中長期や単年度計画は目標に数値や具体的な成果を設定するよう期待します
 園では本年度から5年間の中長期計画と単年度計画を策定しています。中長期計画は保育計画や環境整備、保護者会、地域活動、職員研修、組織運営など項目別に記載されていますが、単年度の事業計画は月ごとの行事計画の中に計画の実施項目が組み込まれ、年間目標が不明確で、目標の進捗状況の確認がほとんどできません。一方、単年度の事業報告では中長期計画と同様、子育て支援、地域交流、環境整備、食育など項目別に実績を記載しています。中長期や単年度計画は成果や途中の進捗確認ができるよう、目標に数値や具体的成果を設定するとともに、費用をともなう場合は収支計画を添え、職員に説明し、目標への協力体制作りをするよう期待します。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
当園は平成18年に設立した小規模保育園です。
 地域の環境も当時と変わることなく一歩足を踏み入れると自然豊かな子ども達の遊ぶ場所になっています。
 又裏通りは静かな住宅街です。設立時「この通りが賑やかになってほしいです」と言ってくださった言葉通り地域の方々には温かく子ども達を見守りご支援を頂いています。
 園の理念である「慈しみ育てる」は保育士、保護者は勿論のことこうした地域の皆様に愛され育って行く過程が如何に重要で大切であるが、子どもは社会全体で育てるもの。
 この子たちの十年後、十数年後見据え思索しながら保育を楽しんでいます。こうした中、保育者アンケートでは高い評価を頂き嬉しく励みに思います。
 改善点では納得する総評でした。今後職員間で年度目標を話し合って定めそれを踏まえた上で単年度の事業計画を作成していきたいと思います。
 又例年の項目の記載に加え具体的なねらいや内容も盛り込んでいくよう検討し話し合った上で決定していきたいと思います。
 今園の受審でははじめて横浜方式から神奈川県方式に変更され内容が難しく理解に苦慮し戸惑うこともありましたが評価調査委員の皆様に分かりやすく指導をいただき無事終えることができました。
 自己評価、訪問調査に於いて改めて学ぶ事も多々あり今後も日々の保育を振り返り質の向上に努めて参ります。
 最後に評価調査委員の皆様今後の保育向上に役立つ貴重なご意見ありがとうございました。
 又お忙しい中アンケートにご協力いただいた保護者の皆様心よりお礼申し上げます。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

 園は保育理念の中で「人間形成の最も大事な時期に慈しみ育てることは、その子の生涯を豊かなものにします」として、保育方針、保育目標とともに明文化して、入園のしおりやホームページに掲載し、また、園の理念は職員や保護者の目に常に触れるように、園の玄関や全保育室にも掲示しています。職員会議では園の保育理念のもと、自身の保育観を発表し合う機会があり、園の理念、方針、目標を再確認しています。保護者には入園説明会の時に入園のしおりで園長から保育理念、方針、目標を説明し、園だよりでも保育理念を伝えています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

 園長は泉区の保育園園長会や系列3園園長会などに参加して、福祉事業全体の動向や地域の待機児童の動向などの情報を収集しています。また、地域の保育園5園の交流会や横浜市や泉区の親しい園長の集まりなどから、地域の子どもの増減や新設園の動向などの情報を入手しています。全体的に子どもの数が減少傾向にある中で、駅に近いこの近辺は子どもはやや増えており、新設園の開園もなく、入園希望倍率はかなり高い水準です。今後は園の経理面や地域情報などを具体的な数値で捉え、分析されるとなお良いでしょう。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

 年に2回以上系列3園で法人理事会(理事長は当園園長)を開催し、法人の経営状況について、役員間で共有しています。しかし、運営面では各園独自で運営しています。当園は小規模園でもあり、園の運営に大規模法人のようなゆとりはありません。職員体制では保育士不足がありますが、職員の定着率は良好で、人材構成もバランスが取れています。経営状況は職員に開示し、設備改修などは職員会議で決めています。園は5年後の園の借地権更新などに向け動き出しています。法人や園の経営層の計数面での実態把握を希望します。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

 令和2年~令和7年までの園の中長期計画は園長、主任を中心に討議して作成後、年度末の職員会議で職員に提示し、決定しました。内容は運営の基本、職員、保育計画、保護者、地域活動、研修、人事考課などの主要項目と内容を示し、さらに、経営、環境整備の項目と実施内容を加えた3年~5年の一覧表も添えています。一覧表では各実施内容の期間的な目安が示されていますが、中長期計画との関連性が不明瞭です。実施内容も期限までにどう進めるのか、数値目標などのある、より具体的な計画とすれば見直しも可能となるでしょう。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

 中長期計画を踏まえて年度計画を策定しています。内容は、例えば、別枠に「地域活動」として「芋掘り遠足」を記し「地域の方々や園児親子が参加し、交流を深める」と具体的です。しかし、ほとんどの項目や内容は、4月~翌年3月の月ごとの年間行事計画の中に記載しています。このため、例えば「食育」内容が月ごとの記載となり、また、職員の人材育成や研修の項目・内容の記載がありません。一方、事業報告は項目別に結果内容を記載しています。中長期計画を含め、項目相互の関連性が理解しやすくなるよう、記載方法の統一を希望します。また、1年間の計画であり、より具体的な数値目標などによる記載を期待します。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

 園長は例年10月と3月の職員との個人面談やふだんの会話から、園の運営について職員の意見を聞いています。本年度計画中の園庭の滑り台の再塗装なども職員の意見からです。事業計画は園長と主任で作成していますが、栄養士や看護師を含む職員の意向を反映し、策定しています。現在、事業計画は年間行事計画表に記載しているため、計画と実施の遂行状況はそのつど確認しています。年度末に研修計画を含む事業計画を見直し、新年度の計画策定につなげています。職員には統一した記載方法による事業計画の説明と周知を期待します。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

 園では年度ごとの重要事項説明書により、3月の入園説明会で、「提供する保育・教育の内容」としてクラスごとの年間保育計画の概要や年間行事、食育、地域支援など事業計画の主な内容を話し、保護者会でも説明しています。4月初めに年間行事計画表を配付し、園だよりや掲示板で毎月の予定を知らせ、保護者などの参加を募っています。本年度は新型コロナ感染症対応で保護者会や行事などの計画が遅れがちな現状を保護者におたよりなどで知らせ、保護者の理解を得ています。保護者には事業計画としてまとめて記述するとなお良いでしょう。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

 毎年2月に職員は、「保育士の自己評価」「立場エンゼル保育園自己評価シート」により、自己評価を行います。「保育士の自己評価」には翌年度の目標も記入し、園長が再評価とコメントを記入し、個人面談を行い、評価内容を確認し、改善に向け話し合っています。「立場エンゼル保育園自己評価シート」は実施後、職員全体の平均値を園の自己評価としています。第三者評価は5年ごと定期的に受審しています。園ではこうした評価で課題が発生した場合、職員同士の話し合いや経営層の判断で決定しがちで、改善計画の策定、取り組み、評価、目標への反映、いわゆるPDCAによる組織的な改善活動実施が望まれます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

 全職員が2月初めに「立場エンゼル保育園自己評価シート」を用いて保育理念、指導計画、職員構成・研修、事務管理、地域交流などの項目で自己評価を行い、集計結果に園長がコメントを記入し、園の玄関に掲示し、公表しています。公表後の職員会議で問題点などを話し合い、改善策を検討し、内部研修の充実、外部のキャリアアップ研修受講、園庭の大型遊具の再塗装などを決めています。経費のかかる計画は優先度を決めるなど計画的に進めています。課題の把握から解決へ組織的に取り組み、進めることを期待します。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

 園長は重要事項説明書に園長が法人の理事長であり、園の施設長であることを掲載し、入園説明会で保護者に説明しています。また、4月の入園式や園だよりなどでも園長としての責務を示しています。3月と4月初めの職員会議では、職員に新年度の組織図と職務分担表を渡し、職務分掌規程に基づく園の運営責任者としての役割と職務を表明し、周知を図っています。園長不在時には主任が職務を代行できるよう規定しています。園長は「慈しみ育てる」園の理念を職員や保護者に常に話し、今回の利用者調査結果では、利用者の園の総合的な評価は「満足」「どちらかといえば満足」合わせて100%でした。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 園長は社会人として、また保育業務に携わる法人の理事長、園長として守るべき法や規範、倫理を十分理解しています。園の運営では行政や取引事業などの利害関係者とは適正な関係を保っています。園長は区の保育園園長会などに参加し、法令順守の確認や職員への指導などを学び合っています。園長は職員の入職時に、子どもの人権の尊重や就業規則などで定める法令順守を説明し、守秘義務に関する承諾書を受け入れています。職員は園内研修で法令順守などを学び、人事考課表や自己評価表項目を自己採点し、園長の確認、指導を受けています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 園長は保育の質の現状に常に配慮し、クラスごとの月間指導計画や業務日誌に目を通し、コメントを付しています。職員個人では、人事考課表、職員アンケート、自己評価表に自己評価などを記入後、個人面談し、園長は記入内容を確認し、本人の資質向上に向け、コメントを記入して指導、助言を行っています。保育内容について問題点を把握した場合、園長は昼の小会議などで職員の意見を求め、対応しています。園長は保育の質向上のため、外部研修でキャリアアップなどの研修受講を勧め、同時に毎月の園内研修の充実を図っています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

 園長は園運営の改善や実効性の向上のため、職員数が不足気味であることや職員の就労状況、財務状況などの現状を分析しています。園長は「慈しみ育てる」保育理念や保育目標の実現を目ざし、毎年10月に職員アンケートを基に面談し、来年度の勤務継続の意向の有無、担当希望クラス、要望・悩みなどを聞き、対応に努めています。園も開園15年目、今後大きな出費の継続も予想され、改善のための体制作りと計画的な財務状況の把握が望まれます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 園の現在の人員体制は保育士、調理師、看護師ともに平均勤務年数は8年を超え、定着率は良好です。職員面談などで職員の不足が予想される場合、保育専門学校や短期大学、大学、ハローワーク、ホームページ、派遣会社などを通じ、採用活動を行い、保育理念に賛同する人を採用しています。新年度初めの職員会議で、園長は今年度の「職員育成計画」を示し、目ざすべき姿と勤務経験や職位に応じた研修内容を明示し、同時に「キャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ」を示し、修めるべき研修などを明らかにしています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

 期待する職員像は「職員育成計画」で明らかにしています。園では12月に経験年齢別の4種の人事考課表に規律性、責任制、協調性、積極性、接遇態度の評価項目に職員が自己評価を記入し提出します。園長は本人評価に園長評価のコメントを記入後、個人面談をして、年間目標の進捗確認とともに評価内容を確認し、前向きな指導、助言をしています。評価結果は処遇へ反映しています。職員は「キャリアアップの仕組み」や初任者から管理職に至るキャリアパス一覧で将来の仕組みを理解しています。園には、職員のより具体的な目標管理を期待します。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

 労務管理全般の責任者は園長です。職員のシフト表は主任が作成し。休みの希望は、シフト表の作成前に園長が受け入れています。園長は職員の就労状況を毎月確認し、有給休暇の取得は毎年ほとんどの職員が100%で、時間外勤務も大きな行事の準備など特別の日以外はありません。園長と主任は日常、精神面も含めた職員の健康管理に気を配っています。園長は個人面談の機会に職員の要望や悩みを聞き、相談に応じて、ワーク・ライフ・バランスに配慮し、退職希望もほとんどありません。このように、園長は働きやすい職場づくりに努めています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 園長は職員会議など機会あるごとに、園の「慈しみ育てる」保育理念や目標、方針について職員に話し、これを理解する職員を「求める職員像」としています。職員は2月に実施する自己評価表の最終頁に翌年度の目標を記載して、園長と面談して目標を確認し、達成への助言を受けています。以後6月と12月の人事考課面談などで個人目標の達成状況を確認し、目標達成への前向きな指導を受けています。ただ、園長は職員の「ピアノが弾けるようになる」など、目標設定には本人の自由な意向を重視し、少しの向上でも褒めて本人の意欲向上に努めていますが、年間目標は1年後の達成度の確認ができるような、より具体的な目標設定を期待します。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 本年度の「職員育成計画」の初めに「目ざすべき姿」として、保育理念を含めた「期待する職員像」を明示しています。また、「キャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ」と「職員育成計画」の中で、各職位に必要とされる要件と専門資格名を明らかにしています。研修は横浜市や泉区、境域機関などからの開催案内を基にキャリアアップ研修を主に参加希望を募り、主任ほかが計画表を策定しています。しかし、今年度は新型コロナウイルス感染症対策のため現在未実施です。園長は研修報告などから、研修内容を評価し、翌期の参考にしています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

 園長は職員各自の経験、能力、担当職務の習熟度などを十分把握しています。園は新人育成担当としてベテラン職員を任命し、 OJT(職場内研修)を含め新任職員の育成にあたってもらっています。今年度はコロナ禍により未実施ですが、例年外部研修はキャリアアップ研修を中心に希望者を募り、人数が多い場合には就労状況を見ながら公平に修得できるよう配慮しています。研修参加者は職員会議で研修報告をし、職員間で内容の共有をしています。園長は園内研修も重視し、毎月日中時間に児童憲章や看護師による嘔吐処理、救命救急法などを学び、毎回小報告書の提出を受けています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

 実習生は「実習生受け入れマニュアル」に基づいて、保育士養成専門学校、短期大学などの学生を受け入れています。園の受け入れ責任者は園長で、実習に先立ち、オリエンテーションを実施し、学校からの守秘義務に関する誓約書などの書類を受け取り、履歴書などを基に実習生の希望を聞き、研修計画を調整、確認して、実習上の注意事項を話しています。実習指導は実習生の入るクラスの担当保育士が行い、最終日には園長も参加して実習反省会を実施しています。マニュアルには実習生受け入れの意義や目的を明文化されると良いでしょう。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

 法人と園のホームページがあります。法人のホームページでは、保育理念、保育目標、保育方針と個人情報に関するプライバシーポリシーなどを記載し、園のホームページでは住所、開園時間、クラス構成を載せています。このほか「保育室」「デイリープログラム」「年間行事」などのメニューは作成されていますが、記載はありません。これから入園を検討される方や園の情報を知りたり方のためにも内容の充実を図られると良いでしょう。また、園情報は泉区のこども家庭支援課に提供し、区の施設案内冊子に掲載されています。泉区主催の地域子育て支援イベント「いずみっこ広場」では地域の親子などに園の紹介パネルなどで園の紹介をしています。玄関に苦情・相談体制の案内などを掲示しており、同様に、園の決算情報の公開を期待します。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

 園は特定非営利活動法人(NPO法人)の傘下の保育園で法人の管理規程のもと、収支決算などの財務管理を税理士に委託しています。園長は3月の職員会議でクラス担当を含む組織図と園運営上の職務分担表を明らかにして、職員の職務、権限を周知しています。園は規模が大きくなく、内部監査組織はありません。園の運営や財務管理に担当税理士による関係書類の点検と指導を受け、経営改善に努めています。決算書類は職員に開示しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 地域とのかかわり方については、保育目標や保育方針に基本的な考え方を示しています。地域行事など活用できる地域の情報に関しては、園だよりや掲示板を活用し提供しています。例年、5歳児が高齢者施設を訪問して歌や七夕会などの交流をし、地域の方々には暑中見舞いや寒中見舞いを作成し配るなどの交流を定期的に行っています。また、地域の公園を活用した遊びや近隣の農家の方の協力を得て「大根掘り」や「芋掘り」などの収穫体験などができるように指導計画を立てています。しかしながら、今年度は新型コロナウイルス感染症対策のため実施していません。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

 「ボランティア受入れマニュアル」を作成し、目的、受入れの体制、協力についての基本的な考え方を明示しています。「職場体験受け入れマニュアル」を作成し、ねらい、手順、注意事項などを明示し近隣の3つの中学校の中学生の職場体験を実施しています。小学校との交流は5歳児が近隣の小学校と定期的に実施しています。卒園生の「里帰り保育」を夏季や冬期に実施し、園の手伝いや保育体験を通して卒園後の成長を見守っています。今年度は新型コロナウイルス感染症対策のため実施していません。今後は、ボランティアなどの受け入れに対する職員への研修の充実を期待します。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

 泉区の関係機関(福祉事務所、児童相談所、保健所など)や病院などについて、子ども、保護者の状況に対応できる資料を作成し明示しています。関係機関との連携の状況は、必要に応じて月1回の職員会や毎日実施するミーティングで職員間の情報共有を図っています。関係機関や団体と定期的な連絡会を実施し、情報の交換を行っています。地域の関係機関や団体との共通の問題では、連携を強化し協働して取り組んでいます。家庭での虐待など子どもへの権利侵害が疑われる場合は、職員はすぐに園長に報告して対応を相談し、園長が泉区の子ども家庭支援課に連絡する仕組みがあります。区からは不定期に連絡や情報提供があり、園長が園の現状を報告しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

 関係機関や団体と連携を図り、また地域の園長会などに参加して地域の福祉ニーズや生活課題などの把握に努めています。地域との交流では、高齢者施設に年2回訪問し歌やゲームを行う交流をしています。地域住民とは年間を通した交流の中で「大根掘り」「芋掘り」など自然体験の交流をしています。地域の保育園が合同で年4回実施する2歳児交流会や5歳児交流会に参加し、ゲーム遊びなどの交流をしています。しかしながら、今年度は新型コロナウイルス感染症対策のため実施していません。今後は、地域の人を交えた運営委員会を設置し、地域の福祉ニーズなどを聞く会を定期的に開催されることを期待します。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

 地域のニーズを把握し、年に一度「おたのしみ会」を開催し、地域の親子の参加を募るなど地域コミュニティの活性化に協力しています。保育所が有する専門性を生かした地域向け子育て相談は、希望する方に個人面談を実施しています。近隣住民の安全や安心のための支援の取り組みの一環として、園にAED(自動体外式除細動器)が用意されています。園児が遊びに利用する公園ではごみを拾い、公園美化に協力しています。今後は、地域で把握した福祉ニーズなどに基づいた活動などの計画を作成し明示されることを期待します。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 子どもを尊重する保育について「入園のしおり」の保育理念のなかに「人に対する優しい思いやりと、そして人権を大切にする心を育てます」と明記しています。職員は職員会議や内部研修で子どもの人権を尊重する保育を学び、理解を深めています。保育室には「保育理念」「保育目標」「保育方針」が掲示してあり、毎日の保育のなかで確認しています。子どもを尊重する保育は、職員が毎日の保育を振り返り「子どもどうしの関わり方」や「否定的な言葉」などを確認をしています。また、「園だより」で年3回課題を決め、子どもを尊重する基本的な考え方について保護者に伝え理解を深めています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

 子どものプライバシー保護については「個人情報保護規定」が定められています。職員は入職時に「個人情報守秘義務誓約書」を確認し責務の重要性を理解しています。排泄や着脱の援助は、必要に応じてドアや囲いなどを工夫し子どもの生活の場にふさわしいプライバシーを守れる環境を提供しています。水遊びの水着の着替えなどは子どもの意識が育つように援助しています。園庭の水遊びをする場所は、樹木を植栽し外部からの視界を遮るように工夫しています。子どもと保護者のプライバシー保護については「個人情報同意書並びに肖像権同意書」に基づき必要最低限の範囲での使用許可を保護者から得て使用しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

 利用希望者に向けた保育サービスなどの園の情報は、行政が作成する「泉区幼稚園・保育園施設案内」(関係機関窓口や保育園で配布)を配布することや泉区主催の「いずみっこ広場」に参加し、写真付きパネルなどで園の特徴をわかりやすく紹介しています。園の利用希望者には、園内見学を実施し「入園のしおり」に基づきていねいな説明を行い「園見学者記録ファイル」に記録しています。また、子育てのポイントや子どもの活動の様子を写真で掲載した「園だより」などを掲示し保育内容をわかりやすく紹介しています。今後は、園のホームページなどを有効に活用するなど情報の提供を工夫されることを期待します。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

 入園時に「入園のしおり」「重要事項説明書」を保護者に配布し、説明を行い、同意を得ています。主な内容は事業者の運営主体、設備の概要、園の目的、理念、目標、保育時間、利用料金、保育・教育内容、毎日の保育・教育の流れ、年間保育計画、給食、安全、衛生、保健面での配慮事項、苦情相談窓口、家庭と園の連絡方法などです。個人情報同意書並びに肖像権同意書も説明し同意を得ています。今後は「アレルギー対応ガイドライン」を作成されているように、ほかの配慮が必要な子どもを想定したルールを規定し実施されることを期待します。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

 他園からの入園、他園への入園の場合は区役所と連携を図り実施しています。また、保育園を変更した場合は、変更先の保育園に必要に応じて情報を提供しています。保育園を転園した子どもや卒園した子どもや保護者が来園し交流をしています。交流の記録は「里がえり保育日誌」に記録しています。保育園の利用が終了した時に子どもや保護者にその後の相談方法について口頭で伝えています。転園、卒園した後も行事などの招待状を送付し、多くの卒園児が保護者とともに参加したり、卒園後の状況を報告してくれたりしています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 職員は日々の保育の中で、子どもが満足を感じ意欲的に行動したり、楽しく園生活を過ごしていたりしているのかを留意し、子どもを観察し問いかけながら実践しています。保護者には行事後や年度末にアンケートを実施し、感想や意見などを聞いています。例年4月に保護者会、10月に個人面談を実施し利用度満足を把握していますが、今年度は新型コロナウイルス感染症対策のため実施していません。保護者の登園、降園の時間を活用することや連絡帳を活用するなど利用者満足の向上に努めています。把握した利用者情報は職員会で内容を分析、検討し、改善を図っています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

 園は利用者の意見や要望に応えられるように「苦情解決の体制」を明確にしています。入園時に「入園のしおり」や「重要事項説明書」で苦情相談窓口を説明しています。また、「苦情解決のしくみ」を作成し利用者に配布しています。また、玄関に「意見箱」を設置し、「苦情解決のしくみ」を掲示して園の窓口、責任者、第三者委員、行政などの連絡先を記載しています。苦情や要望は「苦情シート」のほか連絡帳やアンケートでも把握し、クラス担任、主任保育士、園長で検討し、決定した内容を職員間で共有しています。苦情への対応は、利用者に園としての対応や考えを連絡し、公表が必要であると判断した内容は掲示し伝えています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

 入園時に説明する「入園のしおり」や「重要事項説明書報告」に苦情相談窓口の記載があります。園の窓口は、相談や苦情受付担当者、相談や苦情解決責任者、第三者委員、行政の連絡先が明記してあり、4月の保護者会でも口頭で苦情や相談の方法について説明し、保護者は苦情・相談を複数の方法から自由に選ぶことができるようにしています。玄関には自由に意見を伝えられるよう「意見箱」を設置しています。職員は日ごろから保護者とコミュニケーションを図り、個人面談をはじめ登園や降園時、連絡帳などで相談しやすい環境づくりに努めています。保護者からの面談希望には「医務室」や「園長室」を活用するなどプライバシーの保護に配慮しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

 職員は保護者の登園、降園時や個人面談の際に相談や意見などを傾聴するように心がけています。玄関には「意見箱」を設置すること、親子遠足、運動会などの行事後や年度末の保護者アンケート、毎日の連絡帳での意見交換など保護者の意見の把握に努めています。受けた相談や意見については「意見・要望等の受付書」として内容や相談の経過などを記録するとともに、職員全体で協議し解決に向けた対応に努めています。受け付けた相談や意見の検討に時間がかかる場合は、相談者に速やかに連絡し、現状を報告しています。相談や意見に対応するマニュアルを作成し、活用するとともに必要に応じて見直しを図っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

 子どもの安心や安全のためのリスクマネジメントは園長が責任者として各分野をまとめています。リスクマネジメントに関する委員会を設置し安全点検係を決めています。安全点検係は問題の発生時の安全確保に対応しています。安心や安全を確保するために、保健関係、給食関係、事故関係、不審者関係などのマニュアルを作成し職員会議で確認しています。看護師や栄養士が担当する内部研修を実施し、職員のリスク予防意識を醸成しています。子どもの安全や事故発生時の情報は園長会や新聞などで収集し、職員会議や毎日のミーティングで報告しリスク意識の徹底に努めています。安全確保、事故防止の職員の研修は年間計画に位置づけ実施しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 感染症対策に関する管理体制は看護師が在籍し、責任者として役割分担を決めています。保育所における感染症ガイドラインに沿って保育が行われています。嘔吐処理マニュアル、消毒マニュアルを作成しています。職員の年間研修計画に感染症の内容を位置づけ看護師が担当し研修を実施しています。子どもへの感染症予防対策として、うがい、手洗いなどについて指導を行っています。感染症が発生したときは、感染症の種類と人数をホワイトボードに記載し玄関に提示することや園だよりで保護者に情報提供し、注意を喚起しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

 「災害時マニュアル」「危機管理マニュアル」を作成し災害時の体制を明示しています。災害への対応は「重要事項説明書」に非常災害時の対策を明示しています。職員は緊急連絡網を作成し安否を確認し、保護者への連絡は入所児童調査票に基づき連絡をします。食料や備品類などは備蓄リストを作成し管理者を決め管理しています。避難訓練は「避難訓練年間計画表」を作成し、火災、地震、不審者などを想定した内容で月に1回実施しています。火災訓練については訓練実施計画書を記入し消防署に提出し指導を受けています。不審者訓練は年1回、警備会社と連携し実施しています。災害時の園児の引き取り訓練を年1回実施しています。今後は、消防署だけではなく警察、自治会などと連携するなど、防災計画を整備されることを期待します。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

 非常勤を含む全職員に入職時に「職員用マニュアル」が貸与されています。これには、園の保育理念、保育目標、保育方針や社会人・保育士の心得として守秘義務や子どもの尊重、子どもの権利の保護、などの基本姿勢を明記し、また、業務マニュアルとして業務の基本事項や留意事項を記載しています。日常保育では、衛生管理や危機管理、虐待防止、給食、食中毒予防などのマニュアルや保健面では保健、感染症、アレルギー対応などのマニュアルがあり、看護師や栄養士による園内研修で必要な知識などを学んでいます。実施内容がマニュアルに基づいているか、園長は現場を見て、また日誌などを点検して確認しています。保育の実践では、子ども一人ひとりに合った柔軟な対応をしています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

 保育の標準となるマニュアルの記載内容の検証や見直しは保育、食育、看護の職員が年度末に実施しています。また、例えば園のアレルギー対応マニュアルは横浜市が策定する「保育所における食物アレルギー対応マニュアル」に則って作成しており、感染症対策でも国の「保育所における感染症ガイドライン」をマニュアルとしています。職員用マニュアルにある虐待防止マニュアルなど、国や行政から示達のあるつど、栄養士や看護師が改訂し、職員に周知しています。検証・見直しにあたり、指導計画などの反省点や職員や保護者からの意見も考慮して取り組んでいます。マニュアルには発行日、改訂日の表示があるとなお良いでしょう。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

 指導計画の策定は園長を責任者としています。入園時の児童調査書、生活状況表、家庭状況表により家族状況や子どもの既往症、アレルギー症などについて看護師、栄養士も同席し状況を把握しています。入園後は収集した情報を児童票に記載しています。保育の全体的な計画のもと、年間、月間、週案、日案などの指導計画は職員が話し合い作成し、主任、園長が確認しています。配慮が必要な子どもには個別指導計画を作成し対応しています。指導計画は保育士に栄養士、看護師も参加して、また必要に応じて関係機関の助言も入れて、作成しています。また、指導計画に基づく保育実践は、子どもの実態を観察するなど振り返りや評価を行い改善に努めています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

 指導計画の見直しについて、年間指導計画は年度末に職員全体で協議し見直しを行っています。月間指導計画は月末にクラスごとに見直しを行い、主任、園長が確認し、改善に努めています。週案は週末に各クラス担任が反省や評価し記載しています。見直した指導計画については次の計画を作成する際に反映させ、関係職員に周知しています。緊急に指導計画の変更が必要となった場合は、関係職員、主任、園長が対応し修正し実施する体制を整備しています。指導計画の見直しや変更した内容は職員全体に周知し、保育に反映されるようにしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

 入園後の子どもの一人ひとりの発達状況や生活状況に関する記録は、1歳児は成長記録(食事、排泄、午睡、着脱、清潔、安全、運動、人間関係、環境、言葉、表現など)に、年間を4期に分けた期ごとに個人の様子や成長を記録しています。2歳児からは個人別に期ごとに生活習慣、健康、言葉、遊び、その他の項目について成長を記録しています。子どもの情報は適切に分別して管理され、必要な情報が的確に伝達や活用できるように整備されています。保育の実施状況は申し送りノートと口頭で伝達し共有しています。定期的に開催する職員会会議や毎日のミーティングで、情報を提供し職員が的確な情報を把握し全員で共有しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

 個人情報保護規程などのもと、園内での子どもや保護者に関することは、職員の入職時に個人情報守秘義務誓約書を確認し、同意書に署名しています。個人情報の記録管理は園長が責任者として統括し、子どもの記録の保管、保存については書棚に保管、施錠し、適切に管理しています。園長は毎月実施する職員会議で個人情報保護の必要性を指導し、職員は理解し遵守しています。また、年度末に実施する職員の自己評価では守秘義務の理解度を確認しています。個人情報の取り扱いについては、入園時に保護者に説明し同意書を得ています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

 園の全体的な計画は、改定保育所保育指針告示の平成29年に作成し、以後毎年見直しています。当初作成する際には園長、主任、副主任が骨子を作り、クラス担任やスタッフに法律の改正や今後の動きとともに、計画の持つ意義や趣旨を説明しました。園長は園内研修で園の理念と全体的な計画について職員に定期的に話し、職員が園の理念を理解した保育を行うように指導しています。この地域はまだ周囲に自然が多く近年、森の中に芝生のグラウンドができて、子どもたちの良い遊び場所となっています。平成18年の開園以来、近隣の方々との関係も良好です。子どもたちは近隣の方々と声を掛け合ったり、ボランティアとして来園した際に遊んでもらったりしています。全体的な計画の内容についての評価は職員会議で行うほか、職員の自己評価でも行います。職員の自己評価を取りまとめて園の自己評価を作成した後、次年度の計画の再評価に生かしています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

 園舎は2階建てで、1階部分が保育室になっています。子どもたちが一日の大半を過ごす場所なので、くつろぎ、ぬくもりを感じられるような雰囲気づくりをしています。園の床や家具は木材を基調としていて、窓からの採光も十分です。各年齢の保育室はパーテーションで仕切られており、外すと広いスペースとして使うこともできます。園の入り口の奥には絵本棚があり、その前にあるベンチは子どもたちに人気の場所です。保育室には温湿度計、空気清浄機を設置しています。保育室、手洗い場、トイレなどの設備や建物の内外は衛生管理マニュアルにより清掃、消毒を行います。備品や設備に関しては毎年担当者を決めて、安全点検表で施設の点検や管理を行っています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

 入園の際に保護者に提出してもらう各種の調査票を基に一人ひとりの子どもを受け入れています。0~2歳児の個別指導計画には子どもの心身の状況を記載し、信頼関係の構築を模索します。家庭環境・生活リズム・心身の発達の状態は成育歴や成長記録に記録し、必要に応じて情報を更新しています。年間指導計画では年齢ごとに目標を定め、家庭や地域とのかかわり、子どもの育ち、必要な支援を書いて、全体的な計画との整合性を職員会議で確認しています。日常保育では、職員は時間に追われていてもその日の予定に合わせて動くのではなく、子どもを急かさず、何を今やりたいと思っているのか聞くことを大切にしています。「いっしょにやろうよ」と声をかけることもあります。子どもは「さん」「ちゃん」をつけて呼び、言葉がわかる子どもには言葉で、その前の時期の子どもにはスキンシップを大切にして、ゆったりとした対応をするように声をかけ合っています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

 各年齢の子どもが一人ひとりの発達に合った生活習慣を身につけられるようにしています。年間指導計画から月案に計画を展開する際も職員会議でクラスの子どもの心身の状況を話し合い、自分でやろうとする気持ちをはぐくんでいけるようにしています。月案の評価では支援の速度、個別配慮について話し合います。各クラスのホワイトボードにはその日に行う活動を書き、子ども自身が活動に自主的に参加できるような習慣を身につけられるように援助しています。保護者とは連絡帳を使って質問や相談に答えたり、育ちに対する不安や焦りを受け止めて話し合える環境づくりをしています。3~5歳児には、自分の体の状態や健康に関心を持ち、病気を予防する方法を教えたり、健康を推進できるような生活環境について話したりして、子どもが理解できるように働きかけています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

 0歳児では身の回りにあるいろいろなおもちゃに触れて遊ぶことを中心に、1、2歳児では戸外遊びを重視して活動しています。行き帰りの道では、近隣のお宅で飼われている動物と触れ合ったり、近隣の方々と声を掛け合ったりしています。公園や広場では子どもたちが自然に囲まれて遊ぶことを楽しめるように、好きな遊具を選べるように準備します。室内では2クラス以上での保育が多くなるので、子どもの様子を見ながら、友だちといっしょにやりたい遊びができるように工夫しています。3歳児以降は粘土や絵の具などを使うことができるようになるので、製作を楽しんだり、行事を行うための準備をグループでしたりします。戸外では鬼ごっこ、はないちもんめ、ゴム跳び遊びなど、主に集団遊びをしています。朝と夕方は異年齢保育の時間となるので、職員はパーテーションを使って空間を仕切り、年齢に応じた子どもたちの遊びを大切にしながら過ごせるようにしています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 0歳児は育ちの個人差が大きく、感染症にかかりやすい時期でもあるため、保育室では床を中心に清潔な環境を保つようにしています。0歳児では職員との触れ合いやかかわりの中で、信頼関係の基礎を育てられることを保育目標としています。職員は子どもの喃語にオウム返しをしたり、ゆっくり答えたりして、子どもが安心して感情表現をできるようにしています。一人ひとりの子どもが健やかに育つために日々の健康を大切にし、変化を見落とさないようにしています。子どもによって危険なものが異なることもあるので、保育室のおもちゃや備品の置き場所には気をつけています。連絡帳にはなるべく細かく子どもの様子や活動の内容を書いて、保護者に子どもの成長の様子を伝え、家庭での生活に引き継げるようにしています。職員は子どもたちが身近な人と気持ちが通じ合うことを喜び、身近なものとかかわることで感受性が育っていくように保育を行っています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 年齢ごとに個別の指導計画があり、月案では保育目標に対する評価と反省を記載しています。1歳児では自我の芽生えを受け止めていき、職員や友達とかかわりを持ち人間関係の基礎を作ること、2歳児ではさまざな経験を通して模擬やごっこ遊び、言葉のやり取りで職員や友だちとかかわることを楽しむことを保育計画の柱としています。園で一番大切にしているのは「子どもが安全な環境で安心して生活出来ること」であるため、職員は子ども一人ひとりの様子に配慮しながら、探索行動が十分に行えるよう保育室の衛生管理を行っています。運動能力が飛躍的に向上し、事故が発生する確率が高まる時期なので、公園や広場で外遊びをする際には事前にごみを拾うなど、環境整備を行うようにしています。保護者とやり取りする連絡帳には子どもの園での様子を具体的に書くとともに、体調不良やけがの様子なども記録し、送迎時の保護者に口頭でも伝えています。 

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 4、5歳児は合同保育、3歳児はその隣のスペースで触れ合いができる環境となっています。3歳児では身の回りのことを自ら進んでできるようになり、遊びや生活の中で社会性の発達を促していくこと、4歳児ではさまざまな集団活動を通して、上手にコミュニケーションを取れるようになり、友だちとのつながりを深めていくこと、5歳児では生活や遊びの中で一つの目標に向かい力を合わせて活動し、達成感や充実感をみんなで味わうことを保育目標としています。園では3~5歳児のクラス活動として「食育体験」「英語教室」「体操教室」を取り入れて、子どもの健康や人間関係、言葉、表現など、それぞれの領域で年齢に合わせた育ちを支援する活動を行っています。職員は一人ひとりの子どもの心身の状況に合わせて、基本的な生活習慣の定着を図ります。また、生活と遊びを通して適切な行動を選択できるように指導計画を立てています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 子どもたちが生活する1階はバリアフリーで、障がいのある子どもも安心して生活できるようになっています。担当職員は障がいのある子どもが入園した際には個別の指導計画を作成し、クラスの活動とのバランスを取りながら、育ちを見守ります。周りの子どもと同じように行動できず泣いてしまうような場合は、職員が手をつないだり、寄り添ったりして安心できるように配慮します。横浜市戸塚地域療育センターや泉区の子ども家庭支援課と連携し、巡回してもらったり、相談をしたりしています。保護者とは必要な知識を共有するとともに、思いや不安に対応するために相談に応じ、個人面談を行って記録を残しています。担当職員は障がいに関する研修を受けて、障がいのある子どもの保育についての理解を深め、指導計画を作成する際やクラスの指導計画を作成する際に生かしています。コロナ禍と、今年度は障がいのある子どもの入園がなかったため、今年度は情報共有としての園内研修は行われていませんが、来年度以降は得た情報を職員間で情報共有することができるような時間が取れると良いでしょう。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 月間指導計画に「長時間保育の配慮」欄を設け、年齢ごとに長時間保育における環境設定や保育内容、子どもへの対応の仕方を記載しています。異年齢保育の時間には子どもが一部屋に集まるので、保育室の清掃を行うとともに、保育の内容や遊具の配置にも考慮します。子どもたちの要望に合わせて遊具を選択することもありますが、なるべく落ち着いて遊べるように工夫します。きょうだいで入園している場合には、子ども一人ひとりの状態に合わせて、家にいるような気持ちでリラックスできるようにしています。職員は毎日の会議ノートで保護者への連絡、子どもの体調の変化などを引き継ぎ、保護者には連絡帳や口頭で伝えています。18時30分以降に降園する子どもには軽食を提供しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

 5歳児の年間指導計画の4期目に、保護者支援を視野に入れた就学準備について記載しています。就学後に子どもの生活環境が大きく変わることもあるため、保護者からの相談には積極的に応じています。今年度は10月以降に5歳児と近隣の小学校の小学生との交流会や幼保小の地域交流会を計画していましたが、コロナ禍のため実施できない状態です。子どもの小学校訪問が難しいため、子どもたちは園を訪問する予定だった小学5年生の子どもたちと手紙のやり取りをして、小学校での生活の様子を伝えてもらっています。担当職員は保育所児童保育要録を作成し、主任と園長が監修した後、就学予定の小学校に送付するほか、職員が届けに行くこともあります。配慮を必要とする子どもが就学する場合などには、あらかじめ相談をしたうえで小学校の教諭が打ち合わせを兼ねて来園し、子どもが就学した後の支援や配慮について話し合っています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

 「保健所における感染症対策ガイドライン」というマニュアルがあり、感染症の情報や対策、法令等をまとめています。保健計画では、取り組む目標、実施内容、留意点を定めて、子どもたちが育ちや発達に適した生活を送ることができるようにしています。一人ひとりの子どもの健康状態、既往症、予防接種の接種状況を児童健康管理台帳に記録しています。職員は日々の保育の様子を毎日の会議で話し合い、連絡ノートで情報共有しています。毎月発行する「ほけんだより」には季節に応じた生活習慣の身につけ方や、子どもの健康に関する情報を記載し、子どもが家庭と園の両方で健やかに過ごせるように配慮しています。家庭での生活は連絡帳でのやりとりや送迎の際に聞いて、保護者とも情報共有します。乳幼児突然死症候群防止のために、0歳児は5分ごと、1歳児は10分ごとに子どもの様子を確認し、記録を残しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

 入園の際に保護者に渡す「重要事項説明書」に健康診断・歯科健診等の内容と実施回数を明記しています。健康診断・歯科健診は年2回行い、毎月保護者に配付している「ほけんだより」で、健診日を知らせています。健診の結果は職員会議やメモの作成と回覧で情報共有し、児童健康台帳にとじて記録を残します。0~2歳児クラスの個別日誌には健康診断の内容を記入して、その後の子どもの育ちに反映させています。内科健診で子どもの所見に気になることがあったり、嘱託医から再検査の通知があった場合には、その内容に応じて直接保護者と面談したり、連絡帳を活用したりして対応しています。歯科健診の結果は、横浜市の書式に記したものを保護者に配付しています。保護者からの要望があった場合には、嘱託医や医療機関と連携したうえで医療機関を紹介することができるようになっています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

 食物アレルギーに関する書類をまとめたファイルに、役割分担や症状チェックシート、個別の記録などをとじています。横浜市の「保育所におけるアレルギー対応マニュアル」を基に「エンゼル保育園アレルギー対応マニュアル」を作成し、個別対応の記録を残します。現在は対応が必要なアレルゲン物質が1種類しかないため、献立はその食材を除去して作成し、園の子どもたち全員が安心して食事ができるようにしています。アレルギーのある子どもが入園する際には、担当の職員のほかに看護師、栄養士、園長が加わって面接を行い、保護者と入園後の対応について話し合います。入園後は献立表にチェックをして保護者に渡しています。園内研修ではアナフィラキシー補助治療剤の使用方法を学んでいます。かかりつけ医とは、連絡用の書式を使って連携します。来年度以降は入園児の状況に合わせて、現在の除去食を継続するか、個別の除去食を作るかどうかを検討する予定です。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

 各保育室とも食事と午睡をするスペースが同じなので、食後の片づけと清掃が終わってから午睡の準備をするなど、マニュアルに基づいた衛生管理をしています。テーブル・椅子は子どもの育ちに合ったものを用意しています。子どもたちは日常、クラス担当の職員といっしょに食事をしています。今年度はコロナ禍の影響で、保護者の保育参加の後の食事や試食会については控えざるを得ませんでした。提供した離乳食、幼児食やおやつのサンプルは園の入り口に掲示し、その日の献立を保護者に知らせるとともに、予定献立表に「食育だより」と題してレシピや栄養情報を載せています。毎月「お弁当の日」を設けて、11月から3月までは月に1度、家で作った弁当を持参してもらいます。その日に合わせて系列園との交流会を行うこともあります。栄養士は子どもの離乳や偏食など、食に関する保護者からの相談を担当の職員より伝えらえた際には、要望に応えて保護者と直接話し合っています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

 園では食育を「健康な生活の基本として基礎を培うものであり」「生活や遊びの中で食に関する体験を積み重ね、互いに食べることを楽しみあえる」ことと位置づけています。園独自の給食マニュアルには食事の提供方法や厨房の衛生管理、災害時の対応などを書いて、子どもたちが安全に、安心して食事ができるようにしています。子どもの嗜好、喫食状況については担当職員と栄養士が把握し、検食簿・残食の記録を残しています。献立は系列園の栄養士が素案を作り、園に常駐する栄養士が事業計画書の中のイベントや、食育計画を基に手を入れています。今年は栄養士が保育室の中まで入って巡回することは難しい状況でしたが、子どもたちから食事の感想の手紙をもらったり、担当職員から子どもの様子を聞いたりしています。地産地消に取り組み、食材はなるべく地元のものを取り入れるほか、週に2回は魚の献立を出すとともに季節の野菜も積極的に使っています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

 入所時には子どもの年齢に応じて「入園前の生活状況」「食事について」「家庭状況」などの調査票を保護者に提出してもらい、入園後の子どもの生活が保育園と家庭との間で円滑に引き継げるようにしています。送迎の際にはその日の活動や子どもの様子を伝えています。連絡帳も活用して日常的に情報交換をしています。例年行われる保護者の保育参加の際には、子どもたちと食事をともにして、日々の食事や取り組んでいる食育についても知らせています。毎年6月には保護者一人ひとりと個人面談を行い、面談記録を残しています。今年はコロナ禍で面談の実施が難しく、電話相談に切り替えました。例年、保護者会終了後に開催しているクラス懇談会では、保護者が園長手作りの軽食を食べながら交流しています。担当職員は懇談会で子どもの園での様子や年間活動、園で大切にしていることなどを話して、保護者が園の様子を知り、安心して子どもを預けられるように配慮しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 子ども一人ひとりに「個人ノート」を作成しています。ノートには日常の子どもの様子、基本的な生活習慣を身につけ始めてからの変化、けがへの対応、家庭からの連絡などを書いて、継続的に子どもの成長がわかるようにしています。また、全年齢の子どもに連絡帳があり、0~2歳児は登園日に、3~5歳児には伝えたいことがあった場合に職員が子どもの様子を書いて、保護者に知らせます。保護者も相談したいことや、質問などがある場合は、記入してコミュニケーションを取っています。担当の職員は連絡帳を読んで、個別に対応が必要であると判断した場合はその日の会議で話して、職員間で情報共有します。会議の内容を確認したうえで主任、園長が必要な助言をします。保護者が希望する場合には、個別面談の時間を設けて相談に応じています。相談内容は「保護者からの相談記録」に記載して、ファイリングしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

 虐待防止マニュアルがあり、定義、虐待の種類、注意すべき子どもの姿、保護者の様子や園での対応を書いています。また、保育日誌に虐待チェック表をとじこんで、常に子どもの状況に配慮できるようにしています。虐待にはあたらないものの今後の見守りが必要と思われるケースがあれば、「個人ノート」に記載して、クラスの職員間で情報共有しています。職員は、登園後の朝の会で、子どもの健康状態や様子、注意点を一覧表にした「健康チェック表」にチェックをし、子どもの様子を記録しています。これまで園には深刻な虐待を受けた子どもがいないため、また今年度はコロナ禍による影響もあり、虐待に関する外部研修、内部研修ともに受けていません。今後は虐待に関する研修を受講し、園内での情報共有を期待します。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

 保育士の自己評価を毎年、年度末に行っています。評価項目は指導計画と実施内容、子どもへの援助、保護者の支援等で構成されています。職員は子どもの育ちを捉える視点と自らの保育を捉える視点から、1年間の保育の振り返りを行います。評価の結果は課題表の中の省察にまとめ、園長に提出します。園長は評価と省察を読んだうえでコメントを記載し、次の年度の課題を提示します。課題表は3年単位になっていて、職員の成長や保育への取り組みの変化を確認することができます。自己評価の後に別途行う「職員アンケート」では、次年度の希望クラス、当年度の反省や自己評価のまとめ、職員間での気づきや自由意見などを書いて提出します。書かれた職員の意見や要望は園長が取りまとめ、職員会議で次年度の取り組みについて話し合っています。