社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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笹下南つくしんぼ保育園

2023年04月26日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 公益社団法人神奈川県社会福祉士会

② 施設・事業所情報
名称 笹下南つくしんぼ保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 106 名
所在地 234‐0052
横浜市港南区笹下6丁目28番9号
TEL 045-841-4284 ホームページ http://tsukushinbo.ed.jp/sasageminami/index.htm
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2020年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 つくしんぼの会
職員数
常勤職員:21 名
非常勤職員:11 名
専門職員
保育士:24 名
栄養士:2 名
看護師:1 名
調理員:1 名
施設・設備の概要
保育室:6
事務室:1
予備室:1
医務室:1
職員休憩室:1
園庭 プール:1

③ 理念・基本方針
保育理念 :
☆子どもの最善の利益・その福祉の増進に務めます。
☆子どもの人権を守り、子どもの育ちを保護者とともに見守り、保護者の労働する権利の保障に務めます。
運営方針:
☆子どもの人格が尊重され、ゆったりと安心して夢中に遊び、その子どもの持つ生きる力を十分発揮でき、豊かな育ちのできる保育活動を行います。
☆生活を共にする中で、子どもの心に寄り添う家庭的な温かさを大切にし、愛されている自覚の中で、自立へ向けて育つことの出来る保育活動を行います。
☆保育園を利用する人と子育てのパートナーシップの関係を築き、誰もが働く事が出来るよう、また家族が幸せに暮らせるように応援することをめざし、必要な時に利用できる保育園づくりを行います。
☆地域の子育ての拠点となるべく、関係機関と連携をとりながら、地域の人たちも含めて、子どもの育ちを共に喜べる関係に努め、地域の保育ニーズも満たされる地域に開かれた保育園づくりを行います。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
JR根岸線洋光台駅または京急線上大岡駅から江ノ電のミニバスで約10分の戸建ての多い静かな住宅街にある。1980(昭和55)年に横浜市立保育園として設立され、2020(令和2)年から社会福祉法人つくしんぼの会により運営されている。定員106名のところ、0歳児から5歳児まで99名の園児が在籍しており、24名の保育士も含め34名の職員により運営されている。
園の前にバス停があるが、車で通園する家庭も多く、園には5台分の駐車場を備えている。近隣には多くの公園があり、散歩でどんぐりや落ち葉拾いをするなど自然に恵まれている。園内には、年齢別の保育室のほかに育児支援室を兼ねた保育室がある。1,944 m²の園庭には、プール、大きな築山、ジャングルジムなどの多様な固定遊具を備え、花壇、畑や田んぼが整備され、姫林檎や夏蜜柑など多種類の実のなる木が植えられている。ピーマンやさつま芋などの野菜や米を栽培して成長を観察し、収穫して食べたり、ねじりコンニャクや梅シロップ作りなど、食育活動に力を入れている。庭で虫探しをしたり、築山を上ったり、また鬼ごっこや三輪車で走り回るなど、年齢や発達に応じて身体を動かす遊びの時間を大切にしている。
公立からの移管時期と新型コロナの流行が重なり、様々な制約の中で、法人として、子どもと向き合い子どもの主体性を大切に子どもと大人が対等な立場で作っていく対話的保育を目指している。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/07/01(契約日) ~2023/03/27(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 0 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ◇特長
・理念に裏付けられた保育
理念に沿った保育を実現するための望まれる職員像を、「経験別望む保育士像」で8階層毎に具体的に定めている。職員はそれを目指し、子ども達が主体的に動けるように子どもの意見を尊重しながら、対話的な保育を実践している。子ども達がのびのびと過ごす中にも落ち着きが感じられる。

・子育てのパートナーとしての家族支援
乳児のみならず幼児についても連絡ノートを導入し、子どもの年齢を問わず保護者との連携に努め、信頼関係の醸成に努めている。送迎時など、園長以下各保育士が率先して保護者と子どもとの様子を見守り、声かけを通じて様々な相談を受け止めている。

・子ども一人ひとりへの保育
クラス単位で子ども一人ひとりの指導計画を作成し、内容を乳児は毎月、幼児は3ヶ月事に見直し、めざす子どもの活動や保育士の配慮を明記している。子どもの気持ちとありのままの姿を受け止め、子ども一人ひとりの発達にそった個別の保育に努めている。

・広い園庭の活用
自然に囲まれた広い園庭には、遊具だけでなく、築山やイチョウの大木、畑、田んぼがあり、虫を捕まえるなど、日常的に自然に触れ合い探索活動などができる環境を保育に活かしている。また、田んぼで田植えから刈り取りなど米の収穫を経験したり、畑で栽培した野菜の皮むきなど食育に取り入れている。

◇今後期待される点
中・長期計画と単年度事業計画の策定
法人が運営する3園全体の課題に対する中・長期計画を策定している。法人として考えているビジョンと具体的な将来像を明記し、職員に周知することが期待される。また、職員参画のもとで中・長期計画にそった園としての事業計画を策定し、理解しやすい資料などを工夫し保護者への説明が期待される。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
令和2年度4月1日に横浜市が運営する公立園を民間移管して3年目になります。移管後すぐに新型コロナウイルスが発症して登園自粛をお願いすることになりました。今までに経験したことのない保育園運営となりました。法人理念で掲げている、子どもの人権を意識し、大切にした保育、そして子どもが主体となり子どもが自由に気持ちを表せるような保育実践が行われているかを日々振り返ってきました。
広い園庭に託された横浜市の保育を引き継ぎ子どもが安心して生活し、保護者が安心して就労することができるよう努めてきました。
何気ない子どもの表情や言葉を大切にしています。そして子どもと一緒につくる保育を目指しています。この3年間職員は一生懸命に子どもたちと向き合い保育をしてきました。
 今回、第三者評価を受審して、課題として捉えることが多くありました。
より一層の具体化、明確化が求められている運営面、コロナ禍という状況もあり思うように実施できずにいた地域との連携は地域のニーズを把握する取り組みが求められています。
職員の人材育成は深めていきたい専門知識や技術など必要とする研修を計画して今後も実施していきたいと考えています。受講した研修内容園内で報告して園内研修の充実もしていきます。
そして職場内環境としては意見を出し合えるチームワーク作りに取り組んでいきます。輝いている子どもの姿や保育実践の中で悩んでいることなどを顔を合わせて話し合う時間を一日の中でつくる努力をしていきます。
そのための事務作業の合理化も進めていきたいです。
保護者アンケート内には職員に対する感謝や労いの言葉がありました。私たちの励みになります。ありがとうございます。園内の環境面に関しては経年劣化からのものもあり園としても把握しています。すぐには対応できない事もありますが、建て替えの事業計画を進めていきます。
 今回受審し、得た課題に真摯に向き合いより良い保育園運営に取り組んでいきます。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

保育の理念と方針を「パンフレット」「入園のしおり(重要事項の説明)」やホームページに記載し、玄関にも掲示している。入職時に法人主催の他2園との合同の新人研修で説明している。また、民営に移管された事を受けて、年度初めのみならず年度途中でも職員会議で説明し周知を図っている。コロナ禍で保護者会が開催できず、保護者に対しては、入園時の説明及び4月の「園だより」に明記し周知を図っている。
会議等で説明した時の説明者、参加職員や配布資料など、書式や内容を工夫した記録による周知が求められる。また、何時でも議事録を閲覧可能できるよう保管の工夫が望まれる。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

法人傘下の3園の園長会等で行政からの情報について話題にしている。民営移管時には、市が示している課題も含め、保育所の課題について理事会で検討している。その後はコロナ禍の為に、理事会や3園の園長会を定期的に開催できていないが、必要に応じて話題にしている。
民営移管時の協議や、理事会及び3園の園長会で話題にした議事録の整備が求められる。また、保育所が位置する地域の子どもの数・利用者像等、保育のニーズ、潜在的利用者に関するデータを収集するなど、地域での特徴・変化等の経営環境の把握や課題の分析が求められる。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

民営への移管における条件であった一時保育は、コロナ禍で実施できずに来たが、今年度開始している。経営課題の明確化と具体的な取り組みが充分とは言えない。地域の特徴・変化等の経営環境や課題を把握し、地域における園としての経営上の課題を明確にし、解決に向けて職員の意見を聞いたり、職員同士の検討の場を設定するなど、組織的な取組みが求められる。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

法人として「中・長期計画」を策定している。当初2018(平成30)年からの5ヵ年で策定していたが従来からの2園に加え民間移管により当園を運営する事になり、以前の計画を土台に第2期として2021(令和3)年からの2ヵ年計画を策定している。計画には具体的に7つの課題を明記しており、その1つに、当園に関して公立園の保育を継続しつつ、子どもや保護者が不安にならないことを第一に考え、法人の理念に沿った運営を明記している。2023年(令和5)年からは、当園の民間としての運営状況を振り返り、新たに中・長期計画の策定を予定している。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人として単年度の「事業計画書」を策定している。「事業計画書」には、法人として「中・長期計画」で示した課題にそって、まず運営全般について保育の質の向上と運営の透明性等について言及している。続いて、3園各々の事業計画の中で、対象年齢や保育時間、定員等を記載している。当園に関しては、民営移管とコロナ禍が重なった状況下で3年目を迎えた保育への対応など、別紙にて計画を策定している。中・長期計画の反映の下、保育の内容のみならず、組織体制や設備の整備、職員体制、人材育成等について、単年度の事業の計画策定が求められる。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:c】

保育の内容についてクラス単位で「年間指導計画」を作成し、3ヶ月毎に振返り年度の評価につなげている。しかし、「年間指導計画」が「事業計画」の下では作成されていない。また、年度末の常勤職員による「職員会議」で、1年間の振返りを行なっているが、その内容が「事業報告」や次年度の「事業計画」には反映されていない。「事業計画書」の当園に関する部分について、非常勤職員も含め全職員に周知するとともに、事業計画に沿った実施状況の評価と必要に応じた見直しが求められる。また、職員の参画のもとで事業計画の策定が求められる。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

民営への移管において、具体的な保育の進め方について、市、法人、保護者の3者で協議会を何回か開催している。駐車場整備は、その協議過程から発せられた課題で、事業計画には載せていなかったが初年度の実施に至った。その後も、事業計画にない事でも、その都度職員や保育の必要に応じて保護者と協議し実施している。年間予定などを保護者に伝えているが、「事業計画書」については話題にしていない。「園だより」やホームページなどで、保護者に分かりやすい内容や表現を工夫し、保護者への周知が求められる。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

「全体計画」、各年齢ごとの「年間指導計画」は年度初めと年度末に、また期ごと、そして月ごと、週ごと、日ごとに計画、実践の振り返りと評価を行っている。これら、日常的な保育の質の向上に向けた取組みに加え、第三者評価基準などを参考に、園の自己評価項目と基準の策定が求められる。さらに、それを用いた園全体での計画的な自己評価の実施、結果の分析、分析内容に基づいた改善など、組織的なPDCAサイクルにもとづく保育の質の向上に関する仕組みの構築と、その実施が求められる。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:c】

「全体計画」、各年齢ごとの「年間指導計画」は年度初めと年度末に、また期ごと、そして月ごと、週ごと、日ごとに計画、実践の振り返りと評価を行っている。これら、日常的な保育の質の向上に向けた取組みを活かす為に、評価項目と評価基準を策定し書式を工夫した園の自己評価表、それを用いた園全体での計画的な自己評価の実施、実施結果の分析、分析内容にもとづく課題の明文化、そして改善策の設定と実施が求められる。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

園長の役割、責任について「職務及び分担」に明記している。また有事においての役割や責任は「自衛消防隊の組織及び任務分担表」及び「災害対策マニュアル」に明記している。園長が不在の時の権限委譲について、主任に権限を委譲することを明記することが望まれる。また、園のリーダーとして、職員に自らの役割と責任を明らかにし、組織内での信頼関係を深めるために、「職員会議」などを通じ全職員に周知することが求められる。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

遵守すべき法令などを「就業規則」で定め、入職時に配布し説明している。「パワーハラスメントの防止に関する規程」「子どもの人権 保育園で大切な人権とは(保育マニュアル)」や「個人情報管理方針」などを整備している。また、コンプライアンスについて、外部研修に参加し研修記録で周知を図っている。定期的に職員会議等で説明し、その記録を通じて会議に参加していない非常勤職員も含め、全職員への周知が望まれる。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

年齢ごとの「年間指導計画」、月の「指導計画」、「週案」について期ごとに話し合い次の期の保育に活かしている。また、日々「保育日誌」や「ドキュメンテーション」の内容を園長が確認し助言している。これら、日常的な保育の質の向上に向けた取組みに加え、各保育士が「自己評価表」を用いて年2回自己評価を行い、それをもとに園長が個別面接を実施し保育の質向上を図っている。「自己評価表」の評価基準と書式を工夫するなど、園全体での計画的な評価の実施と分析、それに基づいた組織的な改善策の設定と実施が求められる。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

職員の残業時間数及び有給休暇の取得状況を、園長が毎月確認している。特に有給休暇については、申請しづらいとの声を受け、カレンダー形式の一覧表を準備し、職員が取得希望日を記入する中でお互いに勤務を調整したのちに休暇取得を申請してもらうなど工夫している。働きやすい職場にする為に、事務の効率化と事務量を減らすことが必要と考え、業務内容の整理を進めている。集団保育から子ども一人ひとりに対する個別保育へ、また子育て支援など保育園に求められる機能が変化する中で、引き続き業務の整理と改善が望まれる。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

「事業計画」に職員数と職員配置予定を明記している。また、職員の資格取得状況については、一覧表にて把握している。職員の育成に関しては、「経験別望む保育士像」にて段階に分け、各々期待される業務内容と水準を明記し、それを目標に育成を進めている。求人活動は、3園の状況を受けて法人全体で行なっているが、派遣保育士は活用していない。地域の子育て支援が大きく期待される状況にあって、保育士資格以外の資格についても、その取得の奨励と活用に向けた取り組みが期待される。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

「法人が望む保育士像」に、期待する職員像を具体的に且つ細かく明記している。また、「経験別望む保育士像」で階層を8段階に分け、各々期待される業務内容と水準を明記し、それを目標に育成を進めている。異動や配転を含めた人事基準に関する規定は定めていない。また、人事考課の仕組みはない。年2回の自己評価をもとにした職員と園長による個別面接で、業務状況の振返りと、希望や目標を確認している。「経験別望む保育士像」が個別の自己評価や目標設定に関連づけられ、自ら将来を描くことができるような仕組みが期待される。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員の就業状況や休暇取得状況を毎月確認し把握している。また、園長は全職員との個別面接を通じて意向を確認し、個々の職員に合わせた勤務時間の短縮や通勤手段に配慮した勤務時間を工夫している。休暇の希望を一覧表に記入することにより、他の職員のとの調整がしやすくなり、休暇取得の希望が叶えられるよう工夫している。相談しやすい場面を設定することを課題と捉えており、今年度から設けた月1回の定例会議で、各クラスから1名保育士が出席し報告と相談を通じて意見交換を行うなど工夫している。個別面接で把握した意向と対応の記録が求められる。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

「法人が望む保育士像」に、期待する職員像を具体的に且つ細かく明記している。また、「経験別望む保育士像」に、階層を8段階に分け各々期待される業務内容と水準を明記している。各職員が「自己評価表」を用いて年2回自己評価を行い、それに基づき園長が年2回職員面接を行なっている。面接で達成度を確認し課題を整理するとともに、次年度に向けた目標を設定している。園の年度目標を明確にし、その中で職員一人ひとりに期待するレベルと内容にふさわしい目標が設定され、自己研鑽や内部及び外部研修を含めた目標管理に関する仕組みが求められる。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

「法人が望む保育士像」に期待する職員像を明記するとともに、「経験別望む保育士像」に階層を8段階に分け各々期待される業務内容と水準を明記している。年度の「研修計画」「キャリアアップ研修計画表」「職員個人研修計画」を作成し、外部研修やOJTを含めた内部研修を実施している。教育・研修に関する基本方針の明文化と、経験や階層別、テーマ別など研修の体系化が望まれる。また、伝達研修や研修記録を活用し、研修で学んだことを非常勤職員も含め職員間で共有できるよう、研修記録の整備など更なる工夫が求められる。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

研修後は所定の書式で提出された研修報告書をもとに職員会議で伝達研修行い、情報等を共有している。職員会議に出席できなかった職員に対し、職員会議録と研修資料を休憩室に置き閲覧できるようにしている。階層別研修、職種別研修、テーマ別研修の仕組みを整え、研修後の評価・分析を行うことが望まれる。また、保育士や調理師の資格以外の資格取得や、入職後の研修の受講履歴などを整え、年度の課題や将来的な課題に対して、効果的な資格取得の奨励や研修の計画策定と実施が期待される。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生を受け入れる意義や受け入れ手順、注意事項を明記した「ボランティア・職業体験・実習生受け入れマニュアル」を整備している。実習生の受け入れに際しては、保護者に事前に掲示等で伝えている。実習後の感想を職員全体で受け止め、保育に生かしている。法人の他園に比べて実習生の受け入れ人数が少ないため、近隣の養成学校を訪問するなど工夫している。職員への周知と共有の為に、実習するクラスの順番など園の実情をとらえた標準的なプログラムの策定が望まれる。また事前に実習生の希望を確認し、実習スケジュールの工夫などの手順の明文化と、実習の様子など実施記録の整備が求められる。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

理念や基本方針が書かれた「パンフレット」や「園だより」を近隣の小学校やケアプラザ、区役所に送付し置いている。公道に面した掲示板に理念や基本方針を掲示している。また、ホームページで保育理念や運営方針、財務帳票などを公開している。事故発生状況と処理内容、苦情の件数、保護者アンケート回答内容、地域の子育て支援事業などを「事業報告書」で報告しているが、ホームページや掲示板等などでの公開はしていない。苦情・要望、事故内容に加えヒヤリハット等を掲載するなど、ホームページや広報誌の工夫を通じて、地域への情報公開が求められる。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

事務、経理、取引等に関しては「定款細則」及び「経理規定」で定め、経理に関する事柄は法人本部で対応している。外部の専門家による監査支援等は受けていない。税理士の資格を持つ1名を含む法人の監事2名により内部監査を受けている。最終的には、理事会で監査内容を報告し承認を仰いでいる。外部の専門家による監査支援等を活用し 事業、財務等に関する助言等にもとづく経営改善の実施が望まれる。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

地域と園との関わり方について、「運営方針」や「私たちの保育の姿勢」などで、「地域の子育ての拠点として、地域の保育ニーズが満たされる地域に開かれた保育園めざし、地域の中で家庭を支援し子どもたちが家族と幸せに暮らせるよう応援する」などの基本的な考え方を明文化している。掲示板にケアプラザなどの子育て支援に関する案内を掲示し、地域に対して情報を伝えている。園児は、地域の方から田植えも含め稲作りを教わっている。また、日常的に散歩先で地域の人からコスモスや菜の花をもらったり、見回りをするお巡りさんとの触れ合いなどがある。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティアについて、受け入れる意義や受け入れ手順が明記された「ボランティア・職業体験・実習生受け入れマニュアル」を整備し対応している。将来保育科に進みたいと考えている高校生を何度か受け入れている。また、3,4,5歳児にパネルシアターを用いて「話会」の活動をしている方を月1回受け入れている。地域の方から、代かきから田植えも含め稲作りを教わっている。さらに芋掘りを教えてくれるボランティアの受け入れなどを計画している。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

「入園のしおり(重要事項の説明)」に、嘱託医の医療機関や災害時の避難場所を明記している。併せて、医療機関などの一覧表を事務所に掲示している。必要に応じて区と関係する教育機関を交えてカンファレンスを行い、家族支援について協議している。その内容を職員会議で報告し情報を共有している。カンファレンスで協議した内容を振り返ることができるよう、開催場所や時刻に加え参加者名、協議の結論など、記録の工夫が求められる。また、職員会議での報告内容についても、参加できなかった職員に周知しやすい記録の充実と工夫が求められる。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:c】

「入園のしおり(重要事項の説明)」や「私たちの保育の姿勢」に、「地域の子どもたちにとっても大切な場となれるような工夫をします」と、園の地域に対する基本的な姿勢を明記している。しかし、園として地域の自治会に入会しておらず、回覧板などで地域の動きを知る機会が無い。また地域の清掃や防災訓練に参加する機会がない。民営への移管時に民生委員に会う予定であったが、コロナ禍の為にそのままになっている。園として地域に関わる場面を工夫し、地域のニーズを把握する取り組みが求められる。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

コロナ禍の為に一旦中止していた月1回の園庭開放を、公道に面した掲示板で開催日を知らせ再開している。絵本の貸し出も再開し、園を利用していない人も在園児の保護者も随時利用している。また、さつま芋掘りへの参加を地域に呼びかけたり、給食人気レシピを掲示するなど掲示板での地域への情報発信を工夫している。時間を短縮した調理ノウハウなどを地域にも提供するなど、具体的な子育てニーズにもとづく活動と、園の子育てに関する専門知識を地域に還元することが期待される。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

倫理綱領などは策定していないが、子どもを尊重した保育の実施を明記した「保育理念」と「保育目標」が記載された「保育士マニュアル」を全職員に配布している。また、掲示板や玄関入り口に掲示し周知を図っている。各保育士が、保育理念の実践に関する5項目を含めた「自己評価表」を用いて年2回自己評価を行い、子どもを尊重した保育の実践について振返りを行なっている。また、トイレのスリッパを黄色に統一するなど、性差への配慮をしている。「自己評価表」の内容を集計・分析し、定期的に全職員で振返る場を設定するなど、組織的な取り組みが求められる。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

「子どものプライバシー保護・個人情報保護について」で排泄時や着替え時など、乳幼児期のプライバシー保護の意義と、保育の中で具体的に気をつける点を記載している。発達段階に応じたプライバシー保護の対応内容や留意点など、より具体的な記載の工夫が望まれる。また、幼児に対しプライベートゾーンについて教えるなどの工夫と、その内容について保護者と連携し保育する工夫が期待される。プライバシー保護は日常的に発生する事柄であり、全職員が振返りを確認できるチェックリストを作成するなどの工夫が望まれる。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

「パンフレット」を区役所、療育センターや児童相談所、ケアプラザなどに置いている。見学希望などの問い合わせは「利用に関する問い合わせ記録」、見学を受け付け対応した内容は「見学会受付名簿」に記録し、その後の対応に用いている。見学時によくある質問を「入園見学 よくある質問」としてまとめ、どの職員でも同じ対応ができるよう工夫している。
問い合わせ対応から見学後までの手順を文書化することが望まれる。また、外国籍や障がいがある保護者などへの配慮も含め、利用希望者の状況や視点に立った情報提供の工夫が求められる。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

入園時は「入園説明会」で、またクラス進級時は「クラス懇談会」で、「入園のしおり(重要事項の説明)」と「入園説明DVD」を配布し、「入園説明会 手順 配慮事項 聞き取り事項」にそって説明している。手順書に、説明会での挨拶から説明、質疑応答までの流れ、それぞれを担当する職員、使用する資料及び補足資料を明記し、どの職員でも説明会の準備から実施、実施後の振返り等ができるよう改善と整備が求められる。また配布する資料について、準備すべき事柄、その理由など簡潔で分かりやすい表現の工夫が望まれる。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

途中で他の保育所に移る場合、保育の継続性に配慮した対応をするために「保育所の変更について 保育の継続性を確保するために」に手順と対応内容を定めている。児童相談所が関わっている事例では、保護者と何度も面談し、保護者了解のもとで次の保育園に引き継ぐ内容を取りまとめている。情報提供に用いている書面に、保護者の承諾日付、また退園後に子どもや保護者が相談できる担当者名や連絡先などを明記するなどの工夫が望まれる。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

年度末に全保護者を対象に、6項目10の設問を自由記述で回答するアンケートを実施している。昨年度は回収率が43%で、各々の設問毎に回答内容を箇条書きにして保護者に報告している。保護者の意見を受け、幼児クラスでも「ドキュメンテーション」を導入するなど保育に活かしている。アンケート結果に、質問への回答を記述したり、また園の方針にそって「先生」との表現を「職員」に変えており、保護者が回答した内容がそのまま把握できる工夫が求められる。また、前回のアンケート結果との比較ができるよう、定量的な回答方法の工夫が求められる。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決を「苦情対応・解決マニュアル 相談対応マニュアル」と「苦情解決規定」で定め対応している。玄関に苦情解決責任者及び受付担当者、第三者委員の氏名と連絡先を掲示している。また、苦情解決の状況及び実績について「事業報告書」や「園だより」に掲載している。苦情、要望、及び意見は同じマニュアルにそって対応している。苦情内容の傾向などを分析し、保育の質の向上に活かすことが求められる。また、苦情の内容と解決状況を、ホームページ等で公表することが求められる。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

「入園のしおり(重要事項の説明)」に、どの職員でも要望や苦情を受け付けている事を明記し、玄関に「意見箱」を設置している。送迎時の保護者の様子によっては声掛けをし、保護者の思いを受け止めるよう努めている。また、保護者との個人面談を通じて相談や意見を把握している。民営移管初年度は、コロナ禍のために面談を実施できなかったが2年目の昨年度はオンラインによる面談を実施している。今年度は、保護者が時間を割きやすい夏場に実施し全員の面談を終えている。相談内容によって、クラス担任だけでなく園長や主任、看護師や栄養士が対応している。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

玄関に設置した「意見箱」の他、連絡ノートや個人面談、クラス懇談会、送迎時の会話などを通じて相談や意見を把握している。受け止めた内容は、「相談対応マニュアル」にそってその日の内にクラス担任、主任、園長で共有し迅速な対応に努めている。また、全保護者を対象に「年度末アンケート」を実施し、意見などの把握に努めている。マニュアルに、相談や意見などを受けた後の手順、検討・対応や記録、保護者への説明、公開の方法などを明記することが求められる。また、意見や要望などを協議した記録を整備し、組織的に保育の質の向上に活かす工夫が求められる。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

「事故防止・安全指導マニュアル」「事故対応マニュアル」「犯罪・不審者対応マニュアル」を整備し、「保育マニュアルにも課題や完全方法を明記し対応している。また、他県での送迎バスによる死亡事故を受けて追加の対応を文書化している。発生防止から発生した事象毎の対応手順など、マニュアル類の整理が求められる。また、目視か触診・打診など、遊具等の具体的な点検方法を明記するなどの工夫が望まれる。ヒヤリハット及び事故報告に基づき、応急処置の日時、連絡した職員名と保護者名、また再発防止策の実施日付など、記録の工夫が求められる。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

感染症については、「感染症予防・蔓延防止マニュアル」で対応している。感染症の発生が疑われる場合は、玄関や「掲示板ボード」及び「連絡ノート」で保護者に伝えている。清掃や消毒状況は、「清掃・消毒チェック表」や「 保育室内点検表」で管理している。コロナ禍で実施している様々な工夫、感染症の種類による消毒や対応方法、またおもちゃなどの洗い方、清掃箇所別の清掃方法など、具体的な内容をマニュアルで定め対応している。感染症の予防や発生時の対応についての研修記録と記録による周知が求められる。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

「防災対策対応マニュアル」に、大規模災害における事業継続計画、土砂災害などを想定した対応体制を定めている。「避難訓練係の仕事」を定め、毎月様々な災害を想定した訓練を計画し実施している。広域避難場所等を予め「入園のしおり(重要事項の説明)」に明記し、玄関にも掲示している。民間企業が運営するメールサービスや「災害用伝言ダイヤル」を活用し、直ちに保護者に伝達をできるよう工夫している。「災害備蓄品リスト」「非常食在庫表」、及び災害発生後3日間の非常食メニューを準備している。避難訓練実施後の反省を次回の訓練に活かす工夫が求められる。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

「デイリープログラム」を作成し、1日の保育の標準的な流れを明記している。また、「お散歩マップ」を準備し、散歩のルートを明記している。子ども一人ひとりの年齢に応じた、園庭遊びや午睡など次の保育場面への声かけや誘導、また給食時やトイレなどの場面での声かけや見守り方法など、場面をとらえた具体的な保育方法について、標準的な実施方法を定めることが求められる。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

必要に応じ標準的な実施方法について見直しが行われている。重大事故防止のため、他園での保育事故等、情報を収集し、人数の確認の課題を全職員で出し合い、改善をしている。また他園のアレルギー食材誤食を参考に、マニュアルに記載の標準的な実施方法を再検討し改訂している。
見直しにあたっては、定期的な現状の検証、職員や保護者等からの意見や提案を受け止めるなど、見直しの方法や手順、検討会議など協議する仕組み、併せて見直しにより変更した内容の周知方法について明文化することが求められる。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

アセスメントを、乳児は毎月、幼児は3カ月ごとに行っている。アセスメントの内容は、5領域については関連する事柄なので特に領域を区別せずに文章で記述している。前回のアセスメントからの変化などを分析しやすいよう、アセスメントの項目立ての工夫が求められる。個別指導計画は、0,1,2歳児については毎月の「指導計画」に一覧形式で、また障がいを持つ子どもについては個別に作成している。
全ての園児一人ひとりの個別指導計画を作成することが求められる。また、アセスメントの実施時期と方法、保護者の希望やニーズの把握方法、個別計画の作成時期と方法など、アセスメントから計画作成、実施、評価・見直しといった一連のプロセスを明文化することが求められる。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

個別指導計画は、0,1,2歳児については毎月の「指導計画」に一覧形式で、また障がいを持つ子どもについては個別に作成している。内容について月ごとに評価をし、次月の計画を箇条書きで明記している。全ての園児について、一人ひとりの個別指導計画の作成とともに、前回の個別指導計画の達成状況などの評価、保護者の意向、そして発達段階を踏まえた目標及び課題の設定が求められる。さらに、個別に保護者に開示し説明できるように一人ひとりが個別の紙面を用いて個別指導計画を作成する工夫が望まれる。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子ども一人ひとりに関する保育を、クラス毎の「保育日誌」及び「長時間保育日誌」に記録している。その内容をもとに、「児童記録個人表」「子どもの姿等」及び「個人日誌」に転記または要約し記録している。日常の様子の記録と、個別の指導計画に関する記録について、各々把握できるよう工夫が求められる。記録については、記録者により記述する表現に大きな差異が生じないよう記録要領などの工夫が求められる。また、会議を通じて職員間で共有しやすいよう、開催日時と場所、参加及欠席者名、協議内容の要約と結論を記載する書式を整え、記録を通じた確実な周知の工夫が求められる。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

「個人情報管理方針」や「子どものプライバシー保護・個人情報保護について」で、個人情報の保護及び開示のルールなどを定めている。資料の保存及び破棄について、市の規定をもとに法人で定めている。また、個人情報の開示ルールを「個人情報管理方針」で定めている。個人情報の取扱いについて「園のしおり(重要事項の説明)」などを通じて保護者への説明が求められる。また、保育にあたり職員一人ひとりが用いているメモについても適用範囲となること、退職後においても遵守が求められることなど、系統立てて内容を整備し明記する工夫が求められる。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

「全体的計画」の冒頭に、子どもの権利と保護者の労働する権利にも触れた「保育理念」に加え「園の方針」「保育目標」と「保育の姿勢」を明記し、「養護」「育みたい資質・能力」「育ってほしい姿」の記述に続き、年齢ごとの保育の目標と子育て支援や職員の資質向上について記述している。民営移管時に、公立園としての全体計画と法人内の他園の全体計画をすり合わせながら、職員が参画して作成している。その後は、その都度話し合って見直し行改正している。年度末の事業の振り返りに併せて「全体的計画」についても評価するなど、評価時期を定めることが求められる。また、振り返りを行った際の職員から出された意見と協議の結果について、職員全体に周知しやすい記録の工夫が求められる。「全体的計画」の改正内容を、次年度の「事業計画書」に活かすことが求められる。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

園舎の南側の広い園庭には、築山や畑、田んぼがある。1階の各保育室の手洗い場が園庭に面した場所にあり、保育室から直接園庭に出入りできるようになっている。各保育室は独立した部屋となっており、「感染症防止・蔓延防止マニュアルー施設内外の衛生」にそって採光、温度、湿度及び換気などの環境を整えている。音の環境についても配慮し、保育士は落ち着いた声色で静かに言葉掛けを行っており、子どもたちも活発な中にあって落ち着きが感じられる。また、 コーナーガードや仕切り、家具などの配置を工夫し、子どもたちがくつろいだり落ち着ける環境、加えて同じ保育室で活動から食事、午睡など様々な活動を行うため、動線を考え保育室内の活動場所を工夫している。「感染症防止・蔓延防止マニュアル」で清掃や消毒などを定め、実施状況をクラス毎の「清掃・消毒チェック表」で記録し、衛生管理に努めている。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育について、子どもへの相応しくない対応、子どもを呼び捨てにしないなどの言葉遣いについて「保育マニュアル」に明記し周知している。「子どもの心の理解や想いの受け止め」などが含まれた「自己評価表」を用い、全職員が年2回自己評価を行い、自身の保育の姿勢を振り返っている。表現が苦手な子に保育士が声を掛け思いを代弁したり、子どもの表情、目線、しぐさを観察し、保育士が子どもの気持ちを受け止め関わる様子と、その時の子どもの様子が、クラス毎の「保育日誌」に園児別に記録されている。保育士は、子どもに対して大きな声を出すことなく静かに、その場にふさわしい優しい言葉で声を掛けており、子どもも自由で活発な中にも落ち着いた様子が感じられる。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

手洗い・衣類の着脱・排泄など、子どもの発達に合わせながら生活習慣の取得を援助している。クラス毎に洗い残しが分かるブラックライトを用いて手洗いの講習会を開催し、看護師が保育士と協力しながら具体的に説明している。手洗いの手順が視覚的に分かるよう図を工夫したり、水に触れる時の気持ちよさを言葉で伝え、子どもは遊びの一つとして水の感触を楽しみながら手洗いの習慣を身につけている。歯科検診のあとには、「歯のお手入れ」で丁寧に歯磨きを指導している。また、食事の配膳の見本をイラストで掲示したり、自分で片付けることができるよう片付ける場所やケース等に写真を貼るなど工夫している。日々の連絡ノートで家庭での様子を把握しながら、子どもの発達段階を念頭に子どものやろうとする気持ちを尊重し、子どもが主体的に生活習慣を身につけられるよう保育している。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

子どもが自分で取り出しやすいよう玩具を配置し、棚に写真を貼って自分で元の位置に片づけられるよう、子どもたちの目線に合わせた工夫をしている。友だちと共有できるようコーナーを設け、少人数のグループに分けて活動に集中できるようにしている。3歳児が絵本「てぶくろ」の劇遊びを楽しんで演じたり、4歳児がグループに分かれ、劇に使う鬼を話し合いながら作る場面では、保育士は、子どもたちのやり取りを大事にし、時には見守り、必要な時に援助している。広い園庭には、築山や樹木、畑もあり、虫を捕まえたり作物の栽培など、日常的に自然に触れ合い探索活動などができる環境がある。地域の方から代かきから田植えも含め稲作りを教えてもらい、地域との触れ合いの中で稲を育てる面白さを知る機会となっている。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

「全体計画」の乳児の内容にそって発達の4段階に分け「年間指導計画」を作成している。「月間指導計画」で園児一人ひとりの保育計画を定め、「保育日誌」に子ども毎に保育の様子を記録している。広く畳の場所もある保育室は、ハイハイの子どもと歩行できる子どもをの場所を分けている。また広い0歳児専用のテラスでは、子どものペースで過ごすことができる。他方、園庭で遊ぶ幼児の様子を見ることができ、一緒に砂遊びを始めるなど異年齢児との自然は触れ合いがある。日々の様子は、1日の時間軸に睡眠、食事、排泄を記載し、給食等の内容、体調管理、園と家庭各々の様子など、細かく工夫された書式の0歳児専用の連絡ノートで家庭と情報を共有している。0歳児の保育は、子どもが初めて保護者以外の大人と接し、新たな環境と集団の中で過ごすので、人格形成上大切な場ととらえ保育している。特に、一人ひとりの24時間の生活を把握し、発達段階に応じて遊びと休息のバランスをとるように工夫している。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

「全体計画」の3歳未満の内容にそって発達の6段階に分け「年間指導計画」を作成している。「月間指導計画」で園児一人ひとりの保育計画を定め、「保育日誌」に子ども毎に保育の様子を記録している。子どもが遊ぶきっかけが作れるよう、また安心して探索活動ができるよう事前に環境を整え工夫している。保育士は、子どもの気持ちを受け止め、また友達同志の仲立ちができるよう見守りを大切にしている。広い園庭では自然と他のクラスの子どもと遊び始める様子や、散歩では近隣の方と挨拶する様子がある。家庭との情報共有に用いている連絡ノートは、市販されているノートを使用している。家庭からの情報は、①が体調・体温、②が就寝及び起床時刻など、①〜⑤まで書く内容を定め書きやすいよう工夫し、園での様子は自由記述で伝え、家庭との連携を図っている。また、写真などを活用した「ドキュメンテーション」を通じて、保護者にその日の様子を伝えるとともに、保育士の振り返りや子どもたちの達成感につなげている。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

「全体計画」の3歳以上の内容にそって月毎に4期に分け「年間指導計画」を作成している。「月間指導計画」でクラス単位の集団保育の計画を定め、「保育日誌」にクラスの様子と個々の子どもの様子が記録されている。子どもの踏み出せないでいる気持ちの背景を汲み取り、その気持ちに沿った環境を工夫している。、また、動物園づくりなど子どもたちが意見を出し合い協力しながら作成し、その過程でやり遂げる達成感などを感じられる保育を工夫している。状況により保育士が加わり、一緒に考えるなど対話的な保育を展開している。民営移管を機に、家庭との連携を図るために、幼児においても市販されているノートを連絡ノートとして導入している。家庭及び園での様子は、特に項目を定めず自由記述で伝えている。また、写真などを活用した「ドキュメンテーション」を通じて、保護者にその日の様子を伝えるとともに、保育士の振り返りや子どもたちの達成感につなげている。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

障がい児と認定されている子どもについては、個別の「指導計画」を毎月作成し、それにそって保育士が個別に保育にあたっている。月に2回地域療育センターを利用しており、保育士が訪問し様子を見学して日々の保育の参考にしている。地域療育センターから年1回巡回訪問があり、必要な助言をもらっている。落ち着ける空間や、安心して入眠できる午睡スペースを確保したり、興味に合わせたおもちゃや遊び、他の園児と一緒に楽しむ時間を設けるなど工夫している。障がい児と認定されていない子どもで気になる行動がある子どもに対しては、それぞれにあう個別の配慮を行っている。個別の保育参観を設定し、個別面談を通じて気になる様子と保育の工夫を伝え、様子によっては地域療育センター等への相談を勧めるなど、保護者の理解を仰ぎ連携して保育にあたれるよう努めている。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

朝は7時から7時半、夕方は18時半から20時まで延長保育を実施している。延長保育の利用は朝が3~4名、夕方が1~2名と少ない。クラスのカリキュラムとは別に、月毎に延長保育の「朝・夕保育カリキュラム」を作成し保育している。時間帯により、間食と夕食を提供している。昨年度は、3歳児が4,5歳児に合流し過ごしていたが、落ち着かない時間帯がみられたので、今年度は3歳児は4,5歳児に合流せずに単独で過ごすようカリキュラムを工夫し対応している。結果、3歳児も4,5歳児も各々落ち着いて過ごしている。延長保育時間帯は、常勤職員の勤務シフトでの業務開始時刻を、7時、7時半、8時、8時半など細かく設定し、必ず保育士2名体制で保育にあたっている。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

小学校との連携について「全体計画」の「幼保小連携」で定めている。園児は、4~5校の小学校に分かれて就学している。民営移管とコロナ禍が重なり、小学校の見学や小学生と園児の交流などに多くの制約があり、小学校との連携が限らている。その中で、小学校のイメージ作りのため、事前に小学校と調整して校庭まで散歩し、校長先生が校庭を案内してくれたり、教室から小学生が手を振り歓迎してくれ、子どもたちも笑顔で応えるなどの場面を作っている。また、小学校が作成したDVDで小学生が教室や校庭、給食当番などを説明する様子を見たり、小学1年生に関する写真絵本で小学校のイメージ作りを図っている。11月からは午睡をやめ、ハンカチを持参し、保護者への伝達を従来の手紙ではなく子どもに伝言を託すなど、小学生の生活リズムへの移行に向けて準備を工夫している。その内容を懇談会で説明し、保護者との連携を図っている。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

健康管理については、「ほいくえんのしおり」及び「感染症予防・蔓延防止マニュアル」にそって行っている。保護者から聞き取った子ども一人ひとりの健康状態や予防接種状況、アレルギーや慢性疾患の有無などを「入園時調査票」で確認し「児童健康台帳」に記録し、入園後は追記し把握している。登園時の保護者からの聞き取り、また「連絡ノート」の内容を事務所内にある「伝言ボード」に記載し、職員間で共有している。看護師が午前中に全くラスを巡回し、健康状態の把握に努めている。また0歳児については「SIDSチェック表」で防止に努め、11月をSIDS強化月間とし、内部研修や職員会議で全職員に周知している。毎月「保健だより」を発行し、また「感染症に気をつけよう」などの情報を掲示し、保健に関する情報を保護者に伝えている。研修内容と関連資料、実施した日付や参加者など、研修記録を整備工夫し職員への周知を図ることが求められる。また、数カ所に分かれて定められている健康管理に関する事柄を、健康管理マニュアルとして整理するなど、活用しやすい工夫が求められる。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

健康診断、歯科検診を年2回行っている。健診の結果を「児童健康台帳」に記入し、内科健診は「本日内科健診がありました」で、歯科検診は「歯科検診結果のお知らせ」を「連絡ノート」に貼り、保護者に伝えている。併せて必要に応じて受診を促し、その後の保護者の対応を確認している。健診の前後の時期に歯磨き指導や手洗い指導などを行い、日常的な健康管理の大切さを伝えている。健診結果を、園での歯磨き指導などだけでなく家庭での日々の生活に活かす為に、子ども一人ひとりの「個別指導計画」にその内容を反映させて保護者と連携を図り、食生活も含めた助言や支援の工夫が望まれる。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

乳製品などの食物アレルギー疾患を持つ子どもが十名弱、小児喘息などの慢性疾患の子どもが数名いる。入園前に書類と保護者面談で対応を確認し「児童健康台帳」に記録し、食物アレルギー疾患については「食物アレルギー対応マニュアル」に基づいて対応している。また、誤食や症状発生時などの緊急対応は、対象園児一人ひとりの「緊急時個別対応票」に基づいて対応している。アレルギー疾患や慢性疾患の外部研修に参加、アナフィラキシー症状を緩和する補助治療剤の使用などは園内研修を実施し、職員に周知を図っている。給食配膳時は、アレルギー対応食を別の場所に置き、当該園児自身がアレルギーがある事を説明しながら運ぶ様子があった。「食物アレルギー対応マニュアル」に、入園前の聞き取りから保護者との献立確認、除去食の準備・調理など、具体的な対応手順と対応者、また当該園児への対応などを、流れ図を工夫し記載している。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

「年間指導計画」で、年齢や季節に応じた食育の目的を設定している。「食材に触れる」などのテーマで、園庭の畑で栽培した野菜の皮むきなど食育に取り入れている。給食を特別なものではなく日々の延長ととらえ、特別なメニューの日や魚を実演してさばいて見せるなどの特別な食育を避けて献立や食育を組み立てている。0歳児は連絡ノートで食材表を記載してもらい、経験していない食材を把握し、離乳食会議で検討し個別に対応している。また保育士とクラスの様子など話し合い、献立作成の参考にしている。年間を通じた計画書を工夫するなど、食育の計画的な取り組みが求められる。職員との意見交換で確認した課題などの記録を工夫し、前月からの改善状況を振り返るなどPDCAを通じた工夫が求められる。「連絡ノート」を活用し、食に関する様々な相談に対応している。食品群ごとに食材が書かれ「献立表」を配布しているが、図や絵の活用や献立名の工夫などを通じ、家庭で子どもと保護者の会話が弾むような「献立表」の工夫など、食を通じた子育て支援が期待される。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

「衛生管理マニュアル」で調理に際しての衛生管理を明記している。昼食の主食がうどんの時はおやつはいなり寿司にするなど、一日の摂取量や満足度など考慮して献立を作成している。検食は、副食として提供しているおやつも含め「検食簿」に記録している。残菜の量などを「給食日誌」に記録し、次の献立や調理に活かしている。献立には旬の食材や季節ごとの行事食、またサンマー麺などの郷土料理などを取り入れている。子どもからのリクエストメニューである「きゅうしょくさんへ」の手紙と給食さんからの返事のやりとりを、1月から3月にかけて実施している希望献立として活かしている。毎月のたより「きゅうしょく」を作り、行事食など献立の特徴や食育の内容を保護者に伝えている。また、0歳児の保護者向けに実施した離乳食試食会での声や、時間を短縮しての調理の工夫について保護者に助言を行った経験を活かし、掲示板を用いて「人気のおやつのレシピ」を掲示するなど、地域に向けて園の食に関するノウハウを提供している。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

毎日の「連絡ノート」は、0歳児は書く欄を工夫した書式を定め、1,2歳児は家庭での様子を①〜⑤の番号で記述内容を定め、保護者との連携に活用している。民営移管後は、3,4,5歳児においても「連絡ノート」を導入し、自由記述にて家庭との連携に活用している。毎月の「園だより」「クラスだより」、また毎日のクラス毎の「ドキュメンテーション」など書面や写真で、集団保育や行事などの様子を伝えている。年1回また必要に応じて「個人面談」を行い、保護者の意見や意向を確認している。年2回の「懇談会」で、保育内容をを説明し、また保護者同士の情報交換の場を作るなど工夫している。送迎時を保護者と連携を図る大切な場面とし、会話等日々のコミニケーションに努めている。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

保護者にとって身近に相談ができる社会資源としての保育園を目指し、保護者が相談しやすいよう、日頃から信頼関係を築けるように努めている。 特に「連絡ノート」は、3,4,5歳児の幼児も含め全クラスで用意し、保護者との連携に活用している。また、送迎時に交わす会話や様子を大切に声かけを工夫し、保護者と一緒に考えるきっかけにしている。子育ての状況などの相談内容は、担任や園長・主任と情報を共有し、必要に応じて看護師や栄養士などの専門職とも連携し対応している。また、言葉の遅れなど発達への不安や、共働きの下での子育て環境などについて、他の専門の機関と連携できることを保護者にも伝え、子どもと保護者にとってよりよい方法を共に探るようにしている。相談内容と支援内容について、相談の受理からその後の対応などの経過が追えるよう記録の工夫が期待される。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

「虐待防止マニュアル」に、「児童虐待の定義、虐待の要因、発見ポイント、虐待かなと疑いを持ったら」などの章立てで、虐待への対応を定めている。特に「発見ポイント」には、衣服の汚れや季節そぐわない服装など、具体的に列挙し説明している。虐待の早期発見と対応、また特に予防に心がけ、区の担当部署や児童相談所との連携を図っている。保護者とは、「連絡ノート」や送迎時の会話などを通じて日頃から信頼関係を築き、悩みを打ち明けやすい環境の構築や、保講者の異変に気づけるよう努めており、必要に応じて具体的に助言をするなど支援を行っている。また、マニュアルに沿った虐待防止、家庭支援の職員研修を年1回以上行い、職員会議でも定期的に話し合っている。他機関との連携の下、日常的に子どもに関わっている立場を活かし、家庭訪問など一歩踏み出した支援が期待される。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

保育士は、年2回「自己評価表」を用いて自己評価を行い、園長との面談を通じて自身の目標を設定している。各自が、自己評価の結果を保育の実践を通じて活用し、保育の質の向上に努めている。各自の目標を、組織全体の年度目標に関連する内容として設定する工夫が求められる。また、自己評価を互いの学び合いや意識の向上につなげる工夫が望まれる。職員個々の振り返りを、園全体の専門性に裏付けされた保育の実践に活かすこと、必要な研修や研究を職員が主体的に企画し取り組む職員集団の形成が課題ととらえており、その実践が期待される。