社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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紅梅園

2022年03月25日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 紅梅園 評価対象サービス 2021 障害者・児福祉サービス版
対象分野 就労継続支援(B型) 定員 60(79名) 名
所在地 243-0206
厚木市下川入197-1  
TEL 046-258-6252 ホームページ https://www.koubaikai.or.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1986年02月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 紅梅会
職員数
常勤職員:10 名
非常勤職員:14 名
専門職員
介護福祉士: 名
施設・設備の概要
(1階)作業室:2
(1階)男女トイレ:各1
(1階)みんなのトイレ:1
(1階)食堂:1
(1階) 男女更衣室:各1
(1階)脱衣室:1
(2階)会議室:1
(2階)相談室:1
(2階)支援員室:1
(2階)男女トイレ:各1
(2階)男女更衣室:各1
洗濯機:5台
乾燥機:5台
シーツローラー:1台
結束機:2台
タオルホルダー:1台
作業台:31台
消火器:12
自動火災通報装置:1
非常用放送設備:1
誘導灯:6
避難梯子:1

③ 理念・基本方針
 社会福祉法人紅梅会は、利用者の方々が地域社会で明るく豊かな生活が送れることを目指していくことを理念とし、多様な福祉サービスを提供するに当って、主体となる利用者が良質で総合的なサービスが受けられるよう創意工夫することにより、利用者個人の尊厳を保持し、地域社会において自立した生活を営むことができるよう支援することを設立目的としております。社会福祉事業の主たる担い手としてふさわしい事業を確実、適正かつ効果的に行うため、積極的にその経営基盤の強化を図るとともに、質の高い福祉サービスの提供と事業経営の透明性を確保し、もって地域福祉の推進に努めます。
また、福祉サービスの供給体制の整備・充実を図り、地域のニーズの変化に柔軟かつ迅速に対応しながら、利用者の適正支援に努めるとともに、採算性の確保を図り、安定的で発展性のある事業を展開し、地域福祉の向上に資するよう取組みます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
紅梅園は、昭和61年に厚木市上荻野に障害者の方たちの通所授産施設として定員30名で事業所を開設以降30年余りが経過する中で、その間には障害者福祉を取巻く目まぐるしい情勢の変化等を見据えつつ、法人の中期計画に従い着実に事業拡大をすすめ、令和元年9月に新たな地に下川入事業所を開設、半年後には全面移転し、現在は、登録利用者数も79名に増え、利用定員は開設当初の倍の60名となっております。 広く地域社会や関係事業所及び関係機関等に情報を発信し、地域ニーズを捉え新規利用者の安定的な確保と職員配置の適材適所を維持するとともに設備規模を大いに活用した事業展開を図り安定した事業運営を推進しています。
 また、利用者の充実した地域生活を支えられるよう工賃目標を掲げ、工賃向上を目指します。利用者の増員に伴いさらなる作業受注量の安定確保と質の向上、コスト管理意識を持ちつつ収支バランスを検証いたします。昨年度初頭以降コロナ禍における受注の状況に応じた洗濯の作業方法等取引先事業所と情報を密にしさらには清掃等の施設外就労先の取引事業所については、感染拡大情勢に即応した予防対策を講じつつも前向きに就労支援事業所としての役割を果たせるよう取組んでいます。
 就労を希望する利用者の方には一般就労への移行に向けた支援を継続推進し、就労後は職場訪問等により現状を把握し、就労の定着を支援します。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/08/01(契約日) ~2022/03/08(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2010年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)全国平均の2倍を超える工賃を支給しています
社会福祉法人紅梅会は、利用者の方々が地域社会で明るく豊かな生活が送れることを理念として目指し、その傘下の紅梅園では、その実践として就労と地域生活への移行を目的としたサービスを提供しています。就労への意欲を高め、地域社会の中であたりまえに過ごせるよう、工賃の向上を第一の目標としています。施設内では主にクリーニング作業が行われており、施設外では清掃作業を請け負い、利用者の意向と状態に応じて作業分担がされています。利用者の就労意欲を高める支援等の結果、当初の利用者30名から倍増しの60名定員の施設となり、併せて支給する工賃も増え、就労継続支援B型事業所の全国平均の2倍を超える金額を支給する規模となっています。

2)施設移転により働きやすい環境整備がされています
移転前は狭い作業場に多くの利用者が配置され、搬入・搬出がひとつの動線で行われるなど、作業環境に不便な部分がありました。移転した新たな作業場はスペースも広く、搬入口と搬出口を分けて動線を設定し、安全で快適な作業空間を作り出しています。またひさしの設置により、以前の問題点だった急な雨にも対処できるようになっています。また大勢の人がいることを苦手とする利用者もおり、小規模の第二作業場の設置により、個々の利用者に適した環境で作業が行われています。

3)人権・権利擁護の意識を高める取組に力を入れています
法人として人権擁護の意識を高める取組に力を入れています。法人が独自に作成した人権手帳や県の知的障害施設団体連合会で作成した「あおぞらプランⅢ」を全職員に配布し、人権および権利擁護について意識づけを行っています。施設としても職員の人権目標を掲げて意識を高め、また毎月人権チェックシートを用いて振り返りを行うなどの取組を実施しています。
改善を求められる点 1)侵入者に対する対策が求められます
朝夕は利用者・職員の送迎通勤、日中はクリーニングの集配等で車の行き来が多く、建物自体は搬入口・搬出口があり、またコロナ禍の折、換気等の為、解放されている部分があります。利用者・職員の入り口も警備システムの入る夜間以外は警戒が薄いようです。前述のように車両の出入りが多いため、門を閉ざすことは難しい面もありますが、安全な退避地、避難路を設けるなど、不審者の侵入に対しての対策を取られることが望まれます。

2)人材確保が求められます
中期計画の中で職員の採用計画が立てられ、職員採用に向けた取組が行われていますが、思うような人材確保にはつながっておらず、職員が不足している状況です。利用者人数が多い中、十分な支援が行えない場面もあり、職員も人材不足が課題と捉えています。更なる人材確保・定着のための取組を進められることが求められます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 総評で、侵入者に対する対策が薄い とありますが、利用者や職員の出入り口については、多岐にわたる取引業者とのやり取りにより受注拡大し利用者の工賃につなげる目的で活動している当事業所としては業務上、出入りが頻回なため日中活動時において、出入口を閉鎖したりすることは難しいと思われますが、利用者の活動終了後は、玄関等の出入口は施錠し、また、職員が帰る際には無人になるためセコムを設定し、門も施錠しています。また、不測の事態の際の退避路としては、火災等については、定期的な訓練も含めて火元を避けるよう避難誘導しているのと不法侵入者の対応の場合には、状況によると思いますが、警察や救急等への緊急通報と建物裏の畑前の塀を安全に留意しつつ誘導することが想定されます。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

理念や基本方針は事業計画や法人ホームページに明記されています。基本方針は「法人の重点目標」として、経営理念にもとづき事業の実現に向けた内容が記載されています。事業計画は毎年年度初めに職員と、利用者全員で組織される利用者自治会、家族会に施設長より配布、説明され周知しています。より分かりやすい事業計画への工夫が望まれます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

現在はコロナ禍で開催ができない時期ではありますが、厚木地区の就労継続支援施設や、入所施設で構成される「厚木地区施設連絡会」内での施設長会、部課長会議等で情報交換が行われています。また、地域の事業計画や障害者の動向は厚木市のホームページで把握に努めています。施設内では利用者の障害区分や利用者の推移・利用率等のデータを分析し、課題等を検討しています。定期的に事業活動収支や賃金収支計算書により前期との収支比較をし、現状のコスト分析や売り上げ実績のグラフを作業所に掲示し、利用者・職員で情報共有しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

理事会や運営会議・職員会議で予算・決算等にて事業所の収支状況や人件費率、職員体制、人事採用状況等の経営課題を分析して課題を抽出しています。その課題を今後の目標とし、職員会議や朝礼等で周知し、その後の取組に活かしています。人事採用についてはハローワークや各種就職説明会、インターネットでの募集、求人広告等を利用して募集していますが、思うような結果が得られていない現状となっています。今後計画的な人事採用について検討が必要とみられます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

中長期計画は5年毎を基本とし、法人総務課担当・施設長も参加する法人の中長期計画検討会において、法人の理念や基本方針にもとづいた法人各施設共通の項目と、各事業所ごとに具体的な実施内容や数値目標を設定しています。1~2ヶ月毎に中期計画検討委員会を開催し、目標の変更が必要となれば見直し・修正を行っています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

単年度の事業計画は中長期計画をもとに策定されており、毎月開催される部課長会議において1月に振り返りを行い、そこで抽出された課題を2月、3月に策定する次年度の内容に盛り込んでいます。事業所では就労支援事業所として、利用者の目標工賃達成に向けての取組が重要な目標のひとつとなっており、その達成が法人の理念でもある「利用者の地域生活の豊かさ」の実現となると考え、毎月の部課長会議で達成状況を確認しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画の策定は、現場を把握し統括している法人の部課長を中心に年度の予定等を取りまとめ、中長期計画の単年度評価を踏まえた上で策定しています。また、事業計画の実施状況の把握や評価を事業報告として取りまとめています。その結果を踏まえて中長期計画検討委員会において計画の変更が必要な事項は計画に追記していくこととしています。更なる職員への周知と理解への取組が期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

事業計画は年度初めに利用者自治会、家族会で資料を配布し説明を行っています。利用者自治会では事業計画の中の重点目標を口頭で分かりやすく説明した上で要点を分かりやすくまとめたものを施設内に掲示し、理解が難しい部分は職員が質問を受け付けて個々に丁寧に説明しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

利用者は働くことを目的としており、作業のしやすさや工賃の向上に向けた福祉サービスの質の向上をめざし、法人独自で利用者・家族・後見人に向け利用者満足度調査を2015年、2020年に実施しています。利用者の入れ替えが少なく、作業中に職員に直接要望等を伝えることが多いため5年に1度の実施を目指しています。また、年に1回県の定める自己点検シートにて事業所の自己評価を実施しています。第三者評価は10年前に受審し、今回が2回目の受審となっています。今後は定期的な受審により事業運営の振り返りを行う機会をもつことが期待されます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

県が定める自己評価の結果や利用者満足度調査の結果を職員会議で周知・確認するとともに書面をファイルし、いつでも確認できるようになっています。施設としての課題を抽出し、職員で共有し、利用者の活動意欲の向上や活動環境の改善に向けた取組が行えるようにしています。改善に向けた取組は実施していますが、計画的な形にはなっていないため、今後計画的な改善計画策定の仕組みの構築が望まれます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

事業所の経営・管理等に関する方針や取組については事業計画や中長期計画に明記されています。管理者の役割や責任については法人作成の職務分担表に明記されており、法人の広報誌等にも掲載されています。職務分担表には管理者の業務内容と並び、副施設長の役割が記載されていますが、平常時・有事等における権限委任についての記載がありません。平常時、有事の際の権限委任についての記載が望まれます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

遵守すべき法令については、法人からのメールや、行政主催・法人内外の研修にて常に最新の情報を得られるよう努力しています。管理者は関連法令の研修だけでなく、経営に関する研修、就労支援事業所としての役務内容であるクリーニング業関連についての研修にも定期的に参加しています。管理者が得た知識や情報は書面での周知はしていますが、今後職員に対しての研修等での周知が望まれます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

管理者である施設長はサービス管理者も兼務しており、自らも活動に参加し、利用者の仕事に対する要望や環境の改善等サービスの質の向上について評価・分析をしています。利用者個々については利用者面談で目標の達成状況の確認をするとともに、半年毎の個別支援会議の中で職員の意見も取り入れて評価・分析を行っています。また、支援困難事例については外部のスーパーバイザーを招き、毎月開催されるケース会議を行って対応の方法を検討しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

管理者は年度当初予算を念頭におき、就労支援収支及び障害福祉サービス事業収支を比較検討、分析することで経営の改善や業務の実効性の向上に向けた取組を行っています。人員配置や働きやすい職場環境の整備も目指しています。就労事業の収支をグラフ化し掲示することで職員全員が前向きなコスト削減意識を持ち、事業所発展のための共通認識を持てるようにしています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

中期計画の中で利用者の増員とともに、職員の採用計画も立てています。ハローワークやインターネット等での募集、年2回開催される厚木地区の人材相談会に参加し職員採用に向けた取組を行っていますが、人材確保につながらないこともみられます。今後も効果的な人材採用に向けた取組が望まれます。人材の育成については法人の研修委員会による「階層別研修」「課題別研修」「職務研修」を実施しています。令和3年度はオンライン研修を積極的に取り入れています。外部研修の情報も職員に周知し、幅広い知識習得の場を提供しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

入職時に職員に配布される「人権手帳Ⅱ」の中に法人の策定した倫理綱領にもとづく職員行動規範を「期待する職員像」として明記しています。人事基準については入職時に配布される就業規則に明確に定められています。職員と考課者との面談の中で自己目標の達成状況や業務成果、貢献度等を人事考課規則に則り、適正に評価することで職員の業務意欲向上につなげています。さらに法人としてのキャリアパス基準を設け、職員が自らの将来をイメージできる仕組みづくりをしています。把握した職員の意向等への検討・実施への対応が期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

毎月の勤務や休暇についての希望は期日を決めて書面での提出を呼びかけ、希望に沿えるようにしています。有給取得については定期的に確認し、とれていない職員には取得を勧めています。年1回の健康診断の他、外部機関のツールを用いたストレスチェックも実施し、心身の健康や安全確保に努めています。問題があれば産業医への面談を勧める等しています。職員や利用者の意見も確認しながら職場環境の改善を行っていますが、具体的な計画策定には至っていません。福祉人材や人員体制に関する具体的な計画への反映が望まれます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

事業計画や職員に配布される「人権手帳Ⅱ」に倫理綱領や法人の人権目標が明記されており、法人の期待する職員像となっています。また、キャリアパス基準の中に新入職員から勤務年度毎、階層別の職員に求められる知識や技術が記載され、それぞれの時期にあるべき職員像が明確になっています。年度初めに職員は施設長との面談により年間の目標を設定し、年度末の面談で達成状況を確認しています。中間の面談は設定されていません。今後中間の面談等により目標の達成状況を細かく確認できる仕組み作りが望まれます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人の研修委員会により年間研修計画が作成され、毎年内容の見直しが行われています。研修計画の中には階層別研修(新採用・一般・中堅・管理者)が計画され、その中で法人の期待する職員像が明記されています。他に課題別研修(人権・リスクマネジメント・虐待・接遇等)、職務研修(救命救急・消防・労務管理等)等が計画されています。事業所においても毎月事例研修を実施しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

法人の研修委員会による年間研修計画にある新任研修(常勤・非常勤とも参加)・階層別研修・職種別研修の中で、個別の職員に必要な技術・専門資格、期待する職員像等が記載されています。法人から外部研修の情報も職員に周知し、受講が必要と思われる職員に勧めたり、職員からの希望により研修を受講できる体制を整えています。常勤・非常勤とも研修に参加できるよう勤務体制も調整しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

2年ほどはコロナ禍のため実習生の受け入れはできていませんが、実習生受け入れマニュアルは法人により作成されています。法人内の生活支援施設の実習の一環として、日中に就労支援施設での研修を受け入れていました。今後、就労支援事業所単体としても利用者の就労を支える施設の役割を学べる受け入れ体制の構築を進めています。法人作成のマニュアルは障害福祉に対し全般的なものとなっているため、施設の特性に合わせたマニュアルの作成化が望まれます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念、基本方針、事業計画や事業報告、活動内容、法人情報、財務諸表等についてはホームページ、法人作成の広報誌「紅梅だより」により公開しています。事業報告書により事業所の取組や第三者評価受審、苦情・相談の体制、内容、対応、改善の状況について公表しています。事業所を移転して3年目となり、活動も定着してきているので、今後地域に対して事業所の活動等の更なる周知が望まれます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人の策定する中期計画の中の令和3年度重点目標に「安定経営の推進」が明記されており、「事業収益の増進」「経費節減の徹底」「業者選定・見直し」等を目標としています。法人の作成している職務分担表にそれぞれの部署、役職、担当者の業務内容や権限、責任の所在や範囲を明記しています。法人内での監査体制により毎年会計等についての監査を実施しています。法人として外部機関の監査を受け、改善内容等を施設にフィードバックし、作業受注量の安定確保と利用者の工賃向上を目指す等経営改善を図っています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域との交流について、法人作成の連携マニュアルには「在宅障害者の支援」「地域住民との交流」「ボランティアの育成」等が盛り込まれています。新型コロナウイルスの影響や、事業所移転後まだ2年で、周辺には工場等が多い立地のため、積極的な地域との交流は図れていません。これまでは法人内の行事に参加して地域との交流を図っていましたが、今後、自治会への参加や施設単独での行事開催、食堂の地域住民の利用等を計画されているためそれらの実行が期待されます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティアの受け入れについては法人で「ボランティア受け入れマニュアル」が作成されています。法人全体の行事等での受け入れや利用者の兄弟等の実績がありますが、新型コロナウイルスの影響でこの2年間は中止しています。ボランティア受け入れの際は法人にて登録をしてもらい、希望により施設への紹介となっています。ボランティアへのオリエンテーションは担当課長が行っていますが、誓約書等はありません。受け入れに対する書類や、施設形態に合ったマニュアルの整備が望まれます。近隣の小中学校に出向き職場見学の呼び掛けをしています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

厚木地区(厚木市・愛川町・清川村)の施設団体連絡会に加盟し、定期的な会議(施設長会議・部課長会議)の中で地域の課題、施設の活動情報の発信や周辺施設の情報、グループホームの空き状況等の共有をしています。また、新入職員の交流会も実施しています。課題については職員会議でも周知し、解決への取組を行っています。厚木地区オンブズマンネットワークにも加入して利用者のアフターケア等も行っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

厚木地区(厚木市・愛川町・清川村)の施設団体連合会に加盟し、定期的な会議により地域の具体的な福祉ニーズや生活課題を把握し、解決に努めています。課題については職員会議でも解決策を検討しています。この2年間は新型コロナウイルスの影響で実施できていませんが、地域の関係事業所や自治会・ボランティア、民生委員を含めた地域懇談会を法人独自で開催し、地域の福祉ニーズや生活課題の把握に努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

令和元年に現在の地に移転してまだ日が浅いため、地域の福祉ニーズの把握や地域貢献に関わる事業・活動の実施までには至っていません。ここ2年間は新型コロナウイルスの影響により実施できていませんが、福祉サービスの提供や技術等に関する専門的な知識をサービス管理責任者研修等にファシリテーターとして職員を派遣する等しています。今後、地域とつながりの場を持ち、地域ニーズの把握や地域貢献に関わる事業・活動の実施が望まれます。法人の防災計画により、毎月法人全体で地震・火災・土砂災害等想定の避難訓練等を実施していますが、こちらも地域住民に対する備えまでには至っていません。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

入職時、職員に配布される「人権手帳Ⅱ」に倫理綱領や人権目標が明記されています。倫理綱領等は施設内に掲示し、職員への周知を図っています。毎月職員会議で検討して人権目標を掲げ、毎朝朝礼時に唱和し確認しています。毎月月末の職員会議において目標の達成状況を確認、反省を行っています。職員個人が記入した振り返りシートを職員会議で報告し、課題の把握やその後の人権目標の設定等に活かしています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

人権擁護やプライバシー保護については法人の定めるプライバシー保護規定・マニュアルが策定されています。事業計画においても人権擁護の取組の中に明記されており、年度始めに職員に周知する他、法人の研修計画に年2回人権研修も計画されています。利用者に対しては契約時に説明しています。更衣等の介助が必要な場合には同性介助を行っています。法人広報誌等に写真を掲載する際は同意書をもらっています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

養護学校等に定期的に要綱の配布をしている他、法人広報委員会が、内容の更新をしたり分かりやすく工夫して、パンフレットやホームページに法人の理念や基本方針、実施するサービス内容や施設の紹介等を掲載しています。利用希望者の見学は施設長や各担当課長が丁寧に対応しています。養護学校からの体験実習については随時実施しています。見学や体験実習時は感染対策を講じています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

サービスの開始時や変更時には重要事項説明書や契約書にて説明を行い、書面で同意を得ています。また、利用時間や工賃等についてはふりがなをつけた利用案内を作成し、分かりやすい説明を心がけています。意思決定が困難な利用者に対しては保護者・身元引受人・成年後見人等の同席により、できる限り利用者の意思が確認できるようにしていますが、ルール化されていません。今後ルール化することが望まれます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

就職や住居の変更等により事業所が移行した際は利用者や保護者の承諾を得て就職先・移行先の事業所の担当者と連絡をとり、施設での活動や行動等について詳細を伝えています。法人や施設が定める書式はありません。就職先の担当者とは移行後も1年に1度は連絡を取り、状況を確認しています。移行後も担当者等に相談できる仕組みはあり、実際相談や報告もありますが、文書等で示すことはしていません。移行の手順や書式を定め、移行後も相談できる旨を利用者や保護者等に対し文書で周知することが望まれます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

折に触れて利用者調査は行われていますが、利用者の入れ替わりが少ないこともあり、頻繁な実施が利用者の負担になっているようです。利用者自治会が月1回第3木曜日に開催され、会長、副会長、会計などの役員は利用者から選出され、日常の困りごとや「おつかれさま会」のプレゼントを決めるなどの議題を話し合い、「バスの中では静かにしましょう」等の改善につなげており、利用者満足度を測る手段としても機能しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

重要事項説明書内「苦情申立先及び虐待防止に関する相談窓口」の項目に施設内の苦情解決責任者・苦情解決副責任者・苦情受付担当者が明記されています。そのほか施設外の相談先として市・県など行政の窓口、かながわ福祉サービス運営適正化委員会、オンブズマンの連絡先が掲載されています。また入り口にもオンブズマンの連絡先が掲示されています。苦情を受け付けると内容により、まず施設内で解決を図り、解決できない場合は法人内で話し合われて解決に向けた協議をします。外部への申し立ての際は法人経由で解決策を探ります。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

利用者が相談や意見を述べやすいように、写真入りポスターを掲示し、相談担当者を示しています。利用者からの相談を受けるもっとも多いパターンは、身近で話やすい職員に直接話すことが多いようです。その場合はいつでも利用者が相談しやすい場所を提供し、話を聞く体制を整えています。また自分からは話を持ち出せない利用者からの意向を汲み取るために、利用者のグループホームや家族へ職員からのアプローチもしています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

日々のサービスの提供のなかで、利用者からの相談や意見を把握し、日誌への記載や朝礼での報告等組織的に対応を行えるよう取り組んでいます。意見箱を設置し、意見・要望等の内容や対応について、相談受付表に記録し相談内容に応じて対応を行っています。意見箱への投函はあまりなく、前述のように利用者が職員に直接要望を話すケースが多いようです。対応マニュアルの見直しは法人で行なうため、施設では行っていません。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

施設内作業場での危険物の取り扱いは全て職員が行なっています。作業中に発生した「ひやりはっと」や「事故報告書」は、その事例をもとに発生要因を分析・検討し、洗濯機のレバーのカバーの取り付けや、乾燥機使用時のアームカバー装着の徹底など再発防止策を講じています。地理的に車両による配送等の仕事も多く車両事故が多くなっており、安全運転の励行が期待されます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人では医療・健康管理委員会を設置し、各事業所に担当職員を配置しています。感染症の予防、発生時の対応マニュアルを作成して職員に周知しています。また、コロナ対策としては利用者・職員の継続的な体調管理及び発熱等による必要検査の実施等、法人全体で情報を共有し、感染拡大防止策に取り組んでいます。施設内では手洗い・手指消毒・マスク着用を徹底し習慣づけることが出来ました。コロナ禍での経験をもとにマニュアルの見直しを行うことが期待されます。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

職員緊急連絡網を使用した訓練や年2回近隣の消防署と連携し、火災想定の避難訓練を行っています。また、事業所内でも年2回地震想定の避難訓練を行っています。備蓄品については、ビスケット・乾パン・アルファ米など200食の食料や飲料水等の備蓄リストを作成・管理を行っています。利用者及び職員の安否確認は、常勤職員及び嘱託員の緊急連絡網を作成しています。法人では防災保守委員会を設置して緊急連絡網、避難方法、備蓄品の管理等の整備を行い、BCP(事業継続計画)の策定を始めています。利用者の安否確認方法等の整備が今後の課題です。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

施設で提供される標準的なサービスについて重要事項説明書上に実施方法及び内容を明記しており、利用者及び身元保証人、又は、成年後見人に説明を行います。施設で行われる全てのサービスが個別支援計画にもとづき提供されることが謳われています。更に重要事項説明書には訓練給付費の対象外サービス及び利用料金についてもわかりやすく記載されています。職員は標準的な実施方法について研修や支援員会議、朝礼等で情報を共有しています。標準的な実施方法の確認体制の構築が今後の課題です。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

就労を目的とし施設内及び施設外での作業が中心のサービス提供となっているため、標準的な実施方法の見直しについては限定的です。昨今のコロナ禍での一時的な売上の変動などの要因による生産活動支援の見直しが行われています。また令和2年を以て就労移行支援事業を廃止し、就労継続支援B型に特化した経緯などは標準的な実施方法の見直しの結果です。同様に、全体の標準的な福祉サービスの見直しが必要な際には法人の会議にて検討・見直しを行っています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

提供されるサービスの全ては個別支援計画にもとづいています。サービス管理責任者が中心となり個々の利用者からの意向を聞き取ったうえで、個別支援計画書作成会議を行い、利用者や職員等からの意見や提案が反映される仕組みになっています。また、支援が困難なケースについては、必要に応じて相談支援事業者と連携し、ケア会議等により就労事業所の立場から現状報告や提案することにより、サービス内容をより具体的なものとして取り組む体制を整えています。就労を目的としたサービス提供をしている施設で利用者の自律度も高いため幅広い職種の関係職員でのアセスメントは行われていません。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

個別支援計画の評価・見直しを6ヶ月毎に行っています。サービス管理責任者が中心となり利用者から振り返りシートに沿って意向の聞き取りを行い、検討会議日を設定し、実施しています。見直しによって変更した個別支援計画の内容は、支援計画書を綴ったファイルにて職員が自由に閲覧し共有出来るようにしています。適宜計画の変更等の見直しは行っていますが、自立度の高い利用者が多く、緊急に変更する事案は少ないものの、緊急な変更に対応する仕組みの構築が課題です。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

重要事項説明書上に記載されている「基本的な生活に罹る支援」の項目の中でもサービス提供記録の一定期間の保管と閲覧について触れています。フェイスシートや個人カードにより利用者の身体状況や生活状況を職員間で共有しています。個別支援計画に対する職員の統一した視点の共有を目的に、利用者の目標の一覧表が作られるなど工夫されていますが、記録内容のばらつきが出ないよう徹底することが期待されます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

ネットワークシステムの記録ファイルを利用し、日々の支援内容や特筆すべき内容を記載しています。このシステムは施設内にとどまらず、法人内で情報共有する仕組みとなっています。法人傘下の施設の運営会議・調整会議等でこれらの情報共有が行なわれています。また、法人の個人情報保護規定により、記録や個人データの管理について定められており、記録の保管、保存、廃棄、情報の提供に関する規定にもとづいて取り組んでいます。個人情報の取り扱いについて、契約時に重要事項説明書にて利用者や家族に説明しています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

ケース会議、支援員会議を通して、利用者一人ひとりの特性を職員が理解し日々の支援に生かす事が出来るよう、会議を実施し個別支援計画を作成しています。作業の中の出来事については、記録入力システム、施設外チェックシートを用いて記録を行い、職員間で情報共有し、利用者の個性等を把握する事が出来るよう努めています。また利用者自治会を定期的に行い、利用者同士が改善点を話し合い、通所しやすい環境にする仕組みが出来ています。就労支援を目的としているため、趣味嗜好等の支援は行っていません。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

職員の人権擁護の意識づけの取組として、法人の人権委員会が作成した人権手帳を各職員に配布するとともに、県の知的障害施設団体連合会作成のあおぞらプランⅢを全職員に配布し理解を深めています。また、毎月職員の人権目標を掲げ、朝礼時に唱和して振り返るとともに、月1回の支援員会議では職員人権チェックシートを用いて、日々の支援の振り返りと結果を職員全員に公表し、検討しています。法人内外部の人権研修を行い、人権意識を高める取組を行っています。やむを得ない事態の為の体制づくりが今後の課題です。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

就労継続支援B型に分類され、就労と地域社会への移行を目的とする施設であるため、利用者の自律・自立生活への意向は高いです。ケース会議で利用者の家庭環境、生活習慣、特性を理解し、個々に配慮した支援を行なっています。利用者自らが選択して自立行動する事が出来るよう、見守りや声かけ支援を行っています。また、1人暮らしをしている利用者が通所している為、生活等で不安を感じた際には、直接相談に乗ることや、また帰宅後に電話で相談を受け、行政手続書類等の支援やアドバイスを行う事もあります。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

コミュニケーションが十分ではない利用者には、筆談、手話、口話を用いて接しています。また、会話が難しくパソコンを用いた筆談などでコミュニケーションを取ることが得意な利用者とはパソコンにて面談をしています。ジェスチャーや本人の表情から利用者の意思を理解する事が出来るよう、各職員で日々の支援情報を共有し、理解を深めています。また家族との対話は可能なものの職員と対話することが苦手な利用者などは第三者からの情報の取得もしています。手話を用いる利用者が在籍している為、今後、手話の研修等を実施しようと検討しています。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画作成の際には、利用者本人の意向を確認し、希望に沿った目標を設定しており、意志を尊重した支援を行っています。また、支援員会議等の場では職員間で相談内容の情報共有を行い、検討して理解を深め、日々の支援に活かしています。日常作業の時間においては、利用者と話のしやすい職員との間で、また状況に応じて個別に話を聞き、利用者の相談に乗ることで不安感を少しでも軽減する事が出来るよう対応しています。その意向は上席まで伝えられ共有しています。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:b】

個別支援計画に則り、利用者の希望にもとづいて作業の提供をしています。個別支援計画書のファイルは、職員が自由に閲覧可能となっていますが、より的確な情報共有を目的として、個別の目標を抜粋した一覧表等を作成し、周知しています。その変更などについても必要に応じて、職員朝礼等で伝達して、支援を行えるようにしています。作業が主体の施設ということで、レクリエーションや余暇等の提供はしていませんが、年末のお楽しみ抽選会などの行事が行われています。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の障害の状況および支援員会議、ケース会議を通して生活の状況を把握する事や、障害に関する知識の習得を図り、人権擁護についての研修参加にも力を入れています。また、利用者間でトラブルが起きた際には、情報の共有・検討し、日々の支援の見直しを行なっています。関係性に応じて、作業環境の調整を行う等、極力トラブルが起こらないように配慮をしています。記録システムの記録を用い、職員間で利用者の障害状況、日々の情報共有を行い、支援に活かしています。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

作業を主体とした施設であり、自立度の高い利用者が利用しています。そのため個別支援計画についても、施設内外での就労を継続、または一般就労に向けての支援計画が中心となっています。入浴支援、排せつ支援等は実施していませんが、個別支援計画にもとづき必要な支援を実施しています。利用者の状態に応じて近隣の弁当工場から配送される昼食を刻み処理をする等個別に対応しています。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:b】

作業場は作業が安心・安全に行えるよう、環境に配慮(車椅子で作業が行いやすい場所等)しています。作業場内には安全通路を設け、マーキングすることで安全な動線確保を実現しています。食堂、トイレ、廊下等の場所は日々、消毒清掃を行い、清潔な空間が保たれています。感染症拡大防止策として食事時間を二班体制として時間をずらすことにより、食堂での密を避ける対策をとっています。利用者が休憩するスペースを設け、昼休憩時等に思い思い過ごす事が出来るように工夫しています。居住施設ではないので、清潔さなどを維持するほかは、利用者の意向の把握等の支援はしていません。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:b】

現状は、事業所での利用者の心身の状況に応じた意図的な機能訓練・生活訓練は行っておりません。しかし、就労の中での作業を通して、数を数えることであったり、製品を効率よく丁寧にたたむなどの動作は、利用者個人の生活や機能維持には欠かせないものと事業所ではとらえています。また、利用者個人が休日などに、外部の機能訓練のサービスを利用していることなどをモニタリングなどで把握し、利用者個人の支援に向けて職員で情報を共有しています。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

就労を目的とした作業提供が主体の施設であり生活介護などは行なっていません。連絡ノートを用いて家庭やグループホームとも連携を取り、健康状態の把握を行っています。体温チェック表を用い、出勤前の体温、午前作業時に検温を実施しています。また作業中の体調変化時には、静養室にてベッドで休む等の対応を行っています。また、感染症等が発生した場合の手順については、支援室に掲示を行い、適切に対応をする事が出来るよう取り組んでいます。今後は利用者の高齢化による変化への配慮が期待されます。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:非該当】

非該当

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

就労が主体の施設という事から、施設外就労でのビジネスマナーや一般就労に向けての面接の練習などを行なっています。また就職活動としてハローワークに登録を行い、求人情報を得て、施設内に掲示も行なわれています。利用者研修会、あおぞらパーティー、ふれあいフェスティバルといった社会参加の機会の提供と支援を行っています。以前は外出・旅行も行なっていましたが、コロナ禍の為に行えていません。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域生活への移行について、具体的には就労とグループホーム等への転居を中心とした支援を行なっています。利用者の意向に沿って、法人のグループホームや他法人と連携し、移行支援を行っています。移行後は、ホームと情報を共有、連携し、安定した通所を行う事で、グループホームでも安定した生活を行えるよう支援しています。就労継続支援B型事業所として、工賃分配により、本人の新しい生活の希望、地域生活といった目標を持つことが出来るよう支援しています。今後は更に地域生活の意識を高める支援を行うことが課題です。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

月1回第2日曜日に家族会を開催しています。昨今のコロナ禍で開催は1年間ほど見送られていましたが、再開しています。利用者の家族に対して施設の状況や利用者の様子などを報告するほか、厚木地区の施設利用者の保護者連絡会などの団体の情報を伝えています。この家族会には後見人は含まれておらず、家族の参加のみとなっており、全体の2/3ほどの家族が集まります。また連絡ノートにより、家庭と日々情報の共有を行っています。また怪我、トラブル等があった際には電話等で家族に報告、連絡を行う事を徹底しています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

評価外

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画を作成する際に本人の希望する目標を設定する事で、一人ひとりが働く意欲を維持、向上する事が出来るよう支援を行っています。施設内のクリーニング作業の他に、時給の高い施設外の清掃作業なども受託しており、自立度の高い利用者の意向を確認して勧めています。また、通常の時給による賃金のほかに、月の皆勤賞、土曜出勤の割増時給等のインセンティブを設ける等、利用者の意欲を高める支援をしています。就労を目標とする利用者に対しては、挨拶、返事、報告などのビジネスマナーを職員が指導するなどの支援も行なっています。

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の意向や障害の状況に応じ、椅子に座っての作業や、体調不良時には休憩を取ってもらう等、作業環境や内容に配慮を行っています。大勢の人が苦手とする利用者には比較的小さな作業場での仕事も行なえるように配慮しています。工賃については、規定に則り、毎月工賃明細書を利用者に直接渡しています。工賃の向上を目的に、毎年目標工賃を設定し、受託先との価格交渉や、原価低減の為の取り組みを行っています。また、安全面については、危険物の取り扱いは職員が行い、現場の床に安全通路をテープで示すなど、安全に作業に取り組んでいます。

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者が希望しても養護学校等から直接就労移行支援事業が利用できないなど、制度上の問題点もあり、令和2年度末で、就労移行支援事業は廃止しました。しかし、以前一般就労した利用者の勤務先とのコンタクトを継続し、定着状況の確認と必要に応じて対応を行っています。また面談等で利用者が一般就労を希望した際には、ハローワークに求人登録を行い、就労に向けて企業情報を提供し、実習に付添う等、就労に結びつけられるようサポートしています。新しい施設として、受注先の開拓が今後の課題です。