社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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若草保育園

2022年01月28日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 若草保育園 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 109名(100名) 名
所在地 242-0005
大和市西鶴間8-4-20
TEL 046-276-1050 ホームページ http://www.satori-hoikuen.com/ty-wakakusa/index.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2014年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人さとり
職員数
常勤職員:16 名
非常勤職員:10 名
専門職員
保育士: 名
施設・設備の概要
保育室:6
トイレ:幼児用:2
トイレ:職員用:2
調理室:1
事務室:1
園庭:あり  

③ 理念・基本方針
保育理念
・子ども一人ひとりを大切にし、保護者との一体感を持ち、地域との交流を深め、愛される保育園を目指す。

保育方針
・子どもの人権を尊重し子どもにあった保育を保障する。
・子どもの心とからだ(生きる力)の基礎を育てる。
・地域子育て支援をしていく。

保育目標
・想像力豊かで意欲的な子
・みんなと楽しくあそべる子
・自分の気持ちが言える子

④ 施設・事業所の特徴的な取組
・専門講師による「体操教室」のカリキュラムを取り入れている。

・保育業務支援システムの導入(職員、保護者の入退室の管理や電子決済など)

・防犯カメラ、事故防止カメラの設置

・法人職員(主任保育士)が救急応急手当普及員資格を取得し、法人内で職員に対し普通救命講習を実施できる

・地域子育て支援に取り組んでいる(育児講座・遊ぼうかい・食べようかい・ばぶちゃんくらぶ・おひさま相談)

・年度始めには、行事、月担当など分担が決まっていてきちんと取り組める体制ができている。

・会議等で意見を言いやすい環境を作り、園児、保護者、行事など様々な意見交換ができていることで次へ繋げることが出来る。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/05/20(契約日) ~2022/01/06(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2018年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)選べる遊びを通じての生活環境が整備されています
各保育室の低い棚にはおもちゃ、玩具、ブロック、絵本など自分で選べるように常時置いてあるほか、コーナーも作っています。廃材で作った小屋風のもの、押し入れの下の狭い空間、衝立など子どもが好む空間作りをしています。職員は子どもが自分でやりたい気持ち、意欲を大切にしながらその時々の子どもの興味関心に寄り添い、遊びの環境を整えるようにしています。職員の声(大きさ、トーンなど)も大切な環境と考え、意識しています。廊下では、ドングリケーキ作りが楽しくてやめられない子どもが職員とマンツーマンでやりとりを楽しんでいる場面や、遠足ごっこで保育室に一人ひとりがシートを広げ、楽しそうに保護者の手作り弁当を食べていました。

2)地域と連携した子育て支援を実施しています
現在の運営法人に民間移管される前の公立保育園時代から地域の子育て支援事業に力を入れており、園はそれを継承しています。市の地域子育て連絡会(鶴間・南林間地区)と密に連携を図りながら、専任の職員を2名配置し、あそぼう会、たべよう会、ばぶちゃんくらぶ、おひさま相談など、把握した福祉ニーズに基づいた事業を展開しています。コロナ禍が続き、計画通りの支援事業が行えない面もありますが、個別対応でのばぶちゃんくらぶ(栄養士と市の保健師による育児講座)を12月に開催予定など、地域の子育て支援のために工夫しながら取り組んでいます。

3)質の高い保育を提供するために取り組んでいます
常勤・非常勤にかかわらず職員の定着率が高く、安定した人材の確保及び保育の提供ができていることに加え、職員間のコミュニケーションも良く、自分のクラスだけではなく全体に目を向け、必要な時にはフォローし合っています。その他、環境チーム、行事、月担当などの役割もあり、連携を図っています。職員会議は各職員が発言しやすい環境をつくり、実際に活発な意見交換が行われています。園内研修においても、子ども主体の保育について出された意見には「学び直さなければいけない」「他の職員を見て学ぶこともある」などあり、保育サービスの質の向上に真摯に保育に向き合う姿勢があります。
改善を求められる点 1)保護者との連携の取組
懇談会、園行事参加など保育の意図や保育内容、保護者と子どもの成長を共有できるような機会を持つようにしています。長引くコロナ禍のために、これらが計画通りに実施できない状況です。コロナ禍の中で、保護者との連携の取組を検討し、工夫すると共に、再開への準備が期待されます。

2)園内研修の充実
今年度の園内研修では子ども主体の保育や子どもの最善の利益についての振り返りをし、スキルアップを図っています。しかし、長引くコロナ禍の影響で障がい児保育や嘔吐処理など職員の希望に応じられていない現状があります。今後はタイムリーに緊急性の高い研修を実施できるよう工夫が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今回第三者評価を受け、職員間で法人・園・保育の事を改めて考え、振り返る貴重な機会になりました。改善点だけでなくできている所を評価して頂き、励みにもなりました。
また、若草保育園の園長になって1年半ですが、職員が現状に満足する事なくより良い保育を目指して取り組んでいることが分かりました。これから改善点を話し合い、保護者の方々と子育ての喜びを感じることができる保育を目指していきたいと思います。
保護者の皆様には、アンケートのご協力をいただきまして有難うございました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

法人内の保育園共通の基本理念、保育方針及び園独自の目標で子どもの人権を尊重し、園の目指す方向、考え方を明文化しています。それらは、職員の行動規範となる具体的な内容になっています。毎年度末には園の目標について職員と見直しをしています。理念・方針について保護者には園見学の段階から説明し、入園説明会資料による説明のほか、園内掲示でも周知に努めていますが、さらに保護者の認知度を高めていくために年度初めの若草だよりに理念・方針を掲載する方向での話し合いを行いました。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

社会福祉事業全体の動向や各種福祉計画の策定動向と内容については法人が把握・分析をしており、園は法人の方針に基づいて運営を行っています。毎月、利用率、利用者の推移の把握や給食費など保育のコスト分析をしています。民間移管される前の公立保育園時代からの歴史があり、町内会、高齢者施設、子育て支援事業など地域との関わりが継続していることも園の特徴としています。今後も子どもの数・保護者像の変化、保育ニーズ、潜在的利用者に関するデータ等、課題の把握・分析の継続が望まれます。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

法人が収集・分析した事業所運営に影響のある重要な情報や課題は、法人内の園長会の中で定期的に示されています。その後、運営に必要性のある内容に関しては職員会議などで報告し、重点改善課題として設定されていく体制があります。新型コロナ感染症の流行・拡大により、その予防対策に力を入れています。運営に必要性のある課題について、全職員にさらに周知していく必要があると園長は考えています。周知の継続が望まれます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

中長期計画及び収支計画は法人が策定し、ホームページで公表をしています。法人としての1~3年スパンで計画中の「サービスの向上」については、利用者の満足度調査・アンケート、第三者評価の継続実施とし、3~5年の展望としては各マニュアルの整備、災害時の備蓄品の整備を継続していくとしています。それらは毎年実施状況の評価を行い、追加記載や継続事項としています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

法人が策定した単年度の事業計画があり、ホームページで公表をしています。それに基づき園としての単年度の事業計画を策定しています。コロナ対策を行った上での安全な保育の行い方や行事計画、購入予定品目など実行可能な具体的な内容となっています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

法人が策定する事業計画(中長期計画及び単年度計画)は法人内の各園からの意見の集約・反映のもとで策定されています。事業計画の実施状況については運営法人で実施状況の把握や評価・見直しをしています。しかし、法人策定の事業計画そのものを園の職員へ周知・理解を促す取組は今後の検討課題と考えています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

事業計画に基づいた園の保育や行事計画については、毎年年度初めの懇談会で子どもの育ちなども含め保護者に分かりやすく説明をしていました。今年度はコロナ禍のため、懇談会の開催ができていませんが、その代替策として、若草だよりで各担任の写真を添え、1年間の保育について丁寧にお知らせをしています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

指導計画作成、行事計画、全体の計画、人材育成等、保育の質の向上に向け、PDCAサイクルで取り組んでいます。年間指導計画、月間指導計画、週案・日誌に自己評価欄があり、職員は日々の保育の評価をし、園長、主任が確認をしています。その他、職員の年1回の自己評価や保護者アンケートなどから明らかになった課題もまとめ、毎年、改善や保育の質の向上に向けた園の自己評価を行っています。第三者評価は今年度で2回目の受審です。評価結果を分析・検討する場として、職員会議、乳児・幼児会議等があります。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

毎年園の自己評価を行い、保護者アンケート結果も参考に、取り組むべき課題を明確にして計画的な改善を行っています。優先順位や予算等を考慮し順次改善をしています。単年度で解決できないことは次年度に引き継ぎ、計画的に取り組んでいます。今年度は、更なるサービスの質の向上に向け、第三者評価受審のための自己評価にも取り組みました。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

園長は、園をリードする立場として日頃から主任と連携を図りながら全体の把握に努めているほか、会議などを利用し、方針と取組目標や内容について全職員に伝えています。園長自らの役割と責任については「運営管理規定」に明記されています。しかし、それを表明することはしていません。何らかの形で表明することが期待されます。平常時は「職員分担表」で、有事の際は「自主防災組織の編成と任務」に従い、園長不在時には主任が代行職員として役割を担うことになっています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

児童福祉法、子ども子育て支援法など関係法令等を遵守し、必要な保育・教育を提供することを事業の目的としています。園長は法人の指示に従い、利害関係者との適正な関係を保持しています。また、定期的な法人内の園長会で法令遵守について話し合うほか、環境に配慮した保育(エコやリサイクルなど)の重要性についても環境チームを作って取り組んでおり、十分な理解をしています。更に、他施設での不適切な事案などを取り上げて話し合いを重ねることで福祉に携わる職員としての心構え、行動につながるようにしています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、日々積極的にクラスを巡回しています。指導計画や日誌も確認をしています。それらから現状の課題を見つけては指導やアドバイスをしています。職員の自信や意欲につながるよう、保育の良い点を伝えたり、改善策を提案したり、一緒に考えたりしながら保育の質の向上に努めています。職員会議は各職員が発言しやすい環境をつくり、実際に活発な意見交換が行われています。しかし、長引くコロナ禍により、計画通りの外部研修受講や園内研修が行えない状況があります。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は効果的・効率的な事務、休憩時間の確保、職員の残業の削減などを常に考え、業務の実効性を高めるようにしています。子どもやクラスの様子を始め、職員の力量や全体のバランスを考慮しながら園長は組織体制作りをしています。会議では課題や改善に向けた方向性を示しています。園長は主任と共に働きやすい環境づくりに取り組んでいます。日々職員配置や体制を考慮し、お互いのコミュニケーションを密にすることで、自分のクラスだけでなく、全体に目を向け、必要な時にはフォローし合い、記録などの事務作業を進めていく指導を続けています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

職員の採用は法人が行っています。園の職員の定着率が高く、安定した人材の確保ができていますが、人材が必要な場合は法人に打診をしています。現法人に民間移管される前の公立保育園時代から勤務をしている非常勤職員もいます。しかし、コロナ禍の影響で、人材育成に関し計画通りに行えていない部分(外部研修、園内研修など)があります。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

「職員の心得」の中で、期待する職員像を明確にしています。法人の人事規定や賃金規定で人事基準を定めています。年に2回の園長面談があり、職務に関する成果や貢献度を等を評価しています。また、職員の意向調査を行い、異動・退職などの確認をしています。年2回の園長面談でも意向の確認をしています。これらを通し、職員は自らの将来に見通しを持った働き方ができる体制を作っています。コロナ禍が続き、キャリアアップに必要な研修の受講が難しくなり、対策を講じています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

園長は主任と連携し、職員の就業状況を確認しながら一人ひとりの状況や意向に合わせシフトを調整しています。法人の相談窓口があり、職員は必要な時に利用することができます。園長との定期的な個人面談のほか、気づいたことがあれば随時面談で話をすることで、心身の状態や悩みなどを把握し、改善策を常に検討しています。ワークライフバランスに考慮し、育児休暇後の時短勤務にも配慮をしています。職員の心身の健康と安全の確保のため、産業医の配置を法人で検討しています。さらなる働きやすい職場作りの取組が期待されます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

「職員の心得」の中で、期待する職員像を明確にしています。職員自身が年間の目標を立て、それに対する具体的な取組や行動などを設定しています。年2回、園長との面談で振り返りや目標達成度を確認していますが、職員の目標管理シートの捉え方にバラつきが起きないような仕組み作りの強化も望まれます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

「職員の心得」の中で、期待する職員像を明確にしています。研修計画があり、該当する職員が受講できるようになっています。しかし、コロナ禍の影響により外部研修受講が難しくなっていること(受講の抽選漏れを含む)や、職員教育・育成に必要と思われる園内研修開催についても職員の希望に応じられていない現状があります。今後の検討が期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

研修計画表があり、職員の研修受講状況を把握しています。職員の経験や習熟度に配慮した個別的なOJTが必要な場合は適切に行う体制があります。年齢別保育、保護者支援、障がい児など職員の職務や必要とする知識・技術水準に応じた研修受講ができるよう配慮をしています。非常勤職員は園内研修で学べるようにしています。不参加の場合は研修ノートの閲覧をしています。子どもの最善の利益について振り返りをする研修時に、チェックリストを全職員に配付をしました。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

毎年実習生の受け入れがあり、福祉の人材育成はもちろん自らの保育を振り返える機会にもなっていますが、マニュアルの中に実習生の研修・育成に関する基本姿勢の明文化がありませんでした。実習指導者に対する研修は実施していません。実習生の受け入れをした時は、学生により部分実習や責任実習の機会を持ち、より実践に近い形で実習ができるようにしています。担当職員は、毎日実習生との反省会を設け、意見や質問に対応しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人ホームページ、園パンフレットに基本方針や園情報を載せています。運営内容、予算、決算などは、法人のホームページで公表しています。今回受審の第三者評価結果は後日公表します。苦情・相談の内容に基づく改善・対応の状況については法人のホームページで公表をしていますが、昨年度は特にありませんでした。地域の福祉向上のための子育て支援の取り組みをチラシで案内したり、園外掲示で知らせたりしています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人として適正な会計、経理の仕組みがあり、ホームページで公表しています。法人として行った外部監査や、専門家による指摘やアドバイスを得て経営改善をし、ホームページで公表しています。それに基づく対応をしていくための園の管理責任者は園長です。園内の経費精算については法人に適切に報告されています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

現法人に民間移管される前の公立保育園時代から地域の子育て支援事業に力を入れ、それを継承しています。子育て支援事業には専任の職員2名を配置しているほか、民生委員の協力があります。また、自治会館での絵画展示やアートフェスティバルへの作品出展(今年度は手作りサッカーハウス)、地域の知的障がい児者の通所施設、高齢者施設との交流、自治会をはじめ地域の人を招いての会食などもあり、交流が活発で子どもたちは地域の中で育っています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティア受け入れマニュアルがあり、受け入れ時の基本姿勢が明文化されています。学校教育との連携では中学生、高校生のボランティア受け入れ(コロナ前)があります。お話の会、太極拳、保育補助などコロナ禍以前は多彩なボランティアの協力があり、園での子どもたちの生活の幅が広がっていました。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

子ども・保護者の状況に対応できる関係機関(行政、病院、教育機関、児童相談所など)をリスト化しています。事務室に掲示し、職員に周知しています。大和市の園長会、幼保小連絡会のほか、地域子育て連絡会と連携を図りながら子育て支援事業を展開しています。子どもの発育、発達に関して、必要であれば、行政や療育センターとの相談、連携につなげています。権利侵害が疑われる場合は、行政、児童相談所、警察署と連携を図っていく体制としています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

現法人に民間移管される前の公立保育園時代から地域の子育て支援事業に力を入れており、園はそれを継承しています。地域子育て連絡会と密に連携を図り、育児相談、園開放、子育ての情報提供、たべよう会、出張保育など交流保育を行い、地域の子どもやその保護者と交流しています。また、新型コロナウイルス感染症に配慮し、個別対応でのばぶちゃんくらぶ(栄養士と市の保健師による育児講座)を11月に開催する予定など、地域ニーズを把握し、今後の取組に生かしています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域子育て連絡会と密に連携を図りながら、把握した福祉ニーズに基づいた子育て支援事業を展開しています。会に参加をしている他事業所の情報も掲載した「鶴間・南林間地区子育て活動マップ」を作成し、配布しています。園の子育て支援事業は民生委員の協力も得ています。年長児が、いつも使用している隣の公園清掃を行っています。園はAEDステーションとしての役割がありますが、園の運営上、有事の際の近隣住民の安全・安心のための備えや支援の取組は行っていません。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

事業の目的、保育理念、保育方針は子どもを尊重したもので、子どもを尊重した保育に関する基本姿勢は、保育マニュアル、各指導計画に反映されています。性差、文化や生活習慣の違いなどは、お互いに尊重し、理解しあえるようにしています。子どもの尊重や人権についての園内研修や話し合いをしていますが、更なる共通理解や知識の定着が必要と考えています。保護者理解の向上とあわせ、今後の取組が期待されます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシー保護に関するマニュアル、「個人情報保護方針」を整備し掲示しています。保育活動に関わる園児の肖像権等の個人情報提供及び利用について、園の運営方針をまとめ、保護者に伝え、承諾を得ています。子どもの着替えや、シャワーの際には、シートを張り外部から見えないように配慮し、遠足などの園外活動では、園児が付ける名札は、名前を隠すタイプの物を使っています。プライバシーマニュアルを毎年1回、全職員が読み返しを行い、いつでも確認出来るようにしています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

市役所や保健福祉センターなどに園のパンフレットや子育て支援のチラシを常置し、必要な人が手にすることができるようにしています。園外掲示もしています。園では子育て支援事業を積極的に行っており、交流保育や給食を一緒に食べる機会などで園の説明を心がけています。園見学は事前の予約制で個別に対応しています。見学者は子育て支援事業参加で園の雰囲気を良く知っている人や、民間移管される前の公立保育園時代に保護者自身が通っていた人が多い傾向があります。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

入園開始の説明には、取りまとめた確認資料を配布して説明を行い、承諾と同意書の提出を得ています。その際には、確認書類と提出書類を分かりやすく記載した「配付書類一覧」で確認事項を分かりやすく説明しています。保護者から保育の変更にあたっては、申請書の提出等により保護者の同意を得て書面に残しています。保育内容の変更時には、おたよりや玄関掲示で知らせています。特に配慮が必要な保護者に対しては、その都度の対応としており、ルール化した適正な説明、運用が期待されます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育園の転園にあたり、子どもの個人情報保護の観点から書面での情報提供は行っていません。必要であれば、行政を通じて情報共有しています。保育所利用が終了した時には、園長が持っている園の携帯電話番号を知らせ、開所時間外であっても相談対応できることなど口頭で説明しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者の満足度を把握する仕組みでは、園行事後のアンケートで感想や意見を聞き、次回の行事につなげるようにしています。日頃の会話や連絡ノートに記載された内容、個別面談などで出された意向も職員で共有し、満足度を把握するようにしています。園には、自主的な保護者会組織はありません。今後は、行事アンケートだけでなく、満足度アンケートの実施を検討しています。取組が期待されます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

入園の説明事項に苦情に関する解決について、定められた責任者、担当者、第三者委員、苦情解決の方法、運営適正化委員会の紹介を明記し説明しています。第三者委員を告知していますが、保護者は知らない方が多く、周知が課題となっています。運営法人のホームページに園ごとの「ご意見対応結果」を公表する仕組みがありますが、昨年度の公表事例はありません。保護者が意見を述べやすくするため、玄関に意見箱を設置していますが、送迎時等に直接意見を聞くことが多く、苦情があった場合は、速やかに園長に伝え、検討結果、対応策について保護者に回答することとしています。その後の経過にも対応するように努めています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

入園時の「保育園のしおり」において 保育の悩みや、意見、要望がある場合には、電話または、送迎時の保育士に直接相談、または連絡帳の利用などで、その旨を伝えるように説明しています。職員と気まずくなるのではないかとの心配がないよう、出来る限り保護者の意見、要望に応えることを明記し伝えています。保護者の相談を受ける際には、保護者の時間に合わせて、子育て支援の部屋や職員休憩室を利用する事も可能で、落ち着いて話せる環境にも配慮しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

保護者からの相談には保護者の時間に合わせるなど、適切な対応と意見の傾聴に努めています。意見箱の設置や行事後アンケートの実施で保護者の意見を把握するようにしています。相談を受けた際には、内容に応じて職員会議で検討し、状況を速やかに説明するように努めています。相談を受けた際の記録や報告の手順、対応策の検討等についてフローチャートで作成していますが、定期的な見直しは行っていません。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスクマネジメントに関する責任者は園長です。「危機管理マニュアル」を整備し職員に周知しています。子どもの安心安全を脅かす事例を「ヒヤリハットノート」に記載し、職員は情報を共有しています。実践的なことを考慮し、抜き打ちで不審者対応の訓練を行っています。職員に安全確保・事故防止に関する研修を行っています。事故防止や安全確保策の実施状況や実効性についてはその都度の見直しだけで、定期的な評価見直しが必要と考えています。今後の定期的な取組が期待されます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

感染対応マニュアル、感染症対策のガイドラインを作成、整備し、感染対策について役割を明確にしています。入園時に、感染症が発生した場合の登園停止や医師の治癒証明の必要性等を保護者に説明しています。不定期ですが、感染症に関する注意点を記載した保健だよりを配付しています。各クラスに嘔吐処理マニュアルを置き、速やかで適切な対応ができるよう努めています。感染症が発生した際には玄関に掲示しています。しかし、職員が園内研修で実践的に学ぶ機会については不十分と考えています。定期的な研修勉強会の開催が期待されます。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

各場所の火元責任者を設置しています。災害時には、保護者とメールで緊急連絡が取れるようしています。食料や備品類等のリストを作成し、3日分程度の備蓄品を備え、アレルギー対応食にも配慮しています。地域の避難場所は、日頃の散歩コースとなっており、道順や時間等を把握しています。2階からの避難経路が老朽化しているため、安全の確認が望まれます。消防署とは年2回の通報訓練で連携を図っていますが、災害時における他団体との協力までには至っていません。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

標準的な保育サービスの実施方法は、「全体的な計画」にもとづいて年間計画から、月案、週案、日誌に至るまで保育の実施を計画し取り組んでいます。「全体的な計画」には子どもの尊重、権利擁護に関わる姿勢が明記されています。「職員の心得」が業務マニュアルになっているほか、業務の標準化のための各種マニュアルがあり、毎年、全職員が各自で読み込み、確認後にチェックすることをルール化しています。各クラスの日常業務の確認は園長・主任が行っています。マニュアルにもとづいた適切な対応ができるよう、訓練(避難・通報・不審者想定など)を行っています。しかし、職員が園内研修等で実践的に学ぶ機会については不十分と考えています。定期的な研修勉強会の開催が期待されます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

保育の内容の見直しについてはPDCAサイクルで検討をし、子どもの姿と保育や環境がふさわしいか話し合っています。また、保護者には意見箱、懇談会、行事アンケートなどから寄せられた意向や意見を計画に反映する仕組みがありますが、現在はコロナ禍が続き、思うように機能していません。マニュアルや手順書に関しても園の現状に即しているか、定期的な見直しが望まれます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

入園時に、子ども一人ひとりの心身の発達状況や家庭での状況を児童家庭調査票や健康診断表で把握しています。アレルギーのある子どもの保護者からは、医師の確認のもと、生活管理指導表の提出を受け、個別の指導計画にも反映し配慮しています。個別指導計画には、日々の様子や成長を記録しています。年に2回、市の巡回相談員の訪問のほか、療育センターの臨床心理士の訪問があり、アドバイスを受けたり、情報を共有しています。職員会議でケースをあげ、職員で対応を協議し指導計画へ反映させる仕組みが出来ています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

週案・日案は毎日、月間指導計画は毎月、年間指導計画は期ごとに振り返りと評価をし、見直しています。クラス担任が作成した指導計画は園長・主任が確認しています。保護者の意向は入園時の提出書類及び入園前の面談で把握し、入園後は連絡帳、日頃の会話等で把握しています。職員は子どもの発達や活動の様子の状況把握を常に行い、気づきや課題を次期計画に反映させていますが、保育の質の向上に関わることとしてそれらをさらに明確化していく必要があると考えています。今後の取組が期待されます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子ども一人ひとりの個人記録を定期的に記入しています。今日の出来事、子どもの姿、食事やおやつの様子、活動の様子、自己評価の記録を盛り込み把握、計画の振り返りを行っています。記録の書き方の指導は園長・主任が行っています。毎月の職員会議、乳幼児会議での報告、朝礼(ミーティング)での情報共有を始め、記録を残し、確認後のチェックをルール化しています。しかし、情報伝達の漏れがあることは否めないので、さらなる強化が必要と考えています。今後の取組が望まれます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

入園時に、「個人情報保護の方針」の趣旨を説明し、承諾書を得ています。保護者の見やすい場所に個人情報の方針を掲示しています。連絡カードや個人情報等の書類は、事務所より持出禁止となっており、保護者からは目に付かないようにしています。個人情報保護規定やマニュアルがあり職員はそれらを理解し、遵守しています。書類等は、定められ保管期限に従って管理破棄しています。職員間で子どもの個人情報になり得ることや仕事に関することについて、個人のスマートフォンやパソコン等でのやり取りは、行わないよう指導をしています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、児童憲章、保育所保育指針を踏まえながら、子どもの発達や生活の連続性を十分に考慮し、子どもの健全な育ちを中心に作成しているほか、保育理念・方針・保育目標を土台とし、地域の実態に対応した保育事業と行事への参加、地域との関わりなども検討しながら作成しています。全体的な計画は、毎年年度末に見直しや確認の機会を作り、職員間で話し合っています。それを次年度の指導計画や保育等に反映しています。全体的な計画は昨年度に大幅な見直し・修正をしました。今年度は全体的な計画に基づく、保健計画と食育計画の見直しをしています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

建物の築年数による設備等の古さは否めませんが、保育室他、トイレや廊下といった共用部分は用務職員を中心に清掃をし適切な衛生状態を保っています。保育室内はエアコン、加湿・除湿機能付き空気清浄機、扇風機などを設置し、保育室の温湿度に配慮し、日誌に記録しています。米軍厚木基地が近い地域柄、窓は二重にしています。新型コロナウイルス感染拡大対策の一環から、窓は常に開け、消毒にも気を配っています。寝具の衛生については毎週保護者に持ち帰りをお願いし、衛生管理をしてもらっています。職員の声(大きさ、トーンなど)も大切な環境と考え、意識をしています。保育室の家具や遊具については、年齢、季節、子どもの様子などを見て遊具の素材を選び、子どもの発達段階、動線、安全に配慮した環境構成をしています。また、カーペット、机などを利用して食事や遊び、睡眠の分かりやすいスペース分けをしています。子どもが落ち着いたり、くつろげる場所としてコーナーを利用しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

入園時に保護者に提出をお願いした児童票や入園時の個別面談からの情報、入園後の子どもと職員の関わり、観察などからも子どもを把握し、十分に尊重しています。職員は子どもの得意不得意があってもそれぞれの子どもの個性を尊重した対応をしています。子どもの気持ちや欲求を受け止めていますが、自分の気持ちを強く主張できない子どもに対しては、子どもの気持ちに寄り添い、職員から声をかけたり、できる限り子どもの言葉に耳を傾けるようにし、共感したり思いを代弁したりしています。子どもの対応については現場の職員間でフォローし合っています。園内研修では、子どもの主体性保育について、職員一人ひとりの意見を出しあってます。「否定的な言葉でなく、こうすると素敵だね、と声かけできるように」の意見の一方、「指示出しや禁止用語を言ってしまうことがある」といった反省を込めた意見も出ています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもが基本的な生活習慣を身につけていくために、食事面では離乳食を個々の発育状況に合わせて進めています。食具の使い方(手づかみ食べからスプーン・フォーク、箸へと段階を追って)、姿勢を保つなど子どもの成長に合わせて伝えたり、援助したりしています。排泄面では活動の区切りにトイレへの声かけや促しを行い、一人ひとりの排尿の感覚やリズムに合わせて個別に対応しています。新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、今年度、園では歯磨きを行わず、うがいをしています。子どもの挑戦しようとする気持ちを認め、出来たときは褒め自信につなげています。しかし、子どものその日の体調や気持ちにも波があり、手をかけることもありますが手伝いすぎないようにしています。また、職員が率先して手本を示したり、絵本、紙芝居など分かりやすく説明する機会を作っています。活動は静と動のバランスを考慮し、乳児の午前寝のほか、様子を見ながら適宜くつろぐ時間や休息時間を作るようにしています。園で心がけていることを保護者にも伝えていますが、共有に関し十分ではない部分があると考えています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

各保育室の低い棚にはおもちゃ、玩具、ブロック、絵本など自分で選べるように置いているほか、コーナーも作っています。廃材で作った小屋風のもの、押し入れの下の狭い空間、衝立など子どもが好む空間作りをしています。園では外部講師を招いた体操教室(幼児)と職員指導によるリズム (全園児)を行っています。継続することで、子どもの体の使い方が上手くなってきています。また、園の隣を始め、周辺に公園がいくつもあるので積極的に出かけています。公園の特徴により広場を駆け回ったり、遊具で遊んだり、さまざまな場所で自然とふれあい、季節を感じ取れるようにしています。活動の前にはルールの説明や危険性についてなど、子どもたちに話しています。必要に応じて子どもと一緒に考えることで、気をつける判断力を養っていきます。園は地域支援事業を始めとした地域交流活動が活発で、子どもたちは地域の中で育っています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

0歳児は、個別の連絡ノートや口頭でのやりとりなど保護者との情報共有を密に、24時間の生活リズムを視野に入れた保育をしています。月齢差が特に大きい時期のため、同じ空間で過ごしても一人ひとりの状況にあった関わり方を丁寧にしてます。喃語には喃語で返したり、言葉に置き換えて代弁をしたり、職員はゆったりとした言葉かけやスキンシップをとりながら、子どもの表情や様子を感じ取り、情緒的な絆を築いています。職員との安定した関係性の中、生活や遊びが充実するようにしています。また、月齢や一人ひとりの成長に合わせた玩具のほか、生活用具、絵本など自分で取り出せるようにしています。歩くことを覚え、楽し気にしている子どもの真似を職員も一緒にし、お互いが笑顔になっている場面や畳スペースを自由にハイハイをしている場面がありました。しかし、子どもの状態によってはさらに十分な配慮が必要であると考えています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

子どもが自分でやりたい気持ちや意欲を大切にしながら見守り、励ましています。視診室では、ドングリケーキ作りが楽しくてやめられない子どもが職員とマンツーマンでやりとりを楽しんでいる場面がありました。ほかの子どもたちも保育室で思い思いに遊んでいます。職員は、おもちゃの取り合いや、たたく、噛むなど自我が芽生える育ちの過程での行動に注意しています。友だちに言葉で自分の気持ちを上手く伝えられない時は、職員が仲立ちをしています。保護者とは個別の連絡ノートや口頭でやりとりし、得られた情報を保育に生かしています。保育室には月齢や一人ひとりの成長に合わせたおもちゃのほか、生活用具、絵本など自分で取り出せるようにしていますが、子どもが興味と関心を持つことができる生活と遊びへの環境配慮について更に検討が必要と考えています。取組の継続が望まれます。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

3歳児以上の保育に関して、その時々の子どもの興味関心に寄り添い、遊びの環境を整えるようにしています。活動を集団で決める時は子ども同士が意見を出し合ってから、職員が方向性を導きだしていくようにしています。活動を通し仲間の一人としての自覚を持ち、自主性や自立性を育むよう援助をしています。大きな行事に取り組むことを通し、自分だけで動くのではなく「友だちのため」「皆と一緒に」など頑張る経験をする機会もあります。仲間と活動や生活をしていく中でのさまざまな経験を成長につなげています。3歳児クラス以上は個別の連絡ノートがないので、日々の活動の様子は玄関に活動ノートを置き、保護者が見ることができるようにしています。小学校とは幼保小連絡会を通した交流のほか、5歳児が就学する小学校とは、保育児童要録を送る前に教員の訪問があります。子ども一人ひとりに合わせた配慮を心がけていますが、保護者や子どもにとって十分でなかった部分もあるのではと考えています。さらなる配慮が望まれます。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

園舎は公立保育園時代から建て替えや修繕工事がなく、身体的な障がいのある子ども(車いす使用など)には玄関の段差にすのこを置く配慮ができる程度になっています。実際の保育についてはクラスの指導計画と関連づけ、子どもの障がい特性や発達の様子、保護者との面談内容などを考慮した個別指導計画を立てています。集団生活を共に過ごす中で、子ども同士のかかわり合いを見守ったり、必要な援助をしたり、互いを認め合い、育ちあえるようにしています。クールダウンが必要な場合は衝立を立てたり、手作りハウスで過ごしたりなど配慮した環境作りをしています。障がいのある子どもの保育について、研修受講のほか、市の巡回訪問相談があり、個別のケースについてアドバイスを受けていますが、限られた人員・時間の中で共有が難しい面があり、職員一人ひとりがさらに必要な知識や情報を得ることが必要と考えています。今後のさらなる取組が望まれます。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

7時~19時の長時間にわたる保育のために、子どもの体調等に配慮し、活動内容及び時間の計画を立てています。朝と夕方からの延長保育時間は担当が固定している職員がおり、子どもの安心感につながっています。また、2歳児クラスまでは朝おやつ(牛乳と軽めのおせんべい程度)があり、どのクラスも水分補給がいつでもできるよう麦茶を用意をしているほか、契約の保育時間により、夕食にひびかない程度の補食を提供しています。子どもの状態について職員間の引継ぎは「引継ぎ簿」を使用し、口頭でも情報を引き継いでいます。保護者への伝達も「引継ぎ簿」を使い、伝達後はチェックをしています。その他、保育室は家庭的でゆったりと過ごすことができる環境を整え、子どもの状況に応じて穏やかに過ごせるようにしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

小学校との連携、就学を見通した計画に基づいて保育の内容や方法、保護者との関りに配慮しています。クラス担任のみではなく、子育て経験や、その他の職員の実体験も含め、園全体で子どもの就学に向けて成長の見守りと支援を行っています。午睡を減らしたり、遊具の使い方、タオル・ハンカチの使い方、マスクに慣れるなどを保育活動の一貫に盛り込んでいます。園には和式トイレがあり、使い方の練習も取り入れています。保護者とは小学校以降の生活を見通せるような関わりや話をしており、保護者からの質問を小学校に確認することもしています。就学先の教員に子どもの姿や、配慮点等の引継ぎを行っています。幼保小連絡協議会に参加し情報を得たりなど、園で出来る事は、計画を立てながら保育に取り入れています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康管理に関するマニュアルを整備しています。SIDS(乳幼児突然死症候群)マニュアル、呼吸チェック表、個人健康記録等を整備し、子ども一人ひとりの心身の健康状態を把握しています。SIDSはポスターを掲示しています。0歳児の入園時の面接でSIDSの話をして、仰向け寝の習慣をつけてもらうようにしています。0~2歳児クラスは、午睡チェック表に記録し確認しています。幼児クラスは、顔色、呼吸の確認を行っています。一人ひとりの子どもの健康状態に関する情報を必要に応じて職員で共有し、休み明けには、特に観察と、保護者からの聞き取りを丁寧に行っています。「ケガ・病気の記録帳」があります。事後の記録欄もあり、全職員が目を通せるようにしています。ケガや発熱があった場合は、保護者に電話連絡を行い、口頭で状況説明をして、その後の支援も継続して行っています。年度末に児童家庭調査票を保護者に返却し、罹患や予防接種状況の追記をお願いしています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

嘱託医による、内科健診、歯科健診を年2回行っています。尿健診は年1回、身体測定は毎月行っています。健診前には保護者から質問や相談等を予め聞いておき、健診時に医師に伝え、回答をもらっています。内科健診結果(削除)、歯科健診結果は連絡ノートで報告しています。受診の必要がある場合は個別に伝えています。身体測定、健診結果は、個別ファイルに残し、職員間で共有しています。園の嘱託医とは、子どもが保育中に体調が悪くなった場合に電話で相談したりと日頃から連携を図っています。コロナ禍のため、園での歯磨きは控えているので、家庭でしっかり磨いてもらうよう協力をお願いしています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもに対して、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」をもとに子どもの状況に応じて適切な対応を行っています。「食物アレルギー対応給食マニュアル」をもとに、毎月、給食会議を行っています。アレルギーの食材変更、解除には、園長、担任、給食担当者で会議を行い、安心、安全な給食提供の取組を行っています。入園時に保護者に保育園の給食で使用する食品・食材の一覧表を知らせ、確認の上、了承を得ています。また、アレルギー疾患のある子どもの保護者は、「保育所等におけるアレルギー疾患生活管理表」を医師の承認のもと、園に提出しています。給食を受け取る際には、トレイを色分けし、給食室で作った人、受け取った人、配膳した人の3箇所で、確認を行っています。アレルギーについての研修を受け、必要な知識や情報を得たり、技術を習得した職員がいます。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

園では、年齢ごとに年間食育計画を立て、食育担当を設定して、集会を行い食事への関心につながるように意見を出し、検討を行っています。季節の野菜や料理、食事のマナー、栄養、野菜の栽培、非常食、食のごっこ遊び等、細目にわたり取り組んでいます。訪問時には、遠足ごっこで保育室に一人ひとりがシートを広げ、楽しそうにお弁当を食べていました。園庭で取れた野菜を調理したり、給食の献立に盛り込んだり、食に関する話を絵本や紙芝居を使い、食に興味を深めるようにしています。毎月、9種類ほど献立レシピを用意して、保護者が持ち帰ることができるようにしています。箸遊びを通して箸を持つ練習をしています。食事は、無理強いはせず、食べることが出来たら十分に褒めることを大切にしています。「食べようかい」では地域の人と楽しく会食をする機会(コロナ禍で休止中)があります。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

給食は外部委託です。献立は旬の食材、年中行事食を含む季節感、和洋中のバランスなどを配慮し作成しています。異文化の食事や行事に関心を持つことも、食育計画に盛り込んでいます。低年齢児クラスは、こまめに栄養士が見回り、子どもの喫食状況を観察していますが、低年齢児だけでなく、幼児クラスでも子どもたちの食事の様子や話を聞く機会を持つことが望まれます。離乳食やミルクは月齢にこだわらず子ども一人ひとりの発育状況や嚥下状態など保護者と相談しながら対応しています。喫食状況は各クラスの日誌に記録しています。献立は2週間ごとのサイクルメニューなので、味付け、硬さ、食材の切り方など次回に速やかに反映できています。食べる前に苦手な食材があれば子どもの申告で減らすなど、食べられる量を調整していますが、食べられるようなったら、規定の量に戻すようにしています。保健衛生マニュアルを整備し、衛生管理の徹底に努めています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

連絡ノート等により、家庭との日常的な情報交換を行っています。送迎時の保護者との会話を大切にして心配なことや不安なことを聞き取り、対応できるようにしています。保護者から個人面談の希望があれば対応し、個人面談記録用紙にまとめ、職員間で共有できるようにしています。一人ひとりの子どもに成長が見られた時には、保護者に伝え、成長を共有できるように支援しています。しかし、長引くコロナ禍のため、朝夕の送り迎えは密を避けるため、クラス担任とのやりとりは以前よりも減っています。懇談会、園行事参加など保育の意図や保育内容、保護者と子どもの成長を共有できるような機会を持つことも計画通りに実施できない状況があります。コロナ収束後の保護者との緊密な連携の取組の再開が期待されます。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者からの相談があれば、保護者の就労等、個々の事情に配慮し、相談に応じられるように支援を行っています。保護者自身が不安に感じている事や悩み等、注意して感じ取り、こまめな声かけをしながら対応しています。相談に対応するときは、子育て支援の部屋、職員休憩室を利用し、ゆっくり話ができるようにしています。相談には担任だけでなく園長・主任も対応しています。相談の内容によってはあえて記録に残さないことや、一定期間は担当者のみで周知をしていく配慮をしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

園では、虐待防止マニュアルを整備しています。発見から、フローチャート式で、関係機関連絡先一覧を記載しています。園内研修で子どもの最善の利益について振り返る機会を持ち、意識を高めています。家庭での子どもの権利侵害の兆候を見逃さないように健康観察などで状態の確認を行い、早期発見できるようにしています。要支援家庭についても児童相談所や市役所と連携を図る体制があります。職員は保護者に普段から声をかけ、何らかの困難があれば話やすい雰囲気づくりや信頼関係を築けるようにしています。保護者の、子どもに対する行き過ぎと思われる言動を見かけた時は、必要に応じ声かけもしています。マニュアルに基づいた園内研修の実施により、更に適切な対応を心がけ、権利侵害の疑いのある子どもの対応に生かしています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

職員の記録や職員間の話し合い等を通じて、主体的に自ら保育を振り返り、自己評価を行っています。職員は、毎年1回、自己評価により保育を落ち着いて振り返り、今後に繋げて行く機会を設けています。各クラスの年間指導計画、月案、週案・日誌には、評価・改善欄があり、職員の援助・かかわりが適切であったかなどを確認しながら自己評価をしています。また問題があれば、職員会議等で情報を共有したり、子どもの遊びや生活を通し、成長している姿や一人ひとりの思いを汲み取ったりしながら自身の自己評価につなげています。また、職員の自己評価結果から明らかになった課題をまとめ、園の課題とし、改善や専門性の質の向上に取り組んでいます。職員の自己評価、保護者アンケートの結果を反映し、次年度の取り組みや園全体の自己評価をしています。