社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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荻野すみれ愛児園

2023年04月25日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 ソキウスコンサルテーションズ株式会社

② 施設・事業所情報
名称 荻野すみれ愛児園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 150 名
所在地 243-0204
神奈川県厚木市鳶尾2丁目25番地6
TEL 046(241)1306 ホームページ https://wakabakai.hp.gogo.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1965年09月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 若葉会
職員数
常勤職員:17 名
非常勤職員:9 名
専門職員
園長:1 名
主任保育士:1 名
保育士:23 名
事務員 :1 名
施設・設備の概要
保育室(視診室、ほふく室、調乳室、沐浴室含):7
事務室(医務スペース):1
厨房:1
職員休憩室:1
プール、舞台、1,2階トイレ、床暖房、冷暖房、AED、防犯ブザー(各クラス)、固定遊具、避難具(スロープ):

③ 理念・基本方針
保育理念
  子ども一人一人の人権や主体性を尊重し、子どもの最善の利益を守るため、保育園と保護者、地域全体が共に手を取り合い安全で安心できる環境を作る。
基本方針
  ・一人一人の子どもの家庭環境、発達過程に配慮して、乳幼児期にふさわしい生活の場を、豊かに作り上げる保育を行なう。
  ・子どもが健康、安全に過ごせる環境を作り、子どもの心をしっかり受け止め、様々な活動や体験を通して、心身ともに健康で、思いやりのある豊かな心、意欲、主体性・協調性が育つよう援助する。
保育目標
  ・健康な身体の育成と日常生活の良い習慣を体得させる。
  ・集団生活を通して思いやり、礼儀、協力、責任、忍耐など円満な生活態度と自主的生活態度を養う。
  ・自然や様々な体験を通して言葉への興味や関心を育て、豊かな情操、思考力、表現力、創造性の芽生えを培う。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
荻野すみれ愛児園は厚木市の西北部、小田急線「本厚木」駅からバスでおよそ30分の鳶尾団地の一角にあります。鳶尾団地はハイキングコースなどが整備された自然豊かな鳶尾山からほど近い場所に位置し、世帯数は500戸を超え、商店街、小学校そして公園などの住環境の整えられた昭和50年代初頭に建築された大きな団地です。
  子どもたちは一年を通してのはだし保育、乾布摩擦、リトミックなどの身体づくりをおこなっています。知的、文化的側面として、0歳児から本に親しみを持って欲しいという願いから、毎月保育園から絵本をプレゼントしており、保育園と家庭が協働して子育てに取り組めるような工夫をしています。1歳児以上の各クラスには、読み聞かせ用に年間24冊の本が配布されてることに加え、廊下には絵本や玩具も設置してあるので、子どもたちは必要な時に自由に手に取ることが出来るようになっています。 
4・5歳児には英語にも親しみを持てるよう、専門講師によるレッスンをおこなっています。保育園の生活の中でもレッスンで覚えた言葉を使うなど豊かな経験を積んでいます。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/08/01(契約日) ~2023/03/09(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 0 回(-年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 <特長>
(1)子どもの身体的発達と知的発達のバランスのとれた保育をおこなっています。身体的発達としては、はだし保育をはじめ、2歳児から5歳児まで個々の発達や状況に応じ無理のない範囲で乾布摩擦を取り入れています。4・5歳児は十分な外遊びに加え月2回の運動の日や月1回のリトミックを通して健康的な身体づくりをしています。知的発達面としては、2歳児のシール貼りから始まり、3歳児のクレヨンを使った線の練習、4歳児での線を使った遊び、5歳児ではワークを活用して文字や言葉の学びというように年齢や発達に応じて成長を期待できるような長期的継続的な取り組みをおこなっています。0歳児から2歳児は生活発表会、3歳から5歳はお遊戯会の場で表現力の育成もはかっています。

(2)コミュニケーションを大切にしています。地域柄、3世代で住まわれている家庭も多く、お散歩中に近隣の方と挨拶のできるコミュニティーができています。職員が積極的に挨拶をすることで、子どもたちも自然と挨拶ができるようになっています。また、人に感謝することや素直に表現することが得意ではない子どもも増えているので、職員は機会を見つけては、「ありがとう」「ごめんなさい」という言葉の大切さを子どもたちに伝えています。

(3)子どもを中心とした保育へ取り組んでいます。
全体的な計画をはじめ年間、月間、週案、デイリープログラムが0歳から5歳児での各年齢でたてられています。0歳児から2歳児については、さらに個別指導計画も作りきめ細かい保育をしています。生活空間では各クラスに床暖房が設置されており、無理なくはだしで生活できる環境が整えられています。より良い保育をおこなうためには安全性と業務の実効性を高めることも大切と考えており、園内へのカメラの設置、ICTの導入など職員の働く環境の改善にも取組んでいます。


<今後期待される点>
(1)今後期待される点として、マニュアル等の整備や文章での記録の徹底が挙げられます。伝達や情報共有が文章で記録されていない部分がありますので、ICT導入などの助けも借りながら、効率的に記録をしていくことが望まれます。
0歳児から2歳児の個別指導計画の作成や、業務マニュアル等も整備し、常に園全体で共有できるように体制を整えることで業務効率の向上、保育の質の向上をはかることが期待されます。保育園のしおりなどは定期的に改定が行われていますがいつ改定があったかわかりづらい状況です。皆で正確に共有するためにも変更日時を明記することが望まれます。

(2)保育サービス向上への計画的な取組みとして、毎年保護者アンケートや複数回の自己評価をおこない、取り組むべき課題もしっかりと把握しており、保護者満足度も高いと言えます。今後は課題解決に取り組む時間を作るためにも、組織全体での長期的な計画を作成することを期待します。

(3)中・長期計画からの短期計画への反映について随所に計画的な取り組みが見えているものの一貫した体系となっていないようです。会計関係では法人本部との連携も行われているので今後事業計画においても一層の連携が行われることで具体的な計画が作られ、共有されることを期待します。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今まで園の運営や保育に関し、専門的に客観的な意見を受けることがなかったため、この第三者評価の受審はとても有意義なものになりました。内部だけでは気づけない部分を的確にご指摘いただき、見えなかった課題を見出すことができました。
また、このまま継続していきたいもの、改善を要するもの、新たな取り組みが必要なものなどが明確になり、今後の園運営における道しるべができたように思います。
この第三者評価の結果を真摯に受け止め、職員間で共有し保育の質の向上に役立てていきたいと思います。
そして、職員間の連携をより一層強化し、保護者や地域のニーズに対し広い視野を持って柔軟に応じられる体制づくりをし、子どもたち、保護者に寄り添った安心・安全な保育に努めてまいります。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

保育理念、保育(基本)方針、保育目標は、保育のしおり及びホームページに明文化されています。また、しおりには最初に保育所の役割(保育所保育指針平成29年告示)が掲載されることで理念、方針が一体的となり理解がより深まるように工夫されています。ホームページや見学時の案内用パンフレットにも掲載されている為、保護者だけでなくこれから利用を考えている方を含めて広く一般に周知することができてます。保護者には入園時に説明しています。職員については計画だけでなく自らの振返り等を含めて日々、意識できるようになっています。 

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

厚生労働省のデータに目を通したり厚木市こども未来部保育課と連絡を細かく取ることで、全体を取り巻く環境や園の周辺における入所率や待機児童の情報を入手しています。その他家庭相談課や民間の療育相談施設とも連絡を取ることで地域で支援が必要な家庭にも支援できるよう努めています。年度末におこなう保護者アンケートなどから保護者の意見も大切にする姿勢も伺えますが、分析が十分になされているとまではいえない状況です。より一層活用していくことが望まれます。経営状況においても理事長及び系列園の園長と共に園の置かれた位置を基にした情報を共有することが期待されます。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

園長は大きな課題が2つあると考えています。1つ目は人材確保、2つ目は入所率を引き上げることです。特に入所率を引き上げる為には施設内の生活環境の快適化と利便性の向上も重要と考え、子ども用のトイレの改修をおこないました。幼児が使うトイレにはドアを設置、乳児が使用するトイレには壁を活用した目隠しが設置されることでプライバシーと安全性を向上させました。また便座にヒーターもつけたことで冬でも快適に使えるようになっています。今後、園庭にもトイレを設置することですが、子どもたちの生活の質の向上と職員の負担軽減がより行われることを期待します。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

単年度の行事計画と法人の施設改修計画は確認できました。子どもたちの安全性に配慮するため監視カメラの導入、ICTの導入、外壁改修塗装工事等など利便性、快適性も細かく配慮した計画がなされていますので、今後は中・長期的なビジョンの策定を法人とともにおこない、文書化、明文化することが望まれます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

行事計画、研修計画を確認することができました。研修計画では2026年度に向けた国のキャリアパスへの対応に積極的に取り組んでおり、できるだけ多くの職員が研修に参加できるように計画されています。単年度年間行事計画の保育内容は職員との話しあいにより検討しています。昨年度より導入しているリトミック活動の計画と内容も園内で共有されています。今後は中・長期計画を判り易くまとめると共に単年度計画に具体的に反映させていくことが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画は職員との話し合いの中で作成し理事会などの役員会にて組織的に策定されています。行事内容等は変更が生じた場合も職員の意見を取り入れながら進められていることから職員も理解しやすい状況となっています。主な保育計画は毎月のPDCAサイクルを活用することで子どもの成長に寄与できるようになっています。また振り返りチェックシートを活用した職員一人一人の自己評価を年に3回おこなうだけでなく、施設としての自己評価もおこなうなど法人全体で組織的に評価や見直しが実施されています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画の主な内容は入園説明会と4月の園だより等のお手紙によって周知されています。工事の日程など詳細な大切なお知らせ等は保護者入口にて判り易い様に掲示されます。特に保育のしおりには「育てたい子どもの姿」「デイリープログラム」「保育計画」をはじめとして保護者が参加できる行事も記載されており保護者への配慮も確認することができました。保育のしおりなどは定期的に改定がおこなわれていますが、いつ改定があったのかがわかりづらい状況です。変更の日時も明記することが望まれます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

全体の計画、指導計画の作成、行事計画、人材育成など保育の質の向上に向けた取り組みがなされいています。月間指導計画書には自己評価の欄も設けられており、PDCAを活用した評価が出来るようになっています。日々の子どもの様子を記録し翌月にも振り返ることを繰り返すことで一人一人の子どもの成長を確認しながら個性を伸ばせるようにしています。ヒヤリハット等についても会議の中で共有しています。保育の質の向上を積極的に進めるために、今回から第三者評価を受審することになりました。今後とも保育の質の向上に組織的に取り組むことを期待します。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

保護者アンケートを毎年おこなっています。アンケートの内容は主に子どもたちの様子を中心とした基本事項・家庭との連携・子育て支援に関する事項、保育、教育に関する事項となっています。詳細に記載されたアンケートの自由記述欄なども職員会議で共有しています。園として取り組むべき課題を明確にし法人本部とも連携と取りながら課題解決に取り組んでいます。今回の第三者評価の受審も取り組むべき課題の明確化の一つの手段として活用していますので、この結果を基に法人本部との連携を積極的に推進することを期待します。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

園長は園の責任者として日々、労務管理、運営管理、渉外活動を行ない、園全体の把握に努めています。その役割と責任は法人本部の業務分担表に記載されており、詳細な事務分担表は通常時と非常時の2枚が職員室の判り易い場所に掲示してあり周知されています。非常時における役割分担については情報・連絡、消火、避難誘導、救出救護、非常持ち出しなど細分化されているだけではなく、混乱時を想定して責任者の名前まで明記されており、毎年更新されていることが確認できます。今後は園長が不在時の体制等も検討することが期待されます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

外部の園長研修等を通して保育関係法令、保育所等のリスクマネジメント等を学び、管理職としての法令順守を理解し、日々、安心安全な保育が継続的におこなわれるように努めています。保育所だけでなく関連の最新の法令等を正しく理解する為にも継続して研修等に取り組むことを期待します。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は、地域や保護者の意見やニーズを取り入れた保育園をつくるためには、職員皆で意見を出し合うことが重要と考えています。職員自身の「やりたい」という意欲を大切にしており、日々のアドバイスや指導だけでなく、毎年10月頃の職員の面談で個別に希望や意見を聞き取っています。新型コロナ感染症の影響により現在は控えてはいますが、バスを利用した園外保育なども、出来るだけ職員の意見や希望を尊重し自発的に行動できるようにするなどリーダーシップを発揮しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

全クラスに複数の職員を配置することで効率的かつ柔軟な保育体制を整えています。来年度は一層の効率化を目的としてICTを導入し、登降園システム、メールによる手紙の配布、日誌のデジタル化をおこなう予定です。事務時間を削減することで働きやすい環境づくりをおこない、職員間のよりよい雰囲気づくりもおこなえるよう取り組むなど指導力を発揮しています。ICTの導入は導入した後にどのように活用するかが大切です。職員と共に積極的に活用することが期待されます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

職員の採用は法人本部と共におこなっています。ここ数年は新規卒業生の採用ができていないなど人材確保が難しい状況にはあります。1年目は慣れてもらうこと・覚えてもらうことを中心としており、2年目以上の職員がメンター的に関わることでクラスの中でコミュニケーションをとり方を指導するなどのサポートをしています。人材確保については様々な方法を活用していますが、さらに具体的な人材確保計画を確立することが望まれます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

就業規則・給与規程などの規程は整備されていますが、昇進・昇格の具体的な制度はありません。職員の意欲向上にも結びつくような制度を数年以内に明確にすることを目指しています。キャリアパスの運用に向けて研修が必要な職員に声掛けをしながら研修への参加を積極的に進めており、毎年10月には半期の振り返りを交えながら将来の目標などを見通せるようにしています。人材確保定着にむけ法人とともに総合的な人事制度を構築する事が期待されます。 

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員とのコミュニケーションを良くとり皆が働きやすい環境になるよう努めています。各クラスにおいて複数の担任を配置しているので、職員同士が話し合いをすることで、休憩時間もしっかりとれる体制づくりになっています。子育て中の職員も複数おり、職員皆の状況や希望を丁寧に聞き取ることで出来る限り希望に沿うようなシフトを作成しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

クラス目標等が明示され、保育の振り返りなどは月間計画作成の中で確認できています。職員自身の振り返りも年に3回はおこなっていますが、園長としては職員一人ひとりと今以上に時間を取り、コミュニケーションをとりながら職員の育成に取り組みたい考えています。今後は振り返り後の計画や目標を立てること、目標の達成度などを確認することで職員一人一人の能力の向上に結び付けることが望まれます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

現在は経験者が中心となりリトミックを積極的に保育に取りいれており、今後は3年を目途に全職員が保育に取りいれ楽しく活動できることを目指しています。理念・方針・保育目標・育てたい子どもの姿を職員と共有しながら研修計画を作成していますが現在実施している保育の内容や目標を踏まえた上で職員一人一人に必要な専門技術や専門資格を明示していくことも望まれます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

年度初めに外部研修は計画しています、その他の研修なども、その都度情報提供をおこない、希望者が参加できるようにしており更には園長が必要と考える職員に必要な研修の受講を促すようにしています。園内では複数のグループで課題を決めて調査・研究をおこなっており、令和3年度は5つのグループで実施しその内容は全職員で共有しました。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生受け入れマニュアルがあり、職員にも周知されています。1回目の実習では各クラスを回れるよう配慮し、発達や成長を理解してもらうようにします。2回目の実習では乳児と幼児の両方のクラスにて実習がおこなえるようにしています。新型コロナ感染症の対策により中止することもありますが、令和3年度は保育人材の育成・確保の一環として6人の学生に対し、延べ53日の実習をおこなっています。その他、8人の看護学生に対して延べ9日の保育実習も実施しました。今後とも学校と連携しながら実習生が意欲的に取り組める体制づくりを行うことを期待します。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

園のホームページがあり、理念・方針・保育目標及び事業報告・決算報告が記載されています。昨年度法人内の他施設が受審した第三者評価の結果も公表されています。「苦情解決」における体制もマニュアルがあると共に園内の保護者が毎日利用する場所から見えるようにポスターと担当者名が掲示されています。保護者からの相談で必要な時は保護者にアンケートをおこない、その結果と内容を掲示板に掲示するなどして相互理解ができるようにしています。苦情記入カードと回収ボックスを今年度設置することを予定しています。 

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

経理については会計事務所が毎月訪問し監査をおこない専門的な指導助言がなされています。会計事務所の支援は財務、経営、運営の多岐に渡っています。会計事務所からの報告は理事長と園長で共有し改善を進めることで適正性も確保しています。教材費等の集金においては、銀行振込の手続きをお願いすることで受領の間違い等を防ぐ取組みもおこなっています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

近年は中止していることが多いのですが、ポスターやチラシを配布し、地域の方にクリスマス会等の行事を楽しんで頂けるようにしています。七夕、豆まき、お遊戯会のリハーサルには地域の高齢者サークルの方の招待もしています。地域育児センター事業を活用し園庭開放や地域のお年寄り等との交流に取り組んでいますが、コロナ禍において十分におこなえない場合も、手紙や手作り品を送るなど工夫を凝らし継続しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

基本的にこれまでボランティアが少なかった為、受入れマニュアルなどは整備されていません。これまでは依頼があれば受け入れるという姿勢でしたが、今後は積極的に受入れられる体制を整えていく予定です。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

厚木市保育課をはじめとして療育相談センター「まめの木」、厚木市児童発達支援センター「ひよこ園」、厚木市要保護児童対策地域協議会、厚木市児童相談課(児童虐待等)と連携をとっています。各関係機関とは必要な場合に速やかに連絡を取りながら職員や保護者とも情報共有できるようにしています。発達支援センターから毎年研修講師を派遣してもらうなど積極的にかかわっています。小規模連携園があり3歳児の受入れなどもおこなっています。地域との連携が適切に行われていますので今後は更に積極的に連携することが期待されます。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

新型コロナ感染症により思うように活動ができていませんが、子育て家庭交流として同じ年頃の子どもを持つ保護者の悩みや相談そして情報交換の場として園庭開放をおこなっています。育児図書、絵本、DVDの貸し出しをおこなう場を積極的に提供する中で福祉ニーズの把握に努めています。しかしながら新型コロナ感染症の影響もあり、貸し出しが思うように行えていなかった部分もあるようですので今後は更なる地域のニーズの把握を行うことが期待されます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域育児センター事業を通じ子育て支援や地域との連携を図る努力をしています。新型コロナ感染症により一時中止となっていますが、近隣の公民館祭りに5歳児が参加してお遊戯を披露することは地域に知って頂く大切な機会でもあるので来年度以降は積極的に参加していきたいと園長は考えています。特にニーズがある一時保育については人員に余裕がないため残念ながら実施できていませんが公益的な事業の一つとして体制を整えたいと考えています。また災害時には地域の方々へ場所の提供や情報、保育を提供したいと考えており、早急に具体的な計画を立てることが望まれます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

「子ども一人一人の人権や主体性を尊重し、子どもの最善の利益を守る」から始まる保育理念や保育方針から子どもを尊重する姿勢が明確にされています。園内では男女の別ではなく一人の人として考えており名前の呼び方においても「さん」「くん」ではなく全員を「さん」でおこなうように職員に周知しています。また、子ども同士のトラブルが発生すると相手の気持ちを一緒に考えたり、先生も嫌だと思うことがあるよという大人の気持ちも伝えること等を通して、自分がされて嫌なことは他の人も嫌なんだということを理解できるような取り組みをおこなっています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

全国保育士会の作成した保育所・認定こども園等における人権擁護のためのセルフチェックリストの活用や研修を通して人権用語に取り組んでいます。また来年度よりの運用を目指し、人権擁護マニュアルを作成予定です。団地内にある為、園全体が団地の上部階から見えてしまいます。特にプールは2階にあるので大き目のサンシェードを張るなどして子どもたちの着替えも含めて見えないように配慮しています。トイレにおいても壁やドアによって一人一人のプライバシーが保たれるように改修してあります。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

厚木市保育課窓口で基本情報の記載された保育のしおりを配布しています。ホームページ上でも理念や保育行事など保育に係る情報を提供しています。園見学は電話での予約でおこなわれております。1日1組に限定することで落ち着いた雰囲気の中で個別に丁寧な説明ができるように配慮しています。また、見学時のパンフレットには園の理念、概要が判り易く説明されているだけなくカラー印刷で保育園における子どもの生活の様子が判る写真も掲載されています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

保育の開始及び保育内容の変更に関しては入園の際に入園説明会をおこなうと共に園のしおりを配布し、園生活で大切にしていることや必要な物品を丁寧に伝えています。重要事項説明もしっかりなされています。説明後は保護者の同意を得て同意書に署名、捺印を頂いています。特別な配慮の必要な場合は、明確なルールはありませんが個別に対応していますが、今後、一定の仕組みづくりが行われることが期待されます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育所の変更時の引継ぎ文書は作成していませんが必要に応じて口頭で説明をしています。園のしおりには「転園・卒園後の卒園窓口について」という項目を明示してあり、必要に応じて相談しやすいようになっています。同意書の個人情報の利用目的には小学校との連携における保育所児童要録の提供以外にも他の保育園への連携等のための情報開示も明記されていますので継続した支援をおこなう仕組みは整っています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

毎年、園の環境及び保育内容等について保護者アンケートを実施しており、内容は結果としてまとめられて職員会議などを通じ、職員と共有して保育の質の向上につなげています。2歳児から個人面談があるので、希望された保護者と保育者が話す機会があります。保護者には4月のクラスだよりで方針を伝えたり、職員を写真付きで紹介することで安心して預けられるような取り組みをされています。利用者の満足度の向上のため、子どもを主体とした保育の取り組みを心がけるよう考えています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の仕組みについては、担当者、責任者、第三者委員を保育のしおりに記載し、保護者にはわかりやすく説明しています。苦情解決の体制及び苦情解決の仕組みをわかりやすく説明したポスターも玄関に掲示されています。苦情や相談に対して保護者の意見をしっかり聞き、解決に向けた取り組みを行うために苦情記入カードと回収ボックスを今年度設置することを予定しています。また利用者アンケートの結果は掲示にて保護者に伝えています。今後は苦情解決マニュアルを整備し職員全員で共有することが望まれます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

保護者が相談したり意見を述べたりしやすいように、ポスターを掲示しています。相談等は担任だけでなく、主任や園長も対応する体制が整っています。普段から相談や意見を言いやすい環境を作るため、保護者とのコミュニケーションを大切にすることを心掛け、信頼関係を築けるようにしています。今後は保護者へ分かりやすい文書の配布や、相談しやすいスペースの確保などの環境整備が望まれます。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

職員は日々の保育の提供において、保護者が相談しやすく、意見を述べやすいように配慮しています。苦情記入カードやアンケートを実施し保護者の意見を把握する取り組みをおこなっています。日々の保育に関する相談は担任が受け、園長や主任にも報告し一緒に考えながら保護者が安心できるように努めています。また送迎時だけでなく別日を設けて保護者と丁寧に話す機会も設けています。
今後は相談や意見への対応マニュアルを整備し園全体で対応できるような組織づくりが期待されます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

事故対応マニュアルが作成されています。会議や朝礼の際に、ヒヤリハット事案や事故、怪我の報告をおこない職員皆で情報を共有し対策を検討していますが具体的な委員会等は設置できていません。今後職員が安全確保・事故防止に関する研修に参加をし、子ども達が日々安心・安全の環境で過ごせるような環境づくりに取り組んでいく予定です。今後は、リスクマネジメントに関する委員会等を設置するなどの体制整備にも期待します。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

感染症マニュアルを基に、子ども達が安心して過ごせるために園内の掃除、玩具の消毒を徹底し、衛生的な環境を整えています。感染症が発生した時には、掲示やメール配信を活用して保護者に情報提供をおこない、職員間でも共有することで感染拡大を防ぐよう努めています。トイレに行った後の手洗い後はペーパータオルを使うことで、衛生面に配慮する取り組みをされています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

園では、災害に対するマニュアルを整備し、災害時における子どもの安全確保のため、職員は役割分担を定め対応しています。 災害時の避難訓練年間計画に基づき火災・地震・風水害・土砂災害の訓練を行っています。行政、消防署、警察などと連携する体制も整っています。保育のしおりには災害時の対応や緊急時の通信手段を記載し、保護者へ伝えています。防災倉庫には食料や備品を備蓄し、定期的に賞味期限を確認して入れ替えています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

保育の実施については、全体的な計画及びクラス別のデイリープログラムを標準的な実施方法と位置づけています。日々の保育はデイリープログラムに沿っておこなわれており、戸外遊びや散歩、制作活動などを取り入れたものになっています。園長や主任が、各指導計画や日誌などで標準的な保育が行われているか確認すると共に、助言を行っています。さらに保育が画一的にならないように各クラスの職員は保育内容について話し合い、必要に応じて見直しをおこなっています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

日常の保育の中では、各クラス年間指導計画、月案指導計画、そして、0歳児から2歳児の個別指導計画があります。定期的に評価・反省をおこなって次月への計画に反映させることで子どもの成長や発達に大切なものを取り入れることができ、一人ひとりの姿や成長につながっています。また、保育日誌により、毎日評価をおこない日々の保育の質の向上に努めています。今後は保護者の意見を反映した計画を作成する仕組みづくりを進めることが期待されます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

指導計画作成の責任は主任が担っています。入園時や進級時に、食事、排泄、睡眠、好きな遊び、既往症、アレルギー症を記載した生活状況記録を提出して頂き確認しています。保護者の状況や具体的なニーズなどは入園時の面接で確認し、職員間で情報を共有して指導計画に反映しています。全体的な計画は保育理念、保育目標を基に作成し、子どもの年齢に沿った指導計画となっています。個別配慮が必要なケースについては発達支援施設や保護者からの情報を基に必要に応じた対応を心がけていますので、個別の計画書が作成されることを期待します。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

指導計画の見直しは、年間カリキュラムは期ごと、月間指導計画等は毎月振り返りと評価をおこなう中でなされています。振り返りの際には、子どもの発達状況を中心に計画がねらいに沿っているかを担任間で話し合っています。お互いの異なる視点で評価し意見のすり合わせをしています。今後は園全体で計画の評価や変更をおこなっていけるような組織づくりを進めることが期待されます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子ども一人ひとりの保育の実施状況や発達記録は個人別に適切に記録されています。内容は職員会議を通して職員間で共有が図られています。 子どもの発達状況や生活状況等は統一した書式によって記録されています。記録から日々の保育が指導計画に基づいて行われていることが確認できます。児童票は入園からの個々の発達状況等が適切に次年度に引き継げるよう記録をしています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

個人情報に関する書類は、園長が責任者となって適切な場所にて管理、保管されています。各書類の取り扱いについては、外部への持ち出しを禁じており、鍵のかかる戸棚等で適切に管理されています。園から外部に掲載するものに子どもの写真がある場合は、保護者の同意を頂くようにしています。個人情報の記入された書類を破棄する際は必ずシュレッダーを使用するようにしています。職員には入職時に個人情報の取り扱いの遵守の説明をしています。保育のしおりに個人情報の取り扱いを記載し、保護者に伝えています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

保育計画は全体的な計画、月案、週案、日案、個別と計画を立て丁寧な保育に取組んでいます。保育計画の根幹となる全体的な計画は児童福祉法、保育所保育指針の趣旨をふまえ、法人の保育理念、保育目標、保育方針、子どもの保育目標に基づいて作成しています。計画は年度末に園長を中心に見直しをおこない次年度の計画につなげていますが、今後は更に職員との連携を行いながら計画が作られることを期待します。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

保育園は高台に位置しているため日当たりもよく広い園庭もあります。天気の良い日は園庭に出て体をたくさん動かして遊んでいます。室内の温度、湿度、換気、採光など、環境は常に適切な状態に保たれています。0才児の部屋には畳のスペースがあり、乳児が快適に過ごせる環境づくりがなされています。1~5歳児についても年齢ごとに環境に配慮した保育室となってり、落ち着いて過ごすことができています。子ども達が使用した玩具はその都度消毒をしたり、水で洗えるのもは洗ったりと感染対策をしています。また、排泄後に手を洗った際はペーパータオルを使用するなどの衛生管理にも取り組んでいます。今後は子ども一人ひとりが一層落ち着いて過ごせる環境づくりが課題と考えています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

入園時に家庭生活調査票を記入してもらい、家庭状況の把握に努めています。0歳児~2歳児は個別指導計画を作成し、日頃から子どもが安心して過ごせるように計画を立てることで、一人ひとりに丁寧に関わることができるよう心掛けています。主任は朝礼などを通じて園全体の情報を確認し、主任が各クラスに伝達しています。共有すべき内容が書かれた書類があるので、朝礼を聞かなかった職員も把握できるような取り組みがなされています。
今後は他のクラスの子どもたちのもっと細かな状況も皆で共有できるような仕組み作りも必要と考えています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:b】

必要な基本的な生活習慣の習得は子ども一人ひとりの発達に合わせて身につけられるようにしています。自分でやろうとする気持ちを大切にして自立を促すような援助をこころがけています。時間帯に余裕がないときには、個々の状態に合わせることが出来ていないと感じている職員もいるので今後は業務の見直しを行いながら、子ども一人ひとりに向き合う時間をより多く持てるよう援助できることを期待します。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

遊びや訓練を通じて、ルールやマナーを学べるようにしています。のびのびと出来る活動を取り入れ、保育者が仲立ちとなって遊びの楽しさを伝えるようにしています。遊びの中で、「貸して」「いいよ」「ありがとう」「ごめんなさい」などの言葉のやり取りができるよう配慮しています。玩具が廊下に置いてあり子ども達が選んで遊べるような工夫がされています。園庭での虫探しや散歩を通して、自然に触れる機会を設けています。散歩に行く際に地域の方に挨拶をすることや、小学校との交流をすることで社会体験もおこなっています。また横断歩道は手をあげて渡るなどの交通マナーも身につけています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

乳児保育においては特にきめ細やかな対応ができるよう職員室に一番近い位置に保育室があります。個別の指導計画を立て日頃の保育に反映させることで、子ども一人ひとりの成長発達を把握しています。部屋には畳スペースが設けられているので、落ち着いて過ごせるようになっています。0歳児は発達が著しく個人差も大きいため、より発達過程に合わせた保育をおこなっています。一日の様子や食事、排せつ、体調等については連絡帳に記載、または口頭でのやりとりをして情報を共有しています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

1、2才児クラスは個別の指導計画を立て、日々の保育に反映しています。園庭遊びや散歩を通して、探索活動をしたり身体を動かして遊んでいます。異年齢の子ども達と一緒に散歩に出掛ける等の交流を通して日々の成長に繋げています。月1回のリトミックや制作を取り入れ、表現活動が楽しめるよう心掛けています。保護者とは、連絡帳や口頭で一日の様子や食事、排せつ、体調、家庭状況等について情報交換をし、連携を取っています。2歳児の希望者には箸の使い方や持ち方の講習会を給食試食会を兼ねておこなっています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

保育者間で、年齢や個性、クラスで伸ばしていきたいところを話し合い、無理のない保育を心掛けています。2歳以上の子どもはリトミックを通して身体を伸び伸び動かしたり、カスタネットやタンバリンなどの楽器に触れる機会を設けています。天気が良い日は毎朝、園庭に出て体を動かして遊びます。4・5歳児は月に2回の「運動の日」があり、縄跳び・鉄棒・鬼ごっこなど体力作りにも励んでいます。運動会やお遊戯会では踊りを通し、体で表現する楽しさも経験しています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

市の療育センターの方に来園してもらったり、市の研修に参加することで、気になる子どもの保育について必要な知識や情報を得る等の取組をしています。保護者との連携を大切にしており、連絡帳にその日の様子を記入したり、迎えの際に子どもの様子を口頭で伝えています。個別指導計画書を作成し、個々の様子に合わせて無理なく保育活動に参加できるようにしています。園としては援助の必要な子どもも年々増えていると感じていると共に、その対応が難しいとこを理解しています。今後、一人ひとりに寄り添った環境整備が行われることが期待されます。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

朝夕方の延長保育は0歳児から2歳児、3歳児から5歳児に分けて無理なく保育することで同年齢同士では学べない経験をすることで成長を促しています。また安心して過ごせる環境づくりも心掛けています。保護者への伝達事項を連絡メモに記入することで職員同士で共有し、伝え忘れがないようにしています。お迎えの時間や子どもの状態に合わせて、0歳児はミルクの時間を微調整したり、午後のおやつを多めにするなどのきめ細やかな工夫をしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

指導計画の中に小学校の連携や就学に関連する事項が記載されており、計画に基づいた保育がおこなわれています。近隣の小学校を訪問し、体育館で1年生と交流したり質問に答えてもらう等の機会の中で就学に向けての期待感を持てるように工夫していますが、コロナ禍で小学校との交流の場が縮小されているため、もう少し小学校を知る機会が持てる方法を模索しています。就学に向けてワークを使って文字を覚えたり、基本的生活習慣も身につけています。希望に応じて個人面談をおこない、保護者と共有し合う機会があります。保育所児童保育要録は担当保育士が作成し、園長・主任が確認、子どもの就学先に提出しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもの健康管理に関するマニュアルがあり、それに基づいて一人ひとりの子どもの心身の健康状態が把握されています。年間保健計画を立て、それに基づいて子どもたちの健康管理をおこなっています。既往歴や予防接種の状況については保護者から情報をもらい健康台帳に記載していますが、常に最新の状況を把握できるようにする必要があると考えています。。乳幼児突然死症候群(SIDS)については、クラスだよりや保健だよりで保護者へ伝えています。その他の取り組みとして、0才児は5分、1・2歳児は15分、3~5歳児は30分ごとに睡眠状態を確認しています。0才児に関しては、午睡チェックセンサーも併用しています。今後とも一層の適切な健康管理が行われることを期待します。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

嘱託医による年2回の健康診断と年1回の歯科健診、3~5歳児は年1回尿検査をおこない、健康診断結果は健康診断記録簿に記載しています。身長測定は毎月おこない、0歳児から2歳児は連絡ノート、3歳児から5歳児はシール帳の健康記録の欄に記入して保護者へ伝えています。そのほかの取り組みとして、年に2回胸囲も計測しています。給食後に歯磨きをおこなっていましたが、新型コロナ感染症対策のため、口うがいに変更して感染予防に努めています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギーのある子どもについては、保育所におけるアレルギー対応ガイドラインをもとに、子どもの状態に応じて対応しています。食物アレルギーのある子どもは医師の診断を受け「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」と「アレルギー除去確認書」を提出してもらい、栄養士と担任と保護者の三者面談をおこない、除去食を提供しています。切り取り式のアレルギー対応食個別確認カードがあり、切り取ったものを保護者に渡す工夫がされています。アレルギー児用の食器と名前プレートがあり、専用トレイに個別で用意されています。クラス担任が調理室まで取りに行き、栄養士と除去をしたものを確認後に配膳しています。また誤食防止のため、保育者が傍につくなどの工夫もしています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

年長児が育てた野菜を収穫をして給食として食べることで、食べる喜びを共有しています。子どもによって個人差があるので、食べる量や嗜好を把握して事前に食べきれる適量に調節し、食べられたらお代わりをする工夫をされています。主食も園提供になっていますので、温かい給食を楽しむことができます。5歳児は毎日、給食に提供された食材を3色食品群に分けるなど食に興味を持つ取り組みをしています。年に2回、栄養士による食育を実施し、食に関心を持つ機会になっています。給食サンプルは保護者が見える場所に展示し、毎月の献立表も保護者へ配布しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:b】

給食の調理は給食業者に委託しています。季節や行事にちなんだイベントメニューのほか、各クラスからのリクエストメニューを誕生日会の日に提供するなど、子どもたちが楽しく食事ができるよう工夫をしています。毎日保育士が検食簿に記載し、栄養士が残食を記録しています。また、毎月給食会議を開いて子どもの喫食状況について話し合ったり栄養士が各クラスを回り、食事の様子や子どもたちの話を聞く機会が設けられています。食品衛生管理は、マニュアルに基づいて適切におこなっています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

家庭との情報共有は連絡ノートを通して園での様子や睡眠、排せつ、食事について記載したり、家庭での様子も記載してもらうことでおこなっています。また、掲示板を活用したり、お知らせを保護者へ配布しています。送迎時に担任が不在になる場合は、伝達してほしいことを書面に残し、職員同士が共有することで確実に保護者に伝達できるように工夫しています。3歳児以上の運動会やおゆうぎ会・生活発表会で子どもの成長を発表する機会があり、保護者が成長を実感できるような機会を設けています。保護者アンケートをおこない、保護者の意見や要望を聞く取り組みをされています。保護者アンケートの結果から最優先すべき課題を抽出し解決できるような取組が期待されます。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

保護者との信頼関係が築けるよう、朝の受け入れ時や夕方の引き渡す際に挨拶やコミュニケーションを図っていますが、駐車場の混乱、近隣の道路状況で送迎時のコミュニケーションが難しいと感じています。コロナ禍もあり、職員と話す時間に制限がありますが、困ったことがあったら別日に相談できる体制をとっています。相談の内容によっては担任だけでなく、園長・主任が一緒にお話を聞きます。2歳児以上は希望する保護者と個人面談をおこない子どもの発達の様子を共有する機会もありますので、今後もコロナ禍で得られた知見を活かして一層の支援が行えることを期待します。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

虐待等権利侵害を発見した場合の対応マニュアルを整備されています。虐待の兆候を見逃さないよう、子どもの表情や様子だけでなく、注意すべき点を職員が共有することで、早期発見ができる体制を整えています。虐待等権利侵害の可能性があると感じた場合には園長に速やかに伝え対応するようにしています。守秘義務の観点からも情報共有の難しさもあると思われますが今後も一層適切な対応ができることを期待します。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

年間指導計画、月間指導計画、週案、0歳児から2歳児クラスは個別指導計画を立てて月末には自己評価を行い、担任同士で疑問点や改善点などを意見交換し、次月につなげています。その他、毎日の保育内容は保育日誌に記載し常に振り返りをしています。職員の自己評価は定期的におこなっており、園長と面談する機会を設けています。また職員は園内・外の研修に出席し、保育の質の向上に努めています。
丁寧な自己評価をされているので、今後は評価結果をいかして保育の実践や専門性の向上に努められることを期待します。