社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

藤沢市立柄沢保育園

2020年04月13日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社ケアシステムズ

② 施設・事業所情報
名称 藤沢市立柄沢保育園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 119 名
所在地 251-0003
藤沢市柄沢1-6-5
TEL 0466-26-1355 ホームページ http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1976年08月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 藤沢市・藤沢市長 鈴木 恒夫
職員数
常勤職員:22 名
非常勤職員:9 名
専門職員
保育士:26 名
保健師(本課に配置):3 名
栄養士(本課に配置):2 名
施設・設備の概要
保育室(6)・ホール・事務室・調理室・休憩室:園庭(大・小2か所)プール・砂場・すべり台・鉄棒・ジャングルジム

③ 理念・基本方針
「笑顔と元気あふれる子どもたちを育てる」というまちづくりのテーマを示しています。次代を担う子どもたちの誰もが、夢と希望をもち、健やかに成長できるよう子ども子育て家庭に寄りそっていきます。
市民や関係団体と行政が連携・協力して、子ども・子育ての取り組みを進め、子ども・子育て支援事業計画の将来像である「未来を創る子ども・若者が健やかに成長する子育てにやさしいまち」の実現を目指します。
それを受けて、子どもたちが安心して生活が送れるよう、また自主的に遊びが展開できるように環境を十分に整えると同時に、一人一人の個性を大切にしながら、感性豊かで思いやりの心を育んでいけるよう、職員一同連携して保育を行っています。保育園、家庭、地域と手を取り合って連携し、豊かな未来を担っていく子どもたちの健やかな成長を願い、よりよい保育をすすめてまいりたいと思います。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
・園舎は中庭を囲んだ平屋建てで、全園児が日常的に交流できる環境となっています。昼寝後などに、中庭で異年齢同士交流することもあります。園庭は2か所あり、1か所では主に乳児が遊び、もう1か所の園庭では、主に幼児が、かけっこ、鬼ごっこ、ボール、縄跳び、竹ぽっくり、石垣登りなどの運動遊びを楽しみ、それによって体の使い方が上手になっています。砂場では団子づくりや、山づくりに熱中しています。
・「なかよしの日」という幼児クラスの縦割り交流の日には、さまざまなのコーナー遊びを異年齢で体験し、年上の子どもの模倣をしたり、年下の子に優しく接したりしています。
・子どもの成長や興味に合わせた主体的に遊べるような「環境作り」を各クラスで見直しを行いながら進めています。
・用務員と一緒にプランターや畑に野菜や花の種まきや苗植えをし、育てています。収穫した野菜は調理員がメニューに加えています。収穫物を使ったクッキング保育では、カレー・ピザパン作りを行い、食育へとつなげています。大切に育てた花に名前を付けたり、絵を描くなどの活動にもつなげています。
・「あいあい」など地域の子育て支援に力を入れており、園での体験保育・イベントにも多数の参加があります。計画については、職員で話し合って決めています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/06/12(契約日) ~2020/03/20(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2012年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ・保育の実践を言語化することで保育を見直し、展開と充実を図ることを目的に「実践の言語化年間計画」を作成した。4期ごとに配慮事項の策定と保護者・市民へ発信しており、保育士一人ひとりが専門的な知識を高め、保育の質を向上させていくことを目指している。
・人権について、子どもにも分かりやすく伝えるために「替え歌」を作り一緒に歌うことにしている。本年度は2番の歌詞を作成し各クラスに掲示している。
・園舎は平屋建てで中庭を囲んで保育室があり、異年齢の子どもたちが日常的に交流できる環境にある。中庭では用務員も関わり花や野菜の栽培活動に取り組み、食育にもつなげている。日当たりの良い園庭は広く、特徴的な傾斜では石垣のぼりをする子どもも見られている。地域支援事業としての園庭開放や高齢者施設との交流も継続的に行われ、地域に根差した保育園である。
改善を求められる点 ・職員一人ひとりの育成を更に充実することを目的に、取得資格、研修実績、スキルなどを一覧できるような仕組み作りが望まれる。研修計画策定や管理の充実を図るために、分かりやすい可視化ツールの作成を検討されたい。
・利用者(保護者)に対して、保育目標を周知するための工夫を検討されたい。
・市の児童福祉に関する中長期計画を受け、園としての個別事情を踏まえた中長期計画の策定が望まれる。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
・保護者アンケートについては、改善できる内容から対応を行っています。関係機関との調整が必要な内容については連携を図り、また、保護者にご理解いただくためには保育の目標を含め、説明方法についても検討していきます。
・研修会・講習会参加記録で、一人ひとりの受講した研修は把握できており、今後も専門的な知識を高め、保育の質の向上につなげていきます。ご意見をいただきました、人事評価制度については、職制としての人事評価制度は行っていますが、保育関係の研修を受けたことによる人事評価の体制にはなっておりません。 研修の成果については今後も保育に生かし、研修の在り方についても検討していきます。
・中長期計画については、公立園であり、園固有の課題や、実情を反映した中長期計画の策定に、園が独自で取り組むことが難しいですが、市の方針、財政状況、保育のニーズをふまえ、保育指針をもとに継続した保育の取り組みの検討していきます。
・今回、第三者評価を受けたことにより、保育事業全般、保育内容について丁寧に振り返りと見直しを行うことができるとともに、職員一人ひとりの自信にもつながっています。今後も、園の職員、公立保育園、地域を含む各機関との連携を図り、保育事業についての取り組みを進めてまいります。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

・市のホームページには公立保育園の保育目標とともに、園ごとに園目標が掲げられており、各園の紹介の中に示されている。
・園目標について年度末に全職員で振り返りを行い、新年度の目標策定に対する行動計画(内容)を毎年策定している。
・年度毎に保育園運営方針を作成し、年初に職員に配布し、読み上げて説明し周知に努めている。
・園目標は入口に掲示し、年初の保護者懇談会において保育内容と共に説明し、理解を促している。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

・市の子育て企画課・保育課、市公立保育園長会などから、市、市の社会福祉事業の内容と動向が説明され共有されている。
・園独自に把握と分析には至っていないが、国及び県からの通達により社会情勢の把握に努めている。
・町内会に所属していないが、公民館の市民祭への参加や、民生委員から情報収集をしている。
・園見学で訪れた地域の子育て家庭の状況なども、職員間で共有し、日々の保育に役立てている。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

・藤沢市の福祉や子育ての課題は、市をはじめ園長会などで分析し、各園で共有している。
・施設の老朽化に対して、市の予算を有効に利用して子どもの快適性を高めていきたいとしている。
・園庭が広く恵まれた環境にあり、プールや石垣(ボルダリング)などの環境を活かした保育を充実させることを目指している。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・市では「藤沢市公共施設再整備基本方針」及び「第2次藤沢市公共施設再整備プラン」に基づき「藤沢市保育所整備計画(ガイドライン)」また、保育所保育指針を踏まえた「藤沢市保育計画」を作成している。
・市の方針及び財政状況を踏まえ、必要に応じて見直しや公立保育園のありかたを検討している。さらに、園固有の課題や実情を反映した中長期計画の策定に取り組むことが望まれる。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・子ども青少年部及び保育課の目標を踏まえて柄沢保育園の単年度の園目標を立てている。
・藤沢市保育計画に基づき、年間保育計画、月間保育計画、週日計画を立案している。
・目標設定シートでは、目的及び重点目標を設定している。
・目標業務一覧では、職員一人ひとりの業務目標、達成基準、達成方法等が示されている。
・単年度の目標及び課題は示されており事業計画を策定している。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

・年度初めの職員会議において、前年度の反省をもとに事業計画を策定している。
・四半期の振り返りを実施しており、成果と課題について話し合い検討している。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

・園目標、年間保育計画、月間保育計画及び月のねらいを掲示し、年度初めの懇談会で保護者に説明している。
・「今年の保育」という形式を用い、園目標などは保護者懇談会での説明や掲示によって周知を図っている。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

・アンケート調査を実施しており、結果を集計し保護者に公表するとともに職員間で分析・振り返りをし、質の向上に取り組んでいる。
・研修参加後は園内で研修報告会や職員会議において報告し、職員間で共有できるようにしている。
・実践の言語化の年間計画を立て、子どもの実態を把握して計画を見直し、質の向上に取り組んでいる。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

・毎年公立保育園で統一した「保育に関するアンケート調査」を実施しており、結果を分析して課題の抽出に取り組んでいる。
・公立各園で作成された改善計画は各園に伝えられ、自園の改善の参考にしている。
・各クラスでは毎月振り返りを行い、その結果を全職員に対して意見を求め、改善に取り組んでいる。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

・園長の責務は運営方針や、保育園の規則で定められている。
・年初の職員会議で園長の運営方針を読み上げ、説明を行い職員に周知を図っている。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・市の藤沢市内部統制推進のための運用ガイドラインを理解して行動するように努めている。
・藤沢市で行われるeラーニングにおいて、正規職員はチェックテストに及第するまで学ぶ仕組みになっている。
・パート職員に対してもコンプライアンスに関する内容は園長がピックアップし回覧周知に努めている。
・市の研修に参加し、その内容は職員に共有され周知に努めている。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

・目標設定シートで保育の現状把握(年3回のヒアリング)を通して保育の質向上につなげている。
・主任等が保育に入って園長の指示指導を仰ぎ、職員へアドバイスや情報共有につなげている。
・保育の振り返りや保育マップを用いて環境を見直し、保育の質向上につなげている。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

・藤沢市で行う職員の意向調査をもとに異動やクラス希望を確認して、クラス編成に生かしている。
・ベテラン職員と若手職員との組み合わせなど、職員の経験やスキルを考慮して働きやすい職場環境づくりに努めている。
・組織図によって経営層の職制上の役割が明示されており、それに基づいて園運営をリードしている。
・衛生推進委員会において、労働環境の改善やワークライフバランスの検討に取り組んでいる。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・公立保育園であることから、新卒職員は藤沢市の採用計画に従って行っている。
・市での新採用研修にて公務員としての基本的な研修を行っている。
・保育園ではマンツーマン指導(OJT)の手引き(市作成)をもとに、「受け入れから実践」指導に取り組んでいる。
・マンツーマンOJT計画をもとに、目指す姿(本人):仕事をする上で大事にしたいこと、職場が期待する職員像(園 指導員):大事にしてほしいことを確認しながら相互に目標をもって育成する。などが定められている。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

・藤沢市人材育成基本方針において、公務員として「期待する職員像」「標準職務遂行能力」が示されている。
・マンツーマン指導では園で期待する職員像に沿って個別に取り組んでいる。
・職員の意向は目標管理シート、人事評価表をもとにヒアリングし、個々の意向等についても把握する仕組みになっている。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・就業状況は市の勤務管理を利用しており、残業や年休の取得が集計され分析可能になっている。
・その結果をもとに園長から職員への声かけなどを行っている。
・年次休暇やリフレッシュ休暇等の取得状況を管理し主任から声かけをしている。
・市の職員として市の福利厚生を利用可能になっている。
・園長や主任は職員の様子を見て、必要に応じて随時面談するよう取り組んでいる。
・全庁的な動きとしてワークライフバランスを推進している。
・緊急のシフト変更には主任や、クラス担任等協力を得て対応できるようにしている。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・目標管理シートを用いて職員一人ひとりの育成に取り組んでいる。
・目標管理シートは4月に職員が作成、5月に園長・主任と内容の確認と調整を行い、10月に園長・主任に向け中間報告を行い達成状況を確認し、必要なアドバイスを行って記録に残して達成に向け取り組んでいる。
・目標については5月に全職員に一覧で共有されるので、同じ目標を掲げた職員間での協力などもできるようになっている。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

・市として必要な階級別基本職員研修が行われ、園では保育士としてマンツーマン研修を実施している。
・藤沢市人材育成基本方針では人材育成について職員の責務、職場における人材育成、職員研修による人材育成、人材育成に繋がる人事制度の方針が示されている。
・園長会の中で研修委員会があり、外部の研修を受けた後に作成した資料を基に研修の報告会と同時に見直しを行う仕組みとなっている。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

・研修会・講習会参加記録では職員がどの研修に参加しているかが把握されている。
・必要な研修に参加するために、シフト調整をして参加できるように取り組んでいる。
・研修会・講習会参加記録では、研修種別や日時、研修名、内容が記録されており把握することができる。
・職員の知識、技術水準、専門資格の取得状況の把握に向けて、一貫した履歴として管理するなどの取り組みに期待したい。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

・実習生のしおりがあり、オリエンテーション時の説明に利用している。
・園長主任研修会主催の実習指導研修に参加して、指導についての理解を進めている。
・学校からの課題と実習生の希望を聞きながら研修期間の内容を決めている。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

・保育の目標等を市のホームページ、市内公立保育園共通の「ほいくえんだより」、各保育園の便りを通知、掲示している。
・財務については、市全体の予算のあらましについては市の広報で公表し、関係者への周知に努めている。
・外塀に今年の保育を掲示し、園のビジョンを地域社会に対して公表している。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・公立保育園として定期的に県・市の監査を受けている。
・内部統制マニュアルによって事務、経理、取引等に関する職務分掌と権限・責任が明示されている。
・藤沢市で決められたルールに従って、事務、経理、取引等について適正な管理運用に努めている。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・近隣保育園の年長児間で遊ぶ機会を設け、子どもが地域との交流を広げられるよう取り組んでいる。
・日々の散歩で公園などの地域の社会資源を利用して地域とのふれあいに繋げている。
・公民館まつりに一年おきに展示参加して、作品や保育園の一日など保育園を知ってもらう機会を作っている。
・柄沢保育園規則における子育て支援事業として、園庭開放や体験交流など子どもと地域の交流にむけて取り組んでいる。
・高齢者施設に年に4回程度訪問し、子どもたちが歌を歌ったり、ゲームをして交流の機会を設けている。
・太陽の家しいの実学園の園児と週1回交流している。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

・保育体験・ボランティアの実施について園長会で主旨を定めている。
・保育体験活動に参加される皆さんへとした注意事項が明文化され、持ち物や時間などについても別途学校側へ通知している。
・ボランティは市を通して受け付けることになっている。
・現在はボランティアの定期的な受け入れが行われていないことから課題としている。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

・全庁的な体制を整備し、藤沢市地域子ども・子育てネットワーク体制を整備している。
・近隣の医療施設及び公共施設等の連絡方法をファイルし、保存・活用できるようにしている。
・地域の関係機関・団体について、子ども・保護者に還元できる社会資源をリスト化はしていない。
・市からの資料は保護者向けに配置されている。
・関係機関には園長を通じて連携を図り、必要に応じて、職員会議等で周知に努めている。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・園庭開放、人形劇や保育士による地域の親子向けインべントを行っており、継続的な参加者も見られている。
・「あいあい」「公民館まつり」などの地域子育て支援事業の際に、イベント紹介のリーフレットを配布して告知に努めている。
・市で定めた危機管理マニュアルで藤沢市の公立14園の災害時の保育園の対応が規定されている。
・避難施設とはなされていないが、追加指定等状況に応じた対応が定められている。
・月に1回程度、児童館に出向いて育児相談を行っている。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

・独居の高齢者を対象に世代間交流をしている。
・育児相談については、児童館(あいあい)に出向いた時や園庭開放、園見学の時に行っている。
・「あいあい」を通して地域交流や園庭開放の利用者が増えるなど、地域とのつながりの強化に取り組んでいる。
・高齢者施設(デイサービス)に年に4回程度園児が訪問し、歌を歌ったり、ゲームをして交流の機会を設けている。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・藤沢市保育の手引きで藤沢市立保育園の目標が記されている。
・臨時職員を含め職員には園で研修の児童憲章とともに資料として配布し周知している。
・eラーニングを市が実施しており、決められた期間に確認テストに合格することが求められている。
・すてきな仲間(人権の替え歌)を職員が作り、子どもと一緒にうたい、人権意識を育む取り組みを行っている。
・人権について保育の振り返り20項目について自己チェックを行い、振り返りの機会を設けている。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

・ホームページ等に掲載する写真については書面による同意を得て使用している。
・個人が特定される配布物については封筒での配布をするなどの配慮を行っている。
・トイレ、着替え、名前、連絡帳などプライバシー保護に配慮するルールに従って取り組んでいる。
・保育園のしおりに個人情報の取り扱いについて示し、同意確認書を得ている。
・虐待については柄沢保育園規則に虐待等の禁止、児童虐待防止法の遵守について記載している。
・その抜粋を保育園のしおりで保護者に示している。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

・藤沢市ホームページやふじさわ子育てガイドにより、関連施設への共通の周知及び案内をしている。
・子ども青少年部保育課による保育コンシェルジュの活用により丁寧な案内が可能となっている。
・見学希望は電話予約のうえ日程調整のうえ実施している。
・園内見学では主任が案内し、保育中の様子を見てもらい質問等にも対応している。
・見学時にはアンケートの記入を依頼している。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

・入園面談では保育園のしおりを使用して保育目標や行事、食事、健康について丁寧な説明を心がけている。
・持ち物については実物を見せてわかりやすく伝えるようにしている。
・保育の開始にあたって不明な点や不安なことがあれば、電話などでいつでも応じることを伝えている。
・入園後においては、わからなことや不安なことは、担任が対応している。
・配慮が必要な家庭への対応は、主任が情報共有して担任のサポートを行い園長に報告し対応する。
・「新入園面談にあたっての注意事項」に定められている。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

・市内公立保育園間では、転園の際に児童調査票を送付し子どもに関する情報を共有できるしくみとなっており、保育の継続性に配慮した対応が可能となっている。
・保育園終了後の対応担当者や窓口の設置及び文書での配布はしていないが、保護者の訪問や電話などで相談に応じる体制であることを、口頭で伝えている。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・毎年12月に公立保育園統一で実施する「保育に関するアンケート調査」を実施している。
・アンケートの結果は保護者に配布し、懇談会の際に園での対応や、改善内容について口頭で伝えている。
・意見や要望に対しては全職員で共有し、改善策を検討するなど結果を尊重した改善に取り組んでいる。
・公開保育のアンケート結果の公表は行っていないが、職員で共有し次回の公開保育に反映できるように努めている。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

・苦情受付担当者、保育園利用者相談室(第三者委員会)の設置についても掲示し利用者への周知を図っている。
・意見要望については、職員全体への周知を図り、内容に応じては市と連携して対応に当たるなどの仕組みとなっている。
・行事ごとのアンケートを依頼しているため、その中での要望も把握し確認できるようにしている。
・面談で聞かれた苦情等については、個人票に特記事項として記入して職員会議で共有している。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

・意見箱は、職員には見えにくい場所に設置し、匿名で気づかれずに意見を入れられる配慮をしている。
・入園時に説明し配布している保育園のしおりにも相談窓口を掲載し、保護者がいつでも確認できるようにしている。
・登園、降園時の保護者への声掛け、おたより帳、懇談会、個人面談など様々な機会において、保護者とコミュニケーションを図るように努めている。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

・面談での相談と対応は、児童票に追記し流れを確認できるようにしている。
・相談や意見を受けた場合の対応方法はマニュアルで定められた手順に沿って行われ、所定の書式に記録を残している。
・マニュアルについては見直しをしていないが、円滑に実施できていると園では判断している。
・玄関に設置している意見箱は毎日確認しているが投函はない。
・保護者からの意見や要望・苦情等は、おたより帳(全クラス使用)、行事後のアンケートなどでも把握に努めている。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

・「業務記述書兼リスク管理表」には、保育園の具体的業務に関する実施者・作業の流れと具体的チェック方法・確認者・根拠法令等・注意点が記載されており、年2回チェックする流れとなっている。(藤沢市公立保育園共通書式)
・事故事例については随時、藤沢市から配信されるため、園では印刷したものを回覧し職員に周知している。緊急性があるものは口頭で伝え周知に努めている。
・事故防止のため、ヒヤリハットで事象を周知し、事故発生の際には職員会議の中で体制等について話し合い、経過報告を行い、再発防止に努めている。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・感染症マニュアルに基づいて、整備と取り組みは保健担当職員を中心に行っている。
・感染症予防策としては保護者に対して予防接種の推奨、感染症発生内容に応じた詳細な掲示で情報提供を行っている。
・園内では0歳からの年齢に応じた手洗い指導、2歳からのうがい指導を行っているほか、感染症発生状況に応じて、合同保育をクラス保育に変更するなどの対応をしている。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

・緊急時組織図は職員室に掲示し職員間で周知、確認できるようにしている。
・災害・非常時の手引きに基づいて年間の防災計画を作成し、毎月の避難訓練、年2回の消防署指導による訓練を実施している。立地条件等からの災害の影響等は特に心配されていないが、年1回の園児引き渡し訓練を実施し保護者の協力も得ながら安全確保にむけて取り組んでいる。
・調理室の管理により、3日分の食糧等備蓄を整備している。
・子育てアプリ「母子も」において災害情報を周知している。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

・藤沢市の研修、保育センターの研修に参加し学ぶ機会を得ている。
・研修記録表にて内容と参加者が確認できる。研修参加後は1週間以内に研修報告書を提出し、園長・主任が内容を確認した後、資料とともに全員が回覧し共有できるようにしている。
・個別には主任が、月案・週案の内容を確認し課題を提供している。
・毎月の「保育内容の反省と評価」では各クラスの反省部分を抜き出してプリントし会議前にクラスに配布している。
・会議の中で内容について話し合い、保育内容が画一的になっていないかの確認をしている。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

・職員会議で各クラスの反省と評価、話し合いを経て翌月の指導計画「子どもの姿」につなげている。
・書式に沿って定期的な取り組みが徹底されている。
・各クラスの月の目標とともに毎日の活動内容をホワイトボードで掲示し、日々の活動の様子を保護者に知らせている。
・「ほいくえんだより」で、月の保育について知らせている。
・内容を確認できていない保護者もいるため、より多くの保護者に内容を把握してもらうことを課題としている。
・おたより帳での意見のほか、公開保育後に保護者にアンケートを実施している。
・公立保育園全体のアンケートでは、保育、行事、写真、施設、給食その他について、意見を把握できるようにしている。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

・指導計画策定の最終確認と責任者は園長であり、業務を統括する職務であることは柄沢保育園規則に明示されている。
・週、月間案、年間計画の作成については藤沢市保育課程帳票マニュアルに基づき、現在の子どもの姿や発達に応じて見通しをたて計画することが定められている。
・各クラス担任が作成し主任、園長が確認している。月案は反省と評価を行い次月につなげている。
・特別に支援が必要な子どもについては、アセスメントシートを活用し発達支援コーディネーターを中心に話し合い個別指導計画の作成につなげている。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・藤沢市保育計画に基づき、会議を実施し期ごとに指導計画の振り返りが行われている。
・毎月の職員会議において各クラスの担任より子どもの姿や保育の中で気になることなどについて報告があり、月案の反省を翌月につなげられるように取り組んでいる。
・指導計画は、子どもの姿や発達に応じて作成するようにしている。
・指導計画の見直しや途中での修正は可能としており、子どもの状況に合わせて見直しを図れるようにしている。
・雨天の場合は室内あそびになるなど、週案にはあらかじめ代案が記入されている。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・子ども一人ひとりに関する必要な情報を記録するしくみがあり、適切に保管している。
・指導計画は各クラスの担任が協力して作成のうえ、主任または園長が最終確認をする流れとしており必要に応じて修正や追記など指導を行っている。
・乳児クラスは個別指導計画を作成し、一人ひとりの目標と保育士の関わり、子どもの姿を記入している。
・幼児クラスでは子どもの姿を全体的にとらえ、個人記録では5領域で具体的な姿を記録し継続的に把握できるようにしている。
・月1回の職員会議のほか、幼児会議、主査会議、学年の打ち合わせ、栄養会議が定期的に実施され議事録が確認できる。
・個人情報の取り扱いに配慮しており、ファイリング等を扱う担当者が定められている。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

・ファイリングシステム及び藤沢市行政文書取扱規定により文書管理をしている。
・個人情報については、藤沢市個人情報の保護に関する条例に基づき、業務記述書兼リスク管理表を活用している。
・職員に向けてはeラーニング等の研修で周知を図っている。
・記録管理の責任者は園長としている。
・個人情報の取り扱いについては「保育園のしおり」に記載があり、入園時に保護者に説明し同意を得ている。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

・「藤沢市保育計画」の理念・方針に基づき園目標・各クラス目標などを作成している。改定にあたっては、全体研修を実施し学び合い、今まで以上に需要的、応答的関わりの強化に向けて、日々の保育に落とし込むように努めている。
・年間保育計画の作成においては改定のポイントを踏まえ検討を進めた。評価と反省では、記載方法を変更して期ごとに記載しやすくなっている。
・今年の保育では「元気にあそぶこども」を園目標としている。園舎は中庭を囲んだ平屋建てで全園児が日常的に交流できる環境にあることや、広い園庭での段差をつかった運動遊びを取り入れるなど、目標に沿って年齢別に子どもの特性に合わせた計画を作成している。
・クラスごとに子どもの育ちについて話し合い、月1回職員会議で全体共有し方向性を考えるようにしている。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

・藤沢市保健指針、保育の手引き、安全衛生管理マニュアルなどに沿って定期的な安全確認を行い、保育室内外の清潔や安全確保に努めている。保育の手引きは非常勤職員を含む全職員に配布し一人ひとりが活用できるようにしている。
・中庭のある特徴的なつくりをいかし、天気の良い日は中庭にマットを敷きクラスを超えて集まり一緒に遊べるように取り組んでいる。各保育室は年齢に応じた室内設定の工夫をしており、子どもが落ち着いて過ごせるように、保育室の一角をパーテーションで仕切るなどの工夫をしている。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

・入園までの生活記録(保護者提出)の内容を把握、職員間で共有し同じ対応ができるようにしている。子どもや家庭の状況等が変更になった場合は会議などで周知している。
・乳児クラスでは少人数制保育を行い、一人ひとりの子どもと十分な関わりを持つことができており、言葉のやり取りや気持ちを受け止め安定して過ごせるように努めている。
・幼児クラスでは、個人差もあるため一人ひとりに寄り添い自己肯定感を養い自信につなげられるようにしている。年齢に応じて子ども同士で話し合い、解決できるように仲立ちするなど援助している。言葉遣いでは、ぽかぽか言葉、ちくちく言葉としてわかりやすく伝え、相手の気持ちを考えることができるように促しており、保育室に掲示もしている。
・保育の振り返りの中で人権についても検討しており、言葉遣いについてチェックしている。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

・「藤沢市保健指針」を基に年間保健計画を作成し、年齢ごとのねらいに沿って生活習慣などについて子どもにわかりやすく伝えている。乳児は、担当とともに一人ひとりのペースに合わせて落ち着いて行えるようにしている。
・文字やマークで自分のものや場所がわかり、片づけなどがしやすいように支援している。子どもが自分で玩具を自分で出したりしまったりしやすいように、棚に絵や写真で示して玩具の置き場所を知らせている。
・3歳児は絵カードで一日の流れを知らせ、5歳児では、きょうのじかんわり、年間計画をクラス内に掲示して生活の見通しがたてられるように支援しており、就学にむけた支援にもつなげることができている。3歳からは片づけについて集会を行い、5歳ではがんばって食べた日(完食)にはクラスにメダルがもらえるようになど、子どもの意欲につながる工夫をしている。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

・平屋で中庭がある利点を生かした保育として、子どもが主体的に行き来して中庭で他のクラスの遊びに加わるなど、年齢を超えた交流につなげることができている。
・身近な自然として、中庭の花壇にはひまわりなど季節の花が植えられたり、パプリカ、きゅうりなどの野菜を植えて、水やりをして生長を観察し収穫までを体験することができている。
・散歩では地域の方と触れ合う機会でもあるため、あいさつを交わすように努めている。近隣の高齢デイサービスと定期的な交流、近隣園、中学生職業体験も受け入れている。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・年間計画、月案、週案に沿って保育を進めており、入園当初は、一人ひとりのペースに応じて対応し生活リズム(遊び、食事、睡眠)を整えることを目指し、コーナー設定して遊びや食事、睡眠のスペースをわけ、ゆっくり休めるようにしている。
・乳児園庭があり安全な環境で外気浴を楽しんだり遊ぶことができるようにしている。
・家庭との連携は送迎時に口頭で保護者と子どもの様子についてやり取りしているほか、連絡帳でも情報共有し子どもの成長や発達を保護者とともに楽しむ気持ちを持つようにしている。発達記録表も毎日記録している。
・成長と発達が著しいことから発達記録表を毎日記録するとともに、一つひとつの動作に声掛けをして、経験、体験したことの積み重ねを大切にしている。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・1,2歳児クラスは落ち着いて過ごすことができるように少人数制保育を行っており、月齢だけでなく子どもの動きや相性なども考慮してクラスを3つのグループに分けている。グループは状況に応じて入れ替えるなどしている。
・乳児では情緒の安定から探索活動が活発にできるようになるため、保育室内の安全に十分配慮している。子どもの成長や発達に応じて環境設定を変更するなど工夫している。
・2歳児クラスでは、好きな玩具で遊べるようにコーナー設定をしている。午前だけでなく午後も外遊びの時間を設け、中庭でゴザを敷いて遊べるようにしたり、幼児クラスの子どもと歌や踊りを通して交流を行っている。
・友だちとの関わりでは玩具の取り合いなどもあり、気持ちを代弁したり、やりとりに必要な言葉を繰り返し伝えている。保護者とはおたより帳でやり取りし、情報共有している。トイレトレーニングの意向についても個別に保護者と相談しながら進めている。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・幼児期の終わりまでに育ってほしい姿に向けて、子どもにとって必要な環境設定や保育について検討を重ねている。
・3歳児では身の回りのことなど、生活の見通しをもって行うことができるようになっており、声かけや援助を行っている。友達とのやり取り、順番待ちや貸し借りなども保育士が仲立ちし援助している。ごっこ遊びなどが発展しやすいような設定に変更するなど保育室のレイアウト変更は子どもの興味や関心に応じて実施している。
・4歳児ではごっこ遊びやルールのあるゲームなどで友だちとイメージを共有して遊ぶことが盛んになり、遊びが発展するように声をかけたり見守りながら援助している。
・5歳児はひまわりの種を植えて生長観察、名前をつけて絵を描く、種取、分別、清掃までを行うことができた。写真などで活動の保護者に伝えている。小学校の運動会を見学に行ったり、入学前の見学も予定している。公民館まつりへの作品展示や園の様子を知らせる機会などがある。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・個別支援計画の作成と記録により一人ひとりに合わせて目標を設定し、より細かい配慮ができるようにしている。職員会議で内容を周知することで個々の障害に応じた対応や環境について、クラス以外の職員も共有し同じ対応ができるように努めている。
・子ども同士の関わりにおいては、保育士が仲立ちしているが、運動会の練習では友だちが手をつなぐなど子ども同士の自然な行動や交流がみられている。
・保護者とは連絡帳、面談で情報共有し相談等に応じている。他機関との連携として盲学校教諭と会議の機会があるなど情報共有に努めている。診断がなくても配慮が必要な場合もあるため、アセスメント(状態把握)表を活用し。特別支援保育部会。発達コーディネーターを中心に話し合う。懇談会では様子を伝えている。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・朝夕は合同保育としており、子どもは担任以外の職員と過ごしたり日中とは違う保育室で過ごしているが、子どもが安心して過ごせるような職員配置や環境設定の配慮をしている。どの年齢でも楽しめるような玩具やコーナー設定をするとともに、小さな玩具は片づけるなど乳児に配慮し安全に努めている。
・合同保育に移行する前には絵本や紙芝居の読み聞かせをして、気持ちが落ち着いてから遊び始めるようにしている。また、補食の提供を行っている。
・体操や巧技台、トランポリンなどで体を動かしたり、活動と休息のバランスをとるようにしている。
・保護者への連絡事項は、赤など色分けして伝え忘れがないようにノートを工夫して引き継ぎしている。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

・幼保小中特支援学校連携会議の開催や取り組みにより、近隣の小学校との連携が図られている。小学校見学も計画的に実施し、内容をまとめた冊子も作成している。
・5歳児クラスでは、一日の予定を「じかんわり」として伝えたり、「こくご」「おんがく」などの言葉も使用して小学校での生活の様子を感じられるように支援している。
・懇談会で、小学生になるまでできるようになっておきたいことを伝え、保護者と話しあう機会を設けている。
・幼児期の終わりまでに育ってほしい姿について。保育所児童保育要録は、担任が一人ひとりについて丁寧に記載するように努めており、小学校に持って行く際には小学校の先生と情報共有することができている。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・登園時には視診により子どもの様子を観察するとともに、保護者に口頭でも確認している。おたより帳に、体温、睡眠時間、家族の健康状態の記入があり確認している。
・市内の感染症状況を掲示し保護者に伝えている。園内で発生した場合は、発生状況とクラス人数を記入して玄関にホワイトボードを掲示し注意喚起を促している。
・幼児にむけては健康の集会を行い、手洗いやうがいの大切さなどについて伝えている。
・SIDSに関する知識を共有し、午睡時には午睡時呼吸チェック表を使用し満1歳児までは5分おきにチェックし記録しており、睡眠時の安全に努めている。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

・健康診断、歯科検診、視力検査の結果はおたより帳で家庭に知らせており、通院の必要がある場合は個別に声掛けをしている。
・5歳児より、はみがき指導を行い模型を使用してわかりやすく伝えるようにしている。
・保健師が来園し、身体発育、健康診断書を記録している。
・4、5歳児は視力検査を行い弱視の早期発見に努めている。視力検査は研修を受けた職員が実施し、問診表を事前に配り家での様子を確認している。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・藤沢市立保育園食物アレルギー対応の手引きに基づき、入園時に保護者より必要書類を提出してもらい、除去食などの対応をしている。アレルギー用献立表を保護者に渡し、毎月確認をお願いしている。
・調理員と担任など複数で除去食材を確認し、専用トレイにアレルギー児の名前と除去食材を明記のうえ食器に蓋をした状態で配膳している。乳児は別テーブルを使用し安全に配慮している。
・アレルギーシュミレーションを年数回実施し全職員に周知しているほか、2年に1回救命講習をうけ技術を習得し、慌てず対応できるように備えている。慢性疾患については、担任が児童票に記録、会議で周知、動向表にも記入している。他の子どもにも聞かれたら説明している。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・食育年間計画を作成し「おいしく食べる、楽しく食べる」ことを目標に、4期にわけ乳児と幼児それぞれのねらいを定め、配慮事項に留意しながら計画をすすめている。
・調理員と保育士が連携をとり、子どもの発達の様子や食事の進み具合を確認している。午前中の活動で十分に体を動かしてあそび、空腹を感じて意欲的に食べられるように援助している。
・年齢に応じて食事のあいさつや姿勢、食具の持ち方などを伝えながらマナーの大切さを知ることができるように支援している。
・用務員が関わり野菜の種まき、水やり、収穫までを子どもと一緒に行い、収穫した野菜は調理室に届けたりクッキング保育の食材として使用している。
・2歳児より、ゴボウ洗い、ピーマン種取りなどで野菜などの食材に触れることからはじめ、5歳児になるとクッキング保育ができるようにつなげている。また、幼児クラスが作業を分担して一緒にカレー作りをする機会もある。
・健康集会では、赤緑黄の栄養素とからだのつながりについて伝え、食に関心が持てるように取り組んでいる。好き嫌いについては、無理強いすることはなく個別に対応しており、ひとくちだけ食べてみるようにと声掛けしている。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

・藤沢市(本庁)の栄養士が作成する献立を使用し、衛生管理マニュアル、調理業務マニュアルに沿って安全な食事を提供できるように努めている。
・調理員は、個人健康管理表、毎日の点検表でチェック、調理室の清掃等チェック表を活用し適切な衛生管理を行っている。
・汁、うどんなど、温かいものはあたたかく提供するように努めており、喫食状況表で各クラスの子どもの様子を確認し、必要に応じて子どもが食べやすいように切り方などを変更するなど工夫している。
・給食では煮干し、鶏がらなどの出汁を使用し、国産食材を使用して薄味で提供している。七夕などの行事食では星形を使ったり、ハロウィンではカボチャを使用するなど、旬の食材や行事食を取り入れ、子どもが食事を楽しみにできるように取り組んでいる。
・3歳児クラスでは保護者にむけた試食会の機会を設け、保育園での献立を参考にしてもらい食育への取り組みに理解と協力が得られるようにしている。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

・家庭状況は児童票により把握し、日々の保護者と子どもの様子は動向表に記載し周知に努めている。
・玄関のホワイトボードで、各クラスの今日の活動を掲示し、内容によっては写真も掲示して活動内容をわかりやすく伝えている。外国人保護者にむけては、ふりがなでわかりやすく伝えるようにしている。玄関に掲示することで、他のクラスの様子も知ることができ、保育園での活動に見通しが持てるように配慮している。
・年度初めの懇談会では、年間目標やクラス目標などを伝え、年度後半は1年間の活動の様子や子どもの成長について保護者に伝えている。参加できなかった保護者には、懇談会での内容(議事録)を掲示して知らせている。
・活動の様子を保護者に知ってもらう機会として、年1回「公開保育」を3日間設けている。参加者は半数ほどにとどまっていることから、より多くの保護者に参加してもらえるように日程等について検討中である。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・送迎時やおたより帳を通して子どもの様子を共有したり、保護者からの質問や相談にも応じている。子どもの体調等に変化がみられた場合などは、速やかに保護者に連絡している。
・年1回は面談の機会を設け、家庭と保育園での様子を伝えあい、保護者の気持ちに寄り添いながら相談等にも対応している。また、必要に応じて市の相談窓口、取り組みなどについて伝えパンフレットを渡している。面談は事前に希望日時を記入し提出してもらい、保護者の都合に合わせるようにしていえる。希望があれば年2回の面談に対応している。
・面談での内容は児童票に記録し、内容によって周知し子どもの状況なども共有できるように努めている。相談内容によっては、幼児の主任、乳児の主任が同席するなど、保育士が適切に対応できるよう助言が受けられる体制を整えている。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

・朝の受け入れ時に子どもと保護者の様子を確認しているほか、日中の子どもの様子や着替えの際にも観察し変化に気づけるように取り組んでいる。
・子どもと保護者の様子に変化があった場合や気になることがある場合には、主任、園長に報告し様子を見守ることとしているが、緊急性のある場合には速やかに子ども家庭課につなげ、関係機関と連携する体制としている。
・虐待等について対応マニュアルを整備し職員会議で周知するなど体制についても確認しあっている。
・保育園規則の中に、虐待等の禁止、児童虐待防止法の遵守についての記載があり、関係機関へ通報することなどを入園時に保護者に説明している。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

・年間保育実施計画、月間保育実施計画、週(日)保育実施の内容について日誌に記録している。年間計画は期ごとに、計画に基づいて実施できているかについて自己評価を行い、評価と反省をいかした計画づくりに向けて取り組んでいる。月、週、日単位においても振り返りを行い、翌日、週、月に反映できるようにしている。
・職員会議、クラス会議、乳児・幼児会議等で意見交換ができるようにしている。保育に関わる研修や園内研修を実施し、職員の質の向上や技術の習得に努めており、研修受講後は報告書を提出し会議で報告したり資料回覧などで周知し、共有できるように取り組んでいる。
・業務の目標管理シートを作成し、達成状況については園長、主任がヒアリングで確認し助言を行い、保育の質の向上にむけて取り組んでいる。