社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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認定こども園 オーセルわかば幼稚園

2021年05月13日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 認定こども園 オーセルわかば幼稚園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認定こども園(保育所型、幼保連携型に限る) 定員 105名(65名) 内保育所的機能 2号認定:21名(9名) 3号認定:9名(9名) 名
所在地 241-0801
横浜市旭区若葉台1-7-1
TEL 045‐921‐2525 ホームページ http://www.wakabadai-1.ed.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2018年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 学校法人 中野学院
職員数
常勤職員:14 名
非常勤職員:25 名
専門職員
保育教諭:常勤7名/非常勤9名 名
保育士:非常勤1名 名
栄養士:常勤2名  名
調理士:常勤1名 名
施設・設備の概要
クラス室 9、 調乳室 1 、遊戯室 1、図書室 1:
冷暖房、組み立て式プール:

③ 理念・基本方針
思いやりの心を育てる
 ~自己肯定感を高め思いやりの心を育てる~

1 【刺激】 様々なよい刺激を、園舎・園庭・先生・行事などの環境を通して子どもたちに用意します。
2 【吸収】 先生・仲間・保護者・地域の人々との関わりの中で沢山の体験をし、感性 (うれしい ・ 楽しい ・ 悲しい ・ くやしい ・ 不思議など )を養います。
3 【発想】 その中で用意された物をただ受け入れるだけではなく自発的な『 ?(ギモン) 』、『 !! (ハッケン) 』、 『 !? (アイデア) 』を持てるよう、子ども目線でサポートします。
4 【表現】 ありのままの自分が受け入れられているという安心感を大切に育み、自己肯定感を高め、自由に表現出来る場を作ります。
5. 縁あって出会った一人一人の子どもの存在を尊重(そんちょう)し、社会の一員として対応します。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
・同じ建物内に教育機関の幼稚園と、乳児を含む保育園が共に存在する幼保連携型認定こども園です。在園の幼児は全員制服を着用し、幼稚園バスで登園する子や、預かり保育を利用し保護者と登降園する子どもがいます。

・教育時間【9時~14時】においては、クラスのカリキュラムで活動をし、ECC、造形、作法、科学など専任講師を迎えての体験や、広い園庭、遊戯室、コーナー遊びが豊富な遊びの部屋、廊下の図書コーナーなどを友達や保育者と自由に過ごせる時間を通して、一人ひとりが持つ興味や想いを大切にしながら、クラス運営を行っています。  

・教育時間が終わると、2号認定者の幼児は3~5歳の縦割り保育になり、お昼寝おやつなどを共に過ごします。また16:30になると乳児と幼児の合同保育になるため、縦割りで関わる時間が長く、兄弟のように仲睦まじい姿が見られます。

・R2年4月~インド人限定で1号認定のインターナショナルクラスを設けました。これからのグローバル社会に必要な国際交流を、成長著しい年代の子ども達が自然と経験できる場として少しずつクラスの交流をひろげています。日本の保育とインターナショナルクラスの教育のそれぞれ尊重するところは尊重し、共有できるところは共有し融合させていき、多種多様な社会に生きていく子ども達にとってかけがえのない経験の場となるよう発展させていく方針です。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/11/13(契約日) ~2021/04/27(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 初 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1) のびのびとした保育を可能とするゆとりのある保育環境が整備されています
幼稚園開園時からの大規模な園として建設された建物で、各保育室、あそびの部屋、園内廊下、職員事務室、遊戯室、園庭に十分な空間が用意されています。認定保育園移行時に大規模修繕を実施し、園内を明るい雰囲気の壁面とし、床と天井も張り替え、車いす用トイレの設置、厨房の整備、冷暖房機器の整備が行われています。
遊戯室は188平方メートルの広さと十分な高さがあり、雨の日でも子どもたちが思い切り体を動かせる空間となっています。遊戯室では、入園式、卒園式、観劇会や課外教室として体操教室やキッズチアの活動に利用されています。園庭は、子どもが走って遊べる十分な広さがあり、幼児用と乳児用の2台の滑り台や鉄棒などの大きな遊具が設置されています。

2) 打ち合わせ会を大切にし、保育の質の向上に努めています
毎日14時から14時30分まで打ち合わせ会を行い、子どもや家庭環境の変化や保護者からの意見等の共有のほか、「報・連・相」を重視し、日々の保育の振り返りを全職員で行い、組織的・継続的な取組みとしています。
職員は日案や週案についてこの時間に振り返りを行い、自分の課題やよかったと感じたことをみつけたり、他職員からの多角的な意見により新たな気づきが生まれ、速やかな保育実践の改善につなげるとともに、保育の質の向上に努めています。

3)職員間のサポート体制の充実が安定した保育の提供に役立っています
今年度からパート4名をフリーとし、保育補助や教材準備など、職員がサポートを希望する仕事を、直接パート職員に依頼できる体制としました。職員は保育補助としてどの年齢のクラスでも即応できるスキルを有しています。
職員はカレンダーに依頼事項を付箋等でリスト化し、進捗状況も併記することで、いつ誰が仕事に入っても即時状況を把握できる効率的なサポート体制を構築し、時間外勤務の削減にもつながりました。
改善を求められる点 1)第三者委員等の設置
苦情解決の仕組みとしては、苦情解決に関して「利用者からの苦情解決に関する実施要綱」が整備され、保護者へは重要事項説明書に明記して周知しています。苦情解決の相談窓口については、園長が責任者となり主幹保育教諭等が相談・苦情受付者としています。
一方、第三者委員が未設置です。今後、第三者委員の任命及び重要事項説明書に委員の氏名・連絡先の記載及び園内への掲示等を実施する事が望まれます。

2)自己評価の取組推進
園では今回、初めて第三者評価の受審及び自己評価を行いました。職員を4つのグループに分け、3日間の中で各グループ毎に2~3時間をかけて、自己評価内容を討議しました。更に園長、主幹保育教諭、前副園長の3時間ずつ各2回の合議で自己評価を決定するなど、組織的に丁寧な取組を行いました。このプロセスを通じて職員間に様々な気づきが生まれ、課題の共有化を図りました。
今回を契機に保育の質の向上に向けて、今後も引き続き、組織的・継続的な自己評価に取組むことを望みます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
数多くの評価実績を持つ評価機関に園の実情をありのままにみて頂き、自園の良い点・改善点をあげて頂きました。
3年前より園の経営改革を推進しており、まだまだ発展の途上にあります。
今後も地域に信頼される園作りに積極的に取り組むべく、今回の評価結果から事業のあり方を考え直し、改善し続けたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

園の運営体制を見直す過渡期にあることから、運営規程、重要事項説明書、パンフレット、ホームページで理念、基本方針の記載が異なる点が見られます。園の理念、基本方針はいずれの書面においても同様の記載で確認できることが望まれます。保護者に対しては、見学会や入園説明会で重要事項説明書の読み合わせや説明を行っています。職員全員を対象に、毎年、入園説明会の前に重要事項説明書の変更点等を説明していますが、特に理念や基本方針については、会議等の場での周知や協議が望まれます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

幼保連携型認定こども園として、毎月の幼稚園の園長会、毎月の私立保育園の園長会(3ヵ月に1回は公立保育園を含む)などに出席し、園を取りまく経営環境や課題を把握する機会としています。地域では子どもの数や保育ニーズが減少していますが、1歳児の保育ニーズは高い状況です。公認会計士や教育に詳しい理事、評議員などの専門家等を交えて、地域や保育環境の動向等を踏まえた保育のコスト分析や経営の見直しを行っています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

幼保連携型認定こども園として、幼稚園機能を利用する1号認定、保育園機能を利用する2号認定、3号認定の子どもへの保育・教育を行っています。1号の子どもが在園する時間帯は1、2号児共に同じカリキュラムで一体的な保育・教育の提供をしています。令和2度からは、1号認定のインド人対象クラスも新たに設けています。定員充足に向けた経営基盤の強化やインターナショナルクラスとの交流促進など、理事、評議員、公認会計士と共有し、課題改善に向けた協議を進めると共に、職員とも課題の共有を図っています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人は中・長期ビジョンを策定し、経営基盤の強化、地域への発信力の強化、インターナショナルクラスとの交流促進、キャリアパスの導入など今後の課題を明らかにしています。「人事ポリシー」では、保育方針の実現のため、園が求める職員像、採用、配置、育成等「人事に関連する基本的な考え方」を示し、取組の方向性を明確に示しています。中長期の収支計画については、未策定ですが、会計士等の専門家と運営に関する相談を定期的に行い、経営課題の確認と改善策の検討を行っています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

中長期計画を反映した単年度の「事業計画」としては、インターナショナルクラスの運営に特化した事業計画を策定しています。そのほか年間行事計画、年間研修計画、市の子育て支援事業計画などの年度計画をそれぞれ策定しています。今後、園として単年度の「事業計画」を策定する折には、中長期計画及び中長期の収支計画を反映させ、年度末に実施状況の評価が可能となる具体的な目標や成果を設定することが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

法人の中長期計画は園長が公認会計士などの専門家や理事・評議員等と定期的に協議し、策定しています。行事計画については行事終了後、担任や事務職員などが反省会を行い、次年度に向けて日程や開催方法などを話し合っています。研修計画については年度の研修実績報告書を作成しています。その他各事業の実施方法について、随時、主幹保育教諭が職員の意見を取りまとめ、園長の判断の下、取組を進めています。今後、中長期及び単年度の「事業計画」策定の折には、予め定められた時期、手順により、立案、周知、進捗確認、評価、見直しを組織的に行うことが期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

年度初めの説明会に重要事項説明書、園生活のしおり、年間行事予定表などを配布し、保護者に周知しています。また、重要事項説明書の変更がある場合などは説明会を開催し、資料を配布し、周知しています。園だよりや各クラスのおたよりには行事の報告等も掲載し、保護者の参加を促す工夫をしています。今後、事業計画を策定した折には、子どもや保護者に密接に関係する内容については、保護者に分かりやすく周知する工夫も望まれます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

保育の質の向上に向けてPDCAサイクルに基づく取組を組織的に行っています。日案は毎日の打ち合わせの時間に、週案は水~金の打ち合わせの時間に話し合い、反省・評価の上、担当が主幹保育教諭に提出することとしています。打ち合わせは毎日14時から14時半に行っています。月案は月案会議で話し合い、評価を行っています。3月の月案会議では年間の評価を行い、次年度計画に反映させています。第三者評価における自己評価は今年度初めての取組でした。今回を契機に、今後も評価基準に基づく自己評価の継続が期待されます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

当園では今回、初めて第三者評価の受審及び自己評価を行いました。職員を4つのグループに分け、各グループ毎に2~3時間をかけて、自己評価内容を討議しました。更に園長、主幹保育教諭、前副園長による2回の合議で自己評価を決定しました。このプロセスを通じて職員間で様々な気づきが生まれ、課題の共有化を図る機会となりました。今回を契機に今後、評価基準に基づく自己評価の継続が期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長は自らの役割と責任について園則(運営規程)、重要事項説明書に明記しています。職務分掌には園長の職務として教育保育の理念・方針の確立、方針・目標・規則の遵守と周知、必要な職員採用・研修・施設・遊具の提供など、役割と責任の詳細を明示しています。ホームページでは冒頭に園長挨拶を掲載し、取組方針を発信しています。「地震防災応急計画書」には有事の際の判断者を「園長又は防火管理者又は主幹保育教諭」とし、不在時の権限委任の範囲を明確化しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

園長または主幹保育教諭は毎月、私立保育園の園長会(3か月に1回、公立保育園の園長含む)、幼稚園の園長会などに出席し、法令遵守の観点での経営に関する研修の機会としています。横浜市幼稚園協会主催の労務関係の研修に、職員を派遣しました。内部研修では、危機管理や、安全管理研修等を実施しました。
今後、園長会の研修内容について、職員への積極的なフィードバックにより、遵守すべき法令の周知や取組の推進が望まれます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長または主幹保育教諭は毎日の打ち合わせ会に出席し、子どもや保護者の状況や職員の意見を把握し、課題改善に向けた取組に指導力を発揮しています。保護者からの声に応え、古い遊具を撤去し安定性を重視した新たな遊具を購入しました。配膳室がないため検討委員会を設置し、新たな給食設備を創出しました。コーナー遊びが思い切りできる様に、図書室を「遊びのお部屋」に替え、部屋中に様々な遊びのコーナーを常設しました。幼稚園から認定こども園への変更に伴い保育関係の研修情報も増えたことから、職員を積極的に派遣し研修機会の充実につなげました。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は公認会計士や社会保険労務士等に相談し、人事・労務・財務等の分析を行っています。園長は職員との意向調査の面談により、勤務体制、保育の問題点等の意見や希望を吸い上げ、働きやすい職場環境の整備に取り組んでいます。今年度からパート4名をフリーとし、保育補助や教材準備など、常勤職員がフリーの職員に直接仕事の依頼ができる形としました。フリーの職員はどの年齢のクラスでも即応できるスキルを有しています。カレンダーに依頼事項を付箋等でリスト化し、進捗状況を併記することで、いつ誰が仕事に入っても即時対応可能で効率的なサポート体制を構築し、常勤の時間外勤務の削減につなげました。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

中長期ビジョンとして「人事ポリシー」を定め、園が求める職員像、採用、配置、育成など人事に関する基本的な考え方を明示しています。しかし必要な福祉人材や人員体制についての具体的な計画は未策定です。今後は具体化にむけて、年間採用計画や採用基準を定め、採用活動を行う方針です。人材育成では職員が自らの将来像を実現するためのキャリアパス及び、「人事育成計画」を策定し、研修体系やOJTの仕組みも整備する方向です。現在、人材確保に向けてハローワークや人材派遣会社を通じて随時募集を行っています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

中長期ビジョンとしての「人事ポリシー」に、園が求める職員像を明確にしています。毎年園長・主幹保育教諭など幹部職員が意向調査のための個別面談を行い、各職員の職務に関する意向の把握と共に、当該職員に求める目標や成果を伝え、仕事にやりがいを持てる様に配慮しています。中長期ビジョンとして「人事ポリシー」を定め、園が求める職員像、採用、配置、育成等「人事に関する基本的な考え方」を明確にしています。園の将来像を見据え、今後キャリアパスの策定、「年間採用計画」、「人材育成計画」の立案等により、職員が自ら将来像を描き実現するための総合的な仕組みづくりを行う方針です。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員の意向や就業状況を把握し、希望に沿った夏休みの取得や不意の休暇を申し出しやすい環境づくりに努めています。職員の悩み相談等は、プライバシーに配慮したスペースで行い、必要に応じて産業カウンセラーとの定期的な面談につなぐなど、相談しやすい様に組織内の工夫をしています。職務の負担軽減に向けては、フリーのパート職員を配置し、職員の依頼に応じて保育補助や教材準備を行うことにより、業務の効率化にも効果を挙げています。行事など時期によっては過重な勤務となることもあることから、今後も人材確保・定着の観点からも、働きやすい職場づくりへの取組の一層の推進を望みます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

中長期ビジョンとしての「人事ポリシー」に、園が求める職員像を明確にしています。園内研修で「自分がどういう名人になりたいか」というテーマで、職員が一人ずつ自らの目標を宣言をするという取組を行いました。職員一人ひとりの育成への取組では、話しやすい雰囲気の中でコミュニケーションを図り、個々の目標を確認しています。進捗や達成度は日々の関わりの中で見守り、認め、次の目標設定を行いました。しかしこの方法においては、職員が自らの目標を設定への認識や進捗、達成への自覚が不十分でした。今後に向けては、職員が自らの目標設定を自覚し、達成への動機づけにつながる仕組みの構築が期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

中長期ビジョンとしての「人事ポリシー」には、園が求める職員像を明示しています。今後採用基準として、園が求める職種や職位に応じた技能・知識・経験等を定めることとしています。「年間研修計画」に基づき外部研修への派遣や内部研修を開催し、実施後は評価・見直しを行うと共に、年度毎に実績報告書を作成しています。認定こども園になり、幼稚園及び保育園双方の関係機関から研修情報が得られるため、積極的に研修への派遣を行っています。今後は研修参加者からの研修内容のフィードバックにより、職員全体の更なるスキルアップを期待します。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

個別の職員の知識、技術水準、専門資格の取得状況を把握しています。外部研修では保育士等キャリアアップ研修のほか、保育実践、保育事務、給食調理、衛生管理、食物アレルギー等の研修に保育教諭・栄養士・調理員、事務職員などを派遣しています。研修案内は回覧し周知を図ると共に、職員一人ひとりに対し目的に応じた研修参加を勧奨しています。職員の経験や習熟度に配慮しOJTを行っていますが、「人事ポリシー」においては、OJT指導者研修の受講やOJTマニュアルの作成など教育・研修について一層の充実を図る方針です。 

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

「実習について」という実習生向けの書面を準備し、服装や持ち物、注意事項を記載しています。「個人情報の取り扱いについて」には、個人情報保護の徹底について、実習生への具体的な指導方法を明記しています。実習生を担当するクラスの職員同士は、指導内容を共有・連携し、指導にあたっています。実習プログラムの作成時や、実習中においても学校側と連携を図り、実習の受け入れを行っています。今後に向けては研修・育成に関する基本姿勢を明文化すると共に、対応の標準化に向けて実習生の受け入れマニュアルの整備が期待されます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

ホームページには信念、教育理念・方針のほか、園内設備、給食、防災・防犯の取組、年間スケジュールや日課などを掲載しています。子育て世帯向けには未就園児を対象とした園庭開放の実施日や、預かり保育・延長保育などを案内しています。高齢者などの住民向けには、「園内敬老の日」の集い、運動会参加者募集、作品展等の案内のチラシを地域ケアプラザや区役所に置いたり、LINE等で広報をしています。今後、HP等の更なる活用により、事業計画、報告、予算・決算情報や、第三者評価の受審結果の公表など、透明性の確保に向けた情報公開の推進に期待します。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

「職務分掌」に各職員の権限や責任を明記しています。園内の事務・経理・取引等については公認会計士による内部監査を3か月に1回行っています。法人の理事、監事、評議員などと話し合い、中長期的ビジョンを見据えた経営の見直しを図っています。また、認定こども園は1号認定、2号認定、3号認定など同じ施設を利用しても料金体系が異なる複雑なシステムを有するため、保護者からも分かりにくいとの指摘があります。保護者に対しては特に料金についての丁寧な説明を心掛け、透明性の高い運営に努めています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「教育及び保育に関する全体的な計画」に地域交流の方針を明記しています。近隣の小・中学校の職場体験の受け入れ、園の行事への地域住民の招待、他園との交流行事への積極的参加など、地域との交流を広げています。例年は施設開放、観劇会、運動会等に未就園児や地域住民に参加を呼びかけていますが、今年はコロナ禍で多くが中止となりました。地域の社会資源である「親と子のひろば そらまめ」、旭区地域子育て拠点「ひなたぼっこ」の案内のチラシを園内外に掲示し、保護者のニーズに応じて利用を推奨しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

毎年、学校との連携により、小学校の地域探検や職業体験、中学校の職場体験、家庭科での交流など計画的なボランティアの受け入れを行っています。主幹保育教諭がボランティアの受け入れの窓口となり、日程調整、幼児と関わる際の配慮事項などの打ち合わせや、ボランティア希望者との事前面接を行う場合もあります。組織内でもボランティア受け入れ時の注意事項の周知・共有しています。事後には反省会を行い、評価、見直しの上、必要な改善に努めています。今後、対応の標準化に向けたマニュアルの整備が望まれます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の社会資源として、「親と子のひろば そらまめ」、旭区地域子育て拠点「ひなたぼっこ」など子育て支援に資する機関について、園内外の掲示等で情報提供をしたり、利用を推奨しています。
権利侵害が疑われる子どもへの対応の際は、主に園長・主幹保育教諭・担当者にて情報共有を図っています。関係機関との連携内容は職員会議でも情報を共有し、打ち合わせノート等を活用し、不在の職員へも周知徹底を図っています。区役所の保健師や児童相談所等と連携し、要請に応じて要保護児童対策地域協議会の援助活動チームへも出席しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

コロナ禍で今年度は中止となりましたが、高齢者や未就園児など近隣住民を園の行事等へ招待したり、ケアプラザや老人ホームへ訪問し、交流活動を通じて福祉ニーズの把握に努めています。園の行事は、歌の発表やゲームを行う「園内敬老の日」の集い、未就園児競技や敬老種目を設けている運動会、子どもや職員等の劇を披露する観劇会などがあります。
子育て支援事業による「園庭・施設開放」では、園庭、遊戯室、保育室を開放し、発達に合わせた遊具、玩具、遊び方を提供しています。これにより家庭での保育に役立ててもらうと共に、保護者同士の交流を深める機会を提供しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

少子高齢化の進む地域の福祉ニーズを踏まえ、園の行事に近隣の高齢者や未就園児を招待したり、近隣の高齢者施設を訪問するなど、近隣住民との交流の機会を設け、地域貢献に努めています。地域への災害対策としては、災害時用の備蓄を一週間分確保し、かまどを備えているため、園児のみならず地域住民の一時的な避難場所として開放できるよう、準備しています。事業計画の策定に際しては、現在実施している地域貢献活動についても明記することが望まれます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

理念や基本方針には、子どもを尊重した保育の実施について明示しています。保育の中では、世界に様々な国があり、食事、生活など文化の異なる子どもがいることを子ども達に伝え、他者と自分の違いについて互いに認め合えるように取り組んでいます。職員の対応にずれが生じた場合は、毎日の打ち合わせ会で話し合うなど、子どもの人権を尊重する保育の基本姿勢について職員間で共通理解を築くよう努めています。今後、倫理綱領(規程)等の策定や、子どもの尊重や基本的人権についての内部研修など一層の取組の推進が望まれます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:c】

子どものプライバシー保護に向けて、着替えの際はカーテンを閉め視界を遮断したり、希望する子どもについては別室での着替えを行うなど、安心して着替えが出来る環境への配慮をしています。私物の管理は一人ずつの場所を用意しています。また、子どもの写真や個人情報の取り扱いについては保護者の同意を得るなどし、配慮しています。今後、子どものプライバシー保護について明記した規程、マニュアル等の整備が期待されます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

区役所や地域ケアプラザなど、地域住民が利用する場所にパンフレットを置いています。ホームページには、カラー写真をふんだんに使用し、理念・方針のほか園内設備、送迎バス、給食・制服、防災・防犯の取組や、年間スケジュール・日課などを分かりやすい説明で掲載しています。SNSでは日々の保育や行事の様子を写真や動画でアップしていますが、情報の更新によるタイムリーな発信が期待されます。見学者にはパンフレットで説明を行い、特に2号認定、3号認定など認定こども園特有の複雑な料金体系については丁寧な説明に努めています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

保育の開始にあたっては、保護者に「重要事項説明書」と「園生活のしおり」を配布し説明します。「重要事項説明書」は組織と利用者の権利義務関係を明確にする重要なものであるため、保護者の同意の署名欄を設けることが望まれます。「個人情報及び肖像の取り扱いについて」は保護者が署名捺印した同意書を収受しています。持ち物等は写真や実物を見せて使用方法を説明するなど丁寧な説明を心掛けています。外国籍の保護者に向けては、配布物にルビを振ったり、英文にして配布するほか、アプリの活用を推奨するなどの配慮をしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

他園への転園等にあたり、「認定こども園園児指導要録」の作成等により、保育の継続性に配慮しています。転園後等の相談については、主幹保育教諭が担当しています。今後は相談窓口や相談方法など、保護者に説明をしたり、その内容を文書にて渡すなどの対応が期待されます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者満足の向上を目的とする取組として、日々の保育の中で子どもたちの表情から遊びや活動での欲求及び満足を把握しています。行事ごとに保護者アンケートを実施しています。要望や感想について職員会議や行事の反省会で共有し、必要な改善に取り組んでいます。
定期的に行われる保護者の個別面談以外に、随時、主幹保育教諭又は園長が面談を行い、利用者満足の向上に向けた対応を行っています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の仕組みとしては、苦情解決に関して「利用者からの苦情解決に関する実施要綱」を整備し、保護者へは重要事項説明書に明記して周知しています。苦情解決の相談窓口については、園長が責任者となり主幹保育教諭等が相談・苦情受付者としています。
第三者委員が設置されていません。今後、第三者委員の任命及び重要事項説明書に委員の氏名・連絡先の記載及び園内への掲示等を実施する事が望まれます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者が相談や意見を述べやすいように、全職員が送迎時等において挨拶や声かけをして、話しやすい雰囲気作りに心がけています。保護者の思いや意見を受け止めたときは、打ち合わせ会などの場で職員間で共有し、保護者が話しやすい職員が声かけを行ったり、別室を用意して落ち着いた雰囲気を用意するなどの配慮を行っています。入園時に配布する重要事項説明書に、要望・苦情に関する相談担当者を明記しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

担当保育士が受けた保護者からの意見や相談内容については、必ず主幹保育教諭及び園長に伝え、必要な場合は保護者へ回答しています。さらに、必要な場合は、園が契約するアドバイザーから意見・指示を受けて対応しています。
保護者からの意見については、速やかに打ち合わせ会等で共有し、保育の質の向上に努めています。日頃から職員と保護者間でコミュニケーションを図るよう留意しています。相談や意見の把握に関するマニュアルを作成していないため、今後の策定が望まれます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスクマネジメントに関しては、事故発生時の対応マニュアルを整備しています。さらに、年齢クラス別の50項目にわたる安全チェックリストによる確認を毎日実施し、安全な保育環境作りに取り組んでいます。事故等が発生した際は、個人の責任を問うのではなく、職員間で原因の確認と今後の改善について話し合って共有し、再発防止に努めています。
リスクマネジメントに関する委員会等の体制が整備されていません。今後、体制作りの検討が期待されます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

感染症対策としては、厚労省が作成した「保育所における感染症対策ガイドライン」をもとに、保育の場面や季節に応じた感染症予防に取り組んでいます。特に、季節性の感染症に関しては、職員会議の場で確認し、対応等について話し合っています。
保護者に対しては、毎月発行している「えんだより」を通して感染症情報を周知するとともに、チラシ等を配布して情報提供を行っています。さらに、感染症が発生した場合は、携帯アプリで配信して注意を促しています。今後、感染症対策について、責任と役割を明確にした管理体制の整備が期待されます。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

災害に強い保育環境づくりとして、耐震診断による耐震化、消化設備の充実及び遊具等の落下防止措置などが実施されています。備蓄食料は、園児・職員分だけてなく、地域住民への対応も想定した内容で一週間分を保存しています。備蓄食料、備蓄品及び災害リュックについて保存場所を定めて定期的に確認し、被災時の迅速な対応に備えています。避難訓練を実施し、子ども安全確認、避難誘導等について確認しています。また、消防訓練は地域の消防署と連携して実施しています。今後、災害時の職員及び保護者に対する安否確認方法について、園内での共有が望まれます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

保育に関する標準的な実施方法として「保育手順」を策定しています。さらに横浜市の保育指針をもとに日々の保育を実施しています。個別の場面として、オムツ使用、水遊び・プール活動、散歩、嘔吐時の対応及び乳児の睡眠時呼吸確認等についてマニュアルを作成しています。
日々の保育の中で、実施方法について共有が必要な場合は速やかに話し合い、マニュアル化が必要な事項は文書化に努めてきました。今後は、標準的な実施方法に基づいて日々の保育が実施されているかどうかを確認する仕組み作りが課題となります。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

保育の標準的な実施方法の検証見直しについては、新年度に切り替わる年度末の時期に必要な見直しを行っています。保護者や保育者から疑問が出た事項については、職員間で話し合い検討しています。
指導計画の見直した時の検討の経緯や記録が書面として残されていません。また、保育の検証・見直しに際して、乳児と幼児で意見交換の機会に差が出るとの職員意見もあります。今後、会議時間の調整や共有方法について改善することが望まれます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

指導計画の作成については、担当保育士が単独で作成するのではなく、他の保育士と前年度の様子や過去の事例を参考にしてアドバイスや意見交換を行ったうえで指導計画を作成しています。保護者の意見をアンケート等で把握し、職員全員で話し合って共有し、保育に反映しています。特に、日々の保育の振り返りを全職員で共有できるよう「報・連・相」を重視して話し合い、保育の質の向上に取り組んでいます。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

年度計画については、新年度に担当保育士が集まり、前年度の反省や改善点を踏まえて見直しを行い、良かった点は引継いで策定しています。月案については、月案会議で各クラスの評価・反省点を共有し、計画の見直し及び立案を行なっています。日案・週案については、打ち合わせ会で日々の保育について反省・振り返りを行い、保育の質の向上に取り組んでいます。
指導計画を緊急に変更する場合の仕組みは整備していませんが、常に変更された事項を念頭において保育を行っています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子どもに関する保育の実施状況の記録については、個別記録または日案で確認することができます。職員間の情報共有については、毎日実施される打ち合わせ会の場で、子どもの成長や問題点等を話し合っています。さらに、事務室内のホワイトボード及び書面の掲示により、職員間で情報が共有しやすい工夫を行なっています。記録の内容や書き方は統一化していないので差異が生じているとの意見がありました。今後、記録要領の作成や職員への指導等について検討することが望まれます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

個人情報については、「個人情報の取り扱いについて」とする規程を策定し、個人情報の利用目的、情報の取り扱い、写真の扱い、実習生・ボランティアへの指導、職員意識の徹底及び第三者への情報提供の制限等について個人情報の保護に努めることを規定しています。個人情報保護に関する教育・研修は、初任者研修の中で実施しています。
個人情報の取り扱いについて、入園時に保護者に説明を行い、書面にて了承を得ています。
個人記録の保存年限は運営規定の中でを規定し、シュレッダーにより廃棄しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

保育の全体的な計画は、関係法令を遵守するとともに、園の運営方針に基づき策定しています。保育計画策定については、各クラスの子どもたちの発達過程や状況を踏まえて主幹保育教諭がクラス担任と共に策定しています。
保育計画について、毎月の職員会議の中で反省点や改善点について話し合っています。計画の定期的な評価として、行事などの取り組み準備期間及び実施時期等について反省や問題点について話し合われ、準備開始時期を早めるなどの改善点を確認し共有しています。さらに、この改善が他クラスの保育計画にも生かせるようにしています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

認定こども園を開園する際に子どもたちの生活にふさわしい場となるよう、保育室、廊下・階段、洗面所、給食設備等について大規模な整備を行っています。各保育室は両面に窓があり、採光・換気状況は良好です。さらに、空調設備、湿度温度計、空気清浄機、加湿器等を設置し適切な保育環境作りに努めています。
乳児クラスには、ぬくもりのある木製の家具を使用し、コーナー遊びのスペース作りに工夫されています。各室は、避難経路が確保され、子どもたちの動線上には大きなものや玩具を置かないようにして安全に配慮しています。トイレは壁面を装飾し、動物や文字で個室が分かりやすくして、親しみやすい空間となるよう配慮しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員全員が園児一人ひとりの顔と名前を把握することに努めて保育にあたっています。毎日の打ち合わせ会で、子どもの家庭環境の変化、怪我や子どもの心情の変化等について共有し、保育に関わるように努めています。
自分の気持ちを表現することが上手にできない子どもに対しては、一人ひとりのペースを大切にし、状況に応じて他の職員が応援に入る等の配慮のもとに対応しています。
子どもの欲求を受け止め、子どもの気持ちに添った対応として、子どもの目や表情等から一人ひとりの状況を把握するように心がけ、職員定数以上の保育士がクラス活動に関わることにより、子どもが安全で安心して園生活が送れるよう配慮しています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

子ども一人ひとりの発達状況に合わせた生活習慣を身につけることができるよう、園での子どもの様子及び家庭での様子を保護者と話し合いながら共有して取り組んでいます。職員間で子どもの発達状況に合わせた援助について共有し、保育士だけでなく園職員全体で子どもに合わせた援助が行えるように取り組んでいます。
子どもが自分でやろうとする気持ちを引き出せるよう、食事場面でスプーンの使い方を見せたり、苦手な食品を少しづつ食べて偏食を減らすなどの工夫をしています。
子どもがトイレの練習や縄跳びに挑戦する際に、シールを貼り集めることで、達成感や挑戦する楽しさを味わえるよう工夫しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

子どもが主体的に活動できる環境として、広い遊戯室を設置し、天候に関わらず体を十分に動かせる空間を確保しています。遊びの部屋として、遊具及び図書が自由に楽しめるスペースを用意しています。さらに画用紙やクレヨンや粘土なども用意し、子どもたちが自発的に遊びを選択し、他児との関わりや表現活動を楽しめるよう配慮しています。
園庭は、広いスペースを確保し、思い切り走ったり、三輪車や乗り物遊具で遊べる空間となっています。園庭に線を引いて区切られた場所で遊ぶ体験から社会的ルールを学んだり、順番で遊ぶ中で譲る譲られる思いやりが育っています。保育士は、子どもたちの遊ぶ姿を見守り、必要な手助けを行うことで成長する機会を提供しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:非該当】

0歳児は入園していません。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

1歳から3歳未満児の保育においては、複数の職員が関わることで多様な視点から一人ひとりの子どもを捉えることに留意しています。子どもの状況について、担当保育士だけでなく、他の保育者も子どもと保護者の思いを共有・共感し、家庭と連携して成長を見守っています。
職員間の共有方法として、日々の打ち合わせ会で子どもの状況を話したり、クラスに担当以外に補助の保育士が入ることで発達・成長の変化を共有し、多様な視点から子ども一人ひとりを捉えるようにしています。
トイレットトレーニングの場面で、子どもの状況を全職員が共有していたので、子どもと保育士以外の事務員や用務員とも喜びを共有できた事例がありました。
室内は、保育室内を安全に活動できるようマットを敷いたり乳児の目線の高さや手の届く場所に玩具や遊具を配置し、自発的な活動ができるよう配慮しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳以上の保育においては、保育室をコーナーに分ける等、集団の中でも落ち着いて遊びに集中できるような環境を整備して取り組んでいます。日々の保育や行事を通じて、ひとつの物を作り上げる喜びや、個々が役割を持ちお互いを認め合い、達成感が得られるように配慮して活動に取り組んでいます。
クラス構成が各年齢一クラスであるため幼児クラスの3年間が持ち上がりとなるため、その間の子ども同士の園生活を通して、苦手意識や関わりの難しさがある子どもに対し、お互いを理解し認め合い、助け合う関係性が作られています。
2020年度は開催されませんでしたが、運動会や発表会等に地域の高齢者や住民、学校関係者が来園し、保育活動の様子を紹介する機会となっていました。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

園内のトイレや通園バスは、車椅子の対応ができるように配慮しています。障害のある子どもがクラスメイトと共に日々の活動に参加して達成感や共に喜び合えるように職員間で話し合い、関係機関や保護者と相談して取り組んでいます。障害児保育について、担当以外の保育士にも積極的に地域療育センターピース鶴ヶ峰等で開催される研修に参加し、早期発見や対応についての知識や情報を得ています。
障害のある子どもの受け入れに際しては、主幹保育教諭及び担任保育士を中心に関係機関と連携し、園内でも職員間で共有を図り、障害のある子どもが安心して過ごせるように配慮してます。障害のある子どもが就学するときは、学校側と引き継ぎを密に行い、卒園後も保護者との関わりを保つよう心がけています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

朝夕の時間帯は異年齢保育となるので、安全に配慮して職員対比にとらわれずに保育者を増やし、子ども主体の活動が行えるよう見守っています。午睡の時間帯に全体の打ち合わせを行って、早番勤務者と遅番勤務者間の情報共有が可能となっています。
預かり保育の部屋には、当日利用する子どもの名前と特記事項が書けるホワイトボードが用意され、児童数や重要な連絡事項が一目で分かるよう取り組まれています。また、遅番勤務の職員が預かり保育に必ず入ることで適切な引き継ぎを行い、保護者に一貫性のある対応を図っています。パン給食の日などでは、保育時間が長い子どもが空腹感を感じないよう、おやつの量を調整するなどの配慮を行っています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

幼保小連携交流として、年長児が近隣の小学校へ出向き、1年生に学校内の案内をしてもらう、卒園児が小学生になった姿を見せる、教室の椅子に座る体験をする、等の取組を通して小学校生活を事前に体験する機会を設けています。卒園児が通う小学校から養護教諭が幼稚園に訪問し、実際に子どもの様子を見て、担当保育士と引き継ぎを行っています。近隣の保育園と交流し、同じ小学校に就学する児童と関わる機会を持つ等、近隣の保育園、幼稚園、小学校と連携して子どもの就学を見通した取組を行っています。
保育活動の中で紙でランドセルを制作し、就学に向けた気持ち作りに取り組んでいます。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

「保育手順」に健康管理に関する必要なマニュアルを掲載し、職員間で周知し統一した取組を行っています。乳幼児突然死症候群(SIDS)や季節の感染症などの情報は、回覧や職員会議の場で話し合い、全職員で共有して対応できるよう配慮しています。乳児の午睡チェックの際には「ルクミー」による午睡チェックシステムを取り入れ、子どもの呼吸確認やうつ伏せ寝になっていないかのチェックをし、午睡時のリスクを最小限にする取組を行っています。
保護者へは「園だより」で季節ごとに流行する感染症やその時期の過ごし方、予防方法等について周知し、保育中に子どもの様子に変化があった場合は必ず保護者に連絡し、家庭でも観察または受診してもらうよう連携を図っています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

年2回の健康診断及び歯科検診を実施しています。検診結果については指定のカルテに記録し、園医から報告された児童の持病などの留意すべき点については職員間で共有し、保育にも反映しています。園で実施する健康診断が受けられなかった子どもは、家庭で個々に園指定の用紙によって病院で診察してもらい、年2回の健康診断を必ず受診するよう取り組んでいます。
児童虐待が疑われる子どもについては、健康診断及び歯科検診を通して医師と課題点等を共有し、虐待の早期発見・予防に努めています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

情報提供として、医療機関等が実施するアレルギー疾患、慢性疾患等に関する講習会を保護者へ紹介しています。
日々のアレルギー対応方法について職員間で繰り返し確認し、共通の認識のもと対応ができるようにしています。また、アレルギーについての対応等に疑問がある場合は、主幹保育教諭に相談するとともに職員会議の場で話し合っています。給食では、アレルギーのある子どもの配膳時には栄養士も付き添い、チェック表を用いて確認して保育士と連携するとともに、テーブルやトレイの色を変える、食札に名前とアレルギー内容を書く等のアレルギーがある子どもへ適切な対応が行われています。
職員は、横浜市が主催するアレルギーに関する研修に参加しています。また、園内でも全職員対象にアレルギー研修が実施されています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食育に関する計画を策定し、給食のねらい、内容、食事環境、援助法等について記載しています。どのような給食が人気であったか、食べやすい量や盛り付け等について、毎月、栄養士と保育士間で給食会議を実施して話し合っています。栄養士も各クラスの子どもたちが食べる様子を見ながら、意欲的に食べられるよう配慮をしています。食の細い子どもには、はじめから量を加減して、完食する喜びが味わえるように配慮しています。
サツマイモやじゃがいもを栽培し収穫した食材をクッキングして、自分たちが作った食材を自ら食べる体験や食べ物ができる過程を知るなど、食に関する知識や経験が持てるよう取り組んでいます。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

行事食では、季節の食材を大切にし、季節感を感じつつ特に見た目にも子どもたちが喜ぶ配慮をしています。
食の細い子どもが苦痛にならないよう、苦手なもの、食べられる量や時間の目安について職員同士で共有し、子どもの状況に応じて安心して食べる事ができ、食べられる量を増やしていかれるよう雰囲気作りに配慮しています。行事食や旬の食べ物について、保育士や栄養士が季節食の成り立ちを子どもに伝えたり、給食だよりで保護者に伝えることで食事に興味関心を持てるよう取り組んでいます。
食品の好き嫌いについては、家庭での様子を聞いたり園の様子を伝えることで、「ひとつガンバロウ」と食べられた喜びを共感して、子どもが前向きに食べられるよう、家庭と連携して取り組んでいます。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

連絡帳、送迎時の会話などにより、保護者との日常的な情報交換に努めています。保育の意図や内容を保護者に伝え、子どもの成長が身近に感じられる様に取組を工夫しています。作品展では、クラスで制作した壁画、自由画、立体作品など乳児組から幼児組までの作品を展示しています。毎月発行の「園だより」や「クラスだより」では行事の報告、園生活のエピソード等を豊富な写真とともに掲載しています。クラスの一日の流れをDVDにまとめ、全員に配布しました。保育参観は5月の平日、新入園や進級後の保護者の不安に応え、新たな集団内の子どもの様子を参観します。7月には七夕の短冊作りを保護者も一緒に行うなど、集団の中で活動する子どもの姿を通して、子どもの成長を保護者と共に喜ぶ機会としています。一人ひとりの子どもの目標やつまづきをこまめに保護者に伝え、子どもの成長を共に喜び、見守り、協力し合えるように努めています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

連絡帳のやりとりのほか、通園バスの乗降時には、保護者の表情や体調などの様子に気を配り、全員に必ず声を掛けるなど、日々のコミュニケーションに努めています。気になる様子がある場合は担任から保護者に電話をし、状況を確認します。連絡帳は乳児用と、自由記載の2~5才用の連絡ノートがあります。おもらしやトラブルなどの悩みや園への不満など様々な記載があります。記載内容に心配な状況が確認されたり、保護者からの希望により、必要に応じて面談を行っています。定期的な個別面談は6月と2月の年2回です。担当者は保護者から相談を受ける際、傾聴を心掛け、相談後は、上司からの助言を踏まえた対応を行っています。面談内容は、担当した職員が「個人面談記録」に記録し、園長まで決裁の上、ファイリングし保管しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

虐待等権利侵害の兆候を見逃さない様に、子どもの忘れ物、衣服の袖口や頭皮などの汚れ・臭い等をよく観察し、家庭状況の把握に努めています。気になる子どもがいる場合は、気づいた点を記録に残し、健康診断の際には園医に相談しています。
職員が保護者や子どもの異変に気づいた場合は、担任を中心に子どもの状態を確認し、上司への報告と職員間の情報共有を行います。あざや傷を発見し、保護者から状況の確認が出来ていない場合は、写真撮影により画像として記録を残し、必要と判断した場合は区の保健師等に連絡します。子どもの身長、体重、食事の量や家庭状況など必要な情報を共有し、連携を図っています。保護者に対しては、家庭背景を踏まえつつ粘り強くコミュニケーションを図り、時間をかけて信頼関係を築き、援助を行っています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

職員は日々の保育実践の自己評価を日案日誌などで行います。日案や週案の自己評価は、日々の打ち合わせ会での話し合いの後、担当が主幹保育教諭に提出しています。月案については月案会議で話し合い、3月の月案会議では年間の評価を行っています。
日々の打ち合わせ会では自分の課題やよかったと感じたことをみつけ、職員からの意見による新たな気づきを保育実践の改善や、専門性の向上につなげています。主幹保育教諭は保育の中で子どもの心情に留意した保育環境の設定の大切さなどを伝えています。自己評価では、2歳児の週案の例では、子どもの自発的な気持ちを大切にし、「~しなさい」等の指示は出さない様に心掛ける職員の姿と、周りを見ながら自発的に行動するようになった子どもの姿を捉え、子どもの心の育ちや取り組むプロセスに着目した記載に努めています。