社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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豊岡ひまわり保育園

2024年03月28日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 豊岡ひまわり保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60(利用人数:59名) 名
所在地 230‐0062
横浜市鶴見区豊岡町35ー26
TEL 045-717-5073 ホームページ https//toyooka-himawari.com
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2019年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 有限会社ブリッジマネジメントサービス
職員数
常勤職員:16 名
非常勤職員:4 名
専門職員
園長:1 名
主任:1 名
保育士:13 名
栄養士:2 名
子育て支援員:1 名
保育補助:1 名
調理補助:1 名
施設・設備の概要
保育室:6室
トイレ:6ヶ所
調理室:1室 
事務室:1室
園庭:あり

③ 理念・基本方針
<保育目標>素直な子・元気な子を保育目標とし、遊びや生活の中で豊かな体験を通じて、様々なことを感じ、気付き、やってみようという気持ちや意欲を育む。また行事を通じて、異年齢の子どもたちや地域との交流を大切にし、社会性を育てる。

<運営方針>一人ひとりの子どもに寄り添い、思いや育ちをしっかり受け止め、家庭にいるような雰囲気とくつろぎの場となる環境づくりに努めます。子どもたちが安心して園生活を送ることができるよう、職員一同気持ちを一つにして保育をします。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
もともとは鈴木助産院でお産をしたときに、その兄弟、姉妹児をお預かりしていました。平成17年に鶴見中央で認可外保育施設(横浜保育室)として移行し、助産師である鈴木乙羽のもと運営を行ってきました。保育室ということもあり、ご家庭の様々な状況に対応し、まるで家族のようにアットホームな空間をつくることを目標にして子どもや保護者に寄り添い、保護者との信頼関係を大切にしながら保育を行ってきました。 そのため兄弟姉妹児もひまわり保育園に!という保護者が多く、10年以上通われた方がたくさんいます。その後平成31年に鶴見区豊岡町に60名定員の認可保育所として移行しました。横浜保育室の時から働いている職員が現在もたくさん在籍しており、20年近く共に働いてくれている職員が中心となり、保育を行っています。新しい風を入れながら日々の保育に真剣に向き合い、運動会や発表会といった行事にも力を入れています。また、保護者との連絡ツールは口頭と連絡帳で行っており、特に連絡帳では保育士が丁寧にお子さまの様子やご家庭での相談などに対応しています。ピアノや体操、英語などの習い事は行っていませんが、保育の中でリズム遊びやリトミック、製作などを取り入れ、晴れた日は公園に行き思う存分遊び、しっかり食べてゆっくり眠るという生活のリズムを大切にしています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/10/01(契約日) ~2024/03/22(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) - 回(-年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)一人ひとりを大切にしながら、心身の健全な発達を目指しています
子どもの個性や個人差を大切にし、家庭にいるような雰囲気とくつろぎの場になるよう、安心・安全な環境作りに努めています。その中で、基本的な生活習慣が自然に身につくよう日々の関わりの中で支援をしています。また、健全な心身の発達のため積極的に散歩に出かけ、十分に体を動かすことや自然との触れ合いを重視しています。体を動かした後には食事と休息をしっかりとり、心身の成長を促しています。こうした「保育の基本」を重視した姿勢は、利用者からも高い評価を得ています。

2)行事を通して、子どもの成長や友だちとの関わり方などの学びに寄与しています
運動会での組体操、生活発表会での演目など、発表内容をクラス単位で決定し、その準備のための練習を友だちと共同で行っています。その他、夏祭りや秋のお楽しみ会、月末の誕生日会も全クラス共同で行うなど、行事の内容が充実しています。友だちとの協同作業により子どもたちの成長を育み、担当する職員の人材育成にも役立っています。

3)年度目標を明確にした事業計画の策定が望まれます
法人の新代表就任後間もない時期に第三者評価を受審しています。組織体制の整備が十分に確立されていない園環境の中、保育の体制を整え、日々の活動に努めています。今後は、保育運営全般に関する中・長期の計画を策定し、中・長期計画でのビジョンを単年度計画につなぎ、目標とする保育理念の達成へ向けて取り組むことが望まれます。

4)人材育成の目標・計画の設定が期待されます
一人ひとりの職員のスキルアップ体制が十分ではありません。人材育成の目的・目標・期限などを明確にし、定期的な面談や会議などで職員の意識向上を促すとともにバックアップ体制を整えることが望まれます。また、園の方針(運営方針)・保育目標は、開園以来変わらぬ内容を掲げており、職員に改めて周知・理解する機会を設けていませんが、定期的な学習の場を設け、園の方向性に沿った保育実践ができているか、自身の振り返りや見直しにつなげることが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
横浜保育室から認可移行し5年目を迎え、初めての第三者評価を受審させていただきました。今回受審して感じたことは、運営をしていく中でまだまだ理解しきれていない部分が多く、評価調査員の方からのご指摘やアドバイスで、今後の課題の見直しや、職員間の認識の共有化を深め、定期的に自己評価を行っていきながら改善していくことが必要だということです。
全職員で保育・運営についてしっかり時間を設け、話し合う機会がつくれたことで、大変な部分もありましたが漠然と見えていた課題と、今回の結果が一致した部分も多く、改善するにあたり明確にすることができたと感じています。
また、保護者の皆様からのご意見も真摯に受け止め、今後も期待と信頼に応えられるよう努めていきたいと感じました。
これからも自己の保育を見直し、全ての職員と課題を共有し改善していきます。評価調査員の方には丁寧に説明、評価をしていただき感謝申し上げます。また、保護者の皆様には、お忙しい中、アンケートにご協力いただきありがとうございました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

園のホームページ、「入園のしおり」、「重要事項説明書」などに園の目標、および、事業運営方針とする内容を記載しています。運営方針・保育目標は、開園以来変わらぬ内容を掲げており、改めて職員に周知・理解を促す機会は設けておらず、それぞれの理解のもとで保育活動が行われています。今後は、定期的な学習の機会を設け、園の理念に基づいた保育実践の確認を行うことが望まれます。保護者には、園の活動内容の資料を配布し、行事見学などの機会に理解を深めています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

年3回実施される横浜市園長会や幼保小連絡協議会などに出席し、社会福祉関連の把握に努めています。地域的な福祉計画は鶴見区役所や豊岡自治会、及び地域全般の情報誌などで動向を把握し、分析しています。園長は、地域的な環境をもとに園の経営状況の把握・分析を行い、保育コスト、利用者の推移、利用率などについて毎月法人に提出しています。地域の社会的環境と経営状況の把握・対応に努めていますが、体系的な分析が十分に行えていないことを課題としています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

経営・運営課題を明確にし、法人代表と共有していますが、課題に向けての明確な方針が、代表から園長に伝わらず、効率的、かつ円滑な運営や活動に取り組むことが難しいとしています。今後は、法人を中心とする組織的な体制を整えることが望まれます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

保育の質に関する中・長期の事業計画・収支計画が未策定です。今後の課題として、検討していきたいとしています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

中・長期計画、及び単年度の計画が未策定です。保育内容においては、「全体的な計画」を策定し、各指導計画の評価を行い、年度末には、園の全体的な自己評価としてまとめています。保育内容の課題は、都度、職員間で意見交換を行い、改善に向けて取り組んでいます。事業計画の策定は、今後の課題として検討していきたいと考えています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:c】

事業計画は今後の課題として検討していきたいと考えています。取組が期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

年間の行事計画や保育計画面についての周知はしていますが、事業計画の周知はされていません。事業計画を策定し、保護者へ周知されることが期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

保育内容においては、「全体的な計画」に向けて組織的に評価を行うPDCA体制を整えていますが、園の保育全般の質向上に向けたPDCAサイクルは、十分に活用されていません。職員としての自己評価・評価結果に反映した園の自己評価を年度ごとに実施し、分析・検討・改善に向けた取組を行っています。また、第三者評価も今年度初めて受審しています。園全体の評価結果を包括的に捉え、且つPDCAサイクルの活用を重ねながら保育の質の向上につなげることが望まれます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:c】

年1回、法人代表から園の現状報告がありますが、報告内容をもとにした代表者の判断、及び方向性が明示されず、組織的に改善していく体制が十分に整えられていません。年度末に実施する園の自己評価の結果は、課題解決策を明確にし、職員・保護者に周知しています。今後は、運営上の現況を明確にし、職員共に保育所として取り組むべき課題に向けた体制を整えることが望まれます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

年度初めの会議で保育計画や取組を明確にしています。入園のしおりや運営規程など園の資料に園長の役割と責任について表明し、職員間には、「職位の発令」に職務分掌として明記しています。緊急対応マニュアルを作成しており、園長不在時における権限委任を明確にしています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

横浜市や鶴見区が主催する園長向けの運営・法令についての研修に参加し、理解を深めています。利害関係者との関係は適正な対応を行っています。園運営に必要な法令などを遵守し、職員に周知し、取組んでいます。環境への配慮として、産業廃棄物に属する分類など、徹底したごみ分別を行っています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

各期間ごとの指導計画の評価、職員としての自己評価から総体的な園の自己評価を年度末に行っています。園の評価結果は職員に周知され、抽出した課題について職員共に話し合い、取り組んでいます。また、園の評価結果は掲示しており、保護者も確認することができます。「職位の発令」に各職員の職種と役割分担を明確にしています。職員の意見は、主に保育内容・就労状況に関する内容であり、園長の職権内で反映しています。教育・研修は、主にスキルアップ研修を推奨していますが、受講の条件や希望通りに受講できない場合もあり、今後は、効果的な研修体制を講じ、全職員が受講できる育成の仕組みを確立させていきたいと考えています。取組が期待されます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長の職権の範囲内で人事・労務・財政などの分析を行い、職員の就労環境の整備に努めています。経営や業務の実効性について把握し、理解していますが、十分に取り組めていない面もあると認識しています。今後は、円滑な組織運営を行うために法人代表との協議を定期的に行い、組織としての方針を明確にし、業務の実効性を高める取組を進めていくことが期待されます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

横浜市の保育士人員配置基準に従い、定められた保育士の確保をしています。専門職の活用や必要な人員の計画はありますが、人材確保が難しく計画につながらいない状況にあります。ハローワーク、専門学校、Web上での募集や実習生も積極的に受入れ、人材確保に努めていますがさらに工夫が必要だと考えています。人材確保につながる取組の継続が期待されます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

保育目標や運営方針に深く賛同し、達成できる職員を「期待する職員像」としています。人事基準は賃金規定に明記され、周知しています。職務遂行能力や成果、貢献度などの評価、処遇改善などに関する総合的な人事管理の仕組みが十分ではないと考えています。今後は評価基準を明確にし、職員の意欲向上につなげていきたいとしています。取組が期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

労務管理の責任体制を明確にしています。有給休暇や残業、シフト状況は、毎日確認をしています。健康診断や安全衛生面の管理は、定期的に実施し、悩み相談は、個別面談や気になる場合に声をかけるなど職員のストレスの軽減に配慮しています。基本的に残業や持ち帰り仕事は禁止としており、ワーク・ライフ・バランスに配慮しています。職員との話し合いの場を設け、意見交換を行っていますが、今後は、個人面談や話し合いを重ねながら働きやすい就労環境にしていきたいと考えています。取組が期待されます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

「期待する職員像」を明確にしています。年度末に実施する職員の自己評価から本人の意向や職務遂行能力を把握し、助言などを行っていますが、一人ひとりの育成に向けた目標管理の仕組みが十分ではない状況です。今後は、期待する職員像に向けて職員が自主的に目標を設定し、職員全体で目標達成に向けて取り組む体制の構築が期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

期待する職員像を示し、職員の必要とする専門技術や資格も明示しています。研修は、キャリアパスを中心に実施していますが、制度を利用する条件は満たしているものの、受講に伴うシフト調整が難しく、計画的に実施できていない現状です。今後は、個々のスキルアップに向けて園全体でバックアップできる体制の強化が期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

個々の知識や技術水準、研修による資格取得状況に関しては、名簿で確認することができます。新任職員などのOJTは園長が行っています。階層別、職種別などの研修の機会は十分ではなく、現在、年間の研修計画の作成を検討しています。各園協働で行う地域子育て支援では、視点を変えて学べる貴重な機会としています。一人ひとりの教育・研修受講に配慮していますが、十分ではないと考えています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

実習生受入れの基本姿勢を明文化し、マニュアルを整備しています。事前に園の方針、日誌の書き方、ピアノ曲と歌などの指導を丁寧に行っています。各クラスでの実習や半日・終日実習も取り入れ、園での保育活動全容が把握できる実習プログラムを作成しています。実習中に学校の担当教諭との連携も密に行い、プログラムに追加する実習も柔軟に受入れるなど、効果的な実習を行っています。実習をした学生が、園の保育士として勤務しており、受入れから人材確保にもつながっています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

ホームページや園のパンフレットなどに保育目標・運営方針・保育の内容などを明記し、公表していますが、事業計画や予算・決算情報の公開はしていません。第三者評価の受審、要望・苦情の体制や内容について園の方針を公表しています。入園・入園見学者やホームページ上に保育目標などについて明示し、入園や見学者には、資料を基に丁寧に説明をしています。園の活動は、横浜市に報告をしており、保育園情報として公表されています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

事務・経理・取引に関するルールは、就業規則に明示し、職員に周知しています。運営規定や「職位の発令」により、職務分掌とする権限・役割を明確にしています。内部・外部の監査として税理士による監査支援を定期的に実施しています。指摘事項に基づく改善は、必要に応じて職員に周知し、取り組んでいます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」、および、保育目標に地域交流の基本的な考え方を明記しています。鶴見区、横浜子育てサポートシステムや民間の取組などの情報を収集し、園内掲示・配布やメール配信で保護者に提供しています。鶴見区主催の子育て支援の会「集まれ笑顔」や地域の「ふたばの会」など、親子向けの行事などに定期的に協働参加しています。就学先が同区域の4、5才児向けの行事として各園輪番で小学校1年生と交流する機会も設けています。商店街での買い物や散歩では道行く人と挨拶を交わし、敬老の日には高齢の人達を園に招待(現在は、休止)するなど、地域交流の機会を設けています。子育て支援担当を配置し、地域の人々との交流を通して豊かな体験が得られる機会の提供に努めています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

学校教育への協力として職場体験を受入れています。ボランティアや職場体験の受入れには、事前に個人情報の誓約書を交わし、保育活動を実施するうえで必要な注意など丁寧に説明をしています。受入れのマニュアルの作成や基本姿勢の明文化はありません。今後は、ボランティアや職場体験の受入れについて基本姿勢を示し、十分な手順を明記したマニュアルの作成が期待されます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

在園児や保護者等、園に関連する関係機関や団体資料をファイルしており、職員で共有しています。連携機関とは、定期的に連絡やミーティングを実施し、双方で確認しながら支援を行っています。家庭での虐待が疑われる場合は、児童相談所、区役所と連携し、全職員で統一的な対応をする体制を整えています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

横浜市の子育て事業関連や地域の民間主催の子育て支援機関などと連携を持ち、地域的なニーズや課題などを把握しています。定期的に運営委員会を開催していますが、今後は、民生委員や児童委員などの参加を依頼し、具体的な地域ニーズに対応していきたいとしています。園における子育て支援として、園庭開放や子育て相談など、地域貢献できる取組を発信し、園の専門性を広く活用していきたいと考えています。今後の取組が期待されます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域貢献や支援に関わる取組は、総体的にまだ十分ではないと園では捉えています。行政や民間の子育て支援事業には、協働参加をしていますが、園からの発信での積極的な地域貢献は、これからの課題と考えています。コミュニティの一員として自治会に加入し、地域祭りなどの寄付や資源回収などの取組に参加しています。園の専門性を生かした取組も今後の課題として具体的な支援策を検討していきたいと考えています。地域の防災対策、被災時の支援についても、具体的な取組には至っていません。地域貢献や地域支援に関わる取組の推進が期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもを尊重した保育については日頃から意識して対応に努めていますが、基本方針として明文化したり、規程を策定して職員へ周知徹底するまでには至っていません。子ども同士では、相手の名前を呼び捨てにしないように伝えています。また、文化の違いや性差による区別や固定的な対応がないよう、子どもたちに伝えるなど一人ひとりを尊重しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

幼児トイレは扉付きでプライバシーが確保されています。日常の着替え、オムツ替えの場所も年齢に応じて注意を払っています。プール遊びの際の着替え時は外部から見えないようにし、夏場の水着や裸姿の写真撮影も禁止しています。お漏らし時は、さりげなくトイレに連れて行き、子どもの羞恥心に配慮し、罪悪感を感じることの無いように接しています。これらの対応や取組について職員会議などの場で職員周知も行われていますが、子どものプライバシー保護の取組について明記したマニュアル等が未策定です。対応等をまとめたマニュアルの作成が期待されます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

鶴見区や園のホームページで園情報を公表しています。園見学の日程は、年間7回ほどホームページに掲載し、受付を行っています。日程が合わない方には個別対応も行っています。毎回10~30人程度が参加し、園長が案内し説明を行っています。園庭の有無、給食内容、アレルギー対応、開所時間、持ち物など、質問が多い内容について丁寧に説明しています。外国語しか話せない見学者には、翻訳アプリを利用して説明しています。ホームページ等利用希望者に対する情報提供の内容についての見直しは十分ではなく、課題と認識しています。改善への取組が期待されます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

入園時には、入園説明会を設定し、必要書類の提出を依頼するとともに、園の基本方針や保育目標、依頼事項や行事などについて説明し、質問にも答えています。園全体のことは園長が説明し、行事やクラスのことは主任や担任が説明しています。個別面談を希望する保護者には入園説明会終了後に時間を設けています。在園児の進級の際には、年度末に実施するクラス懇談会で一年間の振り返りと進級に向けての説明を行っています。要配慮児の保護者とは個別面談をし、担任と職員間で共通の理解が持てるように情報の共有をしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

卒園や引越しによる転園などについては、その後の相談などに応じられるよう、退園届に様々な情報を記入し管理しています。転園先の新しい保育園から問い合わせがあった場合には必要な情報を提供するなどの対応をしています。転園や卒園した場合でも新しい場所での不安など保護者から相談があれば応じることを説明しています。また、子どもには、園に遊びに来ることを歓迎する姿勢を伝え、コロナ禍前には運動会や発表会といった行事への案内をしています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

日々の連絡帳のやり取りや送迎時のコミュニケーション、また、クラス懇談会での意見交換や必要時に実施する個別面談から、利用者満足の把握に努めています。定期的なアンケート調査等、満足度に関する調査はこれまで実施していません。今後は、利用者満足を把握するために定期的な調査を実施し、結果を踏まえた対策に取り組むことが期待されます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

重要事項説明書に苦情相談窓口として、相談・苦情受付担当者、相談・苦情解決責任者及び外部の第三者委員の氏名と電話番号を明示し、面接、電話、文書にて受付けると説明しています。職員に対しては、相談・苦情があった場合、発生後の対応として主任・園長への報告、苦情報告書の作成、苦情原因の調査、対応策と発生防止の検討を行い、園長に報告することが定められています。内容や対応策を職員に情報共有しています。園では連絡帳でのやりとりを重視し、相談、意見や依頼等には丁寧な対応を行うよう職員に徹底しています。苦情の記録や検討・解決策等を保護者へフィードバックをすることは定められていますが、苦情内容や解決策の公表は行っていません。取組の強化が期待されます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

保護者が相談しやすい雰囲気づくりの為に、朝夕の送迎時には、積極的に保護者へ声をかけることを職員に徹底しています。日頃から担任だけでなく職員全員が保護者とコミュニュケーションを取り、情報共有することに努めています。相談等があった際は事務所等を使用し、話のしやすい環境を確保しています。今後は相談や意見を伝える時に複数の相手や方法を選択できることを文書や掲示物で周知することが期待されます。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

相談・苦情や意見の聴取については、送迎時の声かけや連絡帳のやり取りを重視しています。送迎時の保護者からの意見や問い合わせなどは、接した職員が職員共有ファイルの「連絡ノート」にその内容を記載し、職員間で情報共有しています。苦情に関する事はクラスだけで解決せず、必ず主任、園長に報告し、様々な観点からの意見を聞くことを徹底しています。その内容は所定の様式に記録すると共に、内容の共有化のため、職員会議での報告や園長が個別に各クラスに伝えるなどの対応をしています。保護者以外に近隣の住民から寄せられる意見等にも、保護者と同様の対応を取っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスクマネジメントに関する責任者は園長としています。各クラスに子どもの安全・安心に係る内容を記載した安全マニュアルを設置しています。園内・屋外での活動はマニュアルに基づいて実施しています。散歩時はクラス間合同で出かけるなど、職員数を確保できるようにし、子どもの安全を第一に対応しています。ヒヤリハット事例があれば日誌に記載し、乳児会議、幼児会議、全体職員会議で報告し、再発防止策を話し合っています。また、医師の診療を受けるなどの事故の場合は、市の様式の事故報告書を使用して、園内及び行政関係部署に報告しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

各クラスに嘔吐処理方法マニュアル、安全マニュアルを設置しマニュアルに基づいた対応をしています。医師や看護師の判断を要する場合は、契約している嘱託医に連絡して助言をもらっています。病児保育の経験のある保育士が講師となり、園内での感染症対応の研修や勉強会を実施しています。玄関に設置しているホワイトボードで感染症の種類別の有無・人数などを記載し、保護者に情報提供しています。感染症対策についての管理体制の明確化と定期的なマニュアルの見直しが期待されます。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

月1回の避難訓練は、火災、地震、不審者などの様々なケースを想定して行っています。呼びかけで集まったり、防災頭巾を被ることに、日頃から慣れておくようにすることを重視しています。避難ルートなどの確認をしっかりし、各クラスにある防災用グッズ(防災頭巾やシューズ)の中身の確認と、実際に使ってみる訓練をしています。3階倉庫に子どもと職員の3日分の食料と水が備蓄品として保管されています。又、避難訓練にあたっては、自治体や消防署、学校など近隣の関係機関と連携を取って実施しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

年間指導計画とデイリープログラムが立てられていますが、日々の保育を行うための実施方法が文書化されていません。年間指導計画では4期毎に養護・教育のねらいと個々の発達に沿った指導計画が立てられています。デイリープログラムでは、朝から夕方までの、外遊び、食事、午睡、遊びなど保育の流れが記載されていますので、職員の保育方法を明記することが期待されます。この年間計画とデイリープログラムに沿って、各年齢にあった保育が行なわれるよう取り組んでいます。子どもや家庭環境なども踏まえて、担任で話し合いながら保育内容を考え臨機応変に対応していくことが大切と考えています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

保育全般の実施方法の組織的な見直し方法を定めることが期待されます。年間指導計画とデイリープログラムは、年1回、年度末に各クラスで見直しを行い、次年度の内容を策定しています。月案は月末に見直して次月の月案を作成し、週案は週末に見直し、次週の週案を立てています。さらに各クラスで話し合い、全体の職員会議で意見交換をしています。また、保護者からの意見も指導計画に反映するようにしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

子どもや保護者の意向把握による課題確認の手法は特に定まっていませんが、連絡帳や日々の会話を通じての把握は日常的に行われています。全体的な計画に基づいて、指導計画を作成しています。指導計画はクラス単位で作成しており、栄養士や調理員、保育補助職員までは参画していません。3歳未満児や要支援園児は個別指導計画を立てています。指導計画は園長、主任に報告し、承認を得て作成しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画、各クラスの年間指導計画は年度末に見直しを行い、次年度の計画を立てています。又、月案は月末に見直しを行って次月の月案を立て、週案は週末に見直しをして翌週の週案を立てています。各クラスで話し合った見直し内容は、園長、主任に報告されると共に、職員会議の中で意見交換し、職員全体で情報共有する仕組みができています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子どもの生活状況や健康状態は、クラス毎に緊急家庭調査表と児童健康台帳という書類に記録・ファイルしており、職員間で周知、共有しています。日々の保育については、保育日誌や個人記録(毎日の連絡帳をコピーしたもの)で一人ひとりの保育状況が記録されています。子どもに関する情報については、全体会議等のなかで情報共有を図っています。現時点ではまだ、ICTシステム等の活用による情報の共有化はされていません。今後の取組が期待されます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

個人情報保護方針を策定して、基本理念、個人情報の利用目的、個人情報の第三者への提供の制限等を定めて個人情報保護に取り組んでいます。個人情報が入った書類やノート類の管理を適切に行い、目に触れない箇所で保管しています。個人情報が記載されているものを破棄する場合は、事務所のシュレッダーを使用しています。職員に対しても守秘義務を徹底しています。今後は、園全体で個人情報に関する研修を実施することを考えています。取組が期待されます。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、開園以来の園の保育方針・保育目標をはじめとして、子どもの発達過程に応じた年齢別の保育目標、年齢別の養護、教育の重要事項、幼児期の終わりまでに育って欲しい姿10項目等が記載されています。その他、保育時間、年間行事、健康支援、食育の推進、環境及び衛生・安全管理、災害への備え、子育て支援、職員の資質向上等、保育、保育所運営の基本と言うべき項目が網羅され記載されています。今後、作成にあたって、児童憲章や児童の権利に関する条約、保育所保育指針などの趣旨を再確認すると共に、職員の参画や意見の反映、計画内容の職員の周知、定期的な見直しや評価を積極的に行い、計画内容が職員全体に浸透されることが望まれます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

定期的に窓を開けて換気を行い、エアコンで温度管理をしています。室温23~24度を基準に、職員の体感で微調整しています。チェックリストに基づき、園内外の設備や用具の衛生管理、安全管理を行っています。早番、遅番の職員がおもちゃの消毒や掃除を行っています。室内のおもちゃは安全な場所に置くようにし、午睡時の安全を確保するため、布団の配置は、ピアノやロッカーから離すようにしています。午睡時は、室温、明るさに配慮し、眠りやすい環境を作るようにしています。トイレ、手洗い場はその都度、汚れを取り、床の拭き掃除、消毒を行い、清潔を保っています。掃除は、職員と掃除専任担当のパート職員が共同で行っています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

家庭のような雰囲気をつくり、子どもが安心して自分を表現しやすい環境づくりを心がけています。職員には「昼間の母親」になるような保育に取組むことを伝えています。それぞれの子どもとしっかり向き合い、子どもの気持ちや欲求を汲み取れるような関わりを大切にし、実践に努めています。職員同士の合言葉として「みんな同じではない、みんな違ってていい、みんないい。」を唱え、一人ひとりの個人差を尊重しています。子どもの生活の様子や育ちの姿を伝え合い、一人ひとりに応じた月案を立てています。職員全員が把握しておくべき子どもの状況や保護者からの意向などが確認できるファイルを整備し、情報共有しています。子どもに対する言葉遣い、せかしたり制止する言葉や不適切な対応をした場合、職員同士で言いあえるような関係をつくるよう努力しています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもが基本的な生活習慣を身につけるため、積み重ねや繰り返し伝えていくことが大切と考え、保育に当たっています。「いただきます」、「ごちそうさまでした」は、作ってくれた人への感謝の気持ちを表す言葉と伝えています。外遊びの後の手洗い、うがいや食べる前の手洗いや消毒の習慣を繰り返し行い、自然に身につくようにしています。職員は全てやってあげるのではなく、できない部分を手伝い、子どもが達成感を感じ、自信につなげるように関わっています。トイレトレーニングは2歳頃から開始し、オムツが取れるのは個人差があるとの認識で、個々のペースで進めています。オムツ外しが遅い事は悪い事でないとの意識を職員にも徹底して取り組んでいます。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

戸外活動に力を入れ、天気の良い日は全クラス散歩に出かけています。クラスによっては、夕方も散歩に出かけることがあります。公園では、遊具や持参したボール、玩具を使って遊んだり、子どもにやりたい遊びを自由にできるようにし、十分体を動かしています。散歩中は交通ルールを教えながら、子どもが交通標識を意識し、興味をもってルールを学べるよう工夫しています。散歩途中や公園などで自然と触れ合い、植物や昆虫などを発見して観察する姿を大切にしています。商店街などで地域の人との触れ合いを楽しむようにしています。友だちと遊ぶときは、協同して活動し、子ども同士で学び合うように職員は見守ることを基本姿勢としています。リトミックなどで自由に表現したり、子どもがその時興味があるものは何かを見極め、玩具を変えたりして、子どもが自発的に遊べるような環境づくりをしています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児保育は、保育士が母親のように関わり、子どもとの間に愛着関係が生まれるようにしています。その為、一対一や一対二の対応で密接な関係をつくり、子どもが安心して過ごせるような存在となれるような関わりを心掛けています。発達の個人差が大きい時期のため、一人ひとりの成長に合わせて玩具を選び、手作りおもちゃなど子どもが興味を持てるようなものを用意しています。毎日、手遊びや歌を歌い、子どもの表情や様子を確認しながら応答的な声かけをしています。清潔な環境を保てるよう、消毒と掃除を行い、換気や温湿度管理、部屋の明るさにも配慮し、過ごしやすい環境を確保しています。配置物や玩具の大きさ等は安全に配慮し、乳児保育に適したものを用意しています。家庭とは連絡帳や口頭で子どもの様子を伝え合い、連携を図っています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

一人ひとりの子どもに合わせた対応を心がけています。自主的に動きたい子ども、職員との関りが好きな子ども等見極めを大事にし、子どもについて担任同士が話し合うことを大切にしています。子どものやりたい気持ちを大事にし、見守る姿勢を心がけています。情緒の安定を図ったうえで、けがのないように注意して活動しています。不安定な子どもは保育者の近くで見守り、安心して過ごせるよう配慮しています。子どもが上手く伝えられないところは気持ちを代弁したり、サポートし、友だちとのトラブルがあった時は、仲立ちをするよう努めています。家庭とは子どもの様子を共有しながら連携し、子どもの成長を共同で支え合うようにしています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもたちが何に興味を持っているかを見極めながら、手作りおもちゃを作って提供したり、自分たちで創作して楽しむよう働きかけています。おもちゃで遊ぶことで友だちとの関わりが生まれています。集団ならではのルールのある遊びを取り入れ、一緒に考えたり話し合ったりする機会を設けるようにしています。おもちゃの取り合い等で自分たちで解決できない状態になった時に保育士が仲立ちに入るようにしています。運動会や発表会は、集団で行う体操やクラスごとに決めて練習した演目を保護者に披露する場としています。保護者には、子どもたちが取り組んでいる様子などを連絡帳や口頭で伝えたり、写真を張り出して様子が分かるようにしています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

加配対象の子どもが複数在籍しており、個別の指導計画に基づき保育を行っています。子ども同士が関わりを持てるよう、遊びや制作にも工夫をしています。保育士はキャリアップ研修の障害児保育の受講などにより、専門的な知識や情報を得るようにしています。横浜市東部地域療育センターなどの関係機関と連携を取り、保育に関して相談し、アドバイスをもらっています。保護者とはこまめに情報を伝え合っています。登降園時の支度等について、保護者と相談し、保育士の援助がどれくらい必要かを話し合う機会を持つ等協力体制を作っています。職員間では乳児、幼児会議で必要なことを伝え情報共有を行っています。障害児保育についての園の方針や、対応について在園時の保護者へ伝える取組が期待されます。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

朝・夕の延長保育は1歳児クラスの部屋を使用しており、子どもたちを集め合同保育を行っています。合同時は1歳クラスの保育室に全体の共有ノートを保管し、出勤時、退園時に職員はこの共有ノートと口頭で職員間の引き継ぎを丁寧に行っています。一人ひとりの在園時間状況を把握して、無理なく過ごせるように環境を整えています。延長保育の合同保育は、異年齢交流の大切な機会と捉えています。延長保育時の食事・おやつの提供はしていませんが、夏場は水分補給をこまめに行っています。又、不安そうな子には寄り添い、声掛けなどもして子どもの寂しさや不安な気持ちに配慮した関わりをしています。登降園時の保護者と口頭での連絡を密にするようにしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

小学校への就学を考えて、地域の保育園の年長児が集まり、ゲームや発表を行う小学校との交流会に参加しています。道を挟んで前にある小学校の見学会も実施しています。また、小学2年生が保育園見学に来る企画も実施し、相互交流の機会を持っています。年長児は午睡時間を短くするなどの変更を就学に向けて行っています。職員は、年2回開かれている地域の幼保小連絡協議会に参加し、小学校教師との意見交換の場を持つようにしています。小学校と連携を取るため、子供の成長過程や性格などを記載した「保育所児童保育要録」を作成し、提出しています。保護者に進学について不安がある場合には個別に相談に乗るようにしています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康管理に関するマニュアルとして、SIDS、事故・ケガ、プール活動、誤嚥・誤飲、アレルギー、感染症対策、嘔吐物処理などのマニュアルが整備されています。登園時の視診で気づきがあればその場で保護者に確認しています。午睡前の着替えでも視診を行い、けがや体に変化がないか確認しています。けががある場合は、保護者に口頭か連絡帳で伝え、伝達ノートや口頭で職員にも伝えて共有しています。午睡時のSIDSチエックは全園児に行い、0歳児は午睡チェック用センサー&アプリを使用して、人の眼に加え、最新機器も活用しています。クラスごとに児童健康台帳で子どもの健康状態に関する情報、例えば予防接種記録、入院した病気、内科・歯科健診の健康記録、年齢別の身長・体重記録等が管理されています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

横浜市児童福祉施設の設備及び運営に関する条例に規定する定期健康診断及び臨時の健康診断を学校保健安全法に規定する健康診断に準じて実施しています。全園児対象で年2回の内科健診と歯科健診を行っています。健診の結果は全職員で把握するとともに、保護者にも伝えています。体型について、太りすぎ、やせすぎの数値を出し、職員間で共有しています。虫歯の子どもに対しては、仕上げ磨きの時に特に注意し、磨き方を丁寧に教えるようにしています。その他、視聴覚健診を3・4歳児、尿検査を3・4・5歳児に年1回行っています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもに対して「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」をもとに、子どもの状況に応じた対応を行うよう記載したアレルギーマニュアルがあります。現在、卵や乳、甲殻・魚アレルギーの子どもが在籍しており、医師の指示書を基に、除去食あるいは代替食の提供による対応を行っています。テーブルとトレイを別にし、食器の色を変え、トレイの上に名前とアレルギーを表示した札を置き、配膳は一番先にしています。食事後も他の子どもの食べこぼしがないよう掃除、床拭きを徹底しています。全職員がアレルギー対応を把握しており、アレルギーに対する研修を受講しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

クラス担当が、食に関する関心、食べ方や食材への関心について記載した月単位での「食育計画書」を作成しています。園庭菜園で育てたものを収穫、調理して食材に触れ、美味しく食べられるように工夫しています。三色食品群や絵本から身体と食べ物のつながりを伝えたりもしています。食器は高温消毒ができる横浜市推奨品を使用しています。食事量については、子どもの発達に合わせてクラスごとに規定量を決めています。子どもと会話しながら楽しんで食事できる雰囲気作りをしています。ハロウィンやクリスマスなどの行事食があります。苦手な料理や食材については無理強いせず、残しても良いこととなっていますが、一口頑張ってみよう等と伝えています。3歳児以上は調理保育があり、その季節の物を材料にして作るよう取り組んでいます。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

献立の作成については、保育所向け給食管理ステムのアプリを使って栄養士が行っています。季節感や旬の食材を取り入れ、地域の食文化や行事食も導入しています。子どもの食べる量や残食の状況、食材のサイズ、切り方、味付けなど月齢や年齢に合わせて工夫しています。栄養士と保育士の間で意見交換の場を持っています。誤飲や誤食が無いように保育士と連携を取っています。栄養士は配膳時に、子どもたちとコミュニュケーションを取り、子どもの発達に応じた食べ進み具合を観察しています。離乳食の進みがゆっくりな子どもは、保護者や栄養士と相談しながら無理をせず進められるようにしています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

家庭とは、主に連絡帳で連携していますが、朝夕の送迎時に口頭による情報交換も丁寧に行っています。日中の活動や体調面など軽微にかかわらず詳しく伝えています。伝達漏れのないようにクラス内の共有メモに記録し、職員間で必ず確認を行っています。園だより、クラスだよりを定期的に配信し、懇談会や保育参加などで保育の取組や活動の様子を伝えています。一人ひとりの発達過程で「出来たこと、頑張っていること」などを保護者に伝え、子どもの成長と保護者の子育てを支援し、保護者との信頼関係に努めています。家庭からの相談や状況などは必要に応じて記録に残しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

定期的な保護者面談は行っていませんが、日々の登降園時や連絡帳で子どもや家庭での気になることについて相談を受けています。園は常に保護者に寄り添い、安心して就労できる保育支援に努めています。どんな相談も必ず園長に報告し、相談内容はノートに記録し、必要に応じて職員間で共有しています。子育ての負担軽減に配慮し、就労状況に応じて相談を受けています。離乳食、トイレトレーニングやスプーンから箸への移行など、子どもの発達過程に合わせて連携を密にしながら丁寧に取り組んでいます。相談内容により、園長や栄養士、また、外部の専門家から回答する仕組みも整えています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

児童虐待防止法の遵守や虐待の防止措置について重要事項説明書に明記し、必要に応じて関係機関に通報することを周知しています。日々の視診、着替え、表情、態度などの観察から虐待を見逃さないように早期発見・早期対応に努め、虐待の疑いがある場合は、園長はじめ全職員で共有し、関係機関との連携を図り、対応の協議を行っています。また、必要に応じて保護者のストレス軽減に土曜保育支援も行っています。「横浜市子どもを虐待から守る条例」とするマニュアルを整え、職員に配布しています。日々の活動の中で不適切な言動には、皆で声をかけながら一人ひとりが意識をもって活動しています。今後は、虐待に関する自己チェックを定期的に実施し、結果の分析から職員全員で改善策を講じるなど、引き続き虐待等権利侵害について注視していくことが望まれます。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

各指導計画の評価・反省は、指導計画期間ごとに年齢別クラスや職員会議で「子どもの姿、保育士の関わりや配慮、家庭との連携」が適切に行われたかについて意見交換を行い、見直しを重ねながら次の指導計画に反映しています。年度末には総合的な指導計画の振り返りや見直しを行い、年間計画の再検討を行っています。互いに学び合う機会として定期的に実施する職員自身の自己評価から課題を抽出し、具体的な改善策を保育士間で意見交換を行っています。各職員の自己評価は、園全体の保育実践の自己評価に反映しています。園は職員の専門的なスキルアップに努めていますが、十分ではありません。職員の主体性・自主性を高める人材育成の仕組みを確立し、保育の質の向上に取り組みたいと考えています。実践に向けた取組が期待されます。