社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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野庭保育園

2024年11月22日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 公益社団法人神奈川県社会福祉士会

② 施設・事業所情報
名称 野庭保育園 評価対象サービス 2024~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 80 名
所在地 234‐0056
横浜市港南区野庭町635
TEL 045‐844‐9419 ホームページ //seiwakai.miyazaki.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2022年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人成和会
職員数
常勤職員:14 名
非常勤職員:9 名
専門職員
保育士:17 名
栄養士:1 名
調理員:2 名
施設・設備の概要
保育室:6
事務室:1
職員休憩室 予備室:各1
厨房:1
園庭:1
プール:1
駐輪スペース:1

③ 理念・基本方針
≪保育理念≫
私共は保育園に通うお子さんのために専門職としての力を発揮したいと考えております。私共は多くの皆様に信頼されるよう懸命の努力をしたいと考えております。
①安全・安心の保育
②豊かな感性(想像力)と自主性を育てる保育
③丈夫な体をつくる保育
≪保育方針≫
①一人ひとりを尊重し発達に合わせ心を込めて保育する
②業務の標準化を行い保育の資質を安定させる
③職員間の連携を大切にする
④子育て家庭の支援や卒園児・地域住民との交流を深める。
≪保育目標≫
① 思いやりの心を育てる保育
②「できた」という達成感で自信をはぐくむ保育
③ あそびを充実させる保育
④ 健康な体を作る保育

④ 施設・事業所の特徴的な取組
園内外に緑が多い環境にある。405.54㎡の園庭には、ジャングルジムやすべり台、プールや菜園などが整備されており、職員の手によって手入れが行き届いた安全・安心な環境に整えられている。鉄筋コンクリート1階(一部2階)建ての園舎は、隅々まで清掃が行き届いており、子どもたちも保育士も裸足で過ごすことができる。遊びや行事、活動の際には、子どもたちの個性を尊重し、様々な遊びができるようコーナーなどを工夫したり、保育室の棚の上には子ども一人ひとりの専用スペースが設けられており、ブロックなどの作品が思い思いに展示されている。また、アレルギー疾患のある子どもは、他の子どもと少し離れた机で食事をしているが、除去食がない時には他の子どもたちと一緒に食事をするようにしている。法人が宮崎市で運営する2つの保育園と連携し、保健衛生や給食などの部会や会議を通じて、お互いの工夫などを共有し保育に活かしている。横浜市から移管され3年目を迎え、引き続き法人理事長が毎月来園し運営を補佐している。法人の特色を生かした運営を通じ、専門職集団として地域に信頼される保育を目指している。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/04/17(契約日) ~2024/11/19(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ◇特長
○子どもの個性や主体性を尊重した保育
法人の「みんな違ってみんな良い」「個々の違いを認めて尊重する」という考え方を大切に、服装の好みや文化の違いによる希望や嗜好などについて、日頃から子どもを尊重した保育に努めている。子どもが主体的に遊べるように、おもちゃを自由に取り出せるような工夫をしたり、子ども一人ひとりが自由に作品などを展示できる専用スペースを設け、子どもの「やってみたい」「見てほしい」気持ちを尊重する取り組みをしている。障がいのある子どもと他の子どもを同時に保育することで、人を気遣う気持ちや、障がいを受け入れる気持ち、社会性を育む保育を実践している。職員は、人権研修に参加し研鑽の機会をもち、子どもを尊重した保育を大切にしている。

○おいしく食べることへの取り組み
「食育年間計画」が作成され、年齢ごとのねらいや内容、配慮が明示されている。
園庭では園児がナス、ピーマン、サツマイモなどを栽培しており、収穫後は給食で提供されている。また、年4回の「クッキング保育」は、子どもたちの楽しみの一つとなっている。献立は、法人本部がある宮崎市の管理栄養士が中心となり、公立・私立保育園で3ヶ月毎に作成されるものを用いている。給食検討会で食材の形態やメニューなどについての意見交換を行い、調理に活かす工夫をしている。調理室はガラス張りで、香りを楽しみ、調理の様子が見えるようになっており、子どもたちが「今日は何だろう」とのぞく様子がある。給食のサンプルを置いたり、「給食だより」「献立表」を情報通信技術(ICT)を通じて配信して保護者との連携を大切にしている。

○安全・安心な保育環境
「感染症マニュアル」などを法人内の看護師が中心となり整備し、法人の研修や園の職員会議で周知している。職員が園庭の除草作業や石拾いなどをしており、清潔で安全な状態に維持している。遊具や水道設備などを打診や触診で確認し、安全チェックリストを用いて園内外の点検を行っている。また、AEDの使用について毎月自主訓練を行っているほか、食物アレルギー疾患のある子どもの避難時に、除去食品ごとに色を定めた専用ベストを用意したり、体調が急変しやすい子どもの情報を各クラスで周知するなど、災害時も含めた緊急時に備えている。

◇今後期待される点
○長・中期的なビジョンを見据えた職員参画による事業計画の策定
3~5年後のビジョンと、計画の実施状況の評価を行うことができるように数値目標や具体的な成果を盛り込んだ「中・長期計画」の策定が期待される。その下で、職員の参画を通じて実施状況を振り返り、単年度の「事業計画」を策定する工夫が期待される。併せて、策定を通じて職員の意欲向上が図られることが期待される。

○保育の質の向上に向けた組織的な取り組み
クラス毎や行事の後に振り返りを行うとともに、年度末には行事全体の自己評価を行っている。さらなる保育の質の向上に目指して、今回第三者評価の受審に至った。園の運営や保育全般にかかわる評価項目や基準を定め、全職員の参画により継続した評価、分析の実施が期待される。併せて、課題に対する取組を、日常的な保育の質の向上に活かす工夫が期待される。

○保育を担う職員一人ひとりの育成
人事考課の仕組みがあり、業務の振り返りの機会がある。また、職員を対象にした「意向調査」で一人ひとりの意向を確認し、風通しの良い職場環境を工夫している。園としての「期待する職員像」を明示するとともに、人事考課の仕組み、加えて、保育の改善や専門性の向上につながる項目を工夫した「自己評価表」の作成と定期的な実施、及び面接を通して、職員一人ひとりの目標を設定し、自らの将来を描けるよう工夫が期待される。

○情報の公開を通じて運営の透明性の確保
法人のホームページ上で、「法人の理念」や、園ごとの「苦情解決公表」に苦情内容と園の対応を掲載し公表している。園のホームページを整備し、園の理念や基本方針、保育内容、年度事業計画及び事業報告、第三者委員が関わっていない苦情・相談の件数や対応についてもわかりやすく公表することが期待される。併せて、事故やヒヤリハットなどについても発生内容や対応について公表することが期待される。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今回初めての受審でしたが、
評価項目の内容が多岐にわたり、さらにそれが細分化されていた為、当法人及び園の運営を再見直す大変(大きく変える)貴重な受審でした。

今までは、運営について問題点もありませんでしたので「大丈夫だろう」と過信していましたが、今回の受審で多くの事に気付き、改善すべき点も整理していくことができます。

本当にありがとうございました。感謝申し上げます。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

 法人理念、園の保育理念や保育方針、保育目標をホームページ、及び「パンフレット」に掲載し、加えて園の玄関ホールに掲示している。職員に対しては、入職時の面接で説明している。また、年度ごとに作成する「全体的な計画」に盛り込むことで、定期的に職員が確認し周知が図れるよう、工夫をしている。保護者に対しては入園時に「重要事項説明書」を用いて説明に加え、登降園時に通る事務室前に掲示し、周知を図っている。「パンフレット」に園の保育理念、保育方針を加えて掲載することが望まれる。また、「重要事項説明書」については、冒頭もしくは冒頭に近いページに記載することが望まれる。園のホームページの早期整備により、理念や基本方針などをより広く、わかりやすく伝える工夫が求められる。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

横浜市の保育に関わる動向や施策、課題については港南区における園長会での情報交換を通じて把握している。受け入れ枠の拡大のニーズや、障がい児、医療ケア時の対応、保育士・幼稚園などの保育者の確保などについて話題にしている。その内容は理事会や幹部会で報告されて、具体的な園としての方針について検討を行っている。地域の各種福祉計画の動向と内容の把握や、保育のニーズや潜在的利用者に関するデータを収集するなど、園が位置する地域での特徴・変化などの経営環境や課題の把握、分析が求められる。また、その内容について記録に残す工夫が求められる。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

保育士不足を大きな課題としてとらえている。人員不足が、入園希望者の受け入れや、保育の質に影響することを防ぐため、法人や主任を中心に採用活動を行っている。法人の幹部会では「職員・園児の確保について」として、職員採用に向けての方向性や働きやすい職場を目指していくことなど、具体的に取り組むべきこととして話題にしており、回覧で職員に周知を行っている。保育士不足が課題となっていることについて、職員への周知のみならず、意見を聞くとともに、職員同士の検討の場を設定するなど、組織的な取り組みの工夫が求められる。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

法人としての「年度事業計画書」及び「収支計画」を策定している。保育士不足は園児の受け入れ状況にも大きく影響するものであり、今後も継続的に取り組むべき課題ととらえている。「中・長期計画」は策定していない。しかし、収支計画は、単年度のものに加え、3~10年間の収支を「社会福祉充実計画」として外部委託により作成している。3〜5年後にどのような園にするのかその目標(ビジョン)と、計画の実施状況の評価を行えるよう数値目標や具体的な成果を設定した「中・長期計画」の策定が求められる。あわせて、「中・長期計画」の策定により、目標の共有と達成に向けた職員の意欲向上につなげることが望まれる。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

法人として「年度事業計画書」を策定している。法人理念として「こどもに、かぎりない夢と力を」を掲げ、法人内の2園の計画に続き、当該保育園について、実施事業、施設運営、特別保育事業、施設管理、保護者に向けて、地域社会との連携の項目をたて明記している。中・長期的な目標(ビジョン)などから成る「中・長期計画」は策定されていないが、収支については法令に則った「社会福祉充実計画」として3~10年間の収支計画を外部委託により作成している。「中・長期計画表」「収支計画」を策定し、その下で、当該保育園が目指す目標(ビジョン)を明示し、その実現のために園として何をすべきなのか、より具体的な内容からなる「単年度事業計画」を策定する工夫が求められる。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:c】

「年度事業計画書」については、毎年1月ごろから策定に向けた作業を始めている。職員会議の反省点や「事業報告書」の内容を踏まえて、「次年度計画」を法人で策定している。しかし、職員の参画のもとには策定されていない。「年度事業計画」の実施状況を評価する時期と方法、次年度に向けての協議など、策定に向けた仕組みを明文化することが求められる。また、職員の参画のもとで振り返り、その意見交換の記録を残すとともに、それを活かして「事業報告書」と次年度の「事業計画書」を策定する工夫が求められる。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

「えんだより」で「年度事業計画」の主な内容を周知している。4月の「えんだより」では、基本方針や保育目標、行事について触れて保護者に保育の参加を促す工夫を行っている。また、7月の「えんだより」では、行事に加え法人理念の「こどもに限りない夢と力を」を掲載して、保護者の保育への理解を仰ぐ取り組みを行っている。保護者への説明や周知、出された意見や質問などについての記録が求められる。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:c】

保育の質の向上に向けた取り組みとして、法人としても園としても今回初めて第三者評価を受審するに至っている。保育計画を、全職員が参加して策定して振り返りをしている。クラス毎や園全体の行事を、終了後に振り返り、年度末には行事全体の自己評価を行っている。また、法人が委託をする会計事務所が「事業所診断」を行っている。しかし、評価項目を定めての職員による定期的な自己評価は行っていない。評価項目を定め、園全体で実施する時期や方法、実施後の活用などの仕組みを明文化することが求められる。その上で、定期的に継続して評価を行い、実施結果を職員参画のもとで評価分析し、日常的な保育の質の向上に向けた取り組みに活かす工夫が望まれる。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:c】

横浜市からの移管後の運営において、園児や保護者の混乱を避けるために3年間は、活動の名称、年間行事や保育の内容について園独自に見直すことができない状況にある。その中にあって、保護者アンケートや職員会議での振り返りをもとに、「施設の自己評価」を作成し準備を進めている。保育所全体で行う評価項目と基準を定め、実施する時期や方法、実施後の活用などの仕組みを明文化し、全職員による定期的な実施を通じて、保育所として取組むべき課題を明確にすることが求められる。あわせて、課題に対する改善のための取組を計画的に行い、実施状況の評価を踏まえ、必要に応じて改善計画の見直しを行うことが求められる

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

園長は、経営・管理に関する方針について、「園長の経営・管理に関する方針と取り組み」に明記し、保護者に対しては「えんだより」の「今月の園長の言葉」で伝えている。役職名・分掌表を一体化した組織図を作成し、管理職の職務代行については、施設長・主任・副主任の順と定め、全職員に周知している。いずれの役職者も機能不全になった場合は、理事長が対応することになっている。災害事故発生時などの有事においては、県外にある法人本部との通信手段が確保できないことが想定される。その様な状況を想定した権限委任について、明文化することが求められる。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

遵守すべき事柄を「就業規則」の中で「服務規定」として定め、職員の入職時に説明をしている。法人では「法令規定研修」を実施し、園では年1回以上、主任が講師になり「個人情報」や「人権」などをテーマに、全職員を対象に「服務規程研修」を実施している。施設内の各クラスに「児童憲章」と「保育士の倫理綱領」を掲示し、周知を図っている。また、不適切な保育によるニュースなどを全職員に回覧し、注意喚起を行っている。遵守すべき法令などについて、職員の価値観により対応に差が出やすい「保護者からの金品授受の禁止」や「保育所の備品の取り扱い」など、身近な場面の取り決めも含め、コンプライアンス(法令遵守)規程として策定するなど明文化を工夫し、全職員への周知が望まれる。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

 年1回「保護者アンケート」を実施し、結果を集計している。また、「事故報告書」「ヒヤリハット報告書」の内容を年度ごとに集計し、法人の「安全対策委員会」で報告し、再発防止に向けての検討を行っている。検討した内容を全職員に回覧して伝え、再発予防及び保育の質の向上に活かしている。「保護者アンケート」など、保育の質の向上に向けて取り組んでいる事柄について、実施時期や手順、結果の活かし方などを手引きやマニュアルとして整備することが求められる。あわせて、保育の質の向上に向け、PDCAをとらえ、実施内容の振り返りや評価が求められる。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

人事、労務、財務などの管理はすべて法人本部が行っている。新年度の職員配置に際しては、職員の希望を聞き、経験やスキルなどを考慮し、できる限り希望に沿った配置になるように配慮している。また、希望に沿って休暇を取得できるよう、園長は主任とともに園内の人員配置を工夫している。職員の負担軽減に向け、「えんだより」や「給食だより」を、毎月情報通信技術(ICT)で全保護者に配信している。子ども一人ひとりに対する保育や子育て支援など園に求められる機能が変化する中で、業務の見直しや情報通信技術(ICT)の更なる活用について、検討し工夫することが期待される。また、日々の負担軽減に向け、業務内容や負担の分析を通じて、業務の実効性を高める一層の工夫が期待される。園として経営改善や業務の実効性を高めるために、園長が把握し改善に向けて取り組むために把握すべき労務、財務などの内容と、法人で管理する人事、労務、財務などの内容について、業務の分担などの検討が期待される。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

人材の確保も含め、人事管理はすべて法人本部が行っている。「事業計画書」の施設運営の項目で、「保育士配置の目安」として基本的な人員体制を明記している。横浜市からの移管後、大きく人員体制が変更となり、現在は法人内の他園から異動をした職員と、新たに採用した職員が多くを占めている。職員に対し、年2回人事考課表による振り返りを行うとともに、園長、主任がこまめに声をかけ、職員の相談にのるとともに育成を図っている。人員確保を大きな課題ととらえており、主に法人が求人活動を展開し、園長が横浜市のハローワークなどに理事長とともに出向き情報を取得するなど、採用活動を行っている。理念、基本方針に基づく園としての「期待する職員像」を明示するとともに、人材の確保と人員体制の整備について、具体的な計画作成と、計画に沿った取り組み、及び取り組みの評価が求められる。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

職員に求められる姿勢を、「保育目標を達成するために〜取り組みの方向性〜」として、法人内の他2園については各々のホームページで示しているが、本園のホームページは整備中でまだ明示していない。職員の採用、配置、異動、昇進・昇格などに関しては、人事基準に関する規定に則ってすべて法人本部が行っている。入社時の面接や、その後年1回実施している「意向調査」により、各職員の意向を確認している。また、人事考課の仕組みがあり、年2回「人事考課表」の階層別に記述された項目に沿って、園長、主任による一次考課、二次考課を実施し、業務の振り返りを行っている。理念、基本方針に基づく園としての「期待する職員像」を明示するとともに、人事考課などの仕組みに関して明文化することが求められる。また、人事考課の仕組みの下、職員一人ひとりの目標を設定し、職務の評価・分析を通じて、自ら将来を描くことができるよう、個別面接も含めた仕組みの工夫が望まれる。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員の雇用契約や給与計算、福利厚生、社会保険関係などの労務管理は法人本部が行っている。
法人の全職員を対象に、年1回「意向調査」を行い、各職員の意向を確認し、風通しの良い職場環境を工夫している。勤務管理や働きやすい職場環境などは園で行っている。職員の休暇取得の希望を把握し、希望に沿って取れるように工夫をしている。職員に対し、園長や主任が必要に応じて面接や声掛けを行い、相談しやすい職場づくりを心がけている。職員の健康維持については、毎月の細菌検査や、出勤時に職員が必ず立ち寄る事務室前に用意をしたチェック表を用いて、日々の健康確認を行っている。全職員に対して定期的な面接の実施や、悩みを相談できる窓口の設置など、仕組みの明文化が期待される。また、労働災害対策(メンタルヘルス、怪我、腰痛予防など)や、ハラスメント対策についての明文化が求められる。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:c】

「保育目標を達成するために〜取り組みの方向性〜」として、職員に求められる姿勢を、法人内の他2園各々のホームページでは示しているが、本園のホームページは整備中でまだ明示していない。人事考課の仕組みがあり、年2回「人事考課表」の階層別に記述された項目に沿って、園長、主任による一次考課、二次考課を実施し、業務の振り返りを行っている。理念、基本方針に基づく園としての「期待する職員像」を明示するとともに、人事考課制度や面接を通じて、職員一人ひとりの目標を設定することが求められる。また、進捗状況や目標達成度の確認を行うことを通じて、職員一人ひとりの次の目標が、園の目標に沿った内容になる工夫が求められる。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

「保育目標を達成するために〜取り組みの方向性〜」として、職員に求められる姿勢を、法人内の他2園については各々のホームページでは示しているが、本園のホームページは整備中でまだ明示していない。「保育・教育施設研修・研究の園外研修、園内研修」や「保育士等キャリアアップ研修受講一覧表」によって、乳児、幼児、障がい児、食育、保健衛生、保護者、マネジメント、保育実践の8項目についての受講状況を把握している。研修に参加した際は「復命書(研修報告書)」を作成して、職員会議での報告や回覧を通じて、研修内容の共有を図っている。各種研修は勤務時間に受講ができるよう配慮している。理念、基本方針に基づく園としての「期待する職員像」を明示することが求められる。また、階層別や経験年数別、また職種や保育テーマ別の研修、キャリアパスを明示した研修など、研修を体系化し明示することが求められる。その上で、年度事業計画に沿った年度研修計画の策定が求められる。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

「保育・教育施設職員等研修・研究受講履歴一覧」「保育士等キャリアアップ受講結果一覧表」によって、受講履歴や受講予定の把握・管理を行っている。調理職員やパート職員などの研修も設定している。研修を受講した際には、「復命書(研修報告書)」を提出し、職員会議での報告や回覧を通じて、研修内容の共有を図っている。保育士資格のほか、幼稚園教諭免許取得者も多く在籍している。緊急時に備えて園長、主任は調理師免許を所持している。コンピューターサービス技能評価試験表計算部門1級や医療事務などの資格を持つ職員も在職している。階層別や経験年数別、また職種や保育テーマ別の研修、キャリアパスを明示した研修など、研修体系の下、職員一人ひとりの教育・研修計画(目標)の策定と、それに沿った実施が求められる。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生の受け入れは、「受け入れてびき(セルフチェック)」及び「保育実習指導マニュアル」に沿って行っている。園長が理事長とともに近隣大学などに出向き、実習生の受け入れについて説明し、要請には積極的に応え、年間1~2名の実習生を受け入れている。受け入れに際しては、実習指導者研修を受講した職員を担当にしている。実習生受け入れに関し、園としての基本姿勢や手順などを明示した総合的な受け入れマニュアルの整備が望まれる。また、乳児から幼児までの各年齢での実習の後、実習生が関心のある年齢や場面での実習を加えたり、地域の子育て支援に参加するなど、専門職種の特性に配慮したプログラムの工夫が望まれる。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:c】

法人のホームページに「法人の理念」にあわせて、「財務諸表」に年度毎の「現況報告書」 「計算書類」「社会福祉充実計画」「定款」「役員等名簿」「報酬等の支給の基準」、また、園毎の「苦情解決公表」に年度毎の苦情内容と園の対応を掲載し公表している。運営の透明性の確保に向けて、園としてのホームページを整備し、園の理念や基本方針、保育内容、年度事業計画及び事業報告、第三者委員が関わっていない苦情や相談についても、苦情・相談種別毎の件数や対応内容などわかりやすく公表することが求められる。あわせて、事故やヒヤリハットなどについて、発生内容や対応について公表することが望まれる。公表はホームページだけでなく地域への広報誌や掲示板などを工夫し、複数の方法での公開が望まれる。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

事務、経理、取引などに関しては「経理規定」で定め、経理に関する事柄は全て法人本部で対応している。法人が委託する会計事務所が「事業所診断」を実施している。また、内部監査を年1回行っており、助言に基づいて改善を図っている。運営の透明性の確保に向けて、事務、経理、取引などに関する内容について園の職員と共有することの必要性や、共有することで得られる効果について議論を深め、より透明性の高い運営を目指していくことが期待される。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域との関係性については、「保育方針」で示されている「地域住民との交流を深める」に沿って行なっている。近隣には公園があり、天気の良い日は散歩に出かける機会がある。道中で出会う地域住民と積極的に挨拶を交わし、ふれあう様子がある。子育て支援事業の「どろんこであそぼう」や「リトミック」は、地域の人々や園児も参加ができる企画となっており、地域との交流の機会となっている。近隣には地域子育て支援拠点、こども家庭支援センター、地域療育センターなどの公的機関が所在し、連携が必要な場面に備えて日頃からコミュニケーションを図っている。定期的に地域の福祉施設の訪問や行事に参加するなど、子どもが地域の中で社会経験を積み重ねる工夫が望まれる。園で行われる企画のみならず、近隣の公的機関や子育てに活用できる社会資源や地域の情報を広く収集し、掲示板などで保護者に情報提供することが期待される。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

「ボランティア等の受け入れに対する基本姿勢」、「保育ボランティアを受け入れることの意義」及び「ボランティア受け入れについて、登録手続き、ボランティアの配置、事前説明等」に、基本姿勢や受け入れ手順など体制が明文化されている。受け入れに際しては、「えんだより」で保護者に事前に伝えている。今年度は地域の方による「幼児おはなし会」として、絵本の読み聞かせや紙芝居、人形劇などを披露するボランティアや、中学生の職業体験を受け入れている。ボランティアに対しての必要な研修や支援を行った内容や、受け入れ実績についての記録の工夫が求められる。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

「重要事項説明書」に、嘱託医の医療機関や災害時の避難場所、警察署や消防署の連絡先を明記している。あわせて、市の窓口や、医療機関などの一覧表を事務所に掲示している。地域療育センターを利用し、子ども毎に対応ポイントをまとめた「たまごグループお子さんのまとめ」の助言を活用するなど工夫している。また、「要保護児童対策地域協議会」に協力し、関係機関との連携を図っている。地域との関係強化は今後の課題ととらえており、そのきっかけ作りとして、秋まつりへの参加を計画している。話し合いの場で協議した内容を振り返ることができるよう、協議の結論や活用方法など、記録の工夫が求められる。また、身近な地域で子育てを応援する体制づくりのため、地域とのネットワーク化が期待される。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

小学校や自治会長、民生委員などが集まる「地域こどもの安全対策協議会」に参加し、高齢化や高齢者の孤立と孤独死、また不審者などの地域の困りごとについて話題にする中で、カードレールを設置するなど環境整備について意見交換を行い、市への提言につなげている。民生委員に園の第三者委員を委嘱しており、地域のニーズなどについて意見交換の機会をもっており、今後地域とのつながりを強化していきたいと考えている。近所で困っていた方が園に助けを求めて立ち寄り、職員が対応するなどの実績を強みとして活かし、地域住民に向けての相談機能など今後の工夫が期待される。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

横浜市からの移管後間もないことや法人本部が他県にあることから、地域との関わりが課題になっている。地域との関係性を作っていくために「地域こどもの安全対策協議会」に参加し、高齢化や高齢者の孤立と孤独死、また不審者などの地域の困りごとについて話題にしている。月1回開催している「なかよしひろば(園庭開放)」では、地域の子どもが園児と一緒にどろんこ遊びや砂遊びなど行う様子がある。保育交流を年5回開催し、リズム遊びやわらべ歌、読み聞かせなどを行なっている。また、育児講座を年3回開催し、リトミックやハンドベル、園長と主任がお話しや読み聞かせなどを行なっている。育児相談は随時実施している。近所で困っていた方が園に助けを求めて立ち寄り、職員が対応するなどの実績を強みとして活かし、地域住民に向けての相談機能、祖父母交流、高齢者との交流などを検討している。法人や園が有する福祉サービスの提供に関するノウハウや専門的な情報を、地域に還元する取り組みについて、引き続き検討を深め、実施につなげることが期待される。また、把握した福祉ニーズに基づいて行われる事業・活動について、計画書などで明示することが求められる。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育方針に「一人ひとりを尊重し発達に合わせ心を込めて保育をする」を掲げ、「パンフレット」及び「重要事項説明書」に掲載され、園長は入園説明会で保護者に伝えている。職員は人権研修に参加して「人権擁護のためのセルフチェックリスト」で振り返りを行い、日頃から子どもを尊重した保育に努めている。また、園は「プライベートゾーンを守るためのマニュアル」を整備しており、7つのポイントを明示している。法人の「みんな違ってみんな良い」「個々の違いを認めて尊重する」という考え方を大切に、園では「服装について本人の希望を尊重する」「宗教の違いで食べられないものがある場合には代替食を提供する」など、柔軟な対応をしている。配慮が必要な場面においては特性を尊重できる保育の実現のために、保育士が子ども達の見本になるように対応している。呼び捨てや暴言、無視などをしない事、態度、服装、色、遊び方、役割、性差への固定的な観念などを植え付けないための「園としての考え方」について具体的に明示し、職員への周知や保護者の理解を求めるための工夫が期待される。また、行われている「人権擁護のためのセルフチェックリスト」がどのようなタイミングで、どの職員を対象に行うかなど、基本的な取り扱いについて明文化が求められる。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

子どものプライバシー保護のため、おむつ交換はトイレ内で行うことが「おむつ交換手順書」で明示されている。幼児トイレは個室が整備され、乳児のトイレ誘導は男女別々に行っている。また、女児のおむつ替えや着替えは女性職員が対応している。プールや水遊びなどの着替えはカーテンを引いて、外から見えないようにするなどの工夫をしている。「プライベートゾーンを守るためのマニュアル」を作成しており、園としての考え方が整理されている。プライバシー保護について、設備面での配慮や発達段階に応じた保育士の具体的な対応について、場面ごとに明文化し、職員に周知することが求められる。あわせて、子どもや保護者に対しても周知をし、その必要性について、理解を仰ぐことが求められる。子どもが自分の身を守る力を養う為に、「プライベートゾーンを守るためのマニュアル」を日々の保育に活かすことが期待される。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

「理念」「基本方針」が道路に面した園入り口に掲示されているほか、「パンフレット」は自由に手に取れるように玄関内に常置している。見学の希望があった場合には希望者の都合に合わせて日程を調整して受け入れている。入園希望者に対しては、保育方針や日頃の保育状況がより詳しくまとめられた資料を用いて説明を行っている。入園希望者によっては、筆談など個別的な事情に合わせ配慮をしている。入園希望者への説明内容や見学手順などについて、どの職員でも対応ができ経験が反映されるようマニュアル化が求められる。また、サービス選択に大きく資する園のホームページの早期整備が求められる。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

入園時に「重要事項説明書」に沿って一人ひとりに説明している。また、保護者個別面談の場で、保護者が記入した「年齢別聞き取り票」及び「児童健康台帳」をもとに、内容確認を行っている。外国籍の保護者や障がいのある保護者に対しては、必要に応じて筆談を工夫したり、保護者や家族に複数名で来園いただき説明するなどの配慮をしている。特に子どもの健康に関わることや、文化・宗教的な理由で食べられない食物があるなどの生活習慣については、丁寧に聞き取りを行っている。保育時間などの変更は、保護者に文書で伝え、あわせて情報通信技術(ICT)やホワイトボードで伝えている。延長保育時間について「重要事項説明書」の内容と整合を図ることが求められる。実際の面談などで保護者から出された質問などを、記録として残す工夫が望まれる。また、説明方法や手順について次年度に活かせるよう、マニュアル化が望まれる。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

他の保育園に転園するなどで利用が終了する場合の保護者方の相談は、主任が担当している。変更時の相談の実績はない。法人として、保護者の同意がある場合には対応する予定であり、保育の継続性に配慮した仕組みや手順、引継ぎ文書などの整備を今後の課題ととらえている。保育所などの変更にあたり、保育の継続性に配慮した仕組みや手順、引継ぎ文書などについてのマニュアル化が求められる。併せて、退園後の相談方法や窓口になる担当者などについて、わかりやすく説明した文書の整備が求められる。 

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

年1回「保護者アンケート」を実施し集計しており、その集計結果を掲示板に掲示し報告している。また、保護者懇談会をクラス毎に年2回、個人面談を年1回実施するとともに、保護者の申し出に応じて随時、個別面談を行っている。その様子は、内容に応じて職員会議などで共有し保育に活かしている。横浜市からの移管後の運営において、園児や保護者の混乱を避けるために3年間は、活動の名称、年間行事や保育の内容について園独自に見直すことができない状況にある。この間の経験や工夫を、来年度からの保育に反映できるように検討を重ね準備をしている。アンケートの準備と実施、回答内容の分析と保育の質の向上に活かす方法などについて、手順からなるマニュアルの整備が望まれる。併せて、アンケート結果の分析や、保護者面談や保護者懇談会で出された意見の記録、及び対応に関する記録の整備が求められる。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

横浜市の「保育所苦情解決要綱」に基づき対応している。これまで苦情受付は0件で推移しているが、苦情が発生した場合には市の仕組みに則って対応することとしている。保護者に対しては、入園時に「重要事項説明書」を用いて、意見や苦情を申し出ること、第三者委員の氏名、連絡先が明示されており相談ができることを説明している。苦情受付対応状況については、園のホームページが整備中なので法人のホームページや、園内の掲示板で公表している。「意見や要望」に「苦情」が含まれる場合もある事に留意してその扱いを整理し、併せて相談を受けた後の対応手順や保育の質の向上への活かし方を含めた、園としてのマニュアルを整備することが期待される。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

相談や意見は、苦情受付と同じ仕組みで対応している。保護者の相談や意見聴取の機会を持てるよう、送迎時の声掛けや、事務室前に「意見箱」を設置するなど保護者が意見を述べやすい環境を心掛けている。「意見箱」の利用実績は、これまで0件である。保護者の様子によって声掛けし、相談を受け止めやすくするために、降園時にはできる限り経験を積んだ職員を配置している。相談先などについて保護者から要望がある場合は 「相談受付簿」に記入し、要望に沿って対応している。「苦情」と「意見や要望」の区別をわかりやすく整理し、相談や意見を受けた後の対応手順や保育の質の向上への活かし方、対応の評価方法などを含めた、園としてのマニュアルを整備することが期待される。保護者や近隣住民から出された意見や要望が、相談又は苦情である場合もあり、園としての判断と対応が分かるよう受付書式を工夫し、職員の応答も含めた一連の対応を記録に残すことが求められる。また、その内容について、当事者以外の保護者にも、個人情報に配慮した上で伝えることが望まれる。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

日常的に保護者が意見を述べやすいよう、行事や送迎の場面で声掛けを積極的に行うなど、コミュニケーションを心掛けている。保護者からの外門が開閉しづらいという意見を受け止め、職員が操作方法についての声掛けをするなど対応策を取っている。また、講じた改善策について、園内の掲示板で伝えている。「苦情」と「意見や要望」の区別をわかりやすく整理し、相談や意見を受けた後の対応手順や保育の質の向上への活かし方、対応の評価方法などを含めた、園としてのマニュアルを整備することが期待される。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスクマネジメントは主任が担当している。園長や理事長に相談ができる体制をとっている。「事故防止マニュアル」が整備されており、「園内の事故」「園外の事故」「行方不明になった時」「長時間、土曜日の保育時」など、場面ごとに設定している。年1度、各園の園長、副園長、主任、副主任による法人内園合同の「安全対策委員会」を開催し、事故・ヒヤリハット報告を月ごとに、原因別、種類別、時間帯別に分類し事故内容の分析を行い再発防止に努めている。職員がすぐに手に取れるよう、「安全点検」「食事中」「午睡」「プール実施」「事故」などのマニュアルを、各保育室及び事務室に配備している。「安全」に関する研修を実施している。研修に参加した場合は、「復命書(研修報告書)」で研修内容を報告し、職員間で共有している。遊具や水道設備などを、打診や触診で確認し、安全チェック状況を「遊具点検表」「砂場消毒記録簿」「早番・遅番チェック表」に記録しているほか、職員が空いた時間を利用して園庭の草むしりや石拾いなどをしており、清潔で安全な状態に維持している。園内に設置しているAEDの使用について、消防署立ち合いの訓練のほか、毎月園内で自主訓練を実施している。職員による安全チェックの内容の差異を防ぐために、手順や方法について明文化することが求められる。また、事象が発生した場合、事故なのかヒヤリハットなのか、その区別をわかりやすく整理するとともに、再発防止策が効果的かどうかについての振り返りが求められる。リスクマネジメントの担当者について、園の「役職名・組織図・分掌表」に明示することが求められる。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

保健衛生・安全対策リーダーは主任が担当している。「感染症マニュアル」「感染症に罹患した場合の流れ」「まん延防止のための登降園の流れ」を法人内の看護師が中心となり整備し、状況に応じて改定し、法人の「保健衛生・安全対策研修」や園の職員会議で周知している。各クラスには「ノロセット」を配備して感染及びまん延防止を図っているほか、感染状況を「感染症一覧」により把握管理している。感染症の発生については、保護者に口頭と園内掲示で伝えている。情報通信技術(ICT)を用いて、全ての保護者に速やかな情報提供を行うなどの工夫が期待される。保健衛生・安全対策リーダーについて、「役職名・組織図・分掌表」の内容と差異がある。内容の整合性を図ることが求められる

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

年間の「避難訓練計画」を作成し、地震、災害、風水害を想定した訓練を月1回実施している。保護者の協力のもと引き取り訓練を実施している。「総合防災訓練」として消防署の立ち合いで消火器訓練や、園内に設置されたAEDの取り扱いについて、毎月自主訓練を行い有事に備えている。アレルギー食を含めた園児、職員分の備蓄と、自家発電装置や簡易トイレを整備している。食物アレルギー疾患を持つ子どもの避難時の誤食予防対策として、除去食品を色別にした専用ベストを用意している。防災に関する方針や手順、備蓄品や非常持ち出し品など、日頃取り組んでいることをマニュアルとして整理し統合することが望まれる。また、災害対策の責任者について、園の「役職名・組織図・分掌表」に明示することが求められる。事業を継続するために必要な対策(事業継続計画:BCP)は、法人で作成中であるが、速やかな策定が求められる。現在の建物などの状況が、防災も含め各資料に反映されていない部分がある。避難経路の確保などの視点から、現状との整合性を図ることが求められる。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

「保育所保育指針」に基づき、標準的な実施方法を乳児(0,1,2歳児)と幼児(3,4,5歳児)に分けて「毎日の保育・教育の流れ」として一日の保育の流れを整理し、保護者に伝えている。子どものプライバシー保護について、「おむつ交換の手順書」を整備している。同性保育を基本とし、その他「プライベートゾーンを守るためのマニュアル」を整備している。園内研修を年1回以上実施し、標準的な実施方法を全職員に周知している。年齢ごとの、給食やトイレ、午睡、次の保育場面への声かけや誘導、見守りなど、場面をとらえたより具体的な保育について、標準的な実施方法を明文化することが求められる。併せて、標準的な実施方法の実践状況を確認する仕組みや、実際の保育の工夫を標準的な実施方法に反映する仕組みの工夫が求められる。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

「感染症マニュアル」は法人内の看護師が中心となり整備し、状況に応じて改定している。「食事中のマニュアル」「保育園午睡マニュアル」「プール実施マニュアル」などは作成時のまま見直すには至っていない。標準的な実施方法の実践状況を確認する仕組みや、実際の保育の工夫を標準的な実施方法に反映する仕組みを工夫する中で、随時見直す工夫が求められる。あわせて、時期を定め、手順に沿った見直しを行うなどの工夫が求められる。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

 個別指導計画書は、主任が指導を行い、各クラス担当が作成している。乳児(0,1,2歳児)および障がい児の個別指導計画は、「入園児の面談」「児童健康台帳」「帳面」などの情報をもとに作成している。幼児(3,4,5歳)の個別指導計画は、今年度の下半期を目途に作成を予定している。アセスメントの書式を整え、手順を定めたうえで、関係職員や保護者の参画の方法を工夫し、全園児を対象にアセスメントを実施することが求められる。アセスメントに基づき個別指導計画を作成できるよう、個別指導計画の書式の工夫が求められる。その上で、全園児一人ひとりの個別指導計画の作成が求められる。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

乳児(0,1,2歳児)および障がい児の個別指導計画は、保護者からの情報や、療育での様子を聞くなどをして、半年ごとに必要な変更を行ない、1年ごとに新たに作成している。個別指導計画について、実施状況の評価と個別指導計画の見直し時期、検討会議の参加職員や検討方法、保護者の意見聴取方法など、評価・見直す仕組みの策定が求められる。その上で、全園児一人ひとりの実施状況の評価と個別指導計画の見直しが求められる。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子どもの発達状況や生活状況などは、園所定の「個別日誌」「児童票」「経過記録」「健康台帳」に記録し、職員が適時共有できるよう保管している。職員ごとの記録の差異をなくすために、保育日誌の記録方法や各種保育計画の作成についての施設内研修を行い、全職員に周知を図っている。乳児(0,1,2歳児)および障がい児は、個別指導計画を作成しており、記録により個別指導計画に沿った保育の実施状況を確認できる。記録内容や書き方について施設内研修にて実施されている。今後、園としての記録要領などのマニュアル整備が望まれる。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

記録管理の責任者は園長が担当している。法人としての「個人情報保護規程」を整備している。メモ資料や電子媒体の取り扱いについても明記がある。個人に関わる記録はすべて事務室の書庫で保管している。個人情報保護に関する園内研修を、法人の社会保険労務士が講師になり、毎年実施している。今後は、理事長や園長及び主任が講師になり、本研修を継続していく予定である。また、保護者に対し、入園時に個人情報の取り扱いを説明し、「えんだより」「クラスだより」への実名掲載、園の様子の写真等の利用、コンクールに出品する作品への実名や写真掲載について、同意書を取り交わすなど配慮している。個人情報保護規定の見直しと不足内容の整備が求められる。また、記録管理の責任者について、園の「役職名・組織図・分掌表」との整合を図ることが求められる。 


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

「全体的な計画」を策定し、年度初めの職員会議で説明し周知している。法人の保育理念、保育方針目標を冒頭に明記し、続いて年齢ごとに、保育目標(3つの柱)、養護、教育の項目に沿って記述している。園全体の項目として、特色ある保育(リトミック・なわとび・フラフープ・カード遊びなど)、主な行事、保育時間の他、健康及び安全、子育て支援、小学校との連携、職員の資質向上、保育計画、自己評価、社会的責任の項目を設定して記述をしている。「全体的な計画」は年度末の職員会議において全職員で振り返りを行い、地域の予定などを加え、次年度の「全体的な計画」に反映させている。地域との連携を深めるために、自治会やこども家庭支援センターとの連携を図っており、そのことを次年度の「全体的な計画」に反映させる予定にしている。障がいのある子どもの保育、及び長時間保育について「全体的な計画」に明記することが求められる。また、「全体的な計画」に記載の「法人の保育理念」」及び「保育方針目標」について、「重要事項説明書」の記載内容との整合を図ることが求められる。
「全体的な計画」の作成の手順や内容を確認できるよう、年度末の振り返りを記録に残すことが求められる。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

各クラスに温度湿度計が常置され、「人数確認及び環境チェック表」で1日4回計測し確認している。また、畳カーペットが敷かれた「ほふくコーナー」が設置され、押し入れを利用した空間が設けられている。「保育室掃除について」と「その他の衛生管理」に、寝具の消毒と乾燥、砂場の管理、食事の衛生管理、トイレなどの清掃方法を明示している。安全チェックを毎日実施し、「遊具点検表」「砂場消毒記録簿」「遅番チェック表」「早番チェック表」に記録している。子どもの目線に余分な荷物を置かないことを心がけ、家具や柱など危険な場所は段ボールや緩衝材で保護している。おもちゃなどは子どもが取り出しやすいよう工夫をし、倉庫に整頓している。子どもたちが集まる箇所には日よけの設置があり、どの年齢の子どもも心地よく過ごす環境を整えている。園庭は、ひまわりが植えられ、ゴーヤカーテンにより心地よい環境となっている。常に手入れが行き届いており、石ひとつ落ちていない環境が保たれている。安全チェックの方法について、職員の差異をなくすために「どこを」「どのように」確認するか、具体的な方法を明記するなどの工夫が求められる。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

せかす言葉や制止する言葉を不用意に使わないよう、具体的な確認項目からなる「人権擁護のためのセルフチェックリスト」を用いて振り返り、職員会議などで話し合い確認をしている。言葉で伝えることが難しい子どもに対しては、保育士がそばに寄り添い思いをくみ取る様子や、食べるのが遅い子どもに対しては「ゆっくりで大丈夫」と子どものペースを尊重し対応している様子がある。着替えがなかなか進まない子どもに対して、保育士が手を添え優しく声かけをしている様子がある。おもちゃを投げることが多い子どもに対し、禁止するのではなく「違うよ」「おもちゃ痛いからね」と優しく声をかけることにより、おもちゃを投げなくなる様子がある。クラスの棚には、子ども一人ひとりが思い思いの作品を飾るなど、自由に表現することができるスペースが割り当てられている。子どもの「やってみたい」「見てほしい」などの気持ちを尊重する取り組みを行っている。子どもの状況や様子だけでなく、保育士の声かけなど関わった内容と、それに対する子どもの反応などがわかる記録の工夫が求められる。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:b】

生活習慣を身に着けられるように、「健康生活一覧表」を発達の目安として、「すぷーん・ふぉーくのもちかた」や「しせいをただしく」「こえのものさし」など、イラストを工夫したポスターを作り、子どもの見やすい高さに掲示をしている。0歳児がトイレで排泄ができたことに対し、保育士が「できたね」と声をかける様子がある。また、1歳児は、食後に保育士が一緒にうがいを行い、手本を見せながら生活習慣が身につくよう工夫している。保育士の声掛けでズボンがはけた子どもに、「一人でズボンはけてすごいね」と達成感が得られるよう対応している。お箸の持ち方の絵本やスポンジを使ったはしあそび、カードやペープサートなどを用いての説明など、工夫して生活習慣を伝えている。園での生活習慣の様子を、3歳未満児は「連絡帳」を用いて、3歳以上児は登降園時などに口頭で保護者に伝えている。3歳未満児は、保護者への伝達や家庭での様子について「連絡帳」での記載が残る。しかし、3歳以上児については伝達した内容や家庭での生活習慣の様子などが記録として残らない。伝えた内容と保護者が話した家庭での様子などを、記録に残す工夫が望まれる。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

保育目標に「遊びを充実させる保育」を明示している。プールや水遊び、泥んこ遊びなど屋外での活動を取り入れている。園庭に日よけを設置し、乳児がゆったりと乗用玩具に乗って水遊びを楽しむ様子がある。また、「リズムの日」や「体育の日」には、屋内や園庭で異年齢の子ども同士が関わり合いながら活動している。子どもが主体的に遊びを選べるように、おもちゃや本を棚から自由に取り出せるような工夫をしている。4、5歳児各クラスの棚の上に、それぞれの目印のシールを貼った子ども一人ひとりの専用スペースがあり、ブロックなどの作品が思い思いに展示され、子どもの自発性を尊重する工夫をしている。また、自然と触れ合う中で、どんぐりや葉っぱを拾い、ままごと遊びや制作活動に用いている。5歳児は、クラスでカブト虫やアゲハチョウの幼虫を飼育している。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」の年齢別保育目標の乳児欄に「個々の生活リズムを整えながら、清潔で安全な環境のもとで過ごし、安心して心地よい生活をする」と明記している。「毎日の保育・教育の流れ」に沿って0歳児の保育を行っている。0歳児クラスは、低い柵でフローリングと畳に分かれ、活動や食事、睡眠時などの用途によって使い方を分けるとともに、子ども一人ひとりの活動に配慮した過ごし方ができるよう工夫している。フローリングスペースの隣には、おむつを交換する場所とシャワー室、調乳室があり、屋外には専用テラスが整備されている。異年齢の子どもたちと行う誕生会では、緊張した子どもに保育士が寄り添い穏やかに声をかける様子がある。3,4,5歳児が室内活動や戸外活動をしている間、0,1,2歳児が園庭でのびのび過ごせるよう安全に配慮し工夫している。0歳児の「連絡帳」は、「家庭より」と「保育園より」に分かれ、其々睡眠、排便、健康状態、検温の各項目と、家庭での夕食、園での昼食・おやつの内容や量を記載する欄、そして自由記述欄がある。登園時に一人ひとりの「連絡帳」を確認し、適時「登園・降園メモ」を作成し、職員間で共有を図っている。「連絡帳」にその日の子どもの様子などを記入し、あわせて降園時に口頭で保護者に伝えている。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」の年齢別保育目標の1歳児欄に「安定した生活の中で保育士に親しみを持ちながら過ごし、基本的生活習慣を少しずつ身に付ける」、2歳児欄に「保育士と関りながら、安定した園生活を過ごし友達との関わりを広げ、安定して過ごせるようにする」と明記している。「毎日の保育・教育の流れ」に沿って1,2歳児の保育を行っている。1,2歳児のクラスは、床がフローリングの保育室を供用している。活動や生活など用途に応じて区切り、一人ひとりの育ちに配慮した環境を工夫している。子どもが取り出しやすい位置に絵本やおもちゃを置き、コーナー遊びのスペースも確保している。広く開放的な保育室は、毎月の誕生会など全クラスが合同で行事などを行う場所にもなっている。食中毒リスクを回避するため、小麦粉粘土に代えて片栗粉を用い、乾燥時や加水時、お湯を加えた場合などの感触や匂い、着色時の変化などを、五感を使って楽しむなどしている。散歩などの戸外活動に際しては、日常的に1歳児と2歳児など異年齢児を組み合わせて行なっている。年長児が年少児の安全を気遣って移動する様子がある。職員もクラス担任の他、園長または主任と男性保育士で対応するなど、クラス担当にとらわれない複数での保育体制を組んでいる。また、3,4,5歳児が室内活動や戸外活動をしている間、0,1,2歳児が園庭でのびのび過ごせるよう安全に配慮し工夫している。1,2歳児の「連絡帳」は、0歳児と内容が別ものを用いている。登園時に一人ひとりの「連絡帳」を確認し、適時「登園・降園メモ」を作成し、職員間で共有を図っている。「連絡帳」にその日の子どもの様子などを記入し、あわせて降園時に口頭で保護者に伝えている。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

「全体的な計画」の年齢別保育目標の3歳児欄に「保育士との信頼関係のもとに友達と一緒にごっこ遊びや体を十分に動かすことを楽しむ」、4歳児欄に「園生活を楽しむ中でいろいろな活動に興味を持ち、友達と一緒に自由に表現することを楽しむ」、5歳児欄に「生活や遊びに意欲を持って、友達と共通の目標に向かい、やり遂げる喜びを感じる。地域や区内の行事に参加して、交流を深める」と明記している。「毎日の保育・教育の流れ」に沿って3,4,5歳児の保育を行っている。3,4,5歳児は年齢毎に保育室が分かれ独立している。各クラスには、食事や活動、絵本やおもちゃを用いて遊ぶスペースが設けられている。おもちゃは倉庫で保管し、3,4,5歳児で共有している。トイレやシャワー室の3,4,5歳児クラスで共用しており、改修して明るく出入りしやすい環境になっている。3歳児は、運動会ごっこや宅配ごっこ、お店屋さんごっこやダンスなどの他、毎日園庭で「どろんこ遊び」などの活動を行い、友達と一緒に体を使った遊びを行っている。また、園庭にひまわりを植え育てている。4歳児は、季節感のあるてるてるぼうず、パッチンかえるや提灯作りなどしている。3歳児と同様、毎日園庭で「どろんこ遊び」などの活動を行い、川を作ったりどろんこパックをする様子がある。また、園庭にひまわりを植え育てている。5歳児は、運動会のリハーサルで組体操などの練習をしたり、友達と協力し合って遊ぶ様子がある。散歩などの戸外活動に際しては、3歳児と5歳児など異年齢児を組み合わせて行なっている。年長児が年少児の安全を気遣って移動する様子がある。職員もクラス担任の他、園長または主任と男性保育士で対応するなど、クラス担当にとらわれない複数での保育体制を組んでいる。また、0,1,2歳児が園庭で遊んでいる間は、3,4,5歳児が室内活動や戸外活動をするなど、安全に配慮し工夫している。3歳以上児については「連絡帳」がなく、保護者への伝達は、各クラスの連絡ボードにその日の出来事や伝達事項を記載して、保護者へ向けて掲示をしている。伝えた内容と保護者が話した家庭での様子などを、記録に残す工夫が望まれる。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

配慮が必要な子どもが数名在籍している。玄関にはスロープが整備されている。「重要事項説明書」に、障がいのある子どもの受け入れにあたり、「日頃から共に育ちあることの大切さが実感できる保育」との園の方針を明記し、障がいのある子どもと他の子どもを同時に保育することで、人を気遣う気持ちや、障がいを受け入れる気持ちを自然に理解し、また障がいのある子どもは他の子どもから刺激を受け、社会性を身につけることを期待し実践している。対象の子どもについて、在籍するクラス毎に「障害児年間計画」、個別の指導計画である「障害児個別計画」を作成している。日々の状況について、「保育日誌(個人用)」に給食の摂取状況にあわせて様子を記録している。地域療育センターの巡回訪問相談で、子どもの接し方や配慮を相談し、言語に頼らない視覚情報を活用したコミュニケーションの工夫等の助言を受け保育に活かしている。集団での活用になかなか入れない子どもに対し、本人の興味があることを促し、無理せずにやってみて楽しさを味わえるよう工夫したり、言葉が不明瞭な子どもを見守リながら保育している様子がある。保育の様子を、降園時に口頭で保護者に伝え、子どもの興味や関心、できたことを家庭でも活かせるよう情報を共有している。報告した際の保護者の様子も記録に残している。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」の保育計画に、長時間にわたる保育について明記している。標準時間は平日7時から7時半、18時半~20時まで延長保育を実施している、土曜日は7時から7時半で、夕方の延長保育はない。短時間は平日7時から7時半、16時半~20時まで延長保育を実施している。土曜日は7時から8時半で、夕方の延長保育はない。「長時間保育計画」を作成し、子どもの発達過程を考慮することや、生活のリズム及び心身の状態に十分配慮して計画するなど、6項目からなる配慮事項と方法を定めている。また、クラス毎の「月指導計画表」の「長時間にわたる保育」項目に、落ち着いて遊べるコーナーを設けるなどの配慮を記述している。「延長保育状況記録」に、朝夕の延長保育の利用人数、利用時間、認定区分毎の園児名、おやつの種類や夕方の活動、水分補給状況を記録している。延長保育の利用は数名に留まっている。補食やおやつは利用時間が短く提供実績が少ない。また、夕食の提供実績は無い。職員間で確実な引継ぎを行う為に、「登園・降園メモ」を作成している。保護者へは子どもの様子などを口頭で伝えている。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

「全体的な計画」に「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を明記している。「年間指導計画表(5歳児)」に、就学への自覚や自信を持ち意欲的に活動することを明記し、就学を見通した目標を設定し、「小学校連携アプローチカリキュラム」に沿って、子どもも保護者も安心して就学を迎えられるよう取り組んでいる。港南区ネットワーク事業として、地区の本園も含めた6園での「年長児交流『みんななかよし』」事業に年間を通じて取り組み、他園児との交流を通じて友達意識や就学への期待を持つ機会を持っている。また、職員も他園の職員との交流を通じて保育の質の向上を図る機会となっている。毎年1-2月に近隣小学校数校の幼保小交流の一環として情報交換を行い、小学校を年長児が訪問して1年生と交流する機会がある。11月に就学健診を受診し、1月から上履きの使用、ハンカチおよびティッシュの携帯を始め、3月から午睡を無くし、就学に向けて工夫をしている。特に、2月の懇談会で、就学に向けた準備状況を振り返り、保護者と情報を共有する機会にしている。「保育所児童保育要録」の作成にあたり、保護者の思いを踏まえるための工夫が期待される。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

園には看護師が配置されていないが、同法人の他園には看護師が配置されており、健康管理に関する協力体制がある。「年度保健計画」を策定し、予防接種、健康観察、保育中におこりやすい症状と観察のポイント、健康診断、歯科健診、身体測定などが明示されている。入園時に「児童健康台帳」を保護者が記入し、予防接種、健康診断受診、アレルギー、病気、感染症の既往歴、熱性けいれんの有無などを面談で確認している。熱性けいれんのある子どもの一覧を各クラスに配備している。また、登園時に、「チェック表」や「健康観察カード」を用いて視診を行い記録している。プール・水遊び、どろんこ遊びの可否について、保護者の了解を得て実施している。乳児突然死症候群(SIDS)については、各クラスに「手順書」と「チェックリスト」を備え、全職員に周知している。保護者に対しては、園内掲示を通じて周知を図っている。午睡時の呼吸確認を、0,1歳児は5分毎、2歳児は10分毎、3歳児以上は15分毎に行うとともに、職員が救急救命研修を受講し、毎月AED訓練を実施して緊急時に備えている。視診について、対応する職員の差異をなくすために、具体的な内容や方法について明文化するとともに、書式の工夫が求められる。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

「年度保健計画」を策定し、健康診断及び歯科健診を年2回実施している。また、尿検査を3,4,5歳児を対象に行い、聴力検査と視力検査を3歳児対象に年1回実施している。身長、体重測定は毎月行い「児童票」の成長曲線に記載している。健康診断の結果は「児童健康台帳」に記録し、歯科健診の結果は、歯科医記入の「歯科健康診査票」を子どもごとに保管している。保護者には、健康診断及び歯科健診の結果を各々「連絡袋」に入れ伝えているまた、結果を一覧にした「健康診断結果報告」を作成し、職員に周知している。歯科健診の前に、歯の模型やパネルを使って歯磨き指導を行い、歯の役割や歯磨きの大切さを伝えている。健診結果を、園での歯磨き指導などだけでなく、家庭での日々の生活に活かす為に、子ども一人ひとりの「個別指導計画」にその内容を反映させて保護者と連携を図り、家庭での食生活も含めた助言や支援の工夫が望まれる。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

食物アレルギー疾患を持つ子どもが数名いる。熱性けいれんのある子どもも数名いるが、慢性疾患などのある子どもはいない。食物アレルギー疾患については「食物アレルギー除去食対応の手順」に沿って、受け入れから実際の配膳、記録など対応している。入園時に「児童健康台帳」を保護者が記入し、予防接種記録、健康診断受診歴、病気、感染症の既往歴に加え、アレルギー、熱性けいれんの有無などを面談で確認している。その後は、医師による「アレルギー疾患生活管理指導表」と、保護者による「食物アレルギー対応票」及び「緊急時個別対応票」をもとに、毎月1回園長又は主任、クラス担任、調理職員、及び保護者によるアレルギー面談を行い、翌月の食材をもとに除去及び代替内容を確認し、翌月の除去内容などの書かれた献立を作成している。アレルギー除去食の提供にあたっては、他の子どもと区別のつく色のトレーと食器及びプレートを使用している。対象児の名前と除去内容を記載したプレートをトレーに乗せ、調理室で所定の色の食器に配膳した後、調理職員と保育士で除去内容を声出し確認し、他の子どもの食事より先に提供している。対象児は、他の子どもと少し離れた机で食事をするが、他の子どもとのコミュニケーションが図れるよう工夫し孤立しないよう配慮している。災害時に、食物アレルギーのある子どもは、除去食品を色別にした専用ベストを着用させることなど、災害時の対応について、関連マニュアルに明記することが求められる。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

 国の「保育所における食育に関する指針」に沿って「食育年間計画」を作成し、1年を4期に分け、年齢ごとの「ねらいや内容」「配慮」を定めている。また、子どもが小学校に進学した際の給食に関する保護者の不安などについても確認することが含まれている。調理室はガラス張りで、香りを楽しみ、調理の様子が見えるようになっており、子どもたちが「今日は何だろう」とのぞく様子がある。5歳児が、園庭でナス、ピーマン、サツマイモなどを育て、収穫後は給食の食材に用いている。また、年4回の「クッキング保育」では、5歳児が人参の型抜きやトウモロコシの皮むきを行っている。クッキング保育の内容を「行事計画・記録用紙」に記録し職員間で共有している。0歳児は机付きの椅子、1歳児からは、発達に合わせた大きさのひじ掛けのない椅子とテーブルを使っている。食器は白色の強化磁器製で、野菜のイラストが描かれている。1歳児からスプーン、フォーク、箸をそれぞれの発達に応じて使用し、2歳児になると多くの子どもが箸を使う様子がある。子どもが食べられる分だけよそうようにし、お代わりもできる。子どもたちは、保育士と会話しながら食事を楽しんでいる様子がある。毎月「給食だより」を作成し、月ごとの「献立表」や「離乳食献立表」とともに、情報通信技術(ICT)を用いて保護者に配信している。当日提供した給食の「サンプル」を置き、子どもと保護者の会話が広がり、調理方法を尋ねられるなど、保護者との連携のきっかけとなっている。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

献立は、法人本部がある宮崎市の担当課に配属されている管理栄養士が中心となり、公立・私立保育園の調理師がグループに分かれ、3ヶ月毎に作成されるものを使用している。食材は地元のものを用い、すべて園で調理している。年齢に応じて食材の硬さや大きさを工夫し、苦手な食材も「今日はこれだけ食べてみよう」と保育士が優しく声をかけていた。また、栄養士及び調理師の給食担当者が交代でクラスを回り食事の様子を確認し、子ども一人ひとりの意向や体調に合わせ、保育士とともに取り分ける量などに配慮をしている。出汁は天然のイリコを使用しており、郷土料理として、宮崎県の「がね」や「チキン南蛮」などを工夫し提供している。月ごとの「お誕生会」にカップケーキ、ココアケーキ、水ようかんや冷やしそうめんなどを提供し、季節感や地域の食文化を取り入れている。また、ミルクっこ、プリン、お好み焼きなど、手作りおやつを提供している。毎日、給食と離乳食を検食した結果を「検食簿」に、残食の状況を「残食記録」に記録している。残食が少なくなってきている様子がある。「離乳食管理表」や「給食日誌」で提供状況を振り返り、また、毎月の「職員会議及び給食検討会」で、「2歳児は箸の使用を少し増やす」「白和えは好きでよく食べていた」「サラダのカリフラワーは1歳児には長すぎた」などの意見交換をし、次月の味付けや調理方法などに活かしている。また、「大量調理施設衛生管理マニュアル」を整備し、安全・安心な食事提供を行なっている。「衛生管理表」に沿って調理室の衛生管理を行なうとともに、毎月全職員を対象に細菌検査を実施している。離乳食、アレルギー食、残菜の量に加え、調理に際しての中心温度や衛生点検結果を「給食日誌」に記録している。食育・アレルギー対応の外部研修に参加し内容を職員会議で共有している。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

保護者に対し、年2回懇談会を実施している。特に、年度当初の懇談会では、基本理念や保育目標、年間クラス目標、年間予定の資料を配り説明している。日々の保育の様子を、0,1,2歳児は、「連絡帳」を用いて伝え、家庭の様子を記述してもらい、情報交換を行っている。3,4,5歳児は、「連絡帳」を用いていない。クラスごとにホワイトボードで1日の様子を伝え、また、登降園時に保護者に様子を伝えるなど情報交換を工夫している。また、全ての保護者に対し、希望や必要に応じて、個別面談の場を設けている。「保育参観」を、年1回行なっている。名称は「保育参観」であるが、昨年度から保育内容をより知ってもらう機会として全クラス1週間設定し、参加できるときに来園してもらう保護者参加型の保育行事としている。参加した保護者から「子どもと一緒に活動に参加できて楽しかった」「園での子どもの様子がよく分かった」との感想が寄せられている。「連絡帳」を用いていない3,4,5歳児について、個別保育の実践を踏まえ、日々の保護者との情報交換と連携の工夫が求められる。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

登降園時に、全職員が保護者に積極的に声掛けを行い、日々のコミュニケーションを工夫している。年度初めに保護者との二者面談を行い、園の様子、家庭での様子などを話題にしている。また、保護者からのちょっとした相談や疑問でも受け止め、情報を提供したり適宜個別面談を設定するなど工夫している。広く保護者の相談に対応するよう、内部研修にて法人の社会保険労務士による「子育て世帯への制度について」や「産休・育休制度」をテーマに職員研修を行っている。また、内部研修として主任が中心になり、保護者面談の進め方や事前準備、話す内容などについて説明し、職員が面談スキルを得る機会を設けている。保護者面談のスキルについて、進め方や事前準備、話す内容、面談後の対応などを明記したマニュアルを整備し、実際の面談に際し、職員がいつでも確認できる工夫が期待される。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

虐待の兆候を早期に発見するために、「保育園での視診とは?指針のポイントや配慮すべきことを解説」を作成し、朝の登園時の全園児に対し視診を行っている。その結果を「チェック表」に記録している。視診で虐待の兆候がみられた際は、「視診時傷等チェック表」を作成し、職員間で共有を図ることになっている。全職員を対象に、港南区の生涯学習出前講座の「児童虐待防止について」を受講し学ぶ機会を持っている。受講後、職員から「視診の仕方が変わった」との声があり、朝の受け入れ時だけでなく、園内での着替え時にもチェックする習慣が定着した。虐待が疑われる子どもはいないが、疑義が生じた場合は、法に則って速やかに通告し、早い段階から専門機関と連携する予定である。虐待を予防する観点から、些細な事柄でも迅速に関係機関と連携を図ることが求められる。園は虐待の兆候に気付きやすい立場にある。支援を必要とする子どもや保護者の早期発見、早期対応を目的として、日々の業務に即した「園としての対応マニュアル」の整備や、より具体的な視診方法や手順の明文化、対応者による差異をなくすために「チェック表」の工夫が期待される。保護者に対して、子育ての困難さになどついて気軽に相談ができる窓口などの情報提供が望まれる。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

職員一人ひとりが、保育の実践の振り返りとして、年2回「人事考課表」を用いて自身の業務を評価している。「人事考課表」は「責任感」「倫理・規律性」「企画判断力」「指導力」など、9つの項目に対し4段階で自己評価を記入し考察を記述する項目と、「あなたの長けていることは何ですか?」「仕事の魅力は何ですか?」の問いに対し文章で記述する項目から成る。自身の実践の強みと課題に気づく機会となっている。人事考課とは別に、保育の改善や専門性の向上につながる項目を工夫した「自己評価表」の作成が求められる。その「自己評価表」を用いた自己評価を定期的に行い、継続して保育の改善と専門性の向上に資することが求められる。