社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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障害者支援施設川崎ラシクル

2025年04月28日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社ケアシステムズ

② 施設・事業所情報
名称 障害者支援施設川崎ラシクル 評価対象サービス 2022~ 障害者・児福祉サービス版
対象分野 障害者支援施設(施設入所支援+日中活動事業) 定員 47 名
所在地 210-0024
川崎市川崎区日進町5-1
TEL 044-589-3880 ホームページ https://www.misasakai.or.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2021年03月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 三篠会
職員数
常勤職員:44 名
非常勤職員:42 名
専門職員
施設長:1 名
医師:2 名
管理栄養士:1 名
理学療法士:1 名
看護師:8 名
施設・設備の概要
居室数:47
設備等:自動火災報知機、誘導灯、ガス漏れ報知器、非常通報装置、非常用電源、スプリンクラー

③ 理念・基本方針
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等関係法令の理念(以下、総合支援法)
に則り、利用者の自立と社会経済活動への参加を促進するために、生活介護の対象者に対し、日中活動
と合わせて、夜間等における入浴、排泄又は食事の介護等を提供することを目的として、事業者が個別
支援計画に基づき利用者に対して必要な介護、支援等のサービスを適切に行う

④ 施設・事業所の特徴的な取組
・地域移行型の障害者支援施設として、それぞれの希望と特性に合わせ、地域での生活を視野に
生活支援に取り組んでいる。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/07/02(契約日) ~2025/04/22(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 0 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 特長
・各種会議で計画の進捗状況などを把握検討し着実な計画の実行に取り組んでいる
法人の中・長期事業計画を踏まえ、事業所の単年度事業計画を策定している。法人内の会議で検証し必要に応じて修正が行われており、事業所の計画策定は、大きな目標は施設管理者が、細かな目標は専門職が担当し、問題解決に向けて検討する場を設けている。稼働率や具体的施策項目の実施報告などの指標を明示して月単位で各種の会議や各種委員会などを活用して計画の進捗状況などを把握検討し着実な計画の実行に取り組んでいる。研修実施状況や各種計画の実施状況報告を担当部署が運営会議や委員会に上程報告し、そこで必要に応じ協議・検証している。各項目につき、当初の予算設定数値との乖離があれば、その原因理由を分析検討し、補正予算を組むなどして必要な対策に取り組んでいる。

・職員一人ひとりが半期目標の設定や振り返りを通じて達成度を確認する仕組み整っている
法人で定められた考課面談の制度に沿って、各職員は半期ごとに設定した自己目標の達成状況を部署責任者と確認し、次期の個人目標設定に活かし、自己目標の継続を行っている。各部署の目標設定・施設の目標は個人目標シートに記載し、職員と共有している。また、人事に関する希望聴取用紙を職員に配布し、個人が取得を希望する資格などを把握し、それらに合った役割を担ってもらい成長を促している。また、福利厚生の充実に力を入れており、資格取得費全額支援など待遇改善を実施して職員定着、意欲向上に取り組んでいる。

・行政支援機関や外部支援機関との連携を図り支援に反映させている
利用者の意向や要望は日常的な関わりやカンファレンス、家族からのヒアリングなどを通じて把握している。職員の意見は会議や面談などで把握に努めている。また、地域福祉の現状については地域との交流事業を通じて地域住民などから情報を収集している。施設管理者は定期的に法人経営者とキャンパス運営会議や法人理事会議に出席し、福祉事業全般の情報収集に取り組んでいる。さらに、川崎市が主催する研修や説明会に参加して県・市の福祉計画や地域ニーズの把握し、運営方針との整合性を保ちながら施設運営に取り組んでいる。

今後期待される点
・「コンプライアンス意識の強化」をさらに浸透させることを目指している
各種規定・体制を構築・整備し、また必要な担当者・部署を設置して、全職員に対して社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理の理解および周知に努めている。さらに、会議や委員会活動を活用して、認識が深まるよう研修などを開催している。また、公益通報相談窓口などを設け、全職員が安心し、かつ働きやすい職場環境となるよう努めている。ただし、日常業務を通して職員の様子を見ている中で、施設管理者は「コンプライアンス意識の強化」が必要であると認識している。ハラスメントや人権擁護など法令順守やコンプライアンス遵守など、法廷研修など各種研修に新しい要素を加味することに取り組んでいる。

・職員の定着率の向上を課題としている
必要な福祉人材に関しては、法人の方針に準じて各種のチャンネルによって人材募集・確保に取り組んでいる。経営層は就業状況・勤務態度を定期的に把握して適材適所な人員配置になるようにしている。また、職員の育成や本人の希望を踏まえた人員配置に取り組んでいる。関東地域の採用担当者を配置し、採用活動に取り組んでおり、新卒・キャリア採用職員に対しては1年目・2~4年目・主任・リーダー対象など、キャリアアップに応じた研修を実施して人材の定着や育成に取り組んでいるが、定着率をさらに向上させることを課題としている。

・地域との交流、ボランティアの受け入れなどを充実させることを課題としている
地域のネットワークづくり、ニーズ把握に努め、複合施設内外の関係機関とも連絡を取り合って連携を図っている。従前より対外的な情報発信と地域の福祉ニーズ把握に努めている。さらに、開業がコロナ禍であったことから、地域に暮らす方々と利用者との交流はなされないまま現在に至っていることを踏まえ、地域のニーズや関係機関との情報共有を充実させることを目指している。さらに、実習生やボランティアなどの受入の充実を図り、地域との関係を向上させることを目指している。利用者と地域の方々との交流機会を新たに計画することが望まれる。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
2021年3月の開設以来、今回初めて第三者評価を受審し、改めて現時点で実現できている点と未だ課題を残す点を再認識する事が出来ました。人事考課制度を活用した職員のモチベーションの維持と人材育成への取組み、障害分野の多様なニーズに合わせたユニット構成、外部機関との積極的な連携の試み、高齢・障害・保育が一体となったフェスティバルの開催等、当施設の特性を活かした利用者支援への取り組みが評価された事は私共にとって強い励みの言葉であります。一方で職員の定着率向上への取組み、人材の育成にもつなげるコンプライアンス意識の強化、地域との更なる連携については、まさに人と人が向き合う支援の仕事において今向き合うべき課題を実感する事が出来ました。職員間で今回の評価を共有し、地域の中で欠かせない施設となれる様、これからも日々の支援に取り組んで参ります。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

・法人理念(あゆみのこころ)はホームページに常時記載されている。職員には入職時のオリエンテーションや研修、諸会議、法人内研修などにおいて説明し周知に努めている。法人理念の記載されたハンドブックを職員自ら管理し、定期的に内容の確認を行うことを促したり、入職後1年目研修においても読み合わせてなどによって周知を図っている。また、施設の方針は人事考課制度を通じて、職員への周知を図っている。また、利用者や家族などに対しては、利用開始時やカンファレンスなどで説明し、理解を促している。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

・利用者の意向や要望は日常的な関わりやカンファレンス、家族からのヒアリングなどを通じて把握している。職員の意見は会議や面談などで把握に努めている。また、地域福祉の現状については地域との交流事業を通じて地域住民などから情報を収集している。施設管理者は定期的に法人経営者とキャンパス運営会議や法人理事会議に出席し、福祉事業全般の情報収集に取り組んでいる。さらに、川崎市が主催する研修や説明会に参加して県・市の福祉計画や地域ニーズの把握し、運営方針との整合性を保ちながら施設運営に取り組んでいる。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

・運営ミーティングを隔週開催しており、経営状況の共有や解決すべき課題の検討に取り組んでいる。また、複合施設内の各部署責任者が出席する定例の運営推進会議(ラシクルミーティング)においても、改善すべき課題について取り組んでいる。さらに、定例のキャンパス運営会議において指導・助言を受け、単年度事業計画が適切に達成できるように努めている。改善すべき課題については、必要に応じて第三者を含めた特別委員会を設置し、部署責任者との面談を通じて改善に向けた取り組みを行っている。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

・法人として中長期事業計画を策定して、それらをベースに施設として単年度事業計画を策定しており、合わせて予算編成については前年度の収支状況を細かく分析し、施設が目指していることが的確に実施できるようにしている。また、単年度の目標は、職員の目標管理ともリンクさせることにしており、上期下期別の目標記入シートに明示し、職員一人ひとりの目標を促している。
・施設管理者は定期的に法人経営者も出席するキャンパス運営会議において、経営状況や課題について検証し単年度事業が円滑に推進できるように取り組んでいる。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・稼働状況などの単年度達成目標については、運営ミーティングにおいて管理者と担当相談員の間で進捗状況を検証し達成に取り組んでいる。その他、事業の進捗状況については月単位で収支や業務遂行状況を把握し、運営概要としてまとめ毎月本部に報告している。各部署毎の計画については前年度実績値と比較できるようにしたり、予算実績比較表で費目別に進捗率などを把握できるようにしている。職員個々の目標記入シートにおいても、法人の中長期計画に沿った目標を設定することにしている。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

・事業の進捗状況については月単位でトレースし、必要に応じて上方または下方修正を図るなど適切なマネジメント体制が整っている。また、月単位で事業の進捗状況を検証して達成に取り組んでおり、さらに年度末には当該年度の事業総括を行い、事業報告書にまとめている。中長期事業計画をベースに単年度計画を策定し、月単位で事業の進捗状況を検証して年度末の総括を事業報告書にまとめる適切なマネジメント体制が整っている。さらに、単年度事業の未達成事項などを、分かりやすく次年度事業計画に盛り込み、中長期計画の達成につなげることが望まれる。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

・通常であれば入居時などの機会や支援計画の作成・見直しなどの機会を通じて事業計画を説明し、利用者(家族)に事業計画の理解を促す機会を設けている。ただし、コロナ禍での開所となったことにより様々な面談の機会が失われおり、5類移行後に本来の開かれた福祉施設の運営に向けて順次取り組みを開始している。
・家族との各種の情報共有については、利用者の近況を知らせる手紙を定期的に郵送して連携を図っている。また、家族の面会緩和や利用者の外出機会、イベントの企画、家族会設立などを含め、事業計画の周知については今後の課題としとぃる。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

・職員は半期ごとに個別目標を設定して期末に自己評価を行い、各部署の責任者による考課面談によって評価や次の目標設定を行い、サービスの質の向上に取り組んでいる。施設管理者は個々の自己評価や部署責任者評価の報告を受け、達成状況や課題などを把握し、示唆・指導に取り組んでいる。
・施設運営全般を検証するリーダー会議に加え各種の専門委員会を定期的に開催しており、特に重点施策としてノーリフティングケアの推進に力を入れるなどによって検証や改善に取り組んでいる。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

・各部署での運営上の課題については、フロアミーティングを通じて部署職員間での共有と改善に向けた検討に取り組んでいる。また、施設単位での課題については、運営推進会議(ラシクルミーティング)やリーダーミーティング(月1回)において、改善に向けた検討に随時取り組んでいる。ただし、施設単位での計画的な改善については、改良の余地があることを複合施設内の各施設単位で認識している。また、行政指導などの案件については改善報告書が提出され、組織一丸となって迅速な改善に取り組んでる。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

・施設管理者は施設が目指す理念などの実現に向けて、経営管理に関する方針はリーダーミーティングや個別の委員会などを通じて伝え、自らの役割と責任を職員に伝えている。職員に対しては入職時のオリエンテーションで事業所の方針や取り組みについて個別に説明を行っている。また、職員面談などを通じて職員が取り組むべき業務内容を提示して、リーダーシップを発揮している。職務分掌には運営方針や重要事項説明などが明示されているが、会議や研修などの機会を通じて職員への理解をさらに深めることを目指している。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・入職時のオリエンテーションや研修、リーダー会議などを通じて、法・規程・倫理・ハラスメント防止についてなどの理解が深まるように取り組んでいる。集団指導など、施設内のリーダー会議で必要な事項は伝えている。
・管理者は川崎市障害保健福祉部などと法令解釈や検討中課題については、説明会などに参加し情報を得て、必要に応じた連絡が取れる体制を整えている。それらの情報は定例の運営推進会議(ラシクルミーティング)を通じて、各部署責任者への周知を図っている。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

・法人理念の実現に向けてリーダー会議や各種の委員会などを通じて、管理者の役割と責任を職員に伝えるとともに、課題については各委員会で取り組めるように自ら委員会へ出席して指導・助言に取り組んでいる。
・各部署責任者との定期的な面談によって各部署で抱える課題を直接把握するとともに、希望する職員とは適宜個別面談を行い、各個人が勤務上抱える課題や悩みを直接把握する機会を設けている。管理者は質の向上に向け、第三者の参加を含めた新たな委員会を設置するなども検討している。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・管理者は施設運営の重点項目として、適切な人員配置や財務状況について各担当者と定期的な現状分析に取り組んでいる。職員との個別面談の他、法人内他施設とも情報共有を適宜行い、職場環境の改善について取り組んでいる。
・法人全体で報酬改定を見越した職員配置や賃金検討など、経営改善に取り組んでいる。特色を活かした支援実施をするためにリーダー会議において方針を示唆し、組織一丸となって取り組めるようにしている。さらに、組織内の経営改善や個人の目標を一致させ、組織内の意識形成が得られるようにしている。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

・必要な福祉人材に関しては、法人の方針に準じて各種のチャンネルによって人材募集・確保に取り組んでいる。経営層は就業状況・勤務態度を定期的に把握して適材適所な人員配置になるようにしている。また、職員の育成や本人の希望を踏まえた人員配置に取り組んでいる。
・関東地域の採用担当者を配置し、採用活動に組んでおり、新卒・キャリア採用職員に対しては1年目・2~4年目・主任・リーダー対象など、キャリアアップに応じた研修を実施して人材育成に取り組んでる。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

・法人として「期待する職員像」を明確にしており、キャリアアップ毎の研修など総合的なキャリアアップ支援に取り組んでいる。新任研修において人事管理基準などの周知を図り、評価制度によって個人の育成状態を適切に把握できるようにしており、法人で統一した人事管理基準によって人事管理に取り組んでいる。
・法人内においては全ての事業所へ異動希望を出すことが可能となっており、法人内の各種サービス、職種へのチャレンジも可能になっている。現在法人では働き方改革に対するプロジェクトが進められており、職員の選択肢がさらに広がる取り組みが計画されている。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

・各部署職員の有給取得状況は、運営推進会議(ラシクルミーティング)を通じて各部署責任者へ配布をしている。定期的な個人面談において職員の意向・ニーズを把握し、人材育成計画の策定などの展望を職員に明示している。また、個人別、経験別に職員一人ひとりに必要な研修計画を策定し、施設の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる。個人で作成した自己目標を管理者及び部署長が共有することで、職員の目指している方向性を確認している。職員の休暇状況の把握に努め、有給取得が少ない職員には取得を促すなど、働きやすい職場づくりを目指している。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・法人で定められた考課面談の制度に沿って、各職員は半期ごとに設定した自己目標の達成状況を部署責任者と確認し、次期の個人目標設定に活かし、自己目標の継続を行っている。各部署の目標設定・施設の目標は個人目標シートに記載し、職員と共有している。
・人事に関する希望聴取用紙を職員に配布し、個人が取得を希望する資格などを把握し、それらに合った役割を担ってもらい成長を促している。また、福利厚生の充実に力を入れており、資格取得費全額支援など待遇改善を実施して職員定着、意欲向上に取り組んでいる。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

・法人として新任研修、フォローアップ研修、リーダー研修など、入職年次、職域、職制に沿った研修計画を策定して、職員の参加を促している。また施設内においても年間研修計画を作成して、身体拘束や感染症対策などをテーマとした外部研修に参加を促したり、スキルアップをテーマとした内部研修を開催したりして、資質の向上に取り組んでいる。
・施設内研修は年間計画に基づいて実施しており、本年度は前年度の参加実績をベースに法定研修にオンライン研修を一部導入し、実施方法の改善に取り組んでいる。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

・法人として開催している各種の研修(新任、フォローアップ、リーダーなど)は、毎年スケジュールを取り決めて参加を促している。施設内研修においても同様に年間研修計画を作成し、勤務シフトなどを調整して参加を支援している。新任職員に対しては、入職時もしくは入職後1ヶ月以内を目安に新任オリエンテーションを実施している。事業方針、施設見学、認知症の基礎、接遇、介助技術等の基本的情報を、3日間の集合型研修を通じて確認している。外部研修へは、本人希望に加え、学んでもらい内容の研修にも積極的に参加をできるよう支援している。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

・法人で実習受入れマニュアルが制定されており、各実習生の履修状況に応じて実習プログラムを組んでいる。オリエンテーションをはじめ指導担当者を選出して、適切に指導できるようにしている。受け入れ時のオリエンテーションでは、個人情報の取扱いについても説明し、注意喚起を促している。さらに、ラシクルや南部在宅支援室とも連携し、学生にとって有意義な実習を心がけている。指導者研修については外部研修を受講するように調整しているが、感染症蔓延防止のためオンラインでの開催が多く、可能な範囲での参加を予定している。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

・ホームページ、施設案内、重要事項説明書や運営規程などの掲示により、施設の活動を開示し活動内容を地域社会に対して情報発信している。法人で発行されている広報誌を法人外事業所、支援機関等に定期的に配布して情報発信に取り組んでいる。第三者評価は今年度が初めての受審となり、法人や神奈川県のホームページへ公表を予定している。
・実習生などの受入体制を整備して地域との関係づくりに取り組んでおり、社会福祉施設としての機能・専門性を活かしつつ関係機関と連携して地域の一員としての役割を果たすことに力を入れている。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

・事務、経理、取引について内部監査を実施し、外部の専門家による監査を定期的に実施し、指摘事項にもとづいて改善に取り組んでいる。事業所の情報や個人情報の取り扱いについては、運営規程・就業規則などの規程・体制を整備し、利用開始時の説明、施設内の掲示、同意書などによって利用者や家族への周知に努めている。また、各種の研修を通じても職員への理解が深まるようにしており、各種の情報は必要に応じて利用できるように、法人として公正かつ透明性の高い運営のルールに沿って管理している。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・定期的に近隣公園への外出機会を設けたり、複合施設全体のまつりを開催したりして、家族や地域との交流を図っている。また、開業がコロナ禍であったことから、地域に暮らす方々と利用者との交流はなされないまま現在に至っていることを施設では課題としている。コロナも5類へ移行したことを踏まえ、利用者と地域の方々との交流機会を新たに計画することが望まれる。保育園の園児、中学生や高校生の職場体験など、地域の方々との交流が活発に行われることが期待される。また、施設内一部事業所にて、SNS(インスタグラム)を用いて情報発信には力を入れている。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

・コロナ禍で開設したことも影響し、ボランティア受け入れについては無いことを踏まえ、今年度体制を整備することにしている。コロナも5類へ移行したことを踏まえ、利用者と地域の方々との交流機会を新たに計画することが望まれる。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

・法人の理念・基本方針の実現を図るための重要課題として「地域連携および地域貢献」を挙げている。地域のネットワークづくり、ニーズ把握に努め、複合施設内外の関係機関とも連絡を取り合って連携を図っている。また、実習生やボランティアなどの受け入れの充実を図り、地域との関係を向上させることを目指している。従前より対外的な情報発信と地域の福祉ニーズ把握に努めている。さらに、開業がコロナ禍であったことから、地域に暮らす方々と利用者との交流はなされないまま現在に至っていることを踏まえ、地域のニーズや関係機関との情報共有を充実させることを目指している。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

・管理者を中心に地域で開催されている各種の会議や連絡会に参画しており、情報収集や課題の把握に努めており、行政が主催する連絡会や自立支援協議会などには積極的に参加している。また、施設で開催する行事に地域の人々を招待して交流を図ることにも取り組んでいる。ただし、コロナ禍での施設開設も影響し、近隣地域住民との交流については、ボランティアと同様に今年度体制を拡充することを計画している。また、複合施設内の各事業所、関係機関からの情報提供、町内会などと情報共有を行っており、地域ネットワークの中で協働する体制作りに取り組んている。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

・市の障害者福祉施設長会議などに参加し、地域の福祉ニーズを把握するとともに、施設の認識度を向上させることに取り組んでいる。行事への参加などを促しているが、まだまだ地域交流活動が自粛傾向となっている。ただし、リスクマネジメント関連では地域の防災関係について、福祉避難所として対応する仕組みができている。また、地域の福祉ニーズにもとづいて、1階の共有スペースを無料開放をしているが、さらに事業所が主体となるような活動を開催することを目指している。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・入職時のオリエンテーションや研修、現任者に対して実施している各種研修などを通じて、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規程・倫理などの理解が深まるように取り組んでいる。さらに、利用者の尊重した福祉サービスが実施できるように、目標を設定して職員の理解を促している。身体拘束禁止、虐待防止等に関する委員会や研修を通じて、職員に基本的人権の配慮について考える機会を設けている。また、個人情報の使用に関しては、利用者及びその家族に説明後、署名捺印を得ている。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

・個人情報保護の扱いについては法人として規定を設けており、利用開始時に「個人情報の使用に係る同意書」を契約時に説明し、同意を得ている。職員については入職時に「個人情報保護の取り扱い」を説明し同意書を交わし、ボランティアや実習生については、活動開始時のオリエンテーションで説明し周知を図っている。個人情報保護の扱いについては法人として規定を設けており、利用開始時に「個人情報の使用に係る同意書」を契約時に説明し、同意を得ている。虐待防止をテーマとした研修の中でプライバシーについて触れ、注意喚起を促している。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

・利用希望者や家族、地域への情報提供としては事業内容全体が把握できるパンフレットやホームページなどを設けている。ホームページは法人として作成されており、法人概要や施設一覧、プロジェクトなどが掲載され、法人としての取り組みを紹介している。当施設の欄では施設内外観の写真のほか、複合施設内の各種サービスの概要を紹介している。パンフレットでは写真を多用しており、わかりやすい文章で施設の設備や取り組みを説明して、入所後の生活がイメージしやすくなっている。施設情報を掲載して利用希望者などが概要を確認できるように整えている。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

・見学は情報発信の一つとして捉えており、積極的に随時受付、生活環境や日中活動についての説明も行っている。見学時には施設内を見てもらうことと、パンフレット(ふくふく・ラシクル)を用いて丁寧に説明し、入所後の生活イメージが湧きやすくなるように努めている。
・入所時には重要事項説明書や契約書を用いて説明して同意を得て、入所後サービス内容の変更が生じた際には、利用者(家族)への説明や書類を郵送して丁寧な説明に努めている。また、事前面談や契約時に心身状況をはじめ、意向や要望を聞き取って初回アセスメントとしている。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

・開業後4年を迎えたに過ぎないことや当該施設において各種のサービスを受給することを希望している利用者のみであり、現在のところ移行については実績数が少ないが、支援機関・行政と連携してカンファレンスや移行先との情報共有を複数回実施しており、ショートステイ利用についても案内などにつなげている。サービス管理責任者を中心に意向や要望を把握して、利用者(家族)の目的に適した支援に関する情報を提供することにしている。転居が決まった際には、家族の同意のもとに利用者の様子を伝えたり、必要に応じてケース記録をもとに説明を行うことにしている。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・利用者の満足度や計画の達成(進捗状況)を把握することを目的に、6か月毎にモニタリングを行っている。また、個別支援計画の更新時には再アセスメントを行い、その際には、利用者や家族の意向も確認している。
・満足度について、利用者から直接聞き取る機会は設けられていないが、今般行った第三者評価の利用者調査や聞き取りによる食事の嗜好調査などによって、憩いや要望の把握に取り組んでいる。さらに、利用者会や家族会などの開催も検討されたい。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

・苦情解決体制を整備しており、苦情受付担当者や解決責任者及び第三者委員を配置している。施設内には苦情相談を受け付けることや、苦情対応の案内を掲示し、利用者・家族などに周知を図っている。意見や苦情などがあった場合は記録を作成し、受付担当者が申出人に対応を説明し、解決を図っているが、内容によっては苦情解決責任者が対応している。重要な案件であることを踏まえ、施設運営会議などにおいて、把握と問題解決及び改善策を話し合うことにしている。さらに、意見箱などは設置することも望まれる。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

・重要事項説明書には複数の相談窓口を記載しており、相談希望を受け付けた際には居室や相談室などプライバシーに配慮した環境で行うことにしている。また、介護ステーションは職員に声がかけやすいような環境(カウンター)を整えている。支援計画の見直しを行う際のカンファレンスでは、担当の職員が把握した利用者(家族)から生活に関する意向や要望を代弁し、施設でどのように過ごしたいのかを具体的に支援計画に反映させることに取り組んでいる。さらに、利用者(家族)が出席するケアカンファレンスを開催して直接聞き取る機会を充実させることが望まれる。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

・相談や意見に対しては、日々の申し送りや事業所内の定例ミーティングなどで共有し、できる限り迅速な返答を行うようにしているが、時間がかかるような案件であれば、その旨を利用者(家族)に伝え、管理者へ報告し情報共有と対応策を検討している。
・相談内容によっては管理者が直接対応したり、施設運営会議で報告のうえ指示指導を仰ぎながら対応することにしている。また、内容によっては法人や行政と連係を図りながら対応することにしている。さらに、意向や要望、意見などを聞く姿勢として意見箱を設置することが望まれる。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

・様々なリスクに対してはリスクマネジメント関連の委員会を中心に検討改善に取り組んでいる。事故や感染症などが発生した際には各委員会がそのリスク発生の要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに努め、計画的にリスクマネジメントに取り組んでいる。
・事故については事故防止委員会において検証するとともに、マニュアルの改訂や事例検討、研修企画なども行っている。昨年度は同委員会においてヒヤリハットシートを改訂し、インシデントの気づきを高めることに取り組んでいる。さらに、事故予防の仕組みづくりを課題として取り組んでいる。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・感染対策予防委員会において感染マニュアルの更新を適時行っている。また、同委員会では職員対象の感染対策研修を計画し、感染症の予防及び発生時の対応について具体的な情報提供に取り組んでいる。感染症などが発生した際には同委員会がそのリスク発生の要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに努め、リスクマネジメントに計画的に取り組んでいる。さらに、感染症発生時のBCPマニュアルを作成しており、BCP委員会においてマニュアルの改訂や研修企画などを行って、職員への注意喚起を促している。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

・建物全体の防災計画や防災訓練は、「ふくふく」全体で行政や関係者と連携して定期的に実施している。また、迅速に職員に連絡が行きわたるように連絡網を都度更新して、自動参集の仕組みも設けている。自然災害など大規模な災害に対処するため、事業継続計画の策定に着手して早期に完成させている。不審者や風水害などの対策についても、強化を図るべき事項も多いことを踏まえ、引き続き検討を重ねている。さらに、職員の安否確認としてスマート配信システムを導入し、連絡訓練を実施している。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

・施設では、サービスの質を一定に保つため、標準的な実施方法を文書化し、それに基づいた支援の提供に努めている。運営規程や重要事項説明書に支援内容を明記し、職員が共通の理解を持ちながらサービスを提供できるよう整備されている。また、職員への研修や個別指導を通じて、標準的な実施方法の徹底が図られており、利用者一人ひとりに適した支援が行われる環境がつくられる仕組みが構築されている。利用者の尊重やプライバシー保護、権利擁護といった研修も実施しており、サービスの質を一定水準に保つ仕組みが整えられている。今後は実施方法が実際の支援現場でどの程度適切に適用されているのかを確認する仕組みづくりに期待したい。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

・標準的な実施方法の見直しに関しては、定期的な職員ミーティングを通じて検討がなされている。個別支援計画会議やフロア会議などの場で、職員の意見を集約し、必要に応じた調整が行われている。見直しのタイミングや具体的な基準が明確に規定されていないため、どのような状況になったときに変更を加えるべきかが曖昧になっている。PDCAサイクルを活用し、計画的な見直しを行う仕組みを強化することが望ましい。また、標準的な実施方法の改善には、職員だけでなく利用者や家族の意見も積極的に取り入れ、現場の実態に即した柔軟な対応ができるようにすることが求められる。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

・毎月開催される個別支援計画会議において、多職種が参加し、利用者の状況を総合的に評価しながら計画が立てられている。この計画の策定にあたっては、利用者本人の意向だけでなく、家族や相談支援専門員、関係機関の意見を取り入れながら、包括的な支援を目指している。特に、利用者の障害特性や生活環境に応じた支援が求められるため、アセスメントの段階で詳細な情報収集に努めている。一方で、職員ごとにアセスメントの視点や方法にばらつきがあることが課題として挙げられており、アセスメント基準の明確化や、統一的な手法の構築などが今後期待される。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

・支援計画の見直しは、ユニット毎に誕生月と半年後の年2回のタイミングで定期的に実施されており、利用者の状態やニーズの変化に応じた支援内容の更新が行われている。また、状況に応じて緊急的な見直しも実施しており、柔軟な対応が取れる体制が整っている。支援計画の変更が必要な場合は、多職種が参加する会議を通じて検討が行われ、利用者や家族の意見を取り入れながら見直しが実施されている。計画の評価基準が明確でなく、どの段階で目標が達成されたと判断するのか基準の統一などに注力されたい。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

・利用者の身体状況や生活状況は統一様式で記録され、個別支援計画の実施状況も確認できるよう管理されている。記録のばらつきを防ぐため、記録要領の作成や職員への研修が行われている。また、電子カルテの導入や記録ファイルの回覧による情報共有の仕組みが整備され、定期的な会議を通じて支援の一貫性を確保している。情報の流れが明確でない点や、記録の標準化が不十分な点が課題として残っている。記録の作成に関しては、職員によって解釈の違いが生じることもあり、記録の標準化が求められる。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

・個人情報保護規程に基づき、記録の保管・保存・廃棄に関する明確なルールを設定し、厳格に運用している。利用者の記録は鍵付きの書庫で厳重に管理されている。また、職員に対しては、個人情報保護に関する研修を年1回実施し、情報管理の意識向上を図っている。現在の管理体制では、紙ベースの記録管理が多いため、情報の検索性や共有にタイムラグや齟齬が生じる場合もあるため、クラウド化などの更なる効率的な管理法の模索に期待したい。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・利用者一人ひとりの意思を尊重し、自らの生活を主体的に選択できるようなサービスの提供に努めている。入所前の顔合わせや事前のアセスメントを通じて、利用者の希望や不安を丁寧に把握し、安心して新たな環境に適応できるよう配慮している。
・支援計画の策定においても、利用者自身が積極的に関わる機会を設け、自己決定を促す仕組みが整えられている。支援内容についての説明も、書面だけでなく対話を重視し、理解しやすい形で伝える工夫がなされている。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

・利用者の権利を守るための取り組みが組織的に進められている。契約時の重要事項説明に加え、生活の中で具体的に権利が尊重される場面を設けることで、利用者自身も権利意識を持てるような環境が整えられている。
・身体拘束や虐待防止に関する研修も定期的に行われ、全職員が共通認識を持って支援にあたる体制が確立されている。権利侵害が発生した場合の再発防止策についても、職員間での情報共有が徹底され、実効性のある対策が講じられている。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・地域生活への移行を視野に入れ、利用者の自立を促す支援が展開されている。生活リズムの安定や基本的な生活スキルの向上を目指し、日常生活の中で少しずつ自立を促す機会を増やしている。買い物プログラムや公共交通機関の利用訓練など、具体的な活動を通じて社会生活への適応を支援している。利用者からは、金銭管理に関する勉強会の開催希望がある。さらに、外部の通所施設やグループホームとの連携を強化し、地域生活への円滑な移行をサポートする仕組みが構築されている。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・利用者の特性に応じたコミュニケーション手段の確保が重視されている。ICT機器の活用、視覚支援ツール、筆談やジェスチャーの導入など、多様な方法を組み合わせることで、利用者が自分の意思を適切に伝えられる環境が整えられている。意思表示や伝達が困難な利用者とは、絵カードの提示、サインの活用、日中活動の達成状況などを視覚化し、口語以外のコミュニケーション手法を用いている。また、利用者のコミュニケーション能力を向上させるためのトレーニングや、職員の対応スキル向上のための研修も実施されており、より円滑な意思疎通が図られるよう取り組んでいる。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・日常の対話を大切にしながら、利用者が安心して自己表現できる環境を整えることを基本としている。施設利用開始時には、事前の顔合わせやアセスメントを通じて不安を軽減し、個々の価値観や希望を把握するように努めている。日常の相談支援では、生活習慣の調整や施設ルールに関する相談を受け、例えばスマートホンの使用についても一律の制限ではなく、利用者の生活リズムに応じた柔軟な対応を行っている。また、個別支援計画の見直し時には、利用者の意思を直接確認し、支援の方向性を共に考えている。意思決定支援として、利用者が意見を表明できるようサポートを行い、重要な決定には支援者や家族と連携しながら、利用者主体のサービス提供に努めている。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:b】

・個別支援計画に基づき、利用者の生活が充実したものとなるよう、地域のゴミ拾いや川崎市が主催する障害者作品展に作品出展するなどの多様なプログラム作成に努めている。作業活動や創作活動、地域交流イベントなどのプログラムを通じて、利用者が自分に合った活動を選択できる環境が整っている。また、活動への参加を通じて日中活動の結果を利用者が実感できる機会を設けている。社会性を高める機会も確保されており、地域とのつながりを意識した支援が実施されている。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・一人ひとりの特性やニーズを正確に把握し、適切な支援を行っていることがうかがえる。例えば、医療的ケアが必要な利用者には、看護師との連携を強化し、日々の健康管理や服薬支援を行うことで、安心して生活できる環境を整えている。行動障害のある利用者には、環境調整や適切なコミュニケーション方法を導入し、安心して過ごせるサービスの提供に努めている。
・また、インターネットの適切な使用方法や金銭管理の研修を実施し、地域生活への移行をスムーズにするための準備を行っている。利用者の個別の目標に合わせたプログラムを用意し、必要に応じて支援内容を柔軟に調整することで、一人ひとりのニーズに沿った支援の提供に心がけている。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・利用者一人ひとりの生活状況や目標に応じた支援を行い、安定した生活の維持と向上に取り組んでいる。利用者の身体的・精神的状態を踏まえたうえで、食事、入浴、排泄といった基本的な生活支援を行い、生活リズムが不規則な利用者には、起床や就寝の時間を一定にするための声がけや環境調整を行い、安定した日常生活を送れるよう支援している。金銭管理や買い物の訓練を通じて、地域での生活を見据えたスキルの習得をサポートや清掃といった日常生活動作の練習も取り入れている。
・定期的なモニタリングを行い、利用者の変化に応じて支援内容を見直すことで、より適切なサポートを継続的に提供できる体制を整え、利用者の自立へ取り組んでいる。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

・ユニット内の什器備品、装飾などは障害特性に応じた配慮や掲示に配慮したり、利用者の居室(全て個室)は利用者ごとに生活しやすい環境作りを可能にしている。また、共有部の空調については、各フロアや1階の中央監視室においても設定を可能としており、適切な温度や湿度で過ごせるようにしている。また、清掃については外部の専門事業者を活用しており、清潔で綺麗な状態が保たれていることが確認できている。
・安心で安全な居住空間を目指して整理整頓に努め、休息スペースや体調不良時の静養室なども設けている。個別対応が重なった際には、複合施設内の居室の貸し借りを行うなど、連携した対処することにしている。さらに、共用スペースにはソファを設置して座れる環境を設け、休憩時間などにコミュニティが形成できるように工夫している。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

・事業所では利用者一人ひとりの心身状況を踏まえて個別支援方針を確定しており、各事業の主旨に沿って個別支援を提供し、進捗状況を確認しながら自立支援に取り組んでいる。支援計画会議などを通じて職員間の共通認識を図りながら、期中・期末などに修正を行っている。自らできることを行えるように利用者本人のペースに合わせることに努め、ゆったりしたスケジュールの組み方や職員の臨機応変な対応によって支援している。また、個々の体調に合わせて取り組めるようにしたり、体調面の配慮や休息の必要な利用者には自ら決められるように支援している。施設にセラピスト(PT、OT)を配置しており、適宜連携して訓練等を行うことができるようにしている。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

・日常においては到着時のバイタルサインのチェック、職員による視診(支援員や看護師)また、月単位で体重測定によって健康状態や栄養状態を把握し、看護師より振り返りや助言を行っている。健康の維持、増進のため朝礼時の体操、集団体操やストレッチなどを導入している。健康管理や体調変化時の対応など、都度看護師から他の職員にも指導している。
・電子カルテを用いて日々の健康状態の記録をしている。必要に応じて配置医による診察、外部受診なども行い、体調変化時の迅速な対応に努めている。年1回、利用者に対しての健康診断を外部医療機関の巡回健診にて実施している。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:b】

・配置医による定期・臨時の診察を行っており、それらに基づいて処方された常用薬は医務室において管理することにしている。また、医療に関する各種の指示については、口頭に加えケアカルテなどの電子媒体にも記録を残して指示や伝達系統を詳らかにしている。
・体調の変化が見受けられた際にはケース記録に残し、日々の身体状況の確認を詳しく行うことに努めている。日常的な体調変化については職員間で情報共有し、急変にも対応できるような体制を整えており、緊急対応マニュアルによって対応できるようにしている。通所では送迎時や連絡ノートで家庭と連携する流れとしている。さらに医療的な支援に関する職員の知識を向上させることを目指している。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・状態像や希望、課題に沿って学習の機会を適宜設けている。利用者の希望に合わせて社会参加などを行っており、生活訓練事業において、社会参加や学習のための支援を実施している。絵画や制作などで個人のセンスが全面に引き出されるような活動を行っており、作品は共有スペースなどに掲示して振り返えられるようにしている。それぞれの実績については、事業報告書において総括している。さらに、外出外泊などに関しては、感染症の発生状況などの社会情勢も鑑みながら実施している。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・アセスメントを通じて、利用者の希望や不安を丁寧に把握し、一人ひとりに適した支援を提供することが基本となっている。地域生活への移行を円滑に進めるため、施設内で生活リズムの安定、社会性を身につけることを目標とし、日常生活の中で自立度を高めるための支援として、金銭管理や食事の準備、公共交通機関の利用訓練などが実施されている。また、インターネットの適切な使い方や異性との関わり方など、社会生活を送る上で必要な知識を身につけるための勉強会も定期的に開催されている。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・契約時には、家族に対して施設のルールや支援方針を丁寧に説明し、利用者がどのように生活を送るのかを明確に伝えている。また、入所後も定期的なモニタリング会議を開催し、利用者の様子や支援内容について家族と情報を共有する機会を設けている。
・施設側からの情報提供として、定期的に家族向けのお便りを送付し、写真付きで利用者の活動の様子を伝えることで、家族が日々の生活をより具体的にイメージしやすくなり、「何をしているのかわからない」といった不安を解消する取り組みがなされている。家族からの反響も大きく、「利用者の様子がわかって安心した」といった声が寄せられている。面会の際には、家族と職員が直接コミュニケーションを取る機会を大切にし、利用者の変化や今後の支援方針について意見交換を行っている。コロナ禍を経て、現在ではユニット内での面会が可能となり、家族がより近い距離で利用者と関われる環境が整備されている。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

障害者支援施設のため非該当

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

障害者支援施設のため非該当

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

障害者支援施設のため非該当

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

障害者支援施設のため非該当