社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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馬場どろんこ保育園

2022年04月01日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 学研データサービス

② 施設・事業所情報
名称 馬場どろんこ保育園 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 70 名
所在地 230-0076
横浜市鶴見区馬場1-11-5
TEL 045-633-7435 ホームページ https://www.doronko.jp/facilities/doronko-baba/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2019年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人どろんこ会
職員数
常勤職員:15 名
非常勤職員:5 名
専門職員
保育士:17 名
栄養士:2 名
事務:1 名
施設・設備の概要
居室数:保育室4室、調理室、事務室、相談室、園庭
設備等:駐輪場

③ 理念・基本方針
【子育て理念】
にんげん力。育てます。
「にんげん力」を身につけるために必要な遊び・野外体験を提案実践し“自分で考え、行動する思考”を育みます。

【子育て目標】
1. センス・オブ・ワンダー
子どもが“自然の中での体験”を通して、ものの性質や身近な事象・生命の尊さ・食材や食の循環に気付くことができるように多くの実体験の機会を提供し、子どもが“したいと思う活動”を安全に行えるように見守り、支援してゆきます。

2. 人対人コミュニケーション
園外では「すれ違ったすべての人」と挨拶を交わすことを園の約束としています。銭湯でお風呂の日、商店街ツアー、青空保育など地域交流を実施し、一人でも多くの人と挨拶を交わし、一つでも多くの仕事を目にする機会を用意し、“感じたこと・考えたこと”を言葉で、ジェスチャーで、表情で、描いて、造って、表現できる子どもを育成します。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
 保育者の役割を「変容していく社会に柔軟に対応し、社会の一員として生きていく力を育てること」と園の事業計画に掲げ、園では子どもの非認知能力を育てることを目的に異年齢保育と戸外活動を積極的に行っています。3~5歳児だけでなく、0歳児から5歳児までの子どもが活動をともにする機会を多く作っています。さまざまな年齢の子どもがいっしょに生活することで、お互いを高め合い、他者を認める気持ちを育てています。また、だれと、どこで、何をして過ごすかなど、自分のやりたいことを子どもたち自身が表現できるよう、年齢に応じて保育士が支援しています。戸外活動では、発達に合わせて少しずつ距離を延ばす長距離散歩を活動の中心にして、全年齢の子どもたちが、ほぼ毎朝9時ごろには散歩に出発しています。4、5歳児は年度の後半には片道1時間以上の散歩にも出かけます。散歩先の公園では、豊かな自然と触れ合いながら、子どもたちは存分に頭と体を使って体系化されていない自由な遊びを自分たちで見つけています。
 開園3年目を迎え、園の保護者や地域とのつながりをより深めるよう取り組んでいます。コロナ禍の現在は、保護者向けにはアプリなどを通して園の様子を発信するほか、園の掲示物を密にならずに見られる工夫をしています。地域に向けては園の活動を掲載した「ばばどろんこしんぶん」を発行し、近隣の家庭に配付したり町内会の掲示板に掲示させてもらったりしています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/06/28(契約日) ~2022/03/01(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 0 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ◆ 子どもの育ってほしい姿を明確にして、全職員がその実現に努めています
 子どもの育ってほしい姿について、法人のホームページや園のしおりなど、さまざまな媒体で明示しています。保育所保育指針に示された「5領域」「10の姿」などを踏まえた「どろんこ会が育てる6つの力」をはぐくむために、どのような保育を展開すれば良いかを全職員が考え、会議や園内研修でも検討しています。例えば、子どもたち自身がやりたいことを見つけ、それを表現できるよう子どもの目線や意欲の向かう先に注意を払うよう努めています。また、戸外遊びを大切にして、散歩先にあえて遊具などが少ない場所を選び、子どもたちが自分で遊びを見つけたり、ルールのある遊びで友だち同士のかかわりを大切にしたりする機会を作っています。

◆ 保育の質を向上するためのさまざまな取組が実践されています
 毎月の園内研修では、職員が交代で講師を務め、人に学びを伝えることで自分自身の理解を深めています。今年度は、改めて保育理念がなぜ重要なのかを学ぶ「そもそも理念てなに」のほか、「子どもの理解」「保育記録について」などさまざまなテーマを取り上げています。また、法人系列の他園といっしょに行う勉強会「保育の質を上げる会議」には園の代表者を決めて参加します。系列園の各園がテーマごとに講座を主催する「子育てスキル講座」は法人内だけでなく、園の利用者や地域の方にも参加を呼びかけます。今年度は「親子でクッキング」ほか3つの講座を主催しました。こうした活動に職員が主体的に取り組み、保育の質の向上に努めています。
改善を求められる点 ◆ 当園としての体制や取組について、改めて明文化されることを期待します
 園の運営と保育に必要なマニュアル類、記録様式、チェックリストなどが整備されています。また、記録や情報の伝達などには、パソコンやスマートフォンを利用した効率化が進められています。こうした仕組みは法人によって用意されていますが、園としても全職員が内容と活用方法の理解に努めて、積極的かつ有効に利用しています。今後はさらに、当園としてこの仕組みを利用するうえでの具体的な補足事項を明文化したり、園を取り巻く独自の状況を踏まえた内容を法人と連携しながら追記したりされることを期待します。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 法人理念である「にんげん力」獲得を目指し、子どもが自分で考え行動する思考を育むため、遊びや散歩先、給食の量など様々な場面で、子どもが自身で考え選択する機会を数多く提供した。また、人間力は子ども同士の関わり合いの中で、子どもの主体的な活動を通じてこそ育つということを、すべてのスタッフが共通認識として保育を行い、応答的な関わりを心掛け見守るようにした。また子どもが夢中になって遊ぶことが出来るよう、環境作りにも留意し、設備環境だけでなく、時間的環境や人的環境など、様々な側面から子どもの育ちを考えた環境作りに留意した。そして同時に、実体験や戸外活動の機会を充実させ、子どもの興味関心を大切にしながら、子どもの目線で保育者も一緒に楽しみ、大人がモデルとなり、背中をみせる保育を実践した。
 保育の質向上には、保育者のにんげん力の向上が不可欠であるため、人材育成に注力し、アクティブラーニングを中心とした学びの環境を追及した。それによってスタッフ同士の同僚性が徐々に発揮され、それぞれが保育者として、また人として成長出来ていると感じる。
 今後当園が地域の親子が集うコミュニティの拠点となるよう、移動動物園や園庭活動等をブログや「馬場どろんこ新聞」に掲載し、園のリアルな活動を積極的に地域に開示していくことで、子育ての拠点としての役割を担えるよう活動を進めていきたい。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

 法人の運営理念のほか系列園共通の子育て理念と目標は、法人のホームページや園のしおりに掲載されています。また、子育て理念と目標は、園の玄関や廊下など、職員だけでなく保護者の目にもとまりやすい場所に掲示しています。職員は、法人研修や園内研修で理解を深め、事業計画や指導計画を策定する際にも理念と方針を再確認し、日々の保育でもその実践に努めています。保護者には、入園時に園のしおりで理念と方針を説明するほか、懇談会などでも理念と方針に基づく保育の説明を行っています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

 施設長は、法人主催の施設長会議や全体研修に参加するほか、法人から配信される「福祉新聞」掲載の情報などから、地域の福祉情報や社会福祉事業の動向を把握し分析しています。子ども人口の減少や働き方の変化に伴い、横浜市内でも待機児童数が減少していることを受けて、選ばれる保育園としてもより質の向上が求められていると施設長は感じています。また、園におけるコストや利用者の推移などの経営環境は、法人本部と園で実績を共有して傾向を分析し、園としての今後の対応について検討しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

 月1回、法人で理事会が開催され、役員間での課題共有が行われています。また、モーニングサロンと称する、系列園の全施設長と理事長、役員などが直接会話をする機会があり、各園の園事情をタイムリーに共有することにも法人は努めています。施設長は施設長会議や施設長勉強会に出席しており、そこで得た経営に関する情報を園会議で職員に共有しています。また、法人主催の全体研修は、理事長が経営状況や方針について説明する機会となっており、法人系列園全ての職員が参加しています。園会議と園内研修では職員一人ひとりが園としての課題を提議し、改善に向けた取組を検討しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

 法人としての中・長期計画と収支計画が作成されており、法人が実施する年1回の全体研修で全ての職員に共有が図られています。園としての3か年計画は園の単年度事業計画内で明文化されており、開園3年目で園内外の環境がようやく整ってきたことや、施設長の交代に伴って、2021年度の事業計画では2020年度の3か年計画から内容を刷新しました。新しい施設長の思いが反映された内容となっていますが、実施状況の進捗確認を行ううえで、3年後に目ざす状況と年度ごとに達成すべき指標をより具体的に記載することを期待します。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

 単年度の園の事業計画は、法人の中・長期計画や当年度の事業計画を踏まえ、年度末の策定会議で次年度分を作成します。単年度事業計画では、「保育内容の充実・質の向上」「保護者の支援」をはじめとする7つの基本方針のほか、園運営方針、保育方針、危機管理、地域交流、実習生等の受け入れ、研修受講、子育て支援、小学校との連携など、具体的な計画や活動方法について記載があります。施設長は、2021年度の事業計画を策定するうえでの課題に人材育成を大きな柱として定め、各項目での計画に反映しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

 事業計画の策定方法の基本事項が「保育品質マニュアル」に記載されています。園の事業計画は、全職員が参加する策定会議を前年度の2月に1回、3月に2回実施して、内容を検討します。事前に、当年度の事業計画についての振り返りと次年度はどうしていくかのアンケートを職員に実施します。策定会議の初回に、施設長が作成した当年度の事業報告とアンケート結果、また、法人の方針と計画を全職員で共有します。そして、それらを踏まえて、次年度の園目標と計画について検討します。策定した事業計画は新年度に向けて、改めて読み合わせを全職員で行っています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

 園の事業計画は開示情報として、法人のホームページで公表されています。また、年度の事業計画に基づく園の保育や子育て支援の内容は、園だよりや「ちきんえっぐだより」として保護者に配付するとともに、法人のホームページにも園ごとに掲載しています。そのほか懇談会や玄関ホールの掲示などで、月ごとの園目標や活動予定、前月の子どもの状況について伝えるよう努めています。さらに、保護者がスマートフォンのアプリを通して確認できる園情報としても、保育内容や行事について写真などを使って掲載し、園のねらいや思いが伝わるよう心がけています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

 全職員に配付される「保育品質マニュアル」には、保育品質向上のためのマネジメント方法としてPDCAサイクルについて記載されています。保育の質の向上のために、月1回のクラス会議をはじめとして、さまざまな園内の会議で課題を抽出し、改善のための取組と振り返りを実施しています。例えば、今年度は保育記録について、内容を充実させるために心がけるべきことを検討し、明文化して実施しています。また、職員は遵守事項のチェックリストで年2回、理想の職員像との比較項目で月1回の自己評価を実施し、結果を園会議で検討して抽出した課題に取り組んでいます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

 遵守事項のチェックリストなどで実施した職員の自己評価結果を集計し、園会議で共有するとともに、取り組むべき課題を職員が話し合って抽出しています。話し合いでは発表資料なども用意して、課題が明確になるようにしています。また、次年度の事業計画で、年間を通して取り組む課題に反映し、改善に向けての進捗を園会議などで確認しています。さらに、毎月法人が開催する「子育ての質を上げる会議」に園の中堅職員が参加し、自園の課題を発表して系列他園の意見を聞き、他園の参考となる取組は持ち帰って園内で共有しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

 園の方針と取組は、施設長が年度末の策定会議で説明するとともに月1回の園会議でも定期的に伝え、全職員で共有しています。施設長やリーダーなどの職務別の役割は、「保育品質マニュアル」に記載されています。「運用マニュアル」には、苦情解決や感染症対策、危機管理の場面における施設長の役割と責任が記載され、不在時の権限移譲等についても記載されています。こうしたマニュアル類は職員に配付され、定期的に読み合わせなどで確認しています。施設長は平常時の自らの責任範囲についても園会議だけでなく折に触れ伝えていますが、職員がより安心して自分の職務に責任をもってあたれるよう、施設長自らの役割や責任について改めて文書化して職員に明示されてはいかがでしょう。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 児童福祉法や保育所保育指針など遵守すべき法令等に基づいた児童と保護者の人権の尊重、個人情報や機密情報の取り扱いなどが、法人系列園共通の「保育品質マニュアル」に記載されています。施設長は、法人の施設長会議などで法令の改正や園運営について理解を深める機会があり、また、学んだことを職員へ周知しています。そのほか法人内や他園などの事例に基づく注意喚起などの情報が、法人から提供されています。園における運営と保育で遵守すべき事項が徹底されているかについては、各種チェックリストを用いて定期的に全職員が自己評価し、結果は園会議で共有し課題を分析しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 施設長は自らの役割の中でも、園の目ざす方向を具体的な保育における具体的な行動として職員に示すことが特に大切だと考えています。園会議や園内研修での職員の発言や日誌類の記述などから、施設長は、園で提供している保育の状態を確認しています。毎月の園会議の議案は職員からも募るようにし、園内研修では全職員が一人ずつ交代で講師を担当するようにして、自身の学びをさらに人に伝えられるよう理解を深める機会を作っています。そのほか、日誌類には必ず施設長の所見を記載するよう努めています。また、施設長という立場にあるがゆえ見えにくくなった現場の状況を、さまざまな機会をとらえて把握するよう努めています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 施設長は業務の実効性向上のためには、職員が安心して仕事をできる環境づくりが大切と考えています。園の人事と労務管理は、法人で統括管理されている基幹システムから実績情報の提供を受けています。適正な人員配置が行われるよう、「保育品質マニュアル」にシフト作成についての記載があり、その方法に基づいて職員の勤務時間が公平になるよう努めています。また、職員の就業状況をより良くするために、現在、残業時間の削減に全職員で取り組んでいます。時間の有効活用に努め、その一つの施策として事務作業のための残業の場合は、ほかの業務で中断されることがないよう集中できる場所を選択して行うよう施設長から伝えています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 法人のホームページには、新卒と中途それぞれの採用者に向けて、入職後をイメージしやすいよう情報を提供しています。職員の採用は法人の人事採用部が行いますが、園としても最終の判断に加わっています。そのほか、園の外壁に職員募集のポスターを掲示するとともに、園の様子を伝えるブログにつながる二次元バーコードを掲載したポスターも掲示して、園の所在する地域に向けての採用活動を行っています。入職時には入社時オリエンテーションのほか、「OJT研修」「保育品質マニュアル研修」などを行い、法人と園の理念と方針の理解を深めたうえで配属されるよう、法人で定められた教育が実施されています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

 法人が求める人材像をはじめ、キャリアパス、業績評価のガイドライン、スキルアップ評価の考え方、昇格基準などは「人事制度ガイドブック」に記載されており、入職時、職員に配付されています。「人事制度ガイドブック」の記載事項は入社時に法人で説明があり、変更や見直しなどが発生した場合には、改めて全職員へ法人から説明が実施されています。また、園が職員に期待する役割は定期的な施設長面談で伝え、職員自身が望むキャリアや目標についても確認し、職員が希望に向かって進めるよう、育成計画に反映し支援しています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

 職員の勤怠は法人のシステムで管理され、就業状況は法人本部の園担当者と施設長で共有しています。また、施設長は園内の労務を管理し、ワークライフバランスが確保できるよう、職員一人ひとりの業務量を把握して過度な残業が発生しないようマネジメントしています。施設長は働きやすい職場とするためには、忙しい時にこそ自らも含め職員それぞれが感情コントロールを行うことが大切と考えています。園内研修で感情のコントロールに関するアンガーマネジメントに取り組むほか、職員間でコミュニケーションがとりやすい雰囲気づくりに努めています。また、法人によるアプリを使った福利厚生サービスが提供されるほか、職員が匿名で相談できる窓口なども用意されています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 法人が求める人材像が「保育品質マニュアル」に記載されるとともに、全職員に配付される「人事制度ハンドブック」では各業務のキャリアステージごとにも「期待される人材像」を明確にしています。また、人事考課と連動した職員の目標管理制度が整備されています。前期と後期の初めに、施設長が職員と面談を行い、各自の経験と求められる役割を踏まえた目標設定ができるようアドバイスをしています。また、半期に1回ずつ施設長による面談を実施して、設定した目標についての達成状況を確認するとともに、職員自身が望むキャリアや将来像が明確化できるよう支援しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 「保育品質マニュアル」には人材育成と研修計画に対する考え方が記載されており、それに基づいて職員育成と研修計画を単年度の事業計画で明記しています。また、事業計画の「次世代を担う職員育成」の項目で、園として期待する職員の姿を記載しています。職員一人ひとりの研修計画は、法人内研修についてはマニュアルに記載されるキャリアに応じて受講を計画し、外部研修については年度初めに全職員が行う受講希望アンケート結果を基に施設長と法人が受講を承認しています。全ての研修について受講報告書を受講者が作成しており、その成果などを分析して法人内研修のカリキュラムが検討されています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

 職員の経験や資格、研修受講状況、人事考課と連動する自己評価結果などは、法人のシステムで一括管理されています。新入社員は、新入社員研修や保育品質マニュアル研修、園で現場を経験するOJT研修、などを経て配属され、その後も経験に応じた法人内研修が用意されています。また、1~3年目職員向けの若手会議、中堅職員を対象とした保育の質を上げる会議などは、法人内系列園の職員が合同で実施する勉強会で、毎年園から参加者を決めて職員が出席しています。そのほか、法人内の系列園がそれぞれ主催する「子育てスキル講座」には、職員が興味のあるテーマを自由に選択して受講できるよう、施設長も配慮しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

 「保育品質マニュアル」に「次世代を担う保育・福祉の現場で活躍する人材の育成の機会と捉える」など、実習生の「受入意義」や「受入の心得」「受入マニュアル」が記載されています。園としては、実習生・中高生の受け入れについて、毎年の事業計画書に明文化しています。今年度も1名の実習生を園として受け入れました。実習生受け入れの際には、法人の人事採用部から配付される「実習生受け入れ手引き」を基に、職員間で受け入れについての共通認識を持てるよう準備します。また、実習生の意向を聞くほか、実習生が職員に質問しやすい雰囲気を作るなど、実習生が主体的に実習に取り組めるよう配慮しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

 法人のホームページには法人の運営理念、子育て理念、子育て目標について実際の保育場面の写真や動画、理事長からのメッセージなどを掲載して伝えています。また、園だより、地域向けの子育て支援情報が掲載されています。そのほか決算・財務情報、園ごとの事業計画、第三者評価結果などを開示しています。園への相談・苦情受付の体制は園のしおりで説明するほか、園の玄関ホールに掲示し、受け付けた内容はアプリなどを通して保護者に報告しています。特に必要と思われるものは、事業報告書にも記載し、法人のホームページで公開しています。地域に向けては、園ブログにつながる二次元バーコードを園の外壁に掲示したり、園での子どもの活動を掲載する新聞を近隣の家庭に配付したりしています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 保育所における事務、経理、取引等に関するルール、担当責任などは、全職員に配付される「保育品質マニュアル」に記載があり、職員は入職時に説明を受け、その後改定があれば年度初めに園内で確認しています。マニュアルの記載ルールに従って、園の経費予算について予算実績管理を法人と連携して実施しています。年に2回法人本部による内部監査が実施されています。内部監査の結果を基に、施設長を中心に是正計画書を作成して改善に取り組み、経過は園会議で確認しています。そのほか法人の事業報告・決算は、監査法人などからの助言を受けています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 地域との交流については、「保育品質マニュアル」に「地域の様々な人、場所、機関などと連携を図りながら地域に開かれた保育所」と明記されています。毎週火曜日の商店街ツアー、近隣小学校との異年齢交流、地域の農家との野菜づくり交流、おじいちゃんおばあちゃんと遊ぶ地域拠点活動などを通して、積極的に地域と子どもたちが交流しています。また、移動動物園の開催、毎月第1金曜日に地域の公園で出張保育をする青空保育など、交流を促進しています。園のポスターの二次元バーコードから園の保育の様子を見ることができる工夫もしています。玄関では地域の社会資源に関する情報を提供しています。コロナ禍のため実施できないこともありました。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

 ボランティアなどの受け入れに関しては、「保育品質マニュアル」の実習・ボランティアなどの受け入れ手順書に「受入の意義」「受入手順」「受入の心得」が明記されており、全スタッフが共有し実践しています。保育士養成校の保育体験を積極的に受け入れるほか、学生向けに園見学を呼びかけるチラシを作成し、掲示板に掲示したり近隣の学校に配付したりするなど工夫しています。また、学校教育への協力については、近隣中学校の職場体験の受け入れや小学校の児童との交流を行っています。コロナ禍においても、5歳児が「こめ組新聞」を作成して小学校に届けるなど、工夫して交流しています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

 園では、行政の担当課、警察署、消防署、保健所、嘱託医、療育センターなど関係機関の連絡先を一覧にし、必要に応じて職員が閲覧して対応できるように、連絡手順とともに職員室に掲示しています。地域にある鶴見消防署とは、年に1回依頼して救命講習を実施してもらったり、毎月の避難訓練では事前に訓練計画を報告したりして連携を図っています。また、年に1回、横浜市道路局に依頼し、交通安全訪問指導を実施してもらっています。配慮の必要な子どもの保育については、横浜市東部地域療育センターより巡回指導を受けるほか、必要に応じて相談をするなど連携を図っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 地域の子育て支援の機能を明確に捉え、「子育てについて支援を要する人々にとっての心の拠りどころとなるように尽力」することを目標としています。月曜日から土曜日まで実施している「園開放」や「子育て相談」、月に1回地域の公園で開催する「青空保育」などのほか、「移動動物園」など戸外での活動では、地域の親子に積極的に声をかけています。こうした地域の子育て家庭との交流の際には、参加者との会話や実施後の感想から園の子育て支援に求められていることに気づけるよう努めています。そのほか、施設長は鶴見区の私立園長会に参加し、地域の情報の把握に努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

 月に1回、第一金曜日に近隣の公園で出張保育活動の「青空保育」を開催し、地域の親子とともに紙芝居や運動遊びなどを楽しめるようにしています。園の保育士や発達支援職員が講師となって「子育てスキル講座」を開催し、法人内だけでなく地域の方にも公開して、専門的な子育てについて情報を提供しています。今年度はコロナ禍で実施できませんでしたが、地域の方を招待して交流の機会とする「どろんこ祭り」を計画しています。また、園の利用者や地域の方、だれでも利用できる無人のフリーマーケットとして、園の玄関前に「勝手籠」を設置しており、子ども服の交換に多くの方の利用があります。そのほか災害時の福祉的な支援を必要とする方の受け入れも考慮して、非常食を準備しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 児童と保護者の人権の尊重について、法人としてのガイドラインが「保育品質マニュアル」に定められています。園のしおりの「私たちの子育て」などの項目に子どもと保護者を尊重することを記載し、年2回の懇談会では日々の子どもの様子とともに人権を尊重する保育方針を保護者に伝えています。また、園会議などで子どもの人権を守ることの大切さを施設長が職員に伝えるとともに、子どもの様子や日々の保育について話し合いの場を設定しています。性差による先入観をもたないこと、虐待の定義などについても、マニュアルの記載を全職員で読み合せ理解を深めています。年2回、全職員がチェックリストで子どもの人権や人権を尊重したかかわりについて振り返り、日ごろの保育の見直しを図っています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

 保護者のプライバシーに関する自治体からの書類などは、常時施錠できる場所で施設長が管理しています。保育中は子どものプライバシーに配慮し、園庭でのシャワー時には目隠しのパーティションを設置して外部からの視線を遮るようにしています。おむつ替えのコーナーはパーティションで囲い、子ども用のトイレにも扉を設置するなどプライバシーが保たれています。子どもの自尊心や羞恥心への配慮についても、マニュアルやチェックリストに記載された事項を振り返りながら、保育に取り組んでいます。保護者には、入園説明会や保護者懇談会でプライバシー保護に関する園の取組について周知しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

 園の情報は法人ホームページやSNSで発信・公開し、利用希望者をはじめ多くの人が情報を入手できます。ホームページ内のお知らせのページには園だよりや年間スケジュールなどもあり、保育の様子がわかりやすく掲載されています。また、法人の運営理念や子育て目標は理解しやすいよう、図なども使って、ホームページや園のしおりにていねいな説明が記載されています。そのほか園の玄関前に掲示されているポスターに印字された二次元バーコードからは当園のブログを見ることができ、園の活動の様子などがわかる工夫がされています。園見学は施設長、主任が主に担当し、園の取組や保育理念などをていねいに伝えています。利用希望者からの問い合わせや見学希望者には、ていねいかつ迅速な対応ができるように職員に周知しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

 入園説明会では施設長が、園のしおりなどを活用して特色のある保育の内容や重要事項について保護者に説明しています。途中入園の場合は入園前に個別に説明を行っています。重要事項説明書の記載事項について確認し合い、理解を得たうえで保護者に署名をもらい園と保護者の双方で保管をしています。説明に配慮が必要な場合は、状況に応じてわかりやすい説明の工夫に努めています。そのほか、保育時間などで保護者の就労状況に配慮するなど、個別の相談にも応じています。また、保育や運営の内容に変更が生じた場合には、改めて説明し保護者の承認を得るようにしています。今年度の土曜保育の変更内容についても、追加の重要事項説明書を作成して全家庭に説明のうえ同意を得ています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

 途中退園になる場合は「退園届」を提出してもらいます。退園後も保育が継続されるように、子どもの発達状況や保育内容について問い合わせがあれば、保護者の同意のもと転園先などへ伝えるようにしています。転園や卒園後も保護者には子育てにかかわる相談、サポートを継続していくことを伝え、関係性の維持に努めています。また、園の行事などについて案内をし、卒園児や保護者が遊びに来ています。卒園する子どもの小学校への引き継ぎ資料として「保育所児童保育要録」をていねいに作成して送付するほか、小学校とは必要に応じて情報を交換するなど、就学に際しての保護者の不安払拭などにも心がけています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者満足の向上を目ざし、保護者に年1回アプリを活用した利用者アンケートを法人が行っています。アンケートでは園運営、保育に対する意見を聞き、対応が求められる課題は園会議、主任会議などで職員に周知し改善策を検討しています。結果集計後はアプリや掲示、保護者懇談会で結果を開示しています。また、保育参加や保護者懇談会、保護者が参加する行事でも意見を聞き、改善につなげています。保護者面談は全員を対象に実施し、利用者の声を聞くように努め、信頼関係を構築しています。職員は、日々の保育のなかで、会話、しぐさ、表情などから子どもの気持ちをくみ取り、保育の質を高めるように努めています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

 苦情解決の体制は「本園における苦情解決につきまして」を配付し保護者に周知しています。書面には苦情解決責任者・苦情受付などを明記しています。園では施設長が苦情受付の窓口となり、法人としては「ご意見ご提案デスク」をホームページに設けています。また、玄関にご意見箱を設置するほか、連絡帳アプリ、第三者委員への連絡、利用者アンケートなど、複数の苦情受付方法を用意しています。苦情や意見などの対応については、マニュアル類に対応フローが記載され、全職員に周知しています。保護者からの意見などはそのつど職員と話し合い、サービスの向上に努めています。また、施設長から法人に報告し、必要があれば法人全体として対応しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

 園では保護者が相談や意見を述べる方法として、「ご意見ご提案デスク」、ご意見箱、利用者アンケート、第三者委員への連絡、連絡帳アプリ、書面、個別面談の7通りの方法があることを、入園のしおりと保護者への配付文書「本園における苦情解決につきまして」に明記しています。7つの方法を用意することで、保護者が用途に合わせて選べるよう配慮しています。また、園では普段から話しやすい関係づくりを構築するため、子どもの送迎時、保護者の保育参加、個別面談などで保育の状況について、声かけをするようにしています。相談に応じる時には保護者のプライバシーに配慮して、相談室を活用しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

 保護者が相談や意見を述べるための7つの方法を入園のしおりと「本園における苦情解決につきまして」で保護者に伝えるとともに、施設長、主任、職員が、送迎時や日ごろの会話などから保護者の気持ちをくみ取り、意見を傾聴するように努めています。法人が実施する利用者アンケートの結果から、保護者の意見や要望を抽出し、園会議で分析・検討しています。個別面談では面談記録をとり、保護者の相談や意見は全職員にも共有するほか、内容に応じて迅速に対応策を検討し、改善や保育の質の向上に取り組んでいます。マニュアル類の記載事項は年に一度、法人系列全園の施設長が見直しを検討し、改善につなげています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

 リスクマネジメントについては、法人編纂の「保育運営マニュアル」と「保育品質マニュアル」に記載があり、園におけるリスクマネジメントの責任者は施設長で、対応方法がフローチャートなどで示されています。法人で月1回実施する施設長会議では事故防止委員会を開催し、事故が発生した年齢、時間帯等を分析するなど情報を共有しています。園では毎月1回の事故防止会議で、ヒヤリハット・インシデント報告書や事故記録簿から傾向や要因を分析し、体制の見直しなどの再発防止を図るほか、職員は毎日の昼礼でも事故予防のための情報共有を図っています。定期的に、各種チェックリストの項目が現況に見合っているか点検するほか、園内や散歩時のハザードマップを更新しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 感染症の予防や発生時の対応は、全職員に配付しているマニュアル類の感染症の項目に記載しています。園における責任や役割を明確にした体制を整え、感染症発生時の対応フローチャートを抜粋して、事務室や保育室に常備しています。そのほか、各階の子ども用トイレには「嘔吐処理等感染症拡散防止のためのマニュアル」、保育室には「感染症が疑われるときの対応」を掲示しています。また、新型コロナウイルス感染症対策として、チェック表を用いた施設内やおもちゃの消毒、検温などを行っています。細心の注意をはらって、感染予防対策を徹底しています。保護者には、感染症発生時のアプリ等による情報提供のほか、月1回保健だよりを発行して、感染症対策への協力を呼びかけています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

 「保育運営マニュアル」と「保育品質マニュアル」に、災害時の対応体制やその際の責任者を明記しています。園における災害時の諸対策は、消防計画に各担当者も決めて記載し、職員に周知しています。また、避難訓練の年間計画を立て、災害時に適切に対応できるようにしています。避難訓練は鶴見消防署に計画書を提出して実施し、実施後は職員で反省し、改善を図っています。災害時の子どもの安否情報は保護者にアプリで配信する仕組みができており、年2回配信訓練を行っています。全職員にはスマートフォンが貸与され、災害時の職員の安否について安否確認アプリで把握できる体制をとっています。非常食などの備蓄品はリストを作成し、管理しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

 「保育品質マニュアル」「保育運営マニュアル」を法人で作成し、子どもを尊重する法人の保育理念と基本方針に基づいた保育の実践方法が記載されています。全職員に配付され、共通の認識のもと標準的な保育が実践できるように、園内研修や会議での読み合わせで理解を深めています。また、職務や役割において優秀な成果を発揮する行動特性を一覧にした「コンピテンシー」による自己評価を行うほか、日々の保育や活動は保育日誌に記録し、実践されている保育を施設長や主任が確認しています。そのほか、年度初めなどにはロールプレイによる手順の確認を行い、実際に対応する場面で想定されることなどについても話し合う機会を作っています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

 保育の標準的な実施方法の検証・見直しは、法人として年1回系列各園施設長を中心に「保育品質マニュアル」の検討を行っています。園では園会議やクラス会議などで各期ごとに指導計画を検証し、見直しています。月案・週案についても検討・見直しを行い、指導計画の内容を必要に応じて改善するなど、実践している保育について話し合っています。こうした園で実践してきた保育内容を基に、年度末にはマニュアルの検討・見直し、必要に応じて改善案を園で作成し、法人内の施設長会議に提案しています。また、職員の意見だけでなく、送迎時や個人面談などで得た保護者の意見・提案も検証し、必要に応じて手順などの見直しに反映しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

 入園時には保護者が記入する「面談シート」に基づき個別面談を行い、子どもの状況や保護者に関する情報を収集、把握しています。入園後も個別面談や保護者懇談会で得た情報と子どもの状況や成長過程を記録し、職員間で共有しています。指導計画は全体的な計画を基に、担任が子どもの状況や課題、保護者の意向も考慮し作成しています。また、食育では栄養士や調理員、保健指導では法人の看護師の助言を得るなどして、年間の計画を作成しています。月1回の「ケース・子ども観会議」で配慮が必要な子ども、気になる子どもについて話し合い、保育方法や配慮する点などを検討し取り組んでいます。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

 各クラスの担任が、週・月・期・年度ごとにそれぞれ保育を振り返りながら、指導計画について評価・見直しをしています。また、アプリを活用することで、指導計画の振り返りについての記載を複数名で共有したり追記したりすることができ、全職員がかかわって多角的な評価と見直しを実現しています。また、指導計画の見直しの結果や急を要する変更点について、アプリで全職員が即時に確認することができるため、作業の見える化と周知徹底ができています。指導計画の最終確認は主任・施設長が行い、必要があれば修正を指示しています。保育実施後に行う指導計画の評価・見直しでは、子どもの状況を踏まえ、子どもの課題を抽出し、次の指導計画作成に生かしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

 子どもの発達状況や生活状況を把握して、法人の系列園統一の様式で、月ごとに園児全員の個別記録を作成しています。また、個別記録はアプリで管理・共有しているため、全職員が最新の状態を閲覧することができます。職員間の重要な情報は、毎日の昼礼で報告し共有するだけでなく、「シッターノート」の閲覧確認、全職員に貸与されているスマートフォンのアプリでチャット機能を活用した全職員への一斉配信で共有しています。保育の記録内容や書き方については園内研修を行い、職員による差が生じないよう努めています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

 法人として個人情報の取り扱いは、「保育運営マニュアル」と「保育品質マニュアル」に個人情報保護規定を定め、子どもの記録の保管方法などについても明記されています。子どもの記録や個別指導計画など、アプリで管理されている電子データは、利用する際には職員ごとに設定されたパスワードが必須となっています。また、個人情報が記載されている書類は、鍵付きの書庫に保管し、鍵の開閉は施設長、主任、事務長が行っています。「保育品質マニュアル」に記載されている個人情報の取り扱いは、全職員が把握し遵守しています。保護者に対しては、入園時の説明会で個人情報保護やプライバシー保護に関する園の取組内容を説明しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

 全体的な計画は、保育所保育指針などの趣旨をとらえ、法人の掲げる保育理念と保育方針のもと、系列園共通のベースが作成されています。毎年、法人での検討、確認を経て系列各園に伝達され、園では、このベースについて年度末に行う策定会議で全職員が意見交換を行うとともに、園独自の保育目標を追記しています。今年度は「つながろう」という園の保育目標を掲げました。法人の子育て理念「にんげん力を育てます」、子育て目標の「センスオブ・ワンダー」「人対人コミュニケーション」について、園らしく取り組むためには、コロナ禍にある現状であっても、子ども、職員、保護者、地域など、人と人とのつながりを大切にし、いろいろな人とつながっていくことが、子どものコミュニケーション力を育てると、全職員の考えを集約して設定しました。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

 室内の温度、湿度を適切に管理するとともに、毎日アプリで温湿度を記録しています。冬季は加湿器を各部屋に設置して湿度調整を行い、換気にも配慮しています。現在は特に「新型コロナウイルス対策換気実施記録表」に記録し、感染防止対策に取り組んでいます。家具、遊具などの点検確認や衛生点検は、自主点検チェックリスト、設備点検チェックリスト、事故防止チェックリストを使用して行い、安全対策を実施しています。手洗い場、トイレ、保育室は清潔な状態が保てるよう清掃をていねいに行い、清掃完了後は遅番・当番チェック表に記録しています。おもちゃは日々、洗浄や消毒を徹底しています。睡眠と食事の場所を分け、給食はテラスやバルコニーで行う「縁側給食」を基本としています。室内でも静と動の活動に留意してパーティションでコーナーを作るなど、子どもが落ち着いて集中できる環境構成を工夫しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

 子ども一人ひとりの発達過程や家庭環境は、入園時の面接や記録、日々の送迎時の保護者対応、個人面談などを通して把握しています。このようにして把握した個人差は、異年齢保育を実践するするうえでも大切にすることを、職員間で共有しています。子どもの思いを受け止め、気持ちに寄り添いながら、安心して自己表現ができるように配慮し、子どもが主体となるよう対応しています。そのため、配慮が必要な子どもについては「ケース・子ども観会議」にて個人差を理解したうえで支援策を話し合っています。園内研修では、子どもの人権やていねいなかかわり、応答的なかかわり方について学ぶとともに、年2回「児童、保護者の人権に関するチェックリスト」を使用して全職員が自己評価を実施しています。日々の保育では、職員が自らの保育を振り返り、課題に取り組んでいます。集団が大きくなると子どもをせかしたり、命令口調や大声になったりしやすいこと、否定的な言葉を使っていないかなど、施設長も気になる時に、子どもに穏やかに話すことなどを職員に伝えています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

 0~2歳児には個人別指導計画を作成し、排泄など個々の発達に合わせ、生活習慣が身につく援助をしています。2歳児は、10月ごろより3~5歳児の異年齢保育クラスに加わります。徐々に新しいお友だちといっしょの生活に慣れながら、年上の子どものまねをしたり、年上の子どもが年下の子どもを手伝ったりするなど、ともに成長しています。その中で着脱など自然に身についていく習慣も多いため、体験を通して強制せず、子どもが自分でやろうとする気持ちを尊重して援助しています。うがいや手洗いは職員が手本を見せるなど、正しく身につく工夫をしています。また、午前中たっぷり活動したあとはゆったり休むといったバランスのとれた生活に配慮しています。そのほか、送迎時の会話や連絡帳、個別面談などで保護者と連携を図りながら、子ども一人ひとりに応じて基本的な生活習慣が身につくように努めています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

 異年齢保育について「0~5歳児が共に暮らし、頼りあい、ぶつかり合い、教え合う。大きい子が中心になって、遊ぶ相手・場所・内容を子ども自ら選択し、大きな時間割を自分たちで見通しを立てて行動する」と全体的な計画に記載があり、園でも積極的に実践しています。また、園では子どもたちと職員が大きな家族のように生活することを大切にして、子どもが自ら育つように、友だちなどとの人間関係、社会的ルールや態度を身につけていけるよう配慮しています。毎朝9時には戸外活動を開始して、散歩先の公園は子どもたち自身が決める選択制を取り入れ、自然に触れ、十分遊び込めるようにしています。そのほか散歩先、青空保育、園庭開放などで地域の方とたくさん触れ合う機会も作り、社会体験を通して、自分を表現できる力をはぐくんでいます。室内遊びでは、乳児クラスと幼児クラスなど、保育室間を自由に行き来できるほか、製作などでも選択肢を多く準備し、自由に子どもが自分のしたいことを表現できるようにしています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 0歳児では、特に担任との愛着形成と個々の発達支援を大切にして、0歳児だけで過ごす保育を行っています。また、家庭との連携を大切にしており、「3分間お迎え対応」など、職員は保護者に子どものエピソードを伝えることに努め、話しやすい雰囲気を心がけ、保護者との信頼関係を築くようにしています。登園時の保護者との会話や連絡帳により家庭での子どもの体調や生活リズムを把握し、伝達ボードに記入するとともに、アプリの生活記録にも反映し、職員間で情報を共有しています。保育士は、子どもの表情を読み取り応答的なかかわりを心がけ、授乳や食事介助の際も顔を見てゆったり話しかけながら子どもが安心できるようにしています。また、保育室内に段差の上り下りをするきっかけとなる小上がりを設置するなど、運動機能の発達に配慮した環境づくりをしています。そのほか、担任だけでなく多くの人に見守られている安心感を感じられるように、さまざまな職員とかかわる機会を設け、10月ごろには1歳児といっしょに過ごす時間を作るようにしています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 1、2歳児では、子どもの興味、関心に合わせた探索活動が十分にできる環境を心がけ、保育室の扉を解放し、互いのクラスを自由に行き来できるようにしています。子どもの発達過程や動線を考え、毎月の乳児会議で環境について話し合い、環境構成を変えています。保育士は、1、2歳児の自我の発達を理解し、一人ひとりの気持ちをしっかり受け止め、自発的な活動が安心してできるように見守っています。さまざまな年齢の子どもや、おとなとのかかわりに慣れながら、2歳児は、10月ごろには3~5歳児の異年齢クラスに移行していっしょに生活します。それに伴い、1歳児は0歳児といっしょに過ごすようになり、歩行の確立など年齢ではなく個々の発達段階に合わせた保育を行うようにしています。保護者とは、日々の送迎時の応対や連絡帳で連携を密にし、個人面談を年1回は必ず実施して、子ども一人ひとりの状況と保護者の意向の把握に努めています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 年齢が違う子ども同士の活動で、やってみたいことを実現したり、思い通りにならないことを体験したりできるよう、3~5歳児は異年齢保育を基本としています。毎朝9時30分には、全年齢の子どもが散歩に出発して午前中は太陽の光を浴びて体を動かしています。室内活動では身体機能の発達の促しと個々の体調を確認するため、「さくらさくらんぼリズム体操」を積極的に行っています。リズム体操では、5歳児は集団のまとめ役をして、子どもたちが協力しながら体操がそろっていく様子や、4歳児も5歳児を見習って子どもたちが話し合いますが、なかなかまとまらない様子などが見られます。こうした年齢ごとのコミュニケーション力の育ちに、保育士は適切にかかわるよう努めています。また、年上の子どもへの憧れや、年下の子どもをいたわる気持ちを保育士が支援し、互いに協同して一つのことをやり遂げる満足感や達成感を感じられるようにしています。このような子どもたちの活動を生活発表会や運動会に取り入れて、保護者や地域の方に見てもらっています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 園内には多機能トイレや視覚障害に対応した点字ガイドやブロックを設置しています。当園では異年齢保育と同じように、年齢や障害の有無で分ける保育ではなく、全ての子どもが、頼り合い、ぶつかり合い、教え合うインクルーシブ保育を実践しています。子どもたちは異年齢で過ごすことが多いため、同年齢の発達段階で比べられることがないために、それぞれの子どもが個々の状況と発達に応じて安心して生活ができている様子が見られます。職員全員が配慮の必要な子どもの健康、発達状態を理解するために、月1回ケース会議を行い、気になる行動や必要な支援について話し合い、共通した対応が取れるようにしています。配慮の必要な子どもには個別指導支援計画を作成し、保護者とは面談を行い、その子どもがやりたいことを選んでやってみることができるよう、環境を構成し支援しています。年1回、横浜市東部地域療育センターの巡回指導を受けており、当法人の発達支援施設との連携も図っています。職員は外部研修を受講して知識や情報を得て、園内研修で研修報告を行い共有しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 法人では、全年齢を通しての異年齢でのかかわり、活働・食事・休息のサイクルを大切にしています。当園でも毎朝、雨天などの天候不良時以外は全年齢の子どもが散歩に出て、陽の光をあび、戸外でたくさん体を動かし遊びます。その後はテラスやバルコニーでの「縁側給食」でゆったりみんなで食事を楽しみます。現在はコロナ禍で実施できていないこともありますが、年上の子どもが配膳や年下の子どものお世話を手伝ったり、職員との会話を楽しんだり、異年齢で過ごすことによる家庭的な環境の中で過ごしています。午後の活動は、子ども自身が体調や気分に合わせて戸外と室内の活動を選び、好きな活動に取り組んでいます。保育時間が長くなる子どもには、お迎えまでゆったり過ごせる環境構成に配慮しています。職員間で日中の様子や伝達事項の引き継ぎを伝達ボードで行い、お迎えの際には保護者にていねいにもれなく伝えるようにしています。また、アプリの連絡帳機能などでも子どもの様子を伝える工夫をして、保護者との連携を図っています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

 これまでは運動会や授業参観などで小学校との連携がありましたが、コロナ禍では行われていません。しかし保護者には、懇談会で小学校入学に向けて必要な情報を提供するほか、随時個人面談を設けるなど、就学に向けての不安を取り除けるようサポートをしています。1月ごろから午睡がなくなった時間を活用し、5歳児だけで活動する時間を設けています。そこで小学校から届いたクラス新聞を見た5歳児たちが、自分たちも同様のものを作って届けたいと、クラス新聞の作成に取り組みました。コロナ禍でも5歳児と小学生の交流を進めることができました。また、就学前教育として実施する、隔週一回の、のびのび教室、体操教室、音楽教室などでは、文字や数、跳び箱、鍵盤ハーモニカに取り組むなど、就学への期待を持てるようにしています。保育所児童保育要録は、担任が施設長の指導のもと作成し、就学先へ提出しています。今後はコロナ禍での感染状況を考慮しながら、小学校教諭との連携など、就学支援についての取組も検討しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

 法人で編纂された「保育品質マニュアル」と「保育運営マニュアル」で、衛生管理と感染症対策について定め、マニュアルは全職員に配付し、園内研修などを通して業務の標準化を図るようにしています。施設長は、保健計画表を作成し、職員とともに年間を通して子どもたちの健康管理や衛生管理を行い、毎日子どもの受け入れの際に視診と検温を実施し、連絡帳などで日々の子どもの健康状態を把握し、職員間で共有しています。感染症などの情報は玄関に掲示しています。また、入園時には保護者に、園で行う裸足保育や戸外活動、長距離散歩、さくらさくらんぼリズム体操などによる健康な体づくりについて伝えています。月1回、保健だよりを発行し、季節の感染症や子どもの健康に関する情報を保護者に伝えています。乳幼児突然死症候群(SIDS)については、園のしおりや園内の掲示で保護者へ情報を伝え、予防対策として職員はマニュアルに従って、午睡時に5分ごとに0、1歳児の子どもの体に触れて呼吸確認をしてアプリに記録するほか、全年齢の子どものあおむけ寝を徹底しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

 嘱託医による全園児への内科健診と歯科健診をそれぞれ年2回行っています。体重や身長などの身体測定は毎月実施し、記録しています。結果は「乳幼児健康診断票」に記入して、実施日に保護者に配付し、7日以内に確認の押印後、返却をお願いしています。このように健康診断や身体測定の結果を保護者に伝え、健康状態や成長を共有してその後の受診や家庭での過ごし方の見直しにつなげてもらっています。また、「歯磨き週間」や「手洗い週間」を設け、正しい歯磨きや正しい手洗いの方法を子どもたちに伝え、子ども自身が健康について考えたり、自分の体調の変化に気づいたりしながら、健康への意識が持てるようにしています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

 アレルギーのある子どもへの対応は、厚生労働省の「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」を基に取り組んでいます。食物アレルギーのある子どもについては、半年に1回、「生活管理指導票」の更新と保護者面談を行うとともに、毎月、調理員と保護者・担任・施設長にて除去メニューの確認を行っています。除去食の提供にあたっては、個別の写真付きトレイと専用の食器を使い配膳しています。調理員と保育士、保育士間でダブルチェックを行い、誤食がないように保育士がアレルギーのある子どものそばについて食事を提供しています。また、送迎時にも、日々の家庭での子どもの様子を聞くようにしており、体調の管理に努めています。職員は法人内外の研修にて、アレルギー疾患や慢性疾患などについて学び、情報を得ています。そのほか年度末にはアレルギー対応食に関する手順について、ロールプレイを行って全職員で確認する機会を設けています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

 年間の食育計画表を作成し、0~2歳児では年齢ごとに、3~5歳児では異年齢保育に食育活動を取り入れています。残菜を使ったコンポストでの肥料作り、野菜の栽培、焚き火での調理などを行っています。クッキング保育では、野菜の下処理のほか、梅ジュースや梅干し、クッキー、うどん、味噌汁、ケチャップ、おにぎり、恵方巻を作るなど、バラエティーに富んでいます。また、年齢に応じて食事のマナー、手洗い、歯磨きの指導も行っています。ぬくもりを感じる陶磁器の食器を給食提供に使い、子どもは器が割れる事を知ったり、ていねいに扱う事を学んだりしています。テラスやバルコニーでの「縁側給食」では、子どもたちが皆で戸外の空気を感じ、外の景色を見ながら食べることを楽しんでいます。食事の盛り付けは、子どもが自分で「少なめ、多め」などの気持ちを伝え、食べる量の加減ができるようにしています。さらに人気給食のレシピを保護者に配付するほか、今年度はリモートで五平餅づくりを楽しむ親子クッキング講座を開催するなど、食について家庭との連携を図り好評です。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

 法人では「調理員・保育士・施設長は子どもと一緒に食べる」「噛む力を育て、素材を味わえる状態で提供」「子どもが自分たちで盛り付け・配膳して食べる」の3大食育方針を大切に、法人系列園共通の献立を作成しています。園では、調理手順書や「保育品質マニュアル」の給食についての記載にのっとって、給食の提供や食育を進めています。子どもの好き嫌いや食べられる量の把握に努め、残食の量は給食日誌に記録し、残食が多かった献立は次回の提供の際、調理方法、切り方、味付けなどを改善するようにしています。旬の野菜や果物、園で栽培したいちごや小玉すいか、スナップエンドウ、にんじんのほか、近所の畑でとれたさつま芋などもおいしさを最大限に生かして調理、提供しています。伝承文化にちなんだ行事食も提供しています。0歳児では保護者との連携を密にし、一人ひとりの発達段階に合わせた離乳食を提供しています。また、マニュアルの記載に基づいた手順とチェックリストによる定期的な点検で、適切な衛生管理を徹底しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

 連絡帳は法人で開発したアプリを活用しており、0~2歳児では毎日の記入を必須とし、3歳児以上では必要に応じて利用することで、保護者との情報交換を密に行っています。また、スマートフォンのアプリを通して、園だよりや食育だより、保健だよりなど、園からのさまざまなお知らせを保護者がタイムリーに確認できる機能もあり、保護者からは休みの連絡や送迎時間の変更をスマートフォンから登録ができ、好評を得ています。保護者懇談会では子どもの状況と今後の保育やその目的とねらいについて資料を配付して伝えるほか、定期的に写真やエピソードを交えたドキュメンテーション記録を作成して掲示するなど、子どもの成長を保護者と共有できるようにしています。保護者参加行事の運動会や生活発表会では、子どもたちの特別な姿を見せるのではなく、普段の活動を発展させた様子を伝える機会にしています。今年度はコロナ禍のため運動会は中止となりましたが、子どもたちだけで雑巾がけや運動遊びの運動会ごっこを行って、子どもの成長の様子を写真で保護者に伝えました。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 子どもたちの園での様子を伝達ボードなどを活用し、送迎時に保護者へていねいに伝えて信頼関係を築けるように心がけています。就労状況などの変化に伴う保護者の相談にも応じています。年間を通じていつでも相談や面談の受付を行っていることを伝え、年1回は保護者との個人面談が実施できるよう、随時の受付のほかに期間を設定した面談の受付も行っています。また、どの職員と面談したいかの保護者の意向にも応じています。相談を受けた保育士だけで対応できない場合は、内容に応じてリーダーや主任、施設長がフォローしています。面談や相談の内容は、記録してクラス会議などで共有しています。そのほか保育園の特性を生かした「子育てスキル講座」を園主催で実施して、リモートでの参加が可能な事を園の保護者に伝えています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

 保護者には「重要事項説明書」を基に虐待防止のための措置について説明し、職員は日ごろから笑顔でコミュニケーションを取り、保護者が相談しやすい雰囲気づくりに努めています。子どもの送迎時には保護者に家庭での様子を聞きながら、視診、必要に応じて触診を行い、子どもの体調把握に努めています。虐待やその可能性を感じた時は、「保育運営マニュアル」の虐待対応手順に沿った対応と、適切な関係機関との連携が行えるように、マニュアルの記載内容について職員への周知、徹底を図っています。虐待が疑われる場合には、記録するとともに園内で情報を共有し、施設長が法人本部に報告して指示を仰ぎます。必要に応じて自治体の担当課に連絡をし、どのように連携して対応するか確認しています。慎重に対処し、家庭や子どもとのつながりが切れてしまわないよう配慮しています。全職員でマニュアルの読み合わせを行い、虐待などの予防と早期発見・対応に努めています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

 施設長は法人の保育理念と方針をしっかり意識し、「ケガをしない強い体を育てる」「自分でできる事を自分でする」などの「私たちが育てる6の力」を踏まえた保育の実践のためには、全職員がチームとして同じ方向を向いて各自の役割を果たすことが大切だと考えています。クラスごとに期、月、週などのサイクルで保育を振り返り、その評価を記録する際には、子どもの状況がどのように変化したかを具体的に表現することにも配慮しています。こうした保育の自己評価には、次の指導計画立案に生かせるよう施設長が必ずコメントを加えています。また、職務や役割において優秀な成果を発揮する行動特性を一覧にした「コンピテンシー」による自己評価を職員一人ひとりが月1回行い、結果を集約して園会議で分析し、園全体の課題の発見にもつなげています。そのほか年度の事業計画について、職員一人ひとりが自己評価を行い、年度末の策定会議で園としての振り返りとしてまとめています。