社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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GENKIDS新子安保育園

2021年04月21日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 ㈱第三者評価機構神奈川評価調査室

② 施設・事業所情報
名称 GENKIDS新子安保育園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 70 名
所在地 〒221-0021
神奈川県横浜市神奈川区子安通3-371
TEL 045-440-0130 ホームページ https://www.jp-holdings.co.jp/amenity-life/index.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社JPホールディングス・グループ 株式会社アメニティライフ
職員数
常勤職員:13 名
非常勤職員:4 名
専門職員
保育士:11 名
栄養士:2 名
施設・設備の概要
保育室:6室
物品庫:1室
事務室:1室
職員トイレ:3室
休憩室:1室
園庭:1
屋上:1

③ 理念・基本方針
今日という毎日の暮しに「生活の型」を通して喜びと安心感を与えることが、子供たちが“未来”に生きることにつながると考えています。子供たちが最良の今日を生き、そして望ましい未来を作り出さ宇力を培えるようGENKIDSは保育を通じてサポートします
○温かい保育園を目指します○保護者とのコミュニケーションを大切にします

④ 施設・事業所の特徴的な取組
○職員の採用計画
市内にある保育士養成校との連携を高め新規採用者を獲得し、より良い資質を持った職員の育成を心掛けていること
○事業所本部での階級別・自由選択研修の取り組み
職員の質の向上、技術の標準化、職員の人間性を深め、知識と技術の自己研鑽に励むことができる取り組み
○子育て支援
保護者とのコミュニケーションを職員誰もがとり、育児相談にも乗れるような柔軟な対応を心掛けている

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/12/25(契約日) ~2021/03/31(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 0 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ○どの子どもの個性も尊重する、温かな支援に取組んでいます
保育所に通う子どもの2割程が中国、インドなど様々な国籍です。言語でのコミュニケーションが難しいことから保育者が中国語や英語を学習し、保育所の生活で必要となる単語をクラス内に掲示して、母国語で会話がとれるよう図っています。片言でもコミュニケーションがとれるようになった段階で、今後の日本での生活を見通して日本語の意味を伝えています。保護者への説明も翻訳ソフトを傍らに置き、諸所時間を費やすことが増えるデメリットをプラス発想に換え、「異文化について理解を進め、子どもにとっても充実した経験となるような保育を提供する」ことにフォーカスし、「様々な国の挨拶や、食文化に親しむ」「保育参加の形で、中国語で読み聞かせをしてもらう」といったビジョンを挙げており、「現状抱える課題を解決したら、すぐやりたい」と希望に膨らんでいます。

○保護者の就労支援とともに、安心・安全の確保に努めています                             保育所では保護者が安心して就労できるよう、最大21時までの預かりとともに体制を整えています。保育園内の安全性を高めるため0歳児室の床暖房やロッカーは耐震対策をし、入口にはカード式セキュリティを採用、カードを持たない人は中に入れないようになっています。また保育所の立地(国道と京浜急行線の線路に挟まれた場所)に配慮し、交通量が多い道での散歩にリスクが伴わないよう散歩マニュアルを作成するほか、子どもたちは近隣企業の社員から交通安全指導を享受してもいます。「お散歩コース」を固定して、「決められた横断歩道のみを渡る」「ガソリンスタンドの前は通らない」「線路は横断しない」などの約束事を保育者が確実に遂行する一方で、子どもはお散歩を通して四季を感じ、虫や花、時には大人にふれることで、ワクワク・ドキドキの感覚を安全に獲得しています。

○保育所は一つの家庭であると考え、多職種で食育を励行しています
全職員が子ども一人ひとりを大切に考え、家庭的な雰囲気で子どもが安心して過ごせる環境をつくる一環として、栄養士と保育者とで協力しあい食に力を入れています。年間で立てた「食育年間計画」に基づき、幼児クラス中心に夏野菜の栽培をおこない、お楽しみ会のカレーのトッピングとして収穫を味わう機会を設け、保護者からは苦手な野菜の聞き取り確認をして意見を取り入れ、克服したときは大いに褒めて子どもの自信に実っています。毎日の食事では子どもが楽しいと感じられるよう発達に合わせて自助具を備え、食器は「物の大切さ」意識して欲しいとして陶器を取り入れています。日々の献立では旬の食材を使うほか、近所から「玉ねぎ、抜きにきていいよ」と声をかけてもらえ、普段から裸足で走り回る元気な子どもたちが格別に歓喜した日もあります。
改善を求められる点 ○運営の基盤となる書面を整える
開設から3年となる保育所なことから今回の第三者評価は初めての受審です。職員の離職・入職や多国籍の保護者への対応等、通常保育が思うようにならない中、運営会社が3年前に変わって以降、書面の取捨選択が進んでいないことで、十分な書面体制にあるとは言えません。本部には充実した書面があるため、入れ替えが進んでいなことは遺憾です。

○記録の書き方の質を標準化させる
現場の保育と記録は必ずしも一致するわけではありませんが、現状は保育者の記録の取り方、書き方に格差があり、現場に影響していないか心配になる状況です。保護者アンケートの言葉や園長・主任の説明、子どもの闊達さからは単なる危惧ともいえますが、保育への着眼点や見通し、観察の力など、先輩から後輩へOJTできる仕組みがつくられることを期待します。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
この度、当園に関しましては初めての第三者評価とありまして、当園の課題もとてもよく理解でき、反省にもなり、これからの課題ができました。
 現在の社会情勢における感染対策の渦中にもあり、通常の保育内容や運営、特に地域とのつながりの面においては、計画は考案しても実行には至らない点も多くございます。運営主体が変わってから様々な取り組みを少しずつ取り入れていくことも直面しているので、今後、職員と課題を共有しつつ、
 今を生きる子どもたちや子育て中の保護者様・地域社会にも安心であり安全である環境あることや、信頼される保育園を目指し、職員の意欲を高め、質の向上・育成に励み、保育所としての経験を積みまして、運営本部と協力し福祉事業に従事していこうと思っております。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

理念と基本方針は明文化のうえ重要事項説明書に記載されています。21時までの夜間保育において、理念「お母様、お父様が安心して働ける環境づくりをサポートする」
を実現させるとともに、基本方針の中にある「保護者様の良きパートナー」との整合性を担保しており、さらには「保護者様とのコミュニケーションを大切にする」との職員行動に連なっていて一貫性があります。外国籍の保護者は2割と多く、必要に応じて入園説明会の配付資料にルビを振り、個別で内容の補足説明をおこなっています。今後は、「広報媒体やホームページに理念及び基本方針を掲載し、広く発信する」こと、「理念・方針について職員・保護者への周知状況を把握する継続的な取組みを導入する」ことの2点を期待します。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

行政がけん引する園長会には園長が出席のうえ、例えば幼保小連携についての情報共有が叶っていますが、今年度はコロナ対応等繁雑となり、思うように出席できていません。また地域での特徴・変化等における経営環境や課題の主たる点は「外国籍の保護者が多い」として、言語面での不具合が生じないよう英語版や中国語版での書面化に尽力しています。全国に300施設を保有する運営会社では、社会福祉事業の保育所における情報分析への取組みは法人生命に関わることとして重きを置いていることは書面から覗えますが、保育のコスト分析や保育所利用者の推移、利用率等の分析も運営会社がおこない、園長は直接分析には携わらず情報データとして受け取ったものを確認するという体制にあります(今後は園長も関わる予定です)。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

本部(運営会社)は主に保育所の収支管理・人材確保・設備管理をリードし、連絡は日々電話やチャットツールでリアルタイムな情報共有があります。保育所の意見は毎月のスタッフミーティング、リーダー会議において集約され、園長を通じて本部にあげるとのやりとりを重ねることで課題の改善につなげ、また本部担当者の一存では難しいケースは役員に届けられています。チューター制度の導入もあり、まったく動いていないわけではないものの、外国籍の保護者への対応に係る工数への後方支援など最優先の課題のいくつかに具体的な取組が見えず、特に運営会社が3年前に変わって以降、書面の取捨選択が進んでいないことで、十分な体制にあるとは言えません。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

中・長期的な保育の柱として「よく遊び・よく食べ・よく寝る」を中心に保育内容や食育活動が進められており、理念や基本方針の実現に向けた目標設定と受けとめられますが、3年から5年先を見据えた中・長期計画の策定はなく、結果見直し・評価もありません。ただし、今回の第三者評価を通じて「保育士養成校との関係を構築する→毎年新卒2名程度の採用で保育所全体の活性化を図る→雇用の安定が新たな取組みへの土台となり、保育の質の向上につなげる」といった数年先までの見通しがあることを確認しています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

中・長期計画がないため、中・長期計画を反映した単年度計画は策定できない状況にあり、また保育所が単年度計画としているものは事業内容が掲載されているものの、園概要やプログラムに留まり、保育所見学や入園説明会にて配付する構成です。行事計画はありますが、単年度における目標とその取組の方法、実践のねらいなどは策定されていません。ただし、本部にて収支計画は立案されており、毎月の収支が配信され、園長が確認しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:c】

本部が事業計画と称するものは、職員→園長→本部という流れで意見を集めて策定されていますが、そもそも第三者評価でいうところの事業計画の構成ではなく、見直しも本部でおこなわれており、職員で話し合う仕組みにはなっていません。園行事については、行事担当者が内容の決定から手順等の全般を把握のうえ運営の主体となり、実施後には保育所全体として振り返る場(=スタッフミーティング)があります。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

行事計画はありますが、年度の事業計画の策定はみられません。本来は事業計画に記載されているかも知れない、今年度取組んだ事業については毎月園だよりの配付で保護者に伝え、ポートフォリオやドキュメンテーションのほか、行事の様子を撮影して頒布販売しています。各クラスから保護者1名ずつ輩出の運営委員会(年2回開催、コロナ禍で本年は開催なし)には、本部・園長・主任も加わり、保育所の収支報告や保育内容についての話し合いが成されていますが、保護者全体の理解につながっているかは不確かです。今後は、事業計画の内容と運営委員会の議題がリンクすることを期待します。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

保育所全体の自己評価を半期に1度実施していますが、見直しと評価の取組みが園長と主任中心となっていることは否めません。保育の内容については全体的な計画の下、指導計画の策定があり、それに連なる月・週のカリキュラムの振り返りが各クラスでおこなわれ、園長と主任がその内容に目を通しています。開設から未だ3年目で、第三者評価の受審は今回が初めてです。保育所全体の自己評価並びに今回の第三者評価受審についても、評価(結果を分析・検討)に取組むのが園長と主任でおこなっていますので、今後は組織的な体制が整うことを期待します。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:c】

保育所全体の評価は園長と主任とで取組み、半期に1度おこなっており、ホームページには上期・下期が統合されたものが掲載されています。大項目「子どもの発達援助」中項目「生活と発達の連続性」小項目「好きな遊びを十分楽しめるように計画し、働きかけをおこなっている」と階層的に構成され、ABCの観点別評価により構成されたもののみで、評価結果を分析した結果やそれにもとづく課題の記載はありません。日常的な保育の振り返りはリーダーミーティングやスタッフミーティングでおこなわれていますが、策定が上層部中心となっていることが影響して本書面における課題共有はみられません。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

園長は本部がけん引する施設長会議(月1回)や研修(随時)に出席し、保育所を運営していく上で必要な情報を把握したうえで、自らの保育所の経営・管理に関する考えを持ってはいますが、それを方針として組立て、何を以て実践していくかは未整備で、書面化には至ってはおらず、園長の役割と責任について書面で確認はできませんでした。また入園説明会や職員会議では役目について語ってはいるも、園だよりなど書面を通じての園長表明はありません。災害時の避難誘導や事故発生時の救急要請の最終判断は園長とし、不在の場合には主任、副主任が役割を担っていますが、任命が明示されたものはありません。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は法人本部が敷くエリア園長会や研修、ネット配信にて遵守すべき法令を理解しており、また法人では「一万円以上の納入品は本部との経費申請を経て後購入が決定する」といった取引ツールを明確にしています。本部が開催する研修プログラムは弁護士や損害保険会社などが講師を担い多岐に渡るとともに、「保育事故の裁判に学ぶ」といった具体的な学びがあります。園長や主任が学んだことをスタッフミーティングで伝播させ、人権に係るパンフレットは各人1冊ずつ配付して読み合わせするなど、遵守するための取組みに努めています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は日々保育の様子を見て廻り、保育日誌の記述を視認のうえコメントを入れたり、保育者に直接伝えていますが、分析をしたと確認できる記録はありません。例えば年間指導計画には「保育士の自己評価」欄はありますが、今後は園長が評価・分析がおこなえるよう欄を追加する等フォーマットの改正を以て仕組みを強化することを期待します。スタッフミーティング・リーダーミーティング・園内研修を毎月1回実施することで「保育の質の向上について組織内に具体的な体制を構築している」と受けとめることができるものの、コロナ禍での職員不足や業務量増大の影響を受け順延となったことは遺憾であり、組織体制について熟考が求められます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

職員の休憩室は男女共有ですが、着替えには難があるとして物品庫に男性用ロッカーを入れて双方気兼ねないよう整えるほか、朝礼の時間がとれない工夫として「申し送り表」を各クラスに届けるなど、職員の働きやすさに園長が直接フォローしています。統括的な人事・労務・財務全般は本部の管轄であり、データ集積や分析も本部がおこなっています。本部とのやりとりは園長、そして保育所内では園長と主任が核となっていて、そのほかの職員に園長同様の意識を形成するには至っていません。今後は委員会活動など、側面的に経営の中核に職員が関われる取組みがあることを期待します。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

園長は「保育は子どもの成長を支える使命があり、実現には保育者同士、家庭との連携が要となるためコミュニケーション力のある人材」を望んでいますが、職員採用は本社の管轄にある為、こまめに要望を発信するとともに採用面談の場には園長も立ち合い、自園が求める人材が確保できるように努めています。必要な人材や人員体制についての具体的な計画は策定されていませんが、法人では年2回職員の意識調査を実施しており、その情報をもとに配置や異動などをグループ全体で考える仕組みはあります。採用促進にはお友だち紹介キャンペーンといった新たな取組みが始まり、また養成校が主催する「園長連絡協議会」への参加を通じて学生のニーズを入手するなど、働きかけを続けています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

具体的な職員像は明確にはされていませんが、園長との面談を通じて職員個々に年度目標を設定しています。人事考課シートでは昇進の要件が確認でき、職員はそれらの書面をもとに意向調査と面談を通じて、本件を理解しています。処遇については法人主導で決定事項が届くのみですが、意向調査と面談の場で意見を述べることはできています。法人では階層別研修や男性保育士研修、担当するクラスの年齢別研修を実施、保育士としてのキャリアアップが実るよう配してはいるものの、自ら将来の姿を描ける総合的な仕組みづくりとしては不十分です。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

本人理由の休暇や欠勤・早退の要望にも臨機に応え、また有給休暇の消化、時間外勤務時間数は園長とともに本社が毎月確認し、業務負担の偏重削減と法令遵守に取組んでいますが、労務における責任体制が記載されたものはありません。ストレスチェックはシートのみの導入ですが年2回の経過観察的な取組みがあり、園長と主任が職員個々の事情に即した対応に努めるほか、社外にはメンタルへルスに係る相談窓口、また出産後の短時間勤務や宿舎借り上げ制度、予防接種の補助金といった手厚い福利厚生が運用されています。改善策がないわけではありませんが職員意見の反映という点は薄く、人材や人員体制における計画がそもそもなくマネジメントサイクルに乗せてはいません。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

組織として「期待する職員像」は明確にされていませんが、職員一人ひとりの目標管理の仕組みはあります。目標管理を伴う個別面談は園長が年2回実施するとともに、随時では1名に付き概ね5回ほど対応しており、状況に応じた助言をおこなっています。年2回の園長との面談を通して職員一人ひとりの目標管理が推進されています。職員一人ひとりの目標の設定は、目標項目・目標水準・目標期限が明確にされていますが、現在園長の随時対応でまかなえている「中間面談」を定型手順に乗せ、目標の達成度がさらに高まることを期待します。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

「期待する職員像」としての明示はないものの、重要事項説明書の中にある「基本方針」を通じて間接的に表している、としています。「職員に必要とされる専門技術や専門資格」は、保育所内の書面には見当たりませんが、本部が計画・運営する階層別研修を受講するだけではなくキャリアアップ研修などの外部研修への参加もあり、また職員は研修受講後のアンケートで今後受けてみたい研修を意見することができています。その内容を参考に本部の研修担当者が来期の研修内容の見直しに反映させています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

園長は職員の経験年数や職務暦、キャリアアップ研修の取得状況を把握しています。経験年数や習熟度に応じた個別のOJTの仕組みはないものの、「午前1回、午後は乳児クラスを午睡前、幼児クラスを15時以降巡回する」ことで、速やかな指導は叶っていて、チューター制度も導入されています。階層別研修と自由選択研修の2部制で、前者は義務、後者は本人の意向を尊重した形をとり、職員に判断の主導権をもたせています。園長が本人のスキルやキャリアを考慮して外部研修の受講を勧奨することもありますが、外部研修は回覧で概ね本人本位としており、シフト調整の工夫を以て応援しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

採用の活性化も視野にいれ、保育の養成校と密な関係をつくるとともに、実習生の受入れを積極的におこない、「実習受け入れマニュアル」が備わっています。実習受け入れマニュアルの中に「実習受け入れガイドライン」があり、そこには受入れの基本姿勢を表す文言が入っています(受け入れ基本姿勢と示してはいません)。受入れ前には担当となるクラスと主任とで改めて確認するほか、実習指導を担当する保育者の研修は主任がおこない、養成校から届いた実習のねらいや内容をもとに用意したプログラムに照らして指導方法を伝授しています(保育所独自のものはありません)。実習期間中には養成校の職員が巡回訪問に訪れていますが、保育所側でも実習生の取組姿勢などに問題があった場合には電話連絡をするなど、報連相に努めています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

保育所の理念や基本方針が記載された三つ折りパンフレットを神奈川区役所のラックに置き、入園を希望する家庭を含み地域住民が広く情報を入手できるようにしています。
ホームページには「保育園の概要(基本情報)」が掲載されていますが、理念・事業計画・事業報告・予算・決算書類・相談苦情の体制などの重点事項はありません。基本方針は横浜市(こども青少年局子育て支援部保育・教育運営課)のサイトにはありますが、保育所のホームページは基本方針との明示がないままの掲載で確認しにくい状況にあるため、急ぎ整備が必要です。開設から3年目であり、福祉サービス第三者評価の受審は今回が初めてです。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

運営管理の全般を本部がおこなっています。保育所では「1万円未満は園長決済で購入できる」といった新しい備品入手に関するルール等、職員が知らないと困ることは浸透させ、新たな取り決めや変更にはその都度園長・主任から伝達しています。
本部の内部監査室の訪問を毎月受け、安全チェック表に基づいた設備点検などが継続実施されていますが、外部の専門家による監査指導等を受ける機会はなく、経営改善そのものが本部管轄で保育所は受け身の態勢にあります。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画の中に「地域との関わり」との項目を設け、関わり方の基本的な考え方を明記しています。地域情報を民生委員から入手、近隣企業が所有する体育館利用につながった例があります。また保護者へのお役立ち情報として、神奈川区地域子育て拠点「かなーちぇ」や学童クラブのパンフレットを保育所内のカウンターに設置しています。地域住民との交流は未だ保育所が主体となっての企画に至らず、また子どもが地域行事に参加するための援助についても、職員がボランティアに加わった実績はあるものの、「子どもの個別的状況に配慮した支援をおこなう体制」には及んでいません。今後は、保護者の地域におけるニーズをアンケートなどで確認していくことを期待します。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

ボランティアの受入れや、地域の学校教育関する基本姿勢は明文化されていません。養成校のボランティアは積極的に受入れているものの、実習の受入れと同様の取り扱いでまかなわれており、事前説明等は実習オリエンテーションの内容をボランティア開始前に伝えています。その他の生徒(小・中学生や高校生)の福祉体験や職業体験を受入れたことがなかったことから、マニュアルの整備が立ち遅れているため、今回の第三者評価を機に「基本姿勢の明文化」と「マニュアルの作成」に取組んでいくこととしています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

神奈川消防署・神奈川警察署・児童相談所や区役所の電話番号を一覧として事務所内に置き、職員にその所在を伝えていますが、個々の子ども・保護者の状況に対応できる社会資源には及んでいません。地域の療育センターからは専門家の定期来園があり、また神奈川区の園長会に園長が参加して地域の共通課題や情報を把握しています。家庭での虐待等が疑われる子どもへの対応についてはスタッフミーティングで認識を共有して園全体で見守り、区役所や児童相談所と連携をとりつつ常に子どもの身体や顔などを注意深くと、視診に努めています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:c】

実習生並びにボランティアの受入れや園長連絡協議会への参加、授業の教材として保育所における子どもの様子を提供する等、保育士の養成校とは多様な関係づくりに取組んでいますが、保育所が実施する事業や地域向けの運営委員会はなく、また医療や小・中学校との連携はありません。地域の福祉ニーズや生活課題の把握の仕組みづくりは今後の課題です。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:c】

福祉ニーズにもとづいた具体的な福祉活動の明示はなく、地域ニーズを鑑みた社会福祉事業以外の貢献活動の実施もありません。社会福祉分野以外の地域コミュニティの活性化やまちづくりなどにも連携していませんが、近所の畑で玉ねぎの収穫をさせてもらえ、近隣企業の社員の交通安全指導などが日常に溶け込んでいます。中長期の目安としては、外国語を話す親をもつ子どもの割合が多いことを好転させ、他国の挨拶や食を通じて文化に親しむことを保育に取入れたいとしており、地域ケアプラザとも定期の交流機会をつくることを視野に入れています。隣接の高層マンションとは垂直避難の協力を確認していますが、災害時に保育所として何ができるかについては未着手であり、今後の課題となっています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもを尊重した保育の提供についての「倫理綱領」や規程の策定はないものの、「笑顔の絶えない家庭的な雰囲気の中で」を基本方針に組込み、実践の取組みの一つには「叱るポイントを守る」があり、職員同士の関係がよいことや園長・主任の各クラスへの補佐も土台として支えになっています。「標準的な実施方法に反映しているか」については、年間指導計画における「養護・教育」の「情緒」「言葉」欄で確認されるとともに、お誕生日腕章をつけて保育所全体でお祝いするといった取組みが裏付けています。「定期の状況把握・評価をおこなっているか」は保育所の書面に基本的人権にまで及ぶ項目がないため、確認できません。尊重する心を育てる具体的な取組みとまでは言えないものの、野菜を育てることは労りの気持ちを養うことに実っているとみることはできます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

マニュアル類は本部で策定されたものが新会社(事業所)に移行しつつあり、プライバシー保護についても同様で、現状社名などの修正がないものを代用していますが、年度初めのスタッフミーティングにて子どものプライバシー保護への理解を持つ場を設けています。「排泄、着替え、シャワーなどの場面においては他者の視界に入らないよう、個別におこなう」「0、1歳児は棚で仕切り、着替えが他の子から見えないようにする」といった原則的なことをオペレーションに浸透させています。プライバシー保護については、子どもには保育の場で「ちゃんと隠そうね」といった投げかけを都度おこなっていますが、保護者に「周知させているか」については言葉の壁もあり十分ではありません。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

区内の人が入手できるよう、保育所の理念や基本方針が記載された三つ折りのパンフレット並びに紹介のポスターが神奈川区役所内に配備されていますが、パンフレットは「写真やイラスト、図を多用して誰にでもわかりやすい」とまでは至っていません。見学は大抵30分程ですが、質問が多い人は1時間余となることもあります。見学対応者は園長・主任と定め、月に数回見学の日を設けて定員制で実施しています。見学者の都合が優先となる体制ではありませんが、希望には柔軟に対応するよう努めています。利用希望者に対する情報提供についての見直しはおこなっていません。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

保育の開始及び保育内容の変更時の説明と同意にあたっては、保護者の就業状況や入所に当たっての経緯・意向を確認、負担を軽減させています。入園説明会にて重要事項説明書で説明後、担当の保育者との備品チェック等も同じ書面を用いることで繰り返しの確認につなげています。令和元年には「3歳以上児の保育の無償化に伴い保護者が給食費を実費負担する」ことについて重要事項説明書の利用料金の内容を変更しており、入園時と同じく書面に基づき説明をおこない、同意署名を得ています。特に配慮が必要な保護者への説明についてルール化はされていませんが、外国籍の保護者にはルビを振り、園長・主任の個別対応にて翻訳アプリを使用しながら説明とともに、理解が得られたかの事後確認もおこなっています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:c】

保育所の変更にあたり、保育の継続性に配慮した手順、引き継ぎ文書の整備はされていません。また就学先からは園児の様子について電話確認はありますが、当保育所から転園した園児のケースでは、転園先の園から問い合わせを受けたことはありません。小規模保育園の優先枠で保育所に転園してくる場合には保護者の了承を得たうえで必要書類を取り寄せ、先方の職員との面談を通じて十分確認をおこない、新園児が安心して過ごせる環境を形成しています。また、退園日には退園後も相談を受けることや窓口は園長と主任と伝えてはいますが、書面による明示はありません。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

必要に応じて主任が現場に入ることで設置基準はクリアできるものの、理想とする保育者の人数に満たされず、それが主な要因で保育の標準化に向けた取組みにかかれず、主体的な遊びができるようにとの環境設定は十分ではありません(一人ひとりの状況に応じた配慮ある関わりについては、園長・主任が中心となって目配りしています)。保護者に向けた意向アンケートをはじめ顧客満足度調査の実施はなく、定量調査はありません。個人面談、送迎時の会話などの聞き取りによる定性調査のほか、保護者の代表者(各クラス1名)の意見を検討する運営委員会が年2回開催され、懇親会と運営委員会の内容はスタッフミーティングにおいて口頭で職員に周知しています(今年度はコロナ禍の影響で個人面談、懇親会共に年2回が1回、運営委員会は開催なし)。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

保育所内で苦情受付担当者、苦情解決実務者、また本部内で苦情解決責任者を定め、第三者委員は地域の児童委員に加わってもらい苦情解決の体制を整え、その構成は重要事項説明書の中に苦情受付窓口として記載されています。重要事項説明書は入園説明会で配付のうえ説明をおこない、また玄関には意見箱の設置もありますが、母国語でのやりとりを必要とする保護者が約2割おり、現状は意見聴取にも手間取る状況で「苦情が言いやすいように整備することが難しい」という課題があります。さらに、小さな苦情は記録していないという態勢は早期の改善が必要です。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

重要事項説明書の中の苦情受付窓口に園長・主任・本部責任者・第三者委員の連絡先が記載されていますが、名称が「苦情」に統一されていて「相談先」とは捉えにくく、今後改良が求められます。ただし、現場では保護者の表情や何気なくこぼす言葉、連絡帳の記述に注視して、気づきがあれば園側から声をかけて相談に至っています。またドアがあり、外部と遮断された相談環境のある面談室も備わっています。なお、保護者の意見を保育の質の向上へと結びつける仕組みについては、改めて精査することを期待します。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

意見箱には意見が入っていたことはなく、また今年度は保護者アンケートへの取組みもありませんが、職員は一様に朗らかで、送りのときの保護者との賑やかなやりとりからは関わりの濃さを受け止めることができます。相談に係るマニュアルはないものの、実際の相談内容については記録に残しています。また職員だけでは答えられない場合には「曖昧な返事はせずに園長や主任、本部に確認してから」という事は職員に意識づけられています。保護者からの意見は、朝の申し送りや職員会議において対応策を検討していますが、保育の質の向上に反映した例はありません。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスクマネジメントの責任者が誰であるかとの書面記載はないものの、責任者は任意で園長となっています。リスクについてはリーダーミーティングを協議の場としていますが、小さな園ということもあり委員会設置など体制づくりは遅れています。事故発生時の対応と安全確保については救命救急講習への受講を全職員に課しており、「事故発生時対応マニュアル」も備えています。事故報告書の構成は発生状況・処置の方法・再発防止策・保護者対応などと1枚の用紙の中で検討できるよう作られていますが、解決後の経過観察及び検証、定期評価の記録は確認できません。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

感染症対策の手順書には園長に報告が集まる旨の記載があるものの、「園長が責任者である」と明瞭に示されてはいません。本部が厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」に沿って「感染症対応の手順」を作成、重要事項説明書にも縮小版を記載していますが、定期的な見直しはおこなわれていません。階層別研修の中に感染症対策も入っていて、複数名の職員が受講のうえ、園内研修で他職員との共有を図っています。嘔吐物・排泄物の処理はユーティリティルームにマニュアルを掲示、処理セットも各保育室に設置しており、保護者への情報提供もマニュアルに準じて適切におこなっています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

自治体制作のハザードマップに基づき災害時の影響を把握するとともに、避難訓練については年2回の法定訓練のほか地震・火災・津波と想定を変え毎月おこなう真摯な取組みですが、未だ消防署の立ち合いは叶っていません。書面については重要事項説明書に非常災害時の対応の記載はあるも、大地震にそなえた内容や「風水害・津波避難」「竜巻等突風対策」といった分野毎には至っていません。hugnoteで安否確認の体制を備え、備蓄管理は栄養士を係りと定めています。建物・設備類は定期点検を実施し、必要応じて補修工事を本部に申請する仕組みとしています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

標準的な実施方法は「保育業務マニュアル」に記載があり、その中にはプライバシー保護や権利擁護に関わる姿勢が明示されており、年度初めに職員全員で確認しあっています。今月の振り返り・子どもの様子・食育活動報告・来月の行事と提出物の確認をおこなう「スタッフミーティング」、各クラスの情報共有・本部からの伝達事項・園全体の課題、対応策・保育の共有のための「リーダーミーティング」、研修の内容報告や園としての課題をテーマとしてあげてそれについて考える「園内研修」の3本立てを以て、標準的な保育を支えています。子ども一人ひとりの姿を捉えたうえで保育カリキュラムを作成しているとしていますが、保育記録の内容からは保育者のスキルの標準化に課題が残る(画一化を問題視する段階に至っていない)ことを確認しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

保育の標準的な実施方法に係る話し合いは、エリア内の保育所の園長が集う「エリア園長会」でおこなわれています(本年度はコロナ禍のため全て中止)が、実際「保育の標準的な実施方法」を改訂に至る協議は年度末に開催される「施設会議」が担っています。ただし、これまでの協議は指導計画の内容を変更することを想定した内容でなかったこともあり、変更に及んだ実績はありません。また保護者との面談・懇親会・運営委員会の場も本件を見据えた構成ではないため、現状意見収集が主となっていて、検証・見直しにあたり、保護者等からの意見や提案が反映されるような仕組みに至っていません。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

園長・主任とで全体的な計画を策定、各カリキュラムは担任が作成しています。一方アセスメントにあたっては、本社職員・看護師・地域の療育センターの意見・助言を得るようにしており、「全体的な計画→年間カリキュラム→月間カリキュラム→週案→日案」という流れで落とし込み、毎月各クラス内で反省会を実施して次月の指導計画に内容が反映できるよう、仕組みを確立しています。ただし、現状職員数が十分でないこと、外国語対応に工数がとられることなどが影響し、記録の取り方には保育者によって精度がまちまちとなっているほか、本来連なっているはずの書面に連動性が見えない箇所もあり、課題を残しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画・各クラスの保育計画は年度末、月間カリキュラムは月末に、年間カリキュラムは4期ごとに反省・評価をおこなうよう設定されています。保護者の意向把握と同意を得る手順は確立されていませんが、支援が必要な子どもについては定期面談に取組んでいます。これまで緊急に指導計画を変更したことはないため、もしもの場合に備えて今後整備の予定としています。「年間の指導計画は保育者の見直し・評価欄が小さく一言記載するのみとなっていること」「全体的な計画と年間指導計画の連動性が捉えにくいこと」は取組みの余地があり、また見直しと評価も歳児におけるできてほしい点の〇つけに留まっていて、保育の課題を明確にするには十分とは言えません。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子どもの発達状況や生活状況は保護者によって「児童票」「児童健康台帳」に記載され、保育所で把握しています。乳児は日毎の成長記録を個人ファイルに収め、幼児クラス(3歳以上)は4期ごとに成長度合いを一覧にして丸つけの確認をとっています。乳児クラス(3歳未満)は月間カリキュラムとともに個別の月間カリキュラムを、また障害児は4期ごとに地域の療育センター・保護者と連携を取りながら「障害児指導計画」を作成しています。書き方に関しては年度初めのスタッフミーティングと年間を通してクラスリーダーの指導、記録提出後には園長・主任が必要に応じて指導するという手順はあるものの、子どもの姿における記録やねらいに対する考察などには取組みの余地があります。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

子どもの名前や顔が写っているものに関しては掲示終了後、速やかにシュレッダーに掛けるなど、本部が作成した「個人情報保護マニュアル」に沿って対応しています。記録管理責任者として任命や文書における明記はありませんが園長と主任が中心となり、また本部の研修会で得た知識はスタッフミーティングで伝達講習をおこなっています。職員がいかほど理解しているかのテストなどの確認実施はないものの、本件は職員会議で注意喚起するとともに、月に一度の内部監査を通じての指導もあります。また保護者にも重要事項説明書の記載内容を確認しつつ入園説明会で伝達するとともに、園行事や園だよりでも呼びかけています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は児童憲章、児童の権利に関する条約等を踏まえ、理念、基本方針を基盤に「生命の保持」「食に対する興味・意欲を育てる」といった項目を盛り込み、保育所の理念も明示されていますが、エリア園長会で協議した内容を原案として、主任を中心に作成したものを職員が確認するという段取りであるため、「職員の参画はあるか」という点では不十分です。全体的計画は複数の保育所共有のためか地域性・独自性が見られず、また定期評価もありません。職員が協議に加わらず幹部で策定していることが指導計画との連動が薄いことと関係していると推察され、適正な運営が苦慮されるものとして課題です。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

園舎は線路と国道に挟まれた場所に立地していますが、二重ガラスとしていることから電車や車が通っても音は入ってきません。保育室は棚やマットを活用して活動と寛ぎのスペースそれぞれ確保し、また家具は木材のものを中心に揃え、発達に合わせた保育の導線を考慮しつつロッカーや絵本の棚を置くほか、年齢に合った絵本や玩具の選定は専任者として絵本担当と玩具担当が配置され、居心地の良さの保持を担保しています。手洗い場やトイレは「衛生薬品・清掃マニュアル」に沿って毎日の清掃・消毒で清潔が保てるよう取組み、また設備の安全については本部による検査機会を定めていますが、遊具は園内でこまめな点検があることを望みます。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

入園前には保護者面談をおこない、さらに子どもの成育歴や家庭状況の把握を進めるためにも児童票と児童健康台帳の作成を保護者に依頼、個人ファイルに綴じ込み職員間で共有しています。表現する力が十分でない子どもに対しては、表情やしぐさから気持ちを汲み取って保育者が言葉に表してみることで、思いを確認しています。本件については家庭的な保育を目指している姿勢が大きく寄与、保育者が他クラスの子どものことも把握できていて名前で声かけができ、さらに保育者同士がお互いの得意、不得意を理解して支え合える態勢が保育の場にもよりよく反映しています。日本語を理解できない子どもには日本語の意味を母国語に訳せる子どもの力を借りる場面も少なくなく、期せずして保育者と子どもの協働作業にも結ばれています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

家庭の生活リズムに慣れ親しんでしまい就寝時間が遅い子どもや、過保護の影響で着替えさせてもらうのを待っている姿も入園当初には見られますが、保護者は連絡ノートや送迎の機会を通じて保育者からの提案に呼応くださり、基本的な生活習慣の確立に向け家庭と協力し合えています。例えばトイレットトレーニングは排尿間隔・排泄の様子を経過記録に残し、一人ひとりのペースに合わせて家庭と連携を図りながら、無理強いはせずに進めています。衣服の着脱においてもボタンは「一つはめてあげるから、あとは頑張ろう」と段階を踏み、できるようになったら表裏の治し方や、畳み方など個々の習得に応じて「~までにできるかな」と目標を設定するなど、自分でやろうとする気持ちを尊重して援助しています。歯磨きや食育は紙芝居などで子どもの理解を促進しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

基本的に子どもの声を尊重しつつ、遊びやそれに係る玩具を決めており、合同保育では異年齢とのやりとりから普段使わない玩具を覚えていくこともあります。遊びの場は様々で、園庭のほか屋上園庭でのかけっこや、保育室のパーテーションを全て広げてのサーキット遊び、保育者考案の座ってできる鬼ごっこで体を動かす機会を拡げ、順番を守ることや勝敗がつくような遊びの展開で思いやる気持ちや、友だちの意見を受け止める事の歓びを経験できるように援助しています。近隣の公園では四季の草花や虫とのふれあいもあり、園医から届けられたカブトムシの卵は幼児クラスで一つずつ飼育して成長を観察するほか、親交のあるENEOSで教えてもらった横断歩道を渡るときの指差し確認は早速散歩で実践していて頼もしい限りですが、様々な表現活動については未だ開拓の余地があります。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

畳のスペースや床暖房が備わり、長時間快適に過ごせる環境を整えている一方で、保育者の配置が難しい状況と月齢が高いことが相まって、現在0歳児2名は担当保育者とともに1歳児10名と過ごすことが増えています。応答的な関りを心掛け、午睡では傍に寄り添い寝かしつけ、膝の上で絵本の読み聞かせをおこない、1対1の時間の中で愛着関係を深め、絵具やクレヨンを用いて指先や足裏での表現遊び、マットで傾斜を体感する遊びを支援しています。食事に関しては段階をあげる時には、栄養士に咀嚼の状況を確認してもらい、ご家庭では食材のチェックを進めてもらうなど随時連携を図っています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

「時間に余裕をもち待つことも大切にする」ことは自分でしようとする気持ちを尊重することにつながり、「走る・跳ぶ・登る・くぐるなどの全身運動」は子どもの自発性を養うことに実っています。保育者は友だちの気持ちを代弁したり、玩具の貸借などが身につくよう援助するほか、言葉のやりとりが不十分なことから生じる、叩いた(噛んだ)、叩かれた(噛まれた)といったトラブルも他者への関心の一つとして寛容に受け止め、双方の立場における尊厳を護るよう言葉をかけています。朝夕の合同保育や土曜日保育では異年齢交流が叶い、栄養士に食事中の巡回を実施してもらうなど保育者以外の関わりにも配慮しています。2歳児は乳児から幼児に移行する時期でもある為、トイレトレーニングや食具については「園だより特別号」を発刊して、保護者との連携を高めていますが、「一人ひとりの子どもの状況に応じて」については向上の余地があります。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

3歳児は生活習慣を身に付け、自分でできることを少しずつ増やし、友だちや保育者とのごっこ遊びを通して他者との関りが持てるように働きかけ、4歳児は集団生活のルールを理解しながら、自分の意思を相手に伝えられるよう、さらに5歳児は運動会やお遊戯会などの行事演目を通して振り付けや台詞を考え、友だちと協力して一つのものを作り上げる楽しさや達成感が味わえるよう、発達の段階を考慮しつつできること、味わえることを増やせるよう支援しています。また異年齢での活動では、年長児が下の子どもに教えることや、逆にあこがれが意欲に結ばれるよう働きかけています。保護者に対してはポートフォリオやドキュメンテーションで活動の流れを伝えていますが、地域や就学先の小学校へ伝える工夫については不十分です。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

玄関に多少の段差はあるものの、廊下は広く車いすがそのまま入室することもできます。多目的トイレは設備されていますが、3階建ての園舎にエレベーターはありません。障害のある子どもの状況に配慮した個別の指導計画を作成し、クラスの指導計画と関連付けて長期的な見通しを持って保育をおこない、また連絡ノートでのやり取りに留まらず地域の療育センター通所後には担当・園長・主任同席のもと保護者と面談の場を持ち、子どもの生活のしやすさについて検討を重ねています。地域療育センターの巡回訪問における助言のほか、対応に悩んだ時には電話で即時解決につなげています。在園保護者には重要事項説明書の配付を通じて障害児保育をおこなうことを伝えていますが、姿勢や留意点の説明を手厚くするとともに職員の知識研鑽も併せて高めていくことを期待します。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

デイリープログラムや週のカリキュラム(週案)は見通しをもって過ごせるようゆったりとしたものになっています。子どもが不安なくゆったりと家庭的な雰囲気の中で過ごせるように気持ちに寄り添い、異年齢児と一緒に過ごす時間帯がある場合には約束事を伝えて安全に配慮し、提供する玩具の種類にも気遣っています。希望による軽食や夕食は2日前までの連絡とはなっていますが、事情があるときは当日昼まで対応し、家庭での食事をどうするかといった事柄は連絡帳で双方確認しています。各クラスにある「引き継ぎノート」が、延長保育における交代制シフトのデメリットを補完、また普段の関わりが少ない担任以外の保育者との会話をもつ機会にもなっています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画の中にある「小学校の円滑な接続」の内容は汎用的ですが、5歳児の年間指導計画には「言葉や文字、記号に関心をもつ(Ⅲ期)→身近な文字や数字に触れ、遊びに取入れて楽しむ(Ⅳ期」と、段階を踏んで就学へつなげていることが読み取れるほか、人の話を最後まで静かに聞く練習として椅子に座っての活動を増やしています。近隣の小学校との交流会が今年度は中止となりましたが、嬉しい事に小学校生活が思い描けるような手作り絵本が小学生のお兄さん、お姉さんたちから届いています。幼保小連絡会議では就学先の小学校から直接聞き取りをおこない、保護者には留意点を添えて小学校に通うタイムスケジュールを掲載した手紙を配付して、家庭と小学校をつないでいます。保育所児童保育要録は担任が作成し、園長・主任が見直しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

法人統合を経て書式が混在しており、健康管理マニュアルと呼べるものが1本化されていませんが、重要事項説明書の中にある「健康診断・健康管理について」が一つの目安として在ります。既存症などが入園前面談や児童票・児童健康台帳にて把握され、年度末にはそれら帳票を保護者に戻し、年間の健康に係る動きを記載してもらうようにしています。日々の保育では、家庭での検温と体調確認を経て、保育者が改めて検温・視診のうえ引継ぎノートに記録、担任以外でも状況確認できるようにするとともに、子どもに体調変化があれば保護者に伝え、事後の確認もおこなっています。年度の「保健指導計画」を策定、アレルギーや肘内障など先天性疾患に関しては一覧として各クラスに配付するほか、SIDSは「マニュアル・研修・保護者への説明・あおむけ寝の徹底とブレスチェック等」体制を整備し、職員全員が救命救急講習を受講しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

健康診断・歯科検診を年2回実施のほか、幼児クラスが尿検査(年1回)、3・4歳児は視聴覚検査(年1回)をおこない、毎月の身体測定も含む全てを児童健康台帳に記載しています。身体計測値の報告は毎月必ず、診断・検診結果は即日保護者にお知らせして、情報を共有しています。ほかにも保護者には看護師の文責にて毎月「ほけんだより」が渡されており、「12月:咳エチケット」など時節に合わせたテーマで作成されています。健康診断・歯科健診の結果は手洗い指導や歯科衛生士の歯磨き指導に反映されていますが、子どもに「病気の予防に必要な活動に進んで取組むことへの理解を促し、年間を通して健康に関心が持てる」取組みについては十分ではありません。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

主治医の指示のもとアレルギーに係る診断書類(生活管理指導表など)を保護者には提出してもらったうえで、担任と栄養士が保護者との面談をもち、「食物アレルギー対応マニュアル」に照らして確認しています。アレルギー児の献立は個別に用意し、個有のトレーにて「配膳は必ず正規職員」としています。調理室と直接の授受の場で改めてメニューを読み上げ確認、クラスで他職員に伝えて確認、最後に子どもに前においても再確認と、トリプルチェックとしています。子どもには別のテーブルで食事をしている理由等都度説明をしていますが、保護者には特段おこなっていません。また階層別研修や外部研修で入手した知識は、学んだ者が園内研修において伝達講習をおこなってはいるものの、習熟度の確認はされていません。命に係わることのため、この点は他の学習と並びとせず、何らかの仕組みをつくることを期待します。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

「食育年間計画」に基づき、幼児クラス中心に夏野菜の栽培をおこない、お楽しみ会のカレーのトッピングとして楽しむ機会を設け、保護者からは苦手な野菜の聞き取り確認をして意見を取り入れ、克服したときは大いに褒めて子どもの自信に実っています。一人ひとりにあった形状かを保育者と栄養士で視認、連絡帳や送迎時に保護者にも投げかけ、スプーンの上に食材をのせて自分で口に運ぶ練習とし、発達にあった食具を用意して子どもの成長に合わせています。また陶器の食器をつかう中で「物を大事に扱うことの大切さ」を伝える一方で、食べにくそうな様子が見られた場合には臨機に変更を検討しています。
食の細い子どもには、栄養士と保護者の意見も確認のうえ、「完食できた!みんなと一緒にごちそうさまが出来た!」という喜びが味わえるよう提供する量を調整するほか、食べられた達成感を個人シートに好きなシールを貼ることで体現させ、食に向き合う楽しさと有用感を支援しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:b】

入園前面談で入手した家庭での食事の様子や形態を考慮しつつ、0、1歳児の献立は年齢で判断せず、一人ひとり咀嚼の発育に基づき保育者と栄養士で段階を上げていくようにしています。スタッフミーティングでは「人気メニュー、苦手メニュー」「適量だったのか」が共有され、栄養士は定期的に各クラスの食事の様子を確認するほか、子どもが苦手な食材は星形にするなどの工夫を施しています。旬の食材をつかうよう配慮するほか、端午の節句にはこいのぼりのケチャップライス、七夕ではお星さまそうめん、節分の日は恵方巻と、行事食も豊富です。給食室内の衛生管理は「衛生管理マニュアル」に基づき栄養士中心で取組んでいます。今後は、全体の残食や個々の食に課題のある子どもの食べる量を記録に残していくなどの数値把握があることを期待します。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

乳児と幼児で連絡帳のタイプは異なるも、家庭と園との情報交換の要として機能しています。乳児クラスは連絡帳とともに、複数担任ということで殆どの保護者と保育者が会話をもつことができています。幼児クラスには必ず保護者と顔を合わせるのも難しいことから、全体への活動内容をポートフォリオとする取組みを敷きましたが、クラス担任の判断に任せている為アップは不定期で、保護者に確実に届けるには至っていません。毎年5月には、年度の目標や入園・進級後の子どもの姿を担任から保護者に伝えています(今年度は新型コロナウィルス感染症における緊急事態宣言発令の為、断念している)。園だよりでは現在の子どもの姿と合わせて教育・保育について発信、保護者参加の行事(運動会・発表会・遠足)で子どもの成長や挑戦している様子が伝わるよう計らい、本年は遠足については「遠足ごっこ」として縮小実施しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者の表情など様子から保育者側から声をかけるよう努め、また送迎時のコミュニケーションの中で子どもの様子が伝わるよう働きかけていることは、保護者の「子育てのパートナーだと思っている」との言葉が裏付けています。保護者との面談は年1回で、予め定めて公休を取りやすいよう配慮するとともに、それでも難しい場合は園側で日程を保護者に合わせています。保護者からの相談対応に迷いが生じた場合は曖昧にせず、「園長(または主任)に確認してからお答えする」という体制が徹底されるとともに、個人面談記録は一人ひとり残すことも欠かしません。また外国籍の保護者2割との現状を職員も憂慮し、保育所の生活で必要となる単語を英語や中国語で掲示するなど環境を整え、保育所の生活に慣れた頃からは、今後の日本での生活を見通して日本語の意味を教えています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

登園時の服装、喫食や睡眠の状況、着替えでの身体状況の観察、養育環境の変化のほか、子どもの表情・行動・つぶやき等見逃さないように関わり、虐待の兆候を保育者は理解のうえ場面毎に確認して些細なことでも職員間で共有、必要に応じて写真を撮るなどの記録の確保にも余念がありません。保護者のサポートが必要だと感じた時には、電話やメールも含めて意識的に丁寧に関わり、面談をするなどコミュニケーションをとることを心がけ、土曜日保育を勧めたり、汚れた衣服を洗濯したり、保護者が少しでもリフレッシュして子どもと関われるよう、保育所で出来ることを考えています。虐待が疑われる段階まで及んだ場合は児童虐待マニュアルに照らして順次進め、また横浜市中央児童相談所・神奈川区の保健師(当園担当)と連絡を取り合う体制も整っています。職員会議にて虐待等権利侵害が疑われる子どもへの意識を持つように投げかけが半期に1度ほどあるものの、今後は年度の研修計画に本件を位置付けることを期待します。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

クラス内では学び合いがありますが、毎日の日誌を他クラスの保育者が目にする事はほとん
どなく、保育者が協議を通じて主体的に自らの保育実践を振り返る場の設定はないことは課
題です。年2回半期毎に実施のうえ、ホームページに掲載する保育所の自己評価においても、
園長と主任のみでおこなっており、保育所全体の取組みに至っていません。そのため、「年度
末に自己評価から保育所としての保育実践に関する課題を明確にし、次年度に生かす方向性
を作れるように働きかけていく」ことを現状の目標としています。地域の他園の取組みを積
極的に収集することや、公開保育や参加会(保護者が育者としてクラスに入る)などの運用
で開かれた保育所となることを期待します。