社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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KFJ多摩なのはな保育園

2020年09月23日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 KFJ多摩なのはな保育園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 120名(133) 名
所在地 214-0014
川崎市多摩区登戸2249-1
TEL 044-930-1261 ホームページ http://www.kfj.or.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2006年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 川崎市社会福祉事業団
職員数
常勤職員:26 名
非常勤職員:17 名
専門職員
保育士:34 名
管理栄養士:1 名
看護師:1 名
子育て支援員:2 名
幼稚園教諭:1 名
施設・設備の概要
居室:乳児室 3室
居室:保育室 4室
設備:事務室(医務室含) 1室
設備:調理室 1室

③ 理念・基本方針
<KFJ多摩なのはな保育園の理念>
・子どもの人権の尊重及び子どもの権利の保障
・子どもの健全な発達の保障
・地域における子育て支援の社会的役割の実施

<KFJ多摩なのはな保育園の基本方針>
①「川崎市子どもの権利条例」による子どもの権利を守られる保育園
②「養護と教育」一体となった保育を目指し健康で心豊かに生活できる保育園
③保護者の育児と就労の両立を支援し安心して預けられる保育園
④保育の専門性を活かし地域における子育て支援の拠点となる保育園

④ 施設・事業所の特徴的な取組
●KFJ多摩なのはなは、小田急電鉄・JRの利用により、登戸駅から徒歩10分程度であり、地理的には小田急線登戸駅と向ヶ丘遊園駅との北側の中間地点に位置しています。多摩区役所はやや向ヶ丘遊園駅寄りですが、多摩区の行政の中心地として発展が期待される地域です。現在、駅周辺の再開発が急ピッチに進められており、道路も道幅を拡大して幹線道路を建設中であり、数年を待たずして大きく様変わりすることは確実です。KFJ多摩なのはなは、社会福祉法人川崎市社会福祉事業団(以降、法人という)独自の専用ビル(KFJ多摩)を有し、認可保育所「なのはな保育園」の他、生活介護事業所「はなもも」、就労継続支援B型事業所「はなみずき」、児童館「すかいきっず」が同居する複合福祉施設であり、複合施設としての利点を生かし、法人系列他施設との事業連携、利用者同士の交流活動等に積極的に取り組んでいます。

●KFJ多摩なのはな保育園は法人の基本理念に基づき、地域の中で求められ信頼される福祉サービスを提供し、家庭、地域と連携した子育て支援に取り組み、子どもたちの健やかな育ちを保障し、職員一人ひとりの倫理観や人間性を磨き、子どもたちの権利・人権に配慮した保育に努めています。新保育所保育指針に基づき、子どもの最善の利益の観点からさらなる保育の質の向上を目指し、養護と教育の一体的展開の実現に向けて取り組みを進めています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/09/30(契約日) ~2020/05/25(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2013年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1.【新保育所保育指針展開に向けた更なる保育の質の向上】
●KFJ多摩なのはな保育園は、新保育所保育指針に基づき、養護と教育の一体的展開の実現に向けて取り組みを進めています。内容的には大きく「養護と教育の一体的展開」と、それを推進する「さらなる保育の質の向上」の2点が挙げられます。前項については、新保育所保育指針に見合う教育の取り入れを園での構成として固めていくこと、そして展開を推進できる職員全体の質の向上を図ることを、今年度の目標に掲げ、意欲的に取り組んでいます。

2.【ICT推進についての継続検討】
●KFJ多摩なのはな保育園は、国の保育所等業務効率化推進事業に沿った川崎市のICT化推進施策を踏まえ、園のICT化の推進を継続しています。本年度もICT化推進を目標において取り組んでいます。ICT化推進は保育士等の業務負担の軽減を図り、働きやすい環境を整備すると共に、保護者にとっても必要な情報等を把握しやすくなる等、サービスの向上が期待できます。ICT化推進の導入期については保育士の負担が一時的に増える面を考慮、工夫しながら継続的に推進を図り、将来的に保育士等の業務負担軽減につなげるよう努めています。

3.【組織運営の強化】
●KFJ多摩なのはな保育園では、前1.2項を含む事業計画の達成に向けて、組織体制の強化を本年度の目標において取り組んでいます。KFJ多摩なのはな保育園の組織体制はしっかり機能していますが、さらに新保育所保育指針に見合う組織体制の再構築を本年度の目標において推進しています。特に、職員が情報の共有が今まで以上に的確・確実にできるよう原点に戻り、報告義務(報、連、相)の実施とチームワークの相乗効果により、組織的な目標や課題の効果的達成を計画立てて推進しています。これまでに増した強固な組織体制作りに尽力しています。
改善を求められる点 1. 【さらなる保育の質の向上】
●KFJ多摩なのはな保育園では、新保育所保育指針対応に向けて、報告義務(報、連、相)の実施、職員の質の向上と組織体制の強化を、今年度の目標において実施しています。保育士の質の向上は職員のキャリアパスを見据えて行い、組織体制の強化は報告義務(報、連、相)の実施を基本として推進していきます。現有戦力のさらなる精進と、保育士のキャリアのの不足部分は指揮体制で補い、組織体制の強化の確立に期待しております。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名  社会福祉法人 川崎市社会福祉事業団 KFJ多摩なのはな保育園
施設長名 園長 福田 和子 


≪第三者評価を受審した感想≫

 昨年度、受審を計画し10月から12月まで保育士、看護師、栄養士を少人数ずつ若手、ベテランに関係なくグループに分け、法人の理念や保育理念に基づき項目ごとに確認しました。日々、意識できなかった内容についても、討議する中で前職キャリアや保護者として預けた園との比較など、様々な尺度からも意見が出た中で課題がはっきりし、なのはな保育園としての強み弱みも明確化してきました。 

保護者アンケートでは保育内容にご理解をいただいているものの、日々の挨拶や保護者との対話をより丁寧に求めていらっしゃることがわかりました。現状では不足する部分を職員間で共有し、全職員がコミュニケーションのスキルアップを図っていきたいと思います。

評価委員の方から、なのはな保育園の強みや課題を標準的な実施や特に優れている点などの評価の視点に沿い伺ったことを、職員間で再認識出来ました。更に保育の質の向上にむけて課題に沿い改善していきます。

≪評価後取り組んだ事として≫

1.各種マニュアルの整備と周知

2.あたりまえの保育の見直しによるあそび内容の充実

3.保護者や地域住民に対するコミュニケーションスキルの向上

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

●理念や基本方針は基本的には不変が原則ですが、時代に即した内容としていくよう検討を重ねています。変更する場合は法人の評議委員会に提出し、承認及び文書化された後、法人の施設長会議で示され、園内で変更後の理念・方針に沿って事業計画や全体的な計画と対比し、職員会議等で討議を行い、次年度の事業計画の策定につなげています。事業計画は全職員に配付し、パート職員には園長、副園長から説明を行い、さらに回覧にて共有化を図っています。また、全体的な計画に則り、職員は個人別年間目標を「目標管理シート」、「人事考課シート」に記入し、園長に提出し、シートを基に面接を実施して達成状況を確認しています。保護者に対しては、入園説明会で理念・方針を重要事項説明に沿って説明を行い、毎年、保育説明会でも繰り返し周知しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

●経営環境の分析は、KFJ多摩として分析・確認を行い、国の動向等は法人系列の施設長会議で確認しています。事業計画をとりまく環境については、法人内の6保育園の園長会で各園の事業計画や実施内容を確認し、KFJ多摩の各施設との運営会議や、多摩区の公民保育施設長会議等で情報交換し、状況を把握しています。保護者に対しては、行事ごとのアンケートや毎年、利用者満足アンケートを実施して意向等を把握し、地域については子育て支援事業を通して把握・分析を行い、多摩区役所との共同事業等では地域の親子の姿や保護者のニーズ等を把握し、保育運営や地域の子育て支援に生かしています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

●毎月の法人の施設長会議では法人系列全施設の経営状況が周知され、昨年度との収支差額等について園内で分析及び対策を検討し、経営課題に取り組んでいます。また、法人6保育園の各園長と法人の事務担当者と月1回、責任者と年2回、国や川崎市からの予算に基づいた報告会を実施し、経営状況の分析及び討議を図り、園の修繕等の年次計画の検討も併せて行っています。職員に対しては、各クラスで遊具や絵本等を購入する金額を示し、また、修繕個所の把握、光熱費について示し、職員にコスト意識、認識を図り、計画性を持って保育ができるよう指導しています。今後は、公定価格等の在り方も職員間で学んでいきたいと考えています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

●中・長期計画については平成31年度から令和10年度までの中・長期計画の策定に向け、法人系列各施設からの意見を集約するプロジェクトチームが結成され、園では、中・長期計画の資料配付と説明を担当しています。また、園内で今年度、人材育成計画の園内プロジェクトを立ち上げ、各職員が保育をキャリアステージごとに課題と実践を踏まえ、「望まれる職員像」を基に長期的展望が描けるよう2年計画を策定中であり、法人主催の研修(令和3年2月)において発表する予定です。人材育成ではミドルリーダーの必要性を研修で学び、園内での展開を計画しています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

●園の事業計画、年間保育計画は中・長期計画を基に作成しています。また、保育全般の利用者満足度も含めた具体的数値目標を取り入れた年間計画を法人本部に示し、討議及び修正された計画に沿って、運営をPDCAサイクルで展開し、数値目標の成果も併せて確認しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

●事業計画策定に当っては、法人の中・長期計画や毎年のKFJ多摩の事業計画を盛り込み、園内の各種会議、職員面談等での職員の意見をリーダー会議で確認し、それらの意見等を計画に盛り込んで園長を中心に作成を行い、法人に提出しています。事業計画は各職員に説明し、配付しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

●事業計画は、保護者に対して保育説明会時にパワーポイントや資料でわかりやすく説明しています。必要な情報は、毎月の園だより、クラスだより、食育だより(年4回)、行事ごとのお便り、乳児は日々の連絡帳、幼児は保育記録等で適宜、提供し、さらに口頭でも周知を行うようにしています。例えば、4月の懇談会で、今年はビルメンテナンスの実施、計画内容を伝え、子どもの1年間の成長の姿を示し、良い面も行事計画を含めて伝え、園全体で工夫しながら理解を促しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

●保育内容について、各クラスを中心に年間計画を適宜、期や月に分けてPDCAでチェックを行い、クラス単位でグループ討議を行い、リーダー会議やフリー会議等で集約し、各職員の意見が反映されるよう取り組んでいます。パート職員について、年齢ごとに帰属のクラスを明確にするよう工夫し、報告・連絡・相談ができるように改善しています。全体的に意識は持っていますが、組織の大きさから全ての情報を把握するには難しさもありますが、ミーティングノート(パート職員も閲覧する一番重要なノート)に情報・伝達事項を記入し、始業時・終業時に確認し、情報の共有化を図っています。また、各職員で目標・業務管理シートを年度当初に作成し、各キャリアや担当係で実施する内容も明確にしています。園では保護者アンケートを実施し、利用者満足度を分析し、次年度計画に生かしています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

●明確にされた園の課題に対して、全職員で共有できるよう計画的に全体会議やリーダー会議を実施し、改善策を話し合い、共有しています。改善策は見える化を図り、さらに改善していけるよう見直しも行っています。課題として「サービスの質の向上」のまとめを行い、年1回そのサマリーを報告するようにしています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

●職員には園長の役割と責任を運営規程や職員業務分担表で示しています。新人職員や異動の職員にはオリエンテーションの中で伝えています。保護者に対しては、重要事項説明書で園長の責任を明確にしています。防災についての考え方や避難計画等については保育説明会で周知を図り、地震や台風等に関する災害時の保護者への連絡方法はICT計画(マチcomiメール)に沿って行うよう改善中です。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●遵守すべき法の理解の前提として、人としてしてはならない事を基本に考えています。保育士会の倫理綱領を配付し、遵守を法令順守の大前提としています。コンプライアンスの重点的展開や、川崎市の「保育の質ガイドブック」に明示された事項も遵守しています。「権利(人権)擁護のためのチェックリスト」を多摩区で実施しており、活用しています。KFJ多摩の他事業所に法に詳しい職員もいるので法令について相談できる体制があります。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

●保育の質、専門性の向上に向け、園長は、職員の意欲を高めるためには心の健康による余裕、互いへの心遣いが大切であると考え、「職員の思いを汲まずして園児が職員から大切にされることはあり得ない」の観点で指導を心がけています。さらに、生命にかかわる事故が起こらぬよう、如何なる報告・連絡・相談ができる体制を心がけています。幼児会議、乳児会議、全体会議等を通して保育の質の向上について意見が述べ合える「職員像」であるよう、OJTの工夫や必要な研修には参加できるよう勤務体制を工夫して職員が学ぶ機会を増やすよう努めています。また、園内研修グループを設定し、研修の計画及び実施する等、力を入れています。KFJ多摩なのはな保育園として「サービス向上に対する取り組み実施報告書」を作成し、発信することを大切にして開示する等、取り組んでいます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

●今年度から0歳、1歳児のリーダー、2歳、3歳児リーダー、4歳、5歳児リーダーの各リーダー職を明確にし、クラスの情報や連携がスムーズに図れるようにしています。全体会議に参加できない職員にも伝達できるよう、園長として問題解決のための考えを作成し、文書化して会議で配付及び周知し、職員間で討議や改善が図れるよう指導力を発揮しています。また、職員が従事しやすいよう、体調面等に配慮できるようフリーや看護師を緩衝役として活用し、良い体制ができています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●人材確保・定着について、中・長期計画に人材の確保・定着・育成についての計画を明示しています。園では、キャリアごとの園内の育成計画を作成し、定着率を高める取り組みを始め、キャリアアップ研修に職員の参加を積極的に推奨し、育成を行っています。法人系列6保育園で学年ごとの担当者会議を行い、担当園長が付いて話し合い、学び合いを行い、研鑽を図っています。また、副園長・主任は夜間の勉強会を開催し、研修グループでリトミックと愛着関係について学び、全職員で学び合えるよう取り組んでいます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

●社会福祉法人として職員行動規範を整備し、全職員に配付し、勤務開始時には研修を行って確認しています。人事考課は、目標管理シートを活用して職員の能力向上や職務の貢献を明確にしています。昇給・昇格については運営規程の中で示し、ステージごとのキャリアプランが持てるよう人材育成計画を策定中であり、職員の定着につなげています。中・長期計画の策定時に各職場からも意見を事務局が集約し、園に分配される基準に応じた昇給についても規定を示しています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

●就業状況に配慮し、職員の休憩1時間は100%取れるよう日々ミーティングで共有し、話し合いの時間や休憩時間の保障、育休明けは遅番を免除する等、有給や時間休を取りやすいよう工夫しています。パート職員の雇用時間を増やしたり時間帯を見直し、時間内に勤務が終了しない場合は申告制度にて時間外勤務手当てを支給し、職員間の格差がないようリーダーが時間内に終了できる体制を調整するよう配慮しています。今年度から休暇の取得率を上げる取り組みとして最低5日の休暇の完全取得及びリフレッシュ休暇5日を目指し計画的に進めています。ワーク・ライフ・バランスにより働き方改革も検討し、メンタルヘルスケアも取れ入れ、職員の心身の健康のケアに努めています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●新人職員の育成については今年度、クラス及び数年先輩職員が悩みや共に考えるようパートナー制を導入し、新人職員のサポートを実施しています。これまで休憩時間やシフト勤務で始業就業時間が日々違う体制のため、定着化は難しい状況でしたが、目標管理シートを活用して年2回園長と面接を行い、リーダーや先輩職員とも新人職員の課題を共有して解決を図る等、効果的な人材育成に取り組んでいます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●法人が策定した「職員規範」の中に「期待する職員像」を明示しています。職員は発達コーディネーター資格取得や運動専任の職員育成、キャリアアップ研修等を受講することにより専門技術を習得して保育に生かしています。また、川崎市やその他のキャリアアップ研修を経験年数に応じ、主任が計画的に受講できるように年間計画を職員に示したり、法人としての担当クラス別研修や職種別研修も園長会(6園)として年間で計画しています。中・長期計画に各園からの職員の声を反映して人材育成計画を明確に示し、定期的に中・長期計画も改定を行っています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

●法人で開催する階層別研修や、外部研修に積極的に参加できるよう配慮しています。川崎市、多摩区主催の研修にも職員間で声をかけ合い参加しています。出張をする研修、費用負担の研修等については申請すれば利用できるようにし、シフトも配慮する等、研修機会が持てるよう配慮しています。園内に研修案内のボードを設け、職員自身が希望できるようにしています。個別的なOJTについては現在、見直しを図っています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

●実習生の受け入れは積極的に行っています。実習依頼校との担当者を定め、意見交換を行い、実習期間中の巡回において実習生の課題や良いところを共有しています。現在、実習生受け入れマニュアルは指導する側の項目も含めて改定中です。実習担当者は多摩区主催の「実習生対応の仕方」研修に参加し、効果的な研修ができるよ努めています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

●法人及びKFJ多摩のホームページに事業のサービス内容・情報を網羅して公開し、保護者のみならず職員採用等にも活用しています。第三者評価受審計画、苦情解決第三者委員について明文化し、受審結果は改善点も含め公表しています。子育て支援事業の一時保育では区役所の保健師と協働で保護者のレスパイトケアや園児の発達保障に貢献しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

●内部の監査・外部の監査(KFJの監査、公認会計士の監査)を定期的に受けています。実施については各自の責任を明確にして実施すると共に監査結果及び指摘項目は職員に周知し、園全体で改善に努めています。全職員に周知すべき内容と個人情報の保護、双方の観点から権限・責任分担を職員会議で職員分担表に沿い周知しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●法人の基本理念に「地域に根ざした施設運営」を掲げています。特に、KFJ多摩では直接利用者をお預かりする保育園、障害者施設の他に一般開放目的の児童館(すかいきっず)、学童保育(わくわくプラザ)を擁し、地域と密着した施設です。保育園の地域との交流ではボール遊び(Uさん)、読み聞かせボランティア(読み聞かせグループ mendori)、地域の方に向けたKFJ多摩まつり、KFJ多摩内の他事業所との交流、近隣保育園(稲田保育園、丸山幼稚園)との交流、介護老人保健施設遊花園、区役所主催のイベントへの保育士派遣等、地域貢献(園庭開放、イベントの開催など)や園見学から一時保育の利用につなげています。また、園庭開放や行事には小規模保育施設の園児も受け入れています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

●ボランティア受け入れは、実習見学マニュアルの中にボランティアの内容を含めて整備しています。次世代育成を支援できるよう体制を整え、近隣大学の心理学の学生も年間を通して受け入れています。継続的に地域の方によるボールを中心とした運動遊び、読み聞かせボランティアが来園し、子どもも楽しみにしています。ボランティア受け入れについては保護者にも意義を伝えています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

●地域の社会資源についてリスト化し、活用するようにしています。特に、KFJ多摩は複合施設であり、障害、学童の分野の社会資源も活用できています。関係機関・団体とは密に連絡を取り合い、地域の課題解決に向けた取り組みを行っています。取り組みに関しては職員会議、ミーティング、回覧等で職員間に周知しています。他に警察署、消防署、幼保小の関係施設、多摩区役所、地域療育センター、児童相談所と連携を取っています。区役所が主催する登戸ミーティングにも参加して連携しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●地域のニーズの把握では、園庭開放、「ママとあそぼうパパもね!」、一時保育、休日保育等を通してニーズを把握しています。また、園行事での音楽会や獅子舞、節分などに地域の方の参加を促し、区役所、各公立・民間保育所、幼保小連携会議や連携交流事業に参加し、情報交換等により地域のニーズを把握しています。KFJ多摩の運営会議や地域の会議等に参加し、地域住民や近隣の保育園へ園庭開放を実施し、地域の情報を得る機会を持っています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

●地域支援の年間計画を作成し、地域支援に力を入れて展開しています。離乳食講座、園庭開放、講師によるふれあい遊びの会等を開催し、地域の子育て親子に参加を呼びかけています。また、KFJ多摩全体の行事として、KFJ多摩まつりは職員と町会子ども会と連携して実施し、地域コミュニティの活性化に貢献しています。KFJ多摩1Fなのはな保育園にAEDを設置し、近隣に使用できることをお知らせしています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●子どもを尊重した保育を実践し、人として人と接する倫理感を重要視し、全国保育士会保育士倫理綱領を配付し、職員は遵守しています。保護者に向けても理念・保育方針・全国保育士会保育士倫理綱領を配付して話をしています。川崎市には子どもの権利条例があることを理解し、人権について職員間で考え・学ぶ機会を設けて共通理解を図っています。園では、「子どもの権利」研修チームも設け、研鑽を図っています。昨年度から全国保育士会の人権チェックリストを用いて、一人ひとりの子どもを尊重し、寄り添い、適切な関わりとなるようセルフチェックや討議を実施しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

●運営方針の中でプライバシーの保護について示し、子どもの個人情報、児童票等は鍵の掛かる書庫に格納し、保管することを徹底しています。男女の性に対する対応(主に4歳、5歳児)について、看護師がプライベートゾーンについての研修を行い、職員間で共通理解をしています。プール時はパーテーションで区切って男児・女児分かれて着替え、排泄に失敗した際の対応、おむつへの履き替え等、子どもの羞恥心、子どもの人権に十分配慮しています。男性保育士の心得などを含めた集団生活におけるプライバシー保護のマニュアルの整備は今後の課題です。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

●保育園のパンフレットは多摩区役所児童家庭課に置いてあり、保育園展の際も園のパンフレットを配付しています。園見学については、ピーク時には入園希望者に対して週2回の見学対応を行っています。一時保育、休日保育の面接の際にも施設内を案内しています。パンフレットの見直しも定期的に行い、最新の情報が分かるようにしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

●保育園自体及び法人内の方針による保育内容の変更については、開始時または変更時に説明を行い、重要事項説明書も変更しています。川崎市等行政の変更については都度、文書等で周知しています。配慮の必要な子どもについては家庭の意向も含め、必要に応じて個別に対応しています。また、入園説明会では写真やパワーポイントを活用して保護者に分かりやすく工夫し、説明しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●入学や転園等の手続においては区役所や転園先に委ねていますが、重要事項説明書でも説明のうえ、入学時には保育所保育児童要録の送付や転園であっても必要があれば伝えることを確認しています。但し、個人情報を考慮し、保護者の承認、他市区町村関係を鑑み、保護者の同意のうえ行います。卒園児にも就学先の授業参観や懇談会に参加し、なめらかな小学校への接続ができるようにしています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●入園時に、安心して保育を受けていただけるよう、保護者に意見を遠慮せず述べてもらえるよう説明しています。第三者評価の年度以外は毎年、利用者満足度調査を実施し、行事ごとや保育参加・参観時にアンケートを行い、意向等を把握しています。利用者満足度調査で不満足の結果があった場合は、職員間で改善策を探り、改善結果を園だより等で知らせています。また、懇談会、個人面談、保護者会等、家庭との連携の中で意見を聞き、説明や改善を行うよう努めています。園には保護者会があり、園長が毎回役員会に出席し、文化委員は行事についての役割を担っており、保護者役員の会にも出席しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

●苦情解決の仕組みについては重要事項説明書内に記載し、第三者委員名も明示しています。苦情解決の体制については掲示し、重要事項説明書、入園のしおりへも記載し、苦情ファイルやホームページでも公表しています。利用者満足度調査については匿名アンケートを実施し、意見を述べやすいよう配慮しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

●職員は日々のあいさつに心がけ、保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、入園のしおりに相談窓口を明示しています。玄関の掲示板に苦情に関する掲示を行い、周知できるようにしています。保護者から相談や意見を受けた場合は、速やかに適切な職員が対応し、相談室を活用してプライバシーにも配慮しています。必要があれば苦情についても匿名にして改善内容も含め、全体帯が見られる場所に掲示したり、園だよりでお知らせしています。また、パートを含め全職員に苦情解決の記録をまとめ、周知しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

●苦情に対しては、園長が状況をまとめ、迅速に対応しています。苦情解決の仕組みと流れ、手順のマニュアルを備えていますが、マニュアルの内容についてさらに検討していく予定でいます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

●リスクマネジメントについては、日々、季節・年齢ごとの危険を保育の計画の中に明記すると共に近隣で起きている事件や気象などはKFJとして、また法人として共有して対応しています。園内でのケガや事故、現場検証、事故報告書やヒヤリハットは園長、看護師、主任、各クラス職員で検証し、再発防止に努めています。1年間の事故・ケガについて看護師が統計を出し、時期・季節により起こりやすい事故やケガについて検証し、保育につなげるよう予防に努めています。毎年、外部講師を招き、全職員で救命講習を受講し、緊急時に備えています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●感染症の予防、蔓延の防止について、感染症マニュアルを整備し、感染症種類による登園停止などについて文章を作成し、保護者に配付し、流行時、園内感染時は掲示して注意喚起を行っています。看護師より定期的にアクションカード(色カードを使って分担を決めている)を用い、嘔吐処理の仕方や感染症についての対応など勉強会を実施しています。保育室は加湿の管理、玩具の消毒を実施して蔓延防止に努めています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

●災害時に関して、建物の安全性は震度7に堪え得るとのことで地震では内部避難が原則ですが、多摩川が近いこともあり、津波や台風での浸水等の場合は4階のすかいきっずに垂直避難することにしています。水害に対する体制は全館共通の災害マニュアルがあり、共通対応しています。備蓄リストの作成は災害マニュアルに入れ込んでいます。ICT推進による危機管理体制の変更や伝言ダイヤルの活用法について検討しています。KFJ多摩として9月と3月の年2回、消防署と連携した総合防災訓練を実施しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

●標準的な実施方法については、事業計画、マニュアル類、OJTノート等で標準化を図っています。各クラス内の職員同士での話し合いができるよう調整し、共有して保育にあたれるよう適切に実施していますが、より深く探る保育の学びについての討議や当たり前を見直す保育、保育指針の改定による変更点についてリーダーを中心に話し合いを実施していく方向で進めています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

●見直しは、事業計画、OJTノート、マニュアル類の見直しを定期的に実施し、事業計画の見直しは、各クラス別保育の年間計画、期、月、週の指導計画作成時において実施し、マニュアル類の見直しについては期末に「変更なし」を含めて見直しを行い、定期的に適切に行っています。また、行事についても係を中心に見直しを実施しています。自己評価は、全体的な計画、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」に応じて行い、職員間で必要に応じて助言や援助をしながら人材育成も含めた検証も実施しています。経験の浅い職員に必要に応じて伝えながら反面形骸化せず、創意工夫も大切にする職員間の連携に多くの時間を要しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

●保育士・看護師・栄養士が連携し、アセスメントに基づく指導計画の策定を行っています。給食は給委託会社と業務委託していますが毎月、給食会議を実施して食育計画に基づいて給食を提供し、個別配慮ができています。指導計画は、保育説明会、クラス懇談会等で保護者に内容を伝え、同意を得ています。発達に支援の必要な子どもに対しては、加配を付け、パート職員の活用を含め職員体制の検討を継続していく予定です。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

●各クラスの指導計画の見直しの時期や方法について定め、適切に実施しています。立案したものは必ず園長、副園長、リーダー等が関わり、手立てを共に考えて実施しています。障害児や重篤な除去食児が入園する場合も想定し、マニュアルの整備体制を整えるよう検討していきます。指導計画の評価・見直しでは、クラス担任同士の話し合い、フロア討議等に十分に時間を設定して話し合っています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

●児童票は、川崎市の公立園の様式を法人の園長会で改定して作成し、活用しています。職員数、児童数共に人数に応じて情報量が多く、必要な情報が洩れないようファイルリングを行い、回覧をチェックする等、整備に努めています。保育記録、観察個人記録については、子どもをよく観察し、個々の発達を理解して一人ひとりの子どもの心の動きをキャッチできるよう、個別指導しています。行事や各クラスのカリキュラム等は、前年度の内容を常に閲覧できるよう設置し、参考にできるようにしています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

●個人情報の不適正な利用や漏洩に対して、多用の業務を実施する中でリスクを避けるよう注意喚起をしています。個人情報の記録、カメラや情報媒体等は必ず事務室の鍵付きロッカーに各自保存し、始業時・終業時に当番が施錠を確認し、管理しています。個人情報の取り扱いについては、重要事項説明書に記載し、保護者へ説明を行い同意を得ています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

●毎年、各クラスの年間反省の中で検討し、見直しを行った内容を職員はパートさんを含め、全員の個人反省を園長が集約し、園内の全体会議で周知して討議し、反映し、法人内の6保育園の副園長が集まり見直しをしています。地域性を加味し、職員の声も含め、園長・副園長で話し合い編成しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

●園児が多く、一人ひとりの寛げる空間の確保が難しい面もありますが、各保育室、図書コーナーにパズルマットコーナー等を設けて自由にリラックスできるよう配慮しています。子どもの安全面や成長発達を考慮し、机やコットの見直しを行い、衛生管理に努めながら心地よい生活ができるよう配慮しています。手洗い場・トイレについては、幼児クラスでは現在水道の下をリフォームして衛生環境を改善予定です。トイレに行く時は必ず職員に声をかけてから行くように伝え、危険のないようにしています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

●園の構造上、2階と1階にクラスが分かれており、フロアごとの情報共有はできていますが、フロアを越えた情報の共有は11月より週リーダ-会議を毎週木曜日に設定し、週案を確認し合うことで戸外活動の充実や伝達漏れ防ぐよう改善を図り、情報の共有化を進めています。職員は、一人ひとりの子どもの気持ちの表出を認め、受容を心がけて保育に当っています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:b】

●「個」の尊重、「個」への対応を大切にしながら、生活習慣を身につけられるよう援助しています。生活習慣の進捗を把握する表を活用し、子どもの一人ひとりの発達に合わせて進めています。生活習慣について家庭からの持ち物も含めクラスが替わるごとに戸惑うことの無いよう、年間反省を通して全職員で細かく検討しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

●保育環境については、園庭では四季が感じられる桜や柿、ドングリの木が直裁され、アスレチックを撤去して広さを確保し、可動遊具を使った運動遊びや、乳児が安心して探索する等、活動内容の幅を広げ、環境を整えています。室内遊びでは、乳児・幼児共に年間計画に沿い、各行事・季節ごとに担任が環境の見直しを行い、乳児は自由に出し入れできるスペースの改善に取り組み、子どもが自分で遊びを選べるように工夫に努めています。地域との交流では、子育て支援事業での園庭開放で地域の子育て親子や他園の子どもたちと交流の機会を積極的に設け、近隣の農家の協力により梨狩りや芋ほり等を体験し、地域のボランティアとの交流や、小学生・中学生の職業体験、大学生のボランティアの受け入れにより、地域の様々な人と接する機会を設けています。今年度から登戸町会の「二ヶ領用水へのこいのぼりを飾ろう」に年長児が参加しています。稲田保育園、丸山幼稚園の園庭を利用させてもらう等、散歩先も増えています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●0歳児については基本を愛着関係の形成に置き、特に、0歳児を中心に今年度は「あたりまえを見直したら保育はもっとよくなる」(足立区立園著)を参考に園の保育の見直しを実施し、日常の保育を見直す取り組み、一人ひとりの生活リズムを大切にしています。また、保護者との日々のあいさつを基本に連携を密にし、連絡帳やおたよりで園と家庭との情報を共有しています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●自我の芽生えが噛みつき、引っ掻きにつながらぬよう、小人数グループにしてゆるやかな担当制の基、細やかに対応できるようにしています。1日1回は外に出て自由に遊び探索できるようにしています。担任は十分に子どもと関わり、日々の会話・連絡帳等で園での姿や発達の様子を保護者に丁寧に伝えています。園長・副園長・専門職は担任と共に考え、保育や支援のサポートを行う体制を設け、保護者が担任と話せる時間が持てるよう配慮しています。異年齢グループでの活動や地域の方々やボランティアとの関係も大切にして社会性を育んでいます。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●幼児各クラス27名の集団には支援の必要な子どももいる中で、人員の最低基準は満たしていますが2名担任体制では一人ひとりの子どもの思いを十分に汲みながら保育に当る状況は難しい面もあります。3歳児では、期の前半は2グループ制や職員をプラス1体制を行い、幼児クラスとしての生活に楽しんで過ごせるよう、ままごとなど日々繰り返して遊べるコーナーあそびのスペースも設定していますが、個別の関わり、1人になれる場所の確保について課題とし、今後改善の検討をしていく予定でいます。5歳児の保育室には「サイの部屋」を設け、子どもが落ち着けるスペースとして活用しています。3歳以上の保育については養護と教育の一体的展開の中で「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を意識し、保育指導要録、卒園前のアプローチプログラムにつなげています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●障害や支援の必要な子どもの保育に関して「元気の出るカンファレンス」を実施し、障害児の保育について今までの知識だけでなく、新たに研修を受講した職員から、研修報告書として文書を回覧し、知識の共有を図っています。保育について、先ず保護者が子どもの姿を理解し、子どもと関われるよう丁寧に保護者の気持ちを受け止めることを大切にし、発達コーディネーターが「しゃべり場」的な取り組みを検討しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●長時間保育に配慮し、家庭的に過ごせるよう人的環境を整えるよう努力しています。保護者とは引き継ぎ表を用いて、登園からお迎えまでの子どもの様子を保護者に伝え、連携するようにしています。1日を通してどの時間も子どもが主体的で自由に過ごせるよう、職員間で意識を統一していけるよう話し合い、子どもの安全を第一に保育に当っています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

●幼保小の連携会議に参加し、就学に向けて小学校と連携を図り、保育所児童要録を基に引き継いでいます。卒園児の就学先には授業参観や懇談会にうかがい、様子を確認や伝達したり、小学校教諭が研修に来園し、子どもの発達の姿を見学する等、連携しています。また、年長児が小学校に遊びに行く機会や小学校の高学年との交流、給食体験等、小学校への期待や見通しが持てるよう機会を設けています。特に近隣の宿河原小学校、登戸小学校との連携があります。保護者に対しては、学童保育わくわくの説明や小学校の情報を提供し、保護者の安心につなげています。今後、学童保育わくわくの職員にも保護者の同意を得た上で、保育所児童要録に基に引き継ぎを行う予定にしています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

●子どもの健康管理に関するマニュアルを備え、職員にマニュアルを配付し、必要に応じて看護師から講義を受け、子どもの健康に関して周知を図っています。保護者に対しは保護者説明会で年間保健計画を配付し、子どもの健康管理について伝えています。保護者から疑問・質問等があった場合、看護師が個別に対応しています。SIDSに関して、職員、保護者へ情報をプリントして配付を行い、うつぶせ寝等の事故について啓発し、定期的に確認しています。子どもの健康に関する情報はいつでも見られる場所に置き変更があった場合は職員に伝えて速やかに差し替え、リストにし、会議等で情報を共有しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

●定期的に健康診断、歯科健診を実施しています。健診の結果や歯科健診の結果は看護師及び担任が把握し、記録を残しています。継続して観察すべき内容は次回健診で結果報告を行っています。また、保育中に気になる様子が見られれば、健診を待たずに園医へ連絡をして確認をしています。保護者の方には、すこやか手帳や連絡帳に記録を行い、結果をお知らせしています。健診で指摘があった場合は個別対応を行い、かかりつけ医の受診を促しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●アレルギー・除去食対応については、栄養士・看護師・担任と丁寧に情報を共有し、慎重に確認し、対応について一覧表にして全職員に周知しています。給食提供までに献立を厨房と確認し、給食提供の時に除去内容に応じてトレイの色を変え、食札に記載している内容を職員間で十分に確認し、誤配膳、誤食のないよう徹底しています。家庭とは栄養士・看護師・担任で情報を密に伝え合い、連携して進めています。職員は、食物アレルギーに関する研修に参加し、受講後は伝達研修を行い、知識を職員間で共有しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

●給食会議を定例で行い、喫食情報等の共有を行い、子どもが楽しんで食べられる工夫について話し合っています。離乳食や入園間もない家庭には担任や栄養士との何気ない会話から食に関して聞き取り、支援や指導につなげています。乳児については、離乳食から乳児食に移行する時は一人ひとりの発達に合わせて丁寧に対応しています。幼児は行事食を楽しむ機会を設け、四季の旬の食材を味わい、行事に関わる話から食への興味につなげています。食のデザートは食事と同じタイミングで提供し、で好きな物から食べて良いようにしています。個別支援の子の家庭とは園全体で、保育士、看護師、栄養士給食業務委託職員も含め全体で討議し、保護者と密に関わり、年長になるまで大きなスパンで見通しを持ち、毎年、全体で確認する取り組みをしています。給食の盛り付けは規定量の盛り付けとし、子どもの自己申告で減らすよう対応し、完食を味わえるようにしています。食育計画を作成し、食育計画は家族にも配付して家庭での食育につなげています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

●献立については川崎市の献立を活用しています。各担任及び栄養士、園長は日々検食を行い、子どもの喫食状況を把握して給食室に状況を伝え、残菜量を把握し、園長の検食簿、クラスの喫食簿より献立の2サイクル目の調理方法(味付け、出汁、切り方、盛り付け方など)を工夫しています。衛生管理については委託業者の衛生管理マニュアルに基づき適切に行われています。季節の献立を取り入れ、七草がゆ、鏡開き、お月見の団子など日本の行事を知ってもらえる工夫もしています。委託の業者と連携を図り、保育士の意向を中心に考えて提供し、給食室の消毒についても栄養士が点検及び管理して安全・安心な食の提供に努めています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

●家庭との連携では、連絡帳、おたより、クラス懇談会、個人面談等の機会を通して保育内容、子どもの様子を伝えています。特に0~2歳児までは連絡帳で家庭とのやりとりを丁寧に行っています。送迎時には子どもの姿、日々の楽しいエピソード、節目の行事等での子どもの成長等を共有していくようにしています。また、連携を通して保護者が発する声をキャッチし、子育ての楽しさや大変さを共有するよう心がけています。さらに、ICTの推進を通して、職員が保護者に関わる時間を増やすよう工夫しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

●栄養士・看護師・保育士がいる保育園の特性を生かし、保護者へ生活リズム等の指導を行い、送迎時間後の時間でも必要があれば面談時間を設けるようにしています。また、子どもの姿を伝え合う中で、子どもの育ちを感じられるように心がけています。保護者が子どもの姿や育児に対して不安や疑問を感じた時に、保護者が安心できるような関わりに配慮しながら、様々な選択肢や一人ひとりの育ちがあることを伝え、自己決定していけるよう支援しています。園には川崎市で6回の研修を受講した発達相談支援コーディネーターが在籍し、クラス担任やフリーとして保護者の自己決定のアシストを中心として活動を行っています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

●虐待について、虐待防止マニュアルを整備し、職員に配付してマニュアルに基づいてパート職員へも今年度から研修を実施しています。虐待チェックリストの他、昨年度より園独自に「保育所・認定子ども園における人権擁護のチェックリスト」を実施し、各職員、園全体で子どもの人権に配慮した保育の実施について討議し、川崎市の「189」を率先して実施できるよう体制を整えています。11月20日の「子どもの権利の日」には園内ポスターを貼り、周知しています。また、「虐待により脳が委縮する」についてのプリントを職員に配付し、個別ケースの家庭での虐待事案等を基にレジメを作って回覧し、早期発見について周知しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

●園活動として週、月、期、年の単位で指導計画について自己評価を行い、次のカリキュラムの立案へつなげています。全園児を全職員で見ていることを確認し、その意識を持って保育に当っていますが、個別のケース内容が分かり難いことを考慮し、次年度に向けて全職員でケース検討の取り組みを考えています。個人別の目標管理については法人として目標管理シートや人事考課等のシステムがあり、職員自身の振り返りができるよう仕組みを構築し、改善につなげ、より良い保育、質の向上につなげています。