RDP横浜
第三者評価機関名 | 株式会社 R-CORPORATION |
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名称 | RDP横浜 | 評価対象サービス | 2021 障害者・児福祉サービス版 |
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対象分野 | 自立訓練(生活訓練) | 定員 | 20 名 |
所在地 | 〒221-0841 横浜市神奈川区松本町4-28-16弘津ビル2F |
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TEL | 045-595-9867 | ホームページ | http://rd-project.org/ |
【施設・事業所の概要】 | |||
開設年月日 | 2015年06月01日 | ||
経営法人・設置主体(法人名等) | 特定非営利活動法人RDP | ||
職員数 |
常勤職員:2 名
非常勤職員:6 名
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専門職員 |
サービス管理責任者:1 名
社会福祉主事:1 名
調理師:2 名
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施設・設備の概要 |
居室:訓練・作業室
設備:事務室2室
設備:相談室
設備:厨房
設備:休憩室
設備:トイレ
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<理 念> 病気である依存症からの回復支援 【ミッション】(使命) アルコールや薬物、ギャンブルなどの依存症で苦しんでいる人々に回復のためのツールを提供し、有意義で生産的な生活を取り戻し、社会に貢献できる人材を育成すること。 <基本方針> 【バリュー】(価値観) ミッションを実現するためにこれらの価値を大切にする。 開かれた心・愛・忍耐・寛容・勇気・信頼・誠実・思いやり・多様性・責任・一体性を大切にする。 【ビジョン】 私たちが影響を与えるすべての人が有意義で生産的な生活をおくれるように目指す。 |
<RDP横浜の特長的な取り組み> 1.依存症からの回復を支援する通所施設として、リカバリー・ダイナミクス®という12ステップを学ぶプログラムをメインとしながらも、その他、様々なプログラムを通してアディクションに頼ることなく社会生活が送れるようになるための支援をしています。 2.利用者の希望や要望を聴いたうえで、話し合いを行うコミュニティー・ミーティングを週1回行い、プログラムに集中して取り組める環境作りを心掛けています。 |
評価実施期間 | 2021/11/10(契約日) ~2022/03/17(評価結果確定日) |
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受審回数(前回の受審時期) | 初 回(年度) |
特に評価の高い点 | 【RDP横浜の概要】 ●RDP横浜は、特定非営利活動法人RDP(以下、法人という)が運営する、障害分野に所属する「指定障害福祉サービス事業所」です。事業に「安心して受け止めてくれる施設」とし、法人は経営主体を、RDP横浜は自立訓練(生活訓練)事業所及びデイケア(通所施設)を実施し、それぞれの役割を明確にして別組織として運営が行われています。RDP横浜の訓練・作業室は、東急東横線「反町」駅、もしくは横浜市営地下鉄ブルーライン「三ッ沢下町」駅より徒歩5分程度の旧東海道沿いのビル2階に位置しています。 ●RDP横浜は、アルコール、薬物、ギャンブル等の依存症で苦しんでいる人々の回復支援に尽力しています。依存症は慢性疾患と同等であり、治る病気を治す為に「受容と共感」に基づいた適切な治療と、回復支援(リハビリ)を必要とします。RDP横浜では、「リカバリー・ダイナミクス®」という12ステップを学ぶプログラムを主体に、他各種プログラムを活用し、支援しています。事業所の職員には、RDP横浜の修了生もおり、講師もOBを起用し、OBはいずれかの自助グループ(依存症の種類別)に所属しており、同時にその人自身の再発防止の意識付けにつなげています。 ◇特に評価の高い点 1.【エビデンスが蓄積されている「12ステップ」プログラムを主とした回復支援】 ●RDP横浜依存症回復センターはアメリカで開発された「リカバリー・ダイナミクス®」プログラムのライセンスを社団法人セレニティプログラムより認可を受けた、日本におけるモデル施設として認められた事業所です。利用希望者には2か月間の見学期間を設け、基本的に依存症から回復したいという動機が確認できた人が回復のプログラム「12のステップ」を共に学習していきます。また、「リカバリー・ダイナミクス®」プログラムを補足、強化をするために、週1回の個人セッション、ビッグブックスタディ(RDの基礎を輪読)、12の伝統セッション(自助グループが目指す方向性の指針を学ぶ)、12ステップミーティング(経験の分かち合い)等を行い、その他にも月2・3回のヨガ、エンパワーメントプログラム、マインドフルネス、レクリエーション、調理教室等、エビデンスを基に回復していくための土台作りを目指したプログラムを提供しています。利用者は、日中はプログラムのセッションを仲間と互いの苦労を分かち合い・助け合いながら学び、必要に応じて法人が運営するナイトハウスを利用し、日々の生活サイクルの中で自分自身が変わっていく感覚を実感しながら進めています。修了後も依存症の種別ごとの自助グループに属し、継続して再発防止に努めていきます。RDP横浜は、各個人に応じた適切なケアとサポートにより、かつて本人自身が望んだ生き方や、それ以上の生き方ができるよう回復に向けて支援を行っています。 2.【依存症家族教育プログラムの推進】 ●当事者自身の苦しみもある反面、依存傾向が強まると社会生活に問題を起こす状態や家族間でのトラブルが増加する傾向となります。様々な問題行動に対応してきた家族等は、心身共に困惑・疲弊し、的確な判断とそれに伴う対応が難しくなっている現状があります。RDP横浜では、家族等も教育プログラムに参加してもらい、依存症を病気として認識し、正しい知識と適切な関わり方を身に付け、孤立や不安を軽減し、落ち着いた健康的な生活を取り戻せるよう支援しています。家族等も治療に参加することで、当事者の回復と家族自身が改めて自分の生き方を問い直し、家族自身と当事者の間に適切な境界線が引けるよう、また、新たな関係性を築くことを目指し、教育プログラムの推進を図っています。 3.【依存症再発防止への対応】 ●依存症は病気であり、施設長、サービス管理責任者は、依存症は完治する病気ではないため、セルフケアを継続していく必要性を説いています。その為には、自助グループ組織への参加、RDP横浜を修了後もOBとして関わりを絶やさないことも依存症再発防止への対策の一環としています。再発した場合は、基本的に医療機関に入院し、体調面を回復させると共に、安全な場所で自身の振り返りを行い、本人、主治医、看護師、ケースワーカー、行政担当者、RDP横浜の担当職員、場合によって家族等も含め、関係者会議を行い、利用者が望む将来像を達成するために、どのような支援が望ましいかを検討し、一人ひとりの回復に向けて尽力しています。 |
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改善を求められる点 | ◇改善が求められる点 1.【市中の依存症に苦しむ人たちの支援について】 ●RDP横浜での「リカバリー・ダイナミクス®」のセッション参加者は、自分が依存症であることを認め、依存症が病気であることを理解し、病気から回復したい意思を持って参加している人たちです。しかし、市中には、依存症が病気だと思っていない人、依存症からは回復できないと思っている人等、誤った認識を持っている人が少なからずいますが、実際には適切な治療とリハビリを行えば、回復が可能な多くの対象者がいます。また、依存症という病気の特徴として、単に本人が苦しいだけではなく、家族、周囲(知人)の人達も苦しみを抱え込んでしまう傾向があります。この多くの人たちを RDP横浜だけでカバーしていくには限りがあります。RDP横浜は、横浜市精神障害者地域生活支援連合会(以下、市精連という)にサービス管理責任者が理事として参加していることを踏まえ、行政、他のリハビリ施設、自助グループとのネットワーク化を一考し、進めていかれることを期待いたします。 2.【利用者が居住できる住宅問題について】 ●RDP横浜での修了者は、その後の生活拠点の確保が課題として挙げられます。家族教育プログラムにより家族等との新たな関係性を築くよう教育に尽力していますが、基本的に家族間の関係、知人等との関係の修復には時間を要することも多く、その場合、自立するためにアパートを借りる際に保証人になってもらえないこともあります。最悪の場合は依存症に後戻りをしてしまうことも懸念されます。現在、RDP横浜の寮として3軒(12部屋)を保有していますが、維持費の問題等、厳しい現況を鑑み、これらに対応すべく環境整備のネットワーク化や、寄付を募る工夫を進めていかれることを期待いたします。 |
施設名: RDP横浜 <評価(自己評価等)に取り組んだ感想> 今回、初めて第三者評価を受審させていただきましたが、障害者回復支援施設として、普段我々が提供している支援の中でも、特に高い意識を持って取り組まなければならない「支援の本質的なもの」とはどういうものなのかを再確認ができたこと、そして、そのことを職員全員で合議する機会が持てたことは、とても有意義なことだと思いました。 また、普段我々が行っている支援を、我々とは違う俯瞰した第三者の視点を持って評価してもらったことは、自己満足、慢心、盲点、或いは視野狭窄に陥らない為にも、大変重要なことだと感じました。 さらに、利用者さんに対してアンケートを行ったことで、通常我々は支援をする側で、利用者さんはサービスを受ける立場という関係性で推移してきたわけですが、今回は逆の立場で、利用者さんから我々を評価してもらったことで、「適切な支援というものは、支援者側が正しいと思って提供するものだけでは不十分で、常に利用者さんから学ばなければならない」ということも再認識することができました。 <評価後取り組んだ事として> 1.これまでは行って来なかった、職員研修を受けた際の記録、共有、実践に移すための取り組みを、やれることから始めました。 2.各種マニュアル(緊急時対応、感染症対応、苦情解決、虐待防止、事故発生時対応等)の見直しと、それに伴う改定。 3.フェーズ制(当施設は利用者さんの成長に合わせた段階制を活用しています)の見直し。 4.これまでは職員がフェーズUPを判断してきましたが、利用者さんの申告制に変更し、利用者さんも加えたエンパワーメントを行った上で、フェーズUPをしていく方針に変更することに着手しました。 |
詳細評価PDF | 詳細評価PDF |
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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。 |
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【第三者評価結果:a】 理念を「病気である依存症からの回復支援」とし、施設の「ミッション(使命)」、「バリュー(大切にしている価値観)」、「ビジョン」を特定非営利活動法人RDP(以下、法人という)が明文化し、施設内での掲示やホームページに掲載し、RDP横浜の職員や利用者、訪問者や見学者へ周知をしています。また、依存症家族教育セミナー等でも施設長から説明を行い、周知しています。 |
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。 |
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【第三者評価結果:a】 サービス管理責任者は、アルコール薬物施設連絡会等、各種関連団体会議、市精連に参加し、事業全体の動向の把握に努めています。法人の理事は厚労省の分析を行う他、各種福祉事業動向、社会全体の動向把握に努めています。また、薬物に関するデータを基に発表も行っています。開所以来、利用者や提供サービスについての定量・定性データの収集・分析も継続して行っており、月次・半期・年度でのサービスコスト分析や福祉サービス利用者の推移、利用率の分析も行っています。秋の関係者、支援者向けセミナーではRDP横浜のプログラムを受講した利用者の経緯を、良い面も悪い面も含めたデータ分析結果を発表し、利用者の満足度も発表しています。 |
【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。 |
【第三者評価結果:a】 毎月、理事会と職員会議で会計報告及び理事会報告を行い、具体的な課題や問題点の明確化を図り、周知しています。法人役員、RDP横浜の職員間で共有を図り、収支の改善に向けて具体的な取り組みを進めています。法人理事は5名、監事は1名とし、理事会にはRDP横浜のマネージャーの2名(内1名はサービス管理責任者)も参加して情報を共有しています。 |
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。 |
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【第三者評価結果:b】 施設全体の運営理念「病気である依存症からの回復支援」及び、基本方針の「ミッション」・「バリュー」・「ビジョン」の方針は全体で共有されています。具体的な中・長期計画も理事会及び職員会議で協議していますが、具体的、数値的な目標の策定はこれからの検討課題となっています。依存症の病態として、親との共依存の関係が著しく、回復のためには距離を取る必要があり、そのためには利用者が家族から離れて居住する寮の維持、運営が必要となっています。また、就労の施設も必要なことから、法人ではグループホームの建設・運営及び、就労継続支援B型事業(B型作業所)の運営、建設を考えていますが、未だ構想段階でもあり、実行計画化が望まれています。 |
【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。 |
【第三者評価結果:b】 中・長期計画(構想)に沿い、単年度の事業計画書と予算案を毎年作成し、毎月の理事会で評価し、半期ごとに見直し、次年度案のために検証しています。但し、構想段階のものは検討するに留まっており、現状の事業計画書と予算案は、RDP横浜の主活動計画が中心となっていますが、ナイトケア(寮)のグループホーム化や就労できる場の提供等、構想部分の具体化が課題となっています。 |
【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。 |
【第三者評価結果:a】 前述のとおり、法人での経営・運営とRDP横浜の事業の機能を分け、法人では運営、経費・渉外等を担当し、年次総会で事業計画の周知後、予算・実績比での追跡ができており、実施状況も理事会報告を通して評価しています。 |
【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。 |
【第三者評価結果:a】 法人は特定非営利活動法人であり、ホームページで予算・決算報告書等を公開しています。事業・サービスの特性上、利用者や家族への全体的な周知には取り組んでいませんが、個別の面談や施設ミーティングで必要に応じて情報提供をしています。 |
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 |
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【第三者評価結果:a】 職員会議で現状分析(C)反省(A)及び行動計画立案(P)を行っており、月1回の理事会で業務評価(D)を行い、職員会議にフィードバックを行う、というPDCAサイクルを制度化して実施しています。 |
【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 |
【第三者評価結果:a】 理事会での評価結果やそれに基づく改善策を、理事会及び職員会議に上げ、決定し、理事会議事録、職員会議議事録として文書に残し、課題を記録し、共有化しています。 |
評価対象Ⅱ 組織の運営管理
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 |
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【第三者評価結果:a】 理事長は、自らの役割と責任を運営規定(第4条)に明記し、機関誌「SERENITY」に巻頭で表明しています。職員に対しては、今年度より処遇改善に向けた取り組み(キャリアパス等)に沿った階層別職階職務表を作成し、役職給等も取り入れ、取り組みを開始しています。賞与は決算賞与を含め3回支給しています。有事の際の指示系統は、消防隊組織図に代行責任を含め、明確に明示しています。 |
【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 一般の法令遵守は云うに及ばず、現行の障害者総合支援法及び関連諸法令に従った施設運営、利用者契約、支援を行っています。環境面でも事業ゴミ分別を遵守してゴミを最小限に減らし、毎日清掃活動を行う等、横浜市の3R夢(一般廃棄物処理計画)やSDGsを意識した取り組みを行っています。相談できる弁護士や「命の電話」対応者との関係性もあり、必要に応じて相談しています。 |
【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。 |
【第三者評価結果:a】 福祉サービスの質の向上については、毎週の職員会議及び毎月の理事会で具体的な取り組みを行っています。職場改善委員会に相当する論議は理事会の中で行っています。また、年数回、各職員と理事との面談を行い、課題の把握・改善に努めています。 |
【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。 |
【第三者評価結果:a】 経営の改善に関しては、法人理事会の所管事項としており、ここで云う管理者とは理事長兼施設長を指します。理事長は、経営状況について、毎月、法人顧問契約の会計事務所の担当者にチェックしてもらい、理事会で把握した財務状況を報告しています。理事長は経営面を維持し、RDP横浜のセッション等の活動はサービス管理責任者の責任で推進しています。 |
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。 |
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【第三者評価結果:b】 福祉人材の確保に関しては、「リカバリー・ダイナミクス®」RDP横浜のプログラムの修了者が支援員として従事しています。RDP横浜では、当施設のプログラム全行程の修了者に、施設ボランティアや職員実習を一定期間経験してもらい、期間終了後に職員として従事する等、人材育成の基本方針を設けています。以前は、セッション修了後、1年位は他で就労を支援していましたが、現在は相乗を図る面においてもこの方針としています。利用者が自助グループに参加しつつ、認定プロバイダーを目指してセッションを担当することは、OBとして自分の経験を話すことにより受容・共感が得られる点において、本人の再発防止にもなり、双方に利のある体制となっています。現在、精神保健に関連する有資格者は在籍していませんが、現場のニーズに応じて、所管行政の指導の下、障害者総合支援法を遵守した人員体制を整備するようにしています。精神保健福祉士等、有資格専門職を設定していかれるよう期待いたします。 |
【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。 |
【第三者評価結果:b】 前項同様、核となる職員の定まった資格がない点で、「期待する職員像等」が定め難い面がありましたが、今年度より、昇進・昇格等の処遇改善に向けた取り組み(キャリアパス等)に着手しています。職階職務別の賞与支給の際に一定の基準で評価を行い、賞与を支給していきます。中期計画ではグループホ-ム、B型作業所等の計画に沿い、キャリアパスの完成に向けて取り組む考えがあり、確立に期待がされます。 |
【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。 |
【第三者評価結果:a】 職員の勤怠、有給休暇、時間外労働については、記録に沿い、偏りがないよう配慮しています。しかし、ナイトケア、自分の棚卸し等、心理面を鑑み、勤務については柔軟な対応の必要があります。その為、生活支援を行う全職員には外部での個人スーパービジョンを義務付け、料金の7割を法人が負担する福利厚生を行っています。感情労働負荷の強い対人支援職の性質上、必要と考え、職員のメンタルヘルスや希望、改善点に関しては、法人理事との個別面談を行い、健全なメンタルヘルスの維持に努めています。施設内で行うことができる具体的な取り組みとしては、支援する側のメンタルヘルスのケアを重要視し、チェックリストを作り、バーンアウト防止に努めています。依存症は単に本人の病気ではなく、家族の病気でもあり、本人の立場ではなく家族の立場で聞くことが重要と考え、実施しています。 |
【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 「期待する職員像等」は一般的には職員に対する評価の基準を示していますが、「リカバリー・ダイナミクス®」セッションに参加する依存症の人の悩みに相対する時は、指導する立場の職員はそれぞれがプログラムを実践して獲得した新たな価値観を真剣に参加者に伝え、共感を得ることで初めて利用者の回復支援が可能になることが前提としてある為、時にはメンタル・体力的に苦しい状況を経験しなければならない場合もあります。しかし、成長するために必要な、大切なプロセスにおいて、法人理事はその支えになる方針の下、役員と各職員との個別面談を定期的に行い、職員のメンテナンスに配慮しています。 |
【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。 |
【第三者評価結果:a】 行政や医療機関、市精連等主催の研修に積極的に参加し、支援に必要な知識を習得できるよう推奨しています。内部研修は毎月実施し、エンパワーメント等、RD以外のプログラム、スーパービジョン研修を交互に実施しています。OBの講師はRDプログラムのセッションを担当し、「生き方を変えるプログラム」を提供しています。各職員が役割を持ち、新しい仲間を受け入れ、愛情を分け与え、利用者自身が回復を実感できるようなプログラムが提供できるように指導しています。目標は「生き方を変えていくプログラム」です。 |
【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。 |
【第三者評価結果:a】 職員一人ひとりの教育・研修等の機会を確保し、職員の能力に応じてエンパワメント研修や、動機付け面接法の研修等を取り入れています。外部研修についても参加を促し、基幹施設やケースワーク等の専門技術を有した職員に依頼し、職員のスーパービジョン目的のグループ研修を定期的に行っています。 |
【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。 |
【第三者評価結果:a】 実習生に関しては、精神障害実習の1つとして市精連から1回に2名、年4~5組の予定で看護学生の実習を受け入れ、救命救急の介護に関する実習生も受け入れています。実習では、28のセッションから成り立っている「リカバリー・ダイナミクス®」プログラムのいずれかのセッションを学んでもらっています。年1回開催している支援者・関係者向けセミナーでは基本方針の「ミッション・バリュー・ビジョン」を提示し、説明しています。また、ニュースレターを定期的に発行し、包括支援センター等の地域の窓口に配布しています。その他、看護学校や保護観察所、地域の社会福祉施設の指導者向けにRDP横浜の依存症回復プログラム研修を丁寧に説明し、啓発を行っています。他の依存症回復施設職員にはRDP横浜のプログラム「リカバリー・ダイナミクス®」を受講してもらう機会も設けています。しかし、受講した28セッションのプログラムをどう生かすかが他の依存症回復施設の課題であると考えています。 |
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。 |
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【第三者評価結果:a】 法人(福祉施設・事業所)のミッション・バリュー・ビジョン・決算報告書はホームページ上に掲載し、年2回のセミナー等、機会あるごとに外部に説明を行い、存在意義や役割を明確にするように努めています。ニュースレターを区の高齢障害課・依存症基幹医療施設・地域の関連団体・包括支援センター等に配布し、情報を提供するように努めています。 |
【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 毎月、月次会計資料を作成し、理事会にて監事による内部監査を受けています。毎月、外部の専門家(会計事務所)による会計監査・指導を受け、経営・運営の改善に努めています。 |
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:b】 3階建てビルの2階を活用している依存症回復施設のデイケア事業所では、ビル内に居住している他住人との交流は基本的には無く、また、サービスの特性上、組織全体としては地域との交流について、積極的には取り組んでいません。地域との連携ではケースワーカーや、利用者に同行している依存症を扱う病院との連携程度に滞っています。将来的に、依存症回復施設として地域住民の悩み相談に応じる機会が持てればと考えています。 |
【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。 |
【第三者評価結果:a】 依存症回復施設のデイケア事業所というサービスの特性上、特に一般的な外部ボランティアは受け入れていませんが、自助グループに所属している修了者を含めた講師陣で「リカバリー・ダイナミクス®」のセッションの提供において、自助グループに対する援助・協力と併せて、自助グループのメンバーをボランティアとしての受け入れを行っています。 |
【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。 |
【第三者評価結果:a】 依存症回復施設のデイケア事業所として、現在行われているアルコール薬物施設連絡会、TSP(12 Step Program 6施設合同会議)、市精連等に参加し、各種関係機関・団体と連携するよう努めています。利用できる社会資源では、調理実習を行う場合の地域公民館会議室の借用や、スポーツセンター・体育館の会議室の活用、近隣の医療施設、ケアプラザ等はリストアップしています。 |
【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。 |
【第三者評価結果:b】 アルコール薬物施設連絡会、TSP(12 Step Program 6施設合同会議)、市精連等に参加し、ニーズ等を把握しています。また、地域公民館会議室、スポーツセンター・体育館の会議室、近隣の医療施設、ケアプラザ等の活用を通して情報等を入手する機会もありますが、さらなる取り組みに期待いたします。 |
【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 法で定められた社会福祉事業に留まらない地域貢献に関わる事業・活動に関しては、地域の依存症治療拠点医療施設や福祉施設、横浜保護観察所等へ定期的に講師派遣を行う取り組みを行っています。また、東京都内の関連施設に出向いてサポートも実施しています(評価項目の3・4・5項は当施設の事業分野には合致しにくい項目です)。 |
評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 障害者総合支援法に基づいた利用者の人権の保障、福祉サービスの提供に関しては、利用契約書や重要事項説明書に明示し、説明を行い、同意を得ています。虐待に関しては、虐待防止マニュアルを策定し、委員会を設置して体制を整備しています。また、基本的人権侵害を防止するための責任体制、手順を明確にし、運用しています。利用者への動機付け面接法研修等を通して、利用者個々の意思を尊重した回復の支援の方法(集団指導)を学ぶ機会を設けています。 |
【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 個人情報保護法、福祉分野における個人情報保護に関するガイドライン(厚労省)等の関連法令を遵守し、利用者の記録や情報を適切に管理する点を重要事項説明書及び利用契約書に明示し、説明し、同意を得る仕組みを構築しています。施設利用者、来訪者全てに個人情報漏洩防止及び職員としてのプライバシー保護を明記した文書に署名してもらっています。 |
【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。 |
【第三者評価結果:a】 理念や基本方針、支援の内容、施設の特性、施設の紹介等については、利用希望者にパンフレット等で説明しています。見学については、期間・回数に制限を設けず(概ね2カ月間が目安)、無料でデイケア・プログラムに参加してもらっています。自主運営の自立支援ハウスの入寮を希望する方に対しては、最低でも2泊3日の体験入寮を2回していただいた上で入寮してもらっています。 |
【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。 |
【第三者評価結果:a】 福祉サービスの開始・変更について、資料を用いて説明を行っています。開始・変更内容は、外部の計画相談支援専門員、利用者に説明してもらう機会を設け、説明内容は確認の上、書面に残し、内容に相違なければ利用者から同意を得るようにしています。利用者へは全員、医療機関に定期通院を促し、意思決定が困難になる場合は直ちに医療機関で必要なケアにつなげるよう配慮する等、ルール化して説明及び同意の上で運用しています。 |
【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用修了近くになれば、最後の個別支援のモニタリング及び外部の計画相談を行い、利用者や家族に対して、修了後の相談方法や担当者について口頭で説明を行い、その内容を記載した文書(個別支援計画書及びモニタリング報告書)も渡しています。利用者の支援方法について変更が必要な場合は、行政・医療機関関係者(また家族や計画相談支援専門員)とのケースカンファレンスや、関係者会議を実施し、利用者の意向を反映するよう対応しています。自助グループへの参加についても、修了後の相談方法の説明に加えています。 |
【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 RDP横浜では、利用者の満足度の向上を目的として、週1回のペースで利用者との個別面談を実施しています。利用者の家族は、家族教室・家族教育プログラムに参加し、職員も毎回参加しています。また、ハウスミーティング及びコミュニティー・ミーティングと称する利用者参画の会議(ホームルーム的)を定期的に開催し、職員はあくまで見守る形で参加し、利用者自身に話し合って決めてもらっています。これらの会議は共依存の関係解消にも有効であり、利用者との関わり方を常に考えています。 |
【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。 |
【第三者評価結果:b】 苦情解決の仕組みでは、受付担当者、解決責任者、第三者委員の設置、公的機関については重要事項説明書に記載がありますが、意見箱と記入用紙の設置、苦情解決のフロー図の掲示が成されていません。苦情解決に関して第三者評価受審後、監査で指摘を受ける事項でもあり、利用者保護の安全面において、監査までに設置、掲示されるよう望みます。 |
【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。 |
【第三者評価結果:a】 RDP横浜では、利用者へは常に相談することの大切さを伝え、専用相談スペースにて「話を聴いてもらえる」環境を確保し、利用者の相談行動を促すよう働きかけています。但し、RDP横浜は「リカバリー・ダイナミクス®」セッションの教育と指導、更生を行う場であり、甘えや要求ではなく、心からの声を本音で話し合う場であることを前提にし、真摯な相談行動を促す配慮をしています。 |
【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。 |
【第三者評価結果:a】 「コミュニティー・ミーティング」と称する、利用者による自治会議を毎週実施し、会議での意見・要望を吸い上げる仕組みを構築しています。スタッフはオブザーバーとして参加し、司会、書記は全て利用者です。検討内容は「喫煙所が込み合う」、「大掃除の担当を決める」等、環境に関する討議や、予算を必要とする案件はスタッフ経由で理事会に上げ、次回に回答しています。また、別途、毎日今日1日の振り返りを行っています。 |
【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 |
【第三者評価結果:a】 安心・安全に関して、「緊急時及び事故対応マニュアル」を備え、委員会を設置して体制を整備しています。安全確保についての責任・手順は職員に周知し、事故・有害事象上告書を作成及び保管を行い、発生要因分析、再発防止策を明記しています。職員グループのスーパービジョンで専門家による事後のアドバイスを受け、再発防止策面だけではなくメンタル面でも継続したサポートができるよう、フォローアップ指導も受けています。 |
【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 神奈川区福祉保健センター高齢障害支援課の指導で「感染症対策マニュアル」を策定し、新型ウイルス感染症発生時の「業務継続ガイドライン」と共に委員会を設置する等、体制を整備しています。感染予防・発生時における責任・手順は職員に周知しています。また、利用者、訪問者ごとに感染症対応健康チェックリスト(20項目)を作成し、健康管理の取り組みを行い、書類は保管しています。 |
【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 「非常災害対策マニュアル」を策定し、安全確保・備品管理についての責任・手順を職員に周知しています。災害時における防災訓練は、神奈川消防署や地域の避難場所で利用者と一緒に定期的に防災訓練を実施しています。備蓄については、水、カセットボンベ、乾パン、ヘルメット等を用意し、保管しています。 |
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。 |
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【第三者評価結果:a】 RDP横浜の「リカバリー・ダイナミクス®」セッションの標準的な実施方法については、アメリカをはじめ世界的にマニュアル化されており、RDP横浜が日本のモデル施設であり、準拠して実施しています。毎週の職員会議で福祉サービスの実施状況を把握及び確認を行い、隔月の職員グループのスーパービジョンでさらなる改善についての研修を実施しています。基本的な実施方法は変えずに、それぞれの利用者に合った形での展開を話し合っています。 |
【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。 |
【第三者評価結果:a】 毎週の職員会議で、個別支援計画の内容に応じて、標準的なサービス実施方法の検証・見直しを実施しています。それらを基に隔月の職員グループのスーパービジョンにおいて、さらに検証・見直しにおける研修を受ける等、見直しの仕組みを確立させています。 |
【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。 |
【第三者評価結果:a】 初回相談シート、インテークシートの内容を基に、利用希望者の見学中のアセスメントに時間を費やし、必要に応じて医療機関から治療サマリー等も取り寄せ、全職員で協議を図り、利用者一人ひとりの個別のニーズを把握、サービス管理責任者出席の下、方針を承認しています。また、利用者の意向を踏まえ、主治医・関連各団体・機関と連携してサービス提供を行っています。 |
【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者の意見も反映したモニタリングシートを基に個別支援計画書を作成しています。必要に応じて、他の福祉サービスの情報提供を併用して計画の変更を行い、職員会議でサービス管理責任者を含む全員の承認を得ています。個別支援計画は、3ヶ月に1回面談を行い、記入及び保存をしています。プログラムが合わないケースの場合は、他施設への移管も含め検討することにしています。緊急に見直しや計画変更を行う場合は、直ちに主訴を明確化して医療機関・行政の利用者担当ケースワーカー・計画相談支援専門員に連絡を行い、関連各所と連携を図る手順を整備し、明確化しています。 |
【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。 |
【第三者評価結果:a】 個別支援計画書の書き方についての研修を行い、統一化・標準化に努めています。施設の金庫を含む各種鍵の管理、外付けハードディスクのバックアップ等、保守管理の仕組みを整備し、共有しています。尚、紙媒体の整理もできています。 |
【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。 |
【第三者評価結果:b】 個人情報保護法、福祉分野における個人情報保護に関するガイドライン(厚労省)等の関連法令に沿い、遵守した個人情報保護の手順については、利用者や家族に対して、契約時に重要事項説明書と共に説明を行い、同意を得ています。記録の保管、保存、廃棄、情報の提供に関する規定は未決定ですが、これまでに至る書類は全て保管しています。 |
評価結果内容評価
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 施設利用については、「コミュニティー・ミーティング」(自治会議)において利用者同士でより良くRDP横浜を活用するために、話し合う時間を設けています。デイケア・プログラムでは月に1~2回、外部ファシリテーターを招いて「エンパワメント・グループ」という感情に焦点をあてて、自らの問題心理グループを実施し、当事者エンパワメントの理念に基づく支援を行っています。「コミュニティー・ミーティング」では、仮に間違っていても「自分自身に学びがあれば良い」という考えを前提に、理解できるようなプログラムを作成し、実施しています。また、依存症の方々が集まり、利用者同士でストレングスを築いて行くことを大切に考えて進めています。プログラムでは、『理解が不足⇒何故そう思うか⇒理解が遅い⇒何故そう考えるのか、どんな経過でそう思うのか』を、ゆっくり繰り返し、理解を促しています。依存症の方の自己肯定感の希薄さを他の利用者と一緒に考え、払拭することを大切にし、みんなでエンパワメントすることが重要として取り組んでいます。 |
【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。 |
【第三者評価結果:a】 虐待防止マニュアルや、障害者総合支援法及びその関連法令の趣旨に従い、重要事項説明書や施設利用契約書、運営規定を整備し、権利擁護について明文化しています。家族に対しても、RDP横浜の「リカバリー・ダイナミクス®」プログラムは、自分自身を変えるために取り組むのであり、相手(家族等)の為ではないことを考え違いのないよう説明し、依存症についての理解を促し、共に学ぶ家族プログラムを紹介しています。また、例えば、利用者が外泊をして、家族に疑いを持たれると、利用者自身の努力が認められていないと感じる心理を話し、利用者の権利擁護について伝えています。 |
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 RDP横浜では自主運営(利用者)の寮3軒(12部屋)を保有し、寮生活(任意事業・自立支援ハウスでの共同生活)のナイトケア体験を通して自立した生活の練習の場を提供しています。寮単位で、自分たちで話し合いをし、問題解決の練習をする目的で、「ハウスミーティング」の機会を設け、利用者を見守ることができる体制を整備しています。寮生活については、利用者の自我で決めるのではなく、「ハウスミーティング」で話し合いをして決めるようにしています。また、通所の方でRDP横浜のプログラムに参加している人も、社会復帰の時期が近づいて来た時点で宿直という形で、宿泊プログラムを経験してもらっています。 |
【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者それぞれの心身の状況に応じたコミュニケーション手段により、周りから支援してもらい、利用者自身が相談できるようになることを支援目標にし、‟相談するためのサポート”として日々のデイケアで実施しています。依存症の利用者は、相談する習慣がないので、ミーティングの進め方は、「一方的に話す」、「ひたすら聞く」を原則としています。先輩利用者は、「反論」・「指導」をせず、自分の経験を話し、仲間の話を聞くことを繰り返します。そのことを継続することでスピリチュアルな成長が望めるよう支援しています。 |
【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 デイケアの施設プログラムとして、概ね週1回ペースで個人面談を実施しています。個人面談の内容は日々の棚卸しです。その中での困りごとがあった場合には随時、個別相談に応じています。その際、職員全員が課題を共有できるように個人記録として記録しています。 |
【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 RDP横浜では、自分の感情をうまく認識できない利用者に対して、別途、病院等で行っている専門プログラムを紹介し、参加を促します。また、余暇の時間の使い方、地域の自助グループの活用の指導を含め、健全な生き方の情報提供を行う「生活訓練プログラム」を提供しています。病院等で行う専門プログラムでは、例えば、協力病院である県立神奈川県立精神医療センターが提供している、「自分の感情を正しく認識できない人」たちの為の「SCOP (serigaya collaboration for open heart project)」(自分の感情に気づき、安心して人に伝えることを目指すプログラム)を紹介する等、支援をしています。 |
【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 障害の状況に応じた適切な支援を行えるよう、職員に対して、障害に関する専門知識や、依存症と相関のある重複障害・感染症・精神疾患・クロスアディクション(見かけは異なる依存症を2つ以上発症するケース)・LGBTQ+(心と身体の性の不一致)等の研修への参加を促しています。 |
【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。 |
【第三者評価結果:c】 RDP横浜は依存症回復施設であり、自立の利用者が通所する施設です。施設として食事提供を行っておらず、利用者は自立にて、入浴、排泄、移動・移乗支援は行っていないので評価対象外です。 |
【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。 |
【第三者評価結果:a】 法人は、横浜市内に3つの男性用ナイトハウス(寮)を運営し、必要に応じて利用し、ナイトハウスから通所している利用者もいます。寮内は個室であり、ベッド、机、カーテン、備品等が設備され、快適に過ごせるよう配慮されています。生活については入寮者同士の自治会議(ハウスミーティング)で決まり事を話し合い、決定しています。また、職員と連携し、見守りができる体制を講じています。 |
【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 生活訓練では、ナイトハウス(寮)での生活上の「ハウスミーティング」が訓練に相当し、利用者の生活環境を整えるプログラムとして実施しています。利用者は、練習やコミュニケーション能力の向上を目指し、利用者間で話し合いを行い、問題点が浮上した際は、施設全体で支援の方向性を示す取り組みを実施しています。 |
【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者全員に定期通院をしてもらい、主治医より心身の健康状態を把握してもらい、必要に応じて随時、病棟ケースワーカー・看護師に、緊急性を要する相談があった際、主治医に連絡できる連携体制を整え、サポートに役立てています。毎日、体温・体調・感染症リスク等の健康チェックリスト(20項目)に記録してもらい、確認しています。また、適宜ワクチン接種を同意の下で受けてもらっています。尚、入浴、排泄支援は行っていないので評価項目1は評価対象外となります。 |
【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。 |
【第三者評価結果:a】 RDP横浜では、依存症以外にも慢性疾患がある利用者には定期通院をお願いしています。また、急性症状があった場合等、直ちに医療機関を受診してもらい、症状に応じて受診への同行も行っています。その他、希望者及びRDP横浜が必要と判断した利用者に対しては、服薬管理も行っています。全員の処方薬の内容、受診している医療機関の全診療科の主治医と連絡先をリスト化し、緊急時に共有できるようアップデートして備えています。 |
【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 施設のプログラム構成は、午前中は基本的に座学でのコアプログラムの学習を中心に、午後は軽運動やレクリエーション活動を含む生活訓練プログラムを補足して実施しています。 |
【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者の地域定着へのサポートを支援し、利用修了後も地域で自己の障害と共存して活動していけるよう、地域での自助グループへの参加の支援を日々、利用修了時まで継続しています。自助グループへは、利用開始から2か月間先輩の利用者が同行し、徐々に慣れるようサポートしています。プログラム参加者については、プログラムに集中してもらえるよう、施設では所持品(携帯等)を預かり、集中的に支援しています。 |
【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 RDP横浜は依存症回復支援施設であり、依存症は家族の病気とも捉え、利用者回復期間中の家族の影響の状況に応じて、交通整理する(抑える)場面もあります。家族の影響として、虐待や、親子カプセル・共依存症等の機能不全傾向の強い家庭の場合は、関係機関と連携して敢えて距離と時間を空け、家族には家族教室や家族教育プログラム、月例勉強会・関係者向けセミナー等の参加を促し、別途支援しています。プログラムについては家族へ情報提供をしていくよう努めています。 |
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。 |
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【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】 現時点では子ども向けの障害者サービス提供を想定していないので評価対象外となります。 |
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。 |
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【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】 現時点では就労支援は行っていないので評価対象外です。但し、専門機関の紹介、施設見学同行、併用の相談、相談支援専門員との計画見直しのサポートは行っています。 |
【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。 |
【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】 現時点では就労支援は行っていないので、この項目は評価対象外です。 |
【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。 |
【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】 現時点では就労支援は行っていないので、評価対象外です。但し、施設利用中に社会生活に対応できるよう、概ね週3回程度のアルバイトを勧めており、利用者が仕事でのストレスに対応できるような支援は行っています。 |