社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

しらかばこども園

2024年03月05日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 公益社団法人神奈川県介護福祉士会

② 施設・事業所情報
名称 しらかばこども園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認定こども園(保育所型、幼保連携型に限る) 定員 158(174) 名
所在地 239-0806
横須賀市池田町1-22-12
TEL 046-834-0690 ホームページ https://www.shirakabakids.com
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2015年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人誠心会
職員数
常勤職員:30 名
非常勤職員:21 名
専門職員
保育教諭:40 名
栄養士:1 名
調理師:3 名
事務員:3 名
施設・設備の概要
保育室(本園):5
保育室(池田分園):2
保育室(新大津分園):2
会議室:
休憩室:
調理室:
倉庫:

③ 理念・基本方針
<基本理念>
 みんないっしょの教育・保育・福祉
<基本指針>
 ・子どもの育つ力を支援する。
 ・優しさと思いやりの心を育む。
 ・子ども、保護者、保育者の三位一体で育て慈しむ気持ちを育む。
 ・給食は手作りで、美味しく感謝の気持ちで食す。
<三つの目標>
 ・自分から挨拶の出来る子になろう。
 ・いつも笑顔で、相手に優しい気持ちを持てる子になろう。
 ・何事にも一生懸命に取り組める子になろう。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
○昭和45年の保育園開園当初より、健常児と障害児を分け隔てなく保育する「みんないっしょの保育」を実践している。幼保連携型認定こども園「しらかばこども園」でも基本理念を引き継ぎ、「みんないっしょの教育・保育・福祉」として、7つの実践に取り組んでいる。
 ①忍者遊具を活用しての運動教育の実践
 ②歌や楽器を活用しての音感教育の実践
 ③農園を活用しての農業体験の実践
 ④収穫した野菜を食材にした食育体験の実践
 ⑤統合教育・保育の実践
 ⑥施設内の放課後児童クラブを活用しての異年齢児交流の実践
 ⑦高齢者施設を訪問しての異世代交流の実践

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/05/31(契約日) ~2024/02/20(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2017年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ◇事業所の特色や努力、工夫していること、事業所が課題と考えていること等
○幼保連携型認定こども園「しらかばこども園」は、2~5歳のこどもたちが本園を、0~1歳の子どもたちは、近隣の「池田分園」と「新大津分園」を利用している。園内及び近隣で学童クラブ(放課後児童健全育成事業)を3ケ所運営するとともに、家庭的保育事業にも取り組んでいる。
○各クラス名は、なめこ、らっきょう、うめぼし、むぎめし、おきあみなど昔の食材の名前を使用している。給食にも、むぎめしを提供しているが、子どもたちはおいしいとお代わりをしている。
○近隣に3ケ所の農園があり、ぼくらの里山として「しらかばビオトープ」を整え、子どもたちが自然に触れることができる機会を多く作っている。また、アスレチック遊具や「しらかばスタジアム」で、子どもたちが自由に身体を動かすことができるようにしている。天気の良い日は、子どもたちは外に出かけ、のびのびと意欲的に活動している。
○子どもとの対話を重視し、「応答的保育」(子どもが話しかけてきたことに対して、大人が子どもに寄り添って応えること)を実践している。大勢の前では発言できない子どもについては、個別に会話ができる場を設け、子どもが安心して気持ちを伝えられるようにしている。
○2歳から日直当番があり、タスキをかけ、クラス担当と一緒に皆の前に立ち、昼食時の挨拶をしている。5歳児になると、クラス全体を見渡し、状況を判断して号令をかけるなど、日直としての責任感を持って当番を行っている。行事やイベントも多く、保護者や地域の人に披露することで、子どもたちの自信につながっている。
○0歳児は2つの分園を利用している。個別指導計画に基づき、管理栄養士が保護者と連携しながら、「安心・安全」な離乳食を提供している。喃語(「あうあう」「んまうま」など赤ちゃん特有の言葉)に対する応答など、応答的保育や欲求を受け止めながら、情緒の安定につなげている。
○3歳未満児の保育は、保育教諭が散歩の途中で、大きな声で挨拶するのを見て、子どもも大きな声で挨拶している。食事介助時、「自分でやる」と子どもから発信があった場合は、タイミングを逃さずスプーンを渡し、子どもの気持ちを大切にしている。子ども同士のトラブルは、まずは見守って、子どもたちの気持ちを大切にして、友だちとの関わりを学ぶ機会としている。
○3歳以上児の保育は、自分の言葉で思いを伝えることの大切さを指導している。子どもが喧嘩した時は、3歳児は静かな場所で本人の訴えを聞くようにしている。4歳児になると、本人の言葉で状況を説明できるようになっている。5歳児は周りの子どもからも状況を聞くなど、子どもの発達段階に応じて対応し、子どもたちが自分の言葉で気持ちを伝えることができるよう関わっている。
○食育に力を入れ、給食で使用するほとんどの野菜は、園の農園で栽培している。農園を管理する人も、複数名職員として採用し、安全な栽培に取り組んでいる。子どもたちは種まきや収穫を行い、野菜がどのように実っているのか、保護者に報告している。月1回の「弁当日」は、弁当箱に給食を詰めてもらい、近くの公園や屋上など、それぞれのクラスが好きな場所で、ピクニック気分で食事をしている。月1回、栄養士が給食だよりを発行し、レシピを掲載して、自宅でも子どものリクエストに対応できるよう配慮している。食事の量は、個々の気持ちを優先している。自分たちが収穫した野菜を使った給食で、子どもたちの食材への興味も高い。収穫時期ごとに、収穫した野菜と、どんな食材として使用したかを掲示している。
◇独自項目への取り組み
○事業所が次の取り組みを計画する「課題抽出項目」に取り組んでいる。「保育士等が主体的に保育実践の振り返りを行い、保育実践や専門性の向上に努めている」の項目に対して、今後の具体的な取り組み内容を決めている。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
この度は、前回受審から6年ぶりの機会を頂き、ありがとうございました。
 当園は昭和45年に『みんないっしょの保育・教育』を基本理念に掲げて開園した「しらかば保育園」の43年にわたる実践を経て、平成27年にスタートした「こども子育て支援新制度」とともに「幼保連携型認定こども園」へと移行して10年目を迎える節目でありました。
 横須賀市の人口減少と次元の異なる少子化の進行が加速する中、「こども園」の生き残りをかけた最終局面での受審となりました。ご指摘いただいた反省点等を踏まえて、保護者や関係機関等からのご支援を頂けるようすべての職員が一致団結して大切な子育て支援及び乳幼児保育・教育を継続できるよう真摯な気持ちを持ち続け、皆様のご期待に応えられるよう励んでまいります。

詳細評価PDF 詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

基本理念や基本指針、三つの目標は、ホームページやパンフレットに掲載している。また、クラスによっては廊下に掲示している。昨年度、法人内の事業所の主任クラス以上が集まって「社会福祉法人誠心会みんないっしょ」の冊子をファイルにまとめ、基本理念や基本指針も掲載し、各事業所の職員会議などで、内容の読み合わせを行っている。保護者には、3月の新園児の入園説明会や、4月のクラス懇談会で、基本理念を説明しているが、基本指針や三つの目標の周知は不十分と感じている。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

市の園長会や日本保育協会からの情報、また、インターネットや新聞などの情報を、園長が細かく収集している。入手した情報は、朝の打ち合わせや、週1回開催する調整会議、月1回開催する職員会議の場で、職員に説明し、周知を図っている。情報の分析も、園長が行っている。また、必要な情報はコピーして、職員に配布し、事業経営をとりまく環境の把握と職員への周知に努めている。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

朝の打ち合わせや職員会議などで、園長がさまざまな情報を職員に伝えている。園の課題に対して、株式会社ポラリスの研修システムを活用して、チームマネジメントの研修に取り組んでいる。ポラリスの提案項目から、①人材育成(新人職員育成)、②基本理念の再構築、③組織風土の再構築の3項目を選択して、職員がどれかひとつのグループに参加して、話し合いを行っている。話し合いは月1回行い、課題を解決して、選ばれる園になるよう取り組んでいる。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

中・長期計画としての書面は作成していない。基本理念や基本指針に基づき、家庭的保育事業や学童クラブ(放課後等児童健全育成事業)などにも取り組んでいるが、現在取り組んでいるものを、まずは整理していく必要があると捉えている。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

昨年度作成した「社会福祉法人誠心会みんないっしょ」を職員全体で読み合わせることで、あらためて法人の理念や基本指針を確認している。単年度の事業計画は、基本理念や基本指針を踏まえ、また前年度の保育や行事の内容を振り返って作成している。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:c】

昨年度までは、園長が事業計画を作成していたが、今年度より、主幹保育教諭と事務が計画の作成を担当している。初めての作成で、どうしても前年度を踏襲した内容になってしまっているが、作成にあたっては、職員の声も参考にしている。作成した事業計画は、職員会議で職員に説明しているが、書類作成に携わった職員のみしか把握できていない部分もあるので、今後の課題としている。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

年間行事予定表を作成し、保護者が参加できる行事と、できない行事を知らせている。また、参加できる行事は、事前に書面を配布している。年間行事予定表は、3月の入園説明会で内容を説明し、継続して園を利用している保護者には、書面を配布している。園だよりやクラスだよりを毎月発行する他、保護者が参加できない行事は、映像や写真で、様子を伝えている。保護者や担当職員の負担を軽減するため、今年度より保護者会を廃止したため、クラス懇談会の場で、子どもたちの活動の様子を伝えるようにしている。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

今年度より、チームマネジメントの研修に取り組んでいる。①人材育成(新人職員育成)、②基本理念の再構築、③組織風土の再構築の3項目を選択して、職員がどれかひとつのグループに参加して、話し合いを行っている。また、年2回、「自己評価・自己分析」のシートに、職員が取り組んでいる。シートは主幹と指導保育教諭の4名で内容を検討し、「保育・仕事のためのチェックリスト」と「子どもの幸せのためのチェックリスト」として示している。職員からあがったシートには、コメントして本人に返している。各クラス複数担任制をとり、経験のある職員が主担当となって、クラス運営を行っている。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

月1回、非常勤の職員も含め、クラス会議を開催し、行事や子どもたちとの関わりについて話し合いを行っている。また、各クラスから職員が1名参加して、調整会議を行っている。調整会議では、各クラスの出来事の報告や行事の準備の進捗状況を確認している。また、月1回、各建物の主幹と指導保育教諭4名が集まり、主幹会議を開催している。主幹会議では、全体の状況報告や改善策などを話し合っている。職員には、行事の終了後にアンケートを実施し、保護者参加の行事では、保護者の感想や意見を聞き、次の取り組みに反映するようにしている。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

「保育・事務分担表」を作成して、園長以下の役割を定めている。職員会議は、本園と、分園及び家庭的保育に分かれ、それぞれ月1回開催し、会議の最後に時間をとって、園長が意見などを表明している。園長が入手した情報は、職員に伝え、子どもたちのために、選ばれる園になるよう、常に先を読んで判断して行動している。園長不在時は、保育に関しては主幹が、事務や経理に関しては副園長が代行することを決めている。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

市の園長会や日本保育協会からの情報、また、インターネットや新聞などの情報を、園長が細かく収集し、遵守すべき法令などの理解に努めている。園長が入手した情報は、職員に伝え、子どもたちのために、選ばれる園になるよう、常に先を読んで判断して行動している。必要な書面はコピーして、職員に配布している。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

毎朝、園長が各クラスを巡回し、子どもたちや職員の様子を把握している。本園だけでなく、分園や家庭的保育事業所「あかね」にも園長が顔を出している。本園で行う行事や誕生日会には、園長が必ず参加している。職員の資質の向上を目指し、外部研修に積極的に職員を派遣する他、株式会社ポラリスが企画する新人研修を含めた階層別の集合研修やzoomでの研修に、職員が多く参加している。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

職員の働き方改革に取り組み、行事などの簡素化を行っている。保育参観や保育参加も年2回から、年1回に減らしている。これまでは文化会館で行っていた音楽祭も本園で行い、運搬などの負担が減っている。作品展の開催場所も検討中である。これまで職員は制作物を家に持ち帰っていたが、現在は勤務時間内に園で行っている。行事については、切り替えの時期、移行の時期と捉えている。記録のICT化も行ったが、現在は元の手書きに戻っており、今後の課題としている。登降園時の保護者の連絡は、キッズリー(保育ICTサービス)を活用している。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

職員の採用は、園長が担当している。実習生を大事にして、就職につながるよう、働きかけを行っている。現在、職員の配置数は充足しているが、昨年はハローワークや求人サイトも活用している。加配職員の配置など、不確実な面もあるため、職員は多めに配置するようにしている。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

毎年10月頃に、職員は意向申告書を提出している。意向申告書には、1年の振り返りや今後の希望などを記入する欄を設けている。また、意向申告書の提出に合わせ、年1回、園長との個人面談を行っている。個人面談は非常勤の職員を含め、1人30分くらいの時間をかけて行っている。人事考課は取り入れず、経験年数などで職員を評価している。期待する職員像は、「職員マニュアル」に記載して、職員に発信している。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

職員の勤務シフトは、主幹と事務で作成している。毎月10日までに休みの希望を確認し、有給休暇を毎月1日は取得できるようにしている。また、働き方改革で行事の準備などの負担を軽減している。労働管理は、勤務表や時間外労働名簿によって明確にしている。園長との定期面談以外に、主幹や指導保育教諭による職員面談も行っている。12月には職員のストレスチェックを行い、毎月、クラスごとで話し合う時間を設け、働きやすい職場作りに取り組んでいる。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

年1回、意向申告書の提出時に、職員は1年間の振り返りを行っている。また、年2回、「自己評価・自己分析」のシートに、職員が取り組んでいる。シートは主幹と指導保育教諭の4名で内容を検討して作成し、「保育・仕事のためのチェックリスト」と「子どもの幸せのためのチェックリスト」を用いて、振り返りを行っている。職員からあがったシートには、コメントして本人に返している。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

研修担当を主幹として、職員がキャリアに合った研修を受講できるよう取り組んでいる。外部研修は、主幹と指導保育教諭で、キャリアアップ研修などの参加者を決め、内部研修については、人権委員が中心になって、研修会のテーマを決めている。虐待防止研修や権利擁護の研修を行っている。外部研修に参加した職員は、復命書を提出し、研修の内容はファイルに綴じて、職員がいつでも確認できるようにしている。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

昨年度より、ポラリス・日本チームマネジメント協会に登録して、外部研修やzoomでの意見交換研修に、積極的に参加できる機会を設けている。職員がポラリスの研修を2項目は受講できるよう取り組んでいる。職員間のチームワークを大切にして、些細なことでも声を掛けるようにしている。子どもたちに対しても、「おはようプラスひと言」の声掛けを行っている。気軽に話し合える、相談できる環境作りを心掛けている。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

受け入れ担当を主幹として、実習生の受け入れを行っている。実習生は学校からの依頼があれば、その都度受け入れている。実習生は希望するクラスで実習し、さらに他のクラスでも部分実習を行っている。年間に10校近くから、20人ほどの実習生に対応している。また、夏休みには、高校生や専門学校生10人くらいが、体験学習に参加している。日誌の記入や反省会など、職員にも負担はあるが、自分も通ってきた道として、協力している。実習を終え、来年度、園に就職が内定している学生が4名いる。希望があれば、今後も積極的に実習生を受け入れていく予定である。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

ホームページに、計画や予算までは掲載していないが、理念や指針を記載して、運営の透明性を確保する情報の公開を行っている。苦情窓口の一覧表を玄関先に掲示して、保護者からの苦情の内容は、必要に応じて公表している。運動会や卒園式の開催時には、地域に挨拶に回ったり、回覧板に入れてもらったりして、地域に園の取り組みを理解してもらうよう働きかけている。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

物品の購入など、事務や経理、取引などに関するルールは、「保育・事務分担表」にて、職員に周知している。経理や経営については、福祉医療コンシェルジュと連携し、年4回、副園長が相談する仕組みを作り、公正で透明性の高い経営や運営に努めている。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

町内会に加入して、町内の行事にはできるだけ参加するようにしている。町内会の行事では、園のトイレを使ってもらっている。以前、地域のお祭り(御柱祭)があった時には、園の子どもたちがソーラン節や和太鼓を披露したり、北久里浜の公園でダンスをしたりして、地域との交流が数多くあった。現在、子育て支援事業として、子育て家庭に対する相談や、月3回、ベビーマッサージや制作で地域の親子と交流している。また、毎日、夕方にはグラウンドを開放している。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

主幹を担当として、ボランティアの受け入れを行っている。ボランティア活動や、インターンシップなどは、積極的に受け入れるようにしている。1月には、地域の中学生の職業体験を受け入れている。職業体験には、3名ほどの中学生が参加している。ボランティアは継続して受け入れていく予定で、園内の清掃などを担ってくれるボランティアの方がいると助かると感じている。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

小学校とは子どもの引き継ぎで、児童相談所とは気になる子どもの相談などで、連携をとっている。また、家庭支援ステーションの担当職員とは、子どもや保護者の関わりを相談している。地域の消防署には、子どもや職員に向けた防火教室を依頼し、市や自動車会社からは、年長児を対象とした交通安全教室の協力を得ている。地域の関係団体とは、積極的に連携している。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

園は住宅街の中にあり、昔から地域で生活している家が多い。町内の会合には、必要に応じて園長が参加して、地域のニーズを把握するよう努めている。町内の行事にも協力している。以前、送迎時の車の駐車について地域からクレームがあったことから、現在は駐車場を分散して、職員の駐車場を含めて4ケ所に増やしている。子どもたちの散歩の時など、地域の方に積極的にこちらから挨拶をしている。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

月1回、月末の金曜日の夕方に、こども食堂を行い、毎回30食分の夕食を用意している。現在は、保護者と園児や、卒園した子どもたちの利用が多いが、今後は地域の人の利用が多くなることを期待している。また、地域の子どもたちに向けて、園の玄関で駄菓子屋を開いている。災害の発生に備え、子ども用として非常食3日分と、飲料水や防災備品を備蓄しているが、災害の状況に応じて、地域に提供していく必要もあると認識している。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人に「人権委員会」を置き、園からも2名の職員が参加している。人権委員会では、基本理念の読み合わせや振り返りを行っている。また、年2回、子どもに対するかかわりなどの項目をまとめた「自己評価・自己分析」のシートに職員が取り組んでいる。園長との職員面談では、1年間の振り返りや来年の目標などを話し合っている。職員会議の場では、園長から子どもの人権についての話をしている。職員は文化の違い、ジェンダーレスを意識したかかわりを持ちながら保育を行っている。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

「個人情報の取り扱いについて」のマニュアルを整備している。保護者からは、写真などの使用について、事前に確認をとっている。名前と写真は一緒に掲示しないことや、4~5歳の男の子には、排せつ時にズボンを足首まで下げないことなど配慮している。子どものおむつ交換はトイレ内のおむつ交換台で行い、大きい子どもはトイレでそのまま座ってもらっている。失敗してしまった時には、他の子どもの目に触れないよう着替えをして、遊びに戻れるようにしている。保護者からの相談は、登降園時以外は、プライバシーに配慮した落ち着いて話せる部屋で受けている。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

本園、分園などの各園舎には、忍者スタイルの子どもの絵が壁にあり、道路からも「しらかばこども園」の特徴を確認することができる。ホームページやパンフレットに、基本理念や園での生活を写真とともに掲載している。入園の希望者は、電話で問い合わせてきたり、直接来園する場合が多い。基本的には園に来てもらい、実際の保育場面を見学しながら、説明している。子どもたちの午睡の時間に来てもらい、説明は主幹が担当している。見学日が重ならないよう配慮している。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

入園が決まると、2月に「入園説明会」を保護者向けに実施している。「入園の手引き」により、入園してからの生活や留意点の説明を行い、クラス担当を紹介している。また、「重要事項説明書」や「契約書」をわかりやすく丁寧に説明している。基本の保育時間は7:00~19:00であること、年間の行事や保護者が参加できる行事などを説明し、同意を得ている。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

他園から途中入園してくる子どもは、前園からの申し送りや引継ぎは特にない。子どもと家族に面接後、クラスに入ってもらい、少しでも早く園に慣れるようにしている。どうしても園の生活が難しく、障害児施設に移行した子どもは、プライバシーに配慮しながら、園での生活状況を移行先に連絡している。卒園する子どもは、入学する小学校に「保育所児童保育要録」を提出し、子どもの状態について連携を図っている。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

運動会や音楽会、作品展などの行事の後には、保護者にアンケートを実施して、感想や改善点などの意見をもらっている。毎年4月と11月に保護者懇談会を行い、各クラスで保護者の意見を聞いている。保護者からは、畑での食育を増やしてほしい、先生の負担を軽減するため行事を少なくしては?などの意見が出ている。今までは遠足などの行事について「保護者会」が企画していたが、今年度から保護者会を廃止している。毎日の登降園時や連絡帳で意見をもらうなど、積極的に保護者の声を聞くようにしている。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決責任者は園長、窓口担当者は副園長とし、「重要事項説明書」に記載して、保護者に苦情解決の仕組みを周知している。また、目安箱を園内に設置している。ご飯を無理に食べさせられたなど、子どもが保護者に訴えたことがあり、子どもに対する対応についての苦情があがったことがある。目安箱は毎朝日直当番の保育士が開錠し、主幹に報告し、主幹から園長に報告している。園長が担任と話し合い、今後の対応を掲示板で回答している。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

登降園時は、保護者は保育室の中まで入ることができるので、担任と話をする機会が多く、子育てのことや友だち同士のことなどの相談を受けている。また、自分の子どもが落ち着かず動き回っている様子を見て、子どもの発達について相談を受けることもある。そのような相談には会議室を使用し、園での子どもの様子を伝え、養育のアドバイスをしたり、療育センターなどの専門施設を紹介したりしている。行事後のアンケートや、年2回開催するクラス懇談会、個人面談などで、保護者が意見を述べやすい環境を作っている。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

複数担任制をとり、登降園時にクラス担任が保護者の相談を受けやすい環境を整えている。目安箱の意見も、日直が確認し、主幹や園長にその日のうちに伝え、解決策を掲示板に掲示して回答している。また、すぐに解決できない課題については、「時間を下さい」と伝えるようにしている。個人的な相談は、支援の方法など、検討した結果を、個人に伝えアドバイスしている。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

雨の日に廊下に結露ができ、子どもたちが走って転んでしまったことがあり、結露ができないような素材を使って、改修工事を行っている。外遊具は遊ぶ前に点検し、備品は定期メンテナンスを行っている。夏のプール遊びは、リスクを回避するため、ルールを作っている。午睡中のSIDS対策として0歳児は5分毎、1歳児は15分毎、2歳児以上は30分毎に呼吸の状態をチェックしている。職員からのヒヤリハットを集計し、対策を検討して職員に周知している。発達障害のあるどもが急に飛び出す危険性があるクラスは、ドアの高いところに鍵をかけておくなどの対策を行っている。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

新型コロナウィルス感染症に関しては、県や市からの情報を受けて対応している。園内は常に換気を行い、食事はパーテーションを使い黙食としている。発熱児が出た時には、別室に隔離し、保護者に引き渡している。現在でも常に換気に心がけ、食事はパーテーションを取り除いている。インフルエンザなど、季節の感染症対策を各クラスに掲示し、ノロウィルスに関しては、嘔吐物の処理対策としてバケツなどの一式を用意している。子どもの感染症やはしか、リンゴ病、おたふくなどは、嘱託医の判断を確認して、登園日を決めている。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害時のマニュアルを整備している。園は高台にあり、災害時の待機場所としている。災害時の保護者との連絡は、キッズりーを活用することとしている。キッズりーにより、子どもの避難場所などの一斉連絡ができるようにしている。9月に家族への引き渡し訓練を行っている。また毎月、火災や地震を想定した避難訓練を行っている。年2回の通報訓練、消防署と連携のもとでの防火教室も行っている。子どもたちは、消火訓練を行ったり、消防車と写真を撮ったり、消防服を着せてもらったりして、楽しみながら訓練に参加している。災害発生時の非常食を保管しており、管理栄養士が管理している。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

「職員マニュアル」を作成し、基本理念や保護者への接遇、健康に関すること、体調不良児、遊具の点検など、職員の基本的な関わり方を細かく文書化している。「職員マニュアル」を踏まえ、基本理念や基本指針に基づき、職員は「みんないっしょの教育・保育・福祉」に携わっている。保育所保育指針のもと、子どもの発達に応じた教育・保育を実施している。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

園の「職員マニュアル」は、定期的ではないが、園の状況や子どもの状況を踏まえ、主幹が見直しを行っている。年間カリキュラムや学年に合わせた取り組みなどは、次年度担当同士が話し合って作成している。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

園では、アセスメントという言葉は使用していない。保育所保育指針に基づき、全体的な計画のもと、各クラス担任が年間指導計画や月間指導計画、週間指導計画を立てている。子どもの入園時には、保護者から「生活調査表」を提出してもらっている。家族の状況や子どもの身体状況、予防接種状況、既往症、性格などの情報をもとに、クラス配置を行っている。乳児の場合は、ミルクや乳首の大きさ、離乳食の状況、アレルギー、保険証のコピーなどを提出してもらっている。児童相談所が関わっている子どもは、関係機関と連携を取りながら情報を共有している。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は、子どもの発達に応じた養護と教育を明示し、食育や防犯、交通安全、健康支援、子育て支援などを記入し、園の特徴なども明記している。全体的な計画を受けて指導計画を作成している。年間計画は3期に分けて評価や振り返りを行い、次の保育に活かしている。2歳児以下の子どもの個別指導計画は毎月振り返り、一人ひとりの子どもの成長を確認しながら、成長に合わせた保育を行っている。月案も毎月振り返りを行いながら、次の保育につなげている。子どもの日常の変化の振り返りは、毎日の午後のクラス会議で行い、職員間で共有して、日々の子どもの成長を確認している。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

一人ひとりの子どもの生活調査表や、全体的な計画、その子どものクラスの年間計画、月間計画、個別指導計画、健康診断個人票などは、個人ファイルにまとめている。また、毎日の保育日誌や日直日誌、クラス会議録、調整会議録、全体職員会議録などは、いつでも確認ができるようにしている。マニュアル類も、いつでも確認ができるようにしている。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

記録の管理者は園長としている。子ども一人ひとりの個人ファイルは、職員室で保管して、卒園児の個人ファイルは5年間倉庫で保管している。職員は入職時に、個人情報漏洩防止のための誓約書を提出している。ホームページやブログの写真掲載については、保護者から同意書を入手している。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は、園の方針である「みんないっしょの教育・保育・福祉」に基づき数年前に作成し、現在も引き続き使用している。保育所保育指針の改正や、子育て支援策の変化、コロナ禍を経て、「子どもと家庭の状況の変化」もあり、本年度中に見直しを行い、次年度以降に活かしていく予定である。子どもの「最善の利益の尊重」という視点で見直しを考えている。日々の保育は、指導計画や月案、週案・日案、個別指導計画に沿って保育している。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

エアコンや加湿器、空気清浄器などを設置している。3階建ての本園は、年齢別の5クラスに、子どもたちが通園している。近隣には公園が多く、3ケ所の農園や、全面に人工芝を貼ったスタジアム(グラウンド)を所有している。子どもたちは、天気が良い日は屋外で楽しく過ごしている。柱などの角には、クッション材で怪我を防止している。エレベーターがあり、障害児の移動や給食運搬用として使用している。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者が記入した「生活調査表」から、子どもの特性や障害などを把握している。指導計画書に、子どもを受容するための援助内容を記載して職員間で共有している。また、子どもとの対話を重視し、「応答的保育」(子どもが話しかけてきたことに対して、大人が子どもに寄り添って応えること)を実践している。大勢の前では発言できない子どもについては、個別に会話ができる場を設け、子どもが安心して気持ちを伝えられるようにしている。日頃の子どもの様子や登降園時の保護者の様子から、「いつもと違う」と感じた時は、職員間で状況を共有し、要因を探りながら対応している。必要に応じて、園長や主幹に相談している。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

1歳児が自分で食べたいという気持ちを見せた時は、食べこぼしなどは気にせず、スプーンを渡している。また、成長に応じて、靴下を履きたがる様子があった時は、自分でやろうとする気持ちを大事にしている。コロナ禍で、箸は家庭から持参しているが、5歳児でも箸の使い方がマスターできない子どももいる。下膳は自分で行い、同じ食器を重ねるなどの習慣が身に付いている。5歳になると、小学校の入学に向け、午睡の時間を減らしたり、外出の準備は自分で考えて行うよう働きかけている。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

2歳から日直当番があり、タスキをかけ、クラス担当と一緒に皆の前に立ち、昼食時の挨拶をしている。5歳児になると、クラス全体を見渡し、状況を判断して号令をかけるなど、日直としての責任感を持って当番を行っている。他の子どもは、日直の様子を学びながら、自分の順番がくるのを心待ちしている。天気の良い日は、公園に出かける他、農園に出向き、種まきや収穫をして給食に提供してもらっている。子どもたちは、自分たちが収穫した野菜が給食に入っているのを自慢している。行事やイベントも多く、保護者や地域の人に披露することで、子どもたちの自信につながっている。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

法人の方針として、乳児保育を大切にしている。0歳児は2つの分園を利用している。個別指導計画に基づき、栄養士が保護者と連携しながら、「安心・安全」な離乳食を提供している。喃語(「あうあう」「んまうま」など赤ちゃん特有の言葉)に対する応答など、応答的保育や欲求を受け止めながら、情緒の安定につなげている。いつもと違う様子が見られる時は、他の保育教諭と相談して対応している。医療的な面が懸念される場合は、嘱託医と連携しながら保育している。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

年間指導計画に沿って保育を実践している。保育教諭が散歩の途中で、大きな声で挨拶するのを見て、子どもも大きな声で挨拶している。食事介助時、「自分でやる」と子どもから発信があった場合は、タイミングを逃さずスプーンを渡し、子どもの気持ちを大切にしている。その日の出来事は保護者へ伝え、成長を共有し、家庭での対応につながるようにしている。子ども同士のトラブルは、まずは見守って、子どもたちの気持ちを大切にして、友だちとの関わりを学ぶ機会としている。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

自分の言葉で思いを伝えることの大切さを指導している。子どもが喧嘩した時は、3歳児は静かな場所で本人の訴えを聞くようにしている。4歳児になると、本人の言葉で状況を説明できるようになっている。5歳児は周りの子どもからも状況を聞くなど、子どもの発達段階に応じて対応し、子どもたちが自分の言葉で気持ちを伝えることができるよう関わっている。5歳になるとお泊り保育があり、家族以外の人と寝食をともにすることで、基本的な生活習慣を習得し、食事の配膳を自分たちで行うなど、自立心を高める取り組みを行っている。また、公共交通機関を利用して、遠出の外出や近隣の施設訪問などを行い、社会に触れる機会を作るようにしている。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

障害認定を受けている子どもや、認定は受けていないが気になる子どももいるが、「みんないっしょ」の園の基本理念のもと、「障害は特別なことではなく個性」と捉え、子どもたちも自然に関わっている。職員は、療育相談所への相談や外部の研修を受講し、成長に応じた保育や、他児との関わりに配慮しながら、必要な部分の手助けをしている。新たに気になる子どもは、担当職員から園長へ伝え、職員会議での共有や保護者と相談し、必要に応じて発達支援(心理カウンセラー)につなげている。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

7:00~19:00の開園時間のうち、16:00以降は乳幼児別に異年齢の合同保育を行っている。18:00~19:00の延長保育では、全体合同保育を行い、職員2人体制で保育している。延長保育では、おやつを提供して、子どもが淋しい思いをしないよう、一対一での絵本の読み聞かせやおしゃべりをするなど、子どもたちに寄り添っている。18:00まではクラス担当が保護者に対応できるが、それ以降は伝言ノートで引継ぎを行い、その日の子どもの様子を保護者に伝えている。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

「保育所児童保育要録」は、担当保育士が前年度の担当から引継いだ内容も参考にしながら作成している。また、毎週火曜日の午前中(45分間)を学習時間に充て、小学校の入学に備えている。日直当番や農作業、様々な行事を通じて、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿に向けて取り組んでいる。保護者には、懇談会で就学に向けての説明や保護者の体験談から入学のイメージを持ってもらい、子どもにはランドセルの重さを体験してもらい、具体的にイメージできるようにしている。配慮が必要な子どもについては、保護者や関係機関と連携し、3歳から就学指導を開始している。特別支援学級を選択するか否かは、保護者が決めている。就学に向けて開催される市の合同研修会などに、職員が積極的に参加して、情報を収集している。 

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

年2回、内科健診と歯科健診を行い、チェック表に記入している。結果は、その日のうちに、保護者に報告している。子どもの健康に関することは、「職員マニュアル」や、入園前の説明会資料に記載している。登園時に、毎朝の検温や体調確認を行う他、月1回、体重を測定し、グラフにしている。実測計で37.5℃を超えた時は、保護者に迎えを依頼している。首から上の怪我については、電話で状況を説明して、状況に応じて通院している。また、乳幼児突然死症候群(SIDS)の対応として、定期的に呼吸やうつぶせ寝になっていないかチェックしている。今年1月からは、0歳児のみ、睡眠時の呼吸チェックを機械をつけて行っている。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

年2回の内科や歯科健診の結果は、毎月の体重測定の結果も含めて、健康診断チェック表で管理している。健康診断チェック表は、入園から卒園まで、同じ記録用紙を使用して、子どもの成長が把握できるようにしている。検査結果は、降園時に保護者へ口頭で伝え、虫歯などは早期の治療を促している。また、食育に力を入れており、3ケ月に1回、栄養士がBMI検査を実施している。肥満指数が高い子どもには、給食のお代わりの量を少なくしたり、よく噛んで食事を摂ることを伝えている。歯磨きは、4歳から個別に対応し、虫歯予防につなげている。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー除去食対応の子どもが10人程在園しており、医師の診断書を基に、栄養士が献立を作成している。除去食のチェックは、前日の材料を確認するところから行っている。配膳時には、机や台ふきんも別にして、ネームボードを複数使用し、間違いのないよう最善の注意で誤食を予防している。「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」を基に、マニュアルを作成している。園での対応が難しいアレルゲンは、これまではなかったが、クラス担当や栄養士、保護者と、すり合わせしながら対応している。職員がアナフィラキシーショックの研修を受講し、内容を全職員で共有している。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

3ケ所の農園で野菜を栽培している。子どもたちは種まきや収穫を行い、野菜がどのように実っているのか、保護者に報告している。月1回の「弁当日」は、弁当箱に給食を詰めてもらい、近くの公園や屋上など、それぞれのクラスが好きな場所で、ピクニック気分で食事をしている。月1回、栄養士が給食だよりを発行し、レシピを掲載して、自宅でも子どものリクエストに対応できるよう配慮している。食事の量は、個々の気持ちを優先している。自分たちが収穫した野菜を使った給食で、子どもたちの食材への興味も高い。収穫時期ごとに、収穫した野菜と、どんな食材として使用したか掲示している。好き嫌いが改善したと保護者も評価している。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

食育に力を入れ、給食で使用するほとんどの野菜は、園の農園で栽培している。農園を管理する人も、複数名職員として採用し、安全な栽培に取り組んでいる。栄養士が献立を作成して調理している。職員会議の中で食育会議を開催し、栄養士とクラス担当で、子どもの嗜好について意見を交換している。離乳食については、初期食、中期食、後期食の段階を踏み、時期ごとに全ての食材の確認が終わってから、次のステップに移ることにしている。アレルギー除去食については、献立表をチェックし、保護者に確認のサインをもらい、さらにクラス担当が確認して事故を防止している。年1回、保護者に対して園の給食の試食会を開催している。食器については、滑りやすいものもあり、検討が必要と捉えている。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者とは、登降園時の口頭でのやりとりや、玄関のホワイトボード、育児ノート、シール帳などで、家庭やその日の園での様子を共有している。また、クラスだよりや園内の提示物、保育参観などで、子どもの様子を伝えている。保護者からの個別の相談は、改めて日程を調整して対応している。保護者とのやり取りは、その都度、個人ケースの記録表に記載し、職員間で共有している。行事への保護者の協力は、できるだけ負担を軽減する方向で進めている。卒園アルバム作成には、3人の保護者が協力している。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

延長保育を含め、保育時間は19:00までだが、保護者の就労時間で迎えが遅くなることがある。ある程度は配慮しつつも、頻繁になるケースは、ファミリーサポートや20:00まで対応できる園の情報を提供している。また、土曜日の保育についても、就労証明書の提出がなくても受け入れている。全保護者に対し、今年度は個人面談を実施し、保護者と意見交換を行っている。園内に学童クラブがあり、兼務ではあるがソーシャルワーカーもおり、必要に応じて相談できる体制がある。連絡なしの休みの子どもについては、必ず園から保護者へ確認の連絡を入れている。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

権利擁護に特化したマニュアルはないが、運営規程に記載している。法人に人権委員会があり、年に1~2回、ハラスメントを含めた外部講師による研修を開催している。園長が市の虐待対応委員でもあり、毎月の職員会議で注意喚起を行っている。虐待の早期発見として、毎月の体重測定の時に身体を目視し、痣などの有無をチェックしたり、登降園時の親子の様子を観察している。また、保護者の精神面にも配慮して、見守っている。児童相談所を経由して入園した子どももおり、児童相談所とも連携している。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

保育の質に関する自己評価については、年2回、園で作成した簡易的な振り返りシートを活用している。法人の人権委員会で、基本理念に対する自己評価を行っている。人権に関するテーマ(ハラスメントなど)の研修や、教育研修、初任者研修などのスキルアップ研修に職員が参加して、復命書で報告している。職員自身の保育の見直しやスキルアップにはつながっているが、職員がお互いの保育業務について評価したり、意見交換する機会は設けていない。