社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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たつのこのはら保育園

2025年02月21日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 たつのこのはら保育園 評価対象サービス 2024~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 240(239) 名
所在地 〒216-0005
川崎市宮前区土橋4-7-1
TEL 044ー920ー9200 ホームページ https://daijikai.jp/hoikuen/tatsunokohara/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2013年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 大慈会
職員数
常勤職員:47 名
非常勤職員:24 名
専門職員
保育士:51 名
看護師:1 名
栄養士:4 名
調理師:2 名
子育て支援員:3 名
施設・設備の概要
居室:0歳児室
居室:1歳児室 3室
居室:2歳児室 2室
居室:3歳児室 2室
居室:4歳児室 2室
居室:5歳児室 2室
居室:一時保育室
設備:給食室
設備:ランチルーム
設備:プレイルーム
設備:アートルーム
設備:支援センター
設備:会議室
設備:事務室
設備:医務室
設備:トイレ
設備:エレベーター
設備:園庭
設備:屋上園庭

③ 理念・基本方針
<理念>
1.我々は、まず福祉の増進に寄与する者でなくてはならない。
福祉とは人々が幸福に日々を暮らしてゆくことである。時代と共に社会は変化し、それに伴い人の感じる幸福感も変貌してゆく。しかし我々は幸福の核は常に家族であると認識し、それが円満安寧であるようにサポートし、時には積極的にコーディネイトすることが我々の第一の仕事である。

2.我々は、子どもたちとその親、家族の幸せを守り、育まねばならない。
子どもたちは如何なる人種、能力、環境、立場の違いに拘わらず、等しく愛され、護られなければならない。我々はその責務を、その家族と分かち合い、その心身の健やかな成長と幸福を希求する。そのために我々は、子ども、家族、社会の求めるものを常に探り、その求めに応じた、適した援助を行わなければならない。

3.我々は、我々自身その一人一人が幸福であるよう努力し、協力しなければならない。
我々の安心、健康、協調は、寛容の精神を強め、奉仕、援助の能力を鍛える。子どもたちは我々に何よりも安らぎと、頼もしさをもとめているのだから。

4.我々は、生命の尊さと、大切さと、喜びをよく知っていなければならない。そしてそれを伝える能力、技術を磨いていこう。

<基本方針>
1.「ひとりひとりの人格を尊び、守り育てる」
子どもの人権を第一に考え、子どもたちに最善の環境(人、物、場)を与えることができるように常に研鑽し、子どもたち一人ひとりに寄り添う保育を行う。また、子どもたちを取り巻く多くの人々についても充分尊重し、子どもたちの成長に生かせたい。 

2.「安全で安心 中庸な保育」 
保育所には様々な家庭環境の方が子どもたちを預けている。特色を前面に出し過ぎて一部の方のみに受け入れられるような保育内容ではなく、福祉的でスタンダード(多くの方に満足が与えられる)な保育を実現し、多くの方が利用しやすい保育園を目指し運営する事によりバランスの取れた人格の育成をしていきたい。子どもたちにとって安全で、安らぎを得られる場であることを前提とし、その中で子どもたちの感性を充分に刺激し、磨けるような保育を展開する。

3.「協調、思いやり、相互援助」
子どもたちの安定した成長は環境の中にある。子どもの育ち、子育て環境を社会全体で支えるという視点で、保育園の役割を十分理解し、保護者の方を含め、子どもたちを取り巻く人々と信頼しあえるようにする。そのためには、相互に人間性を高め、何が子どもたちにとって良いかを共に考え研鑽し、地域、保護者にとって利用しやすい施設を目指し、子ども社会全体の向上へ寄与する。

<保育目標>
充分に養護の行き届いた環境の下に、くつろいだ雰囲気の中で子どもひとりひとりの欲求を満たし生命の保持、情緒の安定を図る。
●〈健全な心身を持つ子ども〉
健康、そして安全で幸せな生活のため基本的生活習慣態度を育て、困難に出会っても自分で切り開き健全な心身の基礎を培うようにする。
●〈命の尊さを感じられる子ども〉
様々な体験を通して豊かな感性を育て、生命の尊さを感じる力を培う。
●〈自発的、積極的に行動できる子ども〉
自然や社会の事象、生活の中で興味や関心を育て、それに対する豊かな心情や思考力の基礎を培う。
●〈自己表現のできる子ども〉
生活の中で言葉への興味、関心を育て喜んで話したり聞いたりする態度や豊かな言葉表現を養う。
●〈思いやりのあるやさしい子ども〉
人との関わりの中で人に対する愛情と信頼感そして人権を大切にする心を育てると共に自主、協調の態度を養い、道徳性の芽生えを培う。
●〈保護者や子育て全般に対しての支援〉
子育て支援は就労支援と育児支援の両方の視点から捉え、その意向を受け止め子どもと保護者の安定した関係に配慮し、あらゆる困難に対しての支援を行う。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<たつのこのはら保育園の特徴的な取組>
1.地域交流として、各行事への参加(移動動物園・夕涼み会・運動会・総合避難訓練・うたとリズム等)年間を通して保育相談・保育園見学の受付
2.職業体験(小学1年生から夏季休暇中対象)、保護者の保育参観・保育参加(年間を通していつでも行える)
3.オプション保育として、体操教室・ヒップホップダンス(3・4・5歳児希望者対象)・スイミング・英会話(4・5歳児希望者対象)
4.サブスクの導入(口拭きタオル・エプロン(0・1・2歳児希望者対象))
5.子どもの主体的な取り組みを大切にした保育・行事の実施
6.園へのチェック機能を有した、主体性のある保護者会
7.かいたりつくったり・うたとリズム・体操遊びなど外部より専門の講師と連携した保育の実践

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/06/12(契約日) ~2025/02/12(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2016年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【たつのこのはら保育園の概要】 
●たつのこのはら保育園(以下「当園」という。)は、東急田園都市線「鷺沼駅」の北方約700m、駅の北口から徒歩10分程度の住宅地の中にあります。園は、川崎市の幹線道路から少し中に入ったところにあり、周囲はマンションや閑静な戸建ての住宅地であり、隣接地には緑地(宮崎配水池)が存在しています。また、徒歩5分圏内に複数の公園が点在し、自然も多く、豊かで恵まれた環境を有しています。

●当園の経営主体は、社会福祉法人大慈会(以下「法人」という。)です。法人は当園を含めて、認定保育園を川崎市内に9園、横浜市内に1園、計10保育所を経営・運営しています。たつのこのはら保育園は6つ目の認可保育所として平成25年4月に開所されました。園名の由来は、法人の母体が、龍厳寺(川崎市多摩区堰)の寺院であることから、龍から「たつ」をいただき、また「はら」は、子どもたちの自然の遊び場であり、自由に駆け巡ることができた且ての野原をイメージしています。

●定員は、0歳児15名、1歳児36名、2歳児45名、3歳児から5歳児までそれぞれ48名の合計240名であり、川崎市内の保育園の中では大規模保育園として、高い定員を誇ります。宮前区の住民の平均年齢は若く、人口も増加している地域の特殊性から、川崎市の要請によって定められた定員となっています。本年10月1日現在の現員は、0歳児15名、1歳児38名、2歳児43名、3歳児50名、4歳児46名、5歳児47名の合計239名で、定員がほぼ満たされている状況です。保育時間は、平日及び土曜日ともに、午前7時から午後8時までとされ、その内、標準保育時間を午前7時から午後6時までの11時間としています。また、延長保育、障害児保育、乳児保育、一時保育、スポット延長保育を受け入れ、地域子育て支援センター「たつのこのこ」を併設し、育児相談や育児教室等、地域家庭の子育て支援に取組んでいます。

●当園の特色ある取組として、主体性と自己肯定感を育む保育を実践しています。また、前記の園の特徴的な取組に記載した各種の事業を行っています。特に、保護者会と連携して、移動動物園や夕涼み会、お月見敬老会、運動会、発表会等の保護者の参加行事を多く実施しています。中でも移動動物園は、川崎市内の牧場から、ポニーやヤギ等の大型動物から、うさぎ、ひよこ等の小動物まで多数の動物が訪問するもので、子どもたちの喜びはもちろんのこと、地域住民にも開かれた行事として人気を博しています。

◇特長や今後期待される点
〈特長や評価できる点〉
1.【子どもの主体性と、自己肯定感を育む保育】
子どもの主体性を尊重した保育は、他法人の保育園でも行われているところですが、法人・当園では、「子どもの将来の生きる力の源泉は自己肯定感によるもの」という信念を持って保育を実践しています。園長から伺った情報では、日本財団が行った18歳の意識調査では、諸外国の若者に比べて、日本の若者の自己肯定感が著しく低い結果を示したそうです。自己肯定感を育むためには、自我の芽生える幼児の時から対話する保育環境が不可欠であると、当該意識調査結果で課題が示されているとのことです。当園では、日頃の保育において、子どもたちが遊び等を自分で選択するように促すと共に、行事についても子どもたちがその内容や実施方法を話し合って決め・実施することで、達成感や自己肯定感が育まれることを目的に、保育を実践しています。当園のホームページでも『子どもたちが、本当にやりたいことを楽しんで行うことができる保育環境の下、昨年度は、発表会や、運動会、豆まき等の伝統行事や、卒園式の内容を子どもたちが話し合い、考えて企画・実行しています。』という園長の言葉があり、こうした経験を通して、子どもたちのやる気、持続力、集中力、積極性、柔軟性と思いやり、共感する気持ちが大きく育っていることを、保育者、保護者が実感しています。利用者(保護者)アンケートでは、「園児の主体性を重んじていて、素晴らしい保育園」、「園児たちがやりたいことを話し合い、意見を出し合って形にしていくことが素敵」等の、子どもの主体性や自己肯定感を育む保育に賛同する意見が多数寄せられています。

2.【子ども、保護者、保育士の三者にとってベストミックスな運営】
保育理念の「子どもたちとその親、家族の幸せを守り、育む」、「我々一人一人が幸福であるように努力」を実現する一つの答えとして、手厚い保育体制を採用しています。手厚い保育体制が、職員が心身共に健康で、余裕を持って保育に取組める環境を作り、子どもの安定した生活の実現につながっています。また、その保育環境が保護者の安心感をもたらし、好循環が生まれています。人的に配慮された環境の中で、保育者の愛情深い保育や、丁寧な保護者対応が可能となっています。ワーク・ライフ・バランスの意識が醸成され、就業と家庭や自己の生活との両立を図ることができ、研修参加や研究活動等の自己研鑽の時間も得られています。こうした環境作りが、法人のホームページの入園案内のトップタイトル「良質なスタッフ、充実したサービス、多様なプログラム、そして対話」の実現に寄与しています。利用者(保護者)アンケートでは、「先生の離職率が低く、育休復帰される方も多いので、先生たちにとっても良い環境だと思います。働く親としてはここが一番大切で、安心して預けられる理由です」、「先生方も全体的に余裕のある雰囲気」、「どの先生もプロフェッショナルでクオリティが高い(中略)なかなかこのレベルは維持できないと思います」等の声が寄せられており、当園の運営姿勢が窺えます。

3.【質の高い保育士の育成】
人材の確保・定着と、保育の質の向上に向けて、「人事・人材育成委員会」の下に「職員採用 確保部会」を設置し、職員の確保と共に、法人全体研修、法人内部研修、職場研修、部会研修、外部研修と研修体系を構築し、戦略的に人材育成に取組んでいます。これらの研修には、当園で担当を決め、それぞれの研修主体との連携や参画を図っています。研修内容は、全体研修では、理事長講話・職員研究発表・部会活動報告等が行われ、法人内部研修では、AED・心肺蘇生法やエピペン使用法等の現場での緊急対応や、人権・虐待・ハラスメント研修等の職員が共通して理解すべき研修、外部講師によるピアノレッスン、NHK講師による日本語レッスン等の実践的な研修、美術館見学や海外研修等の見聞を深める研修が行われています。園内研修では、今年度は乳児・幼児研修、食育研修、アレルギー研修、保健衛生研修、マネジメント研修、障害児研修、保護者支援・子育て支援研修、災害対策研修等が計画・実施されています。また、乳児担当、幼児担当、保健衛生、栄養給食の4つの部会では、専門性を高める研修や研究が行われています。外部研修は、川崎市や市保育会の研修や、宮前区の研修の他、企業の行うキャリアアップ研修等を受講しています。法人全体で職員が専門知識を深めるための研究活動を奨励しており、当園職員の研究論文が、川崎市の保育関係の論文集や、法人の論文集に掲載される等、質の高い職員が育成されています。さらに、意向調査票を活用した目標管理や人事考課制度が確立されています。特に、意向調査票で運営や保育に関する意見やアイデアを募っており、職員が運営面にも目を向ける取組は評価できます。今回の第三者評価の各項目に対する評価結果や評価理由欄において、適切で詳細な記載からも職員のマネジメント能力、バランス感覚が育っていると認められます。

〈今後期待される点〉
1.【持続的な園運営が図られることが期待されます】
法人では運営方針として職員の処遇・待遇の充実を図り、年間休日127日以上や実務労働時間7.75時間の実現等、手厚い保育体制を採用しています。こうした手厚い人的対応は、子ども、保護者、保育者にとって好ましい状況をもたらす一方、人件費比率が高止まりすることで、経営の圧迫・大規模修繕等に係る運営費や事業費の不足を来す恐れもあります。一般的に、人件費は70%、運営費・事業費は30%が運営の目安ともいわれています。園では現在、人件費比率が約80%となっています。この点は、法人の役員である園長は十分認識されており、子ども誰でも通園制度等の新たな事業の採用の検討が成されているところです。今後ともサービスの水準を維持されると共に、処遇加算措置のある新たな事業の採用や、業務や行事の省力化等により、人件費比率の逓減を行う等、持続的な園運営を図っていかれることを期待します。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 たつのこのはら保育園    
        
≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取組の感想≫
自己評価結果表については、全職員で様々な面から評価・検討できたことで、より一層の意識の向上や業務内容への理解ができたことはとても大きな成果となりました。

評価項目ごとに調査を進めていく中で『事業所としてあるべき姿』を再認識し、改善すべき点が明確になりました。社会からのニーズが大きく多様になっていること(長時間保育、多様性、子育て支援、主体性等)、それに対応ができるための基本となる組織を目指しながら、法人の独自性多様のニーズに応えるための柔軟な組織作りが重要だと感じています。
さらなる主体性を育むためにどのように経験を提供していくか、地域との交流を深めるためにできること等、着手していきたいと考えております。

保護者の皆様にもお忙しい中、アンケートへのご協力をいただきました。未来を担う子どもたちが安心してのびのび育つための、共同関係の強化に努めてまいりたいと思います。

この度は様々なご教示をいただき、有意義な機会を得られましたことに感謝いたします。
ありがとうございました。

≪評価後取組んだこととして≫
1.保育の質の向上に向けて、職員で行っている人権についての研修内容をパート職員にも共有する機会を設けた。

2.個人差が出ないよう、また、より充実した内容となるように記録要領の作成方法を主任・副主任で見直し、統一できるように進めている。

3.利用者アンケート集計・分析結果の内容の確認と対応策について検討を行った。

4.持続可能な施設運営と多様な保育ニーズに対応すべく、就業規則、賃金規定の変更をした。

詳細評価PDF 詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

理念、基本方針は、目指すべき保育姿勢の項目を立て、簡潔かつ明瞭に表現すると共に、それぞれの趣旨の理解を促すため、分かりやすく内容を説明する文章が付されています。職員は、日常の保育の中で常に理念、基本方針を意識して取組んでいます。理念、基本方針は、法人のホームページや中・長期計画をはじめ、園のホームページや、園のしおり、全体的な計画、保育業務マニュアル等に掲載されると共に、園の玄関や各保育室に掲示しています。さらに、理念、基本方針は毎年4月の職員会議で読み合わせを行い、継続的な周知及び浸透を図っています。保護者には園のしおりを用いて、入園時、見学時や年度初めの保育説明会等で説明し、理解を図っています。利用者(保護者)アンケートでの「基本方針・保育目標」について「知っている」の割合が「まあ知っている」を含めると約84%と、浸透していることが窺われます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

園長は、川崎市保育会園長会の会長並びに川崎市社会福祉協議会の宮前区の代表園長として活動すると共に、法人の常務執行理事として、行政情報を始め保育業界を取り巻く環境動向や、経営状況について把握しています。さらに、行政のホームページや研修等からも情報を入手、分析して地域の利用者ニーズの把握に努めています。また、園長、副園長、主任等の管理的な職員及び看護師等の専門的職員は、宮前区の園長会、主任会、発達コーディネーター連絡会議、看護師会議、子育て支援会議、実務担当者会議等に参画して、それぞれの保育環境の情報を把握しています。これらの事業環境や経営状況に関わる情報は、主任以上の管理的職員で共有されると共に、職員に伝達すべき情報は整理され職員会議で周知されています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

経営課題は、法人の中・長期計画や事業計画・事業報告で、保育内容、保育体制、財務等の問題点を明らかにしています。経営課題やその改善状況は年に複数回開催される理事会で共有されています。また、就業規則や給与規程等、職員の処遇に関する規程が改定された際は、その都度、職員会議で説明・周知を図っています。また、園長は法人の理事として、定期的に社会保険労務士や、税理士、弁護士と情報交換を行い、経営課題の改善に取組んでいます。経営状況や課題は、職員会議の他、法人研修や、職員の意向調査面接等の機会を通じて、必要かつ適切な範囲で職員へ周知が図られています。尚、園長は十分認識されているところですが、人件費比率の高さも経営課題となっているため、持続可能な経営に向けて計画的な取組が望まれます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

法人の保育のビジョンは、「子どもたちの人間性を育みながら、子ども主体の子どもを真ん中に置いた、子どもの権利を尊重した保育を大切にする」さらに、「持続可能な社会づくりの担い手を育む教育という視点を持って、豊かさを捉えられる保育の実践」を基本としています。また、保育所は、社会経済の下支えに貢献する社会の必要不可欠なインフラとして、親の働き方の変化に応じて柔軟に子どもを預けられる時間や仕組み、新たな保育ニーズへの対応、新たな子育て支援の検討、相対的貧困家庭の把握と援助等、制度が追い付いていないが救済が必要なところに視野を広げる必要があるとしています。このような認識の下、法人では、令和5年3月に、3か年の中期的な計画を策定しています。内容は、総論と各論に分かれ、総論は、法人理念・保育方針・保育目標の他、中・長期計画の内容説明が成されています。各論は、1.保育内容、2.人事労務・給与制度、3.経営基盤の確立、4.地域ニーズの把握、5.職員の研修の項目ごとに、各年度の実施内容や目標が掲げられています。中・長期計画は、実施状況を把握した上で、次年度に向けて見直しが行われています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

当園では、法人のビジョンと中・長期計画を踏まえ、事業計画を定めています。令和6年度の事業計画では、「子ども基本法」の制定の趣旨を踏まえて、「子どもを権利の主体、子どもたちの自己決定、自己肯定感の高まりを保育の質の向上に結び付けねばならない」の認識を新たにしています。また、少子化の動向や新たな福祉ニーズを踏まえ、「こども誰でも通園制度等のニーズに積極的に貢献しながら、マニュアル、ヒヤリハット、災害対策、事故防止の確認、保護者からの満足度調査等を行い、園児の生命・人権・健康を十分に守り、意識を高く持ち、園児の主体性を大切にする保育を行う」を冒頭に掲げ、保育等の施設運営や、設備・災害対策等の施設管理、地域社会との連携、その他、項目ごとに実施予定事業を掲載しています。法人のビジョンや園の保育方針、保育所保育指針に基づく、全体的な計画を併せて策定しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

運営に関する事業計画は、実施状況を踏まえて毎年度事業報告がまとめられ、次年度の事業計画に反映されています。また、全体的な計画には、保育理念、保育方針、保育目標を始め、0歳児から5歳児までの子どもそれぞれの保育目標、保育のねらい、食育、地域交流等、保育所保育指針が求める内容が、適切に策定されています。全体的な計画の下、クラスごとの年間指導計画、月間指導計画、週間指導計画や、行事計画が策定されています。全体的な計画は、園長以下副主任以上の管理的な職員と、看護師や栄養士の専門的職員が中心となって見直し・策定が成されています。他の各計画は実施後に関係職員により反省・評価が行われ、管理的な職員のアドバイスや承認を得て、次の計画の改善につなげられています。各計画はパソコンのシステムに掲載されることにより、全職員が共有できるようになっています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

保育に関する事業計画は、4月の園だよりに概要を掲載すると共に、園のホームページに詳細を掲載しています。また、保護者には、保護者会や保育説明会、行事等の機会を捉えて、事業計画の内容を組み込んだ説明をしています。玄関にファイル設置して事業計画を自由に閲覧できるようにしています。利用者(保護者)アンケートでの「年間事業計画・行事計画」の認知度は、「まあ知っている」を含めて約96%と高い数値を示しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

年間指導計画や、月間・週間指導計画、行事等の実施後の反省・評価をクラスごとに関係職員で確認・協議し、振り返りを行うことにより、内容の改善を図っています。保育計画と食育計画は四半期ごとに見直し評価を行い、園長の確認と指導を得ています。また、毎年の意向調査の中で自己評価を行うと共に、第三者評価を定期的に受審する等、保育の質の振り返りを継続的に行っています。尚、職員の自己評価結果での意見や提案は、定期執行理事会で策定する次年度の事業計画や、研修計画に反映されています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画を始め、保育に関する年間・月間・週間指導計画については、各計画の実施後に反省・振り返りを行い、課題を箇条書きで示し、職員会議で共有・評価し、評価結果に基づいて次期の計画を改善する仕組みを講じています。管理者との面接を通じて保育のレベルアップを図る仕組み、行事ごとの改善策の検討、保育を通して職員が気付いたエピソード記録の共有等を通じた改善策の実施等、職員が保育の実践課題を意識し、改善に取組む風土作りが園長のリーダーシップの下、意識的に行われています。また、保護者に向けて、年1回「満足度調査(保育アンケート)」を実施し、結果や改善策をホームページに掲載すると共に、職員に周知・共有することにより、日常の保育の実践内容の改善に活用されています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、事務分担表の中に、園全体の運営管理・職員の管理指導を位置付け、自らの内部管理の責任を明確化しています。行政、関係機関・団体、保護者、業者との交渉・連絡・調整等の対外的な責任を表明し担っています。さらに、職員会議やクラス会議等で方針を伝え、職員との共有を図ると共に、給食会議や、保健会議、行事会議に積極的に参加し、現状の把握に努め、指示やアドバイスを行っています。園長不在時には、事務分担表で副園長に権限を委任すると共に、災害や事故等における園長の役割と責任については、消防・防災計画や、大地震発生時マニュアル、感染症及び自然災害時の事業継続計画、園のしおりに明記されています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、川崎市保育会や川崎市社会福祉協議会における活動を通じて、また、法人の役員として、社会保険労務士、税理士、顧問弁護士と定期的に交流することを通じて、法律や制度の変更、働き方改革、福祉従事職員の処遇改善等の情報を収集し、継続性のある働きやすい職場作りや、就業規則や給与規程の見直しに反映しています。さらに、園長は、法人の常務執行理事として、SDGs等の環境問題や貧困問題、性差、共生社会等の視点を大切に、保育教育、地域支援、保護者支援に、法人全体で取組んでいます。園長は、職員会議や面接の場を活用して、遵守すべき法令はもちろんのこと、環境問題等について法人がこれから取組んでいくべき課題や視点について、職員に伝えています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、川崎市の監査、第三者評価等の外部評価に加えて、自らが担当する法人監査班を活用して、定期的に子どもの人権を尊重した保育の実施や不適切保育の未然防止等の状況を確認し、適切な指導・アドバイスを行うことにより、保育の質の向上を図っています。職員一人ひとりの資質向上と職員全体の専門性の向上を図るため、法人研修、園内研修、宮前区の部会研修、外部研修にそれぞれ対象となる職員が受講できる環境を構築しています。さらに、職員の意向調査を活用し、法人・園運営をより良くするための意見やアイデアの提出を促進すると共に、面談を実施して意見やアイデアの採用及び、実現化を図っています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

毎年実施する職員の意向調査の中で、運営に関する意見やアイデアを記入する欄を設けています。意見やアイデアの項目は、「保育の充実」、「地域子育て支援の充実」、「業務省力化」、「事故防止・災害対策」「人材確保対策」です。園長との面接の中で、運営に関する職員の意識を醸成すると共に、意見・アイデアの活用を図っています。今回の第三者評価の自己評価表では、各評価項目について判断した理由・特記事項も適切かつ詳細に記載されていました。調査当日の職員ヒアリングでは、悩みながらもグループで学習して評価項目や判断理由を記載したことが分かり、運営に関する職員の意識化が図られていると認められました。また、園長は、経営改善や業務の実効性を高めるため、副園長・主任・副主任と定期的な会合を設け、働きやすい職場作りや職員の処遇改善に向けて、意欲的に取組を進めています。特長的な取組として、「人件費比率80%(一般的には人件費比率70%程度))」があります。当園では、保育士の心身の安定が、子どもにとって質の高い保育につながるとの考え方の下、職員配置を手厚くしており、こうした取組が、働きやすい職場作りに効果を上げていると言えます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人では、職員の確保・定着を重点目標として取組んでいます。法人本部の「職員採用 確保部会」が、職員の採用、新任職員の育成や職員の定着につながる各種研修の企画、運営を担っています。法人のホームページに「入職案内」のページを設け、保育の取組、資質向上の機会、働きやすい環境の、項目ごとに内容を記載しています。特に、働きやすい環境では、休暇制度・実働時間・業務効率化・月の時間外勤務・保護者満足度・処遇待遇・子育て勤務応援・人件費比率・平均勤続年数・キャリアアップによる年収見込・職員の声等のアピールポイントや、グラフを掲載しています。さらに、川崎市や企業が開催する就職相談会やフェアでのブース出展、川崎市保育会の就職採用システムへの掲載、保育士養成校への働きかけ、園見学会の実施等、多角的・精力的な取組を行っています。さらに、ジョブリターン制度を設けて、育児後の保育士の職場復帰を促しています。こうした取組により、目標とする職種・人数の確保が法人・園において図られています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

期待する職員像については、保育業務マニュアルに明示されると共に、意向調査票の中に職員として求められる能力が記載されています。同票の職員に求められる能力は、「柔軟性(新しい考えの受容)」、「倫理性(倫理観と法人理念理解)」、「道徳性(社会人・組織人としての自覚)」、「達成意欲(振り返る力)」、「協調性(チームワーク)」、「積極性(保育環境の向上)」です。意向調査票では、他に、「自己目標と自己目標に対する自己評価」、「自己研鑽」、「来年度の希望クラス、受けてみたい研修などの意向調査」や、前述の「運営に関する意見・アイデア」の欄が設けられています。意向調査は、職員に求められる能力について、自己評価、一次評価、二次評価を通じて、それぞれ1~3点の達成度により評価され、昇任昇格等の人事考課に反映されています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

働きやすい職場作りについては、法人の人材確保・定着の柱に位置付けて、取組の充実を図っています。社会保険労務士と法人との定期的な会合で、労働関係法令の改正や動向を把握して、働きやすい職場作りに反映しています。意向調査を行う中で、職員の意向や要望を聴取し、時間短縮勤務や育児休暇希望等に沿った働き方に配慮しています。ワーク・ライフ・バランスを尊重し、個々のライフスタイルに合わせ、ベテランのフリー職員を乳児・幼児共に複数名配置することにより、職員が働きやすいシフト管理が行われています。職員のメンタルヘルス対策については、産業医の配置、衛生委員会の設置、ストレスチェックの実施や、社会保険労務士や弁護士等、外部の相談窓口を設置しています。昨年度はストレスチェックの集団分析を行い、産業医による職員の健康教育を実施しています。また、業務のシステム化を行うことで職員の事務作業の軽減化が図られています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

意向調査票を用いて、目標管理が行われています。期待する人間像は、保育業務マニュアルに明示されると共に、意向調査票の中に職員として求められる能力が記載されています。同様に、意向調査票に自己目標を記載し、自己目標に対する自己評価を行うこととされています。また、自己研鑽の欄を設置し、研究テーマ等の記載を求めています。意向調査は、年度当初に園の保育目標や保育方針を伝えた上で、個人目標や達成に向けての取組、研究テーマを職員から提示し、管理者と職員が共有した上で、年度末に、職員一人ひとりが設定した目標の達成状況や、研究テーマ等の自己研鑽の進捗状況等が確認されており、目標管理の仕組みが構築されています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

人材の確保・定着と、保育の質の向上に向けて、前述の通り法人内研修、外部研修等、研修体系を構築し、戦略的に人材育成に取組んでいます。これらの研修には、園でそれぞれの研修担当を決め、各研修主体との連携や参画を図っています。研修への取組では、全体研修において、理事長講話・職員研究発表・部会活動報告等が行われ、法人内部研修では現場での緊急対応方法や、人権・虐待・ハラスメント研修等の職員が共通理解を図る研修、外部講師による実践的な研修、また、海外研修等が実施されています。また、4つの部会(乳児担当、幼児担当、保健衛生、栄養給食)では、専門性を高める研修や研究を実施しています。外部研修では、川崎市や市保育会の研修、宮前区の研修、キャリアアップ研修等を受講しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員の毎年の研修の受講状況は管理され、職場内で研修に参加できる体制を作ることにより、キャリアアップ研修をはじめ、各種研修への受講機会が確保されています。また、オンラインや動画での研修の活用を積極的に図っており、常勤職員のみならず、パート職員の受講促進も図られています。また、短時間のパート職員の研修機会の確保が難しいため、研修報告書等により知識・ノウハウの取得を補っています。また、新採用職員やパート職員には、ベテラン職員とシフトを組むことによるOJTや、業務マニュアル等の活用等により保育の質の確保・向上に努めています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

実習生の受入れについては、福祉人材の育成と共に、新採用職員の確保につながる機会として捉え、保育の全体的な計画に位置付け、積極的に受入れることとしています。実習生の受入れに当たっては、実習生受入れマニュアルを整備すると共に、実習生指導者の教本となる「川崎市保育実習生受入れガイドブック(仮称)」を、園長が参画して保育士養成校2校と連携して作成しています。また、法人の保育実習担当者会議で情報交換を行い、職員会議で実習生の対応方法を周知しています。さらに、保育士養成校との実習協議会、ディスカッション、懇談会に積極的に参加し、意見交換を図りながら学生の意向やニーズの把握に努めています。尚、当園では毎年、保育実習生を10名(保育養成校5校)程度、受入れて後進の育成を図っています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人のホームページでは、入園案内、保育園一覧、入職案内、組織概要、最新情報が、それぞれ詳細に掲載されています。また、全国社会福祉協議会のWAMNET(福祉・保健・医療情報サイト)には法人の現況報告書や事業活動計算書等の各種計算書類が掲載されています。また、園のホームページの内容も充実が図られています。苦情・相談体制については、重要事項説明書に掲載すると共に園内掲示を行っています。保育所満足度調査結果も園内に掲示しています。園見学者等地域対応としては、パンフレットや園のしおり等を用いて随時丁寧に対応し、併設する地域子育て支援センター「たつのこのこ」や宮前区等を通じて、地域に存在意義や役割を明確にしています。また、第三者評価結果については、かながわ福祉サービス第三者評価推進機構に公表されていますが、法人又は園のホームページへの掲載をされると尚良いでしょう。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

事務分掌により、職務内容・責任が明確にされ、職員への周知が図られています。また、経理規定により経理事務のルールが明確にされており、入札や契約等の執行が適正に行われています。事業報告、事業計画、事業予算・決算については監事監査や理事会の承認を得ています。また、年1回法人の内部監査が実施されています。労務や財務に関しては、社会保険労務士との定期会合や、税理士による会計指導を得て、経営改善を行っています。法人の経営状況は各園の状況も含めて、WAMNETに現況報告書及び各種計算書類が公開されています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもたちと地域との交流については、事業計画及び保育の全体的な計画に位置付けられ、取組が行われています。夏祭りや運動会、移動動物園には地域の子どもや保護者との交流を図っています。また、小学生の町探検プロジェクトの受入れや小学校との交流、近隣マンションとの交流(鏡餅の配布、絵本の寄贈)、子育て支援センター「たつのこのこ」が実施する地域の子どもたちとの交流等が行われています。また、地域の情報が掲載されたパンフレットやポスターを園内に掲示して保護者に情報提供を行っています。園の特長的な取組としては、夏休みに小学生を中心に職業体験を募集し毎年100名程度を受入れ、園の子どもたちと交流を図っています。園を中心とした地域交流は積極的に行われていますが、園から外への交流にも力を入れ、今後、地域のイベントへの参加や、商店やスーパーでの買い物体験、交通機関の利用、消防署や警察署の訪問等、子どもたちの希望を捉えながら地域交流を一層活性化されることが期待されます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティアの受入れについては、全体的な計画の中に、次世代育成支援や小学校との連携を位置付け、実習生受入れマニュアルを基に、職業体験、ボランティア、インターンシップ等を積極的に受入れています。夏休みには小学生を中心に職業体験を募集し、小・中・高校生を受入れています。また、近隣の中学校2校から職業体験も受入れています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

子どもの支援や保護者の状況に対応できる保健所、療育センター、児童相談所、医療機関を始め、市や区の担当課や、区内の子どもの支援機関・施設等のリストを整備し、常に連携が図れる体制が構築されています。また、要保護児童対策地域協議会に参加し、児童相談所や宮前区、児童家庭センター、学校等関係機関と協働して、配慮が必要な家庭に対する支援(子育て相談、多様な学びプロジェクト〈学校へ行けない子の学びの場〉、子ども見守り110番協力等)に取組んでいます。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の福祉ニーズを把握するための独自のツールとしては、一時保育や、併設する地域子育て支援センター「たつのこのこ」からの地域の子育て支援ニーズの情報を入手する経路があります。一時保育クラスで未就学児を受入れ、保護者のリフレッシュ等、就労形態の多様化に伴う保育ニーズに対応しています。「たつのこのこ」では、育児相談、育児講座、園庭開放、園児との交流体験、未就園児へのサークル支援等の子育て支援活動を通じて、地域の保育ニーズを把握しています。さらに、区の社会福祉協議会の福祉出張講座や、地域子育連絡会への参加、あるいは法人や保育関係の大学が主催する保育フェスタやコンサート等でのブース参加等、多面的に地域ニーズの把握に努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人では、SDGs等の環境問題や貧困問題、性差、共生社会等の視点を大切に、保育教育、地域支援、保護者支援に、法人全体で取組んでいます。このような方針の下、園では、川崎市社会福祉協議会が実施するSOS事業に参加して、生活困窮者に対する無償の保育サービスの提供や保護者への夕食提供を行うと共に、園の保護者の理解と協力を得て、衣類や絵本、習い事の教材等のリユース(交換等)等環境問題への貢献活動を行っています。また、一時保育事業や延長保育事業、スポット延長保育事業を実施し、保護者の多様な働き方を支援しています。併設する地域子育て支援センター「たつのこのこ」では、地域の子育て家庭に対する各種の支援事業を行っています。尚、園では近隣のマンションと協働での避難訓練の実施について当該マンションと協議を行っています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

理念・基本方針には子どもを尊重した保育が明記され、倫理要綱や保育業務マニュアル、大慈会簡易マニュアルにも具体的に子どもを尊重した保育の実践内容が記載されています。倫理要綱や保育業務マニュアルは職員会議で読み合わせを行う等により、職員への浸透が図られています。また、法人内・園内研修で子どもの人権擁護や虐待の防止に係る研修が継続的に行われています。全国社会福祉協議会保育会作成の保育の振り返りチェックリストを活用し、職員が毎年自己評価を行い、課題や改善点を保育の実践に生かしています。さらに子どもたちの理解を深めるために、多様な個性の尊重等、人権の話を保育の中で分かりやすく説明すると共に、子どもたちとの話し合いの場を設けています。さらに、看護師からのジェンダー教育として職員に性差アンケートを実施し、職員間で子どもたちへの伝え方を検討しています。尚、このアンケートの分析結果は川崎市の保育に関する研究論文集に掲載されています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

プライバシー保護に関しては、就業規則や保育の全体的な計画に「個人情報保護」が位置付けられ、園のしおりに個人情報の取り扱いを掲載しています。職員の入職時や子どもの入園時に個人情報の取り扱いについて職員・保護者に説明を行い、職員から誓約書、保護者から個人情報保護に関する承諾書や個人情報使用同意書を徴取しています。また、保育業務マニュアル、大慈会簡易マニュアルに具体的に子どものプライバシーの配慮について記載され、おむつ替えや着替え、身体測定等の際にはロールカーテンやパーテーションを活用し、子どもの羞恥心、自尊心に十分配慮する等、マニュアルに基づく適切な保育が行われています。動画やブログ使用時は顔・名前が特定できないよう配慮すると共に、保護者には行事等での写真・動画の適切な取り扱いについて、園のしおりや都度のお願いにより周知しています。子どもの生活スペースは間仕切り等で簡単に区分できるようにされており、子どもが一人になりたい時に、ゆっくりと一人で過ごすことができるよう配慮されています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

法人・当園のホームページの内容が充実しています。法人のホームページには、入園案内、保育園一覧、入職案内、組織概要、最新情報が、それぞれ分かり易く詳細かつビュジュアル的に掲載されています。入園案内では、「良質なスタッフ、充実したサービス、多彩なプログラム、そして対話」をキーワードに、保育の特長や、行事、オプション教室、取組んでいる保育、質の高い保育の提供(職員研修等)の項目ごとに、それぞれの内容やアピールポイントが記載されています。当園のホームページでは、法人の理念、基本方針、保育目標をはじめ、保育の1日/1年として、一日の日課や年間行事が写真を付して掲載されています。この他、園の自己評価や、園見学・入園ご希望の方、地域子育て支援センター「たつのこのこ」、一時保育、園のしおり、園だより、私たちについて(法人概要)等が掲載されています。また、園のホームページから園見学の予約や届出書類の印刷ができる等の利便性が図られています。園のパンフレットは、宮前区役所や「たつのこのこ」に配架しています。園見学には随時対応しており、保育の内容や特色について丁寧に説明すると共に、質疑応答の時間を設けて利用希望者の理解とニーズの把握に努めています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

保育の開始に当たっては、入園説明会を開催して、園のしおりやパンフレット、写真・ビデオ等を用いて、保育内容を分かりやすく説明し、質問にも丁寧に答えた上で重要事項説明書により同意を得、書面に残しています。また、クラスごとの説明会も行い、各クラスの保育内容やお知らせ等の保育の情報提供と共に、保育者と保護者との意見交換を行っています。保育内容の変更については、園だよりや専用サイト配信、あるいは文書等多様なツールを活用して保護者へ伝え、保護者の意向やニーズに配慮しています。また、重要な変更事項は、承諾書を徴しています。外国籍等、説明に配慮が必要な保護者から入園希望がある際は、スマートフォンの翻訳アプリを利用して説明をしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育所の変更については、転園先が市内の認定保育園の場合は、園と転園先とで、川崎市様式の同意書を取り交わした上で、同市様式に従って引継ぎ文書を作成しています。転園や卒園等で園の利用が終了した後も、副園長、主任、看護師が相談窓口の担当となり、事務所の入口に相談窓口を設け、いつでも相談を受け付ける旨の周知を図っています。尚、川崎市認定保育園以外への転園の場合は、保護者の同意があれば転園先への必要な情報の提供を行うこととしています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の保育の中で、子どもを受容し、主体的な行動を促すと共に、応答的な対応を心がけています。保護者については、年に1回、保護者満足度調査を実施して、副主任以上が参加する検討会議で分析し、結果は園のホームページに掲載しています。保育ニーズを把握することにより、保育サービスの充実・向上に生かしています。また、毎月開催される保護者会に園長、副園長、担当主任が出席し、園からの情報伝達や、保護者の意向や要望を聴取しています。さらに、保育説明会やクラス懇談会、保育参観・参加、保護者面談、給食試食会、各種行事等の機会を捉えて保護者のニーズ把握に努めています。利用者(保護者)アンケートの「園の総合評価」項目では、概ね満足を含めて、満足が99%と高い評価を得ています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

重要事項説明書や園内掲示で、施設内の苦情受付担当者(副園長・主任保育士)、同責任者(園長)を始め、第三者委員を明示しています。第三者委員は、子どもに関わる行政の経験者に依頼しています。また、苦情対応マニュアルを整備し、苦情があった場合は第三者委員に報告し、対応結果を公表することとする等、苦情相談体制が構築されています。最近では近隣からの自転車送迎に関する苦情があり、保護者にルールを徹底し、対応内容を苦情の提出者に直接話をして了解を得ています。また、職員は保護者との関係作りに取組んでおり、相談・要望等に対し速やかな対応に努めていることから、苦情として第三者委員まで上がる案件がないため、近年は公表に至るものはありません。今後は、外部の苦情相談窓口として市や区の担当課や、かながわ福祉サービス適正化委員会を重要事項説明書に記載し、利用開始時に教示されると尚良いでしょう。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

当園と保護者との連携(家庭と園が両輪の関係)については、園のしおりの冒頭に掲げ、職員は、保護者とのコミュニケーション及び関係作りに意を用いて、保護者が相談しやすい雰囲気の醸成に努めると共に、日頃から声かけや、相談に対応しています。相談については、連絡帳、面談、懇談会、満足度調査、保護者会によるアンケート調査、意見箱等複数の方法があることを、利用開始時の説明会や、園だより等に掲載し、周知しています。保護者からの相談の際は、プライバシーが守られるように会議室やホール等を用意し、相談等をしやすい環境整備をしています。尚、いつでも保護者からの相談を受入れること、相談手段が複数あることについて、園のしおりや重要事項説明書等に記載されると尚良いでしょう。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

毎日の送迎時や連絡帳を活用して、保護者とのコミュニケーションを図り、子どもの成育状況について情報共有を行うことにより、相談や意見を述べやすい関係作りに努めています。保護者からの相談は、クラス内で共有すると共に、管理者に報告の上で対応方法を確認して、できるだけ速やかに保護者に回答する手順を定めています。即時対応が難しい相談等については、その旨を保護者に伝えた上で、職員会議で検討する等、園全体で対応に努めています。この度の第三者評価に伴う保護者アンケートの要望・意見については、園内で対応策を検討して法人に確認の上で保護者にフィードバックすることとしています。今回の利用者(保護者)アンケートでは、「相談事への対応について」の満足度は、概ね満足を含めて満足が、96%と高い数値を示していました。コメントでも「子どもへの接し方も親と共有し、相談しながら対応して頂ける」、「相談しやすい、しっかりフィードバックして下さる」等の相談姿勢を評価する意見が複数寄せられています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメントマニュアル、緊急時対応マニュアル、SIDS(乳幼児突然死症候群)対応マニュアル、不審者侵入時の対応マニュアルを整備し、事故・事件発生時の対応を明確にしています。また、安全計画を策定し、事故リスク軽減のためのチェックリスト、施設における安全点検ポイント、消防用設備等自主点検票、活動別事故防止チェックリストを活用し、毎月点検・評価を行う等、園内の安全管理を行っています。アクションカード(全国社会福祉協議会版)を使用した一時救命措置を全職員で履修し、さらには、食事・睡眠時・水遊びでの重大事故を想定したシミュレーション訓練を繰り返し行うと共に、年度初めには、食事・睡眠時・水遊び時の職員配置や注意事項を各クラスで検討し、検討結果を保健会議で確認しています。ヒヤリハット検証記録や事故報告書は、職員会議で分析・検討し改善を図っています。他園等での子どもや保育関連の事故はその都度職員に周知されています。また、AED使用方法・心肺蘇生法、エピペンの使用方法の研修が法人内・園内研修により定期的に実施しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

川崎市健康管理マニュアルや、国の感染症ガイドラインに沿って、毎日の清掃や、感染症の性質に応じた適切な清掃・消毒を行うことにより、感染症の発生防止や蔓延防止に努めています。また、地域の感染症の流行状況を把握し、園嘱託医や産業医と連携して、感染症の予防や発生時の対応を保健会議で検討し、職員会議議等で職員に周知しています。感染情報は、速やかに職員が情報を共有すると共に、玄関の掲示やアプリにより保護者に即時に伝達しています。昨年度は、園嘱託医、産業医の助言を得て、職員の食中毒症状(食中毒の疑い含む)がある際の対応のフローチャートを作成して、食中毒の発生防止に努めています。尚、新型感染症を含んだ事業継続計画(BCP)は策定済です。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

年間防災訓練計画に沿って、自主防災組織を整備し、毎月、消火、避難訓練、通報訓練を行っています。また、「大地震発生時及び東海地震警戒発令時におけるたつのこのはら保育園基本行動マニュアル」に則り、地震を想定した避難訓練を行うと共に、「非常災害対策マニュアル」に建物の被害状況に合わせた対応や安否の確認、所在の確認を明記し、職員に周知しています。非常時の備蓄品については、園児・職員の3日分を確保し、栄養士が備蓄倉庫で管理しています。アレルギー児や医療的ケアが必要な子どもには、献立を別にすると共に、名前の入ったビブス(識別できる筒状の衣服)を用意しています。尚、自然災害に係る事業継続計画(BCP)は策定済です。また、近隣のマンションと協働での避難訓練の実施について当該マンションと協議を行っています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

保育については、保育の姿勢を明示した保育理念・保育方針・保育目標、保育所保育指針に沿って、計画策定マニュアルにより策定された、全体的な計画、年間指導計画、月間指導計画、週間指導計画に、それぞれの保育のねらいと実施内容が明示され、保育が行われています。また、職員は支援内容が保育理念等に沿って行われているか、日々、職員相互で確認しながら保育の提供に努めています。仕事の基本的心得をはじめ、保育の安全管理、児童虐待防止等、保育の各場面を想定した保育業務マニュアルが用意され、職員の取組をサポートしています。保育の実施方法については、各種計画やマニュアルに沿って行われますが、個々の子どもの状況や保護者の意向、家庭環境に応じて柔軟かつ適切な対応が成されており、保育の実践が画一的なものになってはいません。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

保育に係わる各種指導計画は、期間終了の都度、乳・幼児会議や職員会議で反省、見直しが行われ、改善策が次の計画に反映されています。見直された指導計画は、パソコンのネットワークシステムを通じて全職員に周知されています。異年齢児交流時等に他クラスの職員がクラスに入り、多面的に子どもを見ることによって、保育の実践方法が画一的なものになることがないよう取組んでいます。保護者満足度調査結果や個別の提案・要望についても保育への反映を図っています。また、保育業務マニュアルについては、実施上不都合な点の確認や見直しが定期的に行われています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

入園前に保護者から子どもの成育歴や生活状況を書面で提出してもらうと共に、それに基づいて保護者との面談を行い、保育内容を定め、一定期間、子どもの状況を見ながら保育内容の適否を職員間で協議し、PDCAサイクルによる評価・見直しを経て、次の保育内容の策定につなげています。また、0・1・2歳児は毎月生育状況を観察しながら個別指導計画を見直しています。個別的な配慮の必要な子どもは、必要に応じて療育センター等外部の専門機関のアドバイスを得て、個別支援計画を策定し、定期的にケース会議を開催して計画の見直しを図っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

計画策定マニュアルにより、各指導計画、記録についての評価、見直しの手順、周知の方法が明記され次に生かせる仕組みが整備されています。各指導計画はクラスの職員で評価し、見直しを行った上で園長等管理者の承認を受け、実践しています。全体的な計画は、前年の実施状況や課題、職員の検討会議の意見や利用者満足度等の保護者ニーズを踏まえ、園長等管理者が見直し、協議を行った後、原案が策定され、職員会議に諮られた後に成案となります。全ての計画の策定過程に関係職員の参画が図られています。評価の課程では、日々の保育を評価し、今後の課題を記録して見直しに生かすことにより保育の質の向上につなげています。また、保育内容の急な変更の場合にも、職員間で合意形成を図ると共に、職員配置を工夫し対応できるよう努めています。見直し後の各指導計画は、パソコンのシステムに掲載され職員の情報共有が図られています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

各指導計画の策定・見直しの手順や、記録記入の要点が記載された、計画策定マニュアルに基づき、記録の策定がされています。記録の内容は、記録の担当を決めて、担当がその都度内容を確認して指導を行っています。また、指導計画の記録は、副主任、主任を通して、保育の統括責任者である副園長が内容を再度確認しています。各指導計画、個別計画、記録等はパソコンのシステムに掲載し、職員間で情報共有が図られています。また、毎月の職員会議や、乳・幼児会議の内容は、記録ファイルに整理され、全職員が把握できるようになっています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

個人情報の取扱いについては、法人の「個人情報の適正な取り扱いに関する基本方針」に基づき、「たつのこのはら保育園個人情報保護規程」を策定し、厳正に管理を行っています。個人情報に係わる記録管理の責任者を園長とし、児童票等の記録類は、事務所内の鍵付きの書棚に保管し、園外の持ち出しを禁止しています。記録類は、保存期間を定め、保存期間終了後は速やかに裁断して廃棄しています。個人情報保護については、就業規則及び保育業務マニュアルに守秘義務が明記され、全職員が遵守しています。保護者に対しては、入園時に、「個人情報の取扱いについて」を掲載した園のしおりにより、保護者に個人情報の取扱の内容を説明し、個人情報使用同意書や個人情報取り扱い承諾書を徴しています。園配信の情報や、写真・動画の管理は、専用のID、パスワードを用いた専用アプリで行っています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、法人の保育理念・保育方針の下、保育目標を掲げ、保育所保育指針の保育のねらいと内容に沿って、0歳児から5歳児までの子どもの保育目標、養護と教育の保育のねらいを記載し、同指針第3章の健康及び安全に位置付けられた健康支援、食育等の各事項に対する取組計画を明らかにしています。0歳から5歳までの保育の目標・ねらいは、それぞれの成長発達を捉えて、年ごとに振り返りながら、年間を通して子どもたちの成長の見通しを立てて策定しています。さらに、保育所保育指針に位置付けられた保護者や地域への支援や職員の資質向上の他、留意事項の小学校との連携、地域との交流等の各計画を明示しています。全体的な計画の特長は、保育所保育指針を尊重して、保育所の役割から養護までは指針に沿って内容が詳細に記載されていることや、「幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿」が掲載されていること、教育は保育所保育指針に沿いながらも園の独自性を打ち出していること、さらに、園の取組が具体的、詳細に記載されていることです。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

0歳児から5歳児までの各部屋は広く、窓が大きく取られており、採光・通風に恵まれています。建物は、大きな園庭を囲むロの字型で、廊下は1・2階とも回廊となっており、どこからでも自然を配した園庭が望めると共に、各クラスの交流がしやすい造りになっています。また、回廊の中に休憩コーナー(1階)、図書コーナー(2階)が設けられおり、子どもたちが寛いで落ち着いて過ごせるスペースが設けられています。健康管理マニュアル、安全衛生チェックリストを基に、室内の環境は常に適切な状態が保たれています。子どもたちの使う用具・玩具は、こまめに消毒をし、各部屋、手洗い場、トイレ等も安全で衛生的で利用しやすい環境が整えられています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

当園の特長として、子どもが自発的、意欲的に自己を十分発揮できる、子どもの主体的な活動を大切にした保育が行われています。保育者は、一人ひとりの発達過程や家庭環境を理解し、子どもの思いや願いを受け止め、子どもを主体とした保育に努めています。子どもの人権を意識しながら保育を行い、川崎市の保育のポイント集や、全国保育士会の「人権擁護のためのセルフチェックリスト」等を活用して、研修や、保育の振り返りを行っています。また、子どもの権利条約を保育者が理解し、子どもたちに分かりやすく話をしています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育士との信頼関係の醸成を図り、信頼関係を基盤として、応答的な触れ合いや、分かりやすい声かけを行いながら、生活習慣を身に付けられるよう子どもへの働きかけを行っています。働きかけに当たっては、子どもの成育に個人差があるため、無理強いせず、保育士のさりげない援助の中で快適感、達成感を得て、基本的な生活習慣が自然に身に付いていくよう支援しています。子どもの発達過程に応じて、適度な運動と休息をとることができるよう、日々の生活では、午前中にしっかり体を動かす→食事→睡眠のパターンを確立しています。また、食事、排泄、衣類の着脱、身の周りを清潔にすることにより、子どもが気持ち良い感覚を実感する経験を繰り返すことで、子どもの自発的・意欲的な行動を促しています。生活習慣の環境作りには家庭での生活との協調が不可欠なため、子どもの発達について情報共有しながら家庭と連携した保育を行っています。利用者(保護者)アンケートの「基本的生活習慣の取組について」の満足度は概ね満足を含めて満足が95%と評価を得ています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

当園は、子どもたちの主体性を大切にし、自己肯定感を育む保育に取組んでいます。ホームページの園長の言葉にもありますが、園では、子どもたちの意見の表明の確保、意見の尊重の機会を十分に持てるよう心がけ、多様性を認め、年齢、発達段階に応じて子どもの主体性を可能な限り尊重し、自己肯定感の高まりと、健やかな成長につなげることができる保育を行っています。子どもたちが、本当にやりたいことを楽しんで行うことができる保育環境の下、昨年度は、発表会や、運動会、豆まき等の伝統行事や、卒園式の内容を子どもたちが話し合い、考えて企画・実行しています。こうした経験を通して、子どもたちのやる気、持続力、集中力、積極性、柔軟性と思いやり、共感する気持ちが大きく育っていることを、保育者、保護者が実感しています。利用者(保護者)アンケートでは「園児の主体性を重んじていて、素晴らしい保育園」、「園児たちがやりたいことを話し合い、意見を出し合って形にしていくことが素敵」等の子どもの主体性や自己肯定感を育む保育に賛同する意見が多数寄せられています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児は、15名を保育者が常時5人で看ると共に1名のフリーの職員が付く手厚い保育体制を整えています。緩やかな担当制を取り愛着関係の醸成を図っています。保育者は、一人ひとりの子どもの気持ちを受容し、子どもの欲求を適切に満たしながら、応答的な触れ合いや言葉かけを行い、子どもの心身の安定を図っています。食事・睡眠・遊びの場所を分離し、清潔で安全な環境を整え、子どもの生活のリズムや発達過程、保育時間に合わせて、生理的欲求を満たしています。0歳児は特に家庭と連携した養育が重要な時期ですので、慣らし保育への保護者の参加、送迎時や連絡帳での情報交換、保育参加・参観等を通して信頼感を築き、家庭の養育力の向上を支援して、家庭と園との均質な保育に努めています。保育士のヒアリングでは、0歳児の保育環境作りについて、子どもの記録の担当は決めるが、保育については、子どもが保育者を選び、子どもが安定するまでその保育者が主に関わるようにしているとの話を聞くことができました。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳未満児は、「幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿」の基礎を作る大切な時期と捉え、自我の芽生えを踏まえて、一人ひとりの主体性を尊重した保育を心がけています。保育者の安定した関わりの中で、子どもたちが好奇心や探求心を持って周囲の様々な環境に主体的に関わることで、自分でしてみようとする気持ちが育つよう働きかけを行っています。子どもの自我の育ちを受け止め、他の子どもと遊ぶ中で、保育者の仲立ちにより、他の子どもとの関わり方を少しずつ身に付けられるよう配慮した保育が行われています。また、室内外での、聞く、見る、触れるといった探索活動が十分に行えるよう、安心、安全な保育環境を整えています。送迎時や連絡帳での情報交換等を通して、子どもの発達過程や生活リズムに応じた養育を保護者と連携しながら行っています。保育士とのヒアリングでは、玩具は子どもが手に取れる位置に用意し、子どもの意思で玩具を選び、主体的に遊べる環境を作り、保育士が分かれて子どもを見守っていることや、生活習慣作りでは、清潔感や快適感を子どもが感じられ進んで着替え等を行えるようにすること、子どもがやりたい気分かそうでないかを見極めながら、子どもの行動を促すことにより達成感を得られるよう支援している、等の話を聞くことができました。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3・4・5歳児の縦割り保育を設けることにより、年少児に対する年長児の思いやりの心の育ちを促すと共に、年少児が年長児にあこがれ、見習い、成長しています。主体性のある生活や遊びの中から、保育者や友だちとの関わりを深め、友だちの気持ちにも気付き、協働的な活動を楽しむ等、子どもたち一人ひとりが個性を発揮し、自己実現が図られる保育に園全体で努めています。5歳児の後半にはアプローチプログラムを導入して、小学校入学に向けた準備や学習を行うと共に、就学先の小学校との子ども、職員の相互交流や、保育所児童保育要録の送付等により、保育園と小学校の円滑な接続を図っています。保護者へ向けては保育説明会や懇談会で情報等を提供し、就学の準備や子どもの進学への意識付けを行っています。保育士のヒアリングでは、子どもの受容に関しては、子どもの気持ちを全て受け止め、子どもがやりたいことを実現させてあげる中で、それがわがままなのか、本当にやりたいことなのかを、子どもたち自身が感じ、判断できるような子どもを育成していることや、子どもの活動については、子どもの興味があるところに着目して、自らが考えて行動できるよう促していること、等の話を聞くことができました。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

障害等支援に配慮が必要な子どもには、個別支援計画を作成し、クールダウンスペースや、医療的ケアを行うための設備や機器(多機能トイレ)等、安全で衛生的な環境を整えています。また、保護者の状況や意向を理解、受容しながら、子どもの気持ちに寄り添い、日々の保育の中で、共に成長できるよう、多様性について、子どもたちに伝えています。また、必要に応じて、医療機関や療育センター、キッズサポート機関と相談しながら、個別支援計画に反映して適切な支援に努めています。職員は、障害のある子どもの保育について、園内研修や、地域療育センター、川崎市の研修やキャリアアップ研修等の外部研修を積極的に受講し、保育に生かしています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

1日の生活を見通したタイムテーブルが用意され、保育活動の他に自由遊びの時間を設けて体調に合わせてゆっくりとできるように配慮が成されています。給食後、午後2時半まで午睡の時間を設けて休息を取っています。乳児は午前・午後、幼児は午睡後におやつの時間として、主に手作りのおやつを食べています。午後の延長時間は退園時間によって、軽食(夕食の50%のカロリー)の提供がされています。自由遊びや延長保育の時間はゆっくりとできるスペースや、横になれるスペースが用意され、ゆったりと楽しく過ごせるように配慮しています。お迎え時には、連絡帳や引継ぎ簿を用いてクラス外の子どもの状況を共有し、子どもの一日の様子を丁寧に保護者に伝えています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

5歳児は、「幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿」を反映させたアプローチカリキュラムに基づき、小学校の生活について見通しが持てるよう保育を行っています。アプローチカリキュラムに沿って、午睡の時間を逓減して、ドリル等を用いた言葉や数等の学習や、交通ルールの理解等を図っています。また、小学校訪問や、保育まつり、年長交流会等を通して、小学生との交流を行う機会が設けられています。また、保育士は、幼保小、園長会、実務担当者連絡会議等に参加して、小学校教諭等との連携を図っています。保護者とは、保護者の卒園準備委員会や、懇談会、面談を通して、このような機会で得た情報を伝えると共に、就学に向けた課題を共有しています。保育所児童保育要録を小学校に提出することで、小学校入学後の子どもの円滑な小学校生活への移行につなげています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

川崎市健康管理マニュアルに基づき、「けんこうてちょう」や健康状況一覧表を活用して、子どもの既往歴や予防接種状況を把握しています。子どもの体調変化やケガ等については、電話やアプリで保護者に個別に連絡を取り、通院等適切な対応を図り、その後の経過を把握することにより、子ども一人ひとりの健康管理を行っています。また、年間保健計画を作成し子どもの健康管理を行うと共に、毎月の保健だよりや掲示板を活用して、子どもの健康に関する方針や、健康教育等の情報を保護者に伝えています。また、疾患等により保育園生活に制限が生じた場合は、嘱託医や区の保健総合担当と相談・連携して、必要時は市の健康管理委員会の審議を仰ぐ等、安全な保育園環境の維持に努めています。乳幼児突然死症候群(SIDS)に関しては、SIDS対応マニュアルに沿って睡眠チェック(満2歳まで5分毎、2歳以上15分毎)を行うと共に、心肺蘇生法やAED使用法等の職員訓練を行っています。保護者には、入園前面接や入園説明会時に、子どもの仰向け寝の習慣が付くよう協力を依頼しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

当園では常勤の看護師を配置しています。身体測定を毎月行うと共に、健康診断は、0・1歳児は隔月に、2歳児以上は年2回、歯科健診は年1回、それぞれ嘱託医が来園して実施しています。健康診断の結果は、子どもたちの育成記録に記載し、パソコンのシステムに搭載することにより、職員間の共有を図ると共に、年間保健計画にも反映しています。身長・体重の測定データを栄養士に渡してカロリー計算を行い、食事量の調整等、適切な支援に努めています。また、健康診断結果は即時に保護者に伝え、気になる結果については、看護師が子どもの状況をよく観察した上で、保護者の動揺をきたさないように、対応方法も含めて丁寧かつ適切に伝えると共に、必要に応じて子どもの健康相談にも応じています。看護師とのヒアリングでは、子どもの発達は家庭環境との横のつながりが重要で、保護者も「家庭の看護師」であるとの認識で保育の共有・連携に意を用いている等、話を聞くことができました。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

食物アレルギーの子どもが在園しており、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」や「川崎市保育施設における食物アレルギー対応マニュアル」、「除去食実施マニュアル」を基に、食物アレルギー症状の把握、食事提供の仕方、席の配置・動線等に配慮し、子どもの状況に応じた適切で安全な対応に努めています。入園説明会に、栄養士が同席して食物アレルギー対応について説明し、保護者と対応を相談しています。食物アレルギー児については、食事の席を固定し、識別できる食器、名札を付けた除去食メニューを、栄養士と保育士、保育士と保育士で三重にチェックした後、提供しています。また、手作りおやつでも卵、牛乳の使用を控えて、全員が同じものを食べられるように工夫しています。アレルギーに関する研修や講習会に積極的に職員を参加させています。子どもたちにも食物アレルギーを理解してもらうための話をする等、皆で知る、考える機会を設けています。また、慢性疾患のある子どもについては、保護者と連携を図り、医師の意見書の下、市健康管理委員会の審議を仰いで、安全な園環境の維持に努めています。尚、アレルギーの状態に変化があった場合は、医師の所見の下で、園長、担任、栄養士、調理師が保護者と面談を行い、対応方針を決定した後、必要に応じて市健康管理委員会の審議を仰ぐと共に、職員と情報共有を図っています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食育については、保育の全体的な計画に位置付け、年間食育計画を策定・実施しています。園の食育の特長としては、「自然農の実施(SDGs)」と「5領域との相関性を構築した食育の推進」を掲げ取組んでいます。SDGsの取組として、園内に菜園を設けて、自然農の取組を子どもたちや、保護者に経験させることにより、食物への慈しみの意識や環境への興味、関心を醸成しています。また、5領域(「食物を選ぶ力」、「食べ物の味がわかる力」、「食べ物のいのちを感じる力」、「料理ができる力」、「元気な体が分かる力」)を学ぶことができる食育を進めています。お泊り保育でのうどん作り等の調理実習や、本物の食材に触れる機会を設けています。今回の調査訪問の数日前に、本物の魚を用いた食育が行われ、各クラスには子どもたちが魚の特徴を捉えて様々に描いた魚の絵が貼りだされていました。また、食事の場所は、各室とも遊びの場所と区分され、清潔で落ち着いた環境を用意して、応答的な関わりの中で、保育者が声かけしながら子どもたちが食事を楽しめるよう支援しています。調理は、一人ひとりの成長段階に合わせて、栄養士と保育士が話し合いながら食材の切り方等にも工夫して、子どもの食材への抵抗感を減らすよう努力しています。また、年齢ごとに適した食器を用いて、食事量を調整する等、適切な援助に努めています。保護者には給食だよりを発行し、「こんな夕食いかがでしょう」として、レシピを掲載する等、食に関する情報提供や保護者支援を図っています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

自園で調理し、栄養士や調理員が手作りの食事を子どもたちに提供しています。おやつも主に手作りのものを提供すると共に、市販のおやつを取り入れる際は、アレルゲンに注意して、添加物の無い鉄分やカルシウムを含むものを取り入れています。子どもの日や七夕、クリスマス等季節に応じた行事食や、おやつを毎月取り入れ、世界の料理や郷土食に加えて、誕生会や行事等では子どものリクエスト献立(夏祭りウィークのチョコバナナや、ハロウィンのかぼちゃケーキ等)も提供されています。季節の旬の食材が意識的に取り入れられ、冷たいものは冷たく、温かいものは温かく保温されて提供しています。日々の喫食状況や残食チェックは、保育士や栄養士により行われています。月1回、給食会議を開催し管理的職員や栄養士、保育士で味付けや献立、残食状況等を話し合い、献立の改善・工夫につなげています。献立は2週間ごとに、法人系列園の栄養士が持ち回りで腕を競いながら作成しています。栄養士とのヒアリングでは、和食にこだわり、かつお節で出汁を取っているとの話を聞きました。衛生管理は、「川崎市給食の手引き」、「大量調理施設衛生管理マニュアル」を基に衛生管理チェックリストを作成し、食中毒等の事故のないよう万全の対応が図られています。毎日の献立は、玄関に調理された実物が置かれると共に、保護者の給食の試食会も定期的に行われていることから、利用者(保護者)アンケートの「給食の献立内容」の満足度は、概ね満足を含めた満足が98%と高い評価を得ています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

日常の送迎時の保護者との会話や、子どもの1日の活動を記載した連絡帳のメモ欄を活用し、情報交換を行い、保護者と連携して子どもの育ちを支える視点を持って、子どもの状況を保護者と共有しています。登園時に保護者から聞いたことやお迎え時に保護者に伝えたこと等、保護者との情報交換の内容は、面談記録や成長記録、引継ぎ簿等を利用して、子どもの状況を職員間で周知し、どの職員も同じ対応を行うよう取組んでいます。また日々の保育内容は、クラスごとの活動を写真に撮り、玄関に掲示すると共に、行事の報告は写真を添付してホームページにも掲載し、保護者等に分かりやすく伝えています。また、保育参加や保育参観の機会を設けて保育の実践内容を保護者に知ってもらい、保護者懇談会でも保育の内容や子どもの様子を伝えています。また、園だよりや、給食だより、保健だよりをアプリも利用して毎月保護者に届けることにより、家庭との連携を図っています。育児に関する保護者からの相談にも随時、丁寧に対応しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

送迎時の保護者との会話を子どもの保育を行う上で重要な情報入手ツールと捉え、保護者とのコミュニケーション作りに、園・職員は特に意識的に取組んでいます。気軽に相談ができるよう、職員は明るく笑顔で保護者に接するよう努めています。4月にクラス保育説明会、2月から3月にかけて保護者とのクラスごとの懇談会を設定し、保育内容の説明や育児相談を行っています。また、保護者面談の期間だけでなく、随時相談を受付ける旨を保護者会等で伝えると共に、日頃職員からも保護者に伝え、保護者の都合を考慮した相談体制を整えています。また、相談に当たっては、保護者の就労支援と子育て支援の両方を考慮して、延長保育やスポット保育の自園利用や、休日保育や年末等の保育、病後児保育を行う施設の紹介を行う等、支援しています。さらに、当園の特長として、保護者支援の視点に、貧困、性差、インクルージョン、環境問題等を大切にして、日頃の保育や保護者支援に取組んでいます。利用者(保護者)アンケートでも、「相談したいことや子どもの様子を伝えると、とても親切に答えて頂けるので安心して預けることができます」等の意見が多く寄せられており、「相談ごとへの対応」や、「園の総合評価」に関する満足度が、概ね十分を含めて、それぞれ96%・99%と高い値が示されています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

園では「虐待の防止及び早期発見マニュアル」を備え、定期的に虐待の内容や対応手順を職員間で確認しています。子どもの着替えの際に全身の視診を行うと共に、発育状況や家庭の生活状況、連絡帳の記載内容、出席確認が取れない場合等、変わった状況がないか注意しています。虐待や不適切な養育について子どもや家庭に徴候が見られた時は、速やかに職員間で共有し、園長に報告し虐待事例報告書に記録すると共に、保健所や児童相談所等、必要な機関と連携できる体制を整えています。職員のヒアリングでも子どもの虐待に関する意識は高く、発見時の対応手順等の理解が図られていました。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

職員は、日々の保育の振り返りを常に行い、保育の質の維持・向上に努めています。保育に関する各指導計画は毎月クラス内で反省・振り返りが成され、見直しが行われています。人材の育成に関して、法人では、「質の高い保育の提供」をコンセプトに、「人事・人材育成委員会」を設置して、法人全体研修、法人内部研修、職場研修、部会研修、外部研修と研修体系を構築して、戦略的に人材育成に取組んでいます。また、全国保育士会の「人権擁護のためのセルフチェックリスト」を活用して、毎年、保育の振り返りを行っています。さらに、【15】・【17】に記載した通り、意向調査票を活用した目標管理や人事考課制度が確立されています。特に、意向調査票で運営や保育に関する意見やアイデアを募っており、職員が運営面にも目を向ける取組は評価できます。今回の第三者評価の自己評価表各項目に対する評価結果や評価理由欄の、適切で詳細な記載からも職員のマネジメント能力、バランス感覚が培われていると認められました。