社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

むつみ愛児園

2023年03月06日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 むつみ愛児園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 50 名
所在地 〒220-0002
横浜市西区南軽井沢56
TEL 045-311-4940 ホームページ https://mutumiaijien.com
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1980年12月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 個人
職員数
常勤職員:9 名
非常勤職員:5 名
専門職員
保育士:11 名
管理栄養士:1 名
栄養士:1 名
調理師:1 名
施設・設備の概要
居室:保育室3部屋
設備:厨房
設備:事務室
設備:トイレ
設備:園庭

③ 理念・基本方針
<理念>
子どもの健やかな成長を見守り、知性、情緒、行動、衛生などあらゆる面から子どもの発達を支援し、保護者からも信頼される保育園を目指します。

<基本方針>
≪こころもからだもじょうぶなこ≫
●一人ひとりの個性を尊重し、自主性を育み、遊びを通して協調性、忍耐力を培い、心身の健康と自立を育む保育

<保育目標>
1.心身ともに豊かな子ども
2.思いやりのある子ども
3.意欲を持つ子ども
4.自分で考え行動のできる子ども 

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<むつみ愛児園の特徴的な取り組み>
●むつみ愛児園では、緑の多い園庭で季節を感じながら、のびのびと身体を動かして運動遊びや砂場遊びをしたり、虫探しや草花と触れ合ったりして楽しく戸外遊びをして過ごしています。園庭周辺での夏野菜や冬野菜の栽培活動(種まき・水やり・収穫)を通して身近な野菜を観察し、触れ合いながら興味関心を持てるようにしています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/06/23(契約日) ~2023/01/12(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2017年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【むつみ愛児園の立地・概要】
むつみ愛児園は、JR横浜駅から徒歩13分、西区北部の神奈川区境付近に位置し、東に沢渡と台町、西に宮ケ谷、南に楠町、そして北の北軽井沢に接する丘陵途中の斜面・平地に位置しています。現在の園舎は、歴史と共に懐かしさと安心感を醸す木造平屋建てですが、園長の交代に伴い、個人経営から会社経営に改組の予定であり、認可保育所継続に向けて令和5年4月から新園舎建設を予定しています。

むつみ愛児園は、昭和25年11月1日に開設され、72年目を迎える由緒ある保育園です。2歳~5歳児の保育を実施し、園舎は園庭に面してL字型に建ち、入口から正面、トイレを挟み左に4歳児保育室、右側に2歳、3歳児保育室が設けられ、5歳児保育室は園庭の右側に位置しています。その奥には厨房と職員室、事務室があり、園庭から各保育室に入室できる構造になっており、保護者ともコミュニケーションが取りやすい配置になっています。樹木に囲まれた園庭には、ジャングルジム、鉄棒、すべり台、つるつる山、砂場を設置し、子どもたちがのびのびと十分に遊べる広さを有しています。むつみ愛児園は、地域に根差した開かれた保育園を目指し、園庭開放・育児講座・交流保育等を実施し、地域とのかかわりを大切にした温かい保育園です。

◇特長や今後期待される点
1.【「向き合う保育」の推進】
むつみ愛児園は、理念を基に、子どものあるべき姿を示した保育目標に沿い、年間指導計画を策定し、子どもの「今」を見つめつつ、人間形成の基礎作りへの支援の在り方について話し合いを重ね、全職員で共通認識を図り、保育に当たっています。職員は、園生活を如何にして大切に過ごすことができるか、「子ども」と「今」を熟考し、子ども一人ひとりに向き合いながら、意識統一の下、保育に取組んでいます。

2.【子どもの自立に向けた援助】
むつみ愛児園の特徴の1つである園庭では、子どもたちはスコップ、コップ、小さなバケツで砂のお菓子等を作ってケーキ屋さんごっこの砂遊びや、ボール蹴り、牛乳パックの手作りの新幹線で遊び、なわとび等、思い思いの遊具を持ち出し、創造力豊かに遊び、子ども同士でルールを設け、互いを思いやりながら遊びを楽しんでいます。また、滑り台やジャングルジム、鉄棒、つるつる山への山登り、かけっこ等、子どもらしく活発に遊ぶ中、保育士も遊びに入りながら絶え間なく子ども一人ひとりに目配りをしながら見守り、子どもが好む環境作りを考え、子ども本位に配慮しています。園庭で遊びを終えた子どもたちは、使っていた遊び道具を収納かごに戻し、「使ったものはきちんと片づける」、「片付けのできる人」としてマナーが自然と身に付くよう、自立に向けた保育を遊びを通して育まれています。

3.【保育所の専門性を活かした相談機能】
むつみ愛児園は、72年の歴史を持った由緒ある保育園であり、戦後、焼け野原となったこの地に、子どもたちを集めて遊べるようにとの思いから始まりました。子育て支援については前園長の志を受け継ぎ、むつみ愛児園が長年培った多くのノウハウを生かして、現代理論を尊重しつつ、保育は「人が人を育てる」という子育ての信念・ノウハウを生かし、いつまでも地域の財産として取組んで欲しいと思います。保護者のみに留まらず、地域の母親等への教示、子育て相談を定期的に実施する等、むつみ愛児園ならではの地域に向けた取組みに期待しています。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名:むつみ愛児園  
  
≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取り組みの感想≫
 
評価の項目について話し合いを重ねる中で、職員一人ひとりが自己の保育を振り返り、保育環境を見直すことで、保育の質の向上にもつながる良い機会となりました。

保護者のご意見からは、保育園に対する要望や、不安等を伺うことができましたので、より一層、理解を深めていただけるような対応を心がけて行く必要を感じました。

今後も、子どもたち、保護者や地域の方々に信頼され、愛される保育園運営を行いながら保育の質の向上に取り組んで参ります。

≪評価後取り組んだ事として≫

1.保護者との信頼関係を大切にして、子どもの安全、安心、自由、育ちや保護者の支援のさらなる充実

2.個人面談や、情報提供の方法等、保護者目線で具体的に対応を検討していきたいと思います。

詳細評価PDF 詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

保育理念を「子どもの健やかな成長を見守り、知性、情緒、行動、衛生などあらゆる面から子どもの発達を支援し、保護者からも信頼される保育園を目指します。」に置き、保育方針を「こころもからだもじょうぶなこ」とし、子どもの健全な成長を心がけた保育を実施しています。理念等について、保護者へは入園のしおり、おたより、園内の掲示及び保護者会(年2回)、同日開催の懇談会等で周知し、職員へは職員会議で都度話し、掲示等でも周知しています。全体的な計画については、園長が素案を作成し、職員で話し合った上で策定していますが、次年度から職員間で検討する体制で進める予定です。計画は、年度末に課題を話合い、次年度の計画に組み込むようにしています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

社会福祉全体や地域の状況については、区の園長会等の会議等で収集し、他園の定員の空き情報等も確認しています。書類のデータ管理は出来ていますが、改組及び新園舎新設に際し、ICT化を検討し、園のフォーマットに合ったシステムを導入する予定であり、各クラスにパソコンを増設するよう進めています。子育て支援のニーズに関しては、歴代の園長の考えを基に継続して続けています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

現在、最大の経営課題は組織の変更(個人から株式会社に改組の予定)と、現状の活動を大きく変更しない園舎の新築です。法人改組への手続きも併せ、園長の業務範囲の確定、公的補助の申請、人員体制の見直し、仮園舎の借用等、子どもたちにとって良い改革となるよう、来年4月迄に早急に取組んでいます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

中・長期的なビジョンと計画の策定については、書面として具体的な策定は行われていません。現状、前園長の方針を踏襲しつつ、新年度から新会社の役員決定と経営陣の新方針に沿って運営を実施して行く予定でいます。新会社体制の確立に向けて施策を立てていく予定であり、体制確立後には計画の策定を期待いたします。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

今年度の事業計画について、保育実務については従来の方針を継続して実施して行きます。併せて、改組については、具体的計画を策定・実施して行く予定でいます。特に保育について、子どもたちに変化における動揺が無いよう、職員全員が一丸となって、子どもの対応に取組むことにしています。年度末に事業計画の振り返りと併せて子どもの状況を確認し、分析の上、新園舎、新体制に移行が出来るよう話し合う予定にしています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業計画については、今年度は改組に伴う暫定の計画で進め、「全体的な計画」及び年間指導計画を絞り込んで展開し、昨年度の事業計画の振り返り(課題抽出、改善点)を念頭に、今年度の計画を定められた時期・手順で策定しています。「全体的な計画」及び年間指導計画は職員会議等で説明及び周知を図り、職員一人ひとりの目標との関連付けも持たせています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

保護者に対して、事業計画は行事計画に置き換え、年度初めの保護者会議及び懇談会の折に、分かりやすく説明し、行事への参加がしやすいようにしています。ここ2年間、新型コロナウイルス(以下、コロナ禍)で行事が出来なかったこともあり、今年は、少しは行事が出来るよう前半に工夫しています。特に、後半は新園舎の建築で園庭の使用が出来なくなることも考慮して実施しています。新園舎建築に伴い、仮園舎となることを保護者に周知し、理解を促しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

保育士の自己評価及び年間指導計画については、年度末に目標達成度の評価を行い、年度初めに職員個々の「課題」及び、園としての「課題」は何であるかを日々の職務遂行の振り返りの中でPDCAサイクルに沿って検討しています。また、園外・園内研修の実施、先輩職員、園長等からのOJT等、スキルアップに取組んでいます。職員は、サービスの質の向上につながることを念頭に置き、自己管理目標及び年間指導計画に取組み、自己の資質向上に努めています。計画表に期待水準、経験・能力・習熟度・役割を明示し、自己の振り返りで「見える化」を図り、研修体制も確立しています。園長は、職員個々の希望、意向を吸い上げ、より良い園・職場環境作りに努め、次年度の目標作成への継続性を実施し、職員のやる気につなげています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

各職員の職務を明確にし、運用しています。保育上における「いつ」、「誰が」、「実行するのか」の必要性が発生した場合は、職員会議で検討し、責任者が提案者の意見を承認し、自主的な判断と処理を任せる仕組みを構築し、結果、職員の満足度にもつながっています。検討の際は職員の意見を取り入れ、課題として次年度の年間指導計画に組込み、改善に取組んでいます。今後、改組後も全職員で話して進める、子ども中心に進める体制は継続していく予定です。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

園長の役割と責任は、キャリアアップシートに明記され、年度初めに文書を配付し、周知しています。今後、改組に当たり、役職・役割・責任について再度確認し、明確にして行く予定であり、認可決定後において詳細の組織・役割等を決める方針としています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法令等の遵守に関しては、業務マニュアルに定めていますが、行政やその分野の法律専門家に確認し、進めるようにしています。園長は、横浜市や西区等が開催する研修に参加し、法令遵守、パワハラ、コンプライアンス、リスクマネジメント等を受講し、内容については会議時や園内研修時に職員に周知し、知識の共有化を図っています。守秘義務に関しては、各職員と誓約書を交わし、内容についても理解しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

保育の質の向上に関しては保育園経営の根幹の問題と捉え、個別のOJTや業務の責任体制で各自の自覚を促し、職務の中でスキルアップを図っています。また、副主任設置に伴うキャリアアップ研修、外部研修への参加を奨励し、就業時間内での受講を認めています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

経営の改善、業務の効率化等について、経営面については理事長(前園長)が中心に、保育実務については現園長(前副園長)が相談しながら進めてきましたが、今後、改組に伴い役職の設定等も検討を行い、特に体質改善、業務の実効性に関しては研修チームを立ち上げ、新運営に加えて検討をしていくことを考えています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

福祉人材の確保については、特定の保育士養成校に定期で求人を行っている実績は無く、定着性のあるルートもありませんが、基本的に職員等の紹介で採用するケースが多く、家庭的で働きやすい職場であり、定着率も安定しています。待遇的には退職金制度、育児休業取得、病気休暇等の制度案を定めています。今後、職員体制において、具体的な計画策定及び、急な採用の想定を踏まえハローワークや派遣等を視野に入れて行かれると良いと思います。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

「期待する職員像」については就業規則に定め、「保育マニュアル」にも明文化しています。併せて、キャリアアップシート、給与規定、職員就業規則等に明記し、職員に閲覧可能とし、評価の見える化を進めています。今後見直しを図り、規程の整備をしていかれることを期待いたします。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

人事労務管理に関しては、職員の出退勤、超過勤務、休暇取得状況を管理し、休暇取得と仕事の進捗状況のバランスを確認しています。月1回、非常勤職員を含む職員会議は、職員の家庭状況を勘案して、反省会・懇談を兼ねて実施する等、家庭的な雰囲気のある園ならではの取組を行っています。正規職員のみの職員会議は、午睡時に実施しています。ワーク・ライフ・バランスについては、仕事と生活の両立が図れるよう、家族や本人の諸事情に配慮し、職員が健全に働けるよう支援しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

キャリアアップ該当者は増えており、該当する研修には参加出来るよう配慮しています。また、リモート研修を活用し、受講をより推進できるようになっています。園としては、なるべく実地参加ができる研修を促しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

年間研修計画を作成し、前年度の振り返りと今年度の人材育成とを考え合わせ、園内・外部研修に参加できるようにしています。職員の要望に応じて就業時間内の研修参加を推奨し、研修費用は園で負担しています。また、職員のキャリアに沿って必要とされる研修においては園から指名して参加を促すこともあります。年度末には研修内容等の反省を行い、次年度の計画に反映させています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員一人ひとりの専門資格の取得状況は、入職時及びその後の研修受講履歴で把握しています。入職後、実務能力に応じて2~3歳のクラスでクラスリーダーからOJTを実施しています。研修情報は近隣の保育園等から情報を得、各職員が入手した研修情報も周知を図り、自主的な研修機会につなげています。教育・研修に関する相談等、園長が対処しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

実習生の受け入れは、園長を窓口とし、マニュアルに沿ってオリエンテーションを実施し、保育理念、保育方針、個人情報・守秘義務について説明を行い、実習生の実習課題に沿ったカリキュラムを作成し、効果的な実習に努めています。実習終了後は、担当職員と懇談会を設け、意見や課題等を話し合い、次回に生かしています。コロナ禍以前は受け入れていましたが、2年間受け入れを控え、今年は1名を受け入れています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

ホームページに、保育理念、保育方針、保育内容等を公開すると共に、園情報として年間行事、各種お知らせ、園だより等を掲載しています。保護者には、入園時のクラス懇談会の場で園の詳細な内容について詳しく伝えています。園だよりや地域へのお知らせは、自治会会長、第三者委員等へ郵送しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

経理規定集に事務、経理、取引等について規程し、規程に沿って業務を遂行しています。高額の購入に関しては数社より見積りを取り、適切に務めています。反社会的勢力との取引は行っていません。内部監査も経理規定集に定め、外部監査については司法書士が実施しています。監査結果は理事会、評議委員会に報告し、経営の健全性及び透明性の確保に努めています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域との関わりでは、園及び園長個人としても自治会に加入しており、盆おどりや祭り、餅つき行事に参加し、寄付も行う等、良好に交流を図っています。自治会館を借用することもあります。コロナ禍で自治会活動を自粛していますが、緊急時には自治会館を避難場所とするよう連携を図っています(災害時の避難先は横浜市立宮谷小学校)。地域活動拠点とも交流を持ち、活動計画を入手し、子育て関連の情報を得ています。コロナ禍収束後にはさらなる交流を期待いたします。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティアの受け入れでは、マニュアルを整え、園長を窓口とし、マニュアルに沿ってオリエンテーションを行い、園の概要を伝え、個人情報・守秘義務について理解を促しています。近隣の中学校の職業体験の受け入れは、コロナ禍の期間は受け入れていませんが、今年は11月に受け入れ予定です。中学校の職業体験では子どもたちも喜び、ボランティア終了後は、体験で得た感想を送ってくれています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

地域住民に対する園の情報提供は、西区の子育て情報サイト、広報よこはま西区版に掲載し、情報を提供しています。育児相談については、園庭開放の利用者からの要望に応じて行っています。また、園の情報提供の1つとして、園主催のバザーや、子どもの作品展を掲示にて知らせ、保護者や地域の方々に参加を促しています。関係機関や団体との連携については、西区こども家庭支援課、横浜市中央児童相談所、横浜市中部地域療育センター等と連携を図り、必要に応じて相談・助言を受ける体制を整えています。公的機関を中心に病院をはじめとする社会資源をリスト化し、活用するようにしています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

子育て支援事業は実施していませんが、地域交流として、地域の子どもたちが園庭での砂遊びに訪れたり、以前、飼育していたシマリスを見学に来る等、園庭を開放しています。地域の子育て支援のニーズに関しては、卒園児や保護者からの声をニーズとして生かしています。関係機関や地域の他施設とは、近隣の小規模保育園の連携園として協力関係を構築しています。また、地域の関係団体の会合に参加し、地域情報の把握に努めています。地域の福祉に関する取組みでは「地域ネコの会」バザーの際に援助しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

公益的な事業・活動では、神奈川県主催の研修会等に参加して地域のニーズを把握し、幼保小連絡会議にて地域の子育てニーズの情報を収集しています。得た情報は、職員間で共有を図っています。今後、園がこれまで培ってきた保育・子育て等のノウハウを、地域の子育てに悩む母親や、情報を得たい母親、子どもとの遊び方がわからない母親等に伝えて行きたいと考えています。園庭は災害時に地域の方々が一時的に集まれる場所として提供し、井戸も活用を可能としています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育方針とする「こころもからだもじょうぶなこ」の実現に向けて、子どもが元気にのびのびと遊び、体を鍛え、協調性・忍耐力を培う保育を推進しています。保育において、子ども自身でことの善悪を考えることができ、人を労わり、何事もやり抜く子どもに育つよう、共通理解を促しています。また、常に子どもの安全と、子どもを中心とした人権を尊重した保育の実践に努めています。子どもが一人で落ち着ける場所や、他人の目を意識せず過ごせる場所を工夫して確保し、今後は仕切り棚や、パーテーション等を活用してコーナーを設ける等、取り組んで行く予定です。職員は、基本的人権について人権研修を受講し、性差、文化、出自等の違いを尊重する心を持つよう共通理解をして保育に当たっています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

横浜市等の条例等に準拠し、子どもや保護者のプライバシーに配慮した保育の実施を心がけています。プライバシー保護については、園での課題に加え、保護者によるSNS等での写真流出等、今後、園内研修を通して職員に徹底を図り、保護者にも啓蒙していくよう期待されます。保護者にはプライバシー保護について、入園時に周知していますが、さらに確実な実施を進めていくと尚良いでしょう。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

保育所選択に必要な情報の提供については、基本的には区役所発行の保育園案内、園のホームページで概要を発信し、園見学等で案内しています。見学希望者には希望日時に来園してもらい、リーフレットを渡し、主任又は園長が概要を分かりやすく説明しています。保育理念や保育方針は玄関横のボードに掲示しています。リーフレットは毎年見直しを行っています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

新入園児に関しては、保育開始前に入園説明会を実施し、重要事項説明書を基に保育内容を説明し、保護者と利用契約書を交わしています。大きな変更がある場合(例えば今回の改組、仮園舎、園舎建て替えの場合)等には保護者説明会を開き、きちんと説明を行い、同意書を取っています。今回の改組については保護者に内示を致しました。配慮が必要な保護者に対する説明に関しては、支援内容に応じて、個別に対応するようにしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

途中で転園した子どもの情報については、個人情報であり、基本的に情報提供や保育の引き継ぎは行わず、保護者から伝えるよう促しています。養育困難ケースや障害児、児童相談所ケース、 保健師絡みケースについては区役所を通して行う場合はあります。卒園児に関しては継続性を持ち、基本的に園長が窓口となっていつでも相談ができる旨は口頭で伝えていますが、文書化や文書での配付は行っていません。途中転園児の場合は園長の了解において相談等には応じていますが文書は渡していません。今後、文書化が望まれます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設環境については、毎日、園内外の掃除を丁寧に行い、園長を含め職員の当番制とし、清潔に保っています。園庭は、周囲に大きな桜の木やヒマラヤスギ等が植栽され、自然溢れた環境の中に砂地で330㎡の広さを有し、砂場、ジャングルジム、鉄棒、滑り台、つるつる山等の固定具が設置され、安全点検を行い、適切に管理しています。幼児用トイレは園舎中央部に配置され、トイレ前には手洗い場(流し台)、給湯設備を設置し、プール時や外で汚れた際、排泄時等、温水をお湯の体を清潔に保つよう設備しています。保育室内は、自然換気を行い、エアコンを設備し、職員による温度調整を図り、子どもが快適に過ごしやすいよう配慮しています。午睡時は、室内の採光をカーテンで調整し、温・湿度調整を行い、心地良く安眠ができるよう環境を整えています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情・要望等については、重要事項説明書に苦情・要望等の窓口の設置、受付責任者、受付担当者、第三者委員の名前と電話番号等を明示し、入園説明会で説明を行い、周知しています。保護者からの苦情等に関しては、「苦情対応マニュアル」に沿って対応し、全職員に周知しています。また、登降園時に直接、職員に話せる雰囲気作りに努めています。苦情等を受けた場合は、マニュアルに沿って職員会議で検討及び対策を話し合い、速やかに対応しています。苦情等の経過・検討・対応結果は、所定用紙に詳細の記録及び保存を行い、再発防止に役立てています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

入園前に入園説明会を実施し、保護者と面接を行い、その間、子どもの様子を保育士が観察しています。保護者には事前に、子どもの生育歴や、家庭状況等の記入をしてもらい、面接時に併せて聴き取りをし、情報は職員間で共有し、個別ファイルを作成して職員室内の施錠付き書庫に保管し、必要時に閲覧できるようにしています。新入園児の受け入れでは、短縮保育(慣らし保育)を実施し、子どもの状況、保護者の就労状況等を勘案して柔軟に対応しています。受け入れ時は、担当職員を決めて子どもが安心できるよう配慮しています。保護者との連絡は、ホワイトボード、クラスノートを活用し、諸事を記入し、口頭でも伝え、保護者と密に連携を図るよう努めています。在園児への配慮では、複数担任の内、1人は持ち上がりとし、3歳児クラスは期間を決めて職員1名の加配を行い、子どもの安定を図るよう配慮しています。毎月、2歳児~5歳児の個別指導計画を作成し、評価改訂についてはクラス会議、保育会議で意見交換を行い、保護者から日々の送迎時の会話やクラス懇談会等で意見・要望を聞き、計画に反映させるようにしています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

毎日の送迎時、懇談会、個人面談時等を活用して、保護者からの相談や意見に対応しています。保護者には入園説明会時、懇談会、園だより等でいつでも相談に応じることを伝えています。相談や意見を受付けた際は、苦情処理規定等に沿って対応するようにし、内容を把握した上で主任及び園長に報告しています。主任及び園長は事実確認を行い、適切かつ迅速に改善に向けて取組み、職員間で情報を共有し、改善結果は該当者に伝え、フォローするようにしています。対応マニュアルは年度末ごとに見直しを実施しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメントに関して、マニュアルを整備し、責任者を園長とし、園長不在時は主任と定め、災害時、地震、子どものケガ等、状況別に応じた職員体制を整えています。事故報告書やヒヤリハット報告書を基に、園内での事故・ケガの事例を振り返り、対策を講じるようにしています。園内研修の題材として横浜市が発行しているリスクマネジメント集等を活用し、共通理解を図っています。園独自の安全チェック表(7分野35項目)を活用し、月1回チェックを実施しています。職員から改善に向けた意見が出された時は積極的に取り入れ、マニュアルは定期的に見直しを図っています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症対策については、感染症ガイドラインに沿って職員体制を整えています。現在、看護師が不在であり、園長が中心となって「感染症対応マニュアル」に基づき、年度当初及び流感時期に園内研修を行い、全職員に嘔吐処理、手洗い方法等、予防と発生時の対応を教示しています。マニュアルは定期的に見直しを行っています。毎日、遊具、トイレ、床、保育室の消毒を行い、衛生管理を行い、感染症が発生した場合はメールや口頭で保護者に周知しています。また、保健だよりでも感染症予防や予防接種、看護の方法等を掲載し、保護者に啓蒙しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

「災害配備分担表」を事務室に掲示し、非常時の体制を明確にしています。洪水ハザードマップで園の所在地区域の確認を行い、自治会からも地域の特性を聞き、災害対策に役立てています。備蓄品はリストを作成し、調理職員と主任が管理責任者となり、買い替えや備蓄品の取り扱い、保管場所の整備を行っています。災害時の備蓄品の扱いを園内研修に取り入れ、全職員が発電機、充電器、災害テレビ等の操作訓練をしており、組織的に災害に備えています。園での消火訓練時には消防署より水消火器を借りて実践しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

保育の標準的な実施方法については、「業務マニュアル」を整備し、様々な手順を全職員ができる体制を整えています。職員の保育力の一定水準を確保するため、OJT、Off-JTを活用して知識や技術の習得に努め、日常保育の中でもマニュアルを確認できるよう備えています。保育の状況により、瞬時の判断が求められることや、子どもの意見を尊重すること等を重要視し、画一的ではない一人ひとりの決断や行動が大事であることを教示しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

保育の標準的な実施方法「業務マニュアル」の検証・見直しは、クラス会議の中で日々の保育、今月の保育の振り返りを通して行っています。毎月、月間指導計画をカリキュラム会議で検討及び見直しを図り、内容は翌月の指導計画に盛り込んでいます。年間指導計画は年度末に振り返りを行い、振り返りの内容を次年度に反映させ、保育に継続性を持たせています。保護者からの意見や要望も盛り込むようにしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

指導計画策定の責任者は主任とし、クラスリーダー、2歳児、幼児リーダーに指導・助言を行っています。年間指導計画や月間指導計画は全体的な計画に基づいて策定し、2歳児の月間指導計画は個別で作成し、個別配慮や保護者のニーズ等は「配慮」欄に記載しています。幼児の月間指導計画はクラス全体で記載し、個別配慮や家庭環境等は「個別配慮」欄に記載して留意し、職員間で共通理解を図っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

月間指導計画の見直しは定期的に月末にクラスごとに行い、園長・主任が確認し、保育士、栄養士、園長が参加するカリキュラム会議で検証しています。検証内容に基づいて、翌月の指導計画を策定しています。また、年間指導計画は年度末にクラスごとに振り返りを行った上、園長・主任が確認を行い、カリキュラム会議で検証、討議をしています。指導計画の振り返り視点は、目標や保育内容、保育士の配慮の妥当性を検討しています。個別配慮や家庭支援の有効性についても検証、討議を行っています。検証するに当たり、担任のみでなく、職種に囚われず関わった職員全員が子どもの現状について意見交換を図り、子ども一人ひとりを多角的に捉え、保育の方針を定めるようにしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達や生活状況は決められた書式に記録し(児童票、健康台帳、保育日誌、経過記録)、保管しています。2歳児の月間個別指導計画は、前月の振り返りを生かして翌月の計画を立案しています。記録者による偏りがないよう、記録する内容を予め年度当初に申し合わせています。情報は迅速・確実・正確に伝達することを徹底し、情報の集約は主任が行い、滞りの有無を確認しています。情報共有はミーティング、職員会議、カリキュラム会議、乳・幼児会議等で議題の中に組み込み、共有化を図っています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

個人情報保護規程や運営規程に、子どもの記録の保管・保存・廃棄・情報提供について定めています。個人情報保護規程に反する不適切な利用や漏洩に対しては、対策と対応方法を定め、職員と守秘義務誓約書を交わしています。園長は、記録管理の責任者として書類等の管理を行い、職員へ個人情報の遵守に関して、個人情報保護規定や社会での事件を基に研修や討議の機会を設け、理解を深めるよう促しています。利用者の個人情報については、入園時に保護者に説明を行い、利用契約書を交わしています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

「全体的な計画」については、保育理念や保育方針に基づき、保育所保育指針に沿って素案を作成し、子どもの発達過程に合わせて策定しています。来年度の法人の改組を踏まえ、組織構成、保育方針を改組に併せて改定する予定ですが、当面は現「全体的な計画」を継続し、体制安定後に再検討していきます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

園舎は丘の中腹にあり、周りは住宅地として開発されていますが、園舎の周りだけは自然が残り、園庭の周囲には立派な桜、実のなる樹木が茂り、昆虫等もたくさん集まり、子どもたちは虫を見つけて楽しんでいます。園庭も広く、プランターで夏野菜等を栽培しています。子どもたちは豊かな自然の中でのびのびと遊び、四季を感じながら感性を育んでいます。室内遊びにおいては、部屋の清掃・玩具の消毒を徹底し、清潔・安全に過ごしやすい環境整備に努めています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育理念は、「子どもの健やかな成長を見守り、知性、情緒、行動、衛生などあらゆる面から子どもの発達を支援し、保護者からも信頼される保育園を目指します。」とし、子どもの最善の利益である、健やかな成長をあらゆる面から支援すると謳っています。 保育方針は、「こころもからだもじょうぶなこ」、「一人一人の個性を尊重し、自主性を育み、遊びを通して協調性、忍耐力を培い、心身の健康と自立を育む保育」を目指しています。保育目標では、1.「心身ともに豊かな子ども」、2.「思いやりのある子ども」、3.「意欲を持つ子ども」、4.「自分で考えて行動できる子ども」とし、事務室、保育室に掲示して周知を図り、実践しています。保育に際しては個人差を踏まえ、一人ひとりに合わせた関わりをし、子どもの気持ちを十分に表現できるよう配慮しています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画については、月別のねらいに基づき、発育状況を加味した個別の支援方法を記し、全園児の個別指導計画を策定しています。計画はクラス担任間で共有を図り、毎日のミーティングや保育会議で振り返りを行い、子ども一人ひとりの発達状況に合わせて変更、見直しを行っています。子ども自身が自分でやろうとする気持ちを大切にし、日々の保育を通して基本的な生活習慣が身に付けられるよう援助・配慮を心がけています。保護者には、個別にオムツ、トイレットトレーニング、箸の使用等について園での状況を説明し、密に連携しながら変更・見直しを進めています。特別な課題がある子どもも発達状況に合わせて個別指導計画書を作成し、経過票、療育の記録等により柔軟に変更・見直しを行い、保護者には「お知らせ」により連絡を行い、連携しながら対応しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

玩具、教材等については、子どもが自発的に活動できるよう保育室に玩具収納ケースを設置し、時間に合わせて保育士が提供し、子どもたちは好みの玩具を選び出し自由に遊べるようにしています。本棚は、子どもの背丈に合わせて設定しています。緑豊かな園庭で、季節を感じながらのびのびと体を動かし、運動遊びや砂場遊びをしたり、虫探しや草花と触れ合う等、楽しく戸外遊びをしています。園庭に玩具のかごを用意し、好きな遊びができるよう様々な用具等を揃えています。子どもたちは使った玩具を片づけることを習慣化できています。安全に遊べるよう遊具・用具の点検を行い、のびのびと遊ぶ時間や環境を確保しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:非該当】

乳児保育(0歳児)については、募集しないため評価対象外です。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳未満児(1・2歳児)については、2歳児~5歳児の保育園のため、クラスとしては2歳児・3歳児を同じ保育室で保育しています。3歳児は3歳児用のバッジを付け、製作等年齢による差がある活動については3歳児のみで行う等、区別をして活動しています。一人ひとりの発達を踏まえ、月ごとにねらいを決め、それに合わせた援助を行い、家庭と密に連携を行っています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳以上児の保育について、3歳児は2歳児と一緒に過ごし、午睡は布団を敷いて2歳児と共にしっかり確保しています。4歳以上児は午睡を行わず、テーブルに頭を付けて仮眠を行っており、休息をした子どもから園庭に出たり、部屋で製作等を行っています。3歳児については、集団の中で友だちと関わりを持ち、遊びが展開できるよう環境を整え、年齢や子どもに応じた援助を心がけて保育を進めています。4歳以上児については、年齢に合わせた活動を取り入れ、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を意識して保育を進めています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

支援が必要な子どもについては個別計画を立て、医療機関と連携を図りながら支援を行っています。障害児保育のための環境整備では、園舎の構造的関係からバリアフリー等の対応はありませんが、特性を考慮した個別指導計画を立案し、子ども同士の関わりが上手くいくよう見守り、一人ひとりに合わせた言葉かけをし、関わり方を丁寧に伝え、職員間で共有しながら保育に当たっています。新園舎ではバリアフリーの整備が期待されます。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもの在園時間を考慮して、静と動の活動バランスを考慮し、休息の取り入れ、環境に配慮しています。担任・職員間で連携し、ミーティング等で職員間の引き継ぎを行い、情報伝達を漏れなく行っています。長時間保育を利用する子どもについては、色々な遊びを通して異年齢児と関わる等、遊びの幅を広げることができています。子どもがゆったりと落ち着いて過ごせるよう、家庭的な雰囲気の中で一人ひとり寄り添う保育を心がけています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

就学に向けたアプローチカリキュラムを作成し、カリキュラムに基づいて小学校との交流や保育を行っています。幼保小の連携については、コロナ禍の3年目を迎え、今年は強化月間として本を交換する等、共有して交流を行っています。小学校との情報交換に関しては、就学先の学校紹介のDVDを届けてもらい、それを見て小学校を理解し、安心して就学を迎えられるよう工夫しています。担任は、保育所児童保育要録を作成し、就学先へ送り、併せて電話等で情報を提供しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

健康管理については、職員全体で子ども一人ひとりの健康観察に努め、体調の変化に気付き、必要に応じて保護者に連絡する等、速やかな対応を心がけています。「健康管理マニュアル」を備え、入園時に保護者から健康台帳に必要事項を記入・提出してもらい、子ども一人ひとりの健康状態を把握しています。既往症については、入園児の健康記録を基に、継続的に確認及び共有を図り、変化がみられた場合は都度、ミーティングで報告し、引継ぎ時には園長、全職員で共有を図っています。感染症等については、入園のしおりに感染症登園停止基準や感染の疑いが生じた場合の対応を明示し、入園時に保護者に説明しています。地域の流行感染については、各機関から情報を入手し、園入口に情報を掲示して注意喚起を行い、職員へも周知しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

定期的に健康診断(年2回)、歯科健診(年1回)、尿検査(年1回)、視聴覚健診(3歳児/年1回)を実施しています。診断結果は身体測定カードや健康記録ノートで保護者に連絡し、必要に応じて治療を促しています。職員間でも共有を図っています。歯磨きは基本的に園では行わず、昼食・おやつ後に口をゆすぐようにしています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもについては、全職員が情報共有を行い、医師による診断書を基に、生活管理指導表に沿って除去食、代替食の対応をしています。保護者に生活管理指導表及び食物アレルギー対応票を提出してもらい、調理日誌に記録し、十分に留意しています。給食時では、色分けした別トレイに除去食プレートを添付し、別調理された(おやつを含む)料理を調理師、保育士の複数で確認し、誤飲誤食がないよう徹底しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

むつみ愛児園では、毎日、各クラスで当番を決め、2、3歳児の出席人数を連絡票に書いて4歳児クラスに届け、4歳児の出席数と合わせて5歳児クラスに連絡票を渡し、5歳児の当番が調理室に全人数を知らせ、調理をお願いしています。子どもたちは、この役割が誇らしく、当番が来る日を楽しみにして当日の体調管理に努めています。偏食については、家庭と連携しながら無理強いをせず、園で収穫した野菜をみんなで一緒に食べることでおいしさを知り、興味を持たせ、初めて食べる野菜等も極少量にして提供しています。食べられた時には拍手で褒め称え、自信を持たせて克服できるよう支援しています。食事は個々に応じて量の調節をしたり、食事のマナーを伝えながら落ち着いて食べられる環境を作っています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

献立は、調理師が年間の献立を作成し、毎食がおいしく楽しい食事となるよう、子どもの好む食材、味付けを工夫し、酢は効き過ぎず、塩分は少なめにし、旬の食材、素材の風味を生かし、園の伝統の味付けを継承して提供しています。調理師は、日々の喫食状況を確認し、栄養バランス、子どもの好みを捉えて献立を工夫しています。保護者へは、月間献立表を事前に配付し、食材、調理法も示して知らせています。食材は、消毒や農薬付着を考慮し、地域の商店の協力の下、青果、肉、魚を使用しています。衛生管理においては、調理従事者の基本とし、HACCP(ハサップ:衛生管理の国際的手法)に基づき、危害要因の把握、重点工程の管理及び記録し、常に安全に作業しています。また、子どもたちと会話をしながら個人の好き嫌い等を把握し、調理に生かすよう努めています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育目標は、入園のしおりに明示し、入園時に保護者へ説明を行い、園内に掲示しています。また、園だよりに保育方針を記載し、日々の保育内容と共に伝えています。行事の際は、保育についての考え方、方針の説明を行い、子どもとの関わり方、目指すべき子どもの姿を示し、理解を促しています。園生活での子どもの様子や活動内容は、連絡帳を使用していないため、クラスノートに記載して登降園時に家庭での様子や園での様子を情報交換するようにしています。園生活に関する情報は、定期的にお知らせを発行しています。保護者への連絡事項は、副園長、職員間で情報を共有し、どの職員でも対応できるようにしています。個人面談は、年間を通して随時、個別に受け付けています。保護者の相談ではプライバシーを確保し、相談を受けた職員は、他の職員と連携しながら助言を得られるよう体制を整えています。その日の子どもの様子については、送迎時にお知らせしています。 

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

年2回、保護者懇談会を開催し、必要に応じて個人面談を行い、日々の保育の様子や子どもの様子を伝えています。保育参観については、保護者の希望に応じて常に受付けています。むつみ愛児園では、父母会(保護者会)を設定し、年2回開催し、役員会は年3回実施し、園運営について、子どもの様子、子育て等について話をしています。コロナ禍以前には、父母会に、主にバザー等に協力を願い、園と共に取り組み、父母会共催事業では職員も参加しています。また、園が実施する各種行事(餅つき、運動会、夕涼み会等)は父母会の手伝いをいただき、運動会、お遊戯会等での写真撮影も協力を得ています。園長は、父母会の役員、保護者とコミュニケーションを図り、良好な関係を構築しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

虐待防止と早期発見については、マニュアルに基づき、プロとしての自覚に立って職員間で話し合い、行うべき行動の確認と、日々の受入れ時や毎日の視診で早期発見に努めています。虐待の疑いがある場合は、園長と職員間で話し合い、適切に対応できるよう体制を整え、子ども、保護者の見守りを行っています。あざ等がある場合には確認し、写真に撮って残しています。児童相談所等の関係機関と連携し、保護者とのコミュニケーションに努め、家庭支援の必要な保護者との信頼関係構築に努めています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

保育士の自己評価は、年度末に達成度合の評価を行い、年度初めに職員個々の必要課題は何であるかを日々の職務遂行を振り返り、検討しています。また、外部・園内研修、先輩職員、園長等からOJTを受け、スキルアップに取り組んでいます。保育所の自己評価については、年度末に職員と園全体の自己評価を行い、保育の質の向上に努めています。今年度の第三者評価受審により園の課題、改善に向けて取り組み、次期につなげていきます。