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わおわお大倉山保育園

2024年01月26日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 わおわお大倉山保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 76(69) 名
所在地 〒222-0037
横浜市港北区大倉山5-7-2
TEL 045-549-6380 ホームページ http://www.waowao.or.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2002年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人わおわお福祉会
職員数
常勤職員:15 名
非常勤職員:7 名
専門職員
保育士:16 名
看護師:1 名
幼稚園教諭:16 名
子育て支援員:2 名
施設・設備の概要
居室:0歳児室
居室:1歳児室
居室:2歳児室
居室:3歳児室
居室:4歳児室
居室:5歳児室
設備:調理室(本園)
設備:調理室(分園)
設備:事務室(本園)
設備:事務室(分園)
設備:乳児トイレ(沐浴室)
設備:幼児トイレ(シャワー室)
設備:園庭(本園)
設備:園庭(分園)

③ 理念・基本方針
<経営理念>
子どもの笑顔で世界をかえる

<運営理念>
職種、職位、職責を問わず、高い倫理観と保育指針を根底にもち、わおわおの保育理念を実現するために子ども一人一人に愛情をもって保育にあたり、日々自己啓発、研鑽をし続け、互いを高め合う人の組織を基盤とした運営でなければならない

<保育理念>
「ほめて・みとめて・はげまして」~やる気を育て、自分で考えて行動できる子どもを育てる~

<基本方針> 【わおわお大倉山保育園ビジョン】
●子どもたちの目が輝く保育
〈目指す子どもの姿-夢中で遊ぶ〉
わくわく、のびのび、しなやかに強く生きる(あきらめない)、思いやり
〈そのために育みたい心と力〉
自己肯定感、主体性、非認知能力、体力・運動能力

<基本方針> 【令和5年度運営方針】
1.保育の質を高める(子ども主体の保育)
2.働きやすい職場を作る
3.地域に開かれた保育所を目指す

<保育目標>
1.豊かな人間的ふれあいを通じて‶人と人との信頼″価値と尊さを身につけます
2.子どもの社会性を培い、人間性を育むうえでの‶正しい習慣″を身につけます
3.面白いね!不思議だね!すごいね!という体験を積み重ね‶創造性の芽生えとやる気″を育てます
4.‶もじ・かず・ことばへの興味や関心″を育てます。
5.人と人とのつながりを大切に‶元気で明るく、笑顔であいさつできる子ども″を育てます
6.やさしい気持ちを養い、忍耐力・正義感・自制心をもつ、豊かな心を育てます
7.命の尊さを知らせ、慈しむ心と感謝の心を育てます

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<わおわお大倉山保育園の特徴的な取組>(基本情報Ⅰ-3の記載事項)
●保育所保育指針を根底とし、一人一人の子どもの主体性を育む保育
●子ども理解を根拠にPDCAサイクルを行い、より良くを目指す保育
●専門性だけではなく、組織性(チームワーク)を重視した保育
●子育てステーションを目指し、保護者と連携し、地域に開かれた保育
●研修制度やOJT制度で職員一人一人に合った育成を目指す

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/09/11(契約日) ~2024/01/09(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2018年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【わおわお大倉山保育園の概要】 
●わおわお大倉山保育園は、東急東横線の大倉山駅からエルム通りを歩いて7分程度のところにあります。大倉山は、整備された街並みと緑ゆたかな環境の地で、この街の象徴ともいえるギリシャ神殿風の大倉山記念館や、春には紅白20種もの梅が咲き誇る梅林があり、住民のリフレッシュゾーンとなっています。また、園舎北側には、緑深い大倉山公園があり、近くには太尾小学校、大綱中学校もあり、自然と学びに恵まれた地域です。

●わおわお大倉山保育園は、平成14年に横浜保育室として開園し、平成16年4月に認可保育園に改組され、現在、定員76名、分園に0歳児~2歳児(定員31名)、本園に3歳児~5歳児(定員45名)に分かれて至近距離にて保育を行っています。本園はマンションの1階に開設し、分園は独立した平屋建ての建物となっています。開所時間は平日7時00分~20時30分、土曜日7時00分~18時30分です。乳幼児保育、産休明け保育、延長保育、障害児保育及び、施設開放・交流保育・育児講座・育児相談等の地域支援事業を実施しています。

◇特長や今後期待される点
1.【ほめて、みとめて、はげまして、一人ひとりの主体性を育む保育】
わおわお大倉山保育園は、保育理念に「ほめて・みとめて・はげまして」~やる気を育て、自分で考えて行動できる子どもを育てる~を掲げ、園ビジョンに「子どもたちの目が輝く保育」とし、子どもの将来において、「価値観が多様化する社会で、何を指針として生きていけばいいのかが見えにくい中、自分の考えや力で生き抜いていける人間に育ってほしい。毎日目を輝かせて夢中に遊ぶことで、生きることを意欲的に楽しみ、自分自身を好きで、友だちや周りの人のことも認められるようになり、挑戦して失敗した事を許せる温かい社会を作っていって欲しい。」と、子どもたちの未来像として明示しています。保育の実施では、9月の保育日誌において、保育士の気づきとして、「異年齢の関わりの中で年下の子に優しく教えたり声をかけたりする姿に年長児らしさを感じてさすがだなと思った。同じクラスの友だちへの声かけも優しいものが多くあり、褒めることで自信につなげていきたい」と記録されています。子どもたちの思いやりと自ら行動できる姿が窺え、園の理念と園ビジョンに沿った保育が実践されているのが分かります。

2.【6つの特徴ある活動の展開】
わおわお大倉山保育園の保育の特徴として、「知育」、「体育」、「英会話」、「食育」、「リズム遊び」が挙げられます。特に、「知育」についてはコグトレ(認知トレーニング)のプログラムをわおわお大倉山保育園のみで実施し取組んでいます。また、ペーパーワークのみではなく、毎日の散歩(戸外活動の中での自然探究や友だちとの協同遊び等)で育まれる力(=知育)も培っています。「体育」では体育指導者検定有資格者を中心に行い、「英会話」では外部のネイティブ講師により英語の歌と遊びを通して体を動かし、英語でのコミュニケーションで興味・関心につなげています。「食育」活動では、野菜等の栽培や調理体験を行い、「食を営む力」の基礎を身に付けています。「リズム遊び」は音楽を活用して身体的、感覚的、知的に優れた子どもの育成を目指しています。これらの取組は、法人系列園で展開している特徴的な項目です。繰り返しが身に付き生かされていくことが期待されます。

3.【たのしい食育活動の推進】
わおわお大倉山保育園では、年齢に応じたねらいと内容で食育計画を作成し活動が進められています。
1歳児は「身近な人と食事をする喜びを味わう」「いろいろな友達と一緒に食べることを喜び、食べることを楽しみにする」、5歳児は「菜園活動を通して自然と食事の繋がり、命のつながりを知り、食べ物に関心を持つと共に感謝する気持ちを持つ」「食事のマナーが身に付き、自然の恵みや調理してくれる人への感謝の気持ちが育つ」等のテーマに基づいて食育活動に力を入れています。園舎前に菜園を設け、今年はミニトマト、ナス、きゅうり、スイカ、さつまいも等の多くを栽培し収穫しました。今年前期の食育活動の振り返り欄には、「世話をする中で花が咲いたり実がなったりと成長過程に興味を持ち観察する姿が見られた」また、「収穫した野菜を子どもたちが調理室に持っていき、直接栄養士に調理を依頼する機会を作ったことで、感謝の気持ちを言葉にする姿もあった」と記されています。子どもたちは、栽培体験をして素材が調理されていく変化を楽しみ、自分で作った喜びを経験しています。美味しい食事と保育士の熱意・優しい保育を受け入れて、主体性を持って未来を生き抜く力を育んでいます。

4.【子育てステーションの段階的前進】
法人全系列園では、「子育てステーション」を目指し、中・長期計画に組み込み進めています。地域の「子育てステーション」として、在園児保護者のみならず、全ての子育て世帯が支援を受けられる場所として、また、地域になくてはならない園となることを目指し、頼れる・開かれた子育てワンストップステーションの実現に取組んでいます。わおわお大倉山保育園の取組では、月3回施設開放を実施し、育児相談は毎週水曜日に行い、交流保育、育児講座を年4回開催しています。昨今、活動状況、保育園を取り巻く環境は厳しい状況であり、人材不足も恒常化する中、目指す意義は理解しても積極的な行動に結び付き難い現状は否めません。また、運営体制については、職員が働きやすい職場の条件として生涯設計が明確になっていること、適正な報酬、職場のコミュニケーションが円滑であることの三つが挙げられ、さらに、働き方改善の工夫を一考されると尚良いでしょう。例えば、保育WEBによる課題解決、プロジェクトチームによる活動等におけるやり方を見直す等、大きな目標に向かって、実現できる小刻みな計画を段階的に実施していかれることを期待します。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 わおわお大倉山保育園

≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取組の感想≫
当園のためにお時間をかけていただき、ありがとうございました。
園を向上していくにはどうすればいいかを熱心にお考えいただき、大変ありがたく感じ、そのお気持ちを無駄にしないように活かしていこうと思いました。

職員がグループごとに話し合うことで、園を評価するに当たりこのような視点が必要だということを知ると共に、自分たちの保育を厳しい目で見直すことができました。また、もっとこうしていくと良いという意見も前向きに話し合う場となりました。

今後、第三者評価の視点を園内研修や職員間の話し合いに取り入れ、自分たちの不足している部分を向上させていくきっかけとしていきたいと思います。

≪評価後取組んだ事として≫
1. 全体的な計画(保護者向け)を1枚に見やすくし、職員の考えを反映させていく。

2. 職員一人ひとりの意見がより反映しやすくなるよう、話し合う時間や意見を挙げるシステムを改善し、組織体制を強化する。

3. 次年度に向け、保護者に対してさらに発信や公開を行い、子どもを真ん中に連携して保育を行っていく準備をする。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

園の保育理念、保育理念に沿った方針・目標を策定し、保護者の目に留まる所に掲示すると共に、園のしおり、ホームページに記載して周知しています。また、保育を進める園のビジョンを策定し、保護者へ入園の際にパンフレットを配付し、入園説明会で説明を行っています。職員に対しては、職員会議や研修等で、保育理念や基本方針に沿っているか定期的に保育内容を振り返り、目指す方向を確認し、より深く理解を図っています。園の保育理念等は、職員の指針及び保育の根底とし、子どもたちと関わる上での軸としています。また、認可保育所として多少の制約を踏まえながらも揺るがず進めており、保護者からも支持されています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

事業の動向については、法人本部で厚生労働省や保育団体連合会等から情報を得、人口動態や保育関連官庁の情報を入手及び分析を行っています。地域の情報についても区や市の会議・市社会福祉協議会・区社会福祉協議会の会議等から情報を入手し分析しています。園長は、区内保育園園長会議に出席し、区のこども家庭支援課と連携を取り合い、保育ニーズの情報収集に努め、法人内園長会議等で法人本部担当者を含めて話し合っています。また、職員が地域のニーズ情報とインターネットによる調査を行い、細かく分析をしたデータを共有し対応しています。経営面では、法人本部と連携を取り、コスト分析や利用者利用率を把握しています。横浜市の子どもの推移等は法人本部で分析を行い、その対策も中・長期計画として検討しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

経営課題の検討について、法人では役割分担を明確にしています。組織として理事長、副理事長、本部長、その下に保育園が位置付けられていますが、同時に運営本部、管理本部が組織化され、経営課題を総合的に対応する体制を構築しています。園長は、法人の園長会で課題を抽出し、改善に向けて話し合い、職員へは法人本部からのアクションで課題が伝達される体制としています。職員は積極的に情報を共有し対応しています。園の当面の課題として、職員の定着(人材の確保)、職員の育成(保育の質の向上)、業務改善(ICT化)、子育て支援・地域支援の拡大・実践を挙げて取組んでいます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

許認可事業を踏まえ、中・長期的な計画については具体的には決められない面がありつつも、中・長期的なビジョンは明確となっており、事業についての資金計画等も裏付けがあります。法人の体質改善、職員の育成計画は中・長期的な計画を策定し、人材育成、新規採用等を進めています。中・長期計画は、役員会で決定し、法人本部主導で展開し、中・長期計画に沿って自園の計画を策定・実施しています。園の中・長期計画は令和3年度に5ヶ年計画を作成しています。目標は、「子育てステーション」の実現です。中・長期計画は、現在3年目で、法人ビジョン・園ビジョン達成のためにチームの一員として自分や他職員がどんな役割を果たすべきかの理想を描き、共通目的とした上で、各自で具体策を考え、実践につなげています。表現は抽象的ですが、当年度に具体的な対策を掲げ、評価できる見直しを実施する予定です。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

法人本部で中・長期計画に沿って単年度の計画が示され、それに沿って園の単年度計画を策定・提出し、承認を得ています。予算面については調整された予算が決定され、範囲内での取組を進めます。中・長期計画を踏まえた単年度計画は、三つの具体策を掲げて取組、計画は実施状況が評価できる項目になっています。単年度計画は中・長期計画の他、指導計画、行事計画があり、指導計画は、年度計画、月次計画、週日案があります。いずれの計画にも評価・反省欄にて振り返りができるよう設定しています。行事計画は実施終了時点で保護者アンケートを行い、振り返りを行っています。計画は実行可能性を重視し、意欲的に取組めるよう策定しており、具体的な数値は示されていませんが、評価可能な項目として明示されています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業計画には、中・長期計画の今年度事業計画・行事計画、今年度の全体的な計画及び指導計画の3つがあります。中・長期計画の今年度事業計画は、法人と園長が作成し職員会議でオーソライズしています。行事計画は保護者アンケート及びその都度の振り返りを基に、担当職員が起案したものを職員会議に諮ります。全体的な計画は、法人本部で骨子を作成し園で地域特性を加味して職員の意見を取り入れて作成しています。指導計画は、クラスごとに日案から年度計画までの振り返りを基にクラス会議で作成します。いずれの計画も職員会議に諮り、周知され決定しています。従って、事業計画は、評価・見直し・計画・実行というPDⅭAサイクルが行われています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

事業計画は保護者会において年間計画の配付及び説明を行い、年度を通して保護者の意向や要望を翌年の計画に反映できるよう構成しています。保護者会では全体的な計画を配付し、園長・主任・看護師・栄養士がそれぞれの説明を行っています。また、クラス担任から保育で大切にしていきたいことを保護者に説明しています。今回の第三者評価保護者アンケートでは、「年間指導計画、行事計画について知っていますか」では、「知らない」と回答した保護者は1名であり、95%が理解していると回答しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

保育の質の向上の為、カリキュラムは定期的に(日、月、期毎)振り返り、評価反省を記入する書式になっています。カリキュラム会議にて、各クラス評価反省を報告し合い、それに基づき助言や意見交換がなされ、次の計画へと反映がされています。職員で検討を行う機会は必ず設けて、組織的に分析・検討、実践しています。園のしくみとして全職員が常にPDCAのサイクルを機能させ、より良くなった状態を実感できるように取組んでいます。年度末に職員自身と保護者からの評価を行い、結果を公表・公開しています。そして、その評価を基に次の計画へと繋げています。保育士の質の向上については、人事考課表を活用して自己評価を行い、個人別に年間目標を設定し、達成状況について自己評価を行い、期中、期末に園長と面接し、できなかった項目については次年度の目標に組み入れる等の取組を行っています。第三者評価は今回3回目の受審であり、今後も定期的に受審する予定になっています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

自己評価では、園をより良くしていくための取組む課題を明確にし、さらに今後は計画的な改善の取組や、改善実施状況の評価・改善計画の見直しまでPDCAサイクルが常に機能するような状況を作っていくことが組織力を高めていくことにつながるよう取組んでいます。具体的には、日頃の連絡ノート、面談、行事後のアンケート等、様々な機会を捉えて情報を収集し、特に、行事後はアンケートを集計し反省会を行い、課題の抽出を行っています。期ごとのカリキュラム会議では全クラスの担任、園長、主任、看護師が出席し、保育を振り返り、評価・反省の報告及び意見交換を図り、次期のねらいにつなげています。毎月の全体会議や乳幼児会議においても、保育の振り返りを行い、意見交換と保育の改善を図っています。職員の自己評価結果については、園長が集約して園の課題を整理し職員会議で検討しています。毎年度末には園の自己評価を掲示し、職員・保護者に公開しています。現在、改善案件についてはクラス会議や職員会議にて問題の案件に応じた改善を行っています。今後は、改善計画に職員が参画する仕組みを整理することにしています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

施設長の権限と職務については、大枠では園の就業規則、運営規定、事業継続計画(BCP)上で明文化され、詳細は職務分担表を作成し、園長を含めた職種、職務内容を記載し、職員へ配付すると共に、職員面談時に説明を行っています。危機管理マニュアルにおいても、事故発生時や災害時等の園長の役割を明示し、職務分担表には園長不在時の権限委任を明示しています。基本的に園内現場業務については大半を主任に権限移譲し、園長は対外的な対応を含む業務全般の責任を担うようにしています。常日頃、園長は職員会議や園内研修等を通して経営、管理に関する方針と取組において権限と責任を明確に告知しています。園長不在時の指揮権限については主任に委ねることを明確化しています。また、年度始めの職員会議にて、園長より運営についての想いや方針の説明を行っています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、幅広い分野における法令の把握に取組んでいます。常に変化し、新しくなっていく法令等の情報を正確に把握し、職員へ周知、具体的な取組までつなげられるよう勉強会等の参加を検討しています。遵守すべき法令等の前提とする「倫理」については、保育士倫理綱領に則り行動することを互いに確認し合い、法令等を集積し十分に理解し、何時でも活用できる体制を整えています。園長は職員に対して、守秘義務、児童の個人情報の取り扱いに注意を喚起し、施設外への持ち出し入力作業の禁止等を周知しています。園長は、日本保育士協会施設長研修、社会福祉協議会園長研修、法人主催のハラスメント研修等に参加し法令に関する知識の習得に努めています。また、市や区からのメール・電話等に常時対応し、市や区主催の会議にも出席し、法令や制度の把握に努め、防犯・災害時対策、保育環境への配慮等の見直しを行っています。さらに、ケース児童の報告や事故報告等、必要に応じて市や区へ連絡できる体制を構築しています。環境への配慮については、3R夢やSDGsに関心を持って取組み、保育の教材にラップ芯、プリンカップ、空き箱等の廃材を活用しています。また、安全面、人権への配慮、個人情報保護について重要と考え、研修に参加して園運営に反映しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長として、保育の質の向上について必要性を大きく捉え、会議での意見交換、教育・研修の充実を図るという考えを持ち、課題が職員間から積極的に上がるよう、それに対する具体的な改善の取組に意欲を持っています。園長は、職員が意見を言いやすい環境作りに力を入れ、職員会議やミーティング等で保育について振り返り、質の向上に向けた話し合いが進められるよう指導力を発揮しています。また、保育書類に目を通し、保育理念や保育方針が実施されているかを常に確認し、必要に応じて指導・助言に努めています。保育現場における指導は、主任、本園リーダー、分園リーダーの他、専門リーダー、分野別リーダーを必要に合わせて配置し、体制を整えています。保育について計画・実践・振り返りを複数でよく話し合い、さらに、保育の質の向上について基本的な研修を計画的に実施し基礎が身に付くよう取組んでいます。年2回、職員面談を行い、一人ひとりとコミュニケーションを図り、職務に対する思いを聞く機会を設けています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、保育理念や保育方針、園ビジョンの実現に向けて、職員一人ひとりの能力、特性や持ち味、人間性が効果的に保育や業務の中で発揮され、円滑なシフト運営が行われるよう取組むと共に、その状況に応じた人員配置や働きやすい環境について考え、職員が主体的に組織の一員として行動できる仕組みの構築に取組んでいます。また、職員一人ひとりが豊かな職業人生、キャリアアップのイメージを持ち、向上心を持ちながら、共通の目的に向かえるよう、組織内の体制を構築していくことを心がけています。人事、労務、財務等の状況は法人本部職員と連携しながら、最善の体制で取組めるよう、改善及び業務の効率化に向けて尽力しています。特に、人事については、保育の力量を考慮に入れたクラス運営が行える体制を目指し配置の検討・決定を行っています。園長は、日頃から全職員とコミュニケーションを図るよう努め、公私についての相談がしやすく、風通しの良い職場環境となるよう努めています。そして、現場総括の主任と連携し、人員配置、事務時間の確保、休憩時間の確保、休暇等公平に取得できるよう配慮しています。究極の目的は、保育理念の実現に向けた、働きやすい環境作りであり、且つ、職員全体で経営改善や業務の実効性に取組む体制作りを進めています。経営の改善や業務の実効性を高める取組については、園長の責務として重要と捉え、園内の意識統一に向けて会議等で話をし、さらなる取組の工夫に意欲を持っています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人が求める人材像を明確にし、採用活動を実施しています。採用後は導入研修を行い、初任者研修、キャリアパス研修等、育成の仕組みを確立し方針に沿って育成が成されています。変形労働時間制の下、有効な保育体制の配置や有給休暇の取得等の体制を整えています。人材確保については、就職説明会に参加し、説明会や園内見学を実施し、実習生に対しても、就職の意思が見られた場合は積極的に声かけを行っています。職員に関しては、働きやすい職場環境作りに努め、各職員が保育を通して自己実現ができるよう協力的に働きかける等、定着につなげています。採用活動及び人材育成活動の現状では、退職者の補充等の採用が思惑通りにいかない状態であり、今後、さらなる保育士の実態等の情報収集を考えています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人が定めた人事管理の基準に沿って評価を行い、総合的な人事管理を実施しています。園長は、人事管理につながる園内のより良い仕組み作りに取組み、定期的な振り返りと成長目標の設定、自己期待と他者期待を擦り合わせ、評価についてフィードバックを行う認識の下、最善の方法を目指して人事に取組んでいます。職員が意欲的に自らの将来像を描き、園の目指す姿に共感し、求める職員像との擦り合わせができるよう、面談の回数を増やしていくよう期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員の就業状況については、園長が全職員と面談を行い、意向等を確認し法人本部と共有を図っています。働きやすい職場作りでは、出産・育児休暇や子どもの看護休暇、時短勤務等の仕組みを作り、ワーク・ライフ・バランスに配慮しています。面談に関しては、人員不足の状況から定期的な実施が困難となっており現在、正常化に取組んでいます。有給休暇取得については、全職員の有給休暇や夏休み、代休等の取得状況を管理し、公平性に配慮してシフト作成に反映させています。また、心身の健康と安全の確保に努め、事務時間、無駄な残業のないよう管理に努めています。福利厚生では、社保、インフルエンザ予防接種費用の補助、制度共済への加入、施設のベネフィット券の支給等を利用できるようにしています。「働きやすい職場」を今年度の目標の1つと位置付け、業務改善やロイヤリティを高める取組に期待します。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員一人ひとりの育成目標として、園ビジョンに目指す保育士の姿を掲げ、業務マニュアルにも具体的に保育者としての望ましい姿勢を記載し、読み合わせをして目標を明確にしています。園長面接にて人事考課表を活用して職員が自己評価や次期への課題を確認できるようにしています。園の自己評価では、人事考課表に沿って項目別に目標水準を示し、1つの項目に対して一次評価、二次評価と定期的に評価を行い、面談時に評価の確認を行えるようになっています。今後、適切なタイミングで進捗状況を確認し、職員が向上意欲を持続できる環境作り等、さらに丁寧な育成ができるような仕組みの機能により、保育の質を高めていくよう努めています。目標に対する自己研鑽面談は、進捗確認や年度末の振り返りの重要性を認識していますが、園の人員不足を鑑み、現状に沿った働き方の工夫、業務の改善等に努め、面談の正常化に期待いたします。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人が期待する職員像は、保育業務マニュアルに明示され、園として職員に必要とする専門技術・資格は、職務分担表にて役職名、業務内容を明示しています。また、専門職に関しての業務内容も明示しています。教育・育成に関しては、正規職員を中心に法人内・外部研修の機会を多く設け、資質向上に向けた取組を実施しています。研修計画は、事業計画に研修計画の基本を示し、立案し、年度末に研修計画を振り返り評価を行い、次年度の研修計画へとつなげています。外部研修への参加後は、研修報告書の提出及び報告を行い、職員間で知識の共有を図り、資質向上につなげています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

法人内研修では、導入研修、新任研修、階層別研修、子育て支援研修、発達年齢別研修、福祉職員キャリアパス研修(初任者、中堅、チームリーダー)、保護者支援研修等、テーマ別に研修を実施し、外部研修では、障害児保育、食育、接続期、実践型等、様々な機関主催の研修へ積極的に参加しています。職員の育成及びキャリアアップを見据え、研修参加を推奨する他、各職員の希望する研修に添えるよう、研修案内を閲覧できるようにしています。さらに、園内研修の充実、OJT制度、チューター制度に取組み、質の向上を図るようにしています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

専門職の研修・育成に関する基本姿勢やマニュアルについては、保育業務マニュアルに記載しています。専門職種の特性を踏まえ、様々な年齢児における保育経験ができるよう計画を立案し、クラスでの実習に加え、早番・遅番保育、延長保育、土曜日の異年齢保育や、子どもたちを迎えるための掃除や雑務等も経験できるようにしています。また、全体を見る目を持つことや、実習日誌の書き方等、実践的な部分の指導も行っています。職員に対しては、添削の仕方、実習生へのアドバイスの仕方等、必要に応じて話し合い、保育者間で意識統一を図っています。実習内容は、実習依頼校のプログラムに合わせて、園のスケジュールを組み、指導を行っています。実習生指導者研修については、今後の担当職員が参加し、園内での研修も計画しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人は社会福祉法人であり、理念・基本方針、保育の内容、事業計画等はできる限り公開するよう運営の透明性に努めています。特に予算、決算関係については公開しています。地域に対しては、月に2~3回程度、地域の親子へ施設開放(園庭、室内)や子育て相談等を実施し、福祉向上に努めています。また、毎月、園だより、給食だより、保健だより等を園の掲示板にて発信し、さらに、地域情報発信ツールとして、園だよりを地域の回覧板や掲示板等に掲載できるようお願いしています。福祉サービス第三者評価結果についてはホームページで公開する予定としています。苦情に関しては、窓口を明確にし、苦情を受けた際は速やかに会議で検討し対応するよう体制を整えています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人としての運営の透明性に関しては、法人本部及び系列他園を含め、担当部署による内部監査を実施し、定期的に園の事務、経理、取引等について内部監査を行っています。保育所の情報等や内部監査等の指摘も踏まえ、実情に即した経営改善への取組を法人本部と行うようにしています。労務管理は、会計事務所、社労士事務所等の協力を得て実施し透明性を確保しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

中・長期計画で法人の全園が「地域の子育てステーション」を目指し、地域との関わりを大切にしています。「頼れる開かれた子育てのワンストップステーション」として、保護者、地域と共に子どもの成長を喜び合う保育園、地域の中で頼られる存在、子育て世帯の心の拠り所となることを目指し、園運営に取組んでいます。取組では、地域の催し物情報を園内に掲示して保護者に提供し、日々、地域の公園等を利用し、また、町づくり協議会主催のダンス練習(毎月)及び2月の発表会では子どもと保育者が参加し、地域の活性化にも貢献すると共に園や子どもに対しての理解を得られるよう取組んでいます。そして、施設開放や育児講座の実施、交流活動を通して地域の子育て世帯が園と関わる環境を整えています。さらに、保護者の希望に応じて、地域療育センター、児童発達支援施設、子育て支援拠点、園医等、第三者機関と連携を図っています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティア受入れに関する基本姿勢及び地域の学校教育等への協力については、法人系列園全体で基本姿勢を備え、中学生の職業体験、小学校の町探検、看護師専門学校学生の実習等、積極的に受入れています。ボランティア等の受入れ時には、マニュアルに沿い、園の基本方針・活動内容、注意点等を事前に説明した上で受入れています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の関係機関のリスト・資料は園長が管理しています。地域の町づくり運営協議会の一員として、防災や地域の活性化に取組み、区のこどもの権利擁護担当者等と定期的に連絡を取っています。家庭での虐待等が疑われる場合には、区役所や専門機関と連携し、適切な対応に努めます。また、現在疑われる案件がないと思われる時期に全職員が認識を高め、状況に直面した時に迅速で的確な対応及び、他機関との連携が図れるよう取組を進めています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の福祉ニーズの把握については、保育園には公益的な面も要求されていることを踏まえ、ニーズへの必要性を認識して地域との交流に取組んでいます。毎月の町づくり運営協議会に参加し、交流を通して地域のニーズの一端を把握しています。育児相談事業のシステムも整えています。また、給食等の各担当者連絡会や救命処置実技等の会合や、町内会に加入し、港北区の私立園長会に参加する等、福祉ニーズ等の把握に努めています。港北区の年長児担当者会議では、小学校の情報や他機関からの情報を入手し、年長児の就学に向けて生活課題等の把握に努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

「子育てステーション」を目指す中で、今後、特に保育に関わる専門性を生かした支援を地域に還元していくことを考えています。現在、施設開放を月3回、交流保育、育児講座を年4回、育児相談は毎週水曜日に行う等活動を実施し、多様な機関等と連携し地域コミュニティの活性化や町づくり等へも積極的に参加しています。また、町内会、商店会から食材の購入や有償で畑を借りて子どもたちが芋掘り活動を行い、これらの活動を通して、保育所が有するノウハウや、専門的な情報を地域に還元する取組を行っていきたいと考えています。地域住民の安全・安心のための備えや支援の取組については、おむつ、水等の備蓄と場所の提供を行います。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員間で保育業務マニュアルの読み合わせにより、子どもを尊重した保育を実践できるようにしています。人権に配慮した保育について、定期的に会議や研修を実施しています。子どもたちへは、日常的に1日の出来事を取り上げ、話し合う機会を設け互いに尊重する心が育つよう促しています。外国にルーツのある子どもが入園した場合は、世界地図やイラストを保育室に掲示しその国の文化を周知し、性差に関しては、色や活動、遊びを自由に楽しめるようにしています。保育中のトラブル等では、子ども双方の思いを汲み取り、相手への気持ちの気付きが得られるよう援助しています。保護者へは、入園時等に基本的人権の遵守を伝え、懇談会でも子どもの成長の様子を知らせ、互いに尊重することの大切さを話しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシー保護に配慮した保育に関して、特に重要と考え、重要事項説明書、保育業務マニュアルに明記すると共に会議や園内研修で周知しています。日常の排泄、シャワー等の生活の場面でもパーテーション等を用いてプライバシー保護に配慮しています。保護者に対してはプライバシー保護に関する内容を重要事項説明書に明記し、園舎内での撮影、行事の際の写真やビデオ撮影に関して注意事項を説明しています。全職員がプライバシーに配慮した保育について理解を深めること、子どもやその保護者に対してもその取組を周知することについて、継続して徹底していきます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

理念や基本方針、保育の内容や保育所の特性等を記載した文書として、パンフレット、「入園のご案内」、ホームページ等を用意し分かりやすく情報を提供しています。園内に基本方針を掲示し、誰でも閲覧できるようにしています。園見学では希望に最大限に応え、約1時間を設けて丁寧に伝えています。見学者や利用希望者に対する情報提供の内容は園長、主任等が定期的に見直しをしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

入園説明会では「入園のご案内」に沿って、園長・主任・看護師・栄養士がそれぞれ説明を行い、保護者の質疑応答に対応しています。利用の開始にあたって必要なものは見本を提示し、保護者に分かりやすいよう配慮しています。入園時面談では家庭の状況を聞き取り、子どもが保育園の生活にスムーズに入れるようにしています。保護者には重要事項説明書に記名捺印をしてもらい、保育方針等を理解した上で開始できるようにしています。就労状況の変更や産休・育休における保育時間の変更については、行政の通達と併せて説明しています。保護者の状況把握と共に意向に配慮できるよう、丁寧な聞き取りを行っています。コロナ禍での変更や打刻・連絡帳のICT化の変更等の際には、図で示す等、意図や方法を分かりやすく説明しました。外国語を母語とする保護者に対しては、書類にルビを振る、個別に説明する等適切に対応しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育の連続性、継続性の問題は守秘義務との兼ね合いもあり、転園、転勤に依る保育園の変更については保護者の了解の上で行います。保育所等の変更に当たり、手順と引継ぎ文書に関しては定めていません。変更先からの問い合わせについては、プライバシー保護の観点から支障のない程度で回答し、文書化は行っていません。保育所利用終了後の相談窓口の設置はしていませんが、園行事に招待し、来園した際には丁寧に対応し、子どもや保護者の安心につながるよう対応を心がけています。転園時、退園時、卒園時には、互いに連絡先を伝え、やり取りができるようにしていますが文書としては配付していません。今後、保育の継続性に配慮した手順と引継ぎ文書の作成、保育所利用終了後についての相談窓口の設置、その後の相談方法や担当者について説明を行い、その内容を記載した文書を配付することを期待します。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は常に子どもの最善の利益を考え、一人ひとりの気持ちに寄り添い保育に当たっています。日々子どもとの会話を大切にし、満足度を把握できるよう心がけています。保護者については、送迎時での表情や言葉、連絡帳に記載された内容から保護者の真意を汲み取る視点を持ち、気持ちに寄り添った関わりを持つようにしています。また、保護者が気軽に保育士、園に聞いてみようと思えるような風土作りを目指しています。年度末には保護者アンケートを実施し、運動会や生活発表会等の大きな行事後にもアンケートを行い評価や要望を抽出し、改善につなげています。アンケート結果は職員間で回覧し、保護者にも園だより等で知らせています。保護者面談は年3回の他、随時、希望や必要に応じて行い、保護者理解を深める機会としています。面談記録から共有が必要な内容は全体周知を図り、対応しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

相談、苦情受付窓口は入園説明会で説明し、玄関前に意見箱を設置しています。苦情解決の体制として、書面に責任者、担当者、第三者委員の氏名を明記し園内に掲示しています。保護者とは送迎時に園や家庭での様子を伝え合うことで、信頼関係を築けるよう努めています。子どもや保護者が不満を感じず過ごせるよう、問題を予測して事前に対策するよう努め、苦情を受けた場合は園運営の改善チャンスと捉え、真摯に対応しています。意見からの変更点等の対応策については、個人情報に留意しながら園だよりで保護者に伝えています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者が相談や意見を述べる方法として、意見箱を玄関に設置し第三者委員の掲示をすると共に、園だよりやクラスだよりで、気軽に職員に声をかけてほしい旨を促しています。また、複数の方法や相手を自由に選べることを重要事項説明書に記載しています。年1回、保護者説明会・入園説明会において意見等が伝えやすいよう意見書用紙の配付も行っています。相談を行う場所としては空いている保育室を利用し、プライバシーの確保にも配慮しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

送迎時、特にお迎え時には子どもの日中の様子を伝えるようにし、保護者から意見を伺う機会も多く持っています。意見箱を設置していますが、意見は主に連絡ノート、口頭、アンケート、面談等で得ています。送迎時における保護者対応については、クラス職員内での提案や解決策の検討が難しい場合は園長へ相談し、面談等につなげています。また、保護者支援について、全職員が適切な対応ができるよう会議で周知を図り、保護者が「相談してみよう」「伝えてみよう」と思えるような関係性を構築できるよう園全体で取組んでいます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスクマネジメントに関する責任者の明確化、委員会を設置し、体制を整備しています。事故防止・対応マニュアルを整備し、職員へ配付及び読み合わせを行っています。マニュアルに沿った対応を行い、発生要因の分析や再発防止策の検討を行っています。他園で生じた事故(誤食・受診に至ったケガ等)について会議で報告及び話し合いを持ち、事故予防に努めています。さらに、毎日各クラスのヒヤリハット事例を報告・共有し、意識向上に努めています。事故発生時は職員間で話し合う機会を持ち、安全についての研修や喚起を行っています。自己評価でマニュアルの見直しが不十分であること、ヒヤリハット事例に対する取組が希薄である等の反省を踏まえ、リスクの芽は常にあることを鑑み、さらなる、マニュアルの見直し及び整備や、日々のリスクマネジメント体制の構築、向上に向けて研鑽が望まれます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

嘔吐や下痢の処理方法、インフルエンザ予防、コロナ感染予防、手指の消毒、汚染物の消毒方法等の感染症予防について、健康管理マニュアルに沿って園内研修を行い、職員へ周知しています。感染症の流行時期には、職員の予防接種を行い、各クラスの温・湿度計の確認及び加湿器を活用し、換気を行う等、予防に努めています。保健計画に基づき、感染症の流行時期に合わせ、感染症対策ガイドラインに照らし合わせて予防や発生時の対応、感染拡大を防ぐために徹底した対応に努めています。感染が把握できた時点で、職員へ周知、保護者への情報提供を速やかに行い、その後の状況変化も継続して発信しています。また、調理室を含め、園全体で感染症について知識の共有を図り、掲示や申し送り等で最新の情報提供を看護師が中心となって行っています。コロナ禍を経て、社会要請や政府の対策の変化に伴い、その都度対応を変更し、年1回以上は園内研修を実施し、意識・技術の向上に努めています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

事業継続計画(BCP)において、災害時の行動指針を掲げ、園長・職員は地域防災訓練に参加しています。そして、警察・消防の協力を得て園内での諸訓練の実施等を定期的に行っています。また、職員の役割分担や管理者についての見直しを逐次行っています。保護者へは防災について「入園のご案内」に明記し、配付しています。立地条件等から災害の影響を把握し、建物・設備類、保育を継続するために必要な対策を講じ、水害に対する避難訓練も重要視し、各種避難訓練(火災、地震、不審者侵入防犯訓練等)を実施しています。子ども、保護者及び職員の安否確認の方法を定め、全職員に周知し、食料や備品類等の備蓄リストを作成し、管理者を決めて備蓄を整備しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画を策定し、年間、月、週のカリキュラムを作成し保育者の配慮等も記載しています。新人職員に対しては、保育業務マニュアルを用いて標準的な保育姿勢について個別に指導を行っています。他職員に対しても園内研修において「保育における物的、人的環境」や「保育者の話しかけ方」等の内容を取り上げ、保育姿勢について知識を深め、振り返る機会としています。毎月のクラス会議やカリキュラム会議等で保育内容について意見交換を図り、実施方法の確認をしています。配慮が必要な子どもへの対応については、必要に応じてケースカンファレンスを行い、内容は全職員へ周知し、全体で対応できるようにしています。カリキュラムには、プライバシー等に関する項目は明示されていませんが、日頃の会議等において、子どもの尊重やプライバシーに関する内容を取り上げ、実践につなげています。個人情報に関する書類や記録は、事務所内のロッカーに施錠・保管し、外部への持ち出しを禁止しています。職員は誓約書を交わし、実習生等は誓約書記入及びオリエンテーション時に守秘義務について伝えています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

カリキュラム作成に当たり、各月中旬以降、保育の振り返りを各クラスで行い、設定したねらいに対して子どもの様子や達成度合い、予想との子どもの姿のギャップ、設定した環境について等、改善点等を検証する場を設け、都度実施しています。現在、園長、主任、リーダーが各クラスの検証・見直しに参画しながら、職員が意見や提案を述べやすい環境作りに努め、保育指針や園ビジョンに沿った保育の検証、保育士の連携体制の機能等の確認を徹底する仕組み作りに取組んでいます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

子ども・家族の状況、家庭環境、就労状況等の情報については、入園時面談やアンケートにより収集し、年3回、個人面談、保育参加時での面談、また適宜、必要と感じられる場合に園長、看護師、栄養士との面談等から、適切なサービス実施に向けた協議を経て、指導計画に反映しています。指導計画の策定はクラス担任が行い、複数担任の場合はクラスリーダーが責任者となっています。指導計画におけるアセスメント手法は、保育日誌、月度指導計画を園長が承認し、カリキュラム会議で各クラスの評価・反省及び意見交換を行い、次期への計画につなげる方式としています。アセスメントでは、保育士、園長、主任、リーダー、看護師、栄養士が参加して協議を実施しています。個別計画は、子ども一人ひとりを多角的な視点から捉えて作成するよう努めています。基本的に保育士と看護師が会議に参加し、その内容を計画に反映させていますが、必要に応じて事務職員や、育児支援センター、区の職員等のやり取りの内容も取り入れています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

月ごとのカリキュラム作成に当たり、前月のねらいに対する達成度、職員が捉えた子どもの姿、成長・発達の様子を共有し、次月のねらいへつなげる取組を行っています。目に映る子どもの姿だけではなく、子どもの内面を考察し、今後の成長への関わり方等、計画に対して評価・振り返りがより精度の高いものとなるよう、仕組みの改善に努めています。今後、子どもの特性を捉えた上で適宜見直しを行い、関係職員に周知する手順を整え、変更が必要な場合の体制作りを期待いたします。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

指導計画の他、健康台帳や経過記録により記録しています。記録の書き方についてはリーダー職員により各職員の統一を図るよう指導に当たっています。毎日ミーティングの時間を設け、本園・分園間でも情報共有ができるよう体制を整え、毎月の職員会議とカリキュラム会議でも情報共有を図っています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

事務所の鍵付きロッカーにて書類関係を管理し、鍵の保管は園長、保管用鍵ケースの管理は園長・主任とし、責任所在を明らかにしています。職員が個人情報を扱う際には、必ず園長・主任に確認を取り、持ち出しと返却の確認を行っています。個人情報の管理についてはマニュアルに沿って研修を行い、カリキュラム等の作成や写真管理を行うパソコン作業については園内での作業の徹底をしています。記録の管理体制は、従来の紙ベースのものと電子媒体としています。また、最近導入したITCアプリ「コドモン」の記録を対象に、職員、保護者に対して手続きや内容変更を周知し、不十分な部分を鑑みながら継続的な対応に努めています。保護者に対する個人情報保護に関する方針は重要事項説明書に記載し、同意を得ています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

法人系列園の園長会議で、法人の理念・方針を基に全体的な計画の骨子を作成し、それに各園で地域的状況等を加味して全体的な計画を策定しています。全体的な計画には、「育みたい資質・能力」や「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」等を反映させ、保育理念、保育目標、園ビジョンを掲げています。そして、年齢ごとの計画を立て、発達段階を踏まえて家庭の状況や保育時間等を考慮して偏りのない内容になっています。全体的な計画を基に、年間指導計画、月度指導計画、週・日案を作成し、各指導計画には評価・反省欄を設けて振り返り、次の指導計画作成時に反映させています。全体的な計画は、保育所運営計画の全体像を一望するために作成されます。園の全体的な計画は、内容が充実しており通常の項目に加え園ビジョンが盛り込まれています。そのためにA4版10ページの大作になっており、見やすくA3で一覧にできる等工夫すると尚良いでしょう。一方、園の特徴である知育、英会話、体育、食育、リズム遊びについての記述が見当たりません。また、自己評価では、「これまで職員は作成に関与していなかったが、今年度の見直しには参画する方法を考える」とあります。従って、課題として全体的な計画が一望できる表現になること、園の特徴を追加すること、作成に当たっては職員の参画が望まれます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

生活の場の環境整備には十分留意し、安全で清潔さを保ち、ゆったり寛げるよう配慮しています。室内の温・湿度に関してはガイドラインを設定し、天気や外気温に合わせてエアコンやカーテン等を活用し、子どもたちが快適に過ごせるようにしています。夏季のエアコンの温度設定は26℃~28℃、冬季は20℃~23℃を目安とし外気との温度差±5℃、湿度は50%を目安にしています。夏季は熱中症対策の為WBGT(暑さ指数)測定を毎日行い、指数が30を超える時は外遊び・プール遊びは行わないようにしています。冬季は、保育室内に加湿器を使用し、感染症の予防に努めています。定期的にエアコンの清掃を行うと共に、園庭では日よけネット・テント等を使用し、園内外どちらでも子どもが快適に過ごせる環境作りをしています。保育室にはシートのコーナーを設置して、安らいだり、遊び込んだりできるよう工夫しています。子どもが自ら玩具を選んで遊べる環境や、その時にやりたいと思う遊びを見つけられる環境を整え、常に職員全体で話し合い、定期的に評価を行っています。改善が必要と思われる箇所については管理職に報告し、直ぐに改善につなげ、家具や遊具の配置等も成長に合わせて工夫し、成長発達、興味・関心を重視した配置を柔軟に行っています。手洗い場・トイレは毎日1回清掃し衛生を保つようにしています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

園の保育理念である「ほめて・みとめて・はげまして」を大切にし、子ども一人ひとりを見つめて接するよう心がけています。保護者の育児方針を把握し、子どもの発達過程、家庭環境等、日々の生活で見えてくる個人差を尊重し、その都度丁寧に対応して保育に当たっています。受入れ時には必ず視診を行い、一人ひとりの様子を確認し、0、1歳児は園での検温結果、睡眠時間や食事の様子等を聞き、様子に応じて園の生活のリズムに配慮しています。それぞれが置かれている状況や環境、特性を考慮した上で受け止めてから次の声かけや関わり方を考えています。子どもの生活を24時間で捉え、家庭との連続性を意識して保育に当たっています。また、個人面談を通して保護者と家庭、園での様子を伝え合い、連携した保育ができるようにしています。集団の中では気持ちを伝えにくい表現の苦手な子に対して個別に向き合うようにし、時にはスキンシップを取りながら、時間をかけて話を聞く等丁寧に関わっています。一人ひとりの子どもの理解を一番大切に考え、子どもの言動から心情や思考を汲み取り、応答的に関わる保育が行われています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

年齢や個人差に応じて基本的な生活習慣を意欲的に行えるよう援助し、自分でできることの喜びを感じ、自信をもって他のことにも挑戦できるように配慮しています。食具は家庭と連携を図り、子どもの発達に応じてスプーンやフォーク、箸等を用意しています。年齢に応じて、大人が全て手伝うのではなく、子ども自身が喜びや達成感が感じられるよう、励ましながら部分的な援助に留めるよう意識して保育に当たっています。連絡帳から家庭の様子を確認し、疲れが見られる時には、活動に無理に参加させず、休息が取れるよう室内で安静に過ごせるよう配慮もしています。乳児期から、戸外から室内に戻った際は手洗いを行うという流れが習慣付くようにし、1歳児クラス以降は、その習慣が身に付き子ども自らが行う姿が見られます。幼児クラスでは身に付いた生活習慣を丁寧に継続して行えるように声をかけています。排泄では、4、5歳児では、排便後の処理の仕方を一緒に確認し、4歳児には、部分的に援助をして徐々に一人で行えるようにし、5歳児は、一人ひとりの様子に応じて一人で行えるよう移行しています。このように各年齢や個人の発達、機嫌等を考慮して無理のないよう生活習慣が身に付くようにしています。さらに、子ども自らが自分の体のことに関心を持ち、健康な生活が送れるよう食育指導や保健指導を行っています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

子どもが自主的・自発的に生活し遊べるよう職員間で環境について話し合い、興味や発達に適した玩具を豊富に揃え、子どもが自由に手に取れるよう、質の良い環境整備に努めています。室内、戸外共に遊びを計画する時には、「ねらい」をもって環境を設定し自主的・自発的に活動できるようにしています。その中で体の動きを促したり、ルールを伝えたり、友だちとの関わりが広がるよう支援しています。天気の良い日はほぼ毎日戸外へ出かけることで、自然に触れ探索や探究をしたり自然物を使った遊びをし、体を動かし、地域社会の方々と接し挨拶を交わしたりする機会となっています。自然の中で自発的に好きな遊びを行い、また、友だちと関わって遊ぶ影響や保育者の促し・励ましによって遊びを発展させています。子どもの興味・関心に合わせて表現活動の設定をする場合は、限られたスペースで自由に行える環境作りに努めています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

乳児保育(0歳児)では、0歳児が長時間過ごすことに適した環境の中で、興味と関心を持って安心して生活と遊びができるよう配慮しています。職員の配置を固定して緩やかな担当制とし、子どもの情緒の安定を図りながら、しっかりとした愛着関係が築けるよう配慮しています。保育士は0歳児の発達を学び、子どもの気持ちを受け止め、温かく優しい口調と態度で応答的に関わり、子どもの表情から気持ちを汲み取るようにしています。また、保護者等の背景や気持ちに配慮しながら、寄り添い対応しています。日頃から保護者へ声をかけコミュニケーションを図り、子どもの24時間の生活を意識した子育てができるよう援助しています。離乳食は、家庭や栄養士と相談しながら咀嚼の状況に合わせて進め、状況によっては段階を戻す等、無理なく進めています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳未満児(1・2歳児)の保育につては、養護と教育の一体的な展開を開始する期間と位置付けられていますが、まだ養護の比重が大きい時期なので一人ひとりの子どもの状況に応じ、子どもが自分でしようとする気持ちを尊重するようにしています。手伝い過ぎず適度な援助を心がけ、やろうとする姿を褒め、できた喜びに共感し、達成感や意欲へつなげています。自己主張する気持ちを否定せず受け止め、子どもの気持ちを尊重しながら関わり、日常的に散歩に出かけて探索活動を楽しみ、季節の自然物に触れ発見する喜びを味わえるようにしています。保育室内では、子どもの遊びの様子をよく観察し、興味に沿った玩具を用意し、安心して遊びへの興味が広がるよう傍に寄り添って関わっています。1歳児では自分でやってみようとする姿を励まされ、保育士等に援助され「できた」喜びを感じられるようにしています。2歳児では自分で自主的に行えるように絵本等の教材を使用して導く等、環境を整えています。保護者には子どもの様子を丁寧に伝え、共に成長を喜び合えるようにしています。職員の声かけが増えたことで、2歳児が0歳児を気にかけたり声をかけたりする姿が増えています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳以上児の保育においては養護と教育の一体化を意識して、専科活動(スポーツ、音楽・リズム、読み書き、英語)を楽しみ意欲的に取組むことができるように工夫しています。各年齢別のカリキュラムを作成し保育に反映させることで、先をも見据えて育ち・発達を導いて行きます。保育士は、子ども個々の興味・関心を満たす遊びや、友だちと関わる楽しみ、同じ目的の達成に向けて協力する楽しさや喜びを感じられるよう援助しています。また、友だちとのトラブルもある中で、徐々に自分たちで解決していく力が身に付いていくよう、思い遣る気持ちが持てるよう支援しています。保護者へは、毎日の様子はクラスごとに文章で伝え、個別に口頭でも伝え、子どもの成長を感じられるようにしています。就学前には、保育所児童保育要録を作成すると共に、就学先の学校に対して個々の育ちや園生活の様子についての引き継ぎを行っています。年長児担任が区の幼保小連携会議に出席し、小学校教員へ園での子ども達の生活や遊びの様子を伝えています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

障害児に関しては毎月の指導計画を作成し、要配慮児に関しては、保護者との面談時や関係機関との連絡時等、必要に応じて記録するようにしています。集中して遊び込めるよう安全面や、壁面や設備、玩具等の工夫をしています。職員は、子ども全員が「特別」と言う意識で保育に当たり、影響し合う関係性を意識します。指導計画については複数の職員で振り返りを行い、PDCAサイクルを回しながら実践しています。保護者とは日々の伝達や面談でより詳しく様子を伝えると共に、意向を聞き取り、互いの理解を深めることで成長により良い保育ができるようにしています。地域療育センターや児童発達支援と連携を取り、アドバイス等を受けています。また、保育士は、常に研修に参加して知識・技術の向上を図っています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

長時間保育の子どもが穏やかに過ごせるよう、環境設定や引継ぎを工夫しています。延長保育を含め、早朝から園にいる子どもについては、特に延長保育での疲労や注意力の問題を鑑み、ゆったりとリラックスした保育を心がけています。異年齢保育では安全面に配慮すると共に、一人ひとりが満たされる遊びや生活ができるよう配慮しています。乳児が誤飲につながるような玩具は出さないようルールを設け、子どもたちにも説明し、異年齢でも安全に遊べるよう配慮しています。延長時には適宜、夕食補食を提供し、明るく穏やかな雰囲気で食せるようにしています。保護者への伝達事項は、申し送りで職員同士が共有し午後の保育につなげることで、お迎え時に担任以外の保育士でも伝えられるようにしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

就学を見据え、5歳児年間指導計画に1月~3月期に「就学への喜びや期待を膨らませ、意欲的に生活できるようにする。」と記載し、アプローチカリキュラムに就学を見据えた計画を取り入れ、実践を行っています。小学校との連携の下、小学校見学等、就学を楽しみにする機会を作っています。また、就学に向けた絵本やパンフレットを見る機会を設定しています。保護者対象に就学に向けた講演会を行い、イメージができるよう、また不安を取り除いたりする機会としています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康管理に関するマニュアルを備え、マニュアルに基いて子どもの心身の健康状態を把握しています。睡眠中のSIDS(乳幼児突然死症候群)のチェックについてのマニュアルがあり、全職員に配付し、職員会議や日々の保育の中で、リーダーと看護師が中心となって担当保育士に姿勢やチェック方法を周知し、徹底しています。チェック時間は0歳児が5分ごと、1歳児以降は10分ごとに行っています。感染症が流行った時期には、症状や予防に関しての情報を掲示等で知らせています。一人ひとりの生命の保持(健康・安全)を保育の大前提と考えており、子どもの体調不良やケガについては、全職員で共有できる仕組みを整えています。保健だよりと0歳児用保健だよりを毎月発行し、園の方針を伝えると共に、保護者の啓蒙に努めています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

内科健診、歯科健診はそれぞれ年2回実施し、3歳児は視力検査・聴力検査も行っています。健診結果は、即日職員間で共有し、保護者へは文書で個別に伝え、質問等には看護師が答えています。健診データは、全職員で共有の下、必要な援助ができるようにしていきます。さらに、保健計画が十分に保育に反映されるよう年間を見通してクラス別に計画することで保育につなげていきます。健診結果は、児童健康台帳に記載し保管しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもに関しては、年1回、医師の診断書と共に生活管理指導票を提出してもらい、厚生労働省の「アレルギー対応ガイドライン」を基に適切に対応しています。また、「アレルギー対応ガイドライン」に沿って園内研修を行い、早い段階から取組を行っています。アレルギーのアナフィラキシー対応が必要な場合は、エピペンを預かっています。食事の提供方法についても「アレルギー対応(配膳)の手順」を作成し、掲示して栄養士・保育士に周知及び徹底して提供する体制を整えています。配膳では、食器・トレイを色分けし、各保育室の壁に献立表を貼って分かるようにしています。また、配膳台や机・食器・トレイに名札を立て、皆で食事をする雰囲気を楽しめるように机の配置に配慮して誤食が起こらないよう万全の体制で取組んでいます。また、特定の職員のみに知識が偏らないようにするために、全職員で知識の共有を行い、安全を守りながら対応を行っています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食べることは生きることにつながる大切なことと考え、各年齢に合わせた「食育計画」を作成しています。食事の場面、食事以外の保育でも、食に興味が持てるような活動を取り入れています。食育計画Ⅰ期の1歳児は、身近な人と食事をする喜びを味わう。Ⅱ期の5歳児は、菜園活動を通して自然と食事のつながり、命のつながりを知り、食べ物に関心を持つと共に感謝する気持ちを持つとしています。実際の菜園活動では、菜園で夏野菜の苗植えから行い、水やりや収穫、食べるまでを経験することで、“野菜は土で育つ”ことが当たり前のこととして子どもたちに伝え、収穫を通して、食べ物を作る人、調理をする人への感謝の気持ちにつながっています。毎月給食だよりを発行し、家庭での食育につなげています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

献立も行事食や郷土料理等、食を楽しめる工夫をし、看護師が計算したカウプ指数を基に、栄養士(調理士)が献立を調整し、子どもたちに合わせた量にしています。そして、子どもたちの個人差に配慮し、食べ切れる量で調節しています。毎月給食会議を行い、嗜好傾向等を共有し、季節感を取り入れた献立や、郷土料理・世界の料理を取り入れ、旬を味わい、様々な料理を食べる経験を増やしています。子どもがおいしく安心して食べているかどうかについて、栄養士は食事の様子を巡視し、各クラスの喫食状況を記録して残食チェックを行い、把握に努めています。食事の様子を見て、子どもと関わることで「おいしかったよ」と作ってもらったことに感謝する気持ちが育まれてきています。栄養士は、衛生管理の講習会に毎年参加し、衛生管理マニュアルに基づき、調理室の清掃・給食職員の健康状態・冷蔵庫の温度管理等の管理に努めています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

家庭との連携では、送迎時に、家庭での子どもの姿や園生活の様子を互いに伝え合い、情報交換を行い、登降園時には担任以外の保育士も積極的に保護者への声かけを行い、相談しやすい雰囲気作りに努めています。運動会や学習発表会、保育参加園内行事等を通して成長の喜びを分かち合うことで、より信頼関係を築いていけるよう心がけています。また、園だよりやクラスだよりで、活動や保育について、ねらいや詳しい内容、子どもの様子を伝え、幼児クラスではクラスごとの毎日のねらいと子どもの様子を伝え、園生活及び保育士の意図が伝わるようにしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

登降園時の会話を大切にし、日々の様子や一人ひとりの成長を伝え合い信頼関係が築けるよう努め、また担任以外の保育者も子どもたちと関わる機会が多く、クラスの垣根を越えた保護者とのコミュニケーションが図られています。個人面談を行い、育児に関する悩みや子どもの発達、集団の様子に関して話せる機会とし、また、必要に応じて別途面談を設け、相談に応じる体制を整えています。保護者からの相談内容に応じて、看護師や栄養士も面談に立ち会い支援を行い、相談内容は受けた保育者が記録し、個人ファイルに保管しています。内容によっては全職員に周知し、他職種からの助言を受ける等、解決策を相談し支援につなげています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

近年、家庭での虐待等権利侵害の事件が顕著であることを踏まえ、園では早期発見・早期対応の必要性を鑑み、朝の視診、毎日の着替えやオムツ交換時に様子をよく確認し、気になる保護者へは、送迎時のコミュニケーションを心がけ、悩み等を受け止めながら、育児に対するストレスが緩和できるよう支援しています。状況に応じて、職員間で親子の様子を共有し、気付きを伝え合い、全体で注意して見守る体制を敷いています。虐待等の疑いがあった際には、関係機関と情報共有をし、連携を図っています。職員は虐待等権利侵害の研修に参加し、園内でも不適切な保育についてチェックリストを利用して振り返る研修も行っています。虐待発見時の行動については、研修を行い適切な対応ができるようにします。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

保育日誌、月間指導計画、年間指導計画ごとに振り返り、評価・反省を行い、保育内容の改善につなげています。振り返りの際は、子どもの心の育ちや、遊びの過程を大切にすることを判断基準とし、自己評価の際もそれらを含め様子を記載するよう心がけています。指導計画作成前にはクラス会議を行い、保育の振り返りや評価反省を報告し合い、情報共有と職員間の気付きにつなげています。毎月のカリキュラム会議では、各クラスの保育の様子や保育環境の工夫・配慮点を伝え合い、学びと意識の向上につながっています。各自の自己評価は定期的に振り返り、総合的且つ、次年度の事業計画に反映させるまで、PDCAサイクルがきちんと機能する保育の継続が期待されます。