アイン三枚町保育園
第三者評価機関名 | 株式会社 R-CORPORATION |
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名称 | アイン三枚町保育園 | 評価対象サービス | 2022~ 保育所版 |
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対象分野 | 認可保育所 | 定員 | 78 名 |
所在地 | 〒221-0862 横浜市神奈川区三枚町31-1 |
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TEL | 045-413-5501 | ホームページ | https://www.ein-group.com/ |
【施設・事業所の概要】 | |||
開設年月日 | 2015年04月01日 | ||
経営法人・設置主体(法人名等) | 中央出版株式会社 | ||
職員数 |
常勤職員:14 名
非常勤職員:17 名
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専門職員 |
保育士:21 名
管理栄養士:1 名
子育て支援員:1 名
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施設・設備の概要 |
居室:0歳児室
居室:1歳児室
居室:2歳児室
居室:3歳児室
居室:4歳児室
居室:5歳児室
設備:厨房
設備:調乳室
設備:子育て支援室
設備:事務室
設備:更衣室・休憩室
設備:乳児トイレ
設備:幼児トイレ
設備:ウッドデッキ
設備:園庭
設備:エレベーター
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<理念> みらいを生き抜く力を育てる 今の子どもたちが大人になる頃、多種多様な社会問題、環境変化を乗り越えないといけない時代です。私たちは子どもたちに、挑戦する心、諦めない心、感謝の心を持ち、元気な大人になるための環境を提供します。アイン保育園は、愛情を持った「共育」を実施し、生きる力と夢を持った子どもを育てます。 <基本方針> 1.安心と安全を第一に考える 2.子どもと大人が共に学び、成長する 3.利用者、地域のニーズに応える 4.豊かな人間性を持った子どもを育成する <保育目標> 1.自分で考え、意欲的に物事に取り組む子ども 2.心身共に健康で、友達や先生と楽しく遊ぶ子ども 3.モンテッソーリ教育のもと基本的な生活習慣を身に付ける |
<アイン三枚町保育園の特徴的な取組> (基本情報Ⅰ-3の記載事項) ●アイン保育園の3つのコンセプトの一つであるモンテッソーリ教育を大切に保育を行っている。 特に、幼児クラスでは午前中にモンテッソーリ活動を組込み、子どもが主体的にやりたいことを見つけ取り組んでいる。 ●アイン保育園独自の研修を定期的に設け、それを反映させるように各園でアウトプットし、保育の質の向上に努めている。 |
評価実施期間 | 2023/09/22(契約日) ~2024/03/22(評価結果確定日) |
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受審回数(前回の受審時期) | 1 回(2018年度) |
特長や今後期待される点 | 【施設の概要】 ●アイン三枚町保育園(以下「施設」という。)は、平成27年4月1日に、中央出版株式会社(以下「法人」という。)が経営する10番目の保育園として開園しました。施設は、横浜市営地下鉄(ブルーライン)片倉町駅から徒歩で約15分程度、鶴見川支流鳥山川と東海道新幹線に挟まれた平地の一角にあります。施設周辺の散歩コースに、頻繁に通過する東海道新幹線が眺められ、子どもたちに魅力的なスポットがある他、周辺には緑地が残り、自然に恵まれています。山王森第一・第二公園等、近くに公園が点在し、岸根公園も徒歩で行ける範囲にあります。また施設は、子どもたちの声や園生活での音等を気兼ねせず過ごせる環境に恵まれた立地条件を有しています。 ●法人は、昭和54年中央出版株式会社を設立後、幼児や小・中・高生の学習教材、学習システム等教育事業を中心に取組んできましたが。平成16年に幼児用家庭教育システム「モンテッソーリ式プルチノ」を完成させた後、企業理念である社会問題解決の一環として待機児童解消支援を目的に、幼児用学習教材・システムを活かした保育園事業を平成23年に、アイン保育園横浜能見台を皮切りにスタートさせました。法人の認可保育園は現在、横浜市内に6園(能見台・松本町・金沢文庫・弘明寺・高島台・三枚町)、川崎市内に3園(武蔵小杉・武蔵小杉北・栗平)、愛知県内に2保育園、2保育室の計13か所に上ります。 ●施設は、2階建ての園舎で、1階にエントランス、事務室、0歳・1歳・2歳児の乳児保育室、厨房があり、2階には3歳・4歳・5歳児の幼児保育室と子育て支援室、保育者の休憩室を設けています。屋外には235㎡の園庭を有し、外遊びや夏季にはプール遊びができる他、野菜や花等をプランターで育てています。定員は78名であり保育事業は、0歳~5歳児の基本保育と共に、生後57日からの産休明け保育、延長保育、障害児保育を行っています。 ◇特長や今後期待される点 1.【特長ある保育】 全アイン保育園は、全ての子どもは自分を伸ばす力(自己教育力)を持っているという考え方の「モンテッソーリ教育」と、子どもたちの主体性を尊重して個々の育ちを大切にする「自由保育」を取り入れ、子どもの「みらいを生き抜く力を育てる」を理念に掲げると共に、子どもと保護者、保育士等がお互いに助け合い、子どもと共に育っていく「共育」をコンセプトに、保育に取組んでいます。アイン三枚町保育園は、こうした理念やコンセプトの下、「自分で考え、意欲的に物事に取組む子ども」、「心身共に健康で、友達や先生と楽しく遊ぶ子ども」、「モンテッソーリ教育のもと基本的な生活習慣を身に付ける」を施設目標としています。「保育の特長」として、「当園は、モンテッソーリメソッドの考え方、教具等を取入れ、未来を担う子どもたちの豊かな人格形成を目指します」と謳い、日々の保育に取組んでいます。当施設は、保育の特長の通り、モンテッソーリ教育のシステム化と、教えるスタッフの育成によりモンテッソーリメソッドが確立されています。 2.【モンテッソーリメソッドの確立】 施設は、法人系列保育園と同様に、法人理念に基づき、「モンテッソーリ教育」、「自由保育」、「共育」をコンセプトに保育を行っています。3つのコンセプトは保育に生かされていますが、特に、モンテッソーリ教育を重視した保育を実施しています。施設は開設後8年と歴史は浅いですが、系列他施設でモンテッソーリ教育に約30年携わってきた現施設長が、施設の立ち上げから関わっています。施設の目標に「モンテッソーリ教育のもと基本的な生活習慣を身に付ける」を掲げ、年間指導計画から週間指導計画まで、各指導計画にモンテッソーリ活動を位置付け、年齢や発達段階に応じた保育目標の下で保育に取組んでいます。0歳児はモンテッソーリ教具に触れるところから始め、1歳・2歳児は達成目標と使用する教具を定め、3歳児から5歳児までは一つのフロアに日常生活の練習や感覚・文化・言語・数に関わる教具が用意され、発達段階に応じて教具が選べるようシステム化されています。「おしごと」と称して、朝の一定の時間内に、子どもたちがそれぞれの興味に沿って教具を選択し、自由に遊べるような環境が用意されています。常勤保育士の多くは、モンテッソーリ教育の実践に関心を持って入職し、法人内でのモンテッソーリ研修を始め、施設内での研修、OJTを通して育成が図られています。モンテッソーリ教育の目的や内容・実践方法が明確化されると共に、教育を行う保育士の知識・ノウハウが養成されており、教育と、教育者、システム化された教具の三位一体となったモンテッソーリメソッドが確立されていると評価できます。 3.【モンテッソーリ教育による生活習慣の育み ①】 モンテッソーリ教育は手を使うことを重視しています。年間指導計画には、0歳児では豆の空け移しや靴下の練習等が、1歳児では分類・仕分け、空け移し(トング)、着衣枠(ファスナー、ボタン小等)、ジグソーパズル(6ピース以上)等が、2歳児ではほうき、雑巾の使い方、登・降園時の支度等が、それぞれ記載されています。0歳児でも、小さな木枠にボタンを付けた布を張ってボタンのかけ外しができる教具(着衣枠)を使用して、年度後半には、自分でパジャマを着ることができるようになります。1月の調査では、0歳児クラスの子どもたちは立ち歩きしており、部屋にもビニール製の小さな滑り台が置かれている等、1歳児のクラスと見紛うほどでした。1歳児からは歯磨きや箸の使い方を習得できる教具を、2歳児からは言語に関する教具を取り入れています。3歳児から5歳児までのフロアは一体化され、日常生活の練習や感覚・文化・言語・数に関する教具がブロックごとにまとめられ、システム化されており、これらの繰り返しによって生活習慣を身に付けられるよう支援しています。 4.【モンテッソーリ教育による生活習慣の育み ②】 施設の日常では、流し台に石鹼や小さな洗濯板が備えられ、子どもがハンドタオル等を洗うことができるようにし、本物の紅茶カップでお茶を楽しむことができます。環境では、ゴミの分別やエネルギー等について学び、音は楽器を用いて実際の音源に触れ、文化は国旗が用意され子どもたちは図鑑でその国の文化等を学んでいます。言語はひらがなやカタカナを組み合わせて言葉を作り、数では、5歳児が教具を用いて5桁の足し算や、割り算、掛け算の問題を解いていました。また、網目を数えながら、教具を使い編み物をする等、モンテッソーリ教具を用いて、子どもが知らず知らずに発達段階に応じた生活習慣を身に付けることができています。利用者(保護者)アンケートの意見でも、「生活習慣がすごく身に付いている(服の着脱、スプーンやフォーク等)(1歳)、「子どもの自主性を大切にして、発達や興味により多くの体験をさせてくれる」(5歳)等、モンテッソーリ教育を評価する意見が多く寄せられています。施設長から、当施設の卒園生は生活習慣、自立性が備わり、小学校でもスムーズに集団生活に馴染み、評価も高い旨の話を伺いました。 5.【施設運営・人材育成システムの整備及び運用】 法人は、これまで培ってきた教育に関する企業ノウハウを背景に、保育事業を経営し、保育事業経営の本部組織として、名古屋市内と横浜市神奈川区に保育事業本部(以下「本部」という。)を設けています。保育所運営に当たっては、保育事業の運営方針や、会計、人事を本部で統括し、人事についても、施設の要望等を踏まえながら、昇任・昇格、人事異動、職員採用等、本部の専権事項として行われています。職員研修では、本部主催で年2回「大研修」と、横浜エリアで毎月「アイン保育園研修」があり、当園では、内部研修を行うと共に、本部からの予算を得て外部研修に参加しています。また、系列保育所共通の各種規程が整備され、法改正等に併せて、適切に規程の改廃等が成されており、保育に関するマニュアルも安全・衛生や保育方法等、保育の全ての場面を想定した多岐にわたるマニュアル集が用意されています。保育士が実施する自己評価については、一部記述も交え、詳細な振り返りができる内容となっています。多様な福利厚生を含め、施設運営・人材育成システムが法人全体として用意・運用され、各施設の運営をバックアップしていることが法人・施設の特長と強みであると評価できます。 1.【中・長期課題の計画的な取組について】 施設の経営課題は、大きく、「職員の長期安定勤務」、「職員の充足」、「地域とのつながり」に集約され明らかになっています。中でも、施設では、職員の長期安定勤務を図る上で、施設理念の「みらいを生き抜く力を育てる」は、保育士等職員の育成にも合致するものとして、キャリア形成を通じて保育士等職員がスキルアップを実感できる施設作りを最重要課題として取組むこととしています。施設長との1on1(個別面接)、保護者対応のケーススタディ、モンテッソーリ教育の研修、保育士が不安を感じるケガや事故への対応と分析等を目標に掲げ、職員とのコミュニケーションを図りながら取組んでいます。「職員の長期安定勤務」の実現に向けた目標設定と取組は、管理者レベルに留まっていますので、施設の中・長期計画として明確にすることにより、職員間で共通認識が醸成され、成果が着実に得られていくことが期待されます。 2.【保育観の統一に向けた、非常勤職員の育成について】 常勤職員は、モンテッソーリ教育の実践に関心を持って入職し、モンテッソーリ教育について法人・施設の計画的な育成を受けています。一方、施設の約半数の職員が非常勤職員で常勤職員と同様の職務に携わっていますが、研修等の人材育成支援を十分に得られていないため、知識やスキルについて常勤職員との差が生じることにより、保育観が異なることにつながります。施設からの事前提出資料の中の「保育、保育の質の向上に向けた課題」にも、「正職員、パート職員の保育観(モンテッソーリ教育)の統一」が第一に記載されていました。非常勤職員は勤務時間や勤労目的の違いもあり、研修を受ける機会が非常に限られています。パート会議を年4回程度実施し、内部研修の受講機会も設けていますが、常勤職員に比べ十分とは言えません。モンテッソーリ研修や、危機管理研修等、必要とされる分野の研修を厳選して受講させる、交代で計画的に受講させる、あるいは、オンライン研修を活用する等の機会の確保の工夫が期待されます。 3.【モンテッソーリ教育促進の特長PRについて】 前回の第三者評価でも言及されていた項目です。当施設は、モンテッソーリ教育の目的、内容、方法と、職員の育成、教具のシステム化の三位一体となったモンテッソーリメソッドが確立されています。コロナ禍にあってもモンテッソーリ教育の実践に関心を抱く実習生が多く来園しています。施設は、子どもの生活習慣が身に付くという保護者の要請に応えて、家庭用のモンテッソーリ教具の紹介や使用方法を教える等の家庭への普及にも心がけています。モンテッソーリ教育は、カトリック系の保育所等で広く行われていましたが、シスター方の高齢化による後継者不足もあり、ここまで完成されたモンテッソーリ教育が行われている施設は、現在では少ないものと認められます。法人のホームページ等の広報媒体では、当施設の特長が十分伝わってきません。モンテッソーリ教育のモデルとして施設の特長を広く周知することが期待されます。何よりも、将来の子どもの育成に向けて、当施設の知識とノウハウが広く普及され、次世代に継承されていくよう、その役割を施設・法人が担われることを大いに期待されます。 |
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施設名 アイン三枚町保育園 ≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取組の感想≫ 開園から9年目を迎え、2回目の「第三者評価」の受審に取組むこととなりました。受審に当たり、自己評価を各自行い、その後数回にわたりグループに分かれ話し合いを行いました。 評価一つ一つの項目を園の自己評価としてまとめていく中で、経営状況の把握、事業計画の策定等、保育以外の項目には評価が付けづらい等の結果が浮き彫りとなりました。また、モンテッソーリ教育を主軸にした保育の振り返りや、園全体の課題点や個々の反省点も見出すことができました。 今回の受審に際し、より良い保育をしていくための機会をいただいたことに感謝し、今後もご利用者の皆様にさらに満足していただけるような保育園を目指していきたいと思います。 ≪評価後取組んだ事として≫ 1.保育観の統一に向けた、非常勤職員の育成について 保育の質の向上という観点で、アイン全体で取組んでいる階層別、CU研修等、正職中心に参加しているが、パート職員の勤務時間や就労目的の違いから研修を受ける機会が少ないため、お昼の時間帯を利用してモンテッソーリ教育の基本である発達心理学や実践について、園長が中心となり研修を行った。 2.園での保育の課題や保護者との連携の課題等、皆でどのようにしたら良いのか話し合い、実践まで行うことができるが、後追いができなかった部分はアンケート等用い、そこから評価、改善へと次回につなげるよう取組んだ。 |
詳細評価PDF | 詳細評価PDF |
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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。 |
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【第三者評価結果:a】 施設では、「みらいを生き抜く力を育てる」を基本理念に掲げ、「安心・安全を第一に考える」、「子どもと大人が共に学び成長する」、「利用者、地域のニーズに応える」、「豊かな人間性を持った子供を育成する」を基本方針として明文化し、保育に取組んでいます。理念・目標・指針は、法人のホームページや入園のしおり(重要事項説明書)等に記載され、利用者への周知が図られています。入園のしおり(重要事項説明書)は玄関に備えられたファイルに綴じられており、来園者が自由に閲覧することができます。さらに、理念・基本方針は、エントランスにも掲出されると共に、職員には職員会議や昼礼の場で、保護者には懇談会で説明し、職員や保護者へ周知を図っています。 |
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。 |
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【第三者評価結果:a】 法人内では、管理者会議、全園長会議、地区別の園長会議・主任会議・副主任会議があり、それぞれの立場に応じて事業経営を取り巻く環境や経営状況を把握しています。また、施設長は、神奈川区の園長会に参画すると共に、神奈川区等の行政機関や、系列の保育園との情報交換・情報共有を常に行うと共に、神奈川区内の保育園の充足状況を事務室内に掲示する等し、社会福祉事業全体の動向や、地域の福祉計画の内容、地域ニーズの把握・分析に努めています。 |
【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。 |
【第三者評価結果:b】 施設の経営課題は、大きく「職員の長期安定勤務」、「職員の充足」、「地域とのつながり」に集約され、法人の役員間でも課題の共有が成されています。中でも施設では、職員の長期安定勤務を図る上で、理念の「みらいを生き抜く力を育てる」は、保育士等の育成にも合致するものとして、キャリア形成を通じてスキルアップを実感できる施設作りを最重要課題として取組むこととしています。施設長との1on1(個別面接)、保護者対応のケーススタディ、モンテッソーリ教育の研修、保育士が不安を感じるケガや事故への対応と分析等を目標に掲げ、職員とのコミュニケーションを図りながら取組んでいます。職員間のコミュニケーション作りでは、年間テーマに「コミュニケーションでつくろうみんなの輪」を掲げ、「1.報告―義務、2.連絡―気配り、3.相談―人に頼る」を励行しています。今後は、課題解決に向けて非常勤職員も含め、職員間で共通認識を醸成しつつ、中・長期的に取組の進捗状況を把握する等、成果が着実に得られていくことが期待されます。 |
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。 |
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【第三者評価結果:b】 法人では、保育理念と経営テーマであるPSS(Public・Solution・Support)活動を両輪として、子どもの未来・職員の未来を描くと共に、地域連携を通じて社会課題の解決や「まちで子育て」ができる環境作りを目指した中・長期のビジョンを概念図と共に描いています。中・長期ビジョンを達成する努力を重ねることにより、社会の信頼を重ねて選ばれる園となることが目標としています。ビジョンは分かり易いものと認められますが、達成に向けたスケジュールや実施状況の評価を行うための具体的な計画とはなっていません。尚、施設では、職員の長期安定勤務を図るよう保育士等がスキルアップを実感できる施設作りを最重要課題として中・長期的に取組むに当たり、取組目標はまだ、管理者レベルに留まっており、施設の中・長期計画として明確化し、職員との合意形成を図りながら、着実に成果を得ていくことが望まれます。 |
【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。 |
【第三者評価結果:b】 法人では中・長期ビジョンの実現に向けた年度のテーマを策定しています。令和5年度の年間のテーマは、「Well-Being circulation-Girerの幸福循環」で、ポジティブ感情、良好な関係、達成感、集中・没頭、生きる意味・目的―Career Financial Community Social Physical―をキーワードとして並べています。このテーマも分かり易く施設の職員の行動指針となりますが、理念的で具体的な内容とはなっておらず、達成状況を評価するためには、別に具体的な仕組みを用意する必要があります。 |
【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。 |
【第三者評価結果:b】 法人の中・長期計画と単年度の計画を受けた施設全体の事業計画はありません。保育事業に係る計画としては、法人・施設の理念・基本方針に基づく「教育及び保育の内容に関する全体的な計画」(以下「全体計画」という。)を有しています。全体計画の策定は施設長と主任保育士が中心に行っていますが、毎年の見直しでは、クラスの年間計画の内容や達成状況、課題等を踏まえて評価・改善が行われており、策定後は職員会議で周知・共有が図られていますので、適切なものと認められます。 |
【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。 |
【第三者評価結果:b】 全体計画に基づく保育の内容は、年度当初の入園説明会や懇談会で説明すると共に、行事等は図や写真を用いてビジュアル的に分かり易く工夫し、入園説明会や懇談会等で説明すると共に、園だより、クラスだよりでも、保護者に周知しています。年間指導計画、行事計画に関する保護者アンケートでの周知度は「まあ知っている」を含めて「知っている」が89%と、施設の努力が覗われます。 |
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 |
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【第三者評価結果:a】 クラスの週間指導計画には評価反省欄、月間指導計画には「取組状況と保育士の振り返り」欄と「自己評価」欄が設けられ、それぞれ施設長・主任、施設長・担当で振り返り・確認しています。また、クラスの年間指導計画も四半期ごとに、クラスの職員で話し合い、振り返り後に、施設長・主任・担当で達成状況を把握し、次期への見直しを図っています。また、クラス会議や職員会議で保育の質について考え、話し合う機会を定期的に設けています。自己評価については、保育理念、子どもの発達援助、保護者支援、保育を支える組織的基盤の4つの柱、18項目、160細目にわたり例示も引用しながらa~dの達成度を評価すると共に、「園全体の評価」と「来年度の課題」を記述式で問う等、毎年職員が振り返りを行っています。第三者評価も今回2回目で定期的な受審を図る等、保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われています。 |
【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 |
【第三者評価結果:b】 各保育計画の実施過程で、定期的に実施状況を振り返り、明らかになった課題はクラス内で話し合い、次期の保育計画の見直しにつなげています。クラス会議に園長・主任が加わり、改善策を検討し改善に取組んでいます。職員で共有すべき案件は、職員全員で構成される職員会議で共有を図っています。自己評価については、取りまとめて施設長の総評を付して施設内に掲示しています。自己評価結果の話し合いまでは行われていないので、職員の課題認識の共通化や改善策の検討が望まれます。 |
評価対象Ⅱ 組織の運営管理
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 |
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【第三者評価結果:a】 施設長の役割と責任については、職務分掌が定められ、施設職員の処遇計画・管理の統括、施設職員の人事管理、施設の事務管理の統括等の業務が明記されています。また、施設長不在時の権限委任については、主任保育士の職務分担として明記されています。施設長は年度初めの職員会議で施設の方針を表明すると共に、各事業の実施に関わる稟議書の最終決裁者として職員指導を行うと共に、毎月、職員との個別面談(1on1)を行う等、リーダーシップを発揮し、役員や保護者、関係機関にも施設を代表し、率先して外部対応を行っています。 |
【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 施設長は、法人の管理者会議、全園長会議に参画すると共に、神奈川区等の行政機関や、他の保育園との情報交換や情報共有を常に行っており、横浜市の監査等行政の指導を通じて関係法令の改正等の動向を正しく把握しています。施設長は、子どもの権利・安全・環境について、アイン保育園エリア研修で講師を務める等の見識を有しています。また、必要な法令等の情報は、職員会議やインターネット端末で共有されると共にファイル化され、常時閲覧可能な状態としています。 |
【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。 |
【第三者評価結果:a】 施設長は、モンテッソーリ教育の経験が長く、当施設には立ち上げから関わり、モンテッソーリ教育方法・職員の育成方法等、モンテッソーリメソッドの確立に、施設内だけでなく法人内でも貢献しています。職員の長期安定勤務には、保育士のキャリア形成が実践しやすい環境作りが重要として、職員とのコミュニケーションを図りながら、職員の質の向上に関わる方向性を明示し、職員の専門性を掘り下げると共に、保育士等がスキルアップを実感できるよう、積極的に取組んでいます。 |
【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。 |
【第三者評価結果:a】 施設長は、職員の勤務時間を把握し、時間外勤務を許可制にすると共に、保育状況に応じた人員配置を図ることによるシフトや勤務体制の見直し、職員との1on1(面談)の毎月の実施、2年目の職員による新採用職員のOJT、さらには、保護者との関係作り等に努め、働きやすい職場作りに力を発揮しています。また、業務の効率化については、各種資料のデータベース化・システム化による省力化や情報共有を進めており、職員の書類作成作業等の負担軽減が図られています。 |
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。 |
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【第三者評価結果:a】 人材確保については本部が一括採用をしており、施設としては、保育士育成学校の訪問や実習生の受入れ等により本部との連携・協力を行っています。職員の定着については、施設の課題としているところであり、理念の「みらいを生き抜く力を育てる」は、保育士等職員の育成にも合致するものとして、キャリア形成を通じて保育士等職員がスキルアップを実感できる施設作りを最重要課題として取組むこととしています。施設長との1on1(個別面接)、保護者対応のケーススタディ、モンテッソーリ教育の研修、保育士が不安を感じるケガや事故への対応と分析等を目標に掲げ、職員とのコミュニケーションを図りながら取組んでいます。 |
【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。 |
【第三者評価結果:b】 法人では、保育士の専門コースや、総合職保育士(管理職)コース等、職員の希望とキャリアアップに応じた保育職の選択肢を用意すると共に、給与規定や就業規則も、常勤職員向け、総合職保育士向けと区分して作成されています。職員の異動や昇任・昇格等に関しては、施設の要望を踏まえて人事基準に基づき法人が行っています。新採用職員については、法人・施設ともに職員が到達すべきスキルを明確にしてOJTや研修を充実させており、「期待される職員像」は明確になっていると認められますが、キャリア段階ごとに「期待される職員像」は法人から施設レベルまでは下りていません。今後は、職員が自ら目標を持ってスキルアップに取組めるような、職種ごと、職階ごとに求められる具体的なスキルの水準を明らかにした「期待される職員像」を職員に示すことが期待されます。 |
【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。 |
【第三者評価結果:a】 施設では、目標を定めた職員面接を毎月行うこと等を通じて、職員の意向に沿った職場配置・業務配置を図っています。施設長が労務管理の責任者として、シフト調整や、残業削減を図る等、働きやすい職場環境作りに努めています。メンタルヘルス等の相談は、主任・施設長が施設内の窓口となり、法人本部にトレーナー(施設長経験者)を置いています。福利厚生については、退職金制度を始め、各種保険加入に加えて住宅補助手当も充実しています。また、ICTを導入する等、業務の効率化・省力化が図られています。 |
【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 施設長は、職員個々のスキルや職務状況を把握して、職員が自らを高めるための目標を記載したカードを基に、職員との面接(1on1)を毎月実施しています。施設長は、目標の達成状況について、職員と共に振り返りを行うことにより、次月に向けた取組課題を明示して適切に指導に当たり、職員のモラルアップとスキルアップを促しています。 |
【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。 |
【第三者評価結果:a】 教育・研修制度が確立され、ホームページでも公表されています。職員研修は、本部主催でアイン保育園の全職員が参加する年2回のモンテッソーリ研修等の「大研修」と、横浜エリアで毎月行う「アイン保育園研修」があり、施設では、内部研修と、本部からの予算を得て外部研修に参加しています。特に新採用職員は、内定者フォロー研修、宿泊合同研修、新卒フォロー研修に加えて、施設ではチェックリストやOJTによる育成が図られています。アイン保育園研修は、本部職員や各施設長、主任、看護師等の管理職・専門職が講師となり、人権や、虐待防止、防災、保健・救急、チーム作り、発達等、日常の保育上の課題に即した研修を実施しています。また、スキルアップやマネジメント向上に向けた外部研修の機会も確保しています。こうした研修受講結果は職員会議で報告され、報告書として閲覧でき、非常勤職員も含めて全職員に周知を図っています。 |
【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。 |
【第三者評価結果:b】 法人内の研修は充実しています。さらに、施設では、スキルアップにつながる外部研修を厳選して職員を参加させています。職員の希望する研修も常勤職員については受講が図られています。さらに、オンライン研修への参加を促す等、職員の教育・研修の機会の確保に努めています。新任職員については、OJTやチェックリストでの達成度確認や新採用職員研修等で戦略的に育成が図られています。一方、非常勤職員は勤務時間の制約があり、外部研修の受講が難しいため、職員会議での研修報告、研修報告書の閲覧等で内容の周知を図っています。また、パート会議を年4回程度実施し、モンテッソーリ教育や、非常勤職員の動き方等の内部研修の受講機会を設けています。事故防止等、危機管理やマネジメント研修への交代での受講や、オンライン研修の受講等、非常勤職員の研修の受講機会の充実について検討・工夫が期待されます。 |
【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。 |
【第三者評価結果:a】 実習生の育成については、モンテッソーリ教育が注目され、保育士養成校からの要請が多く、保育実習を積極的に受入れています。施設では「実習生受入れマニュアル」を備えると共に、受入担当者を施設長とし、実習指導者研修を受講し基本となる実習プログラムを作成する等、受入れ体制が整備されています。実習では養成校等と調整して効果的な実習になるよう配慮すると共に、実習状況は詳細に記録し、実習終了後には施設長、主任保育士が同席し、実習生を交えて振り返りを行っています。 |
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。 |
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【第三者評価結果:a】 法人のホームページでは、保育に関する情報や、会社概要等、職員採用に関する情報等、利用者や学生に向けた情報が分かり易く公表されると共に、個人情報保護方針や第三者評価結果が掲載されています。施設では、入園のしおり(重要事項説明書)を、入園説明会等で保護者に配付・説明すると共に、ファイルに入れてエントランスに常時置き、誰でも見ることができるようにしています。苦情・相談体制は入園のしおり(重要事項説明書)に掲載されています。また、施設のパンフレットは区の行政センター、地区ケアプラザ等に配架し、地域住民の目にも触れるようにしています。この他、日々の子どもたちの様子や感染症の発生状況等の重要な情報が、保護者へアプリで伝達されるシステムを採用し、保護者との情報連絡の充実を図っています。 |
【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 運営規定や、就業規則、セクシャルハラスメント・パワーハラスメント関係規程、個人情報保護関連規程等、適正な施設運営を確保するための規定を整備しています。経理については法人本部の集中管 |
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 施設では、「地域とのつながり」を経営課題の一つに位置付け、保育の全体計画に、「地域の実態に対応した保育事業と行事への参加」、「子育て支援」、「小学校との連携」を明記し、地域との交流に前向きに取組んでいます。地域行事への参加では、自治会が行う防災・防火パトロールに子どもたちが参加し、子育て支援事業では、園庭開放や水遊び、制作活動、お話会等が毎月開催され、小学校との交流では近隣小学校の1年生との交流が図られ、さらに、卒園生を運動会に招くホームカミングデイが毎年実施される等、子どもと地域との交流を広げるための取組が積極的に行われています。 |
【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。 |
【第三者評価結果:b】 ボランティアの受入れ体制は整備されており、受入れ担当を施設長としています。これまでは学校教育への支援を主として、近隣の中学生等の体験学習を受入れていましたが、コロナ禍になってからの受入れは低調です。個人では、就職内定者の保育実習生や卒園生が子どもの遊びに関わったり、施設行事のお正月の独楽回し等に近隣のお年寄りの協力を得る等があります。学校以外のボランティアの受入れについては、保育園では防犯上の課題があり、受入れる場所や仕事の選定等、難しい問題があります。一方、保育士の負担軽減を図る上では、自治会等信頼のおける方に依頼し、外遊び時の付き添い、園庭や花壇・ミニ畑の清掃や手入れ、行事の手伝い等、ボランティアの活用を検討される余地はあるものと思われます。 |
【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。 |
【第三者評価結果:b】 保健所・児童相談所、警察、消防署等の行政機関、医療機関、学校、保育所、福祉団体、各種福祉サービス等、施設の事業運営や、保護者や地域の家庭の相談ニーズに対応するために必要な関係機関等のリストが整備され、職員で情報共有しています。神奈川区との子どものケース会議を始め、療育センター、児童相談所、小学校等関係機関との連携も図っています。一方、貧困家庭支援等の地域の福祉課題の発掘や、こうした課題の解決に向けた地域の団体等との協働までは行われていません。 |
【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 施設では、子育て支援事業を毎月開催すると共に、神奈川区が地域ケアプラザで出張広場として実施する「かなーちえ(地域子育て支援拠点)」に協力した育児相談を通じて地域の育児ニーズを把握しています。また、自治会や第三者委員の民生・児童委員から地域情報を入手する機会が確保されていること、法人が毎年開催する福祉的なイベントである「アインフェス」に参加し育児相談を実施すること、保護者懇談会や保護者アンケートを行うこと、神奈川区の「歩こう会」や神奈川大学との交流を行うこと等により、地域の福祉ニーズの把握を多面的に行っています。 |
【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。 |
【第三者評価結果:b】 施設では、園庭開放や水遊び、制作活動、お話会等を内容とする子育て支援事業を毎月開催しています。また、「かなーちえ(地域子育て支援拠点)」に保育士を派遣して育児相談を受付ける等の協力を行っています。法人が毎年開催する「アインフェス」に参加し、育児相談等を実施しています。施設では、「地域とのつながり」を経営課題と捉え、様々な場面で育児相談に努めています。さらに、災害時の避難場所等の防災拠点の受入れ等、近隣住民の安心・安全のための取組も検討されることが期待されます。 |
評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 全体計画中の、保育上の社会的責任に、「人権に配慮する」、「子どもの人格を尊重し保育を行う」を掲げ、施設のマニュアルに「子どもの人権の尊重に関して」の行動規範を明示して、子どもを大切にした保育を行っています。人権については毎年、横浜地区のアイン保育園が参加するエリア研修のテーマに取り上げ職員の人権教育に取り組んでいます。国や横浜市等から送られてくる人権啓発や虐待防止に関するリーフレット等はその都度、掲示や配架しています。毎年の職員の自己評価では、チェックシートの保育理念の項目に、「児童憲章の理念を述べることができますか」、「人権に十分配慮すると共に文化の違いを認め、互いに尊重する心を育てるよう配慮していますか」等、人権に関する多数の質問項目を設け、職員の自覚と振り返りを促しています。 |
【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 施設の周囲にはマンションや、企業の倉庫、研究所等がありますが、道路や川を隔てて十分距離が確保されています。施設の西側の川や園庭を通して0歳児室・1歳児室が遠望できますが、カーテンを設置し、室内の様子が覗えないように配慮しています。建物の門扉と玄関は電子ロックにより施錠されており、関係者以外は建物内には立ち入ることができません。職員には、入職時にプライバシーの保護の義務、SNSの取扱い等の理解が深まるよう徹底しています。また、子どもの写真については、保護者の同意がない場合は外部への公開は行いませんし、子どもの写真撮影についてもルールを定め、撮影可の行事を限定・明示し、それ以外は保育中を含めて、撮影を認めないこととしています。0歳児室を除いて各階の保育室は一つのフロアとなっており、個室は設けられていないので、保育室内では、個別対応が必要な場合等は簡易な仕切りを用いて個室化を図るよう工夫しています。但し、0歳児室は個室化されており、おむつ替えも遮蔽物を設置して行っています。また、プール遊び等では男児・女児の着替えを別にする等、子どものプライバシーにハード・ソフト両面で配慮した保育が行われています。 |
【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。 |
【第三者評価結果:a】 利用希望者の相談は常時受けています。また、入園の説明は利用希望者の都合に合わせて随時行っています。施設の情報は、ホームページに掲載すると共に、施設のパンフレットや入園のしおり(重要事項説明書)を用いて入園希望者に提供しています。入園説明会では動画を用いて日頃の保育の様子を伝えています。また、保育関係の資料をファイルにして来園者の閲覧に供する、行政センターや地域ケアプラザ等の公共機関に施設のパンフレットを配架する等、保育所選択に資する多様な方法で、利用希望者への情報提供に努めています。 |
【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。 |
【第三者評価結果:a】 保育開始時には、パンフレットや入園のしおり(重要事項説明書)、動画等を用いて保護者に保育内容等を説明しています。年度初めの懇談会でも保育の考え方や内容、行事等を資料や動画等で伝え、保護者理解の促進には特に意を用いています。利用料金等の保育内容の変更については、文書やアプリを用いて丁寧な説明に努め、必要に応じて同意書を徴することとしています。保護者アンケートでは、「保育内容」、「費用や園の決まり事」についての理解度は、「まあ知っている」93%、「知っている」が98%であり、理解が図られていると認められます。 |
【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 子どもたちが施設を卒園して就学する際は、保育所児童保育要録を作成して引継ぎを行っています。5歳児の午睡の時間を徐々に短くしてモンテッソーリ教育の「おしごと」の時間に充てる、また、散歩では横断歩道の渡り方を指導する等、小学校の生活に慣れていけるよう取組んでいます。保育所や幼稚園への移行に当たっては、引継ぎ手続き等、特別な対応や申し送りは行っていませんが、移行先から問い合わせ等があれば(必要に応じ保護者に確認の上で)施設長が主に対応しています。移行後の相談窓口は設置していませんが、保護者の連絡先を聴取し、何かあった際は連絡が取れるようにしています。 |
【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 職員間の連携もよく、複数の職員が同じフロアで年齢を問わず子どもたちを見守り、子どもたちを理解しているため、どの職員でも保護者への声かけや相談に応じることができます。保護者懇談会も年度初め等複数回開催しており、園から伝えるべき情報はアプリでリアルタイムに送る他、掲示板を活用して情報提供を行っています。園だよりや給食だより、保健だよりも定期的に発行すると共に、給食の献立表を前月に配付し、日々の給食のサンプル、レシピを公開する等、保護者の好評を得ています。また、意見箱の設置や、保護者アンケートを毎年実施し、行事ごとにアンケートを徴し、結果を公表して速やかな改善に努めています。 |
【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。 |
【第三者評価結果:a】 苦情受付担当者・責任者、第三者委員が明示され、ホームページや、入園のしおり(重要事項説明書)に掲載されると共に、苦情解決の仕組みは施設内に掲出し周知を図っています。意見箱を玄関に設置し、苦情等が提出されれば、苦情解決責任者(施設長)や苦情受付け担当者(主任保育士)等で解決策を検討し、解決結果を掲出すると共に、記録を残すこととしています。苦情については、これまでのところ即時解決し第三者委員の報告に至るものがないため公表するべき事例はありません。苦情相談窓口は、法人・施設内だけでなく横浜市福祉調整委員会や、区福祉保健センター子ども家庭支援課等の外部相談窓口についても入園のしおり(重要事項説明書)で情報提供が図られており、評価できます。 |
【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。 |
【第三者評価結果:b】 相談や意見を述べる際に、施設だけでなく法人本部にも相談等が行えることを入園のしおり(重要事項説明書)に記載し、入園説明会等で周知すると共に、ファイルして玄関に配架しています。施設内での相談相手を自由に選べることを記載した文書の配付や、相談担当者の設置は行っていませんが、定員78名と比較的小規模な家庭的な雰囲気を有する施設であり、職員はほぼ子どもたちや保護者を認識しており、施設長を始め職員が保護者の相談に丁寧に応じています。保護者との相談に当たっては、子育て支援室(相談室)を活用し、プライバシーに配慮しています。 |
【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。 |
【第三者評価結果:a】 施設では、保護者からの相談について相談記録を残しています。相談記録は様式化されており、記録内容について、施設長の確認を得ることとしています。対応結果は速やかに直接保護者にフィードバックすると共に、意見等による改善内容は園内掲示を行っています。職員が共有すべき情報は職員会議に提出しています。尚、回答を保留したものはクラスやフロアで検討し施設長の了解後、日にちを要さずに保護者に対応結果を伝えています。相談事への対応について、利用者(保護者)アンケートでのコメントでも、「どんどん改善して下さって、やりやすくなるような仕組みができていて、とても嬉しいです」等の評価が寄せられています。 |
【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 |
【第三者評価結果:a】 「事故防止・危機管理マニュアル」を備えると共に、保育中の安全対策・注意事項や、与薬、嘔吐時の対応、SIDS(乳幼児突然死症候群)等への対応マニュアルが整備されています。さらに、食物アレルギーや、お散歩時、プール使用時、事故発生時対応等、子どもの生活場面で想定される危機に対する対応手順を定め、事故防止を図っています。リスクマネージャーは施設長とし、新聞等から他施設の事故情報を収集し職員会議等で周知することにより、事故防止に反映させています。また、アレルギー対応等の事故防止・危機管理研修に職員を参加させると共に、系列の保育園とヒヤリハット事例を持ち寄り、勉強会を開催する等、積極的に取組んでいます。インシデント報告書を備え、インシデントの日時・場所、事故や、ケガの種類、概要、園での処置、再発防止策、保護者対応等を記載して、職員間の情報共有を図っています。 |
【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 感染症への対応としては、感染症マニュアルや衛生管理マニュアル、健康管理マニュアル等を整備し、予防や発生時の対応を行っています。施設長を危機管理体制整備の責任者としてハード・ソフトの整備、充実を図っています。保育室内は温度・湿度が適度に保たれると共に清掃・消毒が行われ、快適な生活環境となっています。子どもや職員の感染症罹患状況はアプリにより即時配信され、保護者と情報を共有して登園制限を行う等、感染が広がらないよう取組んでいます。国や横浜市等からの感染症予防等に関する情報を掲示すると共に、感染症流行前の6月・11月頃には「ほけんだより」で夏・冬に流行しやすい感染症の症状と家庭での注意点等のお知らせをしています。職員研修でも嘔吐処理等の実地研修を行い、感染が広がらないよう取組んでいます。十分な取組が行われていると認められますが、入園のしおり(重要事項説明書)に、感染症の内容・感染しやすい期間・登園の目安・医師の意見書や保護者の登園届の要否等を記載した一覧表を掲載すると、保護者が登園の要否等を理解する上で有効であると思われますので、一考されるよう提案します。 |
【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 危機管理体制整備の責任者を施設長とし、防災計画や消防計画を整備すると共に、主任保育士を避難訓練の実施計画の立案・実施担当者として、大規模地震や、河川氾濫水害を始め、火災、不審者等を想定した訓練計画を策定し、災害に備えています。アプリやLINEを用いた災害時の保護者・職員への連絡体制も確立しており、災害時には地区行政センターや、消防署、警察、自治会と直接連絡ができる体制を整備しています。非常用の食料や備蓄品は施設長が担当して、在庫管理を行っています。災害や火災・不審者を想定した子どもの避難訓練も毎月実施しています。尚、利用者(保護者)アンケートでも、「緊急時の連絡体制、周知、防災訓練等について」は、「概ね十分」を含めて「十分」が96%と、取組が評価されています。 |
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。 |
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【第三者評価結果:a】 施設では、保育に関する年度ごとの全体計画を定めるとともに、全体計画に基づいて四半期ごとの保育のねらいを掲げたクラスごとの年間指導計画、月間指導計画(月案)、週間指導計画(週案)に沿って、保育士が保育の達成目標や保育の実施内容について共通の理解の下で、保育を行っています。特にモンテッソーリ活動については、発達段階に応じた保育目標が定められ実践されています。また、「職務分掌・接遇マニュアル」に運営方針や、保育業務上の手引き、保育中の安全対策・注意事項等、保育者が最低限守るべき保育基準を定めると共に、与薬や検温、嘔吐時対応、園外保育、クラスごとの生活の留意点等、子どもたちの一日を通してあらゆる生活場面を想定した手順や注意事項が文書化され、保育に活用されています。こうした手順に沿って適切な保育が行われているかは職員相互で確認できる職場環境が醸成されており、施設長やフロアリーダー・主任保育士が適切な保育の提供について、適宜保育士に助言・援助しています。また、子どもたちの個性や発達段階に応じて丁寧かつ柔軟な保育を行っており、画一な保育は成されていません。 |
【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。 |
【第三者評価結果:b】 全体計画は、保育を取り巻く環境の変化や保護者ニーズを踏まえると共に、クラスの年間計画実施結果や保育のねらいを勘案して、年度末に施設長・主任で見直しています。クラスの年間指導計画は、四半期ごとにクラス内で振り返りが行われ、月間指導計画・週間指導計画に反映されると共に、次年度に向けて年度末に達成状況の評価・反省を行っています。さらに、乳児会議、幼児会議を月に数回行い、日々の保育実施の振り返りを行っています。マニュアル等は、実施上の不具合が生じたり、保育方法について保護者からの改善要望等が提出された場合等に適宜見直しが行われています。マニュアルの見直しは必要の都度、随時行われていますが、検証・見直しに関する時期が定められ定期的に行われる等のルール化はされていません。 |
【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。 |
【第三者評価結果:a】 各保育計画の責任者は、施設利用者の処遇計画・施設運営・管理の統括である施設長であり、月間・週間指導計画と保育日誌の作成指導責任者は主任保育士としています。全体計画は法人・施設の理念・目標や、保育の動向、月間計画の達成状況、保護者ニーズ等を総合的に勘案して、施設長・主任保育士が作成し、法人事業部とも内容の共有を図っています。クラス別の年間指導計画は達成状況等を踏まえ全体計画に沿って各クラスの職員が主任保育士と相談しながら案を作成し、施設長の承認を得て策定しています。クラス別の月間指導計画や週間指導計画も同様に、子どもの発達状況を勘案し、クラスの職員の意見を踏まえながらクラス担当が主任保育士と相談しながら案を作成し、施設長の承認を得て策定しています。これら指導計画には食育計画も位置付けられ、栄養士等他職種も策定に参加しています。また、子どもの発達に関して、必要に応じて療育センターの指導員等外部の助言も得ています。それぞれの保育計画には前年度の達成状況の評価や実施課題に加え、個々の子どもの見立てや、入園時の面談結果、保護者アンケート、さらには生活面についての保護者要望や意見等が反映され作成されています。 |
【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。 |
【第三者評価結果:a】 クラス別の年間指導計画は、保育目標や年間目標、四半期ごとに子どもの姿やねらいが掲げられると共に、養護、教育、食育、配慮事項、家庭との連携等の細目ごとに計画を定め、四半期ごとの達成状況を踏まえながら、1年間の保育に対する自己評価を行い、次年度の年間指導計画の見直しにつなげています。月間指導計画は、子どもの現在の様子を基に、個々の保育の内容や保育士の配慮、家庭との連携等を記載し、月の終わりに取組状況についての保育士の振り返りと、クラスの自己評価を実施し、次月の計画に反映・改善が図られています。週間指導計画は、週のねらい、内容、配慮事項、予想される活動展開から構成され、評価反省欄には、子どもが参加した活動の観察結果等が記載され、次の活動の実施方法等への反映が図られています。 |
【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。 |
【第三者評価結果:a】 児童票の様式は統一されており、子どもの発達状態や生活状況が把握できる様式になっています。また、個別の指導計画に基づく保育が実施されていることを十分確認することができます。情報の流れは、昼礼やフロア会議、職員会議、稟議等を通じて周知が図られています。また、各フロアの職員は相互に交流しており、職員間の連携が図られているため、子どもに関する保育の実施状況の共有が成されています。記録内容や書き方の差異に関する記録要領等は作成されていませんが、主任保育士や施設長が稟議や回覧の都度、指導等を行っているため、記録を見ても要点は捉えられていると認められます。情報共有については、各保育計画や児童の経過記録、研修等の各種報告書等がコンピューターネットワークに搭載され、職員の情報の共有化が図られています。 |
【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。 |
【第三者評価結果:b】 個人情報保護については、施設長を各種記録管理の責任者と定めると共に、個人情報保護方針と、同取扱いを定め、ホームページや入園のしおり(重要事項説明書)に掲載して保護者等に広く周知しています。職員に対して「職務分掌・接遇マニュアル」の中に個人情報の取扱いを記載し、入職時や職員会議等、機会を捉えて守秘義務や個人情報の管理を徹底しています。保護者には入園時に、個人情報保護方針を説明すると共に、個人情報の第三者提供等の理解を求めて誓約書を徴しています。さらに、上記の方針・取扱いの他、個人情報の保護に関わる独自規程を備え、USBメモリーの施設外持ち出し等、個人情報の漏洩につながる行為を厳しく制限・チェックしています。個人情報が記載された書類は事務室内の施錠できるロッカーに保管され、事務室も施錠できるようになっています。警備会社に委託し、セキュリティ対策も図られています。一方、保育時間内は、ロッカーは施錠されておらず、職員は管理者(施設長または主任)に断って、個人情報が記録された書類を事務室外に持ち出しています。事務室は玄関に接しており、外部からの入室の恐れもありますので、管理者不在時はロッカー、事務室を施錠する、個人情報の持ち出し記録簿を備える等の配慮をされることが、事故防止と時間外勤務削減につながるものと期待されます。 |
評価結果内容評価
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。 |
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【第三者評価結果:a】 全体計画は、法人・施設の理念、保育方針、園の保育目標に沿って作成されています。0歳児から5歳児までの年齢ごとに、子どもの保育目標と、養護・教育のねらい・内容が記載されると共に、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿10項目」、「教育保育において育みたい資質・能力の3本柱」や健康、食育、環境・衛生・安全、災害等の重点支援項目が記載されています。また、保育の基本原則・役割、人権尊重等の保育上の社会的責任や、幼児教育を行う施設として共有すべき事項、保育の計画と評価等の保育所が果たすべき役割や姿勢について明記しています。その他、職員の資質向上、特色ある教育と保育、小学校との連携、研修計画等、法人・施設の特長を踏まえた取組方針を明示しています。全体計画は、施設長と主任保育士が中心となって作成しており、保育の動向や、クラス別の年間計画の達成状況、保護者ニーズ等を踏まえて年度末に評価し、次年度の全体計画の作成に反映しています。 |
【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。 |
【第三者評価結果:b】 保育室内は、温度、湿度共に概ね快適な状態に保たれており、採光や換気に配慮し良好な保育環境に努めています。設備、用具や寝具、遊具等は、職員の清掃等により清潔に保たれています。家具や遊具はアレルギー等も考慮して、木製のものをできるだけ取り入れています。食事場所と睡眠の場所は区分してそれぞれ快適なスペースが確保されています。手洗い場・トイレ等も清潔に保たれており、子どもの発達段階に応じた設備に配慮しています。個室は設けられていませんが、間仕切りを適宜使用する等、子どもたちが寛げるよう、プライバシーが保たれるよう、工夫しています。一部、居室内の湿度や温度(床暖房)の調整が建物の構造上難しい部屋もあり、難問とは認められますが、施設のメンテナンスも含めて専門家に相談して、改善の工夫や緩和を検討されることが望まれます。 |
【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 乳児クラスは、保育士と子どもの愛着関係の醸成に配慮し、関わりを大切にした保育を行っています。乳児・幼児共にクラス編成は年齢ごとですが、クラスを超えて遊ぶ等、交流を行っています。調査日の乳児担当保育士との面談では、「子どもの感覚が段々上がっていく成長感覚を大切にして保育を行っている」、「1日の子どもの気持ちに寄り添って、保護者、職員と協力して個別の配慮を行っている」等の、子どもの状態に合った保育に努めていると話を伺いました。幼児クラスでは子どもの自主性を尊重した保育を行っており、幼児担当の保育士からは、「生活習慣を身に付けられるよう、子どもが自分でやってみて、そのサポートを個々の子どもに合わせて行っている」とのコメントがありました。施設全体では、「子どもに応じて分かり易い言葉選びを心がけている」、「子どもを受容する意識を持つよう配慮している」等を職員が心がけ保育に取組んでいます。子どもへの関わり方は年齢に応じて配慮し、子どもを見守り、発達段階に応じて気付きを促し、子ども自らの行動につなげる支援について、現場見学でも保育士ヒアリングでも覗うことができました。 |
【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 施設目標に、「モンテッソーリ教育のもと基本的な生活習慣を身に付ける」を掲げ、子どもが生活習慣を身に付ける保育に向けて、モンテッソーリ教育が重要な役割を果たしていることが認められます。モンテッソーリ教育は手を使うことを重視しており、小さな木枠にボタンを付けた布を張ってボタンのかけ外しができる教具を使用し、0歳児でも年度後半には、自分でパジャマを着ることができるようになります。1歳児から、日常の生活場面を想定した歯磨きや箸の使い方を習得できる教具を用い、2歳児からは言語に関する教具を取り入れています。3歳児から5歳児までのフロアは一体化され、日常(生活)、環境、音、文化、言語、数に関する教具がブロックごとにまとめられ、システム化されています。日常(生活)では、流し台に石鹸や小さな洗濯板が備えられ、子どもがハンドタオル等を洗うことができ、本物の紅茶カップでお茶を楽しんだりしています。子どもたちは知らず知らずに発達段階に応じた生活習慣を身に付けています。利用者(保護者)アンケート調査でも、モンテッソーリ教育を評価する意見が多数寄せられており、「基本的な生活習慣の取組について」の項目の満足度は概ね満足も含めて満足が98%と、高い評価を得ています。 |
【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。 |
【第三者評価結果:a】 施設目標に、「自分で考え、意欲的に物事に取り組む子ども」、「心身共に健康で、友達や先生と楽しく遊ぶ子ども」、「モンテッソーリ教育のもと基本的な生活習慣を身に付ける」を掲げ、子どもが自分の意思で遊びに取組めるよう配慮しています。室内遊びでは、生活や環境、文化、言語、数に関わる教具を用意して、朝の一定の時間内に、子どもたちがそれぞれの興味に沿って教具を選択し、自由に遊べるよう環境を用意しています。保育士は、できるだけ見守りに徹して遊びへの介入はせずに、子どもの主体性を尊重した保育を行っています。天気の良い日は、0歳児はウッドデッキや園庭で遊び、1歳・2歳児は園庭や散歩に出かけ、3歳児からは戸外活動を中心に商店街の散歩等を楽しみ、公園では昆虫や植物の探索を楽しみます。泥んこ遊びも取り入れて子どもたちの感性や創造性を養っています。公園や泥んこ遊びでも、保育者は、子どもたちの探求心や創造性を尊重し、安全に配慮しながら主体的に自由あそびができるよう見守っています。 |
【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。 |
【第三者評価結果:a】 乳児保育では、年間指導計画の目標の第一に「特定の保育士と信頼関係を築き、情緒の安定を図っていく」を掲げ、1対1の関わりを大切にし、長時間過ごす子どもに配慮して異年齢児との合同時間を減らす等、子どもと関わる保育者や環境をできるだけ変えない保育を行っています。子どもの生活のリズムに合った環境に配慮し、授乳や食事、睡眠、排泄のリズム等、園生活の状況を保護者に伝え、おたよりや育成記録で子どもの成長を共有する等、情報提供や育児相談を保護者に積極的に行い、子どもの養育を家庭と連携して取組んでいます。子どもの発達に合わせて、体を起こす、立つ、座る、姿勢を保つ、歩く、といった粗大遊びや、手作り玩具、モンテッソーリ教具を用意して、全身や指先を動かす遊びを取入れ、生活習慣作りを行っています。小さな木枠にボタンを付けた布を張ってボタンのかけ外しができる教具を使用し、0歳児でも年度後半には、自分でパジャマを着ることができるようになります。 |
【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。 |
【第三者評価結果:a】 月間指導計画では、1歳児は「身の回りのことに興味を持ち、自分でしてみようとする」、2歳児は「見通しを持ちながら身の回りのこことを自分でしようとする」をそれぞれの保育目標として子どもたちの養育を行っています。3歳未満児は、自我が芽生え、育つ重要な時期に当たり、1歳児には個々の発達や意欲に合わせて援助を行うと共に、取組もうとしている気持ちを大切に見守っています。2歳児には、子どもが自分の気持ちを安心して表現できるよう、受容する姿勢で関わり、言葉での伝え方を教える保育を心がけています。発達段階に応じて家庭と連携した保育が行われるよう保護者と情報共有に努めています。養護と教育の一体性にも留意して、モンテッソーリ教育と遊びを連携させると共に、月齢に応じて子どもたちがクラス間を行き来し発達段階に応じた活動を行う異年齢交流や、自由保育を取入れ、子どもの主体性、自主性が育まれるよう支援しています。モンテッソーリ教育では、1歳児には、ほうき等を使った掃除等の日常(生活)教具や、色々なサイズのものや色のついたものを見て、触って感覚を養う感覚教具を取入れ、2歳児では、日常・感覚教具に加えて、ひらがなスタンプや、ひらがなブロック等で言葉遊びをする言語玩具を、それぞれ遊びに取入れています。 |
【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。 |
【第三者評価結果:a】 基本的生活習慣について、3歳児はある程度自立し、自分の気持ちを言葉で相手に表現することができる、4歳児は自らできることの喜びを感じ行動するようになる、5歳児は基本的生活習慣が身に付き、年下のお友だちのお世話もできるようになる、を目標にして保育に当たっています。モンテッソーリ教育と遊びの連携により、養護と教育の一体性が図られ、保護者からも評価を高く得ています。当施設のモンテッソーリ教育は、モンテッソーリメソッドに基づいてシステム化されており、クラス別の年間指導計画に、四半期ごとの教育目標や使用する玩具も記載されています。各クラス別のモンテッソーリ活動の第四・4半期の目標は、3歳児では、「言語、数の教具に意欲的に取組み、更に興味及び理解を深める」であり、教具は、ホワイトボードや数の記憶遊び等です。4歳児は、「ひらがな、数字に興味を持ち、濁音・半濁音を理解する」とし、教具は数の棒や、移動50音等です。5歳児は、「モンテッソーリ教育を通して、生活習慣や日常生活で必要な活動を身に付け、自立できるようになる」です。教具は日常(生活)から数までの興味のある活動を選べ、金ビーズ足し算・引き算・かけ算・割り算や、十進法、品詞の役割等、高度なものも用意されています。 |
【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。 |
【第三者評価結果:b】 施設では、身体や知的に障害を持つ子どもを受入れています。建物は横浜市福祉のまちづくり条例の整備基準に適合するバリアフリーで、エレベーターも設置しています。一人ひとり、個別計画に沿って職員がノウハウを共有しながら、東部地域療育センターのアドバイスを得ながら保育に当たっています。子どもたちが見通しを持って生活ができるよう、絵や写真を用いた行動表やタイムテーブル(時間割)を活用すると共に、机等にマークを貼る等の工夫をしています。個別配慮が必要な子どもに関しては、保護者に様子を伝え、連携して関わり方を工夫しながら保育に取組んでいます。他の保護者に障害に関わる情報提供は改めて行ってはいませんが、子どもたちは障害に違和感なく交流ができています。障害に関する研修については、常勤職員は研修を受けていますが、非常勤職員は十分には受講できていません。保育に当たり、障害に関する知識やノウハウが求められる業務ですので、非常勤職員が研修を受講できる工夫を期待します。 |
【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。 |
【第三者評価結果:b】 子どもの在園時間を見通した一日のスケジュールや環境の整備は図られています。一方、長時間保育となる子どもたちへの対応については、0歳児は合同保育時間を減らし、関わる大人、過ごす環境を変えないようにしていますが、全体計画や月間指導計画、マニュアル等に項目を掲げての明記はされていません。職員の交代時の引継ぎ等は問題なく実施されており、引継ぎ後のトラブルの発生等が生じないよう配慮しています。また、異年齢交流を行い、子どもたちに適した遊びの提供や興味を喚起すると共に、安全に配慮しつつ落ち着いて過ごせるよう環境を整えています。さらに、在園時間に配慮した食事やおやつの提供を行っています。尚、月間指導計画や週間指導計画等に、長時間保育の対応方針を明示して、職員や保護者の意識化を図ることが期待されます。 |
【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。 |
【第三者評価結果:a】 全体計画に、小学校との連携(小学校教育との接続)を明記すると共に、5歳児の年間計画のⅣ期(1月~3月)のねらいに「見通しを持って園生活を楽しみ、就学への期待を持つ」を掲げて、交通ルールや公共のマナーを丁寧に伝え、理由が分かった上でマナーを守れるよう支援しています。午睡の時間を徐々に短くする、散歩時の横断歩道の渡り方を教える等、早寝早起きの生活リズムを身に付ける、通学時の安全に気を付ける等の計画を立て、子どもたちを支援しています。保護者に対しては、卒園に向けての生活や就学までに身に付けておきたいこと、準備していくこと等、情報提供に努めています。子どもの小学校訪問や小学1年生との交流を行うと共に、職員が幼保小研修会に参加して意見交換をし、「小学校までに育ってほしい10の姿」を小学校と共有して子どもの就学支援に反映させています。 |
【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 施設では、全体計画、クラスの保育計画に健康支援を位置付けると共に、健康管理マニュアルを備え、子どもたちの心身の健康の維持・増進に取組んでいます。子どもの園内でのケガについては、受診を心がけ、保護者と連携して事後対応すると共に、事故報告として把握し、再発防止に努めています。保健計画を作成し、子どもの支援に当たり、職員は一人ひとりの子どもの健康状態を認識しています。保護者にはホームページや、園だより、ほけんだより、掲示板等により、感染症等の子どもの健康に関する情報を速やかに伝え、アプリにて感染症の発生状況や対応方針等の情報をリアルタイムで伝えています。SIDS(乳幼児突然死症候群)の予防としては、1歳までは仰向けに寝かせると共に、ブレスチェックもマニュアルに沿って適切に行われています。乳幼児突然死症候群対策強化月間(11月)には、国等のリーフレットを掲示板に掲出して周知を図っています。 |
【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。 |
【第三者評価結果:b】 健康診断・歯科健診の結果は適切に記録・保存されるとともに職員に周知され、留意すべきことがあれば児童票や月間指導計画に記載して保育に反映しています。また、健康診断や歯科健診の結果は、「けんこうのきろく」に記載し保護者に情報提供しています。 |
【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 子どものアレルギー対応については、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」に沿って適切な対応を図ると共に、アレルギー関連検査報告書等を基に医師の指導を得ながら、保護者にも対応方法を伝え、協働して対応することとしています。食物アレルギーについてはマニュアルを作成し、食物アレルギー対応指導表に沿って、アレルゲン除去食の提供や、食事が混在することのないよう、アレルギー児の一覧表で確認する他、トレイを識別する等、保護者の了承を得て行っています。食物アレルギーについては家庭で食べることができるようになっても医師の許可がなければ安全のために除去食の解除は行いません。また保育者は、アレルギーや食物アレルギーについての研修を受講し、研修報告等を通して職員間で情報共有を図っています。尚、非常勤職員もアレルギー児の支援に当たりますが、アレルギー研修受講等の機会が少ないため、危機管理の観点からも研修機会や常勤職員も含めエピペンの使い方の再履修等、職員全員が知識・ノウハウを共有できる機会を持たれることが期待されます。 |
【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。 |
【第三者評価結果:a】 食育については、全体計画に食育推進を位置付け、「栄養バランスを考えた自園給食の提供」、「食育活動の実施」、「全園児への炊き立て米飯の提供」、「行事食の提供」、「クッキングの実施」をその内容に記載しています。保育計画にも食育が位置付けられ、野菜の栽培、クッキング等、子どもが食に興味を持つことができる取組を企画しています。子どもの食事場所は、保育スペースと分けて設置し、明るく清潔な場所でクラスごとに食事をしています。食器は健康に害がなく割れにくい材質を採り入れ、食器の大きさも選べるよう配慮しています。献立は2週間サイクルで繰り返すと共に、具材を多くすることで、少しでも食べられるものが多くなるよう工夫しています。子どもたち自身で野菜を栽培し、収穫する等の体験を採り入れ、野菜の皮むき、簡単な調理やお菓子作り等を栄養士や調理員の指導の下、体験しています。月1回、子どもの要望に沿ったスペシャルランチを提供すると共に、日本各地の郷土料理を毎月献立に取入れ日本地図で確認する等、独自の食育の取組を行っています。また、毎月の献立を前月に配付すると共に、その日の献立のサンプルを掲示する等、給食の理解促進に努めています。 |
【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。 |
【第三者評価結果:a】 給食は、和食を中心に園内で調理し、手作りで昼食と、午前・午後のおやつを提供しています。検食簿や毎月の給食会議により、子どもの摂食状況を把握して、献立に反映しています。季節を感じさせる食材を意識的に採り入れ、出汁は本物にこだわっています。また、行事食を企画し日本の食文化や食事のマナー等を大切にしています。バイキング給食や、毎月のスペシャルランチ等子どもたちの希望に沿ったメニューも提供しています。延長保育時には手作りのおやつ(おにぎり等補食になるもの)や夕食を提供しています。栄養士は、子どもたちの食事の様子を観察し、コミュニケーションを図りながら感想や希望を聞く機会にしています。厨房は、衛生管理マニュアルに沿った適切な衛生管理が成されています。利用者(保護者)アンケートの献立に対する満足度では、「概ね満足」を含めて満足度100%でした。 |
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 施設の基本理念に「共育」を掲げています。「共育」は法人の企業理念の一つで、子ども、保護者・地域の方々・保育士が互いに助け合い、勉強しながら共に育っていくということで、アイン保育園が最も大切にする事柄です。日々の保育は保護者と子どもの発達状況を共有しながら、子どもの生活を家庭の延長となるよう家庭との連携に努めています。朝夕の送迎時には、保護者に声かけを行い、子どもに関する情報交換や相談に対応するよう心がけています。保育方針や保育内容については、入園時や懇談会等で、スライドや入園のしおり(重要事項説明書)により説明しています。保育の状況については、アプリや毎月のクラスだより、経過記録「すくすくにっき」等で保護者に伝えています。保護者の相談には随時対応するとともに、保護者からの意見・要望には速やかに応えるよう努めています。 |
【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 送迎時、ホームページ、掲示板、連絡帳、「すくすくにっき」、アプリ等、様々な手段で保育情報を提供し、保護者と情報の共有を図っています。子どもの1日の様子や喫食状況等をお迎え時に伝え、保護者の安心感が得られるように努めています。また、話しかけやすい雰囲気作りを心がけ、異年齢児交流によりクラスを超えて子どもの日々の成育状況を把握して、どの職員も保護者の相談に対応できるよう努めています。施設では、生活習慣の習得に有効なモンテッソーリ教育を家庭でも取組めるように、木枠にボタンが着脱できる布を張った「着衣枠」等の教具や取扱い方法を保護者に伝え、子育ての支援につなげています。保護者の相談や個人面談は、随時受け付けており、法人にも相談窓口を設置しています。保護者からの相談には、速やかに応えられるよう施設内の連絡・検討体制も整え、速やかな対応を図っています。 |
【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。 |
【第三者評価結果:a】 日常的に保護者の状況を把握して、育児や生活に疲れていると思われる保護者には特に積極的に声をかけ、相談等に対応しています。今年度のアイン保育園研修でも虐待をテーマに取り上げ、職員の理解を深めました。「虐待対応マニュアル」には、虐待の見立てや対応方法等が詳細に記載されています。施設内では、虐待研修内容を職員間で共有し、疑いがある場合は区役所や児童相談所等関係機関との連携を図りながら意識して見守り、家庭状況の把握に努め、経過記録にまとめて記載することとしています。 |
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。 |
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【第三者評価結果:b】 保育実践の振り返りはクラス職員の意見交換や保育日誌、保護者への情報提供時等を通じて日々行われています。クラスの週間指導計画や月間指導計画の達成状況については、毎週・毎月振り返り、自己評価が行われており、年間指導計画についても、四半期ごとに達成状況が評価され、保育実践の改善、専門性の向上につながっていると認められます。法人系列全保育園が統一様式で行う自己評価が毎年行われています。この自己評価は、保育理念、子どもの発達援助、保護者支援、保育を支える組織的基盤の4つの柱、18項目、160細目にわたり、実践方法の一部記述も加え、a~dの達成度で振り返ると共に、最後に「園全体の評価」と「来年度の課題」を記述式で問うものです。日頃の保育姿勢や実践内容を問い、「児童憲章の理念を述べることができますか」等、基本原理を振り返る内容もあり、密度の濃いものとなっています。職員一人ひとりの保育実践を振り返る機会として効果が高いものと認められます。施設では評価結果に施設長の総評を添えて施設内に公表しています。せっかくの自己評価ですが、回答者が常勤保育士に限られていること、実施結果のとりまとめで終わっており、自己評価が施設評価につながっていないことが惜しまれます。 |