社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

アイン金沢文庫保育園

2025年12月16日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 アイン金沢文庫保育園 評価対象サービス 2024~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 78(75) 名
所在地 〒236-0042
横浜市金沢区釜利谷東2-19-35
TEL 045-785-0115 ホームページ https://www.ein-group.com
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2013年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 中央出版株式会社
職員数
常勤職員:11 名
非常勤職員:12 名
専門職員
保育士:22 名
看護師:1 名
栄養士:2 名
調理師:1 名
施設・設備の概要
居室:0歳児室
居室:1歳児室
居室:2歳児室
居室:3歳児室
居室:4歳児室
居室:5歳児室
設備:調理室
設備:調乳室
設備:事務室
設備:乳児用トイレ
設備:幼児用トイレ
設備:屋上園庭
設備:園庭
設備:エレベーター

③ 理念・基本方針
<理念>
みらいを生き抜く力を育てる
今の子どもたちが大人になる頃、多種多様な社会問題、環境変化を乗り越えないといけない時代です。私たちは子どもたちに、挑戦する心、諦めない心、感謝の心を持ち、元気な大人になるための環境を提供します。アイン金沢文庫保育園は、愛情を持った「共育」を実施し、生きる力と夢を持った子どもを育てます。

<基本方針>
1.安心と安全を第一に考えます
2.子どもと大人が共に学び、成長します
3.利用者、地域のニーズに応えます
4.豊かな人間性を持った子どもを育成します
基本方針のもと、「共有」「自由保育」「モンテッソーリ教育」の3つのコンセプトを取入れ実践しています。

<保育目標>
●いのちを大切に思い、健やかな身体と生きる意志をもった子ども
●いろいろなものに興味をもち、よくみて、よくきいてよく考える子ども
●誰からも愛され、感謝の心、思いやりの心、柔らかな心をもった子ども

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<アイン金沢文庫保育園の特徴的な取組>
1.自由保育・モンテッソーリ教育・共育を行っています
2.自然との触れ合い、自然からの学びを大事にしています
3.乳児クラスは、一人ひとりの生活リズムを大切にした丁寧な保育を行っています
4.幼児クラスは、異年齢保育を取り入れ、子ども同士の育ち合う姿を大事にしています
5.地域とのつながり、保護者とのつながりを大切にしています

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2025/06/09(契約日) ~2025/12/05(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2020年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【アイン金沢文庫保育園の概要】
●アイン金沢文庫保育園(以下、当園という。)は、中央出版株式会社(以下、法人という。) が運営する保育施設です。法人の保育事業本部(以下、本部という。) は、横浜市と名古屋市に拠点を構え、グループ系列園として横浜市に6園、川崎市3園、名古屋市3園、長久手市に1園の計13園を運営しています。各園は本部と連携しながら、法人の方針に基づき、園独自の特色を活かした運営を行っています。当園は、2013年に当地に開設され、現在12年目を迎えています。

●当園では、法人の保育理念である「知・徳・体の『生きる力』を育んでいく」ことをモットーに、日々の保育を行っています。園名「アイン」は、ドイツ語で「1(Eins)」を意味し、「いちばんの子育てセンター」「いちばん愛される園」を目指すという想いが込められています。また、「愛+in」という造語には、「愛情を込めて子どもたちと接する」という姿勢が表現されています。さらに、ドイツの物理学者アインシュタインの名に因んだ「アイン」には、「教育を実践し、未来を担う子どもたちを育成する」という願いも込められています。

●当園は、京急線「金沢文庫駅」より徒歩7分という利便性の高い場所に位置し、都心から程よく離れた閑静な住宅街の一角にあります。園の前には交通の要所である県道の放射線路が通っており、周辺には小学校、お寺、自治会館等もある地域の拠点となっています。定員は78名で、0歳児から5歳児までの保育を行っています。園舎は屋上付きの3階建ての単独施設で、1・2階を保育スペースとして活用しています。玄関を入ると、広々としたエントランスが広がり、調理室と事務所が配置されています。ベビーカーは玄関横の屋内スペースに保管できるため、天候に左右されることなく安心して利用できます。園長は系列園での園長経験を経て、当園に赴任して4年目を迎えました。豊富な経験と前向きな姿勢、そして朗らかな人柄を生かし、安定した園運営に力を発揮しています。

◇特長や今後期待される点
1.【子どもの「主体性」と「自主性」の育み】
当園では、子ども一人ひとりの「主体性」と「自主性」を尊重した保育を大切にしています。子どもたちが自ら遊びや活動を選び、興味を深め、やり遂げる達成感を得られるよう、保育方針を明確にし、環境を整えています。保育者は、子どもたちの姿を丁寧に見守り、観察しながら、次の展開へとつながる環境や導線を工夫しています。子どもが「今、何をするべきか」を理解し、自ら考えて行動できるよう、共感と配慮をもって関わることを大切にしています。そのため、当園では画一的な「設定保育」は行わず、子どもたちの選択や気づきを尊重した柔軟な保育を実践しています。こうした取組により、子どもたちの「自信」と「責任感」が自然と育まれていくことを目指しています。

2.【自然に親しむ保育、五感で感じる豊かな体験】
当園は、人工的な施設が充実した地域にありながら、海や山など自然にも恵まれた環境に位置しています。この立地を生かし、子どもたちが自然に親しみながら戸外活動を楽しめる機会を多く設けています。自然の中での探索活動では、実物に触れることで「不思議」「発見」「探求」といった感情が芽生え、知識の広がりと深まりにつながります。雨の日の散歩では、様々な気候に触れる体験を通じて、自然の多様性を感じることができています。また、自然の素材を使った制作活動や、親子での戸外クッキング等、五感を使った有意義な体験を通じて、子どもたちは楽しさと共に「自然」や「生命の大切さ」に気づき、豊かな感性を育んでいきます。

3.【地域と共創する保育園、結束力ある街に根差した取組】
当園が位置する地域は、中世の雰囲気が残る歴史ある街並みと、高齢者が多く住む落ち着いた環境が特徴です。住民の満足度が高く、地域の結束力も強いため、保育園への期待も大きく寄せられています。地域との関係づくりとして、当園では「地域のお祭りやお神輿担ぎへの参加」「防災訓練への協力」「高齢者施設への訪問交流」「当園主催の「アインフェス」やハロウィンイベントへの地域参加」等の活動を通じて互恵的なつながりを築いています。これらの活動を通じて、地域との信頼関係を深め、地域に根ざした保育園としての役割を果たしています。また、潜在的な保育ニーズを持つ保護者に向けては、育児相談会の開催や自治会との連携を通じて認知度を高め、地域交流・協力・支援を大切にした取組を進めています。

4.【園独自の計画策定による環境完全と意識向上について】
法人及び本部では中・長期計画、単年度計画が策定されていますが、当園としても独自の計画を立てることで、必要な事業や目標が明確化され、職員の意識向上にもつながります。例えば、設備面の改善(ハード)では、保育室の床剥がれへの対応、0歳児用の手洗い場の新設等、安全性・衛生面のリスク排除に向けた修繕・新設計画への取組み、また、職員定着に向けた施策(ソフト)では、「サンキューカード」の活用方法の検討を行い、感謝の気持ちを伝え合うことで良好な人間関係の構築と職場の雰囲気の向上に効果が期待されます。これらの取組みは、園長の想いである「選ばれる園」を目指すための重要なステップです。ハード・ソフト両面からの環境改善を進めることで、子どもたちにとって安心・安全で、職員にとって働きやすい園づくりが実現されていくことが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 アイン金沢文庫保育園   
      
≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取組の感想≫
今回、第三者評価を受審したことで、職員一人ひとりが改めて園運営について考え、そして自分たちの行っている保育を振り返ることができました。
自園と全く関係のない、第三者評価の方から見える自園の新たな発見や見ていただいた視点はとても励みになるもので、とても感謝しております。
また、中・長期計画の在り方やさまざまな課題が明確になり、その課題に対してのアドバイスをいただけたことで、今後の園運営にどのように活かしていくか考えることができました。

地域に根差した園になってゆくため、そして子どもも大人(保護者、職員、地域の方)もみんなが笑顔で過ごすことができる居場所になるよう、真摯に取組んでいきます。ありがとうございました。

≪評価後取組んだこととして≫
1.中・長期計画の作成

2.階層型の自己評価表の作成、活用した職員面談の実施

3.マニュアルも見直し

詳細評価PDF 詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

法人共通の事業理念として「みらいを生き抜く力を育てる」を掲げています。愛情を持って子どもと関わる「共育(ともいく)」を実践し、子どもたちが「生きる力」と「夢」を持って成長できるよう支援しています。基本方針は、1.安心と安全を第一に考えます、2.子どもと大人が共に学び、成長します、3.利用者、地域のニーズに応えます、4.豊かな人間性を持った子どもを育成します、としています。理念・方針は、法人系列園で共通しており、職員には、「入職時および年度初めの全体研修」、「園内での全体的な計画に基づく日常的な説明と実践への結びつけ、運営マニュアルの配付による行動規範の明確化、年度初に本部長によるオンライン説明会の実施等により、十分に職員へ理解浸透につがなっています。保護者に対しても、パンフレット・ホームページ・重要事項説明書への記載、入園時の説明、園舎入口への掲示による常時周知をしています。このように、理念を単なるスローガンに留めず、職員・保護者・地域と共有しながら日々の保育に生かしている点は当園の強みです。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

法人では、「横浜市地域福祉保健計画」や「金沢区地域福祉保健計画」等の行政計画を把握し、社会情勢や動向、市区の人口構成、子育て世帯の流動状況、待機児童の推移等を本部及び系列園と共有しながら、当園としての方針を明確にしています。年度末には事業状況を本部と共有し、決算に向けた適正な運営を実施しています。これらの情報は、管理者会議(園長・主任)、園長会議、主任会議等で分析・課題化し、改善に向けた取組みへとつなげています。当地では待機児童数が減少傾向にあり、その背景や今後の対策についても中・長期的なビジョンで検討しています。また、市区の園長会、私立園の園長会等を通じて、他園の状況や行政の動向を積極的に情報収集・分析し、園運営に反映させています。園長のキーワードである「選ばれる園」を目指し、育児支援や体験保育の開催等を通じて地域での認知度向上に努めています。まだ十分伝えきれていないと感じる部分もある中で、今後はさらに地域向けの子育て支援事業を計画・実行し、保護者ニーズの把握と発信力の強化に取組んでいくことが期待されます。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

当園では、法人本部及び系列園の園長と連携し、経営課題を常に共有・検討しています。年度総会では社長挨拶、事業部長による系列園長会での説明を通じて、課題の明確化に努めています。総会には全職員が参加するため、法人全体としての方針や課題がしっかりと周知されています。現在の主な経営課題としては、人材育成と職員定着化であり、良好な人間関係の構築、業務負担の軽減、職員同士が話し合える機会の確保、労務環境の整備と充実を挙げ、これらの課題に対して、現場の雰囲気づくりや課題の共有化を通じて、職員が「共に成長する」意識を持てる環境づくりが期待されます。今後も、職員一人ひとりが安心して働き、やりがいを感じられる職場づくりを目指し、経営課題への継続的な取組が求められます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

中・長期的なビジョンは法人及び本部が系列園全体として策定しています。今年度の中・長期的なビジョンは、「保育の質の向上」「安定運営(質の良い職員の定着、園児充足率)」、「地域に根差した園、地域との連携」、「保護者のニーズに沿った園作り」としています。当園として、地域の状況を考慮し、運営状況、見込み等、事業の進捗を確認し、必要に応じて見直し及び改善を図っています。今後は、地域状況を考慮して当園独自の計画も盛り込む、または、園のハード・ソフトの環境整備、人的課題、保育内容等を課題化し、園独自の中期計画を策定されることを期待しています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人及び本部で策定された中・長期計画に沿って、本部の単年度計画と連動した指導計画・行事計画を策定しています。これらの計画は本部と共有し、適宜進捗を確認しながら、振り返りと見直しを行うことで計画の実行性を高めています。2025年度の園テーマとして「子どもがのびのびと育つために大人も安心して働ける環境を」(子ども主体を忘れない、お互いに歩み寄る姿勢を大切に)とういスローガンを掲げ、保育の質と職場環境の両面からの改善を目指しています。今後は、このスローガンを含めた園独自の単年度計画を、法人の中期計画と連携させながら策定・運用することで、より地域や園児の実情に即した柔軟で持続可能な園運営が期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

法人としての事業計画は、毎年の年度総会において全職員に対して周知が図られています。総会では、法人の方針や目標が明確に示され、職員全体での共通認識が深められています。また、本部では単年度事業計画を年度末に振り返り、必要に応じて見直しを行い、次年度へと展開しています。単年度事業計画を基盤として、全体的な計画、行事計画、安全計画、重要事項説明書等の見直しと共有が行われています。これらは概ねの職員と共有され、日々の保育実践に反映されています。今後、法人・本部の計画と連携しながら、園独自の単年度事業計画を策定・運用していくことが期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

保護者に対して重要事項に関する説明を丁寧に行っています。対象となる事業(年間行事計画、全体的な計画、安全計画、運営計画)の内容について説明しています。これらの内容については、変更が生じた場合、書面を活用して丁寧に説明を行い、必要に応じて補足資料を用いて理解を促しています。今後、説明機会への参加を促す工夫について、時間帯の調整や案内方法の工夫、オンライン説明会の活用等、さらなる改善を期待しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

当園では、保育の質の向上と職員間の連携強化を目的に、リーダー会議、職員会議、乳幼児会議、クラス会議、カリキュラム会議、週案会議、非常勤職員会議、給食会議を、概ね月1回のペースで計画的に開催しています。加えて、日々の昼礼を通じて、園内の状況や課題を共有し、柔軟な対応を図っています。園長は、職員との1オン1面談や自己評価を通じて、現状の把握と意識の疎通に努めています。これらの面談では、課題の見直しと改善を行い、職員の次の展開へとつなげる支援を行っています。また、各クラスの保育日誌を職員同士で振り返り、園長・主任の視点も加えた複眼的な確認を行うことで、問題の大小に関わらず一連の流れとフォローアップ体制を整え、連携した保育を実現しています。園長は、タイムリーな指示・指導を心がけ、課題が立ち消えにならないよう迅速な対応を行っています。現在は横浜市の様式に基づいた自己評価を活用していますが、今後は階層型の自己評価制度を導入することで、役職や責務に応じた職務遂行度、必要スキルの到達度、人間性の成長等を可視化し、園として期待する職員像に近づけることが期待されています。このような取組を通じて、個々が役割を理解し、互いに支え合いながらOneチームとしての意識を高めていくことが期待できます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

日々の保育や運営における課題について、各種会議を通じて共有し、明確化を図っています。園長は、職員による自己評価結果、保護者年度末アンケート、行事後の保護者アンケート等の情報をとりまとめ、園全体の自己評価を実施し、会議の場で共有しています。また、保育計画においては、毎月の月間指導計画の振り返りを行い、明らかになった課題を次期に生かすよう努めています。行事についても、実施後に職員間で振り返り、改善点を記録として残し、次期に反映させる体制を整えています。今後は、こうした課題や改善を中期・単年度事業計画に盛り込むことで、課題の風化を防ぎ、計画的かつ継続的な改善につなげていくことが期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

園長以下の業務については、「職務分掌表」により具体的な職務内容が明確化されており、各職員に対し得て役割を周知しています。保護者に対しては、重要事項説明書への記載や説明会でのファシリテーターとしての活動を通じて、園長としての役割を認識してもらえるよう努めています。また、園長名で発信する園だより等も活用し、認知の向上を図っています。今後は、「危機管理対応マニュアル」等において、園長不在時の職務権限委任の明記をされることが望まれます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

コンプライアンスの考え方は、単に法令を遵守するだけでなく、市民や社会からの要請に真摯に応えていく姿勢が示されています。園長は、本部及び系列園の園長と意識の共有を図り、変化する法令への理解と対応力を高めるため、継続的な研鑽に努めています。また、市や区からの通達・周知事項については、現行の規定やマニュアルに反映させるよう職員に対して周知し、コンプライアンス意識の向上を図っています。さらに、トレーナーへのホットラインや公益通報相談窓口の設置により、ガバナンスが適正に機能する体制づくりにも取組んでいます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は、全体的な計画を基本に、日々の保育の様子や職員と子どもとの関わり方を観察しています。加えて、クラス会議や保育日誌を通じて状況を把握し、助言・指導を行うことで振り返りを促進しています。職員一人ひとりに対しては、自己評価や人権擁護セルフチェックシートを活用した振り返りを通じて、個々の課題を明確化しています。さらに、園長との1オン1面談を実施し、相互の意見を尊重した保育運営に取組んでいます。また、「きらきら金沢っこ」や他園との交流を通じて、他園の保育の状況を収集し、参考にすることで保育の質の向上を図っています。研鑽の一環として、園長は区の園長会や本部主催の研修を受講し、職員については職責に応じた研修計画に基づく受講機会を設けています。職員自身の希望や課題に応じた研修も取り入れており、可能であれば、受講した研修で印象に残ったエピソードをフィードバックすることで、新たな見識の獲得が期待されます。保護者とは、各種アンケートや日々の会話を通じて視点や意向を把握し、保育に反映させています。今後は、「保育の質の向上」に向けて、人的・物的な充足だけでなく、心的余裕のある業務環境の洗い出しと課題の見直しを計画化することで、より質の高い保育の実現がされることを期待しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は、経営改善及び業務の実効性向上を図るため、本部や系列園の園長と連携し、人事・労務・財務等の状況把握に取組んでいます。法人内の専門部門とも協力しながら、課題の改善に努めています。人事・採用については法人主導で行われていますが、配置の充足に向けては適宜連携を図り、園運営に必要な体制づくりを進めています。保育の力量を考慮した上で、円滑なクラス運営が可能となるよう、職員配置の検討・決定を行っています。また、有給休暇や休憩の取得がし易い環境づくりにも配慮し、働きやすい職場づくりを心がけています。園の課題の一つである職員の定着に向けては、コミュニケーション不足の懸念を踏まえ、良好な人間関係の構築に取組んでいます。その一環として、法人独自で開発した「サンキューカード」の活用が期待されます。今後も、一人ひとりの思いを大切にしながら、人間関係の整備に向けて「共感」や「思いやり」といった基本的なコミュニケーションを重視した取組が継続されることを期待しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

必要な福祉人材の確保に向けては、本部が系列全園を統括し、職員等の採用計画を園からの要望を踏まえて人事部と連携して策定し、新卒及び中途採用を実施しています。採用は新卒者を主軸とし、実習生の受入れを通じて将来的な採用につなげる他、中途採用者については非常勤職員として保育補助員に配置し、朝夕や土曜日等のローテーション確保を含めたバックアップ体制を整えています。新卒者に関しては、養成学校等に園のパンフレットや求人票を送付し、区民祭りへの出展時には協力を得ることで、関係性の構築と園への理解促進に努めています。求職者の見学対応では、トレーナによるアドバイスやFAQの整備を通じて、効果的なアピールができるよう工夫しています。職員に対しては、園長が理念や園の想い、保育方針、接遇に関する啓発を行うと共に、人間関係の改善に向けて「サンキューカード」の活用を促進しています。会議では肯定的な意見や言葉を意識的に用いることで、発言し易い雰囲気づくりを職員全体で心がけています。これらの施策を通じて職員の定着と安定化を図り、育成方針としては、保育士が子どもとの触れ合いや保育との関わりを通じて、仕事の楽しさや大変さを実感しながら成長していくことを目指しています。今後は、余裕のある職員配置が保育の質の向上に寄与する重要な要素であることを踏まえ、理念に共感できる育成の継続的な取組が期待されます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

当園では、基本保育方針である「自由保育」への理解を深め、その理念の実現に向けて、チームワークとコミュニケーションを重視しながら、子どもが主体的に活動できる環境づくりに取組んでいます。園のホームページでは「私たちの保育」として、保育業務の内容を明確に示し、方針の周知を図っています。「期待する職員像」としては、自由保育の理念の共感し、「穏やかである」「向上心がある」「柔軟さがある」ことを大切にしています。職員との面談では、自己評価表やセルフチェックを活用し、相互に認識と意識の共有を図っています。園長は、子どもとの関わり方や職員自身の「自分らしさ」を特に大切にして指導しています。また、本部・系列園・園内で開催される各種会議や研修に参加し、職員のステップアップの機会を提供しています。今後は、職員の階層に応じた目標管理や自己評価の仕組みを導入し、キャリアパスを明確にすることで、業務上の責務や園への貢献が具体化され、当園として職員に期待する姿がより明確に伝えられることが望まれます。さらに、目標シートや貢献シートを考課の一要素とすることで、統一的かつ相互理解のある評価体制が構築され、職員にとっても分かりやすく納得感のある仕組みとなることが期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

園長は、職員一人ひとりの背景を踏まえながら、超過勤務時間や有給休暇の取得状況を把握し、必要に応じて業務の見直しや超過勤務の削減、休暇取得の促進、書類作成時間の確保等、ワーク・ライフ・バランスに配慮した取組を心がけています。日々の職員の様子に気を配り、声かけ等のコミュニケーションを大切にし、必要に応じて個別面談も随時実施しています。福利厚生面では、年1回の健康診断の実施やインフルエンザ予防接種等の補助に加え、メンタルヘルスや悩み相談のためのホットラインの設置、トレーナによる定期的な巡回等、職員の健康と安心を支える体制を整えています。非常勤職員に対しても、意見を収集することを目的とした面談や会議の開催、スキル向上に向けた研修の実施等、積極的な支援に取組んでいます。今後も、職員の定着に向けて業務の軽減や労務環境の整備に配慮し、職場の空気感や雰囲気を大切にして環境づくりが継続されることを期待しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員とは、自己評価表を下に面談を実施し、個々の課題や成長に向け対話を行っています。当園が求める職員像については、面談の機会だけでなく、総会等を通じて継続的に周知しています。職員には、セルフチェックシートを活用し、基本的人権を尊重した業務遂行を促しています。また、階層表により各階層に求められる責務が明確化されており、それに基づいた研修計画を通じて、職責の資質及びスキルの向上に取組んでいます。今後は、各職員が個々の目標や貢献したい内容、そして当園が期待する役割についての認識を共有するため、「目標シート」の導入を検討され、年度初め・年度中・年度末のタイミングで状況を相互に確認し、テーマの明確化とモチベーションの向上につながるよう期待します。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

キャリアアップ研修や法人・系列園での研修を中心に、当園では多くの学びの機会が設けられています。各研修については毎年度振り返りを行い、実践に生かせる「生きた学びの場」となるように見直しを重ねています。キャリアアップ研修については、対象年次の保育士ができる限り参加できるよう計画的に調整を行っています。市や区等が主催する研修については職員に情報を共有し、受講を促しています。研修参加は基本的に自由としつつも、職員一人ひとりの経験や習熟度に応じて、より効果的な成果が得られる研修の受講を推奨しています。さらに、職員自身が希望する研修についても、希望が叶えられるよう調整を図っています。今後は、当園として必要かつ責務に応じた研修を階層化し、計画的に実施することで、時間や予定の制約を受け難くなり、より多くの受講機会が確保されることが期待されます。また、各職員に対して階層別の研修計画を明示し、職務分掌表に研修内容を追記することで、職員の理解をさらに深める仕組として機能することが望まれます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

職員一人ひとりの資質の向上を目的として、当園では全体研修、階層別研修、職種別研修等、対象に応じた内容の研修を定期的に実施しています。研修は、園内研修に加え、法人・系列園内での合同研修や外部研修への参加等、多様な学びの機会を設けています。新入社員に対しては、本部による社会人としての基礎を学ぶオリエンテーション研修を実施しています。また、6月には全園職員を対象として救命救急研修や、初任者・中堅者・リーダー・管理職といった階層別研修を実施し、各々の職責に応じた内容で研鑽を深めています。また、法人系列の他園を訪問・見学し、研究発表会を開催することで、他園の実践から学ぶ機会を設けています。本部主催の「モンテッソーリメソッド」に関する教育研修等にも積極的に参加し、保育の専門性を高める取組を行っています。今後は、中途入社職員に対してもOJTの導入を検討し、より実践的な支援体制の構築が期待されます。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生の受入れは、次世代の福祉人材を育成する機会と捉え、当園では積極的に取組んでいます。受入れは「実習生マニュアル」に基づいて実施しており、実習生とは受入承諾書及び守秘義務契約を交わした上で、適切な体制を整えています。担当者である主任は、実習開始時にオリエンテーションを行い、本事業の目的や実習の意義について説明しています。保護者に対しては、事前に案内をして事業内容の説明と周知を図っています。また、職員には、実習生を人材育成の観点から受入れ、指導・助言・相談ができる環境と姿勢を持って対応するよう申し合わせています。今後は、基本姿勢の明文化、トレーナ主導によるプログラム及びスケジュールの整備、指導者研修の受講等、より体系的な取組みが進められるよう期待しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人は非上場株式会社であるため、決算状況等の一般公開は行っていませんが、税務署への申告や横浜市の監査を受け、指摘事項があれば速やかに改善を行う等、透明性の確保に努めています。福祉サービス第三者評価については、見直しと改善を行い、その改善状況も公表しています。ホームページでは、法人の活動内容、理念、方針、園の概要、系列園の情報等を公開し、広く情報提供を行っています。重要事項説明書には、苦情・相談対応の体制や第三者委員に関する情報も記載しており、保護者には入園説明会や重要事項説明会を通じて、詳しく説明し周知を図っています。地域に向けた広報活動としては、市区施設、近隣の商業施設、公会堂、助産院等にパンフレットを配架し、またイベント時には配布を行うことで情報提供と公知に努めています。第三者評価結果については、園玄関に備え付けており、保護者がいつでも閲覧できるようにしています。今後は、自治会の回覧を活用した情報公開や行事の開催告知等を通じて、地域に根差した広報活動がさらに充実することが期待されます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

各種管理規定は本部により一元的に管理・改訂されており、会計経理事務や契約事務については、定められた規定に基づいて適正に執行され、管理・監督が行われています。職務分掌表も整備されており、職員への周知が徹底され、実務において機能しています。また、5年に1回、第三者評価の受審に取組み、必要に応じて法人の専門部署と連携しながら、業務の適正化に努めています。内部監査は特に実施していませんが、公正かつ透明性の高い経営・運営を目指し、部署横断的な取組が行われています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域との関わりにおいて、当園は「地域に根差した保育園」となることを基本的な考え方とし、積極的な取組を行っています。その一環として、自治会に加入し、地域の各種行事(お祭り、お神輿の担ぎ手、ハロウィン、防災訓練等)への参加・協力を通じて、地域との関係性を深めています。また、高齢者施設への訪問等も行い、世代間交流にも努めています。当園の行事(アインフェス等)では、地域の方々に出展していただくことで、交流の機会を創出しています。さらに、保育の専門性を生かした育児相談の実施や、横浜市の取組みである「あかちゃんの駅」への協力として、おむつ交換・授乳スペースの提供も行っています。災害用備蓄については、保管スペースの制約により地域への物資配分には対応できていないものの、専門施設として地域に貢献できる方法について検討したいと考えています。今後は、地域交流に関する全体的な計画や重要事項説明書への記載をすることで、地域との関わりをより明確にし、継続的な連携と信頼関係の構築が図られることを期待しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティアの受入れは、地域貢献の機会と捉え、取組んでいます。主任が担当となり、事前にオリエンテーションを実施し、注意事項を伝えた上で受入れを行っています。また、ホームカミングデーでは卒園児が気軽に園を訪れ、体験できる環境を整えており、これは卒園児との良好な関係の証であります。さらに、近隣の中学生等による職業体験の受入れも計画的に実施しており、今後も学校側等との連携を深めながら、継続的な関係構築が期待されます。今後は、受入れ体制のさらなる明確に向けて、マニュアルの整備、基本姿勢の明記、トレーナ主導によるプログラム及びスケジュールの整備、指導者研修の受講等に取組むことで、事業の質と透明性が一層高まることが期待されます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

こども家庭支援課、地域療育センター、児童相談所、嘱託医、地域の小学校、警察署、消防署等の関係機関については、リスト化のうえ事務室に掲示し、速やかに連絡が取れる体制を整備しています。職員にも周知されており、緊急時や必要時に円滑な対応が可能となっています。現在、該当児は在籍していませんが、過去には要保護児童に関して、関係機関とフィードバックを通じた情報共有や連携を図り、共通の課題に対して協働しながら解決に向けた取組を行ってきました。当園では、行事の開催、保護者同士のコミュニティ形成、懇談会の実施等を通じて、多様な関係性を大切にしており、地域社会の一員としての役割を認識しながら活動しています。今後も、継続して保育の専門性を地域資源として機能化させていくことが期待されます。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

情報収集においては、区園長会議、幼保小園長会、系列園長会、こども家庭支援課等への出席を通じて、地域の動向や福祉ニーズ、生活課題の把握に努めています。これらの場での情報交換は、地域に根差した保育運営の基盤となっています。また、園見学は地域の保育ニーズを把握する貴重な機会と位置付け大切にしています。運営委員会は、民生委員、保護者、本部、園長、主任で構成され、年1回開催しています。さらに、離乳食講座等の育児講座を通じて、地域保護者からの相談や支援にも対応し、潜在的なニーズの掘り起こしにも取組んでいます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

当園では、事業継続に向けた計画としてBCPの策定を行い、災害や緊急事態に備えた体制づくりに取組んでいます。また、福祉ニーズに基づく公益的な事業活動として、地域の育児・保育相談に対応できる体制を整えており、保育ニーズに応える準備をしています。社会福祉に関する知識と専門的な福祉サービスを提供する公益組織としての役割も、広く認識されています。災害時における物的・環境的支援については、備蓄の質・量の確保や未就学児施設としての特殊性を踏まえ、現時点では地域への直接的な支援には対応できていません。但し、有事の際に保育園が社会資源として果たすべき役割や、生活困窮者への支援については、子育て世帯を対象とした「あかちゃんの駅」事業等を通じて、実現可能な支援策を検討する等、今後、取組みをさらに具体化し、地域における保育園の公益的機能の強化が図られることを期待しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画及び重要事項説明書には、人権尊重の姿勢について保育内容として明記されており、入園説明や重要事項説明会において保護者にその方針を表明し、理解を得られるよう努めています。日常保育では、常に子どもの思いに耳を傾け、寄り添いながら、自主性を尊重した保育を心がけています。保育日誌等を通じて、その日の保育を振り返り、保育の質の向上に努めています。「子どもの最善の利益」は職員の共通認識として位置付けられており、年2回の人権研修、自己評価表、人権擁護チェックシートを活用して、職員一人ひとりが自身の実践を振り返り、理念と行動の一致を確認しています。子どもへの性差理解の啓発には絵本等を活用し、設備面でも配慮を行っています。現在、外国籍の子どもは少数ですが、多国籍対応に向けた準備は整えており、今後の受入れにも柔軟に対応できる体制を構築しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

当園では、子どものプライバシーに配慮した対応を常に心がけており、オムツ交換・着替え・シャワー、水遊び等の場面においても、安心して過ごせる環境づくりに努めています。幼児にはプライベートゾーンの概念について指導を行い、着替えの際には男女別に対応する等、年齢や発達段階に応じた配慮を行っています。子どもには、その必要性を丁寧に説明し、理解を促すよう努めています。保護者に対しては、行事等で撮影された写真や動画の取扱いについて、口頭及び書面で注意喚起を行い、プライバシー保護の重要性を周知しています。また、職員は保護者から得た個人的な情報については厳重に取扱い、口外しないことを徹底しています。今後は、プライバシー保護に関する姿勢を重要事項説明書にも明記することで、園内外に対して明確なメッセージとして発信し、信頼性の高い保育環境の構築につなげていくことが期待されます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

保育園の利用希望者に対しては、園選びに必要な情報を提供するため、ホームページ上で施設の概要、保育の内容、園の特色、日々の活動を紹介する「すくすく日記」等を掲載しています。また、パンフレットも作成しており、区の公共施設等に配架することで、広く情報提供を行っています。園見学については、基本的に1組ずつの対応を原則としていますが、状況に応じて最大3組までの保護者を受入れ、30分程度の時間をかけて、園長がパンフレット等を活用しながら、園の運営方針、保育内容、施設・設備の概要、利用案内等について丁寧に説明を行っています。見学の内容については記録を残し、情報の一貫性と対応の質の向上に努めています。なお、パンフレットは毎年度見直しを行い、最新情報を反映させるよう、分かりやすく信頼性の高い情報提供に努めています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

保育開始時の説明と同意については、入園時に重要事項説明書を基本資料とし、施設・設備の概要、職員体制、保育計画・保育内容、利用方法、留意事項や緊急時の対応等について、保護者に分かりやすく説明を行い、同意を得た上で、その内容を文書として記録・保管しています。年度途中で変更が生じた場合には、必要に応じて保護者への説明を行い、重要事項説明書の差替えや承諾書の取得等、適切な対応を行っています。なお、軽微な変更については、資料、掲示、連絡メール、口頭での説明を通じて、保護者へ周知しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

転園に伴う引き継ぎについては、保育の連続性・継続性の重要性を認識しつつも、個人情報保護の観点から、当園では原則として対応しておりません。「保育運営マニュアル」に添付されている「アイン保育園における個人情報保護の方針」では、「8.個人情報の使用」の項⑤において、「園児名簿や園児連絡先は当園での使用に限定し、それ以外の方から求められてもお知らせしません」と明記されてされています。情報提供が必要な場合には、保護者の依頼に基づき、地方自治体を経由して対応することとしています。なお、卒園後において、子どもや保護者から相談の申し出があった場合には、園長または主任が担当者として対応し、必要な支援を行っています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の保育においては、子どもの表情・行動・言動等の様子を丁寧に観察し、そこから見える興味や発想を職員が大切にすることで、子どもの成長過程を的確に捉え、発展的な関わりへとつなげています。また、子どもが楽しんでいるか、気持ち良く過ごせているかといった情緒面にも配慮し、安心して過ごせる環境づくりに努めています。保護者との連携においては、面談や行事後、年度末に実施する保護者アンケート、懇談会でのワークショップ等を通じて、生の声や意見・相談を収集しています。これらの情報は職員会議で共有され、改善や課題の検討材料として活用しています。また、送迎時の何気ない声かけや会話から得られる「気付き」も大切にし、日々の保育に反映しています。このような意識の下、「期待される保育園像」の実現に向けて、園長はじめ全職員が思いを一つにし、協働して取組んでいます。今後も、子どもと保護者双方の充実度を的確に把握しながら、安全で楽しい園づくりを目指し、保護者の意向も柔軟に取り入れられるよう継続的な取組みが期待されます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決体制については、園長を苦情解決責任者、主任を苦情受付担当者と定め、その体制を保護者に公知しています。さらに、第三者委員を3名設置し、客観性と公正性を確保した苦情解決の仕組みを整備しています。この体制については、重要事項説明書に明記すると共に、苦情解決のフローを玄関に掲示し、保護者への周知を図っています。また、玄関には意見箱を設置し、保護者が自由に意見や要望を投函できるようにしています。保護者から寄せられた苦情・相談・意見等については、速やかに検討に着手し、申出者に対して迅速かつ丁寧な回答を行うことを心がけています。なお、公表については、申出内容の秘匿性を尊重し、現在は実施していません。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者が相談や意見を述べる環境について、対面・電話・文書・意見箱等複数の手段で随時受付けており、その旨を重要事項説明書に明記して案内しています。併せて、意見箱の設置場所についても保護者に周知しています。苦情相談窓口についても重要事項説明書に記載し、玄関に掲示することで保護者がいつでも確認できるようにしています。苦情受付の流れについては事務所入り口に掲示し、体制の透明性と理解促進に努めています。日常的には、連絡帳での情報交換や送迎時の声かけを通じて保護者との信頼関係を築き、話しやすい雰囲気づくりを心がけています。相談や意見を受けた際には、保育士が園長へ報告し、保護者から得た情報を職員間で共有し、改善につなげています。保護者の様子や相談内容に応じて、対応する職員に加え、担任・主任・園長が同席する等、状況に応じた適切な対応を行っています。子どもへの対応や引き継ぎが必要な内容、長期に亘る相談については、申出者へ進捗状況の報告を行い、継続的な支援を図っています。面談は、職員休憩室または「あい組」の保育室を使用し、プライバシーに配慮した環境で実施しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

職員は、保護者との良好な関係づくりを大切にしており、送迎時の会話や傾聴を通じて信頼関係の構築に努めています。特に、送迎時には子どもの様子を積極的に保護者と共有し、日常的なコミュニケーションを図ることで、保護者が意見や相談をしやすい雰囲気づくりに配慮しています。保護者から相談や意見が寄せられた場合には、職員個人の判断で対応するのではなく、園長・主任・担任が連携して助言や対応方針を検討し、必要に応じて本部へ報告・相談を行った上で、適切かつ迅速に改善に向けた取組みを実施しています。その結果については、園の総意をもって申出者に説明し、理解を得るよう努めています。相談内容によっては、市や区等の関係機関と連携し、支援を依頼する場合もあり、その際には時間を要することがあります。経過状況についても申出者に説明し、信頼関係の維持に努めています。なお、苦情対応に関するマニュアル及び対応フローは毎年見直しを行い、全職員に周知することで、組織としての対応の向上を図っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

園長をリスクマネジメントの責任者とし、園長不在時には主任がその役割を担う体制を整え、事故や災害時に備えた訓練を計画的に実施しています。自衛消防隊体制を構築し、安全計画(避難訓練、防犯訓練、救急訓練、シミュレーション訓練)や危機管理マニュアル等の見直しを行い、全職員への周知と職員体制の整備を進めています。安全計画に基づき、園内外のハード面(戸外、設備、備品等)及び保育活動におけるソフト面(点呼、散歩、遊び、ブレスチェック等)の安全点検を実施し、チェック表・マニュアル・ハザードマップの定期的な見直しと共に、自園の危険個所マップを作成しています。ヒヤリハット事例については、使いやすい記録様式を用いて状況分析・原因究明を行い、改善策や再発防止に活用しています。昼礼では、報告者以外の職員が起票することで心理的負担を軽減し、報告の促進を図っています。報告内容はその場で適宜検討し、迅速な対応を重視しています。施設内設備についても、チェックリストを用いた定期的な管理点検を実施しています。研修面では、看護師主導による救命救急講習や、消防署による水消火器を用いた消火訓練等を適宜受講し、職員の知識向上に努めています。訓練は、火災・地震の避難、不審者対応等について、時間帯別や保護者参加型でも実施しており、毎年9月1日には引取訓練及び災害伝言ダイヤルを用いた安否確認訓練も行っています。設備面では、防犯カメラの設置やセキュリティシステムの導入を進め、安全性の向上を図っています。今後は、不審者対応訓練においてセキュリティ会社と連携した実地訓練を通じて、迅速な通報と機器の動作確認が確実に行える体制の構築が期待されます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症対策ガイドラインに則り、系列園の看護師委員会主導の下「保健運営マニュアル」を作成し、感染症予防及び発生時の対応に取組んでいます。嘔吐処や衛生管理に関する手順書・マニュアルの整備に加え、実地訓練を実施することで、職員の対応力向上、子どもの安全確保に取組んでいます。各保育室には空気清浄機を設置し、ペーパータオルの使用等衛生面への配慮を徹底しています。感染症発生時には、速やかに状況を公表し、適切な措置と蔓延防止策を講じて対応しています。公表に当たっては、個人の特定につながらない範囲で情報を提供し、保護者への注意喚起を行っています。毎年度、感染症予防研修会等の研修を受講し、園内でフィードバック研修を通じて職員間で知識の共有を行っています。看護師が常駐しているため、毎日午睡明けに子どもの体調を観察し、健康状態の把握に努めています。また、保護者は「あんよ」システムを利用して、オンライン診療を受診することが可能であり、家庭と園の連携による健康管理体制の充実は図られています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

当園では、自衛消防隊体制の整備と共に、園長が中心になってBCP及び安全計画を策定しています。当園が浸水ハザードマップの対象地域に位置していることから、市区に防災計画を提出し、消防署と連携した総合訓練・消火訓練・消防設備点検を定期的に実施しています。毎月の消火訓練や、通報・点呼・報告を含む防災訓練は、災害の種類を特定しない想定で行い、柔軟な対応力の向上を図っています。訓練後には反省点も含めて記録に残し、次回の訓練に反映させることで継続的な改善に努めています。安否確認には連絡メールや災害伝言ダイヤルを活用し、引き取り訓練も実施することで、保護者との連携体制を強化しています。備蓄品として、水・ミルク・食糧等を主任がリスト化し、ローリングストック方式で管理しています。備え機器としては、発電機、投光器、ソーラーパネル、アルミ毛布、簡易トイレ、カセットコンロ、手回しラジオ、懐中電灯等を準備しており、園長も定期的に確認を行い、状態を把握しています。今後は、自治会と連携した防災訓練を通じて、地域との協力体制を強化し、災害時における地域連携の意識を高めながら、より実効性のある防災対応が図られることが期待されます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

保育の標準的な実施方法については、「保育手順書」「保育運営マニュアル」及び保育計画を整備し、体系的な運営を行っています。園長は、保育日誌や各種指導計画を確認しながら、日々の保育の状況を考察し、標準的な実施方法に基づいた保育が適切に実践されているかを確認しています。一定水準の保育が維持されているかについては、各年齢の指導計画の評価欄や保育日誌を通じて確認し、必要に応じて見直し・検討を行っています。当園の保育方針は、「自由保育」を基本としており、画一的な保育ではなく、子ども一人ひとりの興味・関心に配慮した計画を作成し、子ども主体の保育を実践しています。その時々の子どもの姿を受け止め、柔軟に保育内容を見直す姿勢を大切にしています。今後は、子どもの人権尊重やプライバシー保護に関する園の姿勢を、重要事項説明書に明記し、公表・周知することで、保護者との意識の共有がより一層図られるとなお良いでしょう。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

標準的な実施方法については、系列園および当園において随時検討・見直しを行い、保育の質の向上に努めています。日々の保育内容は、各クラスの指導計画や保育日誌を下にPDCAサイクルで課題の改善を図りながら保育内容に反映させています。また、毎年度末には各種マニュアルの検証及び振り返りを職員間で協議し、必要に応じて内容の更新を行っています。年度末には園長が当園の自己評価を実施し、年間を通した保育の取組や課題について分析・評価を行い、次年度の保育計画に反映させる仕組みを構築しています。今後は、規程や共通マニュアルに改訂記録を付記することで、変更履歴の明確化を図り、関係者間で情報共有と周知がより円滑に行われることが期待されます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

指導計画は、各クラス担任が全体的な計画を基本として作成し、園長が責任者として内容を確認しています。年度初めには、各クラス担任が年間指導計画の素案を提案し、その「ねらい」の達成に向けて月間指導計画を展開し、週案ではより具体的な活動内容へと落とし込んでいます。個別指導計画については、クラス内での振り返りや職員間の話し合いを基に、看護師等の専門的な見立ても参考にしながら担当者が作成します。その後、クラス担任及び主任が内容を確認し、園長の承認を得て確定しています。また、看護師や給食担当との連携を図りながら、子ども一人ひとりの状況に応じた個別支援計画を適切に作成し、実践・見直しを行うことで、よりきめ細やかな保育の提供に努めています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

指導計画は、子どもの主体性と成長過程を基本に据え、毎年度末に評価・見直しを行い、次年度の計画作成へとつなげています。月間指導計画については、乳児・幼児の各クラス内で振り返りや意見交換を行い、評価欄に記録することで、次月の計画に反映させる等、PDCAサイクルに基づいた継続的な取組を実施しています。個別指導計画は、子どもの発達状況に応じて柔軟に変更・見直しを行い、適切な保育内容につなげています。計画の緊急的な変更は、園長主導で対応し、非常勤職員を含めた会議を開催して全職員への周知を図っています。保護者には、園だよりやクラスだよりを通じて情報を伝え、園全体で理解と協力を得られるよう努めています。保護者が関係する計画については、丁寧な説明を行い、同意を得られていると認識しています。 今後は、組織として指揮命令系統に基づいた行動が確実に行えるよう、組織図の活用等を通じて職員の行動意識の変革が進められることが期待されます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子どもの発達や生活状況等については、連絡帳や保育日誌に記録し、日々の昼礼を通じて職員で情報共有を図っています。昼礼の内容は記録を残し、出席できない職員とも情報を共有できる体制を整えています。個別指導計画に基づく保育の実施状況は、保育日誌、個人記録、経過記録、月間指導計画等を通じて検証できるようにしており、保育の質の向上に努めています。各種データはサーバー及び鍵付きキャビネットで厳重に管理しています。システムは「ウェルキッズ」を基本とし、登降園管理には横浜市の「サーヴ」を使用しています。アクセス可能なデータにはパスワードによる制限を設け、クラスごとのPCは保育室では使用せず日誌入力用専用とし、タブレットは連絡帳や午睡チェック等用途に応じて使い分けています。USBの使用禁止や外部アクセス制限等、ITリテラシーの向上と情報漏洩防止への取組も徹底されています。記録様式は統一されていますが、記載方法については初任職員に対して上級職員が確認を行う体制となっています。絵文字の使用、友だち言葉、長い文章、語尾の不統一等、属人的な表現が見られる傾向があるため、送迎時の会話においても親しみを持ちつつも節度ある言葉遣いを心がける必要があります。今後は、こうした表現の統一を図るために、業務マニュアルや「金沢文庫園の約束事集」等にノウハウ集として書き方例や言葉遣い等の指針を掲載し、職員間での共通理解を深めることで、保護者に対しても違和感なく、齟齬ない情報伝達が可能となることが期待されます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

当園では、個人情報保護の観点から、子どもの記録管理体制を適切に整備しています。個人情報の取り扱いについては「保育運営マニュアル」に明示されており、「アイン保育園における個人情報保護の方針」として定め、全職員に対して周知徹底を図っています。文書の保管については、標準的な保管年限を規定し、適切な保管及び廃棄を実施しています。個人情報に関する書類は、鍵付き書庫にて厳重に管理されており、閲覧は原則として事務室内で行い、当日中に返却する運用としています。全職員を対象とした個人情報保護に関する研修は、適時本部主導で実施されており、職員の意識向上と知識の定着を図っています。保護者に対しては、重要事項説明書に個人情報の取扱いについて記載し、説明の上で同意を得ています。必要に応じて、関係機関との情報共有も行っており、適切な連携体制を構築しています。また、職員とは守秘義務誓約書を締結し、コンプライアンス意識の向上に努めています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、児童憲章、保育所保育指針等の趣旨を踏まえ、保育理念・保育方針・保育目標を基盤として、当園の特色や地域の実態を考慮しながら、園長及び職員が協議の上立案し、本部の承認を経て運用しています。その後、各クラスにおける指導計画や行事等は、全体的な計画に沿って展開されます。期末には園長主導で全体的な計画の素案を作成し、主任及び各クラス担任が内容を確認して上で、各クラスの指導計画に反映させています。子どもの成長・発達、保護者や地域の状況等については、職員会議で継続的に話し合い、年度末には評価を行い、次年度の計画に生かしています。子どもの最善の利益を守ることを第一に、適切な保育の実践と、子どもの主体的な活動を促すための協議を重ねています。書面のおいては、保育内容以外の情報を別紙として整理することで、視認性の向上に努めています。今後は、地域交流に関する記載の充実も期待されます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

各保育室では、採光・温度・湿度等の環境を空調で適切に管理し、毎朝の衛生チェックを通じて、子どもたちが快適に過ごせるよう努めています。特に保育士が中心となり、こまめな消毒や手指衛生の徹底等、感染症予防対策に積極的に取組んでいます。乳児保育においては、手指衛生を基本とし、玩具や保育室の消毒、清掃、トイレ、おむつマットの消毒等、衛生面に細心の注意を払っています。安全点検については、日々目視による確認に加え、週1回のチェックリストを用いた点検を実施し、子どもたちが安心して過ごせる環境づくりに配慮しています。保育方針に基づき、子どもたちが伸び伸びと活動できるよう、戸外活動を中心に展開すると共に、子ども自身が活動を選択できる主体性を育む仕組みを取り入れています。保育室ではコーナー保育を採用し、子どもが自ら遊びを選べるよう環境を工夫し、保育士は立ち位置を調整しながら、子どもの様子を見守る姿勢を大切にしています。子どもが遊びに飽きることも、次の成長へのステップと捉え、保育士が玩具や環境の整備を行い、常に新しい刺激を提供しています。給食は時間帯を設けた自主的な喫食スタイルを採用し、自分のペースで食事を取れるよう配慮しています。幼児クラスではビュッフェ形式を導入し、自ら量や主菜・副菜を選んで盛りつけることで、自己裁量を育んでいます。乳児クラスではは1対1の対応を基本とし、安心できる食事環境を提供しています。睡眠についても、寝食を分けることで静かな環境を確保し、子どもが自分のペースで布団に横になれるよう配慮しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

入園時の保護者面談では、一人ひとりの子どもの発達状況や家庭での過ごし方等を丁寧に聞き取り、個人差に十分配慮した保育が行えるよう、全職員で情報を共有しながら保育内容の見直しを図っています。子どもの欲求への応答、寄り添い方、声かけや支援の方法、達成感の育み方等、職員間で意見交換を行い、その後の保育に反映させています。乳児保育では育児担当制を導入しており、言葉が乏しい時期であっても、子どもが「言いたいことがある」ことに気付き、受け止める姿勢を大切にしています。子どもの思いを汲み取り、代弁すること、スキンシップや甘えを受け止める愛着関係の構築、表情のやり取りを通じた応答的な関わりを心がけています。その際には、「何をすればよいか」を伝えることで、子どもに主体性を育む支援を行っています。幼児保育では、「規律の中での自由」を基本とし、自分で考えて行動できる力を育てることを目指しています。保育士は子どもの様子をよく観察し、成長の段階を把握して職員間で共有しています。特に自己主張が少ない子どもにも目を向け、一人ひとりにスポットが当たるよう配慮しています。乳・幼児を問わず、「共感すること」を大切にし、子どもへの言動・対応・援助の在り方については、人権擁護チェックシートを活用して日々の関わりを振り返っています。また、園長による現場指導や本部での研修、系列園職員との学び合いを通じて、園全体としての保育の統一的な理解と実践を図っています。保育士は、子どもにとって分かりやすい言葉遣いを心がけ、否定的な言葉を避けると共に、保育士自身の満足のための保育に陥らないよう留意しています。また、大人の言葉は子どもに影響を与えやすい為、言葉選びに慎重を期し、常に子どもに相応しい表現を用いるよう日々意識して保育に当たっています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本的な生活習慣の習得に当たっては、一人ひとりの子どもの発達段階に応じて、励ましや称賛を通じて意欲を引き出しながら、段階的に取組めるよう配慮しています。生活リズムの形成においては、園での過ごし方だけでなく家庭での生活も重要な要素となるため、保護者との連携を重視し、協力をお願いしています。子どもが今、「何をすればよいか」を自ら考えて行動できるよう、行動の原理を理解できるような支援を行っています。乳児期には育児担当制を採用し、子どもの成長に応じた安心できる保育を心がけています。園での様子や家庭での状況、保護者の考えや悩みについては、送迎時等のコミュニケーションを通じて共有し、子どもが安心して過ごせるよう、家庭と園が途切れなくつながる保育を目指しています。保育士は「待つ」姿勢を大切にし、子どもが自ら「やってみよう」と思えるよう、適切なタイミングで働きかけを行っています。常に子どもの姿を観察し、職員間で情報を共有しながら、子どもにとって取り組み易く、分かりやすい方法や手順を工夫し、援助につなげています。また、個人差を十分に理解し、家庭環境等の背景にも配慮しながら、一人ひとりの睡眠・食事・友だちとの関係等の発達状況や、成長過程で必要な行動、保護者の考え方を尊重しています。連絡帳等を活用して状況を共有し、家庭との連携を図りながら、子どもの健やかな成長を支えています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

当園では、自由保育を通じて、子どもが自ら考える習慣を育み、そのための環境整備を大切にしています。子どもが今夢中になっている活動に自然と飽きが訪れ、次の興味や課題を自ら見つけて行けるような環境づくりに配慮しています。例えば、食事の時間や場所は子ども自身が選び、決められた席ではなく空いている席を自由に使い、誰と食べるかも自分で決める等、自主性を育む仕組を取り入れています。自由遊びやコーナー遊びでは、子どもが主体的に遊びの内容や準備を考え、保育士は「いつでも傍にいるよ」の距離感で見守り、必要に応じて援助を行いながら、信頼関係の構築を大切にしています。四季を通じた戸外遊びでは、豊かな自然環境を生かし、道中の探索や公園での玩具・遊具等の共有を通して、子どもたちが伸び伸びと体を動かしながら、社会性やルールを学べるようにしています。乳児期には、お昼寝や散歩の際に安心できる保育士が担当するよう配慮し、子どもが安定した気持ちで過ごせるようにしています。また、2・3歳児が幼児クラスへ進級する際には、不安を感じる子どもに対して、上のクラスの子どもたちと一緒に過ごす移行期間を設ける等、安心して移行できるようなアプローチを工夫しています。室内環境においては、子どもの発達や年齢に応じて、運動器具や絵本、モンテッソーリの手作り玩具等を活用し、興味や発達を促す工夫を凝らしています。また、地域とのつながりを大切にし、デイサービスの高齢者との施設イベントでの交流等、地域社会との関係づくりにも積極的に取組んでいます。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

保育士、看護師で連携した乳児保育を展開しています。この時期は、養護を基本にして気持ち良く過ごせるように、室内の温度・湿度等、床暖などのハードウェア環境、育児担当制による保育士との信頼関係の構築などの配慮と多様な人に慣れるようなヒューマン環境も大切にしています。特に、0歳児の段階では非認知能力の育成を心がけて保育を行い、外気浴を兼ねた探索活動や遊びが豊かに展開されるように場所、空間作りを心がけ、また家庭との連携を密に図りながら途切れない保育を実現しています。一人ひとりの個別指導計画は発達段階が異なることを意識して作成し、個々の生活リズムに合わせて活動と睡眠が十分に確保できる環境を整えています。また、モンテッソーリ教育の入り口として、手作りの知育玩具も導入し、興味・関心につながるよう大切に育んでいます。五感を感じられるよう取組み、命の維持や感情、脳を健やかに育て、心を司る脳の発達を育むことに寄与しています。更に、ヒヤリハットを活用して適切な環境への改善に努め、食の面では栄養士との連携、健康面では看護師との連携を大切にし、栄養士、看護師の日々の巡回、必要があれば保育士とも連携して子どもの状態状況の把握に努めています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳未満児(1・2歳児)の保育では、年間指導計画を基礎に、月ごとのカリキュラムを通じて養護と教育の両面から一人ひとりの発達状況を把握し、子どもの状況に応じた保育を実施しています。この時期は指先の感覚が発達する重要な時期でもあるため、モンテッソーリ教育を取入れ、工夫が施された豊富な遊具を活用しています。1・2歳児向けの遊具には、遊びながら学べる要素が多く含まれており、子どもの「やりたい」という気持ちを汲み取りながら、保育士も一緒に活動し、共感を大切にしています。時には「どこに行きたい?」と問いかけ、戸外活動の場所を子ども自身に選ばせることで、主体性を引出し、責任感の芽生えにつなげています。安全面では、園独自のハザードマップの作成や環境・設備の点検、子どもの服装の安全確認等を行い、保育士間で情報を共有し声をかけ合うことで、子どもを見守る体制を整えています。この年齢は自我の芽生え期でもあり、自己中心的な行動から友だちとのトラブルが生じることもありますが、保育士が仲立ちとなり、子どもの気持ちを丁寧に聞き取り、代弁することで、相手に気持ちを伝える大切さを理解できるよう援助しています。また、周辺参加を認め、子どもが自ら関わろうとする時期を待つ等、意思を尊重した関わりを心がけています。日頃の子どもの様子については、連絡帳や登降園時での会話、個人面談、園からの「たより」等を通じて保護者とコミュニケーションを図り、連携を深めています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳以上児の保育では、先ず子どもが興味・関心を持てるよう、年齢に応じた導入を工夫しています。生活面では、年長児の姿を見て学ぶことを大切にし、遊びにおいても年長児が説明役となることで、子ども同士の関係性を築きながら活動を展開しています。戸外活動では、体をしっかり動かしながら探索することを基本とし、自然の中で伸び伸びと過ごす時間を大切にしています。自由保育を通じて自主性を尊重することで、子どもたちが自信と責任感を育めるような環境づくりと意識形成に取組んでいます。保育士は、子どもたちの様子を丁寧に観察しながら、遊びの構成や展開を考察・予測し、遊びの幅が広がるよう新たな展開を見据えつつ、子どもの主体性を重視して柔軟に対応しています。モンテッソーリ教育については、本部や専門職員による研修を受講し、年齢や異年齢の子どもがそれぞれの興味に応じて取組めるような環境設定とプログラムを整え、保育士がサポートしながらリメソッドの推進に努めています。就学に向けては、単独で行動できる力を育むため、「今は何をする時間か」という時間意識を持たせることが、考える習慣の形成につながる重要な指導要素と捉えています。アプローチカリキュラム等を通じて、期待と自信を持って就学できるよう、小学校との連携を図っています。授業参観や施設見学、近隣園・系列園との年長交流会等を通じて、子ども同士が面識を持てる機会を設け、スムーズな就学への導線を整えています。職員は小学校の公開授業にも参加し、授業内容を他の職員と共有することで、保育に生かしています。年長児は「考える」「話し合う」ことを大切にしながら、小学生生活へのイメージづくりを進めています。時間配分の意識については、給食の喫食時間を通じて学び、就学後の生活に向けた準備を行っています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

当園では、障害のある方への配慮として、園舎玄関のバリアフリー化、階段への手すり設置、ユニバーサルトイレの整備等、環境面の整備を行っています。現在、障害児の在籍はありませんが、入園時の保護者面談にて子どもの様子を丁寧にヒアリングし、支援が必要と判断される場合には、プライバシーに配慮しながら自然な形で援助を行う方針を保護者に伝え、職員間で情報を共有し理解を深めています。可能であれば、転園前の園と連携し、同様の環境や対応を初期段階から整えるよう努めています。また、地域療育センターとも連携し、支援体制を整えた上で保育を開始しています。乳児期の保護者には、健診や子育てに関する相談に応じることで、気づきや理解を促しています。幼児期には、個々の状況に応じて担当者を固定し、連絡帳・会話・面談等を通じて保護者と連携しながら支援の方向性を確認し、親子への適切なサポートに努めています。障害のある子どもに対しては、クラスの指導計画と関連付けた個別指導計画を作成し、記録しています。職員は障害児保育に関する研修を受講し、得た知識やアドバイスを保育に生かしながら、適切な支援が行えるよう努めています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

在園時間の長い子どもに対しては、子どもの様子に十分配慮し、スキンシップを多く取りながら家庭的な雰囲気の中で関わりを大切にしています。子どもがゆったりと寛ぎ、安心して心地良く過ごせるような環境づくりに努め、その子の「やりたいこと」や「過ごしたい状況」を尊重することを心がけています。例えば、朝や夕に眠気を感じている子どもには、無理をさせずに休息できるよう配慮しています。18時頃からは合同保育となりますが、乳児と幼児が順次合流する形を取り、それぞれの子どもの気持ちに寄り添えるよう工夫しています。このように、子どもの登降園時間や体調、状態、家庭背景に応じたリズムづくりと個別対応を大切にしています。また、異年齢保育を取入れ、年長児が年少児の世話をしたり手助けをしたりすることで、思いやりの心を育む機会を設けています。職員間では、伝達ボードや登降園チェックシート、口頭等でやり取り等を通じて適切な引継ぎを行い、情報共有を徹底しています。これにより、保護者への伝達漏れがないよう連携を図り、安心して子どもを預けられる体制づくりに努めています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画の中に「小学校との連携」及び「就学を見通した保育に関する取組」を位置づけ、それに基づいた実践を行っています。就学までに必要な生活習慣や学習態度の習得について、子ども・保護者に伝え、意識付けを図りながら取組んでいます。幼保小連携事業には積極的に参加しており、近隣園との合同による学校訪問や花植え活動、金沢区主催の「きらきら金沢っこフェスティバル」ではドッジボール大会を通じて交流を深める等、子ども同士が互いをよく知る機会を設けています。また、小学校教諭との意見交換や生活体験の機会を通じて、職員間で就学に向けたイメージを共有し、子どもがスムーズに小学校生活へ移行できるよう努めています。就学先には、保育所児童保育要録を作成して送付し、必要に応じて面談や電話等で補足情報を提供しています。保護者に対しても、各小学校の視察や面談を実施し、就学に関する情報を共有することで、安心して就学を迎えられるよう支援しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康管理及び園医に関する情報は、重要事項説明書に記載しており、保護者に周知しています。園では「保健運営マニュアル」に基づいて年間保健計画を作成し、子どもの健康保持に努めています。保護者とは、連絡帳を通じて日々の成長や健康状態を共有しており、系列園の看護師会が作成する「ほけんだより」に園独自の情報を加えて毎月発信し、健康に関する情報提供を行っています。朝の受入れ時には、視診による健康状態の確認を行い、保護者からの体調報告や不調の有無を確認した上で、昼礼等で職員間で情報を共有しています。また、保育中や戸外活動前にも子どもの様子を観察し、体調の変化に注意を払いながら、職員間で状況を共有し、日誌に記録しています。感染症を含む健康に関する状況については、必要に応じて保護者に公表し、園の方針を重要事項説明書に記載して説明しています。乳幼児突然死症候群(SIDS)への対応としては、「保育手順書の午睡時確認手順」に準拠し、適切な姿勢の保持、チェック方法の徹底、年齢に応じたブレスチェック(0歳児5分、1、2歳児10分)を実施しています。これらの対応については、入園時に保護者へ説明し、園内にも掲示して周知を図っています。また、健康管理の一環として手指衛生にも力を入れており、区から訓練用具を借用して手洗い講習を実施する等、実践的な衛生教育にも取組んでいます。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

年2回、嘱託医による定期的な健康診断及び歯科健診を実施しており、その結果は連絡帳に記録し、卒園まで活用・保管しています。健診結果は全職員で情報を共有し、保護者には健康手帳等を通じて状況をお知らせしています。身体測定の結果についても同様に記録し、保護者が確認できるよう配慮しています。また、該当学年においては視聴覚検査や尿検査も実施し、子どもの健康状態の把握に努めています。今後は、看護師主導による歯磨き指導にも取組む予定であり、子どもたちの口腔衛生の意識向上を図っていきます。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもに対しては、横浜市が定めるガイドラインを基本とし、「食物アレルギー対応マニュアル」及び「保育手順書」に基づいて、適切な対応を行っています。除去食が必要な場合は、医療機関での診断結果に基づく書類を保護者から提出していただき、保護者面談を実施した上で、個別献立による対応を行っています。アレルギー献立の作成に当たっては、保護者との密な連携を図り、除去食の内容や代替食品について記載した資料を園長・担任が確認し、保護者の承認を得た上で実施しています。調理業務は、委託職員が担当していますが、園との整合性を保ちつつ、管理・運営を行っています。子どもには状況を分かりやすく説明し理解を促していますが、保護者には個人情報の観点から、他児の情報については秘匿しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食は、当園及び系列園全体において重要な保育事業の一つとして位置付けられており、全体的な計画、食育計画、年齢の年間指導計画に基づいて、子どもが食事をより楽しめるよう取組んでいます。系列園で協議の上共通献立を採用し、統一感のある食育を展開しています。子どもが食に対する興味・関心を持てるよう、菜園活動や食材の下準備のお手伝い、クッキング体験等を通じて、食への親しみを育んでいます。実際の食材に触れることで、野菜の形・硬さ・匂い等を感じる機会を設け、季節の食材はもちろん、郷土料理・多国籍料理・行事食等を取入れることで、食材や食べ方への興味を広げ、食事が楽しみとなるよう工夫しています。完食による達成感も大切にし、食育への意義を深めています。幼児クラスでは、ビュッフェ形式を採用し、子ども自身が量や盛り付けを裁量で決め、規定時間内に自分のペースで食事を取ることで、自主性を尊重した食事スタイルを実践しています。乳児クラスでは、1対1の対応を基本とし、安心して食事ができる環境と、見通しのある給食計画を整えています。保護者には献立表を配付し、毎日の食事内容については写真付きのサンプルを共有することで、給食の実感と理解を促進しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

毎月の献立に旬の国産食材を基本として使用し、季節の食材や行事食、多国籍料理、和食の日等を取り入れながら、子どもが安心しておいしく食べられるよう工夫しています。多様な料理を通して食の知識や関心が広がるよう、食育の一環として取組んでいます。献立は2週単位で構成されており、新鮮さや彩りを意識した内容にすることで、子どもが食事にワクワク感を持てるよう配慮しています。食材の大きさや硬さについては、誤嚥・誤飲のリスクを考慮し、給食会議で情報を共有して上で、検食時に園長が確認を行っています。調理員は、素材の味を活かした味付けを心がけ、給食時には巡回して喫食状況を確認しながら、衛生管理を徹底しています。提供時の温度管理にも配慮し、温かい料理は65℃、冷たい料理は10℃で提供することを遵守しています。また、プチ遠足等の行事ではお弁当対応を行い、異なる環境での食事体験を通じて、食への興味を広げる機会を設けています。食器には陶磁器を使用し、丁寧に扱う事の大切さを伝えながら、食事のマナーや物を大切にする心を育んでいます。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者とは、送迎時の会話を通じて、家庭での子どもの様子や園での生活の様子等、日々の状況を共有しています。また、個別面談やブログ、「すくすく日記」、ドキュメンテーション等を活用し、子どもの成長や日常の姿について保護者と認識を深め合っています。さらに、園だより、クラスだより、ほけんだより等を通じて、保育内容や健康に関する情報、園での出来事や子どもの成長の様子を定期的に発信し、保護者との情報共有を図っています。保護者には行事への参加機会を設けており、特に「保育参加」では、保育内容や子どもの活動の様子を直接見て理解することができ、園への信頼関係の構築につながっています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

当園では、朝夕の送迎時における保護者対応を大切にしており、挨拶や笑顔を通じて、子どもの日々の様子や変化を共有し、保護者と喜びを分かち合える関係づくりに努めています。保護者からの意見・相談・報告等には丁寧に耳を傾け、園内で情報を共有することで、家庭に寄り添いながら信頼関係を築いています。些細なことも注意深く対応して相談できる環境づくりを心がけています。保育園を「第2の家」として、家庭的な雰囲気の中で安心して過ごせる場となるよう配慮しています。保護者から相談を受けた際には、その気持ちを受け止めることを大切にし、担任・主任・園長が連携して迅速に対応・返答できる体制を整えています。子どもの様子は、ドキュメンテーションや行事写真等を通じて保護者と共有しています。子どもの変化については、家庭の状況も踏まえて見守りが必要とされる場合は、記録を残し、関係機関との連携や職員間での情報共有を行う等、「報・連・相」の体制を重視しています。相談内容によっては、園長の助言を受けたり、園長が同席して話を聞く等、保育士が一人で抱え込まないよう支援体制を整えています。日々のお迎え時には1つのエピソードを伝えるよう配慮し、保護者との信頼関係の向上に努めています。また、保護者には各種行事への参加を通じて園の理解を深めてもらう機会を設けています。特に懇談会では、園からの要望を伝えるだけでなく、保護者同士の関わりが生まれるようグループワークを実施し、チーム発表等を通じて当事者意識と自覚を促し、家庭での保育の充実につなげています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

当園では、「子どもの人権の尊重に関する業務マニュアル」及び「虐待に関するマニュアル」、園内に掲示している対応フローを基本とし、家庭での虐待や権利侵害の疑いがある子どもの早期発見・早期対応、そして虐待の未然予防に努めています。登降園時には、視診を通じて子どもや保護者の様子、表情、会話の内容等を丁寧に観察し、保育中には身体のあざや食事の様子等も確認しています。子どもからの申出や不審な点が見られた場合には、速やかに職員間で情報を共有し、園長へ報告の上対応を協議しています。虐待が明らかになった場合には、区こども家庭支援課や児童相談所と連携し、必要に応じて警察等への通告・連絡ができる体制を整えています。見守りが必要とされる家庭については、保護者の言動や子どもの様子・身なり等を日常的に観察し、不適切な養育状況が未然に防げるよう、職員間で共通理解を図っています。指導や支援に変化が見られない場合には、面談を促す等して家庭の状況を把握し、保護者の気持ちを受け止めながら心の安定を支える支援を行っています。また、職員は事例検討会や虐待防止に関する研修に参加し、知識と対応力の向上に努めています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

保育実践の振り返りは、自己評価表及びセルフチェックシートを活用し、園長との面談を通じて個人の保育の質の向上に取組んでいます。年度末には園長主導による全体的な振り返りを実施し、課題を明確化した上で次年度の全体的な計画、年間指導計画、月間指導計画に反映させています。クラスにおける子どもの心身の育ちについても振り返りの対象とし、職員間で情報を共有することで、適切な援助につなげています。今後は、自己評価表を階層型の内容へと発展させ、役職や責務に応じた評価項目の検討を進めると共に、目標管理シートの導入によって職員とのコミュニケーションを含め、期待される資質や方向性が明確となり、職員自身が求められる役割を理解し、研鑽へのモチベーション向上が期待できます。この取組みは、年3回程度の面談を通じて進捗や管理を行うことで、より効果的に機能し、保育の質のさらなる向上につながることが期待されます。