社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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グッドタイムナーシングホーム・宮前

2023年05月31日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 グッドタイムナーシングホーム・宮前 評価対象サービス 2022~ 高齢者福祉サービス版
対象分野 特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム) 定員 61 名
所在地 〒216-0015
川崎市宮前区菅生4-15-18
TEL 044-978-3015 ホームページ http://www.goodtimehome.com/shuto/k-miyamae.php
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2019年10月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社 創生事業団
職員数
常勤職員:20 名
非常勤職員:26 名
専門職員
介護福祉士:10 名
実務者研修:1 名
介護職員初任者研修:8 名
看護師:4 名
準看護師:4 名
柔道整復師:1 名
施設・設備の概要
居室:個室61室
設備:厨房
設備:食堂兼機能訓練室
設備:応接間
設備:事務室
設備:相談室
設備:理美容室
設備:作業療法スペース
設備:介護ステーション
設備:介護ステーション兼健康管理室
設備:談話コーナー
設備:地域交流スペース
設備:職員休憩室
設備:更衣室
設備:居間・食堂
設備:キッチン
設備:機械浴室
設備:個浴室
設備:浴室
設備:脱衣室
設備:洗濯室
設備:トイレ
設備:多目的トイレ
設備:リネン庫
設備:ゴミ管理室
設備:汚物処理室
設備:エレベーター

③ 理念・基本方針
<理念>
特定施設入居者生活介護の提供に当たって、事業所の全ての職員は特定施設サービス計画に基づき入浴、排せつ、食事等の介護、その他の日常生活上の支援、機能訓練及び療養上の世話を行う事により、利用者の心身機能の維持回復を図り、その有する能力に応じた自立した日常生活を営むことが出来るよう援助を行う。

<基本方針>
当施設では、提供するお食事は「温かいものは温かく」「冷たいものは冷たく」お召し上がりいただくコンセプトに、ご入居者様の健康状況に応じた四季折々の食材を取り入れ、栄養バランスの取れたお料理を提供しています。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<グッドタイムナーシングホーム・宮前の特徴的な取組>
●「楽しくなければ介護ではない」をコンセプトとし、利用者も、そして職員も笑顔あふれる施設づくりを目指しています。施設のどこかで利用者、職員の笑い声が聞こえる施設になるように、を目標としております。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/11/22(契約日) ~2023/04/27(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2018年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【グッドタイムナーシングホーム・宮前の概要】
●グッドタイムナーシングホーム・宮前は、株式会社創生事業団(以下、法人という)の経営です。法人は福岡県福岡市に本社を所在し、48年に亘り介護福祉サービスを提供し、有料老人ホーム「グッドタイムホーム」を首都圏エリア、九州エリア、北海道エリアに86施設運営しています。創生会グループ(17法人)としては、介護付有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、老人保健施設、ケアハウス、デイサービス等、全国に468事業所を運営し地域に貢献しています。有料老人ホーム「グッドタイムホーム」は、ホテルのような空間、おいしい食事、様々な生活サービスを提供し、新しい形の「住まい」を提唱し、入居者が健康で快適な日々を過ごすことのできる有料老人ホームを目指しています。

●グッドタイムナーシングホーム・宮前は、田園都市線宮前平駅から川崎市営バスで「北部市場」下車徒歩3分程度、穏やかな環境下にあり、見晴らしの良い場所に位置し、施設内からの景観は開放感溢れ明るい施設です。また、建物正面に沿った白いフェンスで囲んだ花壇には四季折々の花が咲き、バルコニーにテーブルを設置し入居者へ安らぎのひと時を提供しています。グッドタイムナーシングホーム・宮前の特徴は、24時間看護職員常駐による医療受入れ体制があり、緩和ケアや医療依存度の高い方、リハビリ重視の方等も安心できる施設です。施設は、定員61名の全室個室(18㎡)であり、居室内は、介護ベッド、車いす対応トイレ、洗面台、化粧棚、クローゼット、エアコン、緊急通報装置、24時間換気設備が完備し、共用設備も充実した機能を備えています。グッドタイムナーシングホーム・宮前では、「楽しくなければ介護ではない」をコンセプトに、入居者、職員共に、そして施設内に笑顔が溢れる施設作りを目指し、最良のサービスが提供できるよう全職員で取り組んでいます。

◇特長や今後期待される点
1.【3つの強み】
「グッドタイムナーシングホーム」では、「できない」医療対応、症状によって受入れられないご入居者がないよう、24時間看護体制を敷き、医療機関との連携強化、職員の教育を強化しています。1つ目に、「認知症の受入れ体制」があります。認知症専門医が委託医としてホームへ診療訪問を行い、定期的な診断による早期発見を含め、ケアマネジャ・看護師・介護士と一緒に関わり、身体管理だけでなく入居者の心に寄り添った細やかなケアを行っています。2つ目は、医療体制が整っているからこその「終末期の方の受入れ体制」、「看取り対応」を行っています。現在、グッドタイムナーシングホーム・宮前では終末期の対応が必要な入居者の入所はありませんが、終末期に自分らしく尊厳も持った日々を過ごせるよう、ホームだからこそできる温かいケアの充実を心がけています。3つ目に、「高度なリハビリ体制」が挙げられます。協力医療機関指導の下、専門スタッフが入居者の症状・状態に合わせて個別プログラムを用意し、訓練を行える体制を整えています。グッドタイムナーシングホーム・宮前では柔道整復師が在籍し、入居者のニーズに応えています。施設では、入居者の生き生きとした暮らし、希望となれるようサービスの充実に力を入れています。

2.【充実のレクリエーション】
グッドタイムナーシングホーム・宮前では、季節の催しの他、創作系・身体系レクリエーションを提供し充実した時間を過ごせるよう、潤いある生活をサポートしています。作品の創作を通して刺激や感覚を促し、認知症予防にもつなげ、何より入居者の心の豊かさ、日常が最良となるよう支援しています。作品は壁面をギャラリーとして展示し、ホームページにも掲載しご家族にも閲覧してもらえるようにしています。また、食堂やホール、フロアで音楽等の楽しいひと時を一緒に過ごし、生活に彩りをもたらせています。施設長は、施設のどこかで笑い声が聞こえる施設作りを目指し、楽しく過ごせるよう、スタッフと共に多彩なレクリエーションの実現に取り組んでいます。

3.【包括的なサービス】
グッドタイムナーシングホームでは、身体機能及び運動機能の向上、言語や嚥下機能の回復、趣味活動をケアプランで計画的に実施し、職員、レクリエーションスタッフやリハビリテーションスタッフ等と共に包括的なサービスを提供しています。入居者が生き生きと日々充実した生活を過ごせるよう、PDCAに裏付けられたケアプランを、スタッフと共にきめ細やかに実施しています。さらに、食事サービスに関して、グッドタイムホームの基本である「おいしく・楽しく・健康に」に則して施設の基本方針に取り入れ、「温かいものは温かく」・「冷たいものは冷たく」を大切にし、入居者の健康状況に応じた旬の食材を取り入れ、栄養バランスの取れた料理を提供し、食事を通じて楽しい生活を保障しています。質の向上と共に継続した取組に期待が寄せられます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名:グッドタイムナーシングホーム・宮前         

<評価(自己評価等)に取り組んだ感想>
    
職員に対して施設の取り組み、サービス面での再周知する機会になりました。
また、ご家族様からの意見等も施設に対してより素直な意見もあり、今後に役立てられます。

<評価後取り組んだ事として>

1.介護職員のみに対して研修を行っていたが、生活サポートをしてくれる職員や看護職員にも研修を受けてもらうようにしました。

2.コロナ禍で面会制限を行い、感染予防シート越しの面会でしたが、大幅に緩和し、5月8日には完全解除する予定です。
これによって家族やご入居者の心配事やストレスは無くなってくると思います。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

理念、基本方針の考え方について、法人から各「グッドタイムホーム」へ「職員の心得」を配付し、それに沿った理念、基本方針を定めています。タイトルである「人生最良の時を過ごして頂くために」を理念とし、解説5項目を根底に基本方針として展開しています。グッドタイムナーシングホーム・宮前では、法人の理念、基本方針を根底に置きながら、施設内の体制構築を先行させ、最終的に理念、基本方針に至るアプローチとし、基本を固めてから法人の理念、基本方針を目標として展開を図っています。法人系列施設のグッドタイムナーシングホーム・中野島と協力して事業を進めており、継続して補完しながら展開を期待いたします。理念、基本方針は施設内での掲示及びホームページで周知しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

事業の動向については、法人の首都圏事業部において、全体的・個別的な経営状況把握と多角的分析を緻密に行い、毎月、法人エリア会議にて情報等の周知及び共有する体制があります。施設では、前年度の事業計画の結果において反省及び数字での分析を行い、振り返りと課題を抽出し、今年度の計画に取り組んでいます。地域との連携については、行政、社会福祉協議会等との連携は取れていますが、地域の自治会、老人会への参入が新型コロナウイルス禍(以下、コロナ禍という)により出来ておらず、来期に取り組むよう準備中です。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

月次単位で月次実績と経営課題の収集及び分析を行い、法人のエリア会議において上層部(マネージャー、スーパーバイザー)への報告・共有を定期的に行い、年間実績・報告、月次実績と動向について確認をしています。エリア会議は川崎、横浜、東京府中にある系列7施設で、毎月第3金曜日に情報交換と課題における対策等の会議を実施しています。経営課題について、入居率アップを意識するために入居率高水準を目指していることについて職員に周知し理解を図っています。また、売上、人員、派遣等を月次で一覧にして開示しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

中・長期的なビジョンに関しては方針、数値目標とも明確に策定されています。特に数値目標については法人から必達命令を受け、短期の令和4年度から令和5年度にかけての集客改善の見直しを図り、プロジェクトチームを発足しています。集客改善の見直しの骨子は大きく3つ、①地域に根ざした活動、②職員の待遇改善、③顧客満足度の向上です。1つ目の地域に根ざした活動では、有料老人ホームは地域密着型施設であり、利用してもらうことを視野に入れて地域を大切にすることを重要とし、2つ目の「職員の待遇改善」では利用者サービスを強化する原点として踏まえ、3つ目の「顧客満足度」については職員の質・スキルを向上させることにつながり、これらの強化を来年度の目標としています。集客改善プロジェクトがミッションであり、法人首都圏グループ内で連携を図り、施設別に得意な分野に集中しながら、施設間での連携も考慮した計画の実践を図って行く予定でいます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

単年度の事業計画については、法人の中・長期計画を踏まえ、施設ごとに作成しています。事業計画は「法人グループの行動指針」と「事業所運営方針」の内容をベースにして策定し、個別の行動指針の展開内容は別途定めています。運営方針については目標値、運営基盤再建項目、法令遵守、適正人員配置・整備が含まれています。法人は株式会社であることを踏まえ、目標値を入居率95%、人件費率50%、利益率15%を必達目標としています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

幹部職員以外の全ての職員が参画して意見を吸い上げ、実施していく必要性を心得、事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しを行っています。事業計画とする運営方針について、先ず、法人の方針について年度末から年度初めに確認し、内容の理解、施策の提案等を職員会議やプロジェクト会議で話し合い、対応、施策の検討等を行います。グッドタイムナーシングホーム・宮前では特に、規程の4~7項(目標値居室61室、利用料推定、医療協力体制)について職員の意見等を抽出した上で幹部会議を行い、有効な意見は組み入れグッドタイムナーシングホーム・宮前の運営方針として定めています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画(運営方針)は、定例行事を含めた年間事業・行事計画に展開しています。行事、イベント、クラブ活動等の開催日程等は開催時に周知を行っていましたが、コロナ禍により面会規制や運営懇談会(年2回)が開催できず、書面での意見収集に留まり、周知度合が低下した状況にありました。今後、コロナ関連の規制も5類に緩和される予定であり、行事計画の実施も予測されますので来期に期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

福祉サービスの質の向上に対しては、科学的手法に基づくPDCAサイクルの活用を心がけています。支援計画については毎月チェックを行い、年間の支援計画改定(P)に沿って実施(D)し、毎月及び改定時に見直し(C)課題を抽出し、次期計画に組み込む(A)活動を心がけています。基本的に部署ごとに取り組み、管理者会議を定期的に開催し議題として確認しています。実務的にはアセスメントの実施とそれに向けたモニタリングは適切に実施しています。「事故防止委員会」でPDCAを活用して再発防止策チェックを作成中です。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

評価結果及び取り組むべき課題等については、共有パソコン上の掲示板に記載し、課題の共有化を図っています。評価結果は法人で集計及び分析され、結果に対する改善策についても掲示板で共有し、実施を促しています。課題は、評価結果及び改善の取組を組織として実施する必要があると思われます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

施設長の権限と責任については組織図で示し、日常の業務については職制に権限を委譲し、推進しています。また、運営規程等にも施設長の役割と責任について明記し、職員に周知しています。さらに東日本大震災の教訓から、事業継続計画(BCP)の作成、施設長不在時の権限委任、階層別業務内容等の明文化(期待する職員像)に取り組まれると尚良いでしょう。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設長は、遵守すべき法令等について常に把握し、組織として適正、公正な施設運営に取り組んでいます。高額取引では相見積を行い、稟議(施設長→エリアマネージャー→経理・総務・本部長)の社内ルールを遵守しています。法令遵守の研修を実施する他、不適切と思われる事例が生じた場合には、その場で直ちに指導するよう努めています。職員会議や施設内研修会でも法令について取り上げ、話し合いを持ち、理解を促しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は、職員の質の向上に向けて組織を整備し、命令系統の簡素化を図り、速やかに動ける組織体制を敷いています。組織のトップを施設長とし、大きく介護部門と看護部門に分け、それ以外のサポート組織は施設長直属の部門として生活相談員、ケアマネジャ、サポートスタッフ、厨房担当、事務員、リハビリテーションスタッフを置き、トップの考えが即、各部門の長に直結する組織体制を構築しています。これにより、意思伝達・共有化の速さをねらいとしています。研修会については介護職員の研修は定期的に行い、看護職員の研修は病院で開催する研修会に参加していますが、コロナ禍により不足気味な現状も見られ、収束後に再開していく予定です。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

業務の効率化に関する取組では、前述のシンプルな組織体制と併せて委員会等を専任メンバーで推進しています。月次単位で経営改善及び分析を行い、各部門の総合力で業務の実効性の向上を目指しています。職員の質の向上に向けて、施設長は職員の言葉を傾聴し、働きやすい環境作り、風通しの良い組織を心がけています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

必要な福祉人材の確保・定着等に関する計画を整えていますが、人材確保に苦慮しています。職員の直接雇用体制の中で、介護職員が不足する将来を見据え、外国人雇用も積極的に行い、未経験者の雇用・育成に前向きに取り組んでいます。採用に関しては、必ずしも介護・看護経験者であることは求めず、介護に対する「心」・「姿勢」が伴うことに重点を置き、入職後の教育・指導に力を入れ、その後の資格取得推奨を踏まえ、OJTの仕組みも整備している他、法人においても計画的な育成研修を整備しており、人材育成への取組に力を入れています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

「期待する職員像」に関して、「入居者に優しい人」、「言葉遣いが丁寧な人」、「介護態度が良い人」を基本とし、職務分掌表において、「各職種に記載された項目ができる人」が法人の「期待する職員像」としています。さらに、階層別(資格別もしくは年齢層別・入職年度別)の基準があると、見える化につながり、一考を期待します。また、自己評価を実施することで、施設・法人から自分に何を求められているのかが理解できるようになっています。キャリアプランを階層別に策定し、キャリアプランに沿った昇格・昇給を推進している例もあり、昇給・昇格の基準、専門性への配慮、評価結果等も加味すると尚良いと思います。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

職員の就業状況は、法人と施設間で共有及び把握しています。また、悩みを抱えている職員については随時相談に応じる他、外部の相談機関窓口を紹介する等、職員に応じた配慮をしています。ワーク・ライフ・バランスについては、職員一人ひとりの意向に配慮したシフト作成に努め、最近の就業事情を踏まえ、世代間の考えの相違を考慮し、理解を含め働きやすい職場作りの取組に尽力しています。施設長は、相談しやすい雰囲気作りに努め、こまめに面談を行い、離職につながるような芽をできるだけ早く摘み取り、退職防止に取り組んでいます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員の育成は、法人グループ内のエリアマネージャーにより実施されてきました(全社研修)が、今後は施設単位でも育成に取り組んでいくことを検討し実施予定です。法人のキャリアプランに沿い、目標を設定し職員と部門長で目標を決め、年中間に確認し年度末に反省を行い、次年度の目標につなげるよう業務の中で研修を合わせて行っていきます。職員との面談は基本的に目標管理であり、課題の達成状況を話し合っていますが、時期は不定期としています。期待値は階層別に定め、未達成の職員にはOJTで教育しています。指導について、「怒る教え方は古い」、「褒めて教える工夫」を念頭に、昔ながらの教え方は捨てることを徹底して指示しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人のキャリアプラン(期待する職員像)に沿い、福祉サービスの内容や目標を踏まえ、必要とされる専門技術や専門資格を明示し階層別に研修計画を策定しています。研修計画に基づき、スキルアップと連動して教育・研修を実施し、研修内容やカリキュラムに関しては毎年評価を行い、見直しをしています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

入社時研修をはじめ、教育指導を中心に行った後、各事業所に配置し、職員一人ひとりへ知識・技術向上に取組んでいます。また、シフト調整によりZoomでの外部研修への参加を勧奨しています。職員の実践的研修機会の確保のため、習熟度に応じて個別的なOJTを制度として実施しています。研修の機会は均等に受講できるよう配慮しつつもコロナ禍の影響を鑑み、OJTで実務を多く経験することができるよう努めています。若い指導者を対象にそれぞれ各日程を決めて認知症ケアの基礎編の研修を実施しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

近隣教育機関からの実習生受入れはコロナ禍により一時中断しています。通常、実習生受入れに当たってはマニュアルを備え、基本的な注意事項、守秘義務等を説明し、基本的合意事項を取り決めて受入れています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念・基本方針、ビジョン・運営方針等はホームページに公表し情報提供していますが、事業計画・財務報告等に関しては、法人は株式会社であり公表していません。情報公開ではホームページとパンフレット以外に、広報媒体として今後、施設独自にSNS等も活用して地域へ向けて発信していく予定でいます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

公正かつ透明性の高い適正な経営のため、内部管理体制の整備に努め、各種マニュアルの整備、組織体制の整備、内部監査体制の整備、専門家による監査等、組織の管理体制の整備に努めています。社外顧問の指摘により「業務改善プロジェクトチーム」を設置し、運用しており、施設でもメンバーに参画し取組を行っています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域との関わりついては、来年度に法人の方針として掲げ、地域と共に歩みながら築き上げた歴史を大切にしていきます。具体的には、令和4年度から5年度にかけての集客改善の見直しを図り、プロジェクトチームを発足しています。集客改善の見直しの骨子は大きく3つ、①地域に根ざした活動、②職員の待遇改善、③顧客満足度の向上です。コロナ禍収束後を見据え、真に地域社会に根ざした取組の構築が急務となっており、自治会や民生委員、老人クラブとの連携構築を図っていきます。その他では、異世代交流(地域の子ども達)について、「ひまわりベイビー」や蔵敷こども太鼓連等に力を注ぎ協力しています。病院やケアプラザとも連携を取って行きます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

コロナ禍によりボランティアの受入れはほぼ中断していますが、一部のボランティアとは交流を継続しています。コロナ禍以前は、蔵敷こども太鼓連、大学のサークル、マジックショー等を受入れていました。ボランティアの受入れに当たっては「ボランティア等受け入れの手引き」(マニュアル)を備え、基本的な注意事項、守秘義務等を説明しています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

社会資源との関係については、近くの医療機関、歯科医療機関、訪問マッサージ、フットケア、理美容室等との連携の継続の他、川崎市の地域包括支援センター等、地域の関係機関や団体のリストアップをして資料を作成しています。介護部会議、看護部会議、サポート会議、管理者会議等で情報を共有し活用しています。特に、地区社会福祉協議会とはボランティア、パンフレットの設置、災害時の協力等で連携を深めています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の福祉ニーズ等に関しては、川崎市や宮前区社会福祉協議会からの情報を入手し、川崎市地域包括支援センター等から地域の福祉ニーズ等に基づく公益的な事業・活動の情報を得、協力しています。地区社協の担当者からも情報を得ています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の福祉ニーズに対して、「いかに地域貢献していくか」、「この施設で地域にしてあげられることは何があるか」を考え、実行していくことを重視し、コロナ禍収束後に施設が地域から必要とされるよう、地域の自治会や民生委員、老人クラブ等との関係構築に取り組んで行きます。例えば、老人クラブの広報活動に協力しスポンサーとして提案したり、近隣の防災活動に一緒に取り組むこと等を提案する等考えています。施設には地域交流スペースが設けられおり、今後の企画・活用に期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人の基本方針として、「常に笑顔で真心をもって業務に取り組みます。」、「入居者様が安心安全に生活できる様、心がけます。」、「入居者様に対して、敬意を持って接します。」、「強いチームワークをもって、報告、連絡、相談を欠かさず、情報共有できるよう努めます。」、「以上のことを日々心掛けながら実行し、自己の目標に向かって励みます。」を掲げており、職員へ利用者を尊重する教えとしています。また、「運営規程」の中に倫理規定を示し、一貫して利用者尊重を法人の基本としています。職員に不適切と思われる場面があれば、見逃さず、その場で直ちに指導を行う等必要な対応を行い、正しています。新人教育マニュアルを整備し、デイリープログラムの考え方も教示しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

プライバシー保護については、重要事項説明書の中にプライバシー保護について明示され、扱いについて注意しています。居室は全て個室であり、入浴や排泄時等もプライバシーを尊重したサービス、落ち着ける環境の提供を行っています。基本をホテル形式に置き、ゆったりと寛げる雰囲気作りと共に個のプライバシーを確保しています。入浴に関しては希望に応じて同性介助体制があります。医療的な設備としてはナースコールや自分で申し出ることができる体制とし、必要に応じて確認に伺うようにしています。施設内の掲示物において、個人の写真等については肖像権に配慮し入所時に掲載の可否を確認しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

利用希望者に対する情報の提供に関してはパンフレット、ホームページ、広報紙等で積極的に知らせています。基本的にはホームページですが、施設見学等の際にはパンフレット等で可視化するよう示し、理解しやすいよう取り組んでいます。見学から入居まで、十分な時間をかけて本人とご家族に丁寧な説明を行い、見学や問い合わせには随時対応しています。最近は地域の方の見学もあります。入居については紹介センター経由のケースもあります。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

福祉サービスの開始・変更においては各種資料を用いて丁寧に説明しています。また、担当ごとに説明を行うことでより詳しく分かりやすい内容としています。説明時間について、見学時は2時間程度、入居時には3時間位を目安にしています。見学時には施設内の設備や機能、アクティビティの説明を各担当者が責任を持って行っています。入居時には書類の説明と記入を中心に、介護計画に関する説明と署名や、生活相談等の諸事項や申込みについて説明を行い、加えて法改正に伴う諸事項等詳細に行っています。ケアプラン作成前には入居者本人またはご家族の要望を聞き、取り入れられる内容は取り入れるよう配慮しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

変更で従前の内容から著しい変更や不利益が生じないよう、変更に当たっては、事前にご家族に説明し、そのやり取りを文書に残し(同意書)、納得を前提とした移行を行うようにしています。施設から在宅へ移行の方は現在ありませんが、近隣地域包括支援センターに事前連絡を行う等、必要なサービスが途切れることなく継続されるよう配慮します。また、他施設へ移行される方については主治医の診療情報提供書・看護サマリー・ADL提供書等の引き継ぎを行っています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設内に意見箱を設置し、定期的に意見等の収集に努めています。運営懇談会(有識者、利用者代表、ご家族、施設長他で構成)はコロナ禍で書面開催となりましたが、意見・質問に関しては文書回答により、全入居者へフィードバックしています。また、処遇改善会議を通して話し合い、サービス向上に取り組んでいます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の仕組みについては、苦情マニュアルを備え、入口に苦情解決のフローを貼りだすと共に、苦情解決責任者、苦情受付担当者を決め、苦情解決についての仕組みを重要事項説明書に掲載し周知しています。意見箱を設置し記入用紙も添え、意見等が述べられるようにしています。相談や意見・希望は日頃の会話等を通して聞き、相談・苦情とまとめて職員会議の中で振り返り及び改善策を話し合い、改善につなげています。苦情については電話等でも受付け、気軽に発言できる環境作りに努め、適切に記録・保管しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

入居者やご家族が気軽に相談や意見を述べやすいよう、生活相談員を配置し、入居者及びご家族からの要望、相談を受け付け、すぐに対応できる体制を整えています。人に聞かれたくない場合には相談室が用意されています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

受けた相談や意見は、朝・昼・夕の申し送りに反映する他、法人の首都圏事業部全体のグループメールで迅速に共有し、漏れがないよう対応しています。また、日々の報告・連絡・相談の裏付け、申し送りをショートメールで対応できるよう設定し、活用しています。相談や意見は記録・保管しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメント体制については「事故防止委員会」を設置し、委員会を中心に責任者の明確化、事故発生時の対応、手順の明確化、安全確保の責任、組織体制について検討し、事故対応と再発防止体制を確立しています。事故が発生した場合には直ちに「事故防止委員会」にて、原因分析と改善策・再発防止策の検討を行い、事故報告書を作成し共有を図っています。報告書作成に不慣れな職員がいる場合は他職員がサポートすることで事例収集に厚みが増しています。危険が想定される事例集積ではヒヤリハットをこまめに記入し、その分析と原因究明、事前の予防により事故が起らないよう活用するようにしています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症に関しては、感染症発生時の対応マニュアルと実際との乖離も経験し、ゾーニングの変更等、見直しも図っています。施設内の入居者間での蔓延防止、蔓延による体調の悪化、重篤な状態にさせないことが最大の課題で、適切な対応により、蔓延を最小限に食い止める対応を心がけています。具体的には、第1段階として地域の感染症発生の状況を知り、事前に対応するよう努めています。施設内で感染症が見られる場合には看護師が中心となり、医師と連携を取りながら、症状に対する速やかな対応により拡大の防止に努めています。介護職員にも感染症マニュアルを周知徹底し、看護師と連携を取りながら、毎日の検温等の中で早期発見、早期治療に努めています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害防災計画を策定し、非常時の安全確保に向けた取組を行っています。防災管理責任者の責務、一般職員の役割、分掌職務、緊急連絡網、災害発生時の体制等を決めています。立地は県道沿いの下方の高台にあり、火災、地震等が災害の想定対象となります。災害時には近隣に住む職員の協力を得られるよう依頼しています。災害時における利用者の安否確認の方法も定めています。備蓄については、在庫数を明記した在庫管理表を備え、管理しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

提供する福祉サービスの標準的な実施方法(業務マニュアル)を作成しています。標準的な実施方法では、バイタルチェック、入浴、食事、おやつ、健診等が決まっています。標準的な実施方法については研修、OJT,個別の指導等により職員へ周知徹底しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

標準的な実施方法(業務マニュアル)については必要な見直しを適宜行っている他、毎月のケア会議・管理者会議等でも検討課題として取り上げています。見直しに際しては担当職種のみならず、他職種の意見を聞き、幅広く検討するようにしています。例えば、経管栄養の方が多い時期では、重度対応の比率が大きくなり、一般の入居者に対するケアが手薄になりがちな体制について、ケアを集中することにより通常通りの体制に戻した活動等、検討を図り解決したケースがあります。個人別の申し送りについては、介助の内容を写真付きで一覧にしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な福祉サービス実施計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

個別的なケアプラン(福祉サービス実施計画)については、計画作成担当者を中心に介護職員・看護職員・相談員等、複数の職種が協同してアセスメントを行い、策定に当たっています。アセスメントの手法については定着し、新人職員についても教示しています。アセスメントに必要な資料類についても定型化が進んでおり、アセスメントで討議する項目の詳細はメモを持参し、提出の上、効率的に会議運営の短縮化を図っています。実施計画が固まった後は着実に実施しつつ稼働の状況をモニタリングし、次の実施可能な計画へとつなげています。支援困難ケースにも積極的かつ適切に対応を続けています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に福祉サービス実施計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

毎月、ケアプラン検討会議を開催し、複数職員から意見の集約を行っています。緊急性が生じた場合は臨時のケアカンファレンスを開催しています。ケアプランの変更については朱記にて記し、進捗・内容も状況に応じて変更した内容で進めています。評価した結果は次のケアプランの作成に生かしています。大幅な変更の場合は期間内でも新しい実施計画を策定することもあります。緊急に変更する場合の仕組みでは、課題や利用者のADL等の変化が著しい等、状況が明確な場合を前提に整備しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

利用者に関する介護の実施状況、バイタル等は適切に記録され、WEB (介護ソフト:カナミック)での記録方式を採用しており、ID・パスワードによりいつでも記録を閲覧共有できる仕組みを整備しています。手書きから統計・分析に活用できるパソコン内での業務に移行するよう職員に促し進めています。また、ケアを通して積み重ねたデータこそが正しい方向性を示すと考え、正しいデータの蓄積に努めています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

利用者に関する記録の保管、保存、廃棄、情報等については、WEB(カナミック)の記録方式を採用しており、個人情報保護のセキュリティは高いと言えます。その上で、管理体制は確立しています。また、職員に対して、就業中、退勤後、退職後のいずれにおいても個人情報の不適切な利用や漏洩を禁じていることを徹底して教育しています。個人情報の管理責任者は施設長とし、職員に対しても入社時に誓約書を交わし、責任ある行動をとるよう研修を通して伝えています。公式には個人情報保護規程等を理解し、遵守するようにしています。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

入居時のアセスメントときめ細かな初期支援により、スムーズなサービス開始ができるよう対応しています。入居後は一人ひとりの生活意向を注意深く観察し、その方の希望を引き出せるような関係性を築き、明らかになった事象は申し送りにより速やかにスタッフ間で共有しています。日常生活では様々な動機付けを行い、レクリエーションや機能訓練等への参加を促し、個人の活動時間を設け、その方らしい生活が送れるよう支援しています。

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:a】

アクティビティの充実により、それぞれの意向で楽しみながら選択できる機会を設けています。自立支援では、残存機能の活用及び必要に応じて福祉用具を導入し、居室内では動線の配慮を行う等、その方らしく自立した生活ができるよう支援を行っています。また、介護支援専門員を通じて成年後見人制度の利用促進につなげています。他、LINE等のSNSの活用を視野に入れ、入居者・ご家族に助言や情報提供を継続して行っています。

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:a】

生活相談員を中心に、意向調査と相談支援を随時行っています。施設ではアクティビティが複数充実しており、個人の希望を尊重して参加を支援しています。行政手続きや買物代行等の生活関連サービスも充実しており、訪問理美容や訪問マッサージ(医療保健にて)も手配可能とする等、入居者の満足度向上につながっています。介護職員は生活相談等を通して、入居者の心身の状況や暮らしの意向等を把握及び理解し、一人ひとりに応じた生活ができるよう支援しています。利用者の心身の状況における要望や訴えを傾聴し、相談や援助を行い、個別性に配慮した生活支援に努めています。また、ご家族に日頃の様子や本人の希望等を伝え、入居者の思いの実現につなげられるよう支援しています。

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:a】

各スタッフ(介護・看護・事務・厨房)は、入居者一人ひとりのニーズ把握に務め、共有を図っています。エントランスホールに隣に事務室があり、エレベーターの乗り降り、居間・食堂や食堂兼機能訓練室へ行く際のコミュニケーションの機会につながっており、気軽に話せる環境作りが成されています。一人ひとりの話を傾聴し、話す・聞く際には個人の尊厳に十分留意し、意思表示が困難な方には時間をかけてマンツーマン対応を行っています。コミュニケーションの方法についてはその方に応じて柔軟に対応方法を検討し、常に笑顔を絶やさず安心感を提供しています。研修では接遇に力を入れて厳しく指導しています。

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

権利擁護の重要性、身体拘束をせずに行うケアの重要性について理解し、スタッフ間で共有し徹底をしています。緊急止むを得ず身体拘束を一時的に実施する場合の手続きについては、繰り返し研修を行い、事例研究を通して理解を深めています。利用者の権利擁護については見える化を推進し、「身体拘束廃止委員会」・「高齢者虐待防止委員会」を設置して再発防止の検討を行い、「虐待0の手引き」を用いて職員研修を実施しています。

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:a】

施設の環境整備では、高台に建つ3階建てであり、展望はとても良く開放的で明るい施設です。季節感を大切にして常に快適で居心地の良い空間作りに配慮して工夫しています。2階、3階は横長に居室が左右に設けられ、廊下は広く生活訓練にも活用されています。入居者の意向等を様々な場面で聞き・把握し、改善の工夫に努めています。施設には明るい職員が多く、入居者は楽しそうに話す姿が見られました。

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

入浴の支援については、利用者の尊厳や感情(羞恥心)に配慮するようにしています。利用者の心身の状況に合わせ、検討と見直しを行っています。利用者の身体状況に応じて一般浴と機械浴を設置し、安全・快適に入浴できるよう適正な人員配置で対応しています。浴室は介護現場では事故が一番多い場所であることを指導し、また身体の隅々まで観察ができ、不審な点も発見できることも教えています。入浴前は看護師によるバイタルチェックを行い、事故のないよう入浴可否の判断を行っています。

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

居室は全室個室であり、洗面所、トイレが設備されています。排泄については、利用者の心身の状況、ADLに応じた支援を行い、介護・看護の協同により、プライバシーを尊重した排泄支援を行っています。排泄困難者については必要な医療支援を行い、その後の健康状態を確認し、状況を共有しています。介助についての研修では、声かけを心がけ、自立でも全員の尿や便を観察し、健康状態の確認を行っています。便秘対策としては食物繊維を多く含んだ食品をなるべく食事で提供するよう工夫し、便意の有無はサービス記録に付けて確認しています。

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

歩行器や車いすの福祉用具の活用により、可能な限り入居者が自力で移動できるよう支援を行っています。見守りが必要な方については軽介助による安全な移動の支援を行い、福祉用具においてもその方の状態に合わせて随時検討と見直しを実施しています。施設には機能訓練指導員が常駐し個人別に身体機能の維持、改善を心がけています。

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

法人の食事の基本は、「おいしく・楽しく・健康に」であり、食を通じて楽しく、食べる喜びを感じてもらえるよう提供しています。食事、献立についてはセントラルキッチン方式を採用し、献立はバラエティーに富んだ和洋中のメニューとなっており、毎月季節感を演出した行事食を提供しています。しかし、施設独自の工夫が難しい点はあります。特別食では、鰻丼、海鮮丼、メロン等が提供され入居者にも好評を得ています。基本方針に、「温かいものは温かく」・「冷たいものは冷たく」を掲げて食を大切に考え、入居者の健康状況に応じた旬の食材を取り入れ、栄養バランスの取れた料理を提供しています。

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

食事の提供については、各入居者の嚥下能力に応じた個別の食事形態で提供しています。むせや飲み込みの低下が見られる場合は必要に応じて言語聴覚士による評価を行い、食事形態の変更によって最後までおいしく経口摂取できるよう支援を行っています。介護職員は食事提供、支援・介助方法等について入居者の心身の状況に合わせて常に検討と見直しを行っています。食事、水分の摂取量を把握し、食事への配慮、水分補給を行っています。

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者のQOLを保持するという認識の下、状態に応じた口腔ケアの支援を行っており、治療が必要な方には訪問歯科診療を受けられるよう介入しています。口腔ケア研修は以前、歯科医師にお願いしていましたが現在は外部講師の受け入れを制限しています。

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

看護・介護が連携し褥瘡対策に取り組んでいます。褥瘡が発生した場合は看護師主導により、治癒に向けた処置を行っています。褥瘡ケアの最新の情報を収集し、日常のケアに取り入れるようにしています。常に褥瘡発生の現状把握を行い、自動寝返り支援ベッドの導入を行い、体位変換、ポジショニングの施行等、標準的な実施方法について職員に周知徹底するための研修を実施しています。

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

24時間看護という施設形態上、看護師による喀痰吸引・経管栄養が常時可能となっています。24時間看護職員が常駐している為、介護職員は喀痰吸引・経管栄養を行っていません。

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:a】

機能訓練指導員が常駐し、入居者一人ひとりに機能訓練計画を策定し、生活リハビリ、個別機能訓練を実施しています。その際、OT・STによる専門的助言・指導が受けられる体制を構築しており、グッドタイムナーシングホーム・宮前の強みでもあります。入居者自らが、健康に留意できる意識を育てるよう支援しています。

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

認知症に対する理解は介護サービスの根幹であると考え、通年、研修を実施しながら取り組み、知識・理解を深めています。BPSDのある方に対してはケアの工夫により、症状改善に向けた配慮を行い、どのような場面であっても受容的な関わり・態度を重視して支援を行っています。認知症の方には個別対応をすることで安心して落ち着ける環境作りの工夫を行っています。施設では、認知症専門医が委託医として診療訪問を行い、定期的な診断によりケアマネジャ・看護師・介護士が一緒に関わり、相談・助言指導を行っています。

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者の急変時の対応については、「急変時マニュアル」を備え、マニュアルに沿って主治医と連携しながら迅速な対応を常時行っています。24時間看護師が常駐しているため、急変時の発見と対応が迅速であることはグッドタイムナーシングホーム・宮前の最大の特徴です。新人職員には高齢者の健康管理や病気、薬の効果や副作用等に関する研修をOJTも含め実施し、個別指導及びその後の指導も行っています。薬が変更になった場合は共有パソコン内の掲示板に告知し共有化を図っています。現在、高齢者の健康管理や病気、薬の効果や副作用等に関する研修はコロナ禍で実施しておらず、OJTを含めた個別指導が中心となっています。体調変化に気づいた際は看護職員に速やかに伝達することにしています。

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

全ての入居者に対し、入居時に看取りについての意向確認を行っています。施設では終末期の方は少なくなく、常時看取り対応が行われている環境下であり、グッドタイムナーシングホーム・宮前では終末期対応に備え、方針と手順を明確にし、ご家族の看取りの意思を確認し、医師から看取りの説明を聞き、同意の上、ご家族、職員、医師、三者で話し合い、入居者本人の意思、ご家族の意向を十分尊重し、経験値の高い介護士、看護師が付き、看取りのオンコールを準備して進めます。職員に対して、終末期のケアに関する研修を実施し、担当職員等に対しても精神的なケアを心がけていきます。

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

ご家族とは電話のみならず、LINE等のSNSの活用も視野に入れ、入居者の情報提供を行っています。また、必要に応じて医師の同席によるインフォームドコンセントも行い、常に最新の情報共有を行っています。ご家族に対しては、月1回お便りを発送し、入居者の変化や心身の状態等について生活相談員を通して報告しています。ご家族の要望等は入所時や来訪時に聞き、相談内容についてはケース記録に記録しています。

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の申し送りや、定期的な各会議開催により、安定したサービス提供を継続できています。施設では、カナミックを活用したWEB記録により常に入居者の最新情報が共有でき、要望のあるご家族にはその記録を毎月情報開示しています。