社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ティンクルくぬぎ坂保育園

2022年12月07日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 ティンクルくぬぎ坂保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60 名
所在地 〒216-0042
川崎市宮前区南野川3丁目28‐11
TEL 044‐920‐9611 ホームページ seisa.or.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2015年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 星槎
職員数
常勤職員:15 名
非常勤職員:13 名
専門職員
保育士:18 名
栄養士:1 名
調理師:1 名
幼稚園教諭:17(保育士兼任) 名
看護師:1 名
施設・設備の概要
居室:0歳児室
居室:1.2歳児室
居室:3.4.5歳児室
居室:多目的ルーム
居室:事務所
居室:相談室
設備:乳児用トイレ
設備:幼児用トイレ
設備:厨房
設備:テラス
設備:倉庫

③ 理念・基本方針
<理念(3つの約束)>
1.人を認める
2.人を排除しない
3.仲間をつくる
の星槎の理念をもとに、こどもたちの健やかな成長のため家庭的な雰囲気の中で保護者を支え寄り添い、こどもたちが安心して生活できる保育園を目指します。星槎の理念のもと、園に集う全ての人に援助をしていきます。

<基本方針>
・集団生活を通じていろいろな活動を積極的に経験し、様々な人と関わり、愛情と信頼感そして人を大切にする心を育てます。
・一人ひとりの成長発達を踏まえ、心身ともに調和のとれたこどもの育成に努めます。

<保育目標>
こころもからだもいっぱいうごかそう
●心身共に健康なこども
●感謝の気持ちを持てるこども
●誰にでも思いやりを持てるこども
●自主性、自発性のあるこども
●創造性のあるこども
●何事にも意欲的に取り組めるこども
●生命の大切さを知るこども

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<ティンクルくぬぎ坂保育園の質の向上に関する取組>
●地域の子育て支援のため、園庭開放や行事に招待
●在園児の体力向上に、体操教室やサッカー教室の実施
●日本の伝統に触れ、礼儀や集中力を養うための和太鼓教室の実施


⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/05/26(契約日) ~2022/11/14(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2017年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【ティンクルくぬぎ坂保育園の概要】
●ティンクルくぬぎ坂保育園(以下、本園という)は、社会福祉法人星槎(以下、法人という)の経営です。法人は「星槎グループ」として公益財団法人、学校法人、一般社団法人等、学校運営・教育事業に力を注ぎ、国内外の支援事業等にも貢献しています。本園を含み6園(川崎市、横浜市に4保育園・2幼稚園)は星槎グループの幼児教育部門として法人全体の理念である共生社会の実現を目指して取り組んでいます。

●本園は、JR湘南新宿ライン武蔵小杉駅からバスで20分、徒歩5分程度の場所にあり、野川の団地や、新旧混在した住宅街に位置しており、1世帯当たりの子どもの数が比較的多い地域でもあります。また、地理的に高津区久末、横浜市都筑区東山田町、港北区高田町とも境を接する地域に所在し、近くには同系列園の野川南台保育園や、ティンクル上野川保育園があります。「全体的な計画」は系列4保育園で一緒に作成し、それに各々の地域性、保護者の情報を加味して園の「全体的な計画」とする等、互いに連携を図り、行事も共同開催の機会を設けています。

●園舎は2階建で、広い園庭を有し、伸びやかな雰囲気があります。園庭は盛り土され、園前の道路からは見られない高さに整備された余裕のある設計となっています。但し、地形が谷戸であり、地上・地下水の水路に当たっており地質に悩みがあるものの、晴天の日は広い園庭で子どもたちは伸び伸びと遊んでいます。園舎1階は、3歳~5歳児の保育室・多目的ルーム・厨房・事務室が設けられ、2階は0歳、1歳、2歳児の保育室、テラス、屋上園庭が整備されています。

◇特長や今後期待される点
1.【園児の体力向上に向けた取組】
●本園では、在園児の体力向上に力を入れ、星槎グループでノウハウを有する体操教室やサッカー教室を実施しています。近年の子どもたちの危機対応力の強化に向けて、足腰を十分に使い、反射的に対応できる能力を身に着けるよう、体力・対応力の増強に努めています。特に、サッカーについては近隣の保育園対抗戦があり、5歳児が全員参加し、チームを形成しています。体操についても、法人学校教育部門の専門職員が指導を行い、基礎から体力増強につながるプログラムが構成され、一人ひとりの体力、危機対応力の向上を図っています。

2.【星槎グループが掲げる共生社会の実現】
●法人の星槎グループでは、集団生活を通じていろいろな活動を積極的に経験し、異年齢、異文化、障害を持った人たち等との交流を図り、法人の幼児教育部門に止まらず、学校法人国際学園や公益財団法人世界こども財団に至るまで「共生社会」の実現に向けた活動を見据えた展開を図り、社会全体の役に立つ人材の育成を展開しています。保育園については、障害を持った子どもを他児と一緒に育成する統合保育のノウハウを有し、障害を持った子どもが入園した場合も統合保育ができる体制を整えています。また、配慮を要する子どもについても一人ひとりの成長段階・発達を踏まえ、心身共に調和の取れた子どもの育成に努めています。

3.【日本の伝統に触れ、礼儀や集中力を養うための和太鼓教室の実施】
●昨今、あらゆる生活場面で刹那的な傾向が窺え、今すぐ結果を得たい・出したい傾向は、思考力の低下につながりかねないことも懸念されています。保育に例えれば、生まれたばかりの子どもが、ポンと手を叩けば、いきなり3歳児、5歳児になるはずがありません。3歳児には3年間、5歳児には5年間の時間が必要で、その間にたくさんの経験をして成長をしていきます。本園では、和太鼓教室を取り入れ、その成長過程の中で日本の伝統に触れ、礼儀や集中力、考える力を養い、他人を認め、協調する等、たくさんの経験を提供しています。子どもたちは、楽譜の無い音のつながりを暗唱し、覚え込み、開始時の挨拶、周りの太鼓との音合わせ、体の構え、打ち方、周りへの配慮等、いろいろな要素が体に染み込んでいきます。また、5歳児が行う茶道も同様です。日本の伝統、礼儀・集中力を養う方法として、本園の和太鼓教室、茶道の経験は、刹那的な時代を奥深く見直すきっかけになると考えます。

4.【地域との連携】
●前回(平成29年度)の第三者評価時では、本園は開所3年弱の新園であり、地域との連携はこれからの課題としていました。立地は宮前区南野川ですが、高津区久末にも接し、横浜市の都筑区、港北区にも近く、行政区画の入り組んだ地域であるため、地域的なつながりが弱く、地域との連携に苦慮されていることも伺いました。それから5年、園庭開放や行事に地域の方を招待する等、様々に取組を行ってきましたが、これらの成果が十分出ない内に新型コロナウイルス禍(以下、コロナ禍)により自粛となり、園庭開放等はほぼ実施できなくなっています。また、近隣はアパートや戸建てが建築され、新しい住民は町内会への帰属性がまだ低く、町内会が十分に機能していない上、コロナ禍になった現状もあります。近所には系列園が2園あり、連携を取りながら少し広域の地域連携を検討していますが、さらにコロナ禍の緩和、収束後に向けて、地域との連携の可能性を検証していかれることを期待いたします。

5.【職員の採用と育成の必要性】
●職員の採用と育成はどの園にとっても最大のテーマです。開園10年目となり、特に、これから園を担っていく人材の確保に併せて、若手の人材を指導できる人材、法人の理念に沿った保育を進められる人材の育成が必要です。若手の人材を指導できる人材については、開所以来の経験値の高い職員が該当すると思われますので、「新5ヶ年計画」の中に新人の採用計画を組込み、法人として採用に努めると共に、中堅職員の教育については、キャリアアップ研修の受講と併せ、系列各園で主任、副主任等に中間管理職としての責任を促し、自ら行動する、他職員と一緒に行う、指導する等、ステップを図りながら育成に当たられることを期待いたします。保育園は人の力に因るところが大きく、機械化できない点が良くも悪くも最大の特徴であり、人の力・「育成」がキーポイントであると考えます。

6.【地域保育園再編と「新5ヶ年計画」】
●前回の第三者評価時に、星槎グループの幼児教育部門において認定こども園への変更を視野に検討されている旨を伺いました。今回特に、社会福祉法人星槎では、野川地区に中規模園が3園あり、川崎市から移管を受けた野川南台保育園は土地が川崎市保有のものであることも踏まえ、園の改築、再編成等が具体性を帯びているとのこと。今回、拝見した平成30年度策定の中・長期計画は、非常に良く練られた内容となっていました。次の「5ヶ年計画」の策定年度は、本来、令和5年度ですが、改築・再編成等については、理事会承認のタイミングや、実際の計画の確定等の時期が不整合にて、令和6年度からとする延期が必要な現状とのこと。環境が整い、実行するための一連の段階、達成するべき意向、ゴールを策定し、前回同様に充実した「新5ヶ年計画」を期待いたしております。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 ティンクルくぬぎ坂保育園  
         
≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取り組みの感想≫

一回目の時よりも年数が経っているので、自分たちのこの5年間のことを振り返ることができました。

保育内容の部分での評価内容の文言が日々、保育している者にとってうれしい評価が多く、うれしく思いました。

≪評価後取り組んだ事として≫

1.B、C評価に関しては、今後、職員と共に改善していくように進めていきたいと思います。

詳細評価PDF 詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

●法人の星槎グループの理念(3つの約束)「①人を認める、②人を排除しない、③仲間をつくる」を、子どもたちには何かを始める前に言葉にして伝え、職員には入職時、新任研修により周知を図り、日常的に会議の前等に理念について話し、職員が常に目にする場所に掲示しています。理念を基に「全体的な計画」を作成しています。星槎グループの理念(3つの約束)等は重ねて保護者にも伝えています。理念の展開については、以前は法人の学校運営内における保育園として位置しており温度差がありましたが、幼児教育部門を「社会福祉法人星槎」としてまとめ、現在は保育園に合った形で展開しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

●地域の園長会については、コロナ禍初期には実施されない時期もありましたが、昨年から区の園長会はリモートで復活し、現在は参加式とズームの併用で国・川崎市に関する情報を入手し、把握しています。また、系列園の4園の園長会議を年3回開催すると共に連絡・連携を図り、「全体的な計画」4園で検討し、骨子を作成しています。計画を基に各園の地域性、特徴を加味して個別の「全体的な計画」を作成しています。地域の動向、要望についてはコロナ禍で自治会との連携がやや疎遠となっており、コロナ禍収束後を踏まえて検討を期待いたします。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

●経営課題についは、前回の第三者評価実施後、経営分析を行い、平成30年4月に中・長期計画(5ヶ年計画)を策定し、計画に沿って理事長及び法人系列園4園の園長で経営課題を話し合っています。また、法人としての決算書を作成し、法人理事会等に提出し、運営計画、結果報告等を行っています。特に、野川南台保育園の園舎建て替えの問題や地域の子ども数等の推移を睨んだ将来構想等、これからの野川地区の将来について、改築も視野に検討を進めています。選ばれる保育園となるための構想、星槎グループの大きなテーマである「共生社会」の実現に向けた活動の展開も見据えています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●星槎グループは、共通の理念を基にグループとしての中・長期計画を策定しています。本園では、平成30年4月に、星槎グループ全体のものと関連付けた中・長期計画(5ヶ年計画)を策定しています。中・長期計画は保育ニーズの多様な変化への本園としての特性を生かした地域社会への貢献を目指し、5年後、10年後も地域に選ばれる保育園を目指す計画となっていますが、数値目標の設定はありません。次回の中・長期計画は令和5年度が策定予定年度ですが、計画のタイミング等の問題で1年遅らせて令和6年度に目標値を定めて作成したいと考えています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

●中・長期計画に沿って星槎グループとしての事業計画を策定しています。社会福祉法人星槎としては法人系列園4園まとめたものを作成した方が良いと思いますが、現状は各園で毎年、運営・事業計画を立案し、理事会に諮っています。決定した運営・事業計画は、職員会議で職員に説明を行い、共通理解ができるようにしています。本園ではこの計画を基本として「全体的な計画」と年間行事計画を策定し、それに沿って各年齢別に年間指導計画を策定しています。また、職員の育成指導に力を入れ、年3回、MBO(目標管理)の「自己申告書」に沿って各自面談を行い、年度始めに目標を設定し、秋には途中経過を確認し、年度末には振り返りを行う等、一人ひとりの育成に努めています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

●事業計画は、中・長期計画及び昨年度の事業計画の振り返り(課題抽出、改善点)を念頭に、次年度の計画を定期的に手順に沿って策定しています。事業計画は、職員会議等で職員に説明及び周知を図り、職員一人ひとりのMBO目標に関連付けを持たせています。職員は定期的に取組、進捗状況を各職員の自己申告書により確認し、職員の評価にもつなげています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

●保護者には、事業計画をブレイクダウンした年間行事計画として配付し、全体的な計画、年間行事計画として説明を行い、入園のしおり等に概要を集約し、懇談会等で報告しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

●PDCAサイクルに関しては、全職員がMBOの「自己申告書」で本年度の目標を策定し、年3回園長との面談を行い、各職員の目標設定の修正を実施しています。年度末に1年間の振り返りと反省を行い、次年度の目標作成への継続性を実施しています。年1回、保育所の自己評価と保育士の自己評価を実施し、第三者評価も今後継続して受審していく予定としています。クラス会議、乳幼児会議、リーダー会議、行事担当者会議、職員会議、カリキュラム会議等を組織的に活用しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

●年度末に、毎年実施している保育所の自己評価を通して保育サービス内容の確認をしています。評価結果を基に改善すべき所は迅速に対応し、できることは必ず実行するようにしています。保護者の意見の結果・内容は全職員で共有し、改善に当たっています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

●園長は年度当初の会議等で自らの役割と責任を明らかにし、今年度の事業計画や園長としての目標等を伝えています。園長の職務内容については法人組織規定に定め、役割分担表、保育園職員マニュアルに園長以外の期待像も明記しています。園長としての責任は十分に務めています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●運営規程や就業規則、個人情報保護規則に、遵守すべき法令に関する事項を明記しています。園長は、法人系列園長会や川崎市、区等主催の研修で法令遵守、パワハラ、コンプライアンス、リスクマネジメント等を受講し、受講内容は会議時や園内研修時に職員に周知し、知識の共有を図っています。経理では100万円以上の経費は理事会に諮り、且つ、高額購入については必ず数社から見積もりを取り、特定業者との癒着は無いようにする等、公明正大な取引を心がけています。保育内容についても、SDGsに取組み、コンポストの活用等を指導し、SDGsについて子どもたちに伝え、川崎市で発表しています。また、有事、災害時のマニュアルを作成し、外部に向けて発表し、無駄な照明の消灯、省エネを指導する等、法令等に沿って取組を心がけています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

●サービス内容の是非について、保護者参加の行事ごとにアンケートを実施し、保護者の意見を抽出し、集計結果、意見内容は全職員で共有し、できる改善は必ず、迅速に進めています。職員に関しては、職員会議(カリキュラム会議、園長・主任会議を含む)、乳児会議、幼児会議、調理会議、パート会議に園長が出席するようにして指導を行っています。非公式な情報については、MBOの「自己申告書」を基に個々に面談で把握し、必要に応じて教示し、保育の質の向上に努めています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

●MBOの「自己申告書」を基に職員面談を年3回行い、職員個別の状況を正しく判断し、改善を図るようにしています。日常的な例では、園舎内の各間取りは大きく設定され、1階は3~5歳児保育室、多目的ルーム、2階は0歳児保育室、1~2歳児保育室の4部屋があり、これらの部屋割りに対して年齢別クラスを基調にしつつ緩やかな異年齢体制を定着させる工夫、楽しい雰囲気に転換する発想があり、楽しい保育園運営に努力されています。また、ハード面に限らず、職員が働きやすい環境作りを行い、業務の実効性が高められるよう実行しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●本園では現状、人員の確保は余裕がある体制で推移しています。しかし、法人全体としての人材確保では困難な状況も見られ、本園にしても人員体制の確保ができていることで、採用に関して様々な要因を省みる面もあります。通勤には駅からバスへの乗り換えが必要であり、職員には近隣での居住を推奨し、家賃・駐車料を園が負担する等の優遇があり、職員の定着につながる要因になっていますが、自宅通勤者等、通勤面の考慮としてさらなる魅力向上への課題が残ります。これらを踏まえ、実習生の受け入れと就労に力を入れていく必要性を鑑み、長期計画の人員計画の体制整備が不可欠としています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

●「期待する職員像」については施設管理規定に定め、「保育園職員マニュアル」にも明文化しています。就業規則、給与体系表等の整備を行い、人事考課は5段階で評価し、毎年、昇給制度を設けています。また、キャリアアップ制度の処遇改善対応を行い、広範囲のキャリアアップ研修には該当者の研修への出席を優先し、レベルアップに寄与しています。制度は完備しており、スキルアップに向けて指導しています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

●人事労務管理に関しては、職員の出退勤、超過勤務、休暇取得状況を管理し、休暇取得と仕事の進捗状況の双方のバランスを確認し、配慮しています。職員面談は年3回実施し、悩みの相談窓口は園長とし、心身のケアに配慮しています。さらに、シフトを細かく設定し、経験値の高いパート職員を揃え、残業の軽減を図り、休日の取得や、年休は年間、最低10日間は取得できるようにし、夏季休暇も5日間取得するよう薦める等、職員が働きやすい仕組み作りに努めています。法人での共通した取組もあり、職員の意向を鑑みつつ、改善が必要であれば希望に沿うよう考えています。面談では、異動の希望、担任の希望等も話し合い、個人的な相談・体調等のケアも行っています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●MBOの「自己申告書」を中心に職員面談を年3回行い、1回目は年度前半時期に達成可能な目標設定を行い、2回目中間期は進捗状況の確認や目標の修正、達成への助言を行っています。年度末の3回目は振り返りと次年度への課題確認、保育士自己評価を目的に行うことを職員に知らせています。面談により職員との意思疎通を図り、人材育成の要として位置づけています。面談時には職員から業務改善提案を積極的に聞き取り、園全体及び法人で共有し、職場改善に結びつけるようにしています。園長等幹部が気付かない提案もあり、改善に役立っています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

●研修計画は事業計画の中に位置づけ、前年度の振り返りと本年度の人材育成を考え合わせ、園内・外部研修を計画し、実行しています。定期研修では系列園4園での研修を年3回設け、川崎市主催等の研修にも参加しています。研修は、正規職員・非常勤問わず希望を聞き、参加できるようにしています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

●職員が専門資格を取得した場合は、報告を受けて確認し、入職以降の研修受講履歴として把握しています。新人研修は、法人に関する理解を深め、配属後に意識統一が図れるようにしています。他、階層別研修、テーマ別研修、スキルアップ研修、主任教育研修等を設け、外部研修を含めて1人年1回は研修を受講できるよう考慮しています。横浜市主催の研修や保育センター(白峰学園)主催の研修、川崎市、宮前区主催の研修等についても情報提供を行い、職員に受講を勧めています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

●実習生受け入れマニュアル(実習に当たって)を整備し、基本姿勢・受け入れ手順・配慮事項等を明文化しています。実習に関する窓口は園長と主任保育士とし、各クラスの担当保育士が責任を持って実習生の育成に当たっています。また、実習生、インターンシップ、職業体験等の学生に対して、後輩育成の観点から指導、助言、相談を行う姿勢を全職員が持ち、対応する旨を申し合わせています。実習生の受け入れでは、事前にオリエンテーションを行い、目的、責任実習の有無、入りたい年齢のクラス等を打ち合わせ、実習生本人の希望が叶うよう調整しています。実習依頼校の担当者には、保育園訪問時に学生の状態を伝え、より良い実習に向けて連携を図っています。実習期間中は毎日、担当保育士と振り返り、具体的に指導を行い、最終日には実習生と関わった職員、主任、園長とで反省会を設け、全体の振り返りを行っています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

●ホームページに、理念、保育方針、保育活動内容、園の情報から決算報告書まで公開し、透明性を図っています。また、ホームページを通して保育に関して情報提供しています。園のパンフレットにも理念、園目標等、わかりやすく掲載し、地域にも配布しています。保護者には、入園時のクラス懇談会で入園のしおりに沿って園の詳細な内容について詳しく伝えています。法人に関しては、区役所を通して地域に情報公開しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

●事務、経理、取引等について経理規定を設け、職員に周知し、規定に沿って業務を遂行しています。原則、経理は法人の管轄で行って内部監査を行い、本園の運営費は、徴収する食事代他+αにて小口の出金対応を行っています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●一般が参加できる園行事等については、区の掲示板に公表し、コロナ禍以前はランチ体験、2歳児と一緒に遊ぶ交流保育等、様々に企画をして周知していました。法人では「地域貢献」を掲げ、保育園も意義を持って運営されていますが、コロナ禍で開園以来の取組が滞ってしまっており、今後、コロナ禍が収束した時点で再度企画の検討及び実施に期待されます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

●一般市民のボランティアは、希望があればいつでも受け入れる方針ですが、コロナ禍により中学生の職業体験も受け入れていない状況にあり、停滞しています。今後、コロナ禍収束後、受け入れる取組等を期待いたします。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

●川崎市・区等の保育所関係連携会議(園長会、幼保小連絡会等)、地域社会福祉協議会・地域民間保育園協会等へ参加しています。その他、中部児童相談所、川崎西部地域療育センター、こども文化センター、区役所、警察、消防署、近隣医療機関等の関係機関と連携を図っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●本園は自治会と連携を取り、園行事等については必ず近隣に案内しています。自治会とのお付き合いはありますが、コロナ禍でその連携は疎遠になっています。また、区の民生委員会議への出席や、民生委員他との交流、会議の案内も同様に自粛傾向となっています。自治会の回覧情報も現在は郵送となり、また、自治会の再編もあり、活動は停滞していますが、祭りの案内はいただいています。地域福祉の活動ではコロナ禍以前は離乳食講座等を実施していました。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

●地域貢献に係る活動として、コロナ禍以前は、園周囲の落ち葉清掃、公園清掃等を行い、地域親子の居場所として園庭開放、育児講座(園庭で作ったサツマイモの蔓でのリース作り等)、交流保育(親子でのリズム遊び等)、一時保育等を実施し、地域に貢献していました。しかし、コロナ禍の影響で継続的に実施できなくなっています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●子どもを尊重した保育については、法人理念に明示し、職員に対して園内研修を通して理解を促しています。倫理に関しては全国保育士会倫理綱領の読み合わせを行い、保育職員の姿勢に関する討議を図る等、共通理解に努めています。保育に関する基本姿勢は職員マニュアルに定め、きちんと取り組めています。日々の保育日誌には子どもの思いを聞き、子どもの思いを取り上げた内容を記載し、保育に生かせているかを振り返りを行っています。また、職員は性差、文化の違い等に対する固定的な価値観で保育をしないことを共通認識としています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

●法人共通の職員就業規則、個人情報保護規定、特定個人情報取扱規定を備え、個人情報に関する職員の守るべき姿勢を定めています。職員とは職務遂行する際の守秘義務について誓約書を交わしています。コンプライアンスについては園内研修やミーティングで取り上げ、職員の理解を深めるよう指導しています。プライバシー保護には、十分配慮し、シャワーでは目隠しブラインドを使用し、子どものプライバシーを確保し、ホームページ等の写真掲載については、同意書の他、保護者に確認をとる等配慮しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

●保育所選択に必要な情報の提供については、宮前区役所にパンフレットを置き、ホームページでは写真を用いて園紹介を行い、必要な情報を提供しています。園見学希望者に対しても、情報提供を積極的に行い、月曜日から金曜日迄の希望の日時を設定し、主任又は園長が説明を行っています。見学の際は、園の概要が分かるよう本園のリーフレットを渡し、保育理念や基本方針は玄関横のボードに掲示しています。リーフレットは毎年見直しを行っています。園が実施する手ぶら登園(おむつ処理をすべて園で行う)も本園の特色です。ホームページは閲覧数が多く、新しい情報の更新を心がけています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

●新入園児に関しては、保育開始前に入園説明会を実施し、「重要事項説明書」を基に保育内容を説明し、保護者と利用契約書を交わしています。入園まで必要に応じて繰り返し説明を行っています。大きな変更がある場合には保護者説明会を開き、説明を行い、同意書を取って確認をしています。要支援保護者に対する説明に関しては、支援内容に応じて個別に対応するようにしています。例えば、外国人の保護者への説明等、ルール化はしていませんが英語以外の言語でもスマホの翻訳機能を活用して対応するケースもあります。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●途中転園した子どもの情報については、個人情報であり、基本的に情報提供や保育の引き継ぎは行わず、保護者から伝えてもらうようにしています。しかし、区役所を通して情報を伝える場合もあります。卒園児に関しては継続性を持ち、園長が窓口となっていつでも相談ができる旨は口頭で伝えていますが、文書化や文書での配付は行われていないので、文書化の備えを期待されます。卒園児(小学校1~2年生)に関しては、夏休み、春休み等に「お帰りキッズ」として保育園で3日間預かる事業を実施し、保育継続性への配慮に努めています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●利用者満足の把握に関して、子どもについては、日々の保育の中で過ごす様子等から安心感、満足感を読み取っています。保護者については懇談会やアンケート等で意見を抽出しています。保育懇談会はコロナ禍により中止とし、その中でも0歳は保育参加、1~5歳児については保育参観を実施しています。昨年は幼児になる2歳児、小学校へ就学する5歳児のみ行いました。今年度は広範囲に実施を検討しています。保護者アンケートについては、本園からアンケートに対して説明回答を出し、全家庭に配付しています。年度末には保護者による保育所の自己評価をお願いする取組を実施しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

●苦情解決については、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者苦情解決委員を設置しています。苦情解決のチャート図及び苦情解決第三者委員は玄関に貼り出しています。重要事項説明書に苦情解決の仕組みを掲載し、意見箱を設置し、誰もがいつでも意見が述べやすいようにしています。苦情の記録は保管し、個人が特定されない内容については公表し、特定される場合には提案者に確認した上で了解が得られれば公表しています。苦情は、保育の質の向上につながることとして位置づけ、園内で共有しています。また、事実関係を的確に把握し、主任、園長を中心に職員間で討議を図り、事実に基づいて改善への取組を行っています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

●相談や意見を述べやすい環境に関しては重要事項説明書に、相談窓口を明記しています。手段は連絡ノート、意見箱の利用、電話等で受け付ける事を入園時やクラス懇談会等で伝えています。相談については相談室もしくは事務室で対応し、いつでも相談を受けられる体制を整えています。相談の際には、意見を伝えてくれたことへの謝意や改善に向けて取組むことを伝えています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

●保護者からの相談や意見は、毎日の送迎時、個人面談時等を利用して迅速に対応しています。保護者には入園説明会時、園だより等でいつでも相談に応じることを伝えています。相談や意見を受け付けた際は、苦情処理規定等に沿って対応するようにし、内容を把握し、主任及び園長に報告し、主任及び園長は事実確認を行い、適切かつ迅速に改善に向けた取組を図り、改善結果を提案者に伝えるよう体制を構築しています。対応マニュアルは年度末ごとに見直しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

●事故等に関しては、事故報告書やヒヤリハット報告書に沿って、園内での事故やケガの際の振り返りと対策を講じるようにしています。職員から改善に向けた意見が出された時は、積極的に取り入れ、マニュアルは定期的に見直しを行っています。ヒヤリハットに関しては朝会で報告し、必要に応じて職員会議に上げ、情報として記録に残すようにしています。首から上のケガについては保護者の了解を取った上で必ず病院を受診させています。リスクマネジメントに関する委員会等は設置していませんが、何かあれば常に職員全体で共有する体制を講じています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●感染症対策については、感染症ガイドラインに沿って園内での体制を整えています。看護師は勉強会を行い、感染症対応マニュアルに基づいて予防と発生時の対応を職員に教示しています。看護師はパートも含めた全職員に、嘔吐処理、手洗い方法等を年度当初及び流行時に園内研修を行い、技術を教示しています。毎日、遊具、トイレ、床、保育室の消毒を行い、衛生管理を行っています。マニュアルには感染初期に発見できるためのガイドラインも組み込んでいます。マニュアルは定期的に見直し、新型コロナウイルス対策についても追加記載しています。感染症が発生した場合は、玄関や各クラス、廊下掲示板、ホームページ等に情報を掲示し、保護者に周知しています。また、「ほけんだより」でも感染症予防や予防接種、看護の方法等を掲載し、保護者に啓蒙しています。検温・消毒を毎日行い、殺菌庫(乳児用)を購入し、玩具の殺菌を実施しています。幼児のクラスではブロック等1つずつの玩具を午睡時に消毒しています。看護師は常々感染症についての情報を保護者に周知するようにしています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

●災害配備分担表を事務室に掲示し、非常時の体制を明確にしています。保育園の所在地はハザードマップでは危険区域に入っていません。避難訓練は毎月実施していますが、9月(含む引き取り訓練)と2月(系列3園共同)で大規模な避難訓練を行い、残り10回は本園としての避難訓練を実施し、不審者対応を含めて訓練を行っています。備蓄品はリストを作成し、買い替えや備蓄品の取り扱い、保管場所の整備を行っています。AED取扱いについては、デリバリー講座に毎年職員が参加し、子どもの安全確保のために備えています。バッテリー交換は業者が実施しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

●標準的な保育の実施方法については「保育園職員マニュアル」を整備し、様々な手順を全職員ができる体制を整えています。保育園職員マニュアルには全国保育士会倫理綱領、保育士の心構え、保育士の職務、子どもの健康等について、児童憲章、階層別期待像等、細かく記載してあります。保護者からの意見や要望も盛り込むようにしています。パート職員についても、保育を実践することでは正規職員と同様の行動が必要であるため、パート職員一人ひとりに保育に関係するマニュアル集を手渡し、質の高い保育の推進を図っています。区役所から配付される保育のポイント集等はパート職員を含む全職員に示し、質の向上に努めています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

●標準的な保育の実施方法(保育園職員マニュアル)の検証・見直しに関する時期やその方法は、クラス会議で日々の保育、今月の保育の振り返りの中で行っています。また、月間指導計画はカリキュラム会議でも見直しを行い、年間指導計画では年度末に再度振り返りを行い、次期について検討を図り、振り返りの内容はマニュアルに反映させ、保育に継続性を持たせています。期末の反省は3月の最終土曜日に全員集合で話し合うようにしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

●指導計画策定の責任者を主任とし、クラスリーダー、乳児・幼児リーダーは指導・助言を行っています。年間指導計画や月間指導計画は全体的な計画に基づいて策定し、乳児の月間指導計画は、個別で作成して個別配慮や保護者のニーズ等は「内容」、「配慮」の欄に記載しています。幼児の月間指導計画は、クラス全体で記載し、個別配慮や家庭環境等は「個別配慮」の欄に記載して留意しています。アセスメントの話し合いは、全体と個別に行い、外国籍の家庭の言語問題、看護師対応でアレルギーの問題等を話し合い、特に、アレルギーでは情報をしっかり把握し、間違いの無いよう体制を整えています。月間指導計画はカリキュラム会議で検討を行い、内容は職員間で共通理解を図っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

●月間指導計画の見直しは定期的に月末にクラスごとに行い、カリキュラム会議で検証しています。検証内容に基づいて、翌月の指導計画を策定しています。また、年間指導計画については年度末に反省して次につなげるようにしています。反省は担任を中心に行い、次期の担任に伝達するよう進め、こまやかに連携を図り引き継ぎはスムーズに行われています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

●子どもの発達や生活状況については、園独自で作った書式に記録し(児童票、健康台帳、保育日誌、経過記録)、保管しています。書式への記載はイニシャルで記載するようにし、全職員で共通理解が図られています。書式はパソコンで入力できるようにしています。記録では、記載前に必ず朝会で話した上で記録されています。朝会は8時30分から開始しますが、シフト、子どもへの対応者を考慮し、基本的には乳児・幼児の代表者が出席して行い、代表者が各クラス職員全員に伝達を行い、情報の共有化を図っています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

●子どもの記録の保管、保存、廃棄、情報提供については、内容に応じて保管期限を定め、書類は鍵のかかるロッカー等で保管しています。廃棄については公的基準に準拠して実施しています。個人情報保護規定に反する不適切な利用や漏洩に対しては、対策と対応方法を定め、職員と守秘義務誓約書を交わしています。園長は、記録管理の責任者として書類等の管理を行い、職員へ個人情報の遵守に関して、個人情報保護規定や社会での事件を基に研修や討議の機会を設け、USBの持ち出し禁止等、細部に渡って職員に徹底しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

●全体的な計画策定については、法人系列園4園で共同策定を行い、各園で地域性、家庭の事情を加味して園の「全体的な計画」を策定しています。策定に際しては児童憲章、保育所保育指針等の趣旨を踏まえて作成しています。計画の策定は園長、主任を中心として行い、職員は年間指導計画、月のカリキュラム、週案等の振り返りを行い、「全体的な計画」の見直しに生かしています。現在長期5ヶ年計画の最終年度にあたり、来年度の長期計画策定に向けて動き出さねばならない時期ではありますが、野川南台保育園の園舎建て替え問題が計画途中であり、理事会決定等のタイミングの問題や、併せて保育園経営に対応する需要の有無の検討も必要なため、5カ年計画の初年度を1年延長する検討も行っています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

●子どもが心地よく過ごすことのできる環境については、各クラスは壁で仕切らず、大きな保育室の設定とし、限られた空間を工夫し、十分に配慮が成されています。実例では、壁面等への貼り出しは、布に刺繡やフェルト等を用いて温かみを演出したり、クラスの壁を無くし自然な形で異年齢保育が進んでおり、異年齢3人組が日常的に仲良くしている光景が見られます。子どもにとって最善の環境を大切に考え、より良い体制が生まれています。本園では、幼児保育室が1階、乳児保育室は2階に保育室を設定しており、乳児はすぐ庭に出られる1階の位置決めが良いという見解でしたが、安全な屋上園庭を整備して2階での乳児保育室の体制を整えています。また、園内の消毒、玩具等の消毒を十分行い、寝具は簡易ベッド(コット)を清潔に継続して使用しています。周辺環境では、近くに公園がたくさんあり、川岸には季節の草花、川には魚や亀が生息し、自然環境に恵まれています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

●本園は、60名定員(0歳児6名、1歳児10名、2歳児以上は11名)の保育園であり、1クラス12名以下の体制にて子どもに対して目が行き届き、職員一人ひとりが温かい保育を実践しています。特に、0歳児クラスは担任にフリー職員、看護師を含め3人で保育に当たることが多く、丁寧な保育ができています。各家庭環境等についても全職員で状況を把握できるよう会議で共有を図っています。保育の基本については、独自の「保育園職員マニュアル」を作成し、職員に配付し、保育の指針として常に参照しながら説明を行い、標準化に努めています。複数の担任が在籍するクラスでは、先輩保育士が後輩に教示しながらOJTを行い、他クラスでは大きい保育室の特性を生かして、他の保育士の保育を参考にしたり、相談や意見を求められる体制を整備しています。虐待を万が一発見した場合は、保育士がしっかり確認し、様子をミーティング等で伝え・話し合うよう指導しています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

●子どもとの信頼関係を大前提とし、子どもの健康及び発達を把握し、一人ひとりに合った対応を心がけ、年齢に応じて生活習慣が身に付けられるよう援助しています。本園では、「自分でしようとする気持ち」を大切にし、主体性を尊重しています。例えば、トイレトレーニングについても、子ども一人ひとりの成長状況に応じて、焦らず、タイミングを見極めるよう職員全体で話し合いながら進めています。食事については、乳児の間は「待つ」ことを考慮して先に食事を行いますが、幼児はみんなで一緒に「いただきます」を言ってから食事を取るようにします。歯磨きでは、0歳、1歳児は食後の口ゆすぎを行い、2歳児以上は歯ブラシを使用し、3~5歳児は磨く時間の測定に砂時計を利用して歯磨きを行っています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

●子どもたちの発達に応じた、子どもが興味を示すような内容の保育を展開しています。社会的ルールに際しては、園来客者には挨拶をする、散歩で会った人には挨拶をする、年長児はゴミ拾いをする、公共交通機関(バス等)を利用して出かける時は社会的ルールを守ることを伝えています。また、出かけた先でお土産の買い物を行い、決まった金額の範囲内での買物を学ぶ等、社会性を養っています。さらに、お茶会、体操、和太鼓、サッカー等を通じて、全園児が様々な経験をし、日々の生活が豊かになるよう努めています。3月には日頃の生活の発表会を区の公会堂で実施します。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●0歳児クラスについては、「保育の力」が必要と考え、担任に経験値、保育力の高い保育士を配置するよう配慮しています。現在、看護師、フリー保育士を含め3名の保育士が丁寧に保育に当たっています。0歳児クラスの担当職員については、情緒の育みを含め、大人に対する愛着が育成されることを踏まえ、経験値の高い保育士が当たると共に若手職員との組み合わせで育成を図り、全職員が0歳児担当をできるよう力を入れています。看護師は前任と交代して2ヶ月ですが、フットワークも良く、保護者からの信頼も得ています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●3歳未満児(1・2歳児)についても、0歳児と同じで、保育士によって愛着が育成されるので、3歳未満児に合った言葉がけを大切にしています。行動範囲が広がり、探索活動も部屋遊び、近隣の畑や公園等に広がり、色々な場面の中で、適切な関わりを行っています。担任以外でもフリー保育士が関わって保育に当たっています。保育の方針は「全体的な計画」の年齢別の中に示し、計画に沿って保育を実施しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●幼児(3歳以上児)は、集団の中で友だちと関わりを持つことが大切な時期となり、子どもたちの朝の会(3歳~5歳児)を設けています。年長児は、コロナ禍前までは2歳児の「とんとんのお当番」等を手伝っていましたが、最近ではパジャマの着替え等、少しずつ午睡の当番を始めています。「全体的な計画」の考え方としては、3歳児は一緒に遊ぶ楽しさを、4歳児は皆でやる方法を考えることを、5歳児は各々の展開ができるよう環境を整え、年齢や子どもに応じた援助を心がけて保育を進めています。やりたいことを一緒にできるようにする楽しみを保育士が援助しながら進めています。保護者への連絡については、直接言葉で伝達するように心がけています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●障害者保育については統合保育を基本としています。法人星槎グループの始まりが、身体、精神に障害を持った子ども、人種、言語等で思うような教育を受けられない子どもたちの為の「塾」からスタートした団体であり、障害児教育、障害児保育のノウハウと実績を持ち、障害等を持った子どもたちに「自分は必要とされている」という気持ちを持たせることを基本とした保育を展開できる体制が根底にあります。但し、本園では現在、障害等を持った子どもは在籍していません。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●子どもの在園時間を考慮して、静と動の活動のバランスを考慮し、休息の取り入れ、午睡時の安眠等、環境に配慮しています。現在、特別に長時間の子どもはいませんが、長時間保育の場合は1日の流れを考えて計画を立案しています。連絡については、乳児は連絡ノート、幼児は引き継ぎ用の連絡ノートに記入し、遅番の担当職員が必ず伝達するようにしています。現在は延長保育利用者が少人数であり、個別に目が行き届く体制となっています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

●コロナ禍以前は小学校との連携の中で、1年生の授業参観に卒園予定児と保育士が参加し、卒園児と2年生になる子どもの交流会等を実施していました。コロナ禍後、交流を控え、小学校からクラス編成の際の参考に子どもについてお伺いがある状況であり、小学校との意見交換等の連携は希薄になっています。小学校へは保育要録に「就学前までに育てたい10の姿」等を記入できる新しいフォーマットで提出しています。また、本園では小学校のスターティングプログラムに対応するアプローチカリキュラムを作成し、実施しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

●マニュアルや保健計画、看護師の助言に基づき、子ども一人ひとりの健康状態を全職員が把握しています。子どもの健康等の情報は職員に伝え、共有しています。SIDSの危険性については、入園時に保護者に伝えると共に職員も管理できる体制を整えています。SIDSを含む健康管理について、看護師が在籍して適切な管理が成されています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

●園医による健康診断は、0歳、1歳児は毎月2回、2歳児から5歳児は年3回実施しています。0歳、1歳児の健診については、月の1回は園での健診、2回目は電話で確認を行い、2歳児から5歳児の健診では全て園で実施しています。歯科検診については、1歳児以上は年2回実施しています。0歳児については、10月~11月に1回検診を行っています。保護者には健診結果を知らせ、園と共有しています。歯磨きについては年間計画を作成して実施しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

●アレルギー疾患のある子どもは少数であり、さらに半年位で改善できる疾患が多い状況です。アレルギー疾患に対しては、川崎市の「健康管理マニュアル」を基に、子どもの状況に応じた適切な対応を行っています。基本的には代替食を提供し、アレルギー児の食事では、食札、別色のトレイを用い、隣の食品に手が届かないよう机を離し、チェックの上、配膳を行っています。職員は、アレルギー疾患研修に参加し(キャリアパス研修のプログラム内)、知識を得、得た情報は職員間で共有するようにしています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

●食事に関して、コロナ禍(特にクラスター問題)により黙食の時期もありましたが、現在は感染防止に努めつつ子どもたちが楽しく食事ができるよう様々な工夫を行っています。マスク着用については、子どもに一斉に強要することはせず、保護者が園でもマスク着用を促すことは自由として進めています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

●栄養士は各クラスを巡回し、給食、おやつの様子や子どもとの会話を通して喫食状況を確認しています。毎月、反省内容を月の献立会議に反映させ、給食日誌には毎日の残食、検食等を記録し、献立・調理の工夫に反映させています。季節感のある食材や行事食を取り入れ、見た目も楽しく、美味しく、安心して食べることのできる食事を提供しています。行事食については、栄養士が子どもたちの要望等に沿って提供しています。園庭ではトウモロコシ、さつま芋、オクラ等を栽培し、給食に加えたり、自宅に持ち帰る等、自分で育て、収穫したものは、子どもたちは興味を持ち喜んで食しています。栄養士は食事前に3色食品群について子どもたちに伝え、体の栄養について知る機会を提供しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

●各家庭との連携を図るために、丁寧に家庭と連絡を取り合っています。本園では保育ソフト「はいチーズ!」を採用し、コロナ禍以前は個人面談時に子どもの動画を見せる等、活用し、懇談会では午睡時に来園してもらい、子どもの起床後に一緒におやつを食べてもらう等、園の様子がわかるよう工夫していました。個人面談については、乳児は1日保育士、幼児は保育参観を設け、いつでも参加できるようにしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

●保護者からの相談について、日々の生活の中で聞かれたことは適切に対応するようにしています。また、園から声をかけて話すこともあります。保護者から要望がある際は、就労状況を考慮しながら日時を決めて個別面談を行うようにしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

●家庭での虐待等、権利侵害の疑いのある子どもに対して、虐待予防や迅速な判断ができるよう、登園時での親子の表情、保育中に身体のあざ等の視診を行い、不審な場合は写真に記録しています。対応について、大まかなマニュアルは作成していますが、これまで虐待の実態がないことを理由に取組があまり進んでいない状況です。万が一の対応として、また、見極める際の経験値の不足を補うためにも、体制の確立、詳細なマニュアルの作成を期待いたします。また、実例の積み重ねの勉強会や、中部児童相談所の事例等を話し合う機会を設ける等、取組に期待いたします。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

●自己評価の実施、職員間の話し合いの記録を通して、保育の改善や向上に取組んでいます。職員は、年度初めにMBO「自己申告書」を園長に提出し、自己評価は保育力向上の位置づけとして年3回の面談の中で詳細に話をし、保育実践等の振り返りを行っています。年度末に職員の自己評価を行い、職員自身の保育業務においての振り返り及び課題を抽出し、次につながるようにしています。年間の指導計画、月間指導計画、保育日誌等でも振り返りを行い、より良い保育実践へとつなげています。反省については、顧みたことよりこれからできることを書くよう伝え、質の向上に力を入れています。