社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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レインボー保育園

2024年04月03日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 レインボー保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60(65) 名
所在地 〒245-0053
横浜市戸塚区上矢部町2030番地4
TEL 045-811-3328 ホームページ https://rainbow.ed.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1971年06月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人レインボー保育園
職員数
常勤職員:19 名
非常勤職員:20 名
専門職員
保育士:27 名
栄養士:2 名
管理栄養士:1 名
社会福祉士:1 名
子育て支援員:1 名
施設・設備の概要
居室:1階保育室(にじのへや)
居室:2階保育室(もりのへや)
居室:3階保育室(おひさまのへや)
設備:レインボーひろば分室
設備:調理室
設備:事務室
設備:多目的ホール
設備:乳児用トイレ
設備:幼児用トイレ
設備:屋上園庭
設備:園庭(レインボーひろば分室)

③ 理念・基本方針
<理念>
1.知育・徳育・体育の三位一体の養育
2.保護者の就労保障と育児支援

<基本方針>
●人の役に立とうとする人に育てましょう
●子どもと共に、親や職員も育ち合いましょう
上記に加えて、を掲げています。

<保育目標>
1. じょうぶなからだ
2. 思いやりのあるやさしいこころ
3. 意欲のあるがんばる子

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<レインボー保育園の特徴的な取組>(基本情報Ⅰ-3の記載事項)
●定員60名のアットホームな保育園です。
●設立以来地域のみなさまと共に歩み、50余年。約650人の卒園生がいます。
●区内で2か所しかない「子育てひろば常設園」の指定を受けています。育児講座・交流保育・園庭開放・育児相談など、在園児のケアだけでなく地域にお住いの子育て家庭の支援も行っています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/05/12(契約日) ~2024/03/08(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2018年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【レインボー保育園の概要】 
●レインボー保育園(以下、施設という。)は、JR並びに横浜市営地下鉄の戸塚駅の北西約2㎞、
同駅からバスで10分程の「第二工業団地中央」バス停から徒歩1分の印刷工業団地の中に位置しています。施設は印刷工場と集合住宅の一角にありますが、周辺は閑静で、日当たりも良く、屋上園庭からは晴れた日には丹沢の山並みも遠望できます。都市部の施設にあって、屋上園庭でのびのびと大きな声で遊んでも周囲を気にすることがないことは、子どもたちの育成にとって大きなメリットです。さらに、施設から少し歩けば、畑や緑地等が点在し自然環境にも恵まれています。工業団地の周囲一帯は住宅地ですが、近隣には数か所の児童公園が点在し、神奈川県立上矢部高等学校、横浜市立上矢部小学校等の文教施設や、横浜市上矢部地区センター、消防署等の公共施設があり、保育環境に優れた立地条件を有しています。

●施設は、昭和46年6月に印刷工業団地内の託児所として開園しました。「施設は印刷工業団地の組合員の福利厚生施設のため設立されたもので、当時の組合の目標理念が「高福祉と高環境と高実績」の達成であり、施設は「高福祉の花」として作られました。」とホームページに記載されており、組合員待望の施設であったことが伺えます。その後、昭和49年11月に厚生大臣(当時)の認可を得て社会福祉法人レインボー保育園(以下、法人という。)を開設しました。平成2年4月に0歳児保育を開所し、平成6年4月に地域活動事業「のびのびひろば」を開始し、平成14年4月には開設場所から数十メートル離れた現在地に園舎を新築・移転し、併せて分室「レインボーひろば」を新築・開設しました。平成19年10月には横浜市から戸塚区私立保育園育児支援ひろば常設園の指定を受けました。そして、令和3年6月に開園50周年を迎え、長年のノウハウを培った歴史ある保育園です。施設は、昭和46年に印刷工業団地内の託児所として開設されました。以来、この団地内で50余年施設運営が行われています。保護者には卒園生も多く、毎年、園児制作の壁画(鉄板)の付け替えをしてくれる工務店も卒園生です。開設当初から父母会があり、施設の職員が参加・事務局を担当する等、保護者と協働で子育てを行っています。施設は、保護者・地域と共に歩み、育まれてきた保育園です。

●本園の定員は0歳児・1歳児18名、2歳児~5歳児各42名の合計60名です。園舎は、鉄筋コンクリート造り3階建てで、1階には送迎用の玄関フロア、事務室、調理室と延長保育や会議等、多目的に使う「にじのへや」があり、2階には3・4・5歳児の幼児保育室「もりのへや」、3階には0・1・2歳児の乳児保育室「おひさまのへや」が設定されています。屋上は園庭となっており、日常と、夏季のプール遊び等に活用しています。分室「レインボー広場」は本園から50m位離れた場所にあり、園児の絵画・造形指導や音楽教室等が行われる木造平屋建ての建物と、地域の子育て親子への園庭開放や交流保育等を行う土の園庭を有しています。また、地域の子育て支援事業として、分室園庭(冬季は屋上園庭)で「わくわくひろば」を実施し園庭開放を行うと共に、保護者の相談にも対応し、戸塚区の保健センターと連携して赤ちゃん教室を実施する等、地域の子育て支援拠点の機能を発揮しています。

◇特長や今後期待される点
1.【安心感の高い、地域に育まれたレインボー保育園】
法人・施設は、設立当初から保育の指針(基本方針)に“躾十項”を有しており、現在は “大切にしたい10項目”と名称を変え、内容を平易な文章で掲げていますが、その理念は変わらず受け継がれています。“大切にしたい10項目”は保育計画に位置付けられ、知育・徳育・体育として当該10項目に沿った保育を実践しています。また、施設には育児経験があり、保護者の気持ちが分かる経験豊富な保育士が多く在籍し、見守りながら子どもの気付きを促し行動につなげるよう、子どもの個性や感性、自主性を育む支援に努めています。保護者アンケートでも、「子どもの特性を考えて、それに合った対応をちゃんとしてくれる」、「保護者と並走して考えてくれる」、「子どもをのびのびと過ごさせつつ、長い目で見るとしっかり生活習慣等を教えてくれるので安心」等、保護者は保育をしっかり見ていることが覗われます。職員は、クラスだけでなくフロアを超えて、子ども・保護者を理解しており、保護者の相談にも適切に対応しています。保育士のクラス配置も手厚く、さらに、保育内容がホームページや園のしおり、重要事項説明書に加え、園だより、掲示板、ビデオ、連絡メール、給食のサンプル等、様々な広報手段により保護者に提供しています。保護者アンケートでも、保育に対する信頼・安心感を持ったコメントが多く寄せられています。

2.【子どもたちの個性や発達段階に応じて、エンパワーメントを重視した特色ある保育】
施設では、「知育・徳育・体育の三位一体の養育」を基本理念の第一に掲げて、理念に対応する「じょうぶなからだ」・「思いやりのあるやさしいこころ」・「意欲のあるがんばる子」を保育目標に、「からだを使ったあそび」・「音楽あそび」・「造形あそび」を遊びの三本の柱として、子どもの発達段階に沿った指導・支援が行われています。「からだを使ったあそび」では3歳~5歳には外部講師による体育指導を行い、「造形あそび」(5歳児)も外部講師による造形遊びや卒園作品作りの支援が行われています。プレイデイ(体育発表)やのびのびコンサート、作品展等、遊びに関連する月例の行事が多く企画されています。施設には、育児経験のあるベテランの保育士が多く、調査時での乳・幼児担当保育士との面談からも、「子どもに過度に関わるのではなく、子どもを見守り、子どもの気付きを促し、自らの行動につなげる支援をしている」との保育姿勢を伺いました。保護者アンケートでも、「子どもの特性を考えて、それに合った対応をちゃんとしてくれる。保護者と並走して考えてくれる」(2歳)、「子どもの個性に応じた保育をしてくれていると感じる」(5歳)、「他クラスと日常的に関わることができる」(2歳)、「子どもの個別性を尊重してくれていると思う」(2歳)等、取組を評価する意見が多数あります。

3.【保育の指導計画に沿った丁寧な保育】
保育の指導計画は、施設の理念と目標、基本方針、保育所保育指針に沿って策定されています。保育計画は、施設全体とクラス別の年間計画と、クラス別の月間指導計画・週保育計画から構成されています。クラス別の年間指導計画は、四半期ごとに達成する「子どもの姿」、「ねらい」が明記され、評価・反省できる様式となっており、1年間の自己評価も実施しています。0歳児は、月例3か月ごとの「子どもの姿」と「ねらい」を掲げ、子どもの発達を踏まえて2歳未満までの子どもの姿を見据えた計画となっています。四半期ごとの評価・反省、1年間の自己評価についても、年間計画と同様に行っています。週保育計画は、週のねらい、1日の子どもの活動のねらい・活動から構成され、準備・配慮事項や反省欄を設け、詳細な記載が成されています。また、個々の子どもの育成に関する児童票を作成し、各要素の発達状況に応じて、2か月ごとにその状況を詳細に記載すると共に、保護者との面談記録や配慮事項等を記載し、保育に反映させています。各記録の内容も詳細であり、職員が子どもたちを良く観察していることが分かります。経験値の高い保育士が、これらの計画を踏まえながら、個々の児童の発達の状況に応じた丁寧な保育を行うと共に保護者の育児相談にも適切に対応しています。人員配置も手厚く、各クラス2名、フロア計6名の保育士に、フリーの職員が付き、フロア全体が分かるよう配慮されています。保護者アンケートにも、「先生方の子どもへの接し方、声かけの仕方、愛情をかけてくれていることがわかり安心」(1歳)、「丁寧にフレキシブルに対応、運営して頂いていると思います」(1歳)、「作業的でなく一人ひとり見てくれている」(3歳)等の評価や、職員間の連絡体制・連携が良く、職員がどの子もよく知っている、どの職員も相談に乗ってくれる等、保育に対する評価は高く、保護者の安心感、満足感を得ています。総括的な質問項目の「職員はお子さんを大切にしてくれていますか」、「お子さんは保育園で楽しく過ごしていますか」、「保育園の総合的評価の満足」については、概ね満足を含めて満足度は全て100%でした。

4.【施設の紹介や活動状況等の積極的な情報公開】
法人のホームページでは、①保育園の概要②保育園の様子③情報公開(事業計画・同報告、計算書類、役員・監事・評議員名簿、自己評価、第三者評価、定款、役員報酬規程)、行事予定表、今月のレインボーだより、給食室からのお知らせ、個人情報保護方針が掲載されています。また、重要事項説明書をコンパクトにまとめた分かり易い「レインボー保育園のしおり」や、パワーポイントで作成したビジュアルな「重要事項説明書」を入園説明会等で保護者に説明・配付すると共に、ファイルに入れて玄関ロビーに常時設置し、誰でも見ることができるようにしています。また、園のしおりや重要事項説明書は戸塚区内の行政センター等、公共の場所に配架し地域住民の目にも触れるようにしています。この他、玄関ロビーのモニターでは主に午前の保育の様子を、翌日の午前中にそれぞれ観ることができるようになっています。また、誕生会の様子や、感染症発生状況等の重要な情報が、保護者のスマートフォンに伝達されるシステムを採用し、保護者との情報連絡の充実を図っています。勿論、WAMNETにも法人の現況報告書及び計算書類を掲載しています。徹底した情報公開や、保護者とのネットワーク形成は法人・施設として卓越したものと認められます。

5.【地域貢献事業への意欲的な取組】
施設は、地域の子育てニーズを踏まえて、緊急・リフレッシュ・私的利用等に対応する一時保育を積極的に受入れています。さらに、戸塚区で2園しか指定を受けていない「戸塚区私立保育園育児支援ひろば常設園」として、わくわくひろば(園庭開放)、のびのびひろば(育児講座・園児との交流保育・給食体験・離乳食講座等)を実施すると共に、赤ちゃん教室(ベビーマッサージ・遊び・子育て情報の提供・保育相談等)にも取組んでいます。さらに、戸塚を中心にボランティアや生涯学習、市民活動をしている団体を紹介するイベント「とつかお結び広場」に参加し、地域課題の掘り起こしや他団体との関係づくりに取組んでいます。育児講座等を実施しています。また、保育実習でもコロナ禍にも関わらず、大学、短期大学、専門学校からの保育士の育成要望に応えています。通常時には、高校・中学校の体験学習を積極的に受入れ、高校等に出向き、社会人講話として保育園の役割や内容等を伝えています。この他、近隣の高齢者施設との交流(コロナ禍では手紙のやりとり)や障害者地域作業所からのパンの購入、貧困家庭との相談や育児支援・給食提供等、幅広く意欲的に地域貢献活動に取組んでいます。

〈今後期待される点〉
1.【実効性のある中・長期計画の策定と定期的な評価・見直し】
前回の第三者評価で、「中・長期的なビジョンを中・長期的な計画にまとめることはしていません。」とのコメントを受け、法人では、第三者評価の次年度の平成31年に、令和5年度までの中・長期計画を策定しています。当該計画は、「事業管理」、「財務管理」、「人事管理」、「その他」に分かれており、法人・施設に関わる課題が簡潔に分かりやすく記載されています。一方、それぞれの課題には、「人材の確保と育成」等の継続的に取組むべき課題の他、施設の改修や、諸課題の検討、計画の策定等、達成時期を明確にすべきものがあります。計画の終期が令和5年度ですが、達成時期を明確にすべき諸課題の達成状況が当該計画では分かりません。また、期間中の見直しも行われていません。令和6年から次期の中・長期計画が始まりますので、次期の中・長期計画では、達成時期を明確にすべき課題については達成時期を想定し、毎年の進捗状況を把握して当該計画を見直すと共に、次年度の事業計画に反映させる等、より単年度の事業計画と連携した取組が期待されます。また、中・長期計画の中には、解決が難しい課題もありますので、外部の専門家を交えたプロジェクトを設置する等、解決に向けた実効性のある仕組みづくりを検討されることが望まれます。

2.【職員が、自ら将来の姿を描くことができるよう総合的な人事管理システムの構築】
施設の職員はベテランの職員と非常勤職員が多いため、法人・施設での人事管理システムの構築の優先順位が現在は低いものと思われ、法人・施設では働きやすい職場づくりに注力しています。一方、法人・施設では、これから新卒の職員等、若手職員への世代交代を順次図っていくことを中・長期的な課題として捉えています。一方、法人・施設では、「期待される職員像」を定めていますが、職務姿勢や職員の心構え的な内容となっています。職種ごと、職階ごとに求められる具体的なスキルの水準を明らかにした職員像を示すことにより、若手職員が将来の姿を描けるよう「職員像の提示」や、スキルアップ支援(OJTや計画的な研修等の人材育成)、職務成果が評価される人事基準や、評価と連動する目標管理、給与体系等、総合的な人事管理システムの構築に、中・長期課題として取組まれることを期待します。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 レインボー保育園   
      
≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取り組みの感想≫
自園の取組を振り返る良い機会となった。
また、外部機関からの客観的な視点を知ることで、自園・法人の課題を把握しやすくなることが分かった。

≪評価後取り組んだ事として≫
1.保護者会活動等、保護者にとって全体像のイメージが持ちにくいものについて、写真を多用したスライドを作成し、“見える化”した。

2.働きやすい職場作りの一助となるよう、サンクスカード(職員間で感謝のメッセージを渡し合う)の取組を導入(R6.4月~)。

3.職員会議録等を共有ファイル(フォルダ)に保存し、どのフロアのパソコンからも閲覧できる仕組みを検討。

詳細評価PDF 詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

施設では、「知育・徳育・体育の三位一体の養育」、「保護者の就労保障と育児支援」を基本理念として掲げ、理念に対応する「じょうぶなからだ」・「思いやりのあるやさしいこころ」・「意欲のあるがんばる子」を保育目標に、「人の役に立とうとする人に育てましょう」、「子どもと共に、親や職員も育ち合いましょう」に加えてを指針(基本方針)として明文化し、保育に取組んでいます。理念・目標・指針は、法人のホームページや施設のしおり、入園時の重要事項説明書等に記載し、周知を図っています。また、施設のしおりや重要事項説明書は玄関に備えたファイルに綴じ、来園者が自由に閲覧できるようにしています。施設のしおり等は戸塚区内の行政センター・ケアプラザ等に配架しています。なお、指針の設立当初は“躾10項”として掲げられましたが、呼称を現代のものに変更すると共に、各項目についても例えば、「身の労苦を克服して家事の手伝いをする」を、「お手伝いをすすんでしましょう」等、現代の分かりやすい表現に変換しています。大切にしたい10項目は毎月、1項目ずつ「レインボー保育園だより」のタイトルの下に大きな活字で記載し、保護者等にも改めて目にしてもらえるよう配慮しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

施設長・副施設長は、それぞれ「戸塚区地域福祉保健計画(ハートプラン)」策定委員や、日本保育協会横浜支部、横浜市私立保育園こども園園長会等に参画すると共に、戸塚区等の行政機関や、他の保育園との情報交換や情報共有を常に行い、さらには地域貢献活動を行うNPOに参加する等、社会福祉事業全体の動向や、地域の福祉計画の内容、地域ニーズの把握・分析等に努めています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

経営課題を分析し、中・長期計画に明示し役員間で共有しています。一方、課題は明確にしていますが、解決困難なものも多く、一部を除いて改善に向けた具体的な取組みは進められていません。従って、職員にも経営課題を周知できる段階には至っていません。今後、解決に向けて外部の専門家を加えたプロジェクトを設置する等、具体的な取組を進めていかれることを期待します。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

平成31年に令和5年度までの中・長期計画を策定し、改善を図っています。当該計画は、「事業管理」、「財務管理」、「人事管理」、「その他」に分かれており、法人・施設に関わる課題が簡潔に分かりやすく記載されています。一方、それぞれの課題には、「人材の確保と育成」等の継続的に取組むべき課題の他、施設の改修や、諸課題の検討、計画の策定等、達成時期を明確にすべき課題があります。計画の終期が令和5年度ですが、達成時期を明確にすべき諸課題の達成状況が当該計画ではわかりません。また、期間中の見直しも行われていません。令和6年から次期の中・長期計画が始まりますので、次期の中・長期計画では、達成時期を明確にすべき課題については達成時期を想定し、毎年の進捗状況を把握して当該計画を見直すと共に、次年度の事業計画に反映させる等、より単年度の事業計画と連携した取組みが期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

単年度の計画として、施設全体の事業計画と、保育事業に関わる保育計画の2つの計画を有しています。法人は一法人一事業体系ですので、施設全体の事業計画は、中・長期計画との関連はありますが、単年度の事業計画には経常的な事業のみが記載されていますので、「中高生の職場体験や大学生の単位実習等の積極的な受入れ」等、継続的に取組む事業は中・長期計画と合致しますが、機能の強化や計画の策定といった中・長期課題は、単年度の計画には位置付けられていません。保育計画の内容は問題ありませんが、保育計画は中・長期計画を受けて策定されているのではなく、法人の理念・目標・指針(基本方針)と保育所保育指針に基づいて策定されているため、現在の中・長期計画との直接の関連はありません。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

施設全体の事業計画は、経常的な事業と行事が項目として記載され、年度の目標と課題が掲げられています。事業報告で実施状況は把握できますが、目標・課題の評価は成されていません。個々の事業の目標と課題が掲げられていないため、評価・見直しには適さない内容です。職員理解については、行事中心の簡潔な内容であり、職員会議で周知されると共に、ホームページにも掲載されていますので、問題ないものと認められます。一方、保育計画については、クラス職員・フロア職員・主任保育士・施設長等、関係する職員参加で策定され、職員会議でも周知・共有を図り、定期的に見直し・改善を図っています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

施設全体の事業計画はホームページに掲載されると共に、冊子にして保護者に配付し父母会役員会やクラスの懇談会等で説明及び周知を図っています。保育計画については、年度当初の懇談会で内容の説明を行い、行事については映像も用いて父母会役員会・懇談会等で周知しています。利用者(保護者)アンケート調査の認知度は「まあ知っている」を含めて「知っている」が、「保育方針・保育目標」81%、「保育の内容」93%、「年間指導計画・行事計画」95.%で、概ね周知が図られているものと認められます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

週保育計画には反省欄、月間指導計画には反省・評価欄が設けられ、それぞれ担当・主任、担当・主任・園長で振り返りを行っています。また、児童票を用いて2か月ごとに各児童の保育目標の達成状況を把握し見直しにつなげています。毎年職員の自己評価を行い、自己評価に基づいてテーマを設定し職員間で振り返りを行っています。第三者評価受審も2回目であり、定期的に取組み、受審後は改善策を検討して職員会議に諮る等、保育の質の向上に向けた取組を組織的に行い、機能しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

自己評価や、保育計画の実施過程で、定期的に実施状況を振り返り、明らかになった課題はクラス内で話し合い、次期の保育計画の見直しにつなげる等、改善を図っています。内容によっては、毎月2回開催するフロア会議に、さらに月1回各フロアのリーダーと管理職で構成されるリーダー会議に上げて改善策を検討し、改善に取組むと共に、職員で共有すべき案件は、職員全員で構成される職員会議に報告することにより施設全体の保育の質の向上につなげています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

施設長の役割と責任については、形式的に職務分掌を定め、事業管理・財務管理等の業務を明記しています。但し、項目列記なので副園長にも事業管理が記載されているため、統括責任者がどちらかは常識的には分かりますが、分かりにくい規定となっています。園長の下に副園長の欄が設けられているので上下関係や委任関係は推測されますが、権限と委任を明記すれば分かり易くなり尚良いでしょう。実質的には、施設長は年度初めの職員会議で施設の方針を表明すると共に、各事業の実施に関わる稟議書の最終決裁者として職員指導を行っており、職員との個別面談指導等、内部でリーダーシップを発揮すると共に、役員や保護者、関係機関にも施設を代表し率先して外部対応を行っています。また、「戸塚区地域福祉保健計画(ハートプラン)」策定委員に要請される等、施設内外の評価は高いものと認められます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設長や副園長等の管理者は、それぞれ「戸塚区地域福祉保健計画(ハートプラン)」策定委員や、日本保育協会横浜支部、横浜市私立保育園こども園園長会等に参画すると共に、戸塚区等の行政機関や、他の保育園との情報交換や情報共有を常に行っています。また、横浜市の監査等、行政の指導を通じて関係法令の改正等の動向は正しく把握しています。必要な法令等の情報は、職員会議で共有し必要な対応を行っています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

保育の質の向上については、期待する職員像の10項目にも「丁寧なかかわり」、「本人の自己決定や主体性を尊重する」、「他者と助け合い協力し合う」、「報告・連絡・相談を大切にする」、「自己研鑽に励む」等、職員の質の向上に関わる指針を明示して、職員指導に努めています。研修係を置き、内外の研修や、キャリアアップ研修等、職員研修を計画的・戦略的に実施するよう人材育成に取組んでいます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

施設長は、人事、労務、財務等の課題を認識し中・長期計画に位置付け、解決を図るよう努めています。育休を経て復帰する職員も多く、職員の平均勤続年数は19年となる等、働きやすい職場作りに意を用いています。また、適宜、派遣職員を活用する等、効率的な施設運営に取組んでいます。一方、各種資料のデータ化・システム化による省力化や情報共有は課題となっており、さらなる業務の効率化が期待されます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

管理者は、職員の退職時期を中・長期的視点でフローチャートにプロットして、計画的な人材確保を図るよう取組んでいます。職員の定着については、非常勤職員や派遣職員を確保し働き易い職場作りに取り組んでおり、産休・育休明けの職員の復帰を促すと共に、研修等人材育成に前向きに取組んでおり、人材の定着面での課題は少ないと認められます。一方、人材の確保については、ホームページで募集を行う他、就職相談会に出向く等の努力も行っていますが、若手職員の確保が課題となっています。男性保育士の活用や、掃除等特定業務への障害者雇用等を視野に入れる等、工夫が求められます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

施設の職員は、経験値の高い職員と非常勤職員が多いため、法人・施設での人事管理システムの構築は現在、優先順位は低く、法人・施設では働きやすい職場作りに注力しています。一方、法人・施設では、これから新卒の職員等若手職員への世代交代を順次図っていくことを中・長期的な課題として捉えています。また、法人・施設では、「期待される職員像」を定めていますが、職務姿勢や職員の心構え的な内容となっており、職種ごと、職階ごとに求められる具体的なスキルの水準を明らかにした職員像を示すことにより、若手職員が将来の姿を描けるよう「職員像の提示」やスキルアップ支援(OJTや計画的な研修等の人材育成)、職務成果が評価される人事基準や、評価と連動する目標管理、給与体系等、総合的な人事管理システムの構築に、中・長期課題として取組まれることを期待します。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

施設では、職員面接を少なくとも年2回行う事等を通じて職員の意向に沿った職場配置・業務配置をしています。非常勤職員・派遣職員を活用することにより人員配置を手厚くしています。こうした配慮や取組に加え、職員にも育休復帰者が多く、職場では職員のワーク・ライフ・バランスに理解が図られ、職員の勤続年数・平均も高く、働きやすい職場作りが成されています。調査時の職員面接でも、職員間の家庭状況への相互理解があり、助け合う風土が醸成されており、働きやすいとの発言がありました。また、メンタルヘルス対策として「こころの相談室」のリーフレットを休憩室に掲示する他、健康診断の受診促進や予防接種の情報提供、コロナの検査キットを配付する等、心身の健康増進を図り、明るい職場作りに取組んでいます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員は毎年の目標に、自らを高めるための希望する研修を記載し、管理者との面接時に調整を図っています。また、職員が希望する研修をアンケートに実施し、研修係と管理者が次年度の研修計画策定の参考としています。さらに、職員の研修履歴を把握し、管理者からも個々の職員に即して必要な研修の受講を促しています。一方、職員育成の目標設定は、目標水準、目標期限が明確にされるまでには至っていません。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

職員の教育・研修については、研修計画を策定し、個々の職員に合った育成が成されていると確認できます。一方、期待される職員像は、職員の規範・心構え的なものとなっており、求められるスキルの水準は明示されていません。今後は、職種ごと、職階ごとに求められる具体的なスキルの水準を明らかにし、その水準に達するような計画的なスキルアップ支援方策を中・長期的な課題として取組まれるよう期待します。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

前述のように、職員の研修希望を面接やアンケートで把握し内部研修を行うと共に、職員の業務関連やスキルアップにつながる外部研修を厳選して、戦略的に職員を参加させています。こうした研修については、極力オンライン参加を促す等、職員の教育・研修の機会の確保に努めています。調査時の職種ごとの面談でも、それぞれ必要な研修や希望する研修に問題なく参加できているとの発言があり確認できました。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生の研修育成については、コロナ禍にあっても大学・短大・専門学校からの保育実習を受入れています。「保育実習、職場体験学習及びボランティア活動受入れマニュアル」を備え、受入れ体制を整備しています。細かな実習プログラムは作成していませんが、大学等と調整して効果的な実習になるよう配慮しています。実習状況は「保育実習・体験学習受入記録簿」に記載し、実習終了後には実習担当者や園長、主任保育士が同席して実習生を交え、振り返りを行っています。実習担当者は実習指導者研修を受講する等、スキルアップを図っています。尚、副園長が社会福祉士資格を有しており、今後は社会福祉士の養成にも対応することを検討する等、実習受入れ・新規開拓に意欲的です。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人のホームページ、重要事項説明書をコンパクトにまとめた分かり易い「レインボー保育園のしおり」等、入園説明会等で保護者に説明・配付すると共に、ファイルに入れて玄関ロビーに常設しています。また、園のしおりや重要事項説明書は行政センター等公共の場所に配架し、地域の住民にも情報を提供しています。他、誕生会等の様子や、感染症発生状況等の重要な情報は、保護者のスマートフォンに伝達されるシステムを採用し、保護者との情報連絡の充実を図っています。また、WAMNETに法人の現況報告書及び計算書類を掲載し、運営の透明性を確保しています。求められる情報の中で掲載されていないものに「苦情解決結果」がありますが、これについては、意見・要望が成された段階で丁寧に対応することにより解決し、第三者委員の報告までに至るものがないと確認しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

運営規定や、就業規則、職員服務規程、経理規定等、適正な運営を確保するための規定を整備しています。さらに経理については会計事務所に業務委託し公正な業務処理を図ると共に、毎月、公認会計士から経営や財務に関する助言・指導を得ています。また、監事による内部監査も実施しており、公正かつ透明性の高い適正な経営・運営に向けた複数の取組が実施されています。尚、規程集は事務所に備え、職員が必要に応じて閲覧することはできますが、会議等で周知することはしていません。また、職務分掌は整備されていますが、権限と責任や委任関係を明確に記載することが求められます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

天気の良い日は原則、外遊びを取り入れレインボー広場や近隣の公園に出かけています。児童公園は近隣に数か所あり、いずれも300~400m程の距離がありますので、道々、工業団地内の労働者や住民と触れ合う良い機会となっています。また、芋掘りやじゃがいも掘り等で近隣の農家との交流や、大工さん体験で近隣の工務店と交流があります。「のびのびひろば」等、分室の園庭を使った地域の子どもたちとの交流や、役員会と共催で実施する夏祭りでの地域交流もあります。さらに、幼保小連携事業の一環として5歳児の近隣小学校1年生との交流や、近隣保育園と交流も行っています。近隣の高齢者施設やケアプラザを訪問して高齢者と交流(コロナ禍では手紙での交流)を図ると共に、祭り等の地域の行事にも積極的に参加する等、子どもたちの成長の糧として地域との関わりを大切にしています。地域の子育て関連情報や、療育・医療・教育等の情報は、掲示板等を活用して保護者に情報提供しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

「保育実習、職場体験学習及びボランティア活動受入れマニュアル」を備え、ボランティアの受入れ体制を整備しています。ボランティアや職業体験の前には、体験学習プログラムや、保育園の概要、参加者へのお願い・注意事項を記した「職業体験学習やボランティア活動に参加される方へ」を用いてオリエンテーションを実施しています。また、「ボランティア受入れ記録簿」に活動内容等を記録し職員間で情報共有を図っています。特に、中学・高校の体験学習と、神奈川県教育委員会のインターンシップ制度による高校生の保育体験学習を、それぞれ毎年5校程度、積極的に受入れています。施設は企業団地内に所在しており、企業から色紙の提供やクリスマスツリーの寄贈等を得る等、活発に交流が図られています。施設では父母会があり、行事等への支援を受けており、個人のボランティア登録は少ないものとなっています。外出時の付き添いや清掃等、子どもの日常の支援について、保育士の負担軽減を図る上でもボランティアの活用を検討される余地があるものと思われます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

保健所・児童相談所・地区センター、警察、消防署等の行政機関、医療機関、学校、保育所、福祉団体各種福祉サービス等、施設の事業運営や、保護者や地域の家庭の相談ニーズに対応するために必要な関係機関等のリストを整備し、職員間で情報共有しています。戸塚区の保育園園長会や日本保育協会横浜支部青年部を通じて保育事業者間連携を図ると共に、地域では、「こども110番」、戸塚区内の企業や福祉団体が参加し高齢者を見守る「みまもりネットワーク」、上矢部小学校が事務局の「地域防犯対策協議会」に参加し、地域課題の共有・解決に協働して取組んでいます。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の自治会や、民生児童委員、高齢者支援・障害者支援のそれぞれの関係者が、法人の役員・評議員として参画していることから、地域の福祉ニーズは、定期的な意見交換を通じて把握することができます。また、地域の子育て家庭の相談には、施設が実施する「のびのびひろば」での育児講座や、在園児との交流保育、離乳食講座・給食体験で応じています。また、園庭開放時にも保育士が子育ての相談に応じる他、常時相談を受付けています。上矢部地区センターや上矢部地域ケアプラザとの共催事業や、地域の催し等でも、保育士が出向き、地域ニーズの把握に努めています。さらに、戸塚を中心にボランティアや生涯学習、市民活動をしている団体を紹介するイベント「とつかお結び広場」に参加して、地域福祉ニーズの掘り起こしを図っています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

施設は、地域の子育てニーズを踏まえて、一時保育を積極的に受入れています。また、「戸塚区私立保育園育児支援ひろば常設園」として、わくわくひろば(園庭開放)、のびのびひろば(育児講座・園児との交流保育・給食体験・離乳食講座等)を実施すると共に、区役所主催の赤ちゃん教室に保育士を派遣する等の支援活動を実施しています。さらに、戸塚を中心にボランティアや生涯学習、市民活動をしている団体を紹介するイベント「とつかお結び広場」に参加し、子育て支援に関する情報提供等に取組んでいます。通常、高校・中学校の体験学習を積極的に受入れると共に、高校等に出向き、社会人講話として保育園の役割や内容等を周知しています。他、近隣の高齢者施設との交流や障害者地域作業所からのパンの購入、貧困家庭との相談や育児支援・給食提供等、地域・一時保護担当を置いて幅広く地域貢献活動に取組んでいます。尚、地域防災への支援については、近隣に上矢部地区センターがあることから行っていません。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本理念の一つに「徳育」を掲げ、目標の一つに「思いやりのあるやさしいこころ」を、指針に「子どもと共に、親や職員も育ち合いましょう」、〈大切にしたい10項目〉に、「相手の気持ちを尊重することにより、思いやりをふるい起こす」を明記し、年間保育計画の全体計画にも、重点事項7項目の一つとして「人権尊重:人として大切にされ、心身ともに豊かな成長が育まれるよう、人的物的環境を整える」を位置付けて、子どもや職員の人権教育に取組んでいます。職員研修でも毎年、虐待防止と子どもの人権を取り上げると共に、職員の自己評価を毎年実施し、職員の意識の醸成を図っています。子どもにもプラベートゾーンについて(自分を大切にすること・他者を大切にすること)学ぶ機会を確保しています。国や横浜市などから送られてくる人権啓発や虐待防止に関するリーフレット等はその都度、掲示や配架しています。前述の職員の自己評価では、子どもの人権や、虐待防止に関する設問が多数設けられ、職員の振り返りを促しています。尚、各評価項目に対する達成度はいずれも高いものとなっています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

保育室を2階・3階に配置しており、南西側の集合住宅(距離は十分確保されています)を除いて外部から室内は覗えない立地になっています。集合住宅側にカーテンを設置し、屋上のプール遊びでは葦簀を張る等、外部の目から遮蔽しています。時間外保育は1階の「にじのへや」で行いますが、カーテンを設置して外から見えないようにし、門扉の電子ロックにより関係者以外は建物内には立ち入ることができないようにしており、外部からのプライバシーは厳重に保護されています。また、子どもの写真撮影についてもルールを定め、撮影可の季節行事を限定・明示し、それ以外は保育中を含めて、撮影を認めないこととしています。一方、各階ともトイレや洗面所を除いては一つのフロアとなっており、個室は設けられていません。そのため、保育室内で個別対応が必要な場合等は、簡易な仕切りを用いて個室化を図る等工夫をしています。また、スペースの制約上、プール遊び等では男児・女児混同の着替えとなります。体調不良やクールダウン、羞恥心の芽生え等、子どもの発達に応じた個別対応できるスペースの確保が望まれます。個別面談等の場所では、「にじのへや」、事務室、あるいは各階の保育室や玄関ホールを使用しています。延長保育を行う「にじのへや」と玄関ホールはガラス戸1枚で隔てている設備であり、事務室を除き他のスペースはオープンなため、保護者のお迎え時等で子どもたちに職員と保護者の会話が聞こえる懸念がありますので、改善が望まれます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

利用希望者の相談は常時受けています。また、入園説明会を設けて時間を区切り(30分ごと、一回3組程度)、保護者が説明を受けやすいように配慮しています。施設の情報は、ホームページに掲載すると共に、重要事項説明書を簡潔に編集した写真・図等を盛り込んだビジュアルな情報を、パワーポイントを用いて入園希望者に提供しています。また、のびのびひろば・わくわくひろば事業を通じて保育体験をしたり、毎日の日中の保育の様子を玄関のテレビで紹介し、給食のサンプルを午後に玄関に置く、あるいは関連資料をファイルにして来園者の閲覧に供する、行政センター等の公共機関に園の便り等を配架する等、保育所選択に資するでき得る限りの情報提供に努めています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

保育開始時には、重要事項説明書を用いて保護者に保育内容等を説明しています。年度初めの懇談会でも保育の考え方や内容、行事等を資料やビデオ等で伝える等、保護者理解の促進には特に意を用いています。保育の変更については、最近では保育料無償化に伴い給食費(副食費)を徴収しましたが、丁寧な説明に努め、同意書も回収しています。保護者アンケートでは、「保育内容」、「行事計画」、「費用や園の決まり事」についての理解度は、「まあ知っている」を含め、「知っている」が、それぞれ93%、95%、88%と周知が図られていると認められます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもたちが施設を卒園して小学校に進学する際は、保育所保育要録を作成して引継ぎを行っています。さらに、5歳児は小学校訪問や、小学1年生との交流を通じて小学校生活の理解を深めています。施設でも5歳児の午睡の時間を徐々に短くする等、小学校の生活に早く慣れるよう取組んでいます。保育所や幼稚園の移行に当たっては、引継ぎ手続き等、特別な対応や申し送りは行っていませんが、移行先から問い合わせ等があれば保護者に確認の上で対応しています。移行後の相談窓口は設置していませんが、保護者や移行先からの問い合わせや相談があれば、施設長が主に対応しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

前述の「特に評価が高い点」で触れましたが、常勤・非常勤職員共に、育児経験豊富で、保護者の立場を理解できる職員が多く、子どもの主体性に応じた丁寧な保育に心がけているため、保護者の安心感を得ています。職員間の連携も良く、複数の職員が同じフロアで年齢を問わず子どもたちを見守っているため、職員が全ての子どもと関わり、一人ひとりを理解しているため、どの職員でも保護者への声かけや相談に応じることができます。保護者懇談会も年度初め等、複数回開催しており、父母会にも職員が参加して交流を図っています。園から伝えるべき情報は、連絡メールにリアルタイムで送る他、掲示板を活用して情報提供を行っています。保護者アンケートと職員アンケートを毎年実施し、行事ごとにアンケートを徴すると共に集計結果を公表し、速やかな改善を図っており、保護者の高い満足度を得ています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の仕組みは確立しており、苦情受付担当者・責任者、第三者委員が明示されると共に第三者委員の苦情調停への関わり等を、ホームページや、園のしおり、重要事項説明に掲載し、周知を図っています。苦情解決箱を玄関に設置し、苦情等があれば、「利用者の意見・要望・苦情に関する方針」に沿って苦情解決責任者や苦情受付け担当者、副園長、主任保育士等で解決策を検討し、解決結果を掲示板に掲出しています。前回の第三者評価でコメントがあった、横浜市福祉調整委員会や、かながわ福祉サービス運営適正化委員会等の外部の相談窓口については、玄関に備え付けたファイルに、それぞれの機関のパンフレットを挟み込む等の改善が図られています。尚、苦情解決の仕組みは施設内に掲出されていないため、保護者や来園者の目に留まるよう外部の相談窓口を併記したポスター等の掲出が行われることがより適切な措置かと思われます。また、意見や苦情については即時に解決されたとして、第三者委員への報告に至っていません。施設の保育方針や職員の支援に関わる意見・苦情等について、精査する必要があると思われます。尚、職員の自己評価で、苦情解決の仕組みを知っていると答えた職員の割合は71%でした。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

保護者アンケートの保護者コメントでは、(施設の雰囲気が)「フレンドリー」(2歳)、「職員の皆さんがとても優しく相談にも乗ってくれます。」(3歳)、「いつもたくさん相談に乗っていただけるところ。」(4歳)等、相談しやすいとの評価が寄せられています。会議室や応接室がないため、相談事があれば、多目的室「にじのへや」や、事務室、各クラス等を使用して相談に対応しています。相談や意見を述べる際に、複数の方法や相手を自由に選べることを記載した文書は配付していませんが、定員60名と比較的小規模な家庭的な雰囲気を有する施設であり、職員はほぼ子どもたちや保護者を知っているので、複数の職員が実際に保護者の相談に応じています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

施設では、前述の「利用者の意見・要望・苦情に関する方針」に沿って前述の通り速やかに検討し、掲示板への掲出や直接保護者に対応結果をフィードバックしています。職員が共有すべき情報は、職員会議に提出しています。簡易なものはクラスやフロアで検討して施設長の了承を得て、日にちを要さずに保護者に対応結果を伝えています。相談事への対応についての保護者アンケートでの満足度は、「概ね十分」を含めて「十分」が95%と満足度が高いことがわかります。保護者のコメントでも、「質問に対して、すぐに対応してくれる(その日のうちに確認して対応してくれる。)」(2歳)、「毎年度実施される園内のアンケートに記載する要望について、すぐに反映できるものはすぐに取組んでいただける。」(5歳)等の評価が寄せられています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

事故対応マニュアルをはじめ、衛生管理・健康管理・感染症・救急措置・与薬・園外保育・食事提供・水遊び手順・注意事項等のマニュアルや、子どもの症状を診るポイント、熱中症予防対応、感染性胃腸炎対応、けいれん処置、保育中の注意事項等、子どもの生活場面で想定される危機に対する対応手順を定めて、事故防止を図っています。副園長をヒヤリハット集約担当として、毎週初めに保育日誌からヒヤリハット事例を取りまとめて施設内で共有すると共に、新聞等から他施設の事故情報を収集して職員会議等で周知して事故防止に反映しています。また、アレルギー等の対応研修に参加すると共に、近隣の保育園とヒヤリハット事例を持ち寄り、勉強会を開催する等、事故防止に向けて積極的に取組んでいます。また、ケガについては通院したものは事故と捉えて、毎年の事業報告書に記載して公表しています。こうした取組により、令和4年度は行政報告が必要な重大事故は発生していません。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症への対応としては、感染症マニュアルや感染性胃腸炎対応、衛生管理マニュアル、健康管理マニュアル等を整備して、予防や発生時の対応を行っています。施設長を危機管理体制整備の責任者とし、ハード・ソフト両面の整備、充実を図っています。また、保育室内は温度・湿度が適度に保たれており、2台のオゾン滅菌器を導入して室内の滅菌をする等、快適な生活環境を保っています。子どもや職員の感染症罹患状況は連絡メールにより即時配信し、保護者と情報を共有すると共に登園制限を行う他、ホームページや重要事項説明に感染状況や登園制限基準を明示して感染防止に努めています。国や横浜市等からの感染症予防等に関する情報を掲示すると共に、感染症流行の前の6月・11月頃には「ほけんだより」で夏・冬に流行しやすい感染症の症状と家庭での注意点等のお知らせをしています。こうした取組により、コロナやインフルエンザが拡大することがなく、円滑な施設運営が図られています。保護者アンケートでも「感染症の発生状況や注意事項の情報提供について」の質問項目について、「概ね十分」を含めて「十分」が98%と高い評価を得ています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

危機管理体制整備の責任者を施設長、副園長を防災・防火管理責任者とし、防災計画や消防計画を整備すると共に、大規模地震対策や、大規模災害を想定した「児童福祉・施設等における業務継続計画」を策定し、大規模災害に備えています。連絡メールを用いた災害時の連絡方法も確立しており、災害時には地区行政センターや、消防署、警察、自治会と直接連絡ができる体制を整えています。非常用の食料や備蓄品は栄養士が担当して、在庫管理を行っています。災害や火災を想定した子どもの避難訓練も毎月実施しています。施設の特色ある取組の一つとして、子どもたちへの交通安全教室を年6回開催し、地元警察からも評価を受けています。尚、利用者(保護者)アンケートでも、「緊急時の連絡体制、周知、防災訓練等について」は「概ね十分」を含めて「十分」が100%と、取組が高く評価されています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

施設では、保育士としての心構えや、保護者や子どもに対する心構え・(遵守すべき)保育内容を記載した、保育者が最低限守るべき「保育中の注意事項」を定め、入職時や職員会議等の機会を捉えて職員に徹底しています。また、冷凍母乳の取扱いから、食事提供、おむつ交換手順、与薬マニュアル、子どもの症状を診るポイント、けいれん処置、応急処置、救急処置、熱中症予防、園外保育、水遊び、行事の注意事項、さらには、時間外保育・早番の仕事等、子どものあらゆる生活場面を想定した手順や注意事項が文書化され、保育に活用されています。こうした手順に沿って適切な保育が行われているかは、職員相互で検証できる職場環境が醸成されており、フロアリーダー・主任保育士が園児対応の責任者として保育士に助言・援助しています。経験豊富な保育士が多く、子どもたちの個性や発達段階に応じて柔軟な保育を行っており、画一すぎる保育は行われていません。尚、利用者(保護者)アンケート項目「保育サービス提供方法の統一性(どの職員も同じように保育をしてくれるか等)」でも「概ね満足」を含めて「満足」が95%を得ています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

各種マニュアル等は、最近の保育方法に照らして不都合な場合や、実施上の不具合が生じた場合、また、保育方法について保護者からの改善要望等が提出された場合等に、適宜見直しを行っています。見直しは、フロアの職員間で合意を得て、リーダー会議に諮られ、マニュアル整備の責任者である施設長の了承を得て改訂され、職員会議で周知する手順としています。これらマニュアル等の検証・見直しに当たっては、指導計画の内容との整合性が図られています。見直しは必要の都度、随時行われていますが、検証・見直しに関する時期が定められ定期的に行われる等のルール化はされていません。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

指導計画について、年間保育計画と月間指導計画の責任者は、事業管理責任者の施設長とし、週保育計画の責任者は、保育全般とりまとめ責任者の主任保育士としています。年間指導計画は法人・施設の理念・目標・指針(基本方針)と保育所保育理念、保育の動向、前年度のクラス別の月間指導計画の達成状況、家庭状況や保護者ニーズ等を総合的に勘案し、法人・施設の管理者が作成しています。クラス別の年間指導計画は前年の達成状況等を踏まえ施設全体の年間指導計画に沿って各クラスの職員が主任保育士と相談しながら案を作成し、施設長の承認を得て策定しています。クラス別の月間指導計画は、クラス別の年間指導計画のそれぞれの項目に沿った指導計画を、クラスの職員の意見を踏まえながらクラス担当が主任保育士と相談して案を作成し、施設長の承認を得て策定しています。週保育計画は同様に職員の意見を踏まえてクラス担当が案を作成し、主任保育士の承認を得て策定しています。指導計画案の作成には、社会福祉士や栄養士等多職種も参加しています。また、児童の発達に関して、必要に応じて療育センターの指導員等の外部の助言も得ています。それぞれの指導計画には前年度の達成状況の評価や実施課題に加えて、個々の子どもの見立てや、入園してくる子どもの面談結果や保護者の要望が反映されています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

クラス別の年間指導計画は、年間目標や、四半期ごとに子どもの姿やねらいが掲げられると共に、養護、教育、食育、配慮事項、保護者等への支援等の細目ごとに保育計画を定め四半期ごとの達成状況を踏まえながら、1年間の保育に対する自己評価を行い、次年度の保育計画の見直しにつなげています。月間指導計画は、ねらいや行事、長時間保育への配慮事項等、月間指導計画と同様の細目と子どもに関する個別配慮のポイントを記載しています。月間指導計画も毎月、反省・評価が行われ反省点等を次月の指導計画に反映・改善しています。週保育計画は、2週ごとに一様にまとめられており、週のねらい、子どもの活動、準備・配慮事項から構成され、準備・配慮事項には、園外保育と、体育・音楽・造形の三つの遊びについて記載する様式となっています。反省欄には、子どもが参加した活動の観察結果等が記載され、次の活動の実施方法等への反映が図られています。次の【44】の評価項目にも関連しますが、児童票に2か月ごとの児童の発達状況や課題、保育の考え方等が詳細に記載され、職員が子どもたちをよく観察していることが窺われます。こうした丁寧な見立てが、実効性ある指導計画の策定に生かされていると認められます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

児童票等の様式は統一され、子ども一人ひとりの発達状態や生活状況が把握できる様式になっており、個別の指導計画に基づく保育が実施されていることを十分確認することができます。情報の流れは稟議方式と職員会議での周知が主流ですが、この間にフロア会議やリーダー会議等情報を共有する仕組みがあります。各フロアの職員は相互に交流しており、職員間の連携が図られているため、子どもに関する保育の実施状況の共有が成されています。記録内容や書き方の差異に関する記録要領等は作成されていませんが、各種記録管理の責任者を施設長、書類管理の責任者を主任保育士と定め、記録の書き方については、主任保育士や施設長が稟議や回覧の都度、指導等を行っているため、記録をみても概ね要点は捉えられていると認められます。記録については適切ですが、職員の情報共有については、紙ベースの記録が多く、稟議で目を通す職員も限られ、保管場所での閲覧はできますが、即時性や場所的な制約もあります。コンピューターネットワークで職員が随時、自分の執務場所で記録を確認できるシステムが業務の効率化・省力化と併せて、情報の共有面でも一層の効果が期待できますので、その導入が求められます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

個人情報保護については、施設長を各種記録管理の責任者と定めると共に、「個人情報保護に関する指針」を定め、ホームページや重要事項説明に掲載して保護者等に広く周知しています。職員に対しては入職時や職員会議等機会を捉えて、守秘義務や個人情報の管理を徹底しています、保護者には入園時に、個人情報保護方針を説明すると共に、個人情報の第三者提供等の理解を求めて誓約書を徴しています。施設独自の取組については、「USB取扱いについての注意」を作成し、USBメモリーの施設外持ち出しを厳しく制限しています。職員の自己評価でも、「子どもや保護者の個人情報やプライバシーに配慮している」と回答した職員は、よくできた・できたを併せて97%となっており、職員の意識化や適切な取組が行われていると認められます。尚、各記録は紙ベースで記載していますが、記録を安全かつ適切に保管から廃棄までを行う上では、データーベースを用いた一連の記録管理が適切であると認められます。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な保育計画は、法人・施設の理念、保育方針、保育目標と、保育所保育指針に沿って作成されています。0歳児から5歳児までの年齢ごとに、子どもの保育目標と、養護・教育・食育の各項目の保育のねらい及び内容が、保育所保育指針に定めるねらいと対応する形で記載されています。また、社会的責任や、人権尊重、説明責任から地域の実態に対応した事業の取組まで、7項目の社会福祉法人が果たすべき役割についても、法人・施設の特長を踏まえた取組方針を明示しています。さらに、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を掲げ、実現に向けて各年齢の保育内容を記載しています。その他、健康支援や、保護者・地域等への支援、特色ある保育等、法人・施設が取組む8項目の重点事業と、その内容を記しています。全体的な計画は、施設長、副園長と主任保育士が中心となって作成し、保育の動向や、クラス別の年間指導計画の達成状況、保護者ニーズ等を踏まえ、年度末に評価を行い、次年度の全体計画の作成に反映させています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

保育室内は、温度、湿度共に快適な状態に保たれており、採光や換気、騒音等の問題もなく、良好な保育環境を保障しています。設備、用具や寝具、遊具等は、オゾン滅菌器や毎日の職員の清掃等により清潔に保たれています。家具や遊具は、アレルギー等も考慮して木製のものをできるだけ採用しています。寝食は区分し、それぞれ十分なスペースを確保しています。手洗い場・トイレも広く明るく、清潔に保持し、子どもの発達段階に応じた利用しやすい設備が成されています。園舎建て替えから約20年が経過していますが、室内では老朽化が認められません。保護者アンケートでも、質問項目の「保育室、園庭について(清潔さ、掃除等)」について、「概ね十分」を含め「十分」が95%であり、コメントでも評価する点として「清潔、綺麗さ」等が寄せられています。個室はありませんが、これについては、プライバシーで評価しており、他の要素が優れていることを考慮し総合評価には影響ないものと認められます。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

クラス編成は年齢ごとですが、同じフロアの子どもたちはクラスを超えて交流をしています。経験値の高い保育士が多く、調査日の乳児担当保育士との面談では、「言葉が出ない子どもにも、身振り手振りで意思疎通を図ると共に、感情の表出があった時等は前の場面を考えると共に表情の変化を捉え、周りの職員と確認し合い、子どもの意向に沿った支援に心がけている」、「子どもの体調不良時は、スペースを別にして保育士が付く」、「週末や長時間保育で疲れる子は、午睡時間以外にも横になって休憩ができるよう配慮している」等、子どもの状態にあった保育に努めていることが確認できました。幼児担当保育士からは、「保育士は手助けの役割で、あくまでも主体は子ども」、「子どもが自分でやってみて、サポートを個々の子どもに合わせて行っている」とのコメントがあり、「子どもに過度に関わるのではなく、子どもを見守り、子どもの気付きを促し自らの行動につなげる支援をしている」等の保育姿勢が窺えました。保護者アンケートでも保育に対する安心感や満足度が高いことが分かります。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもが生活習慣を身に付けることができるよう、年間指導計画に0歳児では「一人ひとりの子どもの欲求が満たされ、1歳児グループの生活リズムへと移行できるようにする」を目標として保育に当たっています。1歳児では「身の回りのことを自分でしようとする」を目標に、2歳児では「基本的な生活習慣を自立し、進級への期待を待つ」、3歳児では「生活習慣が身に付き、自分で行動する」とし、4歳・5歳児は、「様々な活動を通し自信をもって生活し、生活や遊びの決まりを守れるようにする」、「基本的生活習慣が身に付き、自分でできたことに自信や満足感が持てるようにする」を目指して保育に努めています。前述の保育士の発言にもある通り、子どもの主体性を尊重し、子どもが自分でやろうとする気持ちを尊重した援助が行われています。保護者のアンケート調査でも、「基本的な生活習慣の取組について」の項目では、「満足」・「概ね満足」を含め満足度は98%と高く、「長い目で見るとしっかり生活習慣を教えてくれるので安心」(2歳)等の意見が寄せられています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

法人・施設では、「知育・徳育・体育」の三位一体の養育を理念に掲げ、「体育・音楽・造形」を遊びの三本柱とすると共に、園外保育にも重点的に取組んでいます。天気の良い日は、年齢を問わず、公園や畑等に出かけ、昆虫や植物の探求に夢中になっています。どろんこ遊びも取り入れて子どもたちの創造性も養っています。さらに、3歳からは外部講師による体育指導や、5歳児の外部講師による造形あそび等を導入し、発達段階に応じて子どもの主体性、創造性が育まれる保育を行っています。さらに、4歳・5歳児には英語クラスを設け、異文化を理解するための取組を行う等、特色ある保育を行っています。保護者からも、「五感を刺激する外遊びをしっかり行ってくれる」(0歳)、「近くの公園に連れて行ってくれたり工夫を凝らして遊ばしてくれている」(1歳)、「他クラスと日常的に関わることができる。季節行事、イベントを大切にしている」(2歳)等の声が上がっています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児は、2歳未満までの子どもの姿を想定して、年間指導計画に四半期ごとに子どもの姿や保育のねらいを掲げて保育を実践しています。生命・情緒に関する養護では「健やかにのびのび育つ」、「身近な人と気持ちが通じ合う」、「身近なものと関わり感性が育つ」の三つの視点で教育に取組む等、養護と教育が一体となった保育が成されています。保護者に対しても、積極的な育児の相談や情報提供を通じて、子どもの養育に家庭と連携して取組んでいます。園では担任制を導入して愛着関係を醸成し、ほふく室を設け子どもの成育を支援すると共に、子ども一人ひとりの体調に合わせて休憩・休息時間を取る等、個々の状況に応じた保育を行っています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

1・2歳児も年間指導計画を策定し、目標として1歳児は、「安心して過ごしながら自分でしようとする気持ちが芽生える」を、2歳児は「行動範囲が広がり、探索活動が盛んになり心身ともに快適な生活を送る」とし、子どもたちの養育を行っています。月齢に応じて子どもたちはクラス間を行き来し、発達段階に応じた活動を行う等、一人ひとりの個性を尊重して主体性が発揮される保育を心がけています。基本方針の「子どもと共に親や職員も育ち合いましょう」を念頭に、保護者会・役員会・クラス懇談会で保育内容等を説明すると共に、保育参加、個人面談を通して保護者ニーズを聴取し保育に反映するようにしています。また、保育状況や育児に関する留意事項等を保護者に伝え、家庭と連携して子どもの養育を進めています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳以上児には、外部の指導者による体操教室を行い、4歳・5歳児には異文化を理解するための外部の指導者による英語教室を導入し、5歳児は外部の指導者による造形活動等、それぞれ独自の取組として行っています。特に、5歳児は就学を見据え、小学校の学校見学や、1年生と交流を図ると共に、日常生活の変化を踏まえ、午睡の時間を徐々に短くする等の配慮をしています。また、作品展、プレイデイ(体育発表)、発表会等、遊びの三本柱に相当する行事については、保育士が係活動を分担し子どもたちが役割をもって行事に参加できるよう、子どもたちと協働して行事を創り上げる活動を大切にしています。保護者との関わりでは、夏祭りの協働実施や、衣装の制作等で理解を得ながら協力いただいています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

園舎は横浜市ふくしのまちづくり条例の整備基準に適合するバリアフリーであり、エレベーターも設置しています。障害を持つ子どもを受入れ、医療機関や地域療育センターからの助言や巡回相談を受けて障害児保育を行っています。また、乳児の発達障害の有無や保育方法について、赤ちゃん教室等で保健師から助言を得て保育に生かしています。該当児の保護者とは連携して情報共有を図っています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

長時間保育への対応を課題として、クラス別の月間指導計画に「長時間保育」を位置付け、1歳児から年齢に応じて、「様子を見ながら玩具を替えたり落ち着いて過ごせるようにする」、「一人ひとりの体調を把握しゆっくり過ごせるようにする」、「一人ひとりの体調を把握して、他の保育士と連携する」、「夕暮れとともに不安になる子どもたちの気持ちを受け止め、一緒に遊んだり、手をつなぐ等安心して遊べるようにする」、「温かく楽しい雰囲気の中で過ごせるよう室内を整える」等の保育方針を掲げ、子どもたちが疲れないようゆったりとした保育に努めています。調査日の面談で乳児保育士は、「週末や午後遅くの時間帯で疲れる子は横になって休む」等、個々の子どもの体調に合わせた保育に心がけていることが確認できました。尚、職員間の引継ぎに関しては伝達漏れのないよう行っています。異年齢交流では、子どもたちに適した遊びの提供や興味を喚起する等配慮しています。また、園では、在園時間に配慮した食事やおやつの提供を行っています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

5歳児の年間指導計画のⅣ期(1月~3月)の子どもの姿に「就学に向け期待を持ちながら意欲的に行動していく」、ねらいに「様々な経験や対人関係の広がりを通し、自立心を高め、就学への意欲を持つ」と掲げ、保育内容において、健康教育では「就学することに期待を持ち、早寝早起きの生活リズムを身に付ける」、安全では「通学路について知り、通学時の安全に気を付ける」等の計画を立て、子どもたちを支援すると共に、保護者に対しては「卒園に向けての生活や就学までに身に付けておきたいこと、準備していくこと等を知らせていく」と計画しています。具体的な取組としては、子どもたちは、子どもが小学校を訪問したり、オンラインを活用して1年生と交流し、体験授業に参加する等に取組み、また、職員が幼保小研修会に参加して意見交換を行い、就学に必要な情報を得て進学支援に反映する等、連携を深めるよう取組んでいます。年長児の担任は、保育児童要録を作成し小学校に送付しています。保護者には、就学に当たって留意すべき点等を伝え、小学校の説明会等の行事について情報を提供する等、保護者支援を適切に行っています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

健康管理マニュアルを備え、子どもたちの心身の健康の維持・増進に努めています。また、保健計画を作成し、職員は一人ひとりの子どもの健康状態を認識しています。子どものケガについては、保護者と連携して事後対応すると共に、事故報告として把握し、再発防止に努めています。保護者に対して、感染症等の子どもの健康に関する情報については、ホームページや、園だより、ほけんだより、掲示板等により、速やかに伝えると共に、連絡メールを活用して感染症の発生状況や対応方針等の情報をリアルタイムで伝えています。SIDS(乳幼児突然死症候群)の予防としては、1歳までは仰向けに寝かせ、ブレスチェックも年齢ごとに間隔を定めて確認し記録しています。乳幼児突然死症候群対策強化月間では、国等のリーフレットを掲示して保護者へ周知を図っています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

健康診断・歯科健診の結果は適切に保存し職員に周知しています。留意すべきことがあれば児童票に記載して職員間で共有し保育に反映しています。また、歯磨き指導も行っています。健康診断や歯科健診の結果は保護者に伝え、必要に応じて受診するよう促しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どものアレルギー対応については、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」に沿って適切に対応しています。フラキシー気管支喘息等については、アレルギー関連検査報告書を基に医師の指導を得ながら保護者にも対応方法を伝え、ケアに当たっています。食物アレルギーについては、食物アレルギー対応マニュアルを作成し、食物アレルギー対応指導表に沿い、アレルゲンの除去食の提供や食事が混在することのないよう十分留意しています。また、保護者の了承を得て、他児とは隣接のサークルで食事するよう配慮しています。職員は、アレルギーや食物アレルギーについての研修を受講し、職員間で情報共有を図り、製薬会社からトレーニング用のエピペンを借りて、緊急時の対応実習も実施しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食育については、施設全体の保育計画に、0歳児の「食べることに意欲を持つ」から5歳児の「食事と栄養に興味を持ちながら食事をする」まで、年齢ごとに計画を立てています。クラスごとの保育の年間指導計画にも全体計画に沿った食育を掲げ、月間指導計画では、焼き芋パーティ等の行事や、おにぎり作り、育てたオクラの種取り、野菜あてゲーム等、子どもが食に興味を持つことができる取組を企画しています。子どもの食事場所は、保育スペースと分けて設置し、明るい清潔な場所でクラスごとに食事をしています。食育活動では、野菜の栽培や、近隣の畑で芋掘り、季節の野菜を見学する等の体験を採り入れ、簡単な調理や野菜の皮むき、お菓子作り等を栄養士や調理員の指導・見守りの中で体験しています。また、餅つき等の食に関する季節行事に取り入れる等、園独自の食育の取組を行っています。給食については、上記のような施設の方針を、入園時に園のたよりや重要事項説明書で保護者に伝えると共に、毎月の園だよりに、「レインボー保育園の給食」として、七五三の千歳飴や、箸の選び方、お腹が緩い時に適した食べ物等、食文化や食生活に関する情報を保護者に提供しています。食器は健康に害がなく割れにくい材質を採り入れ、食器の大きさも成長に合わせて配慮しています。保護者に対しては、給食の試食の機会を提供し、その日の献立はサンプルを掲示する等、給食の理解促進に努めています。利用者(保護者)アンケートでの「お子さんは給食を楽しんでいますか」については、「概ね満足」を含めて、満足度100%でした。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

給食は、できるだけ国産のものを使用し、信頼のおける近隣の青果店から食材を仕入れています。和食を中心に園内で調理し、手づくりで昼食と午前・午後のおやつを提供しています。検食簿や毎月の給食会議により、子どもの喫食状況を把握して、献立に反映しています。季節を感じさせる食材を意識的に採り入れると共に、餅の代用品を用いた正月の料理や、ひな祭り、七夕、お月見等の行事食を企画し日本の食文化や食事のマナー等を大切にしています。バイキング給食や、3月には卒園児の希望食を取り入れる等、子どもたちの希望に沿ったメニューも提供しています。栄養士は、子どもたちの食事を日常観察し、午睡前の絵本の読み聞かせを行う等、子どもたちとコミュニケーションを図りながら給食の感想や希望を聞く機会にしています。厨房は、衛生管理マニュアルに沿った適切な衛生管理(清掃・消毒・駆除・検便等)がなされています。保護者アンケートでも、季節の食材を使った食事メニューを評価する意見が寄せられていました。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人の基本方針に「子どもと共に、親や職員も育ち合いましょう」を掲げて、保護者と協働での子育てに取組んでいます。朝夕の送迎時には保護者に声をかけて、子どもに関する情報交換や相談に対応するよう努めています。また、掲示板や連絡メールにより情報の共有を図っています。保育方針や保育内容については、入園時や年に複数回開催する懇談会等で、スライドや園のしおり、重要事項説明書等により説明しています。誕生会や、日々の保育の状況についてはビデオ等を用いて保護者に様子を伝えています。役員会があり、施設運営について施設との協議の場として機能すると共に、夏祭り等の主要な行事に協働で取組んでいます。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

送迎時、ホームページ、掲示板、連絡メール等、様々な手段で保護者に情報を提供・共有を図っています。施設には、育児経験豊富で保護者の立場を理解できる保育士が多く、保護者の育児相談や悩みに適切に応えています。保育士は、地区の行政センターやケアプラザ、保健センターと協働で、地域の育児相談にも応じる等、保護者や地域の家庭の信頼を得ています。さらに職員は、クラスの子どもたちだけでなく、フロアを超えて全ての子どもと保護者を認識しており、職員間の連携によって、子どもの成育情報が共有され、どの職員も保護者に対応ができ、保護者の施設に対する信頼感・安心感は高いものと認められます。利用者(保護者)アンケートでも、「相談に乗ってくれる」、「要望にすぐに取組んでくれる」、「安心して預けられる」等の意見が多数寄せられています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

日常的に保護者の状況を把握して、育児や生活に疲れていると思われる保護者には特に積極的に声かけ・相談に努める他、必要に応じて児童相談所や保健所に情報提供しています。令和5年度の法人・施設の取組むべきテーマに「虐待について、誰も被害者・加害者にならないための環境づくり」を掲げて、職員の意識喚起を図ると共に、子どもの人権や虐待防止に関する研修を行っています。法人・施設独自の虐待防止マニュアルはありませんでしたが、今年度に「虐待対応マニュアル」を策定して、虐待防止対策の適切な運用を図ることとしましたが、第三者評価結果では職員はマニュアルの存在を認識できていないようですので、周知を図ることが望まれます。尚、職員アンケートでは、「子どもに対しては絶対に手をあげない」等の虐待に関する質問項目については、「できた」との回答率は各項目とも高く、「虐待を疑われる子どもの情報を得た時、関係機関に照会・通告する義務のあることを知っている」についても「できた」は96%と、虐待防止について職員の意識が高いことが覗えました。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

毎年、全職員の自己評価を実施しています。自己評価結果は職員会議で職員に共有され、継続的に自己評価を行うことで職員の自覚を促し、改善につなげています。また、特に懸念される項目については、職員会議で改善に向けた協議を行うと共に、毎年テーマを設定して、DVD等を活用した個人ワークやグループワークを行い、研修結果を職員で共有しています。令和4年度は、保育園児たちが対話を通じて成長していく様子を追ったドキュメンタリー映画「こどもかいぎ」の研修版DVDを活用し、施設の取組方策や、職員個々の保育姿勢等について振り返りを行っています。