社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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中山こども園

2021年04月27日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 一般社団法人 アクティブ ケア アンド サポート

② 施設・事業所情報
名称 中山こども園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60 名
所在地 226-0022
横浜市緑区青砥町1130番地1 ITOHビル1階
TEL 045-936-0717 ホームページ http://kodomonomori.co.jp/ny/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2009年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社こどもの森
職員数
常勤職員:8 名
非常勤職員:5 名
専門職員
保育士:9 名
栄養士:2 名
施設・設備の概要
居室等:保育室 事務室 厨房 更衣・休憩室
設備等:空調設備、厨房設備、沐浴設備

③ 理念・基本方針
保育理念 子どもの笑顔の源は大人の笑顔から、少しの余裕から安心ができ、安心から笑顔が生まれる。
園の保育目標 愛して 誉めて 励まして 認める

④ 施設・事業所の特徴的な取組
 国道に面した、建物の1階、ワンフロアの保育園です。地域の資源に恵まれていて、戸外活動では様々な体験ができます。ワンフロアの保育室で子どもたちに異年齢児保育が自然に行われています。子どもに「素足って気持ちいいね」と裸足・薄着で保育を行っています。
「丈夫な根っこを育てよう」と楽しいことや好きなことが経験できるよう保育を行っています。泥んこ遊び、ダンス、制作、行事、毎月の避難訓練などに取り組んでいます。職員は協力して保育に努めています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/08/11(契約日) ~2021/03/25(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3 回(2015年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ・各クラスの避難訓練計画を作成し、避難・通報、水害、不審者など多様な訓練を行っています
 水害・台風・地震等の災害マニュアルを整え、園長を防災責任者とした全職員の防災分担表や各クラスの避難訓練計画書を作成し、災害時の対応体制を定めています。毎月、避難訓練・通報訓練を行い、災害対策の問題点を把握し、必要に応じ見直しています。また、水害を想定した訓練では入居する建物の最上階の空き部屋へ避難するほか、不審者を想定した訓練を年2回行っています。地域の福祉団体と連携する災害時ネットワークを構築していて、災害時の施設開放や災害備品の提供など連携した取り組みを行うことにしています。
・標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立しています
 保護者との個人面談や行事後のアンケートで振り返り、保護者の意見を取り入れて、保育の見直しを行っています。例えば、保育参加の日程についての要望があり、職員ミーテイングで話し合い、例年7・9・11・2月に実施していた日程を保護者の「夏休み中に参加したい」との要望を受け7月~2月の間に変更し、参加日も保護者の希望に合わせて決めました。当日は、保護者がエプロンをかけて配膳したり、散歩に出かけたり、絵本の読み聞かせをしたり、父母の参加もあるなど一緒に楽しんでいました。「教育経営計画書」の組織に関する方針に示す、スピードを重視する「利用者のために良いと思うことは『すぐやる』」を実践しています。
改善を求められる点 ・転園や退園児に対する保育の継続性に配慮した支援について引き継ぎ文書の作成が望まれます
 転園する子どもの人数は少ないとみられますが、幼稚園への変更や、遠くから通園していた子どもの転園があります。変更や転園の背景には様々な事情があると想定されます。そうした事情を踏まえ、保護者の相談に対応する機会を設けたり、在園する子どもとの交流の継続に配慮したりしています。今後、こうした保育の継続性に配慮した手順や引き継ぎ文書を整備しておくことが望まれます。
・長期計画の目標の実現に向けた取り組みなどさらなる検討が期待されます
10年後、5年後、3年後の保育園の姿を描いた10年間の長期計画を策定しています。計画には理念や方針の実現に向けて目標を掲げていますが、その目標を実現するために具体的な取り組み、期間、実施状況の評価、達成度合いを測る指標などが織り込まれていず、改善の余地があります。今後のさらなる検討が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 今回(第3回目)、第三者評価を受審し当園の提供している保育・サービスの質について専門的かつ客観的な立場から評価をいただきました。
 評価をいただいたことにより今後の課題が明確になり新たな目標も定めることができました。
 評価の高い点については今後さらに推進し、また改善を求められた点については十分に検討を行ったうえで質の向上に努めより良い施設を目指して努力していきたいと考えています。
 新型コロナ禍という中、様々な事情を抱えての生活で園としても各ご家庭を支えられる場所であるように努めていきます。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

 保育園の理念・基本方針・目標は、パンフレットや「入園のしおり」に明記しています。運営会社(以下、「本部」という。)の理念「自分の子どもを入れたい園をつくる」をはじめ、園理念、基本方針、目標「愛して 褒めて 励まして 認める」に、保育に対する考え方を明らかにしています。職員は会議の中で唱和し、仕事に就いています。園内の掲示や園だよりに掲載し、保護者と職員に周知しています。入園説明会において、保護者に「入園のしおり」を配付し説明しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

 園長は、区子ども家庭支援課が関わる私立保育園園長会のほか、毎月開催される本部の園長会及び報告会に出席しています。その中で社会福祉の動向や地域福祉の現状、保育ニーズなど将来への予測や変化を把握し、分析しています。収集した地域情報や自治体の動向は「園長月間報告書」で本部に報告しています。また、経費申請書、その月の使用額、次月の振込額等収支状況を月単位でまとめ、それぞれ本部に報告しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

 毎月、子どもの出席状況をはじめ、職員の勤務等の状況、保護者の声、地域の状況等を「園長月間報告書」に記載し、本部に提出しています。経営環境や収支状況、職員体制等の分析結果に基づいて具体的な課題を本部と話し合っています。職員配置数は基準以上ですがゆとりある状況ではなく、良質な保育をするうえで職員の確保及び定着が経営課題と捉えています。職員会議でこうした課題を検討し、職員の協力のもとに人材確保に取り組んでいます。具体的には、本部と連携し求人情報誌やハローワーク、保育園の外壁に掲示するなど職員募集に努力しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

 中・長期計画は2020年度から2029年度まで10年間の計画となっています。計画には理念や方針の実現に向けた目標を記載していますが、その目標を実現するために具体的な取り組み(実施内容)、期間、実施状況の評価と数値目標などの設定が不足していると思われます。保育園が抱える経営課題、例えば職員の確保という課題に対し中・長期的にどのように解決していくか、目標と年次、年次ごとの実施事項、責任者、予算などを計画し、取り組んでいくこと、年次ごとにまたは必要に応じ進捗状況を評価し、計画を見直すことが望まれます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

 単年度計画に、中・長期計画の内容を反映した3つの目標を設定しています。目標とそれを達成するための実行計画、実施体制、実施期間等を決めておく必要があります。単年度計画には、目標のほか、子どもの定員と利用者数、保育時間、休園日、業務分掌、職員構成、行事計画、防災訓練実施計画、研修計画を織り込んでいます。現状、単年度計画は2本立てになっています。今後、一本化し、中・長期計画と連動した年度計画及び収支計画として内容を充実させることが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

 年末または年度末に職員会議や給食会議、クラス会議で検討し、年度事業計画を策定し、職員へ周知しています。年度事業計画には、各月の行事のほか、地域支援、身体測定、避難訓練、職員会議、研修計画の日程を策定しています。防災計画については乳児は各クラス、幼児は合同でその内容、実施日時を定め、終了後振り返りや評価を行い、次年度計画に反映しています。前年度の見直しを行い、新しいことを取り入れ、より質の高い内容にしています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

 年度事業計画のうち、保護者に関わる園の概要や年間行事予定表などは年度末及び年度初の保護者懇親会、入園面談、運営委員会で説明し、「園のしおり」や「園だより」に記載し、配付しています。また、月毎に保育内容としてその月の登園日、活動予定、例えば、戸外活動や制作などその日にどのような活動を行うかを分かるようにしています。防災訓練等で使用するメール通信網を使って、運動会やお楽しみ会などの行事についても配信しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

 保育全般を確認するチェックリスト(基本姿勢、総則、保育の内容、健康及び安全、子育て支援、職員の資質向上、園独自の取り組み等100項目)を使って、職員全員が自己評価を実施しています。第三者評価は今回で3回目となります。指導計画の作成時には必ず1期前または1月前の取り組みを振り返っています。行事後は反省会を催し、より良い行事を実施していくため検討し、次回の行事に反映しています。保護者アンケートを実施し、その結果を分析し、保育に反映しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

 職員それぞれが行った自己評価の結果を集計し、保育所全体の弱み強みを把握しています。また、保護者アンケートを実施しています。職員会議で自己評価や保護者アンケートの結果に基づいて総括を行い、より質の高い保育に向けて対策を検討しています。例えば、改善点として手作り玩具を増やすことや子ども一人一人に対する配慮を行き届かせること等を挙げています。園長は自己評価の結果をもとに、職員と個人面接を行い、それぞれの保育の質の向上を図っています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

 園長は自らの役割と責任を明確にし、職員会議、クラス会議、昼ミーティング、研修において職員へ伝え、理解を得ています。組織図、配置図や防災分担表に園長の役割を明示しています。園長が不在となる時は予め会議や昼ミーティングの際に伝え、ミーティングノートに権限を委任した職員の名前を記載しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 園長は、自ら法令に関する理解を深めるとともに、区や本部の園長会や研修会に出席し、法改正の情報を入手し正しい理解に努めています。園長は新しい「保育所保育指針」研修会などに出席し、法令遵守について学んでいます。また、幼児活動研究会による児童憲章、「職員の資質向上」を受講し、修了後、職員に資料を配布し伝達研修を行っています。職員は日々本部の「教育経営計画書」の読み合わせを行い、法令順守や自己研鑽に努めています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 園長は、保育の質を向上させるというテーマで、毎月職員ミーティングを行い、職員一人一人に得意分野について発表させるなど、職員全員が保育の方法や工夫について理解を深めるよう取り組んでいます。職員は、マナー、環境整備、保護者との関係やインターネット利用等について記載した参考図書を読み合わせ、自分に欠けているところを学んでいます。本部が実施する「保護者アンケート」の結果から保育園全体の評価を受け、評価が低くかったところの改善に取り組んでいます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

 園長は保育園の財務、労務、人事の状況を把握し、適正な運営に努めています。月ごとの利用実績は安定しています。支出面で本部から配分される予算を超えることが続いていましたが、食材等の調達(同じものなら安価な店で買う)、電気使用料(節電に努める)、ゴミ収集費用(排出量を少なくする)などの節減に取り組み、今年度に入って予算対比のバランスを回復させるができました。人事管理面では勤務シフトの管理は園長が行い、週3日勤務の職員が1名増員され、職員の休憩時間が取れるようになっています。 

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 職員の募集・採用は本部と保育園が行っています。採用活動は本部のホームページ(以下、「HP」といく。)や人材紹介会社、ハローワーク等を通して行っています。常勤職員は新卒者を中心に有資格者を採用しています。非常勤職員は、保育に理解があり、意欲のある人を採用しています。保育園では、職員による紹介をはじめ、実習生に働きかけています。保育園で面接を行い、2次面接は本部が行っています。採用後、本部の新人研修を受講した後、保育園において園長と職員による研修を受け、新年度4月から保育に就いています。 

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

 本部の「教育経営計画書」に記載された「期待する職員像」として、スタッフ、経営者、専門職の3方向(長期的な展望)を説明し、どの方向に進むかを示しています。職種や職位による職員育成を図るため、外部研修も含め必要な研修を受講するよう計画しています。職員の専門性や能力、職務に対する貢献度は、職員が自己評価した「スタッフシート」をもとに園長と面談し、評価を決めています。園長は、定期的に異動や配置変更に対する意向を確認しています。職員の昇給や昇格等の処遇については、園長が作成、提出する「評価シート」をもとに、本部で決定されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

 職員の勤務シフト、有給休暇の取得や時間外勤務の管理等は園長が行い、職員それぞれの能力や経験などを考慮して業務を配分しています。業務が所定の勤務時間内に終わるよう調整し、体調が悪い時は配置を変えるなど健康と安全に配慮しています。園長は職員とコミュニケーションを図るとともに、相談時間を作っています。有給休暇の取得を奨励し、全員が取得しています。福利厚生制度には、慶弔、職員旅行の補助、娯楽施設割引券の配布等が含まれています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 園長と職員との個人面談は、秋・冬・年度末など年2~3回実施しています。職員の目標、移動・退職希望、相談などを話し合います。定期的に保育者としての基本姿勢や業務遂行度を自己評価する「スタッフシート」をもとに園長が面談し、進捗状況を確認し評価しています。このほか、本部傘下の保育園(以下、「グループ園」という。)の園長との面談もあり、職員は複数の人に相談できる仕組みを整えています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 本部の「教育経営計画書」には職員に対する未来像、職員に対する方針を明記しています。本部が主催する「年間研修計画予定表」を作成し、それをもとに階層と職種に応じた研修を実施しています。今年度の園内研修は「保育の質を向上させる」をテーマに、毎月職員が交替で自分の得意分野について発表しています。市の北部療育センター職員が来園し、発達障害や配慮が必要な児童の保育についての話を聞く研修を行っています。本部が推奨する人材育成研修への参加を職員に呼びかけています。受講した職員は、研修報告書を作成し、回覧や報告会を行って研修成果を共有するなど活用しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

 本部は入職内定者に対し、1~2月頃新人職員研修を実施しています。3月になると園内で園長と先輩職員が内定職員に対し実地指導を行っています。例えば、ミルクの作り方、子どものオムツの取り換え方、衣服の着替え仕等を現場で実践的に指導しています。本部や市・区等が開催する研修情報を給食を担当する職員を含め是員に周知し、受講を奨励しています。外部の人材育成機関の研修を受講する際は、勤務シフトを調整するなど受講できるよう配慮しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

 「実習生・ボランティアマニュアル」及び「実習生オリエンテーション資料」を作成し、身だしなみや服装の注意事項、個人情報保護、子どもへの接し方など基本的な姿勢と遵守事項を明示しています。学校側の定めた日数・時間に基づいて保育園は実習目的と課題を明確にした「実習プログラム」を作成し、実習目的に沿うクラスに配属しています。実習指導は担当職員を決め、実習生の受入れ手順と対応に基づいて指導しています。派遣元の学校教員が来園し、連携を図りながら進めています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

 本部のHPに、理念、方針、取り組みを掲載しています。年度事業計画・報告等は開示しています。第三者評価の受審状況、苦情解決体制は園内に掲示しています。保育園の年度事業計画・報告は、園だよりや掲示物で保育の内容や行事内容を報告しています。地域に向けた保育園の子育て支援事業に関し、育児相談、園庭開放、お話し会などを計画し、実施予定を区の「みどりっこひろば イベントカレンダー」(こども家庭支援課発行)に掲載しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 保育園の重要事項説明書に、職員の職種及び職務内容を記載しています。年度事業計画の中に業務分掌表があり、担当者名と職員構成を記載しています。職員には会議で周知しています。保育園の事務、経理、取引等は本部の内部監査を受けています。また、本部は外部の会計監査事務所の監査を受けています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 全体的な計画の「地域の実情に対応した保育事業と行事への参加」という項目に、「人的物的面での確保、保育教諭の確保により乳児保育を含む3歳未満児の受け入れを推進し、対応する。未就園児を対象とした行事への参加」と記載し、保育園の地域に対する基本的な考え方を示しています。区の「みどりっこまつり」などで保護者に向けて情報を提供しています。年長児交流保育、小学校見学、ケアプラザ訪問等、地域との関りや交流を広げています。また、地域の子育て支援として育児相談、園庭開放、お話し会、行事へ招待しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

 「実習生・ボランティアマニュアル」を作成し、保育中や通勤時における服装・身だしなみの注意事項や個人情報の漏洩の禁止、子どもの名前の呼び方、プライバシー保護等について決まりを定めています。中学生の職業体験ボランティアを3名を受け入れています。「実習生オリエンテーション資料」には、学校教育への協力についての文書や登録手続き、配置などについての文書があります。ボランティアに対しても登録や配置、期間など今後は文書面での整理が期待されます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

 区こども家庭支援課、児童相談所、警察署や消防署のほか、病院、学校、他の保育園等関係機関の連絡先と電話番号等をリスト化しています。関係機関や本部から伝えられる各種の情報は職員に周知しています。園長は、地域の園長会、区要保護児童相談会や児童相談所の虐待防止関連会議に参加し、地域情報を入手するとともに、連携を図れるようにしています。市北部地域療育センターの巡回相談のほか本部の巡回相談の機会に、配慮が必要な子どもや保護者に対する対応方法の指導やアドバイスを受けています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 毎年2回、運営委員会を開催し、出席した保護者代表や外部の有識者に運営状況を報告し、同時に意見や地域の情報を聞いています。地域の福祉関係研修会に参加し、災害研修では浸水災害に関する研修や対応マニュアルの作り方を学んでいます。児童相談所の虐待防止研修では、地域の事案など関連情報を入手しています。未就学児を対象とする地域子育て応援イベント「みどりっこまつり」に参加しています。子育て中の保護者が立ち寄り、おむつの取り換えや授乳などができる「赤ちゃんの駅」を開設したり、子育てに悩みを持つ保護者の相談を受けています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

 地域の未就園児を対象に、子育て支援事業を展開しています。育児相談は毎週水曜日、園庭開放は毎週木曜日、交流保育のお話し会やリトミック等を月1回開催しています。こうした事業の計画と内容などを区こども家庭支援課に報告しています。これらの活動は、区発行の子育て情報誌に紹介されていて、地域コミュニティーの活性化やまちづくりに貢献しています。災害連絡網や災害時の施設開放、災害備品等について地区社会福祉協議会や地元自治会と連携を図り、互いに助け合う事業を進めています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 保育に関わる全体的な計画の中に、基本方針や保育目標「愛して誉めて認める」を明示しています。園長は子どもを尊重した保育の実践について職員会議で説明し、皆で保育方針・保育目標を唱和しています。各クラスに掲示しています。職員は倫理綱領を心得ています。本部の勉強会や研修に参加し学習しています。職員は人事評価シート「スタッフシート」で目標を立て、園長と年に1回面談しできたことやできなかったことを確認しています。子どもには、「みな違っていい、みないい」と互いを尊重し認めあう活動を進めています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

 本部の「教育経営計画書」に、「子どもに対する方針」を明記しています。職員は入職時に子どものプライバシーに関する研修を受けています。プライバシー保護マニュアルに沿って、入園時に説明し、緊急に医療期間へ行く必要がある場合等に限ることを説明し、同意を得ています。身体検査の時やプールの着替える時は部屋を仕切ったりして羞恥心に配慮しています。泥んこ遊びの時もTシャツを着せるなど一人一人の遊びに合わせて配慮しています。保護者には、水遊びなどの「お知らせ」を配布しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

 基本方針や保育目標、定員・保育時間・休演日・入園年齢、年間行事予定、利用料、周辺地図を記載したパンフレットを用意しています。パンフレットは「みどりハーモニー」(地区センター)に常置し、必要な人はいつでも手に取って見ることができます。パンフレットの記載内容は、保育参加月間や子どもの誕生会等を適宜見直しています。区の「みどりっ子カレンダー」(毎月発行)に、保育園の園庭開放日・育児相談日を掲載しています。利用希望者には、年度の普段の保育の様子を撮ったアルバムや行事等の資料を使い、丁寧に説明しています。パンフレットの内容は保育参加月間や子どもの誕生会など見直しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

 入園説明会において、「入園のしおり」に沿って説明し、併せて重要事項説明書に同意を得ています。個人情報保護に関する同意書にも同意を得ています。「入園のしおり」には、園の方針、保育目標、慣らし保育、持ち物、園の1日の様子、保育料、年間行事予定、メール配信システム、給食等について記載しています。新型コロナウイルスの感染に伴う緊急事態宣言発令中、「保育意向確認カード」を配布し、登園予定を確認しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

 転園した子どもについての転園先の園からの連絡があることもあり園長が対応します。転園児には子どもの制作した作品等まとめて渡しています。入園理由がなくなり退園した場合は、在園児の戸外散歩など行く先を知らせて、一緒に遊んだりしています。子育てなどの相談などもしています。相談窓口は園長がしており、不在時には主任がしています。転園、退園した子どもには行事等の案内状を送っており参加しています。今後、保育の継続性に配慮した手順と引継ぎ文書の整備が望まれます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 保護者は保育の中で子どもの表情や楽しかったと話す姿から満足を感じています。保護者に行事ごとのアンケートや保護者満足度調査を行っています。「降園時におむつが替えをしてないのではないか」という意見があり、降園30分前におむつ替えをするよう改善しました。保育参加について保護者の夏休み中に参加したいとの要望を受け、7月から2月までに変更しました。年度末に1回実施していた保護者懇談会をクラス懇談会に変更しました。子どもの希望で、誕生月にその月生まれの子どもを一緒に祝うのではなく、一人一人の誕生日に変更しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

 苦情解決の仕組みを、苦情解決体制として図式化しています。苦情受付担当者は各クラス担当、苦情解決責任者は園長とし、第三者委員2人は苦情受付をはじめ立ち合いや助言等を行っています。苦情解決体制には、苦情の受付から、解決、結果の公表、苦情申し出者への説明までを示していて、掲示しています。本部事務局宛ての葉書と保護者の意見箱を玄関に設置し、葉書は匿名で投函できます。受け付けた苦情は記録に残すとともに、職員会議等で協議し、その対処状況を申し出者に配慮したうえで公表しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

 保護者が相談したり、意見を述べる複数の方法及び相手を選べることを説明しています。園長は、毎日連絡帳に目を通していることと併せ、どんなことでも連絡帳で知らせてほしいと伝えています。個別面談をする際は、職員室など他の保護者から見られないよう配慮しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

 職員が保護者から相談を受けた時は、園長に報告し、内容によって職員間で共有しています。相談内容に応じミーテイングを行い、利用者にとって最善の方法を検討します。保護者から、お箸に対する意向、断乳、指しゃぶり、午睡、夜寝ないこと等様々な相談を受けていて、気軽に相談しやすい環境とプライバシー保護に配慮しながら対応に努めています。相談は受付担当者に限定せず職員のだれもが受けていて、必要に応じ園長と相談し解決を図っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

 リスクマネジメントに関する責任者は園長です。職員に事故発生時に対応する手順等を周知しています。事故やヒヤリハット事例はミーテイングで再発防止対策を検討しています。毎月園内の安全点検を行い、引き戸や扉等の破損の有無、避難経路に妨げるものを置いていないか等18項目を確認しています。園マニュアルによって、園外保育、遊具、歩道の歩き方等の安全点検を行っています。「事故記録簿」及び「ヒヤリハット記録」に事案の発生状況をとりまとめ、振り返り、反省し、改善点や再発防止策を話合い、記録しています。 

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 感染症マニュアルには、ウイルス対応マニュアルが含まれています。感染症対策の責任者は園長です。感染症予防のため、うがい、手洗い、アルコール消毒などを徹底しています。保護者対応として、近隣で発生した区の情報を掲示するほか、子どもが発症した時には感染症名とクラスを掲示します。職員にも感染症の流行等を周知しています。感染症については、メール連絡網で保護者に知らせています。医師会の研修会で感染症が取り上げられ、園長が参加しています。園内でも感染症についてミーテイングで学習しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

 園長を防災責任者とする職員の防災分担表及び各クラスの避難訓練計画書を作成し、災害時の対応体制を定めています。水害・台風・地震等の災害マニュアルを整えています。毎月定期的に避難訓練・通報訓練を行い、災害対策の問題点を把握し、必要に応じ見直しています。水害を想定した訓練では、入居する建物の最上階の空き部屋を利用して避難しています。不審者を想定した訓練を年2回行っています。地域の福祉団体と連携する災害時ネットワークに参加していて、災害時の施設開放及び災害備品の提供等に取り組んでいます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

 運営規程には、保育についての心得をはじめ、保育の内容、子どもの人権や尊重にかかわる姿勢等を定めています。標準的な実施方法を文書化しています。本部作成の「教育プログラム」、「子どもの森のお約束」には職員(保育士)の基本、子どもの接し方、プライバシーの保護等にかかわる姿勢を示しています。職員はこれらを所持し、日常的に活用しています。年間指導計画から月案、週案と保育の計画を立て、子ども一人一人を尊重した保育を実施しています。子どもの意見を取り入れ、月ごとにまとめた誕生日会でなく、本人の誕生日に変更し祝っています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

 保護者との個人面談や各行事アンケートでの反省をもとに、保育の見直しを行い、保護者の意見を取り入れることもあります。保育参加の日程について要望があり、ミーテイングで話し合い変更を決定しました。保育参加は例年7・9・11・2月に実施していた日程、保護者の夏休み中に参加したいという要望があり、7月から2月までの間に変更しました。参加の当時、保護者がエプロンをかけて配膳したり、散歩に同行したり、絵本を読み聞かせたり、また、父母の参加もあるなど保護者が楽しんでいたということです。指導計画は子どもの様子や保護者の個人面談で寄せられた意向などを踏まえ適宜見直しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

 指導計画策定の責任者は園長が勤めています。入園時、保護者が児童票や健康記録等を記入のうえ提出し、主任、栄養士等複数の職員が 保護者の意向や子どもの姿を捉え課題及びニーズを把握しています。全体的な計画に基づいて指導計画を作成しています。園長が確認し、職員会議で決定しています。子どもと保護者の具体的なニーズを個別指導計画に明示しています。支援を必要とする子どもには、関係機関の助言や保護者の意見を検討し計画に反映しています。月間指導計画は月ごと振り返り、見直した結果を次月に反映しています。支援困難ケースの子どもにも個別指導計画を作成し、保育を実施しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

 指導計画の見直しは、年間指導計画は年度末に保護者の意向や子どもの発達の状態等評価・見直し次年度の計画を作成しています。月間計画は前月末に各クラスで評価し、次月の計画を作成したうえで職員会議で承認しています。緊急に変更する場合は、その内容をミーテイングで確認したり、ノートに記載したりして共有しています。指導計画の評価・見直しにあたっては、保護者の意見やアンケートの結果、子どもの様子、標準的な実施方法に反映すべき事項かどうか、保護者のニーズ等に対応する保育や支援が十分でない状態かどうか等を確認しています。こうした評価と見直しの結果を次期計画の作成に生かしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

 子どもに関する記録には、児童票をはじめ、児童健康台帳、経過記録、担任面談記録等があり、個別フアイルに閉じて保管しています。0・1・2歳児と配慮を要する子どもは個別指導計画を作成しています、3~5歳児はクラス単位の指導計画を作成しています。保育の様子は日誌や経過記録等から確認できます。職員が指導計画や経過記録等の記録内容や書き方にバラツキが生じないよう、各様式の書き方見本を用意しています。色を付けて分かりやすくしています。本部からの情報は園長から主任、そして職員へと職員会議で伝えています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

 本部の「個人情報保護ガイドライン」、保育園の「プライバシー保護規定」を定めています。経過記録、身体測定結果記録等の子どもの記録の保存期間は5年としています。園長が記録管理の責任者となっています。記録の管理について個人情報保護の観点から職員に対し職員会議等で研修を行っています。保護者からは、個人情報取り扱いに関する同意書に同意を得ています。同意書には、個人情報の第三者への提供として、小学校への接続時の情報提供のほか、園だよりなどの配布物や掲示物等、けがなどの医療機関等の受診時の情報提供をあげ、同意を得ています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

 全体的な計画は、本部の理念や保育園の保育目標「愛して 誉めて 励まして 認める」を軸に、「保育所保育指針」等の趣旨に沿って編成しています。全体的な計画は、子どもの保育目標を乳児から5歳まで年間指導計画の基本事項として明示しています。乳児保育の3つの視点や「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」等を意識し、子どもの心身の発達や家庭状況,小学校との接続、地域の子育て支援などを取り込んで作成しています。園長とリーダーが主として作成し、職員全員で確認しています。年度末に自己評価を行い、次年度の計画を作成しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

 保育室は心地よい生活と遊びの場となるよう季節に合わせ温度は18~28度に、加えて湿度、換気、採光、音などを常に適切な状態に保つよう気を配っています。園内外の設備のほか、コットや布団は毎週丸洗いする等衛生管理に努めてます。家具は木製を使用しています。衝立で仕切る等一人一人がくつろいだり落ち着けるよう配慮しています。食事と午睡の場所は分けています。午睡中はオルゴール曲をかけ、気持ちよく眠りにつけるよう気を配っています。手洗い場所は3か所、2歳児用のおまるのトイレ、幼児用の扉のついたトイレを設置しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

 心身ともに健やかに子どもを育てるには、「あるがままの子どもの姿を受け止めて、きめ細かなかかわりと援助が必要」と考えています。子どもを受容していくうえで、家庭環境や生活リズムが異なり、一人一人の発達から生じる個人差を十分把握して関わるよう努めています。子どの欲求や気持ちに応じて優しく対応することによって、心地よくなり喜びを感じ、働きかけに応じてくれます。子どものありのままの姿を受け入れ、寄り添う保育を行っています。子どもの動きや視線などで判断し制止するような言葉でなくわかりやすく穏やかに言葉かけをしています(指導計画の子どもへの配慮事項に「話しやすいような声のトーンや表情を心がける」と記載)。適切でない伝え方であった場合は、指導しています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

 保護者と個人面談時などに、子どもの食事、排せつ、睡眠、着替え、清潔などの基本的習慣を聞き取り、連携して身に着けていけるよう援助しています。特に排泄等個人差がある習慣については、連絡帳や個人面談で家庭の様子を把握するとともに、保育園での様子を伝えながら、子どもに合わせて進めています。午睡は、各家庭と子どもに合わせて対応しています。園内に、身支度のカード「あさのおしたく」、「おひるねのおしたく」と順番を平仮名と写真で掲示しています。登園時や午睡時、子どたちはこのカードを見ながら一人でできるようになっていきます。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

 園内はワンフロアで、異年齢児保育が特に違和感もなく自然とでき、年長の子どもが年下の子どもの世話をしたりしています。年長の子どもが食事当番や片付け、挨拶をしています。5歳児は当番活動として他の子どものコットを片づけています。園外活動で、秋探し・味覚狩りなど地域の農家で果物や野菜の収穫体験を楽しんでいます。地域住民と触れ合い、子どもたちから挨拶をしています。2歳児は簡単な言葉で伝えあい、友だちと遊ぶことを楽しみ、「かして」「やめて」と言葉をかけたり、砂場で好きな作品を作ったりと、自主的に主体的に遊んでいます。子どもたちは制作やダンスなど様々な体験を重ねています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 0歳児が安心して職員と愛着関係を持てるよう関わっています。遊びのスペースは棚も低く手の届く高さにしています。一人一人のリズムに合わせ、安心して過ごせるよう環境構成を工夫しています。部屋は明るく清潔にし、床には敷物を敷きハイハイしたりと自分の好きな玩具で遊べるようにしています。玩具は柔らかい素材のものを用意し、子どの興味に合わせて変えています。子どもには気持ちや指差しに応じ、「○○だね」と気持ちを代弁し、「○○したかったね」と応答的に接しています。保護者とは連絡帳や登降園時の会話を通して連絡を密にしています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 子どもが自分で何かしようとする気持ちを受け止め、尊重しています。自分の思いを友だちに伝えようとして「かして」、「ごめんね」、「ありがとう」など子どもがわかる言葉で伝えています。子ども同士のトラブルには自我の育ちと受け止め、職員の思いを伝えながら仲立ちをします。室内で制作や段ボールで遊び、天気の良い日は季節を感じられるよう、例えば「秋を探そう」と幼児と一緒に散歩に出かけ、秋の彩り、自然の変化を感じています。登降園は、保護者との会話を大事にし、日中の様子を詳しく伝えています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 毎月の園便りに、その月の保育目標と保育内容を記載しています。11月の 3歳児は「基本的な生活習慣がわかり、身の回りのことを進んでできるよう」友達や異年齢児と一緒に遊び、4歳児は「友達とかかわりを深める中で、互いの想いや意見を受け入れて遊ぶこと」とし、4,5歳児合同でダンスの練習や戸外活動など楽しんでいます。5歳児は「集団遊びを通して、協調性を育み、決まりや約束を守ろう」で、文字や数に興味を持ち、正しい時計の読み方などを教えています。就学の不安を受け止め、安心して日々の生活を楽しんでいけるよう配慮しています。訪問調査の日、幼児はクリスマス発表会の劇やダンスの練習をしていました。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 障害のある子どもの保育にあたり、保護者と面談し合意のうえ療育機関につないでいます。市の北部地域療育センターの巡回相談を申し込み、来園した職員が子どもの生活の様子を観察してもらい指導や助言を受け、これを保育に生かしています。また、個別指導計画を作成しています。子ども同士の関わりに配慮し、ともに成長できるよう努めています。障害児・配慮児に関する研修を、同北部地域療育センターで受講しています。在園する子どもたちの一人一人に丁寧に関り保育をしています。保護者とは必要に応じ個別面談を行っています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 長時間保育においては、日々の保育の連続性に配慮しています。安心して過ごせるようスキンシップを多くして、情緒の安定、事故やけががないよう注意を払っています。0・1歳児が落ち着いて遊べるよう配慮し、寝たい子どもは体を横にして休んでいます。3・4・5歳児は合同保育で、園庭で自由に遊ぶ子どももあり、子どもの様子を職員が見守っています。子どもに補食や夕食を提供できますが、訪問調査の時点では希望者はいませんでした。保護者への連絡事項はミーテイングノートによって遅番職員に引継ぎ、伝えています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

 全体的な計画に小学校との連携(接続)について明記しています。職員は「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」などを共有し、教育との円滑な接続に努めています。毎年、小学校教諭との意見交換や合同研修が行われています。就学児の小学校訪問や見学、小学校教諭の来園を通して交流しています。区内保育園の年長児の就学に向けた交流会に参加しています。児童保育要録を作成し、各学校に届けています。保護者には、「入学までに何をする」という小冊子を配布し、就学までの1年間の過ごし方など伝えています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

 健康管理に関するマニュアルを備えています。毎朝、登園時に子どもを触診し健康状態を記録しています。体調変化やけが等がある場合は、直ぐ医療機関に連絡し、受診すると同時に、保護者に連絡しています。乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防のため、午睡時に呼吸やうつぶせ寝など、0歳児は5分、1・2歳児は10分おきに確認し記録しています。0歳児は体動センサーを使用しています。SIDS予防に関する知識は職員に周知し、必要な対応を実施するとともに、保護者にも伝えています。保健年間計画を作成し実施しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

 健康診断は年2回、歯科健診は年1回、それぞれ実施し、その結果は保護者に知らせています。子ども全員の身長及び体重の計測を毎月実施しています。視力・聴力・尿検査は4歳児に年1回、尿検査は3歳児に年1回、それぞれ実施しています。これらの結果は児童健康台帳に記録しています。年間保健計画では、新入園児の体調管理をはじめ、玩具の消毒、手洗いやうがいの励行など健康管理の実施内容、歳児別活動、保健行事、家庭との連携、留意点、職員による子どもの健康状態の把握や感染症の初期対応などを織り込んでいます。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

 食物アレルギーの子どもは、医師の診断を受け、「アレルギー疾患生活管理指導票」に記入してもらったうえで対応しています。保護者と面談し、連携して給食を提供しています。食事時はテーブルを分け、子どもは職員の側で食べています。トレイには食物アレルギーの原因食物を明示し、配膳の都度確認しています。栄養士、調理師は本部の研修を受講しています。本部や市の「保育所における食物アレルギー対応マニュアル」をもとに対応しています。行事等の際、保護者に子どもの原因食物(例:小麦)の入った菓子などにシールをつけ、注意を喚起しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

 全体的な計画をもとに、年間食育計画を作成し、栄養バランスを考慮した自園調理、食育活動、行事食、クッキング、給食試食等明示しています。温かな親しみとくつろぎが感じられる場、発達に応じたテーブルと椅子、食器と食具を用意し、音楽を流しています。個人差に応じ、量を加減し、お変りもでき、満足感が得られるよう配慮しています。クッキングやお楽しみ会、おにぎりの日、誕生日会、和食の日など子どもが楽しめるよう工夫しています。毎月の「えんだより」の給食だよりに、旬の野菜や食事のアドバイスを記載しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

 毎月の「えんだより」に献立表を入れています。献立表には、昼食やおやつ、体を作る食品などの説明を記載しています。季節感のある食事、地域の文化や行事食など取り入れています。職員は子どもの食事の様子を見たり感想を聞いたりして好き嫌いなどを把握しているほか、残采を記録し献立や調理方法の工夫に反映しています。きのこご飯やおにぎりの日、また、外国の食材を使った料理、ハロウインのかぼちゃのクッキーなど楽しめる食事を提供しています。衛生管理チエックリスト表で手洗い・設備等36項目確認しています。給食日誌には残采や清掃状況等を記録しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

 連絡帳や登降園時の会話を通して情報交換をしています。年1回のクラスの保護者懇親会でビデオを映し保育の様子を紹介しています(今年度は中止)。保育参加は、保護者の意見で7月から2月の間に実施することに変更し、保護者に希望日を記入してもらうよう受付に表示しています。行事や保育参加などによって、保育のねらいや保育内容・保育計画等に対する保護者の理解が得られるよう努力しています。入園時に、児童票や家庭状況などの必要書類に記入し提出してもらっています。家庭の状況の変化や要望等は保護者との個人面談で聞取り、記録しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 登降園時に保護者とコミュニケーションが取れるよう声かけに努めています。子どもの日中の様子をノートに記録して引継ぎ、降園時に保護者に伝えています。「相談などいつでも声をかけてください。」と伝えるとともに、連絡帳の記入内容で気になることがあれば、園長は直接保護者に声をかけ、プライバシー保護に配慮しながら相談に応えています。個人面談は日程を決め、保護者の希望日を記入してもらい都合の合う日の夕方に行っています。職員2人で面接し相談内容は記録しています。職員だけで判断できない時は園長が助言しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

 本部が「虐待防止マニュアル」を用意しています。朝の登園時に子どもの様子を丁寧に視診をし、親子の関わり合いも観察しています。0,1,2歳児は連絡帳をやりとりし、家庭における養育状況の把握に努めています。虐待のおそれがあると感じた時に園内で情報を共有し対応を協議する体制を整えています。対応を協議し、園長から本部に連絡しています。また、児童相談所や関係機関と連携して取り組む体制を整えています。職員はマニュアルに基づく研修に参加しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

 職員は、自からの保育実務を「スタッフシート」を使って振り返り、園長と毎年1回面接しています。0歳児のクラス会議で、保育を振り返り、よかった点、足りなかった点を評価しています。例えば、指先を使った遊びを保護者や友だちと一緒に楽しみ、どのくらいできるかを知ることができた、また、戸外の遊びに季節の移り変わりを感じるとしたが、あまり秋を感じられなかったなど、具体的な改善点を挙げて話し合っています。クラスの状態の観察や子どもに対する配慮など一人一人に丁寧に関わっていることがうかがえました。