社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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出来野ルーテル保育園

2025年04月22日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 出来野ルーテル保育園 評価対象サービス 2024~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 90(85) 名
所在地 〒210-0825
川崎市川崎区出来野6-7
TEL 044-201-1146 ホームページ https://ikusosu.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2013年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 イクソス会
職員数
常勤職員:13 名
非常勤職員:18 名
専門職員
保育士:16 名
栄養士:1 名
調理師:1 名
幼稚園:1 名
子育て支援員:4 名
施設・設備の概要
居室:0歳児室
居室:1歳児室
居室:2歳児室
居室:3歳児室
居室:4歳児室
居室:5歳児室
居室:一時保育室
設備:給食室
設備:地域子育て支援センター
設備:テラス

③ 理念・基本方針
<理念>
◎人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなた方も人にしなさい
児童福祉法とキリスト教に基づき、保育に欠ける全ての子どもにとって、最もふさわしい生活の場を保証し、愛護すると共に、最善の利益を図り、保護者と共にその福祉を積極的に増進する。

<基本方針>
1.子どもが健康安全で情緒の安定した生活ができる環境を育成する。
2.子どもが自ら行いたい活動ができる環境を整備し健全な心身の発達を図る。
3.養育と教育が一体となって豊かな子どもの人間性を育む。
4.地域における子育て支援の為に保育に関する相談に応じ助言する社会的役割を果たす。

<保育目標>
1. 他人に迷惑をかけずに、いたわりの心を持つ園児に
2. 互いに協力できる園児に
3.個性を大事に健やかに成長する園児に
4.明るく素直で礼儀正しい園児に

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<出来野ルーテル保育園の特徴的な取組>
●キリスト教保育とモンテッソーリ教育を保育の柱にしています。
●キリスト教保育の中で育んできた神様の存在は、決して一人ではなく、見守っていて下さる方が居るという心の強さと、自分の中に振り返る力の種を育てています。子どもたちは、毎月の「聖句」の話をとても楽しみにしています。
●モンテッソーリ教育では、子どもの「敏感期」を見逃さず、子どもが教具に集中している時に、傍らで見守り、必要に応じた援助を行い、自主性を育んでいます。行動への道筋を持つ力と、無理なく好きなことに取組める力を育て、友だちへの思いやりや優しい心を育てています。
1.健康チェックを受入れ時にチェックしている。
2.モンテッソーリ会議、教具の検討や個別支援の検討を行っている。
3.キリスト教保育会議を通して、理念に基づく保育研修を行っている。
4.より良い保育を議題の会議を持ち、法人全体研修を行っている。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/09/25(契約日) ~2025/04/15(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2019年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【出来野ルーテル保育園の概要】  
●出来野ルーテル保育園(以下、当園という。)は、平成25年に川崎市から民間移管として社会福祉法人イクソス会(以下、法人という。)が運営・管理を行っています。法人は、横浜市に4園、川崎市に2園の認可保育所と学童保育施設(ルーテル学童保育会)を運営しています。法人全体で、キリスト教の教えを中心にして、神が私たちを愛してくださっているように、私たちも隣人を愛していくことを日々行うことに努め、保育に当たっています。

●当園は、京浜急行線「東門前駅」、または「大師橋駅」から徒歩7分の住宅地の中にあります。道路向かいには川崎市立大師中学校があり、災害時の避難場所になっています。園舎は、鉄筋コンクリート2階建てで、各年齢の保育室の他、一時保育室、地域子育て支援センター「できの」があり、保育園の専門性を生かした地域の子育て支援をサポートしています。また、広い園庭を有し、子どもたちが伸び伸び遊べる環境です。

●当園の定員は90名、0歳~5歳児までの保育を実施し、現在85名の園児が在園しています。保育室内は明るくゆったりとした造りで、1階に3歳~5歳児クラス、地域子育て支援センター、2階に0歳児~2歳児クラス、一時保育室があります。全職員は保育理念の下、子どもの自主性を育てるモンテッソーリ教育を導入し、一人ひとりの園児と向き合い、子どもの自主性・個性を尊重した保育を実践し、子ども・職員共に笑顔が溢れる保育園です。

◇特長や今後期待される点
1.【キリスト教保育とモンテッソーリ教育】
当園は、キリスト教保育とモンテッソーリ教育を保育の柱に、子どもの自主性を育てる保育を展開しています。全職員はキリスト教精神に基づき、一人ひとりの子どもの気持ちを受け止め、寄り添い、子どもを尊重した保育を心がけ、マニュアル「キリスト教保育課程」、「モンテッソーリカリキュラム」に則り、保育実践に生かしています。キリスト教保育では、1歳児からミニ礼拝の「サークル」が始まり、3歳児から朝夕の「礼拝」が行われ、祈りが捧げられます。蝋燭を灯しての朝の礼拝は、とても厳かで「聖句」を唱え、賛美歌を歌う子どもたちの顔は自信に溢れ、生き生きとしています。モンテッソーリ教育では年齢に応じて「日常生活訓練」、「感覚教具」が導入され、4歳児から知的成長に伴い幅広い教具(言語、数、生物、地理、音楽等)に触れ、目的を持って取組んでいます。当園では、その他に外部講師による「絵画指導」や英語に親しむ「国際の時間」を設けています。何れも子どもの成長・発達を見据えて、興味・関心を広げ、子どもが自ら「やってみたい!」と自発的に取組めるよう環境を整え、自主性を育むことにつながっています。今回の利用者(保護者)アンケートでも「子どもに寄り添った保育」、「子どもの性格や発達に応じている」、「教育方針がしっかりしている」、「楽しく毎日を過ごしている」等々の意見が多く寄せられ、保育への満足の高さが窺えます。

2.【職員研修からの学びと保育実践】
当園の保育実践を進めるために職員は各種の研修を受講し、自己研鑽に努めています。中でも園内研修として3グループに分かれ、題目「よりよい保育のために」について検討・討議を重ね、結果をまとめて園内及び法人研修会で発表しています。保育実践のポイントとして、目に映る子どもの姿だけではなく、子どもの内面にどのような力が育まれたのか、どのような関わりが今後の成長に必要か等、職員間で話し合い保育計画に反映させ実践に取組む体制で、保育の質の向上に向けたPDCAサイクルができています。また、キリスト教保育の研修では、系列園の園長(牧師)より、毎月の「聖句」についての話を聴き、聖書の内容の理解と共に、子どもへの伝え方等を研修しています。モンテッソーリ教育では、視点「こどもの見方」を職員間で共有し、子どもが満足するまで教具に触れ「教具への集中化」ができるよう傍で見守り、援助する体制を敷いています。利用者(保護者)アンケートでも「園長先生が穏やか」、「先生の雰囲気、優しさ」、「子どもも先生が大好き」等、高い評価を受け、明るく和やかな職員集団であり、チームワーク良く保育が展開されています。

3.【食育の推進】
栄養士が作成した「年間食育計画」に基づき、食育を各年齢の年間指導計画・月間指導計画に位置付け、食事がより楽しめるように取組んでいます。栄養士を中心に食育指導を行い、各年齢の年間目標・ねらいに沿った食育活動を進めています。毎月の食育では、各クラスに栄養士が巡回し、食材の話・マナー・三色栄養・朝食の大切さ等を図解等も使い、分かりやすく話しています。給食の食材は、地元の業者から仕入れ、生鮮食品は朝搬入のものを調理しています。子どもたちに旬の食材に触れさせ、色、形、硬さ、匂い等を感じさせると共に、菜園活動(野菜の種まき、水やり、収穫)を通して、食を身近に感じられるよう工夫しています。当園の給食室は、ガラス窓越しに調理の様子が良く見え、日頃から栄養士や調理員とのコミュニケーションが図られています。毎月の献立には子どもたちの声を反映させ3月は年長児のリクエスト献立が人気です。季節に応じた手作りおやつもユニークで、さつまいもを収穫した際には、スイートポテトに子どもたちが思い思いにポッキーを刺し、レーズンで目をつけ、「ハリネズミ」を作って美味しく食べていました。「楽しく美味しく食べる」をモットーに食育活動を展開しています。

4.【地域支援の推進・人材育成】
当園では地域子育て支援センター「できの」を併設し、保育園の専門性を生かした地域の子育て支援をサポートしています。調査日にも多くの親子が来所し、経験豊かな専任保育士が育児相談に応じ、和やかな雰囲気を醸していました。来所者数は毎月350人(述べ人数)を超える人気です。実家が遠い母親にとっては、心の拠り所となっているようです。核家族化の中で、孤立した子育てにならないよう、情報交換や交流の場となり、「元気をもらえる場所」としてイメージしてもらえるよう努めています。保育園児たちとも曜日を決めて一緒に遊ぶ等、交流が図られています。多様化する子育てニーズにも応えて行けるような体制作りも必要と思われます。当園では経験豊かな職員が多い反面、保育を継承する人材確保・育成が課題と捉えています。当園の保育内容をアピールし、賛同して入職する職員を増やすと共に、法人の育成計画への取組及び、さらなる働きやすい環境作りに期待いたします。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 出来野ルーテル保育園 
     
≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取組の感想≫
第三者の評価を受けたことで、いつもの保育の流れを改めて見直したり、評価をいただくことで良い事はさらに伸ばし、職員間や保護者の皆様に伝わりづらい事などをどのように工夫するかを考察できました。

≪評価後取組んだこととして≫
1.保護者よりいただいた結果を職員と共有し、より良い保育に結び付けられるよう見直し、良い点についてのコメントは、これからの保育の励みとした。
また、職員個人面談の参考にして、職員の良い所を伝えながら、見直しについても話すようにした。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

理念、基本方針は明文化され、ホームページ、リーフレット、重要事項説明書等に掲載し、入園説明会や園見学会等で保護者に説明し、理解を促しています。保育方針及び保育目標にて、どのような子どもに育てたいのかを分かりやすく、伝わりやすい言葉で表現しています。基本理念・基本方針を基に全体的な計画を策定し、全職員が確認して年間計画を立てる等、職員への周知が図られています。しかしながら、今回の利用者(保護者)アンケート結果では、保護者への周知が十分とは言えない結果でした。文章から読み解くのが分かり辛い面もあり、はっきりとした表題をつけて記載する等の工夫が望まれます。毎月の「園だより」に「聖句」を掲載していますので、その中に「園目標」と関連付ける等、周知を図る継続的な取組に期待します。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

事業経営の把握・分析は、主として法人が担っています。園長は、法人理事会・法人代表者会・川崎区園長連絡会議等に出席し、社会福祉事業の動向や国・川崎市や区からの情報を入手し把握しています。当園が立地する地域の動向やニーズの変化、課題等については、地域子育て支援センターや一時保育利用者等、地域の保護者と対話を通して把握し、内容は法人内で共有しています。また、園見学等でのニーズや動向の把握・分析を法人系列の園長会で行っています。保育所利用率については、区役所の担当者と常に情報を共有しています。今後も入所児の動向を的確に把握すると共に、川崎市に立地する保育園として、市行政の動きに対応した取組も必要と感じています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

法人が定めた組織図により、役割分担を明確にし、法人本部の理事会(理事長・理事・監事)の下に各保育園が位置付けられています。法人理事会、各園代表者会議等により、経営環境や保育内容、組織体制や設備の整備、職員体制、人材育成、財務状況等の現状分析に基づき、具体的な課題を明らかにし、役員間で共有しています。経営上の課題等については、その都度、討議・検討し解決に向けて取組んでいます。当園の経営上の課題として「人材確保・育成」、「労働環境整備ICT化」、「リスクマネジメント」を挙げています。これらの課題については、法人本部と園で十分な情報共有を図り、取組んで行かれることを期待します。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定され、法人理事会や法人代表者会議等で打ち出され、職員にも伝えています。当園では中・長期のビジョンとして次の4つの目標を掲げています。①人員確保、働きやすい環境作り、②人材育成、OJTを含めた次期リーダー候補の育成、③モンテッソーリ研修を深め保育への浸透を導く、④キリスト教保育を伝え、理念の下に保育を行う、これらの目標の達成に向けて、計画的な事業実施に取組んでいます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

法人の中・長期計画に沿って園の単年度の計画を策定しています。事業計画に沿った単年度の計画として「教育及び保育の内容に関する全体的な計画」が策定され、各年齢の保育のねらい・内容、保育士の配慮が詳細に記載されると共に、家庭・地域との連携が盛り込まれ、園の独自性も反映しています。また、年間を通して実行可能な計画となるように、その年の利用状況や子どもの様子に合わせた職員配置・行事計画にする等、具体的な内容になっています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

園の事業計画として、全体的な計画、年間指導計画が挙げられます。事業計画は前年度の実施状況を踏まえ、関係職員が参画して意見の集約・反映のもとで策定されています。事業計画は、その都度、評価・見直しを行い、今後の方針を話し合っています。また、各年齢の指導計画は、職員会議等で話し合い、周知から見直しまで行っています。年間を通して行われる事業についても、年度内で経過を見ながら必要に応じて話し合い、改善、変更が行われ、次年度の事業計画に生かしています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

園の事業計画については、保護者に年度初めに「保育目標と行事予定計画」として配信(コドモン)すると共に、重要事項説明会や懇談会、各事業の開催時期等に合わせて丁寧に説明し、理解を促しています。中でも保護者参加の行事については、具体的な内容を配付や掲示、口頭等で分かりやすく保護者に伝え、理解を得ています。保護者への周知を図るための情報提供として、ホームページ、配信、園内掲示のお知らせ、園だより等を発行し、保護者との連携を図っています。今回の利用者(保護者)アンケートにも「年間スケジュールを日付入りで配付して下さり、行事と被らないよう旅行に行けて助かっている」等の意見もあり、保護者への周知の工夫が窺えます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

保育の質の向上に向けて、PDCAサイクルに基づき、各年齢の年間指導計画に沿った月間指導計画等の振り返りが記載され、組織的・計画的に行われています。各クラスで計画に対する評価を行うと共に、乳児会議、幼児会議、全体職員会議で分析・検討しています。日々の保育の自己評価は、園長が内容を確認し、計画、実行しています。当園の指導計画(年間は期ごと、月間は毎月、週案は毎週)には、振り返りと次への展望を記入する評価・反省欄があり、PDCAサイクルが行えるようになっています。また、年1回保育所の自己評価と保育士の自己評価を実施しています。今年度、第三者評価を受審し、全職員で保育の振り返り、取組む中での気づきを得ています。評価結果を基に、職員間で保育の質の向上に向けた取組を計画すると共に、職員の意識向上のため、今後も継続的して受審するよう努めていく予定でいます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

毎年、川崎市の指導監査を受け、指摘事項については職員に周知し、改善に向けた取組をしています。保育計画では、毎月の月間指導計画の振り返りを行い、乳児会議、幼児会議、全体職員会議等で評価、改善の提案、改善策の評価や計画の見直し等、課題を明確にして次期に生かすようにしています。また、年1回保護者アンケートを集約し、職員間で課題の共有化を図り、次回に向けて計画的に取組んでいます。今回、第三者評価を受審し、評価結果で取組むべき課題が発生した場合、職員や保護者に周知を図ると共に、改善計画を策定して実施するよう計画しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

管理運営規定に園長の職務職責が定められており、園長は自らの役割と責任を自覚して法人の方針を受け、園の保育方針を職員会議で説明しています。保護者向けの保育説明会でも、園運営についての思いや保育方針等について説明を行っています。園長の役割・責任は、当園の「職務分担表」に詳細に記載され、職員に周知しています。また、園内で園長不在時の権限委譲(主任保育士)も周知し、職員は理解しています。有事発生時の連絡体制等、保護者向けには、重要事項説明書で入園時に説明を行うと共に、連絡アプリ(コドモン)、園だより等を活用して周知を図っています。園長は、日頃から保育室を見回り、保育に参加する等、各クラスの状況の把握、職員の話を聞き相談役になっています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人の運営規定や就業規則、個人情報保護規則に、園長が遵守すべき法令等に関する記載があり、理解を深めています。園長は、法人研修会、川崎区園長会、園長研修等で県や市・区と情報共有し、法令遵守や経営に関する情報を得ています。また、法人本部に社会保険労務士が在籍しており、法人全体のコンプライアンスに努め、常に法令等を遵守することを意識して取組んでいます。守秘義務に関しては、職員と誓約書を交わし、内容についても理解しています。保護者には、重要事項説明書で丁寧に説明し、個人情報保護の観点から「個人情報使用同意書」に署名、捺印をもらい理解を得ています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

今回の利用者(保護者)アンケートに「園長先生が穏やか」、「先生方がしっかり子どもを見ている」、「モンテッソーリ教育・キリスト教保育が良い」等々の意見が多く寄せられ、園長自ら保育に入り、相談やアドバイスを行う等、保育の質の向上に意欲を持って取組んでいます。また、指導計画や日誌等の確認を通して、現状や課題を把握し、主任と共有し、改善に向けた取組が実践できるようにしています。必要に応じて個別に指導・面談を行うこともあります。また、職員会議やクラス会議等を通して、職員が意見を述べられる環境を整え、意見を聞き保育の質の向上に取組んでいます。職員の意欲・維持向上については、キャリアアップ研修等への参加を促すと共に、取得した資格に応じて処遇改善を行っています。外部研修には、全職員が均等に受講できるよう体制作りを行い、各職種の質の向上を図っています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は、経営の改善や業務の実効性の向上に向けて、園における人員体制や業務内容、財務状況等の現状分析を行うと共に、事業計画に基づき職員体制や環境整備、保育の財務管理等を行い、人員配置や休暇取得、時間外労働等に偏りがないよう配慮しています。また、働きやすい職場環境になるように、園の組織編制では、各職員の経験年数や実績、本人の意向等を考慮して組織表を作成し、一人ひとりが役割を認識し、目的を持った行動につなげています。園長自らもクラス保育に参加し、各クラスや子どもたちの様子を把握し、環境整備に取組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人で必要な福祉人材の確保・人員体制に関する基本的な考え方や、方針は確立しています。運営規程に明記し、採用案を法人内で検討し実行しています。法人や園のホームページの求人情報には、給与や待遇面、業務内容等、詳細に記載しています。採用後は導入研修、初任者研修、キャリアパス研修、OJT等の育成の仕組みが確立され、方針に沿った育成が行われています。人材確保に向けた採用活動については、実習生の受入れ、ハローワーク、就職説明会の参加、地域への働きかけ、SNSを活用した採用活動に取組んでいます。当園は、常勤職員の平均年齢が45歳、平均在職期間が12年という現状で、定着率は高いと言えます。引き続き職員の定着につながるように、長く働いていたいと思える環境作りへの取組に期待します。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人(保育園)の理念・基本方針に基づき、「期待する職員像等」を明確にしています。法人の職員心得に職務規定を記載し、人事基準に基づいて職員の専門性や職務遂行能力、職務に関する貢献度を評価しています。処遇の水準については、行政の処遇改善施策に適切に対応すると共に、モンテッソーリ教師資格やキリスト教研修、キャリアアップ研修等、必要な研修の受講に見合う手当や昇進を検討し、評価しています。園長は職員との面談や年度末総括(職員の自己評価結果)を把握し、課題の改善策を園内研修や職員会議で検討しています。クラス配置については、職員の意向や職務遂行能力、OJT等を総合的に判断して決めています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員の就業状況については、園長と法人間で共有化されています。当園の人事労務管理に関しては、園長と事務職員の協力の下、職員の出退勤、超過勤務、休暇取得状況を管理し、休暇取得と仕事の進捗状況の双方のバランスを確認・実施しています。職員の就業状況や意向を把握し、休暇が取りやすく、急な欠勤にも柔軟に対応できています。職員間のチームワークが良く、お互いに働きやすい職場になるよう努力し、有休を計画的に取得することが励行されています。保育業務ではICT化を図り、保育事務の軽減につながっています。また、残業要因となる事務作業の時間は、勤務時間内で処理するようにする等、ワーク・ライフ・バランスに配慮しています。園長は、面談を通して職員の意向等を把握し、必要に応じて相談対応しながら、働きやすい職場環境の整備に努めています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

組織として「期待する職員像」を明確にし、職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っています。業務マニュアルの中で、職員心得として望ましい姿を具体的に記載し、職員に内容の周知を図っています。園長は、職員との対話や面談等を通して、一人ひとりの得意分野を把握し、助言を行い育成に努めています。職員の目標設定や目標達成度については、法人共通「自己目標シート」を基に、年度初期・中期・年度末にアセスメントを行い確認・把握しています。また、職員とのコミュニケーションを図ることを人材育成の要と位置付け、必要に応じて職員面談を実施しています。引き続き、職員一人ひとりの育成に向けて取組んでいただきたいと思います。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

期待する職員像は、法人の保育業務マニュアルに明示されており、職員に必要とされる専門技術や資格は、当園の職務分担表にて職員の役職名や業務内容を明示しています。職員は各自の研修計画に沿って、法人主催の研修の他、川崎市や川崎区の研修に参加し、知識や技術の修得に努めています。園外研修に参加する場合は、就業時間内に行くことができるように体制作りが成されています。研修後は、職員会議等で報告の機会を設け、知識や情報の共有を図り、園内研修として生かされています。事業計画の中で研修計画の基本を示し、年度末に総括として、年度の研修計画を振り返り、評価を行っています。職員の能力アップを図ることにより、園全体のレベルアップにつながるように努めています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員一人ひとりの専門資格の取得状況や知識・技術水準等は、入職時及びその後の研修受講履歴で把握しています。役所等の公的機関が実施する外部研修(神奈川県、川崎市、川崎区主催)の情報は、全職員に周知し参加を促しています。職員は、積極的にキャリアアップの研修を受けると共に、各研修で得た内容は、報告書にまとめ、会議等で報告し、職員間で情報共有しています。法人内においても導入研修、新任研修、階層別研修、テーマ別研修等も行っています。全職員は、習熟度に配慮した研修(新任、中堅、主任、園長)に参加し、スキルの向上に努めています。非常勤職員も含め、職員一人ひとりに研修の機会が確保されるよう取組んでいます。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成に関する基本姿勢は明文化され、実習生受入れマニュアルを整備しています。受入れは主任が担当となり、養成校との連携を図り、実習生・学校からの要望・プログラムに応じて受入れています。実習生には、事前オリエンテーションを行い、目的、責任実習の有無等を打ち合わせ、実習生本人の希望が叶うよう調整しています。実習期間中は毎日、担当保育士と振り返り、具体的に指導を行うと共に、学校の担当者による巡回指導と連携を図り、実習を進めています。実習最終日には、園長を含め関わった職員と反省会を設け、次の実習に生かせるよう助言を行っています。しかしながら、ここ数年、実習生の希望が無い状況です。今後に向けた取組に期待します。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人や園のホームページに、理念、基本方針、保育の内容等を公開しています。法人は社会福祉法人であり、ホームページ等の活用により、事業計画、事業報告、予算、決算情報が適切に公開され、運営の透明性に努めています。園のしおり、重要事項説明書、リーフレット等でも情報を提供しています。保護者には、入園説明会等で詳しく伝えています。地域の福祉向上のための取組の実施状況、第三者評価の受審結果、苦情・相談の体制・内容・改善対応の状況についても公表しています。ホームページの他、川崎区子育てガイドブック「さんぽみち」にも園庭開放や当園の地域子育て支援センター「できの」の情報を公開しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人経理規定等に基づき、事務、経理、取引、契約等の業務に関するルールを明記しています。法人及び系列園を含めて公認会計士による内部監査を定期的に行っています。また、毎年、川崎市の行政監査を受け、結果・指摘事項については、法人に報告し改善を図っています。監査結果は、理事会に報告され、公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域との関わりについて、基本的な考え方を文書化し、全体的な計画の項目「家庭・地域との連携」の欄に記載しています。当園は、施設内に併設された子育て支援センター「できの」を運営し、日々多くの地域子育て親子が利用しています。また、育児相談・園庭開放・行事へのお誘い等、保育園の専門性を生かした取組を行っています。地域に向けた活動やイベント等は、川崎区子育てガイドブック「さんぽみち」や「地域子育てイベントカレンダー『かわさき☆きっず』」に内容を掲載しています。子どもたちも散歩時には、近隣の方と挨拶や会話を交わし、関わりを持っています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティア、職業体験等の受入れに対する基本姿勢を明確にしたマニュアルを備え、積極的に受け入れています。受入れ担当は主任とし、事前にオリエンテーションを行い、基本的な考え方や園の方針の説明、利用者への配慮、守秘義務等について十分に理解を促しています。当園の直ぐ近くの中学校からの職業体験を受入れ、近隣の小学生の町探検のインタビュー等、意見交換や仕事に対する興味を促し、交流を図っています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

事故発生時等に受診ができる病院・医院や緊急時の消防署、警察署等をリスト化し、職員に周知しています。保護者には、重要事項説明書を配付し、周知を図っています。子ども一人ひとりの様子や家庭での様子等に変化があった時は、職員会議で情報共有を図っています。特別な配慮の必要な子どもの保育及び健康観察については、園医や保健師(川崎区役所地域みまもり支援センター)、川崎市南部地域療育センターの指導やアドバイスを受け、職員間で共有し保育に生かしています。家庭内等での虐待等権利侵害が疑われる子どもへの対応については、要保護児童対策地域協議会への参加、川崎市南部児童相談所等、関係機関と連携を図るようにしています。職員への周知も個人情報に配慮しながら行っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域への貢献については、地域子育て支援センター「できの」を通じて、地域の福祉ニーズの把握に努め、子育てに必要な支援を行っています。また、園長・主任は、川崎区園長会、幼保小連絡会、地域支援担当者連絡会等に出席し、地域の情報収集や情報交換を図り、福祉ニーズを把握しています。地域住民に対する相談事業では、民生委員・児童委員の方々が地域子育て支援センター「できの」に来所し、身体測定を手伝う等、日頃から交流を図っています。5歳児担当保育士も幼保小連携の活動に参加し、子育て支援のニーズの把握に努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

把握した地域ニーズに基づき、園庭開放、育児相談、地域子育て支援センター「できの」等の地域子育て支援事業に取組んでいます。中でも、地域子育て支援センター「できの」には、連日、多くの親子が訪れ、経験豊かな専属保育士が育児相談に対応する等、地域の子どもの育成・支援に貢献しています。また、川崎区主催の「子育てフェスタ」にも参加し、出張保育として協力を行っています。事務室にはAEDを設置し地域に提供しています。当園は町内会に加入していて、地域との防災対策、備品の備えや支援については、協定は結んでいませんが、園児の安全を確保した上で、災害時の地域住民の受入れ・助け合う意向を持ち、今後に期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

当園の保育については、入園案内(手引書)に「ユネスコが提唱した『生涯教育』を念頭に入れ、0歳から就学前までの一貫保育を心がけています。更に児童憲章とキリスト教精神を基にして改定保育所保育指針(改定幼稚園要領を含む)モンテッソーリ幼児教育(乳児も含む)をもって当園の保育を進めていきます。」と記載し、職員間で共有されています。また、子どもの尊重や基本的人権への配慮についても基本姿勢を保育理念や保育方針に明示し、入園案内(手引書)や重要事項説明書等を通じて保護者に示しています。全職員はキリスト教精神に基づき、子ども同士が互いを尊重し、人種、性差、文化の違いで先入観を持たないよう配慮した保育を行っています。子どもの人権については、人権擁護のセルフチェックリストを活用し、園内研修及び園外研修を通して職員間で学び合い、共通認識を図っています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシー保護については、法人の職員就業規則、個人情報保護規定に個人情報に関する職員の守るべき姿勢を定めています。また、保育業務マニュアルに明記し、職員会議等で周知を図っています。保護者には、重要事項説明書で園における個人情報の内容・保護方針を明記し、同意を得ています。日々の保育の中では、常にプライバシーに配慮した対応(オムツ交換・着替え・シャワー等)を心がけています。職員会議では、無意識に子どもや保護者のプライバシーを侵害することがないように確認し、共通認識を図っています。子ども・保護者に関する書類等は、鍵付きの書棚にて厳重に保管・管理しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

利用希望者に対する保育所選択に必要な情報提供については、当園の入園案内(手引書)やリーフレット、ホームページを用いて園紹介を行い、利用希望者に見てもらえるようにしています。園のホームページでは、法人の理念・園の概要・保育内容と共に、写真付で園内や活動の様子を分かりやすく紹介しています。電話での問い合わせには、園長・主任がいつでも対応しています。園見学は、個別に随時対応し、希望に合わせて日程を調整しています。利用希望者に対する情報提供については、適宜見直しを実施しています。また、毎年、リーフレットや入園案内(手引書)等も見直し、最新のものを提供するように努めています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

新入園児に関しては、保育開始前に入園説明会を実施し、重要事項説明書を基に、保育内容や留意事項等を分かりやすく説明し、保護者と利用契約書を交わしています。保育の開始・変更時は、登降園アプリの活用、コドモン配信、園内掲示等で伝えています。就労状況の変更や産休・育休における保育時間の変更については、行政からの通達と併せて保護者へ説明しています。特に配慮が必要な保護者に対しては、面談での丁寧な聞き取りの上、支援内容に応じて個別に対応することにしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

途中で転園した子どもの情報については、個人情報であるため、基本的に情報提供や保育の引き継ぎは行わず、保護者に行ってもらっています。養育困難ケースや障害児、児童相談所ケース、 区の保健師が関わるケースについては、区役所を通して行う場合はあります。年長児(5歳児)については、保育所児童保育要録を作成し各小学校へ提出し、必要に応じて電話対応も行っています。卒園児に関しては継続性を持ち、担任及び主任が窓口となり、いつでも相談ができる旨は口頭で伝えています。文書化を図ると尚良いでしょう。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

当園の重要事項説明書に明記されている通り、利用する子どもの最善の利益を考慮し、一人ひとりの気持ちに寄り添った保育を実践しています。職員は、日々の保育の中で子どもの表情、遊びへの意欲等を観察すると共に、子どもの話を聞きながら、子ども自身の満足を把握するように努めています。保護者については、園児の様子を口頭や連絡アプリ(コドモン)で伝え、安心感や満足度を感じ取り、柔軟に対応するようにしています。園行事や懇談会、保育参加・参観、個人面談、保護者アンケート等を実施し、満足度を把握すると共に、課題があれば全職員で改善策を検討し、結果を保護者へ伝えています。今回の第三者評価利用者(保護者)アンケートによっても保育園へのニーズや満足度が明らかになりました。課題解決については、次年度に改善するよう、保育運営に取組んでいます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の仕組みを法令に従い適切に整備し、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員を設置しています。園内にも苦情解決の体制を説明した資料を掲示しています。また、重要事項説明書に苦情解決の仕組みを掲載し、入園時に説明し、周知を図っています。玄関先には意見箱を設置し、いつでも意見が述べやすいようにしています。受け付けた苦情については、早期解決に向けての対応を心し、苦情内容と解決に向けた園の方針を掲示する等、保護者全員に周知を図っています。これまでの相談内容等は記録し、保管・管理しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

保護者が相談や意見を述べやすい環境に関しては、面接、電話、書面、メール、意見箱の利用等で、いつでも受付けることを入園時やクラス懇談会等で伝えています。重要事項説明書に、苦情相談窓口について記載し、園内にも掲示し周知を図っています。日頃から、連絡帳アプリ(コドモン)での情報交換や送迎時等の声がけで信頼関係を築き、話しやすい雰囲気作りをしています。保護者から相談や意見があった場合、園長は保育士から報告を受け、保護者から知り得た情報を共有すると共に、迅速に対応し、改善に向けて取組んでいます。また、相談については、面談室を設けて、面談中は扉を閉めてプライバシーを確保しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

職員は、毎日の送迎時や連絡帳等で保護者とのコミュニケーションを図り、保護者が相談しやすく意見を述べやすいよう配慮しています。また、連絡アプリ(コドモン)、懇談会、個人面談、アンケート、意見箱等、保護者の意見を積極的に把握する機会・取組を行っています。保護者からの相談や意見を受けた場合は、担任と主任で対応し、園長に報告すると共に、全職員が情報を共有できるように会議等で周知を図っています。園長は事実確認を行い、適切かつ迅速に改善に向けて取組み、改善結果を提案者に伝えるようにしています。継続的なフォローが必要な場合については、経過は記録に残しています。保護者からの相談・意見は保育の質の向上や運営の改善に生かすよう心がけています。今後は、対応マニュアルの見直しを含め、相談や意見を受けた際の記録の方法や報告の手順、対応策の検討についても確認していく体制でいます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメントに関する責任者を園長とし、園長不在時は主任と定め、災害時、地震、子どものケガ、行方不明等の状況別にマニュアルに明記し、職員体制を敷いています。また、年間避難訓練計画を作成し、毎月、火災・地震・津波・風水害等の訓練を実施し、反省点を生かして見直しや改善につなげています。ヒヤリハットや事故があった場合は、報告書にまとめ、事例を収集し、再発防止に向けて対応策等を全職員で共有しています。事故報告書は川崎市にも提出しています。職員は毎年、必要な研修(救急法・SIDS・誘拐防止・交通安全・防犯訓練等)を受け、日々の安全管理に生かしています。事務室にはAEDが設置され、緊急時の対応に備えています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

国が策定した「保育所における感染症対策ガイドライン」に則り、感染症対応マニュアルを作成しています。登園停止基準や保育中に感染症等の疑いが生じた場合の対応について、入園案内(別表)に明記して保護者に説明しています。園内での感染症発生時は、速やかに全職員に伝えて蔓延防止策を講じ、保護者には連絡アプリ(コドモン)で周知を図っています。また、サーベイランスで川崎市における感染症情報を入手し、職員間で共有すると共に、保護者にも知らせ注意喚起しています。毎月の園だよりに「ほけんのおしらせ」を掲載し、感染者情報や季節に応じた感染症予防策等を保護者に啓蒙しています。感染症に対する対応の変化(市からの通達等)は職員に周知徹底し、必要に応じて見直しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

当園の「2024年度非常災害対策避難訓練年間計画」には、通常の訓練計画の内容に加え関連機関や非常持ち出し(担当も含め)、懐中電灯や消火器の設置場所、園児避難の応援体制等々が詳細に記載され、一目で分かるようになっています。計画に沿って毎月、避難訓練を実施し、反省点も含め記録に残し、次回の訓練に反映させています。また、定期的に消防署にも報告しています。年1回、津波を想定した模擬訓練や消防署と連携した取組「消防士の話・通報の仕方・水消火器訓練」を行い、災害に対する子ども・職員の意識の向上につながっています。備蓄品に関しては、リスト(食糧・ミルク・水・備蓄用品等)を作成し、給食室職員が中心となって管理しています。重要事項説明書では、「災害対策」の中で、避難場所や非常事態発生時の対応策等の必要項目を明記し、保護者に周知を図っています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

法人の基本方針や保育園の運営に必要な各種のマニュアルがあり、それに基づいた保育を実践しています。保育の標準的実施方法として全体的な計画を基に年間計画を作成し、保育指導計画、行事計画、食育計画等に沿った保育活動を行っています。標準的で一定水準の保育ができているかについては、各クラスの指導計画の評価欄や保育日誌等を基に、保育士の自己評価について職員間でPDCAを実施しています。当園は標準的な実施方法にキリスト教保育とモンテッソーリ教育を導入しており、それに基づいたマニュアル「キリスト教保育課程」、「モンテッソーリカリキュラム」があり、職員間で共有し、保育実践に生かしています。マニュアルの他、子どもの個性や意見を尊重した保育が行われているか等、全国保育士会「倫理綱領」に基づき人権セルフチェックを用いて自己分析し、園内研修等で確認するようにしています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

保育の標準的な実施方法の見直しについての時期やその方法は、乳児・幼児会議、リーダー会議、職員会議等で定期的に実施しています。月間指導計画は、各クラス担任間で毎月見直しを行い、内容を翌月の指導計画に盛り込んでいます。年間指導計画は4期ごとに振り返りを行い、振り返りの内容を次年度に反映させ、保育に継続性を持たせています。また、個人面談・保護者アンケート・懇談会等を通じて、保護者の意向や提案を把握し、各種マニュアルの見直しに反映できるようにしています。また、保育の標準的な実施方法により、保育実践が画一的なものになっていないかをPDCAで検証しています。マニュアル等については、必要に応じて随時見直し、確認するようにしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

指導計画は、全体的な計画に基づいて作成し、正規職員、非常勤職員が協働し、アセスメントで修正を図って保育を実践しています。指導計画は、各年齢に応じてクラス担任が責任者として作成し、園長が確認し適切に作成しています。0歳~2歳児までは、個別指導計画を作成しており、計画作成時は担当者によるアセスメントの協議を実施しています。また、必要に応じて栄養士等の専門職の意見やアドバイスを受けて総合的に判断した指導計画を策定しています。保護者参加の行事等については、反省も含め課題点等を職員会議で話し合い、次に生かせるように記録に残しています。支援困難ケースの対応については、ケース検討会議を通して、個々の状況に応じた「個別支援計画」を適切に作成し実践しています。また、専門機関(川崎区役所地域みまもり支援センター、川崎市南部地域療育センター)等からも助言・指導を得ながら職員間で学び合い、支援に努めています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画の評価・見直しについては、各年齢のカリキュラムの自己評価を基に、定期的(期・月・週・日)に振り返りを行い、次の計画の作成につなげています。具体的には月間指導計画は、クラス内で振り返りを行いながら、意見交換を行い、評価・反省欄を記載して次月の計画作成に生かしています。指導計画の見直しでは、季節・子どもの発達・保護者のニーズや社会情勢を踏まえ、保育目標を視野に課題を明確にしています。また、見直しのポイントとして、目に映る子どもの姿だけではなく、子どもの内面にどのような力が育まれたのか、どのような関わりが今後の成長に必要か等、職員間で話し合い計画に反映しています。個別指導計画は、柔軟に変更や見直しを行い、子どもの発達状況に合わせて、適切な保育につなげています。見直しによる指導計画の変更内容は、保育アプリ上で確認し、職員間で共有できています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもに関する保育の実施状況の記録は、連絡アプリ(コドモン)及び書面上の発達記録に記載して保管しています。記録内容は、主任・各クラスリーダーが確認し、園長がチェックを行い、職員会議(乳児・幼児・全体)で情報を共有しています。また、書き方に差異が生じないよう、必要に応じて個別指導を行っています。0歳~2歳児までは月間指導計画に応じた個別指導計画が適切に作成され、保育の実践が記録を通して確認できました。3歳~5歳児については、年齢に応じた保育経過記録を記載しています。保育に関する記録等は、クラウド上で職員が確認できます。各会議の開催時に加え、コンピューターネットワークを通じて、園内の情報を共有する仕組みが整備されています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

法人の「個人情報保護規定」及び川崎市個人情報保護条例に従い、子どもに関する記録の取り扱いを定めています。守秘義務の定義や目的については、採用職員研修時に説明し、職員と個人情報の遵守に関して、守秘義務誓約書を交わしています。利用者の個人情報については、入園時に重要事項説明書にて保護者に説明し、理解を得て、利用契約書を交わしています。園長は、記録管理の責任者として書類等の管理を行い、過去の書類も含めて鍵がかかる書庫に保管しています。書類は持ち出し禁止、保育アプリの取り扱いは園内としています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は、児童憲章、保育所保育指針等の趣旨を踏まえ、法人代表者会議で法人の理念・方針を基に作成され、「社会福祉法人イクソス会 教育及び保育の内容に関する全体的な計画」となっています。全体的な計画には保育理念・方針・目標及び保育の方法等が細かく記載されています。中でも保育士の配慮が詳細に記載され「育みたい資質・能力」・「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を反映した内容になっています。当園では、その内容を基に、各指導計画や行事等を計画・実施し、定期的に評価・反省を行っています。全体的な計画は、「2年に一度必要ならば改訂する。」との記載があり、必要に応じて見直す計画です。全体的な計画には、法人全体としての保育の視点が項目ごとに分かりやすく明記されていますので、それに当園の特徴や地域の実態等を考慮し、加味すれば尚良いでしょう。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

保育室の採光・温度・湿度等、常に適切な状態に保持し、子どもたちが心地良く過ごせるようにしています。各クラスの温度・湿度は、毎日、確認して日誌(コドモン内)に記入しています。夏場は、環境省熱中症指数・熱中症警報アラート情報、熱中症予防情報(WBGT)を職員が確認し、子どもの安全に配慮しながら、夏ならではの遊びを室内でも充実させるよう努めています。また、子どもの目線に合わせてモッテソーリ教具を配置し、自分で選んで遊び込めるよう配慮しています。子どものプライバシー保護のため、パネル等を駆使し、生活空間の確保(着替えやオムツ交換)や、子どもの様子により個々が落ち着くスペースの確保に努めています。保育室内や玩具等、子どもたちが触れる部分の衛生管理を徹底して行い感染症予防対策に取組むと共に、玩具や用具の破損状況の確認、棚等の転倒防止策を講じる等、十分に安全面の配慮をしています。トイレや手洗い場は、明るく清潔で、子どもが使いやすい設備となっています。今回の利用者(保護者)アンケートにも「園内がとても綺麗」、「園庭が広々としている」、「園内が清潔で嬉しい」、「子ども自身も園での生活が気に入っている」等々の意見が寄せられ、子どもの生活にふさわしい場であることの評価を得ています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

当園の保育理念に掲げているように、キリスト教の精神に基づき一人ひとりの発達段階を見極め、個人差を十分に把握し、子どもを尊重した保育を行っています。日常的に複数の保育士の見守りにより、個々の発達を受け止めつつ、子どもの気持ちを尊重できる体制を取っています。子どもに対する言動・対応・援助の仕方等についても、園内研修等で学び合い共通認識を図っています。職員は、常に子どもの気持ちに寄り添い、否定的な言葉は使わないよう、保育士の自己満足での保育は行わないよう心がけています。今回の利用者(保護者)アンケートでも「子どもの個性に合わせた対応」、「子どもに寄り添った保育」、「子どもも先生が大好き」、「子どもたちの特性を良く理解」、「教育方針がしっかりしている」等々の意見が多く寄せられ、一人ひとりの子どもに応じた丁寧な保育の実施が窺われます。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本的な生活習慣の習得にあたっては、待つこと・見守ること・必要に応じて援助することをポイントに、一人ひとりの子どもの年齢・発達に合わせて、基本的な生活習慣(挨拶・食事・着脱・排泄等)が身につき、園生活がスムーズに行えるよう、家庭と連携して段階的に進めています。子どもが「自分でやりたい気持ち」を尊重し、できたことを認め、達成感や褒めて自信につながるような言葉がけを心がけています。排泄では、個人差があることを十分に理解し、一人ひとりの発達状況に応じて、保護者の考え方を尊重し、連絡アプリ(コドモン)で状況を伝える等、連携して進めています。また、個別カリキュラムに基づき、子どもが理解しやすい言葉や絵本・手遊び等を使いながら、遊びを通して楽しく基本的な生活習慣が身につくように取組んでいます。当園は、子どもの自主性を育てるモンテッソーリ教育を柱としていることからも、子どもが生活の中で主体的に自立できるように心がけています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

当園の保育は従前の保育に加え、キリスト教保育、モンテッソーリ教育を保育に取入れ子どもの自主性を育てる保育を展開しています。保育室には、年齢に応じた玩具・絵本・教材等が、子どもの手の届く所に配置され、子どもたちが自主的、自発的に遊べるよう環境を整えています。モンテッソーリ教育の視点「こどもの見方」を職員間で共有し、子どもが満足するまで教具に触れ「教具への集中化」ができるよう傍で見守り、援助する体制を敷いています。また、外部講師による絵画教室や英語に親しむ時間を設定しています。戸外活動では、園庭や公園での探索活動等、身体を十分に動かして遊んでいます。幼児クラスでは、友だちと一緒にルールを決めて遊んだり、友だちの意見を取り入れながら、協同して遊ぶ姿が多く見られます。また、散歩では身近な自然にふれ、地域の方と挨拶を交し、交通ルールを学ぶ等、子どもたちは様々な活動を体験しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

乳児保育(0歳児)の保育では、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備しています。家庭から初めての集団に入るということからも、入園の際には特に丁寧に園での生活を保護者に説明し、見通しが持てるよう配慮しています。0歳児室は、明るく清潔で、安全・衛生面に十分配慮した玩具や手作り遊具等、見る・聞く・触れる経験が十分に楽しめるように環境作りを工夫しています。保育者は、0歳児が安心・安定できるよう、やさしく丁寧にゆったりと関わり、愛着関係の構築に努めています。一人ひとりの生活リズムや発達状況に応じた個別指導計画とクラスの指導計画を作成し、子どもの心身の発達に関する情報を職員間で共有し、保育を実践しています。また、0歳児が、長時間過ごすことからも、遊びの環境に配慮し、気候や体調に留意しながら戸外活動や異年齢児との交流を図る等、興味や関心が広がるように取組んでいます。保護者とは、毎日、連絡帳(コドモン)で丁寧に子どもの様子を伝えると共に、送迎時等の会話を通して情報を共有し、信頼関係の構築に努めています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳未満児(1・2歳児)の保育では、年間指導計画を基に、月のカリキュラムに養護と教育の両面から、一人ひとりの発達状況を把握し、子どもの状況に応じた保育を実施しています。子どもの自我の育ちを受け止め、「待つこと」・「見守ること」を基本に、子どもが自分の力で取組もうとする気持ちを尊重し、寄り添う保育を心がけています。子ども同士のトラブルやかんしゃく等に対しては、子どもの気持ちに寄り添いながら代弁して仲介し、友だちと楽しく遊んだり、気持ち良く過ごせたりするように努めています。排泄では保護者との連絡を密に取り、子どもの発達状況に合わせて行っています。生活の中で子どもができることにはなるべく手を出さず、自発的な活動を促すよう心がけています。保護者とは、連絡アプリ(コドモン)、登降園時の会話等を通して密にコミュニケーションを取り、連携を図っています。キリスト教保育では、1歳児からミニ礼拝の「サークル」が始まり、モンテッソーリ教育では「日常生活訓練」の導入、2歳児から初歩的な日常生活訓練、感覚教具が導入されます。いずれも子どもの状況に合わせた内容・方法で行われ、まだまだ遊びを主体とする保育です。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳以上児の保育では、各年齢の指導計画を作成し、子どもの発達を見据えて保育を行っています。各担任間で子どもたちの状況を討議、検討、確認しながら、遊びの構成を考え、遊びの幅が広がるよう環境設定しています。キリスト教保育として、3歳以上児から礼拝が段階的に始まり、朝夕の会の中で「祈り」が捧げられます。モンテッソーリ教育では、3歳児は日常生活訓練・感覚教育、4歳児から知的成長に伴い、幅広い教具(言語、数、生物、地理、音楽等)に触れ、目的を持って取組んでいます。また、国際の時間として、幼少期から日本人以外の人々と交わることが国際感覚を養うことにつながると捉え、当園では「体を使って学ぶ英語」とし、身近に国際感覚豊かな講師と接する時間を設けています。絵画の時間(4・5歳児)では、外部講師による絵画指導を行っています。年長児(5歳児)後期はアプローチカリキュラムを組み、モンテッソーリ教育を主体とした学習の時間を取り入れ、接続期を丁寧に過ごしています。保護者には、日々の活動を連絡アプリ(コドモン)で配信し、保育の様子を共有しています。年長児(5歳児)については保育所児童保育要録を作成し、小学校へ郵送すると共に、小学校からの聞き取りに丁寧に対応し申し送りを行う等、就学に向けて対応しています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

障害のある子どものための環境整備では、園舎内はバリアフリー・ユニバーサルトイレ仕様になっています。障害認定を受けた子どもや支援が必要な子どもについては、クラスの指導計画と関連付けた個別指導計画を作成し、記録しています。また、障害のある子どもに応じて、個別対応できるよう職員配置に工夫しています。該当児の保護者とは情報交換を密に行い、支援に生かしています。川崎市南部地域療育センター、川崎区役所地域みまもり支援センターの保健師、医療機関等と連携を取り、相談、助言が受けられる体制を整えています。支援の必要な子どもの情報は、会議時に職員間で対応等について確認し合い、障害児保育の研修を受講して必要な知識や情報を得るよう努めています。現在は、障害認定の子どもの入所はありませんが、入所の際の取組に期待します。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

当園の全体的な計画の保育方針の中で、「子どもの24時間の生活を視野に入れ~」とあるように、長い時間を園で過ごす子どもたちの生活リズムを考慮し、保育内容に静と動の活動のバランスを図りながら、休息の取り入れ及び午睡時の安眠等に配慮しています。保護者とは、登降園時に子どもの様子を詳しく聞いたり、伝えたりしています。職員間では朝夕の引き継ぎを適切に行い、情報共有を図っています。家庭的な雰囲気の中で、一人ひとりに寄り添う保育を心がけ、延長保育時には補食の提供をしています。当園の指導計画の中に「長時間にわたる保育」についての記載の追加があれば、尚良いでしょう。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画の中に、小学校との連携・就学を見通した保育に関する取組を位置づけ、近隣保育園との年長児交流会、保育者と小学校教諭との情報交換事業に参加しています。当園では、乳幼児期から就学を見据えた保育を心しており、幼児期の終わりまでに育ってほしい「10の姿」を取込み計画しています。年長児(5歳児)は、「社会福祉法人イクソス会 アプローチカリキュラム」に基づいて保育を進め、一人ひとりの生活習慣の見直しを確認しながら、入学への期待が持てるように配慮しています。また、年長児は小学校見学に行き、より小学校生活に見通しが持てるよう取組んでいます。子どもたちが就学する小学校には、保育所児童保育要録を作成して送り、併せて電話等で情報を提供しています。保護者には、懇談会で小学生の子どもの生活等について具体的に知らせ、イメージを持ってもらえるようにしています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康管理については、川崎市の「健康管理マニュアル」に沿って行い、入園時の面談や健康台帳、児童票等で子ども一人ひとりの心身の健康状態を把握しています。日々の保育の中では、朝の受け入れ時に保護者に子どもの健康状態を確認し、職員間で情報共有しています。年間保健計画を作成し、各クラスはそれに基づいて手洗い指導、園児の健康増進、感染症予防等の取組を行っています。感染症に関しては、入園案内(手引書)・重要事項説明書にて、園の方針を保護者に伝えています。SIDS(乳幼児突然死症候群)予防のため、睡眠チェックを0歳児は5分ごと、1・2歳児は10分ごと、幼児クラスは30分ごとに行い、うつぶせ寝はしないように職員間で徹底しています。保護者にも入園説明会で説明し、家庭での睡眠の癖等も改善できるよう指導に努め、仰向け寝を推奨しています。川崎市感染症情報発信システム(サーベイランス)に子どもの体調を入力し、感染症が発生した場合には、保護者に周知し感染防止対策を図っています。職員一人ひとりが正しい知識を持ち対応できるよう、安全衛生に関する研修に毎年参加し、必要な情報の習得と対応に努めています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

定期的に嘱託医による健康診断・歯科健診を実施し、結果は、「児童健康台帳」に記載し保管しています。健康診断・歯科健診の結果は、園内で情報共有(クラス担任、園長、主任等)すると共に、保護者には「すこやか手帳」及び歯科健診は紙面で伝え、場合によっては通院を勧めています。通院が必要な家庭については、結果・経過確認を行い、フォローを含め連携を密に取り合っています。また、月1回の身体測定の結果(すこやか手帳に記載)も保護者に知らせています。健診で配慮が必要な事項が見られたケースは、個別カリキュラムを見直し、家庭と連携して取組んでいます。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもに対しては、厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」を基に、子どもの状況に応じた適切な対応を行っています。入園案内(手引書)に記載し、入園説明会時には、アレルギー対応を行っていることを保護者へ伝え、該当児には除去食を提供しています。アレルギー児の保護者とは、毎月の献立表を基に、提供食を確認した「除去食献立」を配布する等、適切な対応をしています。除去献立により調理し、関係職員がダブルチェックできる「確認表」を用い、誤食を防いでいます。食事の提供時は、個別の机・トレイを区別し、名札を付けて提供する等、チェック体制を十分に整え対応しています。除去食の継続・変更・解除等については、保護者が主治医の指示の下、「川崎市保育所入所児童等健康管理委員会」の承認を得るため、保育園を通して書類を提出しています。職員は、アレルギーについての最新情報を得るため、外部研修にも積極的に参加し、知り得た情報を職員間で共有し、認識の統一を図っています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

当園では「2024年度 年間食育計画」を作成し、食育の年間目標として、「0歳児は個々に合った離乳食を進める。1歳児は生活リズムを整え食べたいという意欲を育てる。2歳児はよく噛んで、お友だちと一緒に楽しく食べよう。いろいろな食材に触れてみよう。3歳~5歳児は食べ物に興味を持って食事を楽しもう。」と掲げています。「食育計画」に基づき各年齢の年間指導計画・月間指導計画に位置付け、食事がより楽しめるように取組んでいます。栄養士を中心に食育指導を行い、子どもが食に対する興味・関心を持てるよう、食材に触れて形、硬さ、匂い等を感じさせ、菜園活動(野菜の種まき、水やり、収穫)を通して、食を身近に感じられるよう工夫しています。給食では、年齢に応じて食べられる量を把握し、各クラスの担任が個々に合わせた対応をしています。食器や食具も年齢に応じて配慮し、子どもの育ちに合わせて箸の使用も開始しています。0歳児クラスでは、離乳食を提供し、食材の形状、固形物の柔らかさの度合い等、家庭と連絡を取り合い、子どもの発達や個々の咀嚼に合わせて次段階へ移行しています。保護者には、毎月の献立表・「きゅうしょくのお知らせ」等を配信(コドモン)、さらに、毎日の食事内容をサンプル掲示で知らせ、家庭での食育につなげています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

毎月の献立には、行事食や季節料理等を盛込み、旬の食材を使用し、季節、行事食、栄養価等、見た目も楽しく、おいしく、安心して食べることのできる食事を提供しています。食材は地元の業者から仕入れ、生鮮食品は朝搬入のものを調理しています。栄養士は食事の様子を巡回し、給食、おやつの様子や子どもとの会話を通して喫食状況を確認しています。また、給食会議(月1回)の内容を翌月の献立に反映させたり、食育指導の集会を通し子どもの声を拾い献立に生かしたり、子どもに人気のレシピを保護者に伝える等、家庭での食事にも反映できています。給食日誌には毎日の残食、検食等を記録し、献立・調理の工夫につなげています。衛生管理体制は、給食衛生管理マニュアルを基本とし、徹底した衛生管理を行っています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの生活を充実させるために、丁寧に家庭と連絡を取り合っています。クラス担任だけではなく、早番・遅番保育士とも漏れのないよう引き継ぎ、情報を共有しています。保護者との連絡方法については、入園案内(手引書)に明記し、0歳児~2歳児までは保護者マイページ「連絡帳機能」で情報交換を行い、3歳以上児は、クラス全体の様子を保護者マイページ「お知らせ」で配信しています。また、登降園の際に口頭でも子どもたちの様子等を伝え、家庭との連携を図っています。毎月の「園だより」に各クラスの様子を配信し、保育の意図を伝え、クラス懇談会、保育参加・参観、個人面談等を通し、理解を深めています。行事では、年齢に合った活動を取り入れて、子どもの成長の喜びを保護者と共感できるよう努めています。家庭の状況、保護者との情報交換(個人面談)の記録は、職員会議で周知し、職員間の共有も図れています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員は、日々保護者とコミュニケーションを図り、信頼関係を築けるような関わりを意識して行っています。保護者からの相談、報告等に対しては丁寧に傾聴し、信頼関係を築くように取組んでいます。保護者から相談を受けた際は、保護者の気持ちを受け止め、担任、主任、園長が迅速に対応し返答するよう体制を敷いています。面談室は個人情報に配慮して設定し、保護者が安心して相談できるようにしています。当園の行事計画には、保育参加・参観があり、その後に個人面談を計画・実施しています。個人面談の相談内容は記録し、他の職員へは職員会議時等にその内容を報告し、共通認識を図っています。期間を設けての個人面談は年1回ですが、希望があればいつでも面談できることを保護者に伝えています。保護者の思いや意向、要望、不安や悩み等の相談に対して、どの職員も同じように対応できる体制作りに期待します。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

「虐待防止マニュアル」に基づきチェックリストを備え、家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めています。登園受入れの際、表情やあざの確認、視診をしっかりと行い、保護者と共有するようにしています。また、受入れ後に気になった際は、経過が分かるよう写真撮影等をし、職員間でも速やかに情報を共有できるようにしています。虐待の疑いがある場合は、こども家庭センターや南部児童相談所等に通告・連絡の体制を整えています。地域の民生委員・児童委員、主任児童委員と顔合わせし、連携が取れるようにしています。職員は、外部研修への参加や園内研修を通して、専門知識や技能を深め確認し合う等、指導・育成への取組も行っています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

保育実践の振り返り(保育士の自己評価)については、「年間指導計画」に基づき「月間指導計画」「週案」を策定し、月末・週末に振り返り見直しをしています。指導計画作成前にはカリキュラム会議を行い、保育の評価・反省から、課題について職員会議で話し合い、保育目標の保育展開ができるように、環境や援助の方法等を見直し、保育の向上につなげています。職員の自己評価は、法人共通「自己目標シート」や職員アンケートで行い、園長との面談にて助言・指導を受け、自己の課題を確認・振り返り、次の目標につなげています。園長は、職員の希望や意向を把握し、各階層別に期待業務を明文化し、行事分担表に担当を決めて責任を明確にしています。職員の自己評価を基に、毎年「保育園の自己評価」を行い、保育の質の向上につなげています。