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学校法人 初音丘学園 PICCOLINO

2023年08月25日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 学校法人 初音丘学園 PICCOLINO 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 43 名
所在地 〒240-0016
横浜市保土ケ谷区初音ヶ丘43-32
TEL 045-331-3373 ホームページ http://hatsunegaoka.ed.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2015年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 学校法人 初音丘学園
職員数
常勤職員:10 名
非常勤職員:6 名
専門職員
保育士:16 名
看護師:3 名
管理栄養士:1 名
調理師:1 名
幼稚園免許所持者:14 名
施設・設備の概要
居室:0歳児室
居室:1歳児室
居室:2歳児室
居室:お昼寝部屋
設備:調理室
設備:ランチルーム
設備:園長室
設備:事務室
設備:更衣室
設備:トイレ兼沐浴室
設備:幼児用トイレ
設備:職員用トイレ
設備:多目的用トイレ
設備:エレベーター
設備:デッキテラス
設備:園庭

③ 理念・基本方針
<保育理念>
社会を自分で生き抜く力をつける

<保育方針>
●じょうぶな体   健康で明るい生活が送れるようにする。
●やさしい心    日々の生活を通して思いやりの心、やさしい心を育てる。
●やる気のある子  遊びや様々な事に対して意欲的に取り組み、前向きな気持ちを持つ。
●がんばる子    遊びや学びを最後までやり遂げる気持ちを育てる。

<保育目標>
1. 生活習慣の習得に目を配り、家庭教育の補完に努めます。また、子どもの遊び心を大切に受け止め、心の安定を図ります。
2. 毎日を健やかに過ごし、経験や体験、日々の積み重ねにより自信と意欲を持ち「自分で」・「自分から」という気持ちに寄り添い、心の育ちを大切にします。
3. 保護者や地域の方々と子育ての喜びや楽しさ、悩みを分かち合い子育てを応援していきます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<PICCOLINOの特徴的な取り組み>
●保育所、保育士の自己評価より、様々な意見、要望等を聞き、それに対する改善策や新しい取り組み等を職員で出し合い、話し合いや園内研修の議題とし、よりよい環境作り、遊びの提供、寄り添う保育等が行えるように取り組んでいます。
●職員の福利厚生の充実や、月に一度の半休取得、バースデー休暇取得、時間外労働なし等、保育士の働き方改革をしています。
●子育て支援事業は年間通して開催しています。(育児支援、交流保育、親子で楽しむクッキング、園内行事に参加、赤ちゃん教室部屋貸し等)。また、今年度4月より子育て支援ハウス(つながりハウス)を設立し、地域の方々が様々な「やりたい事」に取り組めるよう、地域がつながる事が出来るような取り組みを始めています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/09/27(契約日) ~2023/08/03(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 初 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【PICCOLINO(ピッコリーノ)の概要】
●PICCOLINO(以下、当園という)は、学校法人初音丘学園(以下、法人という)が運営する子育て支援施設です。園名のPICCOLINO(ピッコリーノ)は、イタリア語で「小さい子」「かわいい子」を意味しています。当園は、幼稚園を活用した横浜型保育事業として全国に先駆け、平成9年横浜市認定第1号の幼稚園併設型の横浜保育室として誕生し、平成27年4月には認可保育所へ移行しました。法人は「初音丘幼稚園」・「スカイハイツ幼稚園」2つの幼稚園運営の他、預かり保育・認可保育所「PICCOLINO」・放課後児童クラブ「アフタースクールはつねっ子」を運営し、子育て支援機能を持つ幼児教育機関として、0歳児~12歳までの子どもの教育・保育の機能を活用できる体制を備え、総合的な子育て支援に尽力しています。

●当園は、JR「保土ケ谷駅」から相鉄バスで「うぐいす橋」下車、徒歩2分の所に位置する「初音丘幼稚園」に併設されています。園舎周辺は、初音ヶ丘の丘陵地帯の緑豊かな環境の中にあり、閑静な一戸建て住宅が広がり、公園も多く点在しています。また、隣接する地域には「初音が丘地区センター」や「初音が丘小学校」があり、子育て世帯も多い地域です。

●当園は定員43名、0歳児~2歳児までの保育を実施し、現在43名の園児が在園しています。園舎は鉄骨造り2階建てのゆとりある造りで、各年齢の保育室の他に、お昼寝部屋、ランチルーム、事務所等を設けています。また、広々とした土の園庭(ゴリラパーク)を有し、埋め込まれた土管は子どもたちの人気スポットになっています。恵まれた環境の中で、保育士も子どもたちも笑顔が溢れ、「やりたいこと」を十分に楽しむ保育を展開しています。

◇特長や今後期待される点
1.【優れた環境の中で個性を伸ばす保育】
当園は、0歳児~2歳児までの保育施設ですが、園舎は他に類を見ない設計・規模であり、各年齢別の保育室の他にランチルーム、午睡室等が設定され、子どもたちの生活・遊びを最優先に考えられた造りで、眠くなったら寝る・満足するまで遊ぶ・食べる時間の制限なし等、一日を通してゆったりと過ごせる環境作りが成されています。また、2階建ての特徴を生かし、階段の昇り降りの体験の積み重ねにより身体機能の発達も見込まれています。2代目学園理事長のネーミングから名づけられた「ゴリラパーク」の園庭も必見です。子どもたちの興味・関心を引く土管や草花が配置され、安全な環境の中で子どもたちは、「はいはい」・「かけっこ」・「かくれんぼ」等、探索活動を十分に楽しんでいます。保育では、「子どもたち一人ひとりの育ち」を大切にした家庭的な雰囲気で、職員も子どもたちも笑顔に溢れ、穏やかに過ごしています。全職員で保育内容を話し合い、子どもが自信と意欲を持ち「自分で」・「自分から」という気持ちを大切に受容する保育を実践しています。常に子どもの主体性を尊重し「やりたいこと」が十分にできるように、職員は「待つこと」・「見守ること」を基本とした寄り添う保育を実践しています。子どもの言動や援助方法については、園内研修で学び合い、共通認識を図って対応しています。また、保育実践を学び合うために職員同士で他クラスに入る等、より良い保育内容につなげています。0歳児~2歳児という、心や体の成長・発達の大切な時期の小さな変化を見逃さないように、職員間で連携して保護者との信頼関係作りに努めています。今回の利用者(保護者)アンケートに「個性を尊重している」・「先生同士の報連相が良い」・「外遊びが多い」・「笑顔で通える園」との声が多く寄せられ、満足回答94%と高い評価でした。このように「個性」を大切にして伸ばす保育は、保育理念「社会を自分で生き抜く力をつける」につながると言えます。

2.【アイデア豊富な食育活動】
子どもにとって「食べる」ことは、成長発達に欠かせない重要な要素です。当園では、管理栄養士と保育士2名で食育係を設け、年間食育計画に沿って年齢に応じた食育活動を行っています。園舎の一角にある畑ではジャガイモ・さつまいも・トマト・ピーマン・イチゴ等を栽培して子どもたちが収穫、調理してもらい食べています。嫌いな野菜も自分たちで育てると愛着が湧き、喜んで食べるようです。調査日に昼食を子どもたちと食べました。人見知りで泣かれるかと思ったら、全く平気で全員が落ち着いてよく食べていました。笑顔で手を振る様子も多々見られました。テーブルごとに保育士が付き、必要に応じた介助や見守られていることで、子どもの安心感につながっていると言えます。食材は、旬の新鮮なものを地元の商店から仕入れています。味付け・見た目もよくおいしい給食でした。献立は1か月で設定され、栄養面を考慮したバラエティに富んだ内容になっています。今年度の食育計画では「世界の郷土料理」を紹介していく予定です。毎月の誕生日会では、季節に応じた旬の果物を豊富に使ったオリジナルケーキを手作りで提供しています。その様子はホームページでも紹介され、魅了されます。家庭はもとより、地域の親子向けにクッキングを開催(コロナ禍ではZoomオンライン配信)する等、食育活動を展開しています。今回の利用者(保護者)アンケートでも満足回答率91%と高い評価を得ています。

3.【地域に根ざす子育て支援】
法人は、0歳~12歳の教育・保育の総合施設として、地域の子育て支援に取り組んでいます。法人の母体である初音丘幼稚園は、創立65周年を迎える歴史ある園であり、当園の2歳児終了後は、初音丘幼稚園へ入園し、幼稚園児が卒園して小学校へ上がった際には、学童保育へとつながっています。幼稚園と保育所の優れた機能の一体化を図り、保護者と共に子育てをしていく、支援、応援していく場としています。そのためのイベントの企画や子育て支援事業(育児講座、交流保育、園庭開放、園行事参加等)を積極的に実施しています。また、当園は横浜市の子育て家庭応援事業「ハマハグ」の認定も受け、地域向けの子育て親子との交流行事を定期的に企画しています。法人としても地域の保護者の困り感を受けて、トイレトレーニングに関する講座「トイトレ」をZOOMで発信する等、気軽に参加でき情報を得られるよう取り組んでいます。今年度、初音丘学園の5番目の施設として、子育て支援施設「つながりハウス」を開設しています。コンセプトは“地域の子育て家庭同士がつながれる拠点(ハブ)として・地域のすべての子育て家庭の親子が気軽に集まれる憩いの場として”です。「つながりハウス」のホームページも開設され、さらなる子育て支援の充実が大きく期待できると言えます。

4.【人材の確保・育成への取り組み】
当園の現状は、常勤職員の平均年齢が36歳、平均在職期間が9年と安定しています。ただし、法人としては異動・退職を考慮すると、人材の確保と育成が課題のようです。人材確保に向けては、養成校との連携、就職フェア、紹介会社の活用等と共に、施設見学を募り当園の認知度を上げようと取り組んでいます。法人の運営上で最も大切にしたいことに「職員が明るく、楽しく、笑顔で充実した一日を過ごせる職場環境、雰囲気づくり」を掲げ、人員確保と業務軽減等の働き方改革に取り組んでいます。当園では、育児休暇取得率が高く、時短復帰する職員が多数です。調査当日ヒアリングした職員も2日後に産休に入るとのことでした。女性にとって産・育休が取れて、復帰後も気持ちよく働ける職場環境は重要です。人材の安定と育成は、保育内容の向上につながります。今後も長く勤めていきたいと思える職場づくりに期待します。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 学校法人 初音丘学園 PICCOLINO  
              
≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取り組みの感想≫

今回はじめて第三者評価を受審し、時期的に先生たちの忙しい年度末と重なってしまい、グループごとに集まる時間を見つけるのが大変でしたが、少しでも集まれる時間を見つけ、話し合いを積み重ね取り組むことができました。

そんな中で、自分たちの見えていなかった部分の取り組みが明確になり、現在の園の取り組みに何をプラスしていけば良いのか、職員に対して明確に示して行くべき所はどこか等が良くわかりました。

(現在のピッコリーノは職員の質の向上の目標設定の把握「期待する職員像」を明確にしていくこと。また、保護者からの意見や苦情等に対しその流れをチャート図で分かりやすく伝えること。指導計画の作成後、子どもの様子に合わせた変更や修正への取り組み等が必要です。)今後、職員と受審結果を踏まえて、意見を出し合い改善へと取り組んで行きたいと思います。

評価者の方々には分かりやすく、丁寧にお話をしていただき、園を現在より尚一層良くするために、共に考えていただきました。今回、受審して本当に良かったと思います。ありがとうございました。


≪評価後取り組んだ事として≫

1.玄関に意見箱を置き、保護者がいつでも質問や意見が伝えられるようにした。

2.ボランティア、職場体験、実習生の受け入れに対するマニュアルを作成した。

3.人員確保への取り組みとして、横浜市のコンサルタント事業に申し込みをした。

詳細評価PDF 詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

理念、基本方針については法人で確立され、ホームページ、入園のしおり、リーフレットに記載されています。また、玄関や各クラスに掲示すると共に、職員にプリントを配付して、職員会議で読み合わせを行い、全職員の共通認識を図っています。保護者には、入園説明会や懇話会、行事時に説明し理解を得ています。保育方針は、学園内「初音丘幼稚園」と同様になっており、0歳、1歳、2歳児が目指す保育を掲げています。また、基本方針は家庭と共に協調し、子どもの身体と心の発達を促していくことが明記され、理念との整合性が確保されています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

事業経営の把握・分析は、主として法人が担っています。施設長は、公私立合同園長会、私立園長会、地域のエリア会議に出席し、社会福祉事業の動向や国・横浜市や区からの情報を入手し把握しています。当園が立地する地域の動向やニーズの変化、課題等については、子育て支援事業開催時に地域の保護者と対話を通して把握し、内容は法人内で共有しています。地域の未就学児が当園を知り、定期的にイベントに参加できるように子育て支援事業(育児講座、交流保育、園庭開放、園行事参加、イベント企画等)に力を入れています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

法人としての目指すべき方向性を軸に、組織体制、人材育成、財務状況等、経営課題を明確にして具体的な取り組みを進めています。最優先事項の経営課題としては、益々急速に加速化する少子化の中、どのように組織を運営していくのかについて、中・長期ビジョンとして理事会で、理事、監事に共有すると共に職員にも周知し、具体的な計画(横浜市子育て家庭応援事業「ハマハグ」の推進等)に基づき取り組みを進めています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人のビジョンを基に、保育指針やガイドラインを反映した中・長期的なビジョンを策定しています。近年の急速な少子化に対応して、「子育てのしやすい保土ヶ谷の街づくり」を目指し、法人として地域の子育て家庭向けに子育て支援施設の設立を2年前より計画し、今年度「つながりハウス」を設立。この施設のコンセプトは、「地域の子育て家庭同士がつながれる拠点(ハブ)として・地域のすべての子育て家庭の親子が気軽に集まれる憩いの場として」です。当園としても「つながりハウス」の活動に関わり、地域の子育て家庭に安心して子育てできるように、計画を策定しています。併せて、これまで行ってきた園庭開放や地域向けの行事等も一層の充実を図るよう計画、見直しを行い、継続して中・長期計画を策定しています。「つながりハウス」のホームページも開設され、今後の取り組みに期待します。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

ホームページに事業計画等、情報公開しています。法人の事業計画を踏まえて、当園の単年度の計画を作成しています。全体的な計画に沿った各年齢の保育目標、保育内容、家庭・地域との連携が盛り込まれ、当園の独自性も反映しています。また、年間を通して実行可能な計画となるように、その年の利用状況や子どもの様子に合わせた職員配置・行事計画にする等、具体的な内容になっています。また、地域の子育て世帯に向けた育児支援として、横浜市の子育て家庭応援事業の一つであるハマハグの認定を得て、独自に子育て親子との交流行事を定期的に企画、実施しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

当園の事業計画として、全体的な計画、年間指導計画が挙げられます。全体的な計画は、施設長が原案を策定し、職員会議で説明を行い、職員から意見を聴収して策定しています。年齢ごとの指導計画は、期ごとに職員会議等で話し合い、周知から見直しまで行っています。また、中・長期事業計画をベースとして、具体的な計画に挙げている「ハマハグ」での活動等は、関係職員同士で計画と見直しを実施し、積極的に地域支援事業に取り組んでいます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

事業計画については、保護者に年度初めに「行事予定」として配付し、丁寧に説明し、理解を促しています。中でも保護者参加の行事については、具体的な内容を配付や掲示、口頭等で分かりやすく保護者に伝え、理解を得ています。さらに、保護者への周知を図るための情報提供として、園内掲示のお知らせ、園だより等を発行し、保護者との連携を図っています。法人の今年度の事業計画の一つである「つながりハウス」については、連絡アプリ、LINE、保護者への手紙配付等を行い、周知及び理解を得られるよう促しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

保育の質の向上に向けてPDCAサイクルに基づき、クラス会議、リーダー会議、職員会議、各担当会議等、を行い、各年齢の年間指導計画に沿った月間指導計画等の振り返りを記載し、組織的・計画的に実施しています。日々の保育の自己評価(日案、週案)は、クラスリーダー、施設長により内容確認し、計画、実行しています。また、年1回保育所の自己評価と保育士の自己評価を実施しています。今年度は、第三者評価を初めて受審し、全職員で保育の振り返り、取り組む中での気づきを得ています。評価結果を基に、職員間で保育の質の向上に向けた取り組みを計画していきます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

毎年、保育所の自己評価結果は職員間で確認し合い、保護者アンケートを基に改善点について討議し、結果をまとめて文書化し、保護者に園内掲示や連絡アプリ、ホームページ掲載等で周知を図っています。また、横浜市の指導監査を受け、指摘事項については職員に周知し、改善に向けて取り組んでいます。保育計画では、毎月の月間指導計画の振り返りを行い、課題を明確にして次期に生かすようにしています。今回、第三者評価を受審し、評価結果で取り組むべき課題が発生した場合、改善計画を策定して実施する予定です。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

施設長の役割と責任は、法人の運営規定に明記されています。施設長は自らの役割と責任を自覚し、平常保育のみならず、施設長不在時の権限委任も含め明確化(各マニュアルに記載)されています。また、毎月配布する広報誌に、子育て支援や園内の活動報告、職員に向けての意識改革、改善等の情報を発信して、自らの役割と責任を果たすように努めています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人の運営規定や就業規則、個人情報保護規則に、施設長が遵守すべき法令等に関する記載があり、理解を深めています。また、施設長は保土ヶ谷区園長会、園長研修、エリア会議等で横浜市や区と情報共有し、法令遵守や経営に関する情報を得ています。内容については、会議時等で職員に周知し、知識の共有化を図っています。守秘義務に関しては、職員と誓約書を交わし、内容についても理解しています。保護者には、重要事項説明書で丁寧に説明し、個人情報保護の観点から「個人情報使用同意書」に署名、捺印をもらい理解を得ています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は、保育の質の向上に意欲を持ち、保育士の自己評価表を集計、分析して課題を把握し、対策を講じるようにしています。年間の園内研修では、その時期に応じて必要な内容の討議と共に、課題の改善策について職員間で十分に討議して職員の意見を反映し、保育の質の向上に取り組んでいます。外部研修については、全職員が均等に受講できるように体制作りを行い、各職種の質の向上を図っています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

施設長は、経営の改善や業務の実効性を高めるよう指導力を発揮しています。中でも子育て支援業務については、自らも積極的に参画し、色々な活動(一時預かり、園庭開放、ランチ交流、育児支援、交流保育)等を行い、業務の実効性の向上に取り組んでいます。法人の取り組みとして、職員体制や環境整備等を行い、定時退勤や十分な休暇取得等の実現ができるよう人員確保や業務軽減等の働き方改革に取り組んでいる過程です。今後の取り組みに期待します。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人で必要な福祉人材の確保・人員体制に関する基本的な考え方や、方針は確立しています。運営規程に明記し、採用案を法人と検討し実行しています。採用基準については、理念や保育方針を踏まえた保育観、やってみたい保育等について面談し、法人の方針に沿った人材を採用しています。当園の現状は、育児休暇取得率が高く時短復帰する職員が多数います。常勤職員の平均年齢が36歳、平均在職期間が9年と職員の定着率は高いと言えます。引き続き職員の定着につながるように、長く働きたいと思える環境作りへの取り組みに期待します。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念・基本方針に基づく「期待する職員像」は、スタッフルームに掲示して職員に周知しています。人事基準については、理事長や法人内施設長会議で採用、配置、異動、昇格に関する基準を明確にし、関係職員に個別に周知しています。職員の自己評価は、施設長と面談(9月~10月)で意見や意向を述べ、年度末に評価結果をまとめて提出しています。施設長は、職員との面談や年度末総括(職員の自己評価結果)を把握し、課題の改善策を園内研修や職員会議で検討しています。クラス配置については、職員の意向や職務遂行能力、OJT等を総合的に判断して決めています。職位別、階層別に期待する職員像を明確化して人事等の見える化が期待されます。併せて、キャリアアップ給与規定、職員就業規則等にも明記し、職員に閲覧可能とする等、評価の見える化が望まれます。また、職員が長く勤めていけるように、福利厚生面の工夫も一考かと思われます。職員アンケートを実施する等、職員の意見、思いを吸い上げた改善計画に期待します。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

人事労務管理に関しては、職員の出退勤、超過勤務、休暇取得状況を管理し、休暇取得と仕事の進捗状況の双方のバランスを確認・実施しています。施設長は、職員との面談(年1回)や日頃の様子で気になった際は、機会を設けて職員とのコミュニケーションを図るように努めています。有給休暇も以前より取得できるようになり、併せて1か月に1度の半休と本人の誕生日(シフトにより希望日)休暇の取得が可能になっています。法人として「働きやすい環境作り」を目標に掲げ、総合的な福利厚生の充実を図っていくとのことで、今後の取り組みに期待します。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員一人ひとりの育成に向けた取り組みでは、対話や面談等を通して、一人ひとりの得意分野を把握し、助言を行い育成に努めています。年度末には振り返りを行い、自己の課題を明確にして次年度に反映するようにしています。職員の目標設定や目標達成度については、年度当初や年度末に書面で確認し、把握していますが、園としての目標水準という見方はしていません。職員からの業務改善の要望や意見については積極的に聞き取り、法人(学園本部)と共有し、職場改善に努めています。今後は、職員の自己評価項目に「個人目標」を設定して、個々に合わせた評価基準となるように取り組むとのことです。職員のモチベーションアップにつながることを期待します。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、実施されています。法人主催の研修の他、横浜市や保土ケ谷区の研修に職員が参加し、知識や技術の取得に努めています。園外研修に参加する場合は、就業時間内に行くことができるように体制作りがされています。研修後は、職員会議等で報告の機会が設けられ、知識や情報の共有がされ、園内研修として生かされています。また、保育実践では毎日の保育や誕生会、集会、各行事等の際に、身に付けた技能が発揮できているかを評価、確認をしています。当園の研修計画は、年度ごとに、職員の受講実績等を勘案し、策定しています。職員の能力アップを図ることにより、園全体のレベルアップにつながるように努めています。今後も継続した人材育成に期待します。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員一人ひとりの専門資格の取得状況は、入職時及びその後の研修受講履歴で把握しています。職員へのOJTについては、内容に応じてリーダー、ミドルリーダーにより適切に実施されています。役所等の公的機関が実施する外部研修(神奈川県、横浜市、保土ケ谷区主催)の情報は、全職員に周知し参加を促しています。各研修で得た内容は、職員間で情報共有しています。全職員が習熟度に配慮した研修(新任、ミドルリーダー、中堅、主任、施設長)に参加しスキルの向上に努めています。また、地域交流を含めた研修やイベントにも積極的に参加しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

実習生受入れマニュアルを整備し、基本姿勢・受入れ手順・配慮事項等を明文化しています。実習生受入れ担当は主に施設長が行い、養成校との連携を図り、実習生に事前オリエンテーションを行い、目的、責任実習の有無等を打ち合わせ、実習生本人の希望が叶うよう調整しています。また、全職員は、実習生、ボランティア、職業体験等の学生に対して、後進育成の観点から指導、助言、相談を行う姿勢を持ち、対応する旨を申し合わせています。実習期間中は毎日、担当保育士と振り返り、具体的に指導を行い、最終日には施設長を含め関わった職員と反省会を設け、全体の振り返りを行っています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人や園のホームページに、理念、基本方針、保育の内容等を公開しています。中でも保育園の情報(日々の活動状況,給食、イベント等)は、ドキュメンテーションでわかりやすく伝えています。また、園のしおり、リーフレット等でも情報を提供しています。保護者には、入園説明会等で詳しく伝えています。今回の福祉サービス第三者評価の受審結果は公表する予定としています。地域に向けた活動やイベント等は、地域の広報誌(タウンニュース)やLINE、インスタグラム等で公開しています。また、地域の岩崎ケアプラザや地区センター、子育て支援拠点等にチラシを掲示、配布しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人経理規定等に基づき、事務、経理、取引等の職務を法人本部職員と保育園事務職員の役割分担の下、適正に行っています。また、法人契約の会計事務所職員や社会保険労務士等による適切な経営指導を受け、指摘事項がある場合には改善を行っています。さらに、法人本部職員や法人監事による内部監査を定期的に実施すると共に、監査法人による内部監査も受ける等、公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取り組みが行われています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人のビジョンに「子育てのしやすい保土ヶ谷の街づくり」を目指し、今年度「つながりハウス」を設立する等、地域の子育て家庭に向けた子育て支援を積極的に取り組んでいます。地域との基本的な関わりについては、園の保育目標に明記し全職員で共通認識しています。子どもたちも散歩時に近隣の方と挨拶や会話を交わして関わりを持っています。また、施設長は地域のエリア会議にて地域の情報を収集し、地域の方がいつでも見られるよう冊子を園舎内に設置しています。コロナ禍の影響で3年程、近隣保育園同士の交流や地域の町内会、自治会、子育てサロンの開催がストップしている状況です。アフターコロナの交流再開及び「つながりハウス」の本格軌道に期待します。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティア、職業体験等の受け入れに対する基本姿勢は明確にし、積極的に受け入れています。受け入れる際は、事前にオリエンテーションを行い、守秘義務等の配慮事項は説明していますが、マニュアルの整備はしていません。ボランティア活動は、地域社会と保育園をつなぐ柱の一つとして考えており、大切な交流と位置付けています。地域の小学校からの職場見学・中学校の職業体験等が想定されますが、受け入れの事前説明等、マニュアルの整備が必要と思われます。目下、マニュアルの見直し・整備に向けて取り組んでいるところです。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

事故発生時等に受診ができる病院・医院や緊急時の消防署、警察署等をリスト化し、職員に周知しています。保護者には、園のしおり「生活のしおり」にて「保土ヶ谷区内の病院リスト(初音丘幼稚園周辺)」を分かりやすく一覧表にして配付しています。障害児保育については、現在は在籍がありませんが、保土ヶ谷区役所こども家庭支援課・横浜市西部地域療育センターと連携を図るようにしています。同様に、家庭内等での虐待等権利侵害が疑われる子どもについても横浜市西部児童相談所等、関係機関と連携を図るようにしています。地域連携では、エリア会議にて、主任児童委員、子育て支援施設関係者、地区センター、ケアプラザ、国際ラウンジ、保育園、幼稚園、自治会等と地域の子育てについて話し合い、課題や問題点については、解決に向けて協働して具体的な取り組みをしています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

当園の子育て支援(園庭開放、ランチ交流、赤ちゃん教室)にて、地域の方々の声を聞き、保育園の専門的な知識や技術を生かして、子育てに関する相談に応じる等、子育てに必要な支援を行っています。施設長は、岩崎エリア育児支援に関する情報交換会に参加し、各園の施設長、民生委員、主任児童員、社会福祉協議会等と子育て支援事業を共有し、地域の情報やニーズの把握に努めています。また、年1回、岩崎地域ケアプラザにて、関係機関・団体(区、自治会、小中学校、保育園、幼稚園、児童相談所等)との懇談会を設けて、保護者や子ども、虐待を含めた親子関係について対応策を話し合っています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人は、把握した地域ニーズに基づき地域の子育て世帯に対して、新たな交流の場「つながりハウス」を設ける等、積極的に地域貢献に努めています。また、初音丘学園本部や当園に備蓄庫を設置し、地域住民への援助ができるように、高齢者や子育て世代を優先とした備蓄品を用意しています。福祉サービスに関しては、親子で楽しむクッキング(アレルギーラボ監修)、ペタペタアートアドバイザー、防災アドバイザー等、専門家を通じて地域と密接に情報共有しながら取り組み、地域コミュニティの活性化やまちづくりに貢献しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの尊重や基本的人権への配慮については、基本姿勢を保育理念や保育方針に明示し、重要事項説明書を通じて保護者に示しています。日常の保育の中で、常に子どもの思いを聞き、子どもの思いに寄り添った保育の実践を心がけ、その日の保育日誌等で振り返りを行っています。毎月の職員会議では、各クラスの子どもへの配慮すべきことを話し合い、全職員で情報を共有しています。横浜市こども青少年局発行「人権擁護のためのセルフチェックリスト」を活用して、職員間で学び合い、互いに尊重する心、性差別や先入観による固定的な対応をしないことを共通認識として、日々の保育に取り組んでいます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシー保護については、法人の職員就業規則、個人情報保護規定に個人情報に関する職員の守るべき姿勢を定めています。職員とは、職務遂行する守秘義務について、誓約書を交わしています。保護者には、重要事項説明書で園における個人情報の内容・保護方針を明記し、同意を得ています。また、インターネット上に写真を載せる際は、事前確認やモザイク対応等を実施しています。日々の保育の中では、常にプライバシーに配慮した対応(おむつ交換・着替え・シャワー等)を心がけています。個人情報の漏洩がないよう、資料や書類を整理すると共に外部に出る情報に個人名が入らないように厳重にチェックしています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

利用希望者に対する保育所選択に必要な情報提供については、ホームページやリーフレット等に掲載し、理念や基本方針・施設の概要・保育の内容・園の特色等を紹介しています。日常の保育の内容は、わかりやすく写真を用いてホームページやLINEで紹介し、保護者や地域の方々、利用希望者に見てもらえるようにしています。また、園見学の希望があれば、個別に随時対応し、保育園のリーフレットを渡し、施設長や主任が丁寧に説明しています。定期的(毎年12月頃)に「入園のしおり」を職員間で見直し、最新のものを提供するように努めています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

保育の開始時の説明と同意については、保護者の意向をできる範囲で配慮し、個別対応しています。入園時に重要事項説明書を基に、施設の概要・職員体制・保育計画・利用について、留意事項や緊急時の対応等、保護者に分かりやすく説明し、同意を得た上で、その内容を書面に残しています。入園後に大幅な変更をする場合は、再度同意書を取り交わしています。特に配慮が必要な保護者への説明についても、適切な説明・運用が図られています。保育内容が変更される場合には、室内お知らせボードを活用して、わかりやすく伝え理解を得ています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

園舎増築の際(平成26年10月)に隣接する幼稚園保育室への引っ越しがあり、保育の継続性に配慮した手順と引き継ぎ文書を保護者に配付しました。保育所退所後も保育士や施設長に相談できる環境を作っていますが、文書としては残していませんので、文書化を図ると尚良いでしょう。隣接している法人内の幼稚園、学童に所属している子ども、保護者には個別に対応しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもについては、日々の保育の中で子どもの表情、遊びへの意欲等を観察すると共に、子どもの話を聞きながら、子ども自身の満足を把握するように努めています。保護者については、園児の様子を口頭や連絡ノートで伝え、安心感や満足度を感じ取り、柔軟に対応するようにしています。また、年1回保育所の自己評価の際に保護者アンケートを実施し、満足度を把握しています。クラス懇話会は年3回、個人面談は必要に応じて対応しています。今回、第三者評価の利用者(保護者)アンケートによっても、保育園へのニーズや満足度等の把握ができました。課題解決については、次年度に改善するよう、保育所運営に取り組んでいます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の仕組みを法令に従い適切に整備し、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員を設置しています。苦情対応の概要として、責任者・担当者・第三者委員の氏名を重要事項説明書に記載し、保護者に周知すると共に、園内にも掲示しています。苦情はこれまで1件もありませんが、保護者からの意見等があった場合は、全職員で解決に向けて取り組み、保育の質の向上に役立てるつもりでいます。これまで苦情がなかったこともあり、意見箱の設置をしていませんでした。今後は、適切に「意見箱」を設置して対応していく予定でいます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

法人理事長より、相談や意見等がある際には口頭、手紙、電話等々の方法で、自由に述べることができる旨を文書化して保護者に配付し、玄関横にも文面を掲示しています。また、重要事項説明書に、苦情相談窓口について記載し、園内にも掲示し、周知を図っています。日頃から、連絡帳での情報交換や送迎時等の声がけで信頼関係を築き、話しやすい雰囲気作りをしています。相談や意見があった場合、施設長は保育士から報告を受け、保護者から知り得た情報を共有しています。相談は、施設長室で応じるようにしています。施設長室は、2階真正面の部屋にあり、他保護者と顔を合わせることもなく、プライバシーが守られています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

職員は、毎日の送迎時や懇話会等で保護者とのコミュニケーションを図り、保護者が相談しやすく意見を述べやすいよう配慮しています。また、個人面談等、保護者の意見を積極的に把握する機会・取り組みを行っています。保護者からの相談や意見は、内容を正確に把握し、保育士は主任・施設長に報告すると共に、全職員が情報を共有できるよう会議等で周知を図っています。施設長は事実確認を行い、適切かつ迅速に改善に向けて取り組み、改善結果を提案者に伝えるようにしています。保護者からの相談・意見は保育の質の向上や運営の改善に生かすよう心がけています。保護者アンケートは実施していますが、意見箱の設置や苦情対応マニュアル等の作成はしていません。意見箱の設置、相談や意見を受けた際の記録の方法や報告の手順、対応策の検討等について定めたマニュアル等の整備が必要と思われます。今後の取り組みに期待します。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメントに関しては、責任者は施設長であり、施設長不在時は主任と定め、災害時、地震、子どものケガ、行方不明等の状況別にマニュアルに明記し、職員体制を敷いています。事故報告書で状況の分析と原因究明を行い、改善策・再発防止策を検討・実施しています。また、事故に至らないヒヤリハット事案についても、全職員で共有し、対応方法等を検討しています。年間を通して、避難訓練、火災訓練、防災訓練、不審者訓練を行い、反省点を生かして見直しや改善につなげています。令和元年に大津市での保育園児を巻き込んだ交通事故の際は、散歩コースを全職員で歩いて検証し、その結果を保護者に写真つきの手紙として配付しました。横浜市が発行しているリスクマネジメント集を回覧すると共に、園内研修の題材として取り上げる等、日々の安全管理に生かしています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

国が策定した「保育所における感染症対策ガイドライン」に則り、感染症マニュアルを作成しています。当園の感染症対策については、園医に相談しながら適切に行っています。看護師による消毒作業や手洗い講習等の感染予防や、安全確保のための取り組みを行っています。昨年度は、おもちゃ消毒の噴霧器(除菌ブース)を購入し、おもちゃはもとより室内空間除菌としても効果があり、感染症対策に生かしています。園内での感染症発生時は、速やかに全職員に伝え、保護者には玄関や各クラスお知らせボード等で、周知を図っています。また、看護師が発行する「ナースだより」や法人で発行している「ほけんニュース」に、感染症予防や予防接種、子どものケガの処置方法等を掲載し、保護者に伝えています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

当園は、洪水ハザードマップに指定されている地域のため、年1回高台まで避難する訓練を行い、反省点等を検証して必要な対策を講じています。備蓄品(食料・ミルク・水・オムツ等)はリストを作成し、管理栄養士と全体フリーが責任者として、買い替えや備蓄品の取り扱い、保管場所の整備を行っています。また、園内研修として、ランタンや充電器、発電機等の操作確認をしています。地域の防災訓練(年1回)には、数名の職員が参加し、自治会や消防署、福祉関係団体、小学校と連携体制で臨んでいます。保護者には引き渡し訓練の際に、外部防災アドバイザー「コドモト」による防災講座への参加を募り、職員と共に防災知識を高め、防災に対する意識を持ってもらうよう取り組んでいます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

保育の標準的な実施方法や接遇について記載した「保育士業務マニュアル」を整備し、それに基づいた保育を実践しています。保育の標準的実施方法としては、全体的な計画を基に年間計画を作成し、保育指導計画、行事計画、食育計画等に沿った保育活動を行っています。標準的で一定水準の保育ができているかについては、週案、日案、各期の保育士の自己評価について、職員間でPDCAを実施しています。保育が画一的にならないように、その年の園児の様子や興味・関心のある活動を柔軟に取り入れ、遊びの幅を広げる工夫をしています。また、それぞれの職員の発想を保育に生かすように取り組んでいます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

保育の標準的な実施方法の検証・見直しに関する時期やその方法は、各年齢で、日々の保育や月の保育の振り返りを行っています。月間指導計画は、各クラス担任間で毎月見直しを行い、内容を翌月の指導計画に盛り込んでいます。年間指導計画は、期ごとの反省を基に年度末に振り返りを行い、振り返りの内容を次年度に反映させ、保育に継続性を持たせています。行事については、保護者会役員と施設長、主任で反省会を設け、その内容は全職員に伝え情報を共有しています。年度末の保護者アンケートで意見や要望が寄せられた場合には、内容を検証して保育に反映させるようにしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

指導計画は、全体的な計画の具体化を図って、年間指導計画や月間指導計画を作成しています。指導計画は、各年齢のクラスリーダーが責任者として作成し、施設長が確認し適切に作成しています。クラスリーダーは、毎日の保育の状況を把握し、クラス担任へ助言・指導を行っています。0歳児~2歳児クラスまで個別指導計画を作成しており、計画作成時は担当者によるアセスメントの協議を実施しています。当園は0歳児~2歳児の保育を実施しており、要支援ケースであるかは、年齢的な経験不足を十分に考慮して、園児一人ひとりの様子(活動の様子、友達との関わり、基本的生活習慣の習得)を日々観察しながら、無理のない適切な保育を実施しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画、年間指導計画、月間指導計画等の評価・見直しは定期的に行っています。各クラスの担任が保育実施後に行い、施設長が確認しています。具体的には、日案は日ごと、月間指導計画は月末、年間指導計画は四半期ごと及び年度末に行い、子どもや保護者の課題を抽出し、次年度の指導計画の作成に生かしています。指導計画の緊急な変更については、計画の実施後のみならず、実施期間内に状況を把握し、評価・反省を行い、見直しをしていくように時期や手順を定めていかれることを期待します。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもに関する保育の実施状況の記録は、園様式の児童票(生活表・健康台帳・保育日誌等)に記録して保管しています。記録内容は施設長が確認し、書き方に差異が生じないよう、個別に指導を行うと共に、必要に応じて職員会議で情報を共有しています。また、0歳児~2歳児まで月間指導計画に応じた個別指導計画が適切に作成され、保育の実践が記録を通して確認できました。保育に関する情報の共有については、週1回のミーティング(職員会議)、リーダー会議、クラス会議、各行事会議等の開催時に行っています。また、ホームページやLINE等を活用して、情報の伝達ができる仕組みになっています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

法人の「個人情報保護規定」により、子どもに関する記録の取り扱いを定めています。施設長は、記録管理の責任者として書類等の管理を行い、過去の書類も含めて鍵がかかる書庫に保管しています。また、職員と個人情報の遵守に関して、守秘義務誓約書を交わしています。利用者の個人情報については、入園時に重要事項説明書にて保護者に説明し、理解を得て、利用契約書を交わしています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、児童憲章、保育所保育指針等の趣旨を踏まえ、法人の理念、保育方針、保育目標に基づき、当園の特徴、地域の実態等を考慮して作成しています。全体的な計画に沿った各指導計画や行事等は、定期的に評価・反省を行っています。全体的な計画の見直しは、各指導計画や年齢毎のカリキュラムを基に、子どもの成長・発達、保護者、地域の実態等について職員会議で話し合い、次年度の計画に反映しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

保育室の採光・温度・湿度等、常に適切な状態に保持し、子どもたちが心地よく過ごせるようにしています。各クラスの温度・湿度計で確認し、空気清浄器(加湿器)で調節、園児がいない部屋の除菌に噴霧器(除菌ブース)を活用する等、当園は生活と活動の場が確保されていることからも、より安全で衛生的に過ごしています。また、看護師が廊下、階段、ドア・ドアノブ、トイレ、テーブル、椅子等、子どもたちが触れる部分の衛生管理を徹底して行い、感染症予防対策に取り組んでいます。ランチルームのテーブルと椅子の高さは、子どもの年齢や発達に考慮され、トイレや手洗い場は明るく清潔で、子どもが使いやすい設備となっています。子どもたちの遊び面では、コーナー作りを工夫して、安心・安全に生活できるように取り組んでいます。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人理念を基本とした子どもへの対応について、一人ひとりの発達段階を見極め、個人差を十分に把握し、子どもを尊重した保育を行っています。子どもに対する言動・対応・援助の仕方等についても、園内研修で学び合い共通認識を図っています。職員は常に子どもの気持ちに寄り添い、否定的な言葉は使わないよう、保育士の自己満足での保育は行わないよう心がけています。今回の利用者(保護者)アンケートの設問「職員はお子さんを大切にしてくれていますか」では、満足回答率91%の結果であり、子どもの状態に応じた丁寧な保育の実施が窺われます。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本的な生活習慣の習得については、一人ひとりの子どもの発達に合わせて、一緒に行い、褒めながら少しずつ身に付けられるように、家庭と連携して進めています。子どもの主体性「自分でやろう、自分でやりたい気持ち」を尊重し、子どもの要求を満たしつつ援助を行っています。また、個別カリキュラムに基づき、子どもが理解しやすい言葉を使いながら、遊びを通して楽しく基本的な生活習慣が身に付くように取り組んでいます。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

子どもたちが自主的、自発的に遊べるよう年齢や発達に合わせて環境を整えています。いつでも発達に合わせた絵本や玩具等に触れて遊べるように整えると共に、子どもの成長に合わせて絵本や玩具、手作りおもちゃ等を見直し、入れ替えを行い、遊びが発展・展開していくよう工夫しています。全クラス、天気の良い日は戸外(園庭、散歩)へ出かけ、身近な自然に触れたり、地域の人と挨拶を交わすことで交流を図ったり、交通ルールを学ぶ等、整った環境の中で、子どもたちは様々な楽しい活動を体験しています。また、日頃の遊び(探索遊び、運動遊び、集団遊び、ごっこ遊び、リズム遊び、表現遊び)を通して、友だちとの関わりや異年齢児との交流を主体的に進められるように取り組んでいます。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

乳児保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備しています。0歳児クラスでは、安全・衛生面に十分配慮した玩具や手作り遊具等、見る・聞く・触れる経験が十分に楽しめるように環境作りを工夫しています。また、一人ひとりの生活リズムや発達状況に応じた個別指導計画とクラスの指導計画を作成し、子どもの心身の発達に関する情報を担任間で共有し、保育を実践しています。保護者とは、子どもの様子を丁寧に連絡帳に記載して伝えると共に、送迎時等の会話を通して、情報を共有し、信頼関係の構築に努めています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳未満児の保育では、年間指導計画を基に、月のカリキュラムに養護と教育の両面から、一人ひとりの発達状況を把握・展開し、子どもの状況に応じた保育を実施しています。子どもの自我の育ちを受け止め、「待つこと」・「見守ること」を基本に、子どもが自分の力で取り組もうとする気持ちを尊重し、寄り添う保育を心がけています。保護者とは、連絡ノート、登降園時の会話、個人面談等を通して、密にコミュニケーションを取り、連携を図っています。また、様々な年齢の子どもや、保育士以外の大人との関わりについては、異年齢交流、地域交流、管理栄養士、看護師、事務員等と、色々な場面での関わりが持てるように取り組んでいます。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:c】

当園は、3歳未満児の保育施設のため該当事項はありません。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

障害のある子どものための環境整備では、園舎内はバリアフリー・エレベーター設置・ユニバーサルトイレ仕様になっています。現在、障害児は在籍していませんが、保護者との面談時には、子どもの様子を伝え、気になるような場合は、1歳半健診・3歳児健診等で相談するように勧めています。また、横浜市西部地域療育センター等、専門機関とも情報共有するよう努めています。職員は、障害児保育に関する研修を受講し、必要な情報を得るようにしています。今後、該当児が入所した際の取り組みに期待します。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

一人ひとりの子どもの生活リズムに配慮して、一日を気持ちよく過ごせるように努めています。子どもの状況や登園時間に合わせたリズムが作れるよう、保育内容に静と動の活動のバランスを図りながら、休息の取り入れ、午睡時の安眠等に配慮しています。保護者とは、登降園時に子どもの様子を詳しく聞いたり、伝えたりしています。職員間では、口頭、ミーティング、引き継ぎノート等で、朝夕の引き継ぎを適切に行い、情報共有を図っています。家庭的な雰囲気の中で、一人ひとりに寄り添う保育を心がけ、夕方のおやつ時には、腹持ちの良いおにぎりやパン、お好み焼き等を提供しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:c】

当園は、3歳未満児の保育施設のため該当事項はありません。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康管理については、「健康、衛生マニュアル」に基づいて、子ども一人ひとりの心身の健康状態を把握しています。日々の保育の中では、連絡ノートの検温を確認し、朝の視診にて子どもの健康状態を把握しています。子どもの体調悪化やケガ等の場合は、速やかに保護者に伝え、翌日に事後の確認をしています。看護師が、毎年「保健計画」を作成し、1歳児、2歳児に手洗い指導や歯磨き指導を実施すると共に、「ナースだより」にて、感染症、かかりやすい夏の病気、ケガの対応の仕方等を保護者に伝えています。また、「乳幼児突然死症候群(SIDS)」予防のため、睡眠チェックを0歳は5分ごと、1・2歳児クラスは10分ごとに行い、うつぶせ寝はしないように職員間で周知しています。保護者にも入園前説明会で説明し、注意喚起しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

年2回の内科健診、歯科健診の結果は健康台帳に記載して保管しています。健診結果は、クラス担任、施設長、主任、看護師、栄養士で情報共有しています。保護者には別紙にて伝えています。看護師は、「年間保健計画」に沿って、保健指導を各クラスや職員に行っています。特に手洗い指導では、子どもの目線を配慮した位置にイラスト「手の洗い方」を張り、わかりやすく伝えながら実践しています。また、嘱託医との情報交換や地域での感染症の流行状況を把握し、職員や保護者への周知や必要に応じた保健指導等につなげています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもに対しては、「保育所における食物アレルギー対応マニュアル」を基に、それぞれの子どもの状況に応じた適切な対応を行っています。保護者とは連携を密にし、現在の様子、病院とのやり取り(負荷テスト結果等)を確認しています。食事の提供時は、個別の机・色つきトレーを区別し、名札を付けて提供しています。また、配膳時には、キッチン、保育士で声出し確認及びアレルギー児のファイルにて食事内容の確認をしています。クラス担任以外の職員が提供する際も、同様な対応ができるよう園内研修で周知を図っています。入園説明会時には、アレルギー対応を行っていることを保護者へ伝えると共に、園のしおり「生活のしおり」に掲載しています。職員は、アレルギー研修に積極的に参加し最新情報を得、知り得た情報を園内研修等で伝え、対応について周知を図っています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食育を全体的な計画に位置付け、栄養士は年間食育計画を策定し、計画に基づいて食事がより楽しめるように取り組んでいます。食育集会(年3回)では、食材に触れて形、硬さ、匂い等を感じる等、子どもが食に対する興味・関心が持てるような取り組みをしています。また、子どもたちに菜園活動(野菜の種まき、水やり、収穫)を通して、食を身近に感じられるよう工夫しています。給食では、年齢に応じて食べられる量を把握し、各クラスの担任が個々に合わせた対応をしています。個人差を配慮し、無理なく子どもが食べられたことにより、満足感を味わえるようにしています。当園では、その日の天候や子どもの状況に応じて、ランチルームや保育室で食事ができる環境があるのは魅力です。0歳児クラスでは、離乳食を提供し、食材の形状、固形物の柔らかさの度合い等、家庭と連絡を取り合い、子どもの発達や個々の咀嚼に合わせて次段階へ移行しています。保護者には、献立表(人気レシピの紹介含む)の配付、毎日「食事サンプル」提示等で、園の食事の理解につなげています。今回の利用者(保護者)アンケートの設問「お子さんは給食を楽しんでいますか」では、満足回答率91%と満足度の高さが窺えます。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

当園では、管理栄養士と保育士2名で食育係を構成し、年度初めに「食のテーマ」を決めて、年間を通して子どもたちが食に興味・関心が持てるように工夫しながら取り組んでいます。毎月の献立には、旬の食材を使用し、季節、行事食、栄養価等、工夫を凝らし、見た目も楽しく、おいしく、安心して食べることのできる食事を提供しています。また、おやつは手作りにこだわり、パンやお好み焼き、誕生日ケーキ等、栄養面を考慮し腹持ちのするものを提供しています。子どもの発達段階に応じて、自発的に食べられるように、食材の大きさ・硬さ等を調節しています。給食日誌に毎日の残食、喫食状況を記録し、献立・調理の工夫に反映させています。月1回の職員会議では、栄養士と保育士が意見を交換し、献立の工夫や改善につなげています。衛生管理体制は、給食衛生管理マニュアルを基本とし、徹底した衛生管理を行っています。保護者へ配付の「献立表」にレシピも提供し、家庭での食育につなげています。今回の利用者(保護者)アンケートの設問「給食の献立内容(季節の食材や行事食)」でも【A15】に続き、満足回答率91%と高い評価を得ています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

一人ひとりの子どもの成長を保護者と共有できるように、家庭との連携を密に取り合っています。毎日の連絡帳に1日の活動等を記載し、登降園の際も口頭で子どもたちの様子を伝える等、家庭との連携を図っています。クラス担任だけではなく、早番・遅番保育士とも漏れのないよう引き継ぎ、情報を共有しています。また、懇話会や保育参加等で、保育内容について伝え、保護者に理解を得ています。子どもたちの普段の様子は、ホームページ、活動の掲示(クラス入口)からも確認できるようにしています。また、家庭状況や情報交換等の内容は、必要に応じて記録し、その後の家庭支援や保育に生かしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者が安心して子育てができるように、担任を始めフリー保育士、パート職員、専門職の職員等、日頃から話しやすい雰囲気作りを心がけ、子育て支援に取り組んでいます。保護者から相談を受けた際は、保護者の気持ちを受け止めて、担任、主任、施設長が迅速に対応し、返答するように体制を敷いています。個人面談は、個人情報に配慮して面談室(施設長室)を設け、内容によっては栄養士、看護師等の専門職が同席し、保護者が安心して相談できるようにしています。面談時間についても柔軟に対応し、相談内容は適切に記録しています。職員には職員会議時等にその内容を報告し、共通認識を図っています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

「虐待防止マニュアル」に基づきチェックリストを備え、家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めています。登園時の親子の表情や会話、保育中に身体のあざ等の確認を行い、不審なケガやあざ等があれば、写真に記録しています。虐待が明らかになった場合は、保土ケ谷区こども家庭支援課や横浜市西部児童相談所等に、通告・連絡の体制を整えています。職員は、外部研修への参加や園内研修を通して、専門知識や技能を深め確認し合う等、指導・育成への取り組みも行っています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

保育士は、「年間指導計画」に基づき「月間指導計画」・「週案」・「日案」を策定し、それぞれの自己評価を行い、職員間で話し合い保育の改善や向上に取り組んでいます。また、年度末には、総括として「職員の自己評価」を実施し、自らの保育実践を振り返り、課題を見出し、施設長との面談にて助言・指導を受け、次の目標につなげています。職員は、他のクラスの保育に参加し、違う目線から保育を学ぶ等、互いの学び合いや意識の向上につなげています。当園の保育目標にある「心の育ち」を大切にして、子どもの主体性を尊重した保育展開ができるように、環境や援助の方法を見直す等、保育の向上に努めています。