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梅香園

2023年11月27日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 梅香園 評価対象サービス 2022~ 障害者・児福祉サービス版
対象分野 生活介護, 就労継続支援(B型) 定員 40 名
所在地 〒250-0865
小田原市蓮正寺647-5
TEL 0465-37-0181 ホームページ https://yorube.or.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2008年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 よるべ会
職員数
常勤職員:11 名
非常勤職員:10 名
専門職員
管理者:1 名
サービス管理責任者:1 名
支援員:15.4 名
事務員:1 名
看護師:1 名
栄養士:1 名
施設・設備の概要
居室:シャイン作業室(就労継続支援)
居室:ニコニコ工房作業室(就労継続支援)
居室:あすなろ作業室(就労移行支援)
居室:にこにこ作業室(生活介護)
居室:ほがらか作業室(生活介護)
居室:かがやき作業室
設備:厨房及び関連施設
設備:食堂
設備:会議室多目的室
設備:職員室
設備:プレーコーナー多目的室
設備:シャワー室身障者トイレ
設備:医務室兼静養室
設備:相談室
設備:給湯室
設備:更衣室
設備:男子更衣室
設備:女子更衣室
設備:洗面所
設備:身障者トイレ
設備:男子トイレ
設備:女子トイレ
設備:バルコニー
設備:エレベーター

③ 理念・基本方針
<理念>
障害のある人もない人も、平等に、自立に向かって努力し、暮らし合う社会をめざした活動を基本とする。そして法人が行う様々な活動を通して、利用する人たち自身が主体的に社会参加に向かい、その関わりあいの中で成長し、人としての喜びが広く生れつづける環境づくりとその支援に努める。またそのためにも地域社会の福祉に積極的に貢献する。

<基本方針>
1.私たちは、適切なサービスを提供するために、各部署で高い技量と能力を得る努力を行い、それを支援の場で実践します。
2.私たちは、その実践にあたり、常に利用者一人ひとりの尊厳と権利を尊重し、利用者本位を元にしたサービス提供を基本とします。
3.私たちは日々、親切・笑顔・挨拶をモットーに気配りの行き届いたサービス提供を行います。
4.私たちは常に品質の改善を図り、質の高いサービス提供を実践します。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<梅香園の特徴的な取り組み>(基本情報Ⅰ-3の記載事項)
●常に利用者一人一人の意見及び人格を尊重し、自立と社会参加を支援することを考え、当事業所では、生活介護、就労継続支援B型の二つの事業を行い、若い方から高齢の方まで利用者一人一人のニーズに応えられるよう事業を展開しています。
●生活介護では、2班に分かれそれぞれに合ったプログラムで活動を行っています。楽しく毎日登園することを目的としている方、生活介護でも作業をしたい方へも多様なニーズに応えられるよう日々のプログラムを考え提供しています。
●就労継続支援B型では、印刷作業、清掃作業、軽作業、事業所外作業と利用者の強みを生かして作業部門を決めています。作業もただやるだけにとどまらず、プロフェッショナルになれるよう免許制度を設けています。免許を取得するため、作業手順を覚え意識をもって作業し免許を取得する。免許を取得することで作業をうまくできる喜び、さらなる意欲向上につながっています。
●作業以外の活動としては、12の教室やクラブ活動を行っています。全体で取り組んでいる教室、個々の趣味に合わせた教室など、作業以外での楽しみを持つことで、日々の活動にもつながっています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/03/29(契約日) ~2023/11/21(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 初 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【法人・施設の特徴的な取り組み】 
●梅香園は平成15年、小田原市より市立知的障害者通所授産施設「梅香園」の運営受託を受け、指定管理施設として運営(公設民営)を開始し、平成20年に社会福祉法人よるべ会(以下、法人という)が正式に譲渡を受け、経営母体となりました。そして、同年「ISO9001」の認証を取得し、国際標準化機構の品質マネジメントシステムに則り、サービス・顧客満足度の向上、システムの継続的改善について16年間、推進を図ってきました。令和4年11月、「ISO9001」認証更新を停止し、令和5年度福祉サービス第三者評価(以下、第三者評価という)の受審に取組みました。

●梅香園では、これまで確固として完成していたISOの品質目標を全面的に見直す考えを根幹に持ちつつも、法人全体で福祉サービス第三者評価を導入するに当たり、サービスの資質向上に向けて取組みました。ISOと同様に第三者評価もPDCAが基本であり、違いは幅広く組織全体を緩やかに見渡し、「気付き」に重点を置き、振り返りと共に現状の把握からより良いサービス・質の向上への契機となるよう期待いたします。

●梅香園は、小田原市の北部に位置し、小田急線蛍田駅の南東にあり近くには狩川の河川敷があり、雄大な山々を望み自然豊かな環境に恵まれています。梅香園は、生活介護・就労継続支援B型事業の定員40名の通所事業所であり、県西部の2市8町村エリアの日中一時支援を請負っています。法人理念の具現化に向けて、地域社会の福祉に積極的に貢献することを信条に推進を図っています。地域の草取り(駐車場、レストラン、高架下等)を行う他、事業所外業務での就労等の支援、地域社会の方と生活を共にする体制が定着しています。

◇特長や今後期待される点
1.【品質方針の設定と「5S」の徹底】
法人では、高い品質のサービスを目指して毎年、品質方針を掲げ、サービスの質の向上に取組んでいます。方針として、①「私たちは適切なサービスを提供するために、各部署で高い技量と能力を得る努力を行い、それを支援の場で実践します。」②「私たちはその実践にあたり、常に利用者一人ひとりの尊厳と権利を尊重し、利用者本位を元にしたサービス提供を基本とします。」③「私たちは日々親切・笑顔・挨拶をモットーに気配りの行き届いたサービス提供を行います。」④「私たちは常に品質の改善を図り、質の高いサービス提供を実践します。」とし、品質方針の達成に向けてベースに「5S」を徹底して取り組んでいます。「5つのS」は、1.Service(貢献・奉仕)2.Speed(迅速)3.Spirit(真心)4.Specialty(専門性)5.Satisfaction(満足)であり、各「S」の具体性を示し、常に職員は心がけています。職員は、利用者の笑顔が生まれることを願いながら日々の支援に当たっています。

2.【生活介護の利用者への取組・工夫】
梅香園の生活介護の利用定員は22名であり、登録・実働延人数は26名です。生活介護では「ほがらか」・「にこにこ」と称した2班を設定し、それぞれに合ったプログラムで活動を行っています。「ほがらか」は目標を「ほがらかに毎日楽しく」を中心に、各利用者の個性・特性を考慮した活動を展開していきます。「にこにこ」では、「にこにこと、大好きな作業」を中心とし、充実感のある毎日を展開しています。作業内容は、張子の生地の作成、PC作業、園内清掃、内職軽作業(アルミ缶を潰す)、卵パックや自動車部品の組み立てを行い、事業所外作業では庭園清掃、草取り・除草作業等を行っています。生活介護の利用者へは1人平均4,600円/月(令和4年度実績)の工賃を支給し、利用者の方々の意欲につながっています。また、就労継続支援B型事業も含め、作業種ごとに認定免許制度を設け、合格者には免許(事業所内免許)が認定され事業所内に掲示する等、利用者の励み・意欲をスキル向上等につなげ、他に類を見ない試みです。

3.【就労継続支援B型の人たちへの取組】
就労継続支援B型事業では、18名の定員に、登録・実働延人数で25名が利用しています。就労継続支援B型では事業を3つのジャンルに分け「印刷・園内作業」・「清掃作業」・「木工所」とし、「印刷・園内作業」はシルク印刷、タオル印刷、張子制作、法人のカレンダー作成、内職軽作業(自動車部品組立、タオル畳み、熨斗、袋入れ、卵パック等を行い、「清掃作業」は事業所内清掃や、高齢者施設(清掃・洗濯)、養護施設(トイレ清掃)、ミュージアム(庭園清掃)、食堂(駐車場棟の剪定・清掃)、商店(草取り)等の作業を、そして、「木工所」では木工作業を行っています。法人のカレンダー作成ではホームページに掲載し、購入できるようにしています。就労継続支援B型も作業スキル向上と作業能力維持のため、認定免許制度(事業所内免許)を設け、挑戦する機会を提供しています。また、教室参加者の入れ替えができるよう見直しも図っています。就労継続支援B型の利用者へは1人平均21,400円/月(令和4年度実績)の工賃を支給し、励み、意欲につながっています。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 梅香園           
         
≪第三者評価を受審した感想、自己評価に取り組んだ感想≫
 第三者評価を受け、その経験を通じて感じたことは非常に価値あるものでした。評価プロセスは施設の機能やサービスの質を客観的に評価し、改善の余地や強化点を見つける手助けとなりました。また、第三者の視点からのフィードバックは、施設内で気付かなかった課題や良い点を明らかにし、これによってより良いサービスを提供できる方向性を提示してくれました。
 評価プロセスは一時的なものではなく、施設の持続的な向上に寄与するものであると感じました。また、第三者の意見は利用者やその家族にとっても重要であり、信頼性や透明性を向上させる上で不可欠なものだと思います。評価を受けたことで気づいた改善点には真摯に向き合い、迅速かつ効果的に対応する必要があります。これは、施設全体の品質向上に向けての重要な一環であり、スタッフ一人ひとりが主体的に参画し、変革に向けた努力を継続していくことが求められます。
 この経験を通じ、私たちの施設は常に変化し続け、利用者のニーズに適応する柔軟性を持つべきだという認識が深まりました。第三者評価を通して得られたフィードバックは、私たちの福祉施設の質を維持し向上させるための貴重なものであると感じます。これを機に、今後も地域社会に貢献するため、更なる向上を目指していければと思います。

≪評価後取り組んだ事として≫
1.マニュアル化、文章化していないものがあり、継続した支援を行う上で重要なものであるため整備するための準備を行う

2.評価を受けて終わりではなく、自分たちに必要なものは何か、職員が共有できるようチームを作り、結果を検証

詳細評価PDF 詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念、基本方針は、基本方針・品質方針という形でホームページやパンフレットで公開し、事務所にも掲示しています。法人の全体会議で職員は理念・基本方針の理解を深め、所内に掲示すると共に、パンフレット、ホームページ、法人のハンドブックに記載し、年度初めには理事長が機関誌に寄稿して周知徹底を図っています。基本方針・品質方針を事業計画に反映し作成しています。今年度、法人が作成した職員ハンドブックには、理念の解説と併せて法人の基本的な考え方を記載し、職員一人ひとりに配付し、熟読を促しています。組織全体により周知を図ることを検討しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

社会福祉事業の動向については、法人の管理者の会議等で情報提供・共有を図り、県西地区の施設長会に定期的に参加し、地域の動向の把握も行っています。行政からの通達メール等は法人全体に配信され社会福祉事業全体の動向を確認しています。また、責任者会(月2回法人系列各事業所責任者による会議)や、運営会議(月1回法人系列各事業所の責任者、課長による会議)で、事業の動向・情報を分析し、共有するようにしています。併せて、責任者会では法人や事業所ごとの収支とこれらの分析を比較及び確認し、課題解決に向けた取組みを行っています。しかし、行政の障害者支援の方針が明確ではない面があり、分析が難しい側面は否めません。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

法人が収集した事業所運営に影響のある重要な情報や課題は、執行責任者会、運営会議の中で示され、重要な情報に関しては、各事業所において基本的に主任クラスに止めています。一般職員に対しては日常業務を優先とし、法人の方向性は全体会議で周知を図り、事業所全体の取組も幹部で方向を決めて進めています。併せて法人内各部会等(人材育成部会、ICT部会、権利擁護部会、サービス向上部会、労務委員会)でも課題解決に向けた改善案を策定し、理事会、評議員会を経て決定する体制となっています。直近の内容では、権利擁護についての法人職員研修、ICTを活用した様々な業務改善案の発信、職場環境改善としてPC等の現状調査、福祉サービス第三者評価の実施状況、特定処遇改善加算の申請等があり、それぞれの部会で課題の取組を実施しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

ビジョンについては中・長期と切り離すことなく、設立の趣旨、理念の中に「障害のある人もない人も、平等に、自立に向かって努力し、暮らし合う社会をめざした活動」と明示し、その理念に沿って事業所運営を展開し、利用者のニーズを把握して事業所の拡大を図って来ており、理念と表裏一体としてビジョンがあります。3年程度の中期計画は事業計画に組み込まれており、中計・事計的な設定になっており、5~10年の長期計画は設けていません。目指す方向性や将来像はあるものの、具体的に文章化がされておらず、現状、支援を中心とした事業計画となっており、今後の課題として、将来を見据えた計画を策定することを期待いたします。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

中・長期計画は策定されていませんが、単年度の計画は前年度の状況、反省を踏まえて策定しています。単年度の事業計画として、当年度の運営目標を掲げ、年間計画として各事業の事業目的、作業内容、収支目標(目標工賃等)、作業以外の楽しみづくりや個別支援等を定めています。作業以外の部分では、日中一時支援、クラブ活動、年間の行事スケジュール、これまでのISOを活かした活動計画等を設定しています。事業計画は大きくは年2回、達成目標との差異を確認・評価する他、毎月のサービス向上会議(月1回法人系列各事業所の責任者、課長による会議)でも目標達成に対する進捗状況を確認しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画は、前年度を踏まえて施設長が策定し、年度末に法人の全体会議にて報告しています。実施状況に関しては、半期ごとに各活動をまとめて報告しています。実施状況は整理されていますが、基本的に定型業務が中心となり、事業計画の展開というより業務報告になりがちであり、事業計画を前提に、職員が理解した取組となる仕組み作りが必要と考えています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

よるべ会は社会福祉法人であり、事業報告、事業計画については開示し、事業計画の概要は広報誌「KAWARABANよるべ」(年2回発行)に掲載及び配付しています。ご家族へは、保護者会で状況を報告し周知しています。利用者へは、事業計画を年度の計画として分かりやすい資料を作成し配付しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

サービスの質の向上に向けて、単年度の事業計画・サービス向上計画を策定し、法人主催の会議にて進捗状況を報告しています。PDCAサイクルによる取組に関しては、昨年度まで運用していたISOの仕組みを現在も業務上において継続し、PDCAサイクルは定着しています。法人で推進を図る「サービス向上」の取組みに関して、現場の職員に対する具体的な周知や意識付けが不明瞭であり、明確にする工夫が期待される中、サービス向上委員会で内容を分かりやすく開示できるよう進めています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

現在、ISOの仕組みの継続と梅香園の課題解決方法へのソフト・ランディングが課題と考えています。これまでISOで必要なマニュアル化に取組んできましたが、ISOの監査結果と梅香園の課題解決との関係性が不明確な部分もあり、現在、サービス向上委員会が引き継いで展開を進めています。現在の仕組み、取り組むべき課題の明確化を図り、職員間で共有を図り、改善策等に取組む体制づくりの一考を期待します。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

施設長の役割、責任については梅香園事業運営規定第4条第1項に明文化されています。また、広報誌「KAWARABANよるべ」(年2回発行)に状況の報告と共に、理事長のメッセージを掲載し社会福祉法人としての責任と事業の内容を伝えています。職務分掌については、梅香園事業運営規定、業務分担表に役割を定め、担当職員業務を明確にしています。自然災害への対応では、地理的に水害に対する対応について検討し、災害で運営が不可能な場合を想定したBCP計画を策定しています。また、災害時且つ、施設長不在時の権限委任について取り決め、防災マニュアル内にも規定しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

法令遵守については、基本的に「法」を遵守することを大前提とし、法人及び事業所に関連する法令は熟知し、遵守しています。補足に関しては事務部門、法人本部で確認し、不明の点については外部の法律専門家に相談できる体制があります。法令等に関する研修等、職員へインターネットで情報を得て発信していますが充分には至っていません。虐待防止法等については所内研修の実施及び、虐待防止委員会を設置して取組んでいます。事業所として、神奈川県の事業所説明会への参加や、責任者会で法令、条例、通達等の情報の確認を行い、適正な運営に努めています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

施設長は、職員からの意見を積極的に取り入れ、サービスの質の向上に向けてLINE WORKS(ビジネスチャット)を活用し、職員アンケート調査を実施しています。また、サービス向上委員会を設置し委員会を中心に事業所全体並びに職員一人ひとりの資質向上の推進を図るよう指導力を発揮しています。職員のセルフチェックは継続して実施し、面談の際に確認しています。職員の教育・研修の充足に期待します。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

施設長は人事、労務、財務等を踏まえ、人員配置等を考慮しながら働きやすい環境整備に努め、基本的な課題を常に視野に入れて運営しています。施設長自らの取組と共に事業所内に同様の意識を形成し、職員全体で効果的な事業運営を目指していかれると尚良いでしょう。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

人材確保については、法人全体の課題とし人材育成部会を中心に進めています。学生や求職者に向けた施設見学会(法人全体)の実施、ホームページの活用、Webサイトへの求人広告やハローワークへの求人掲載、事業所単独での求人広告の掲載等の取組を行っていますが、業界全体として人材確保は困難な状況が続いています。新卒の採用については、法人主催の新人研修及び階層別研修を確立し育成を行っています。梅香園での採用・育成については、チューター制度を取り入れ現場OJTを中心に実施しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

「目標をもって描く将来像」の基盤の下、総合的な人事管理を展開しています。定期的な人事考課(評価は課長→主任→一般職員の順で評価)を通じて評価・分析を行い、組織の力を最大限に引き出すよう努力しています。毎年、職員の意向調査を実施し、事業所の課題を的確に把握して改善に取組んでいます。職員一人ひとりの成長を支援し、組織全体のパフォーマンス向上を図るよう努め、自ら将来の姿を描くことができるよう、課題を認識できる仕組みを人材育成部会で検討しています。また、職員としての心得を明記した職員ハンドブック(よるべ会で働くあなたへ)を職員全員に配付し、周知しています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

職員の就業状況や意向を注視し、定期的なコミュニケーションを通じて情報収集を行い、得たデータを基に働きやすい職場づくりに重点的に取り組んでいます。柔軟な勤務体制(時短の働き方、産休・育休等)の提供やワーク・ライフ・バランスへの配慮等、職員一人ひとりのニーズに合わせた施策を展開しています。また、フィードバックを受入れる文化を育て、改善を継続的に行いながら、職員の満足度向上と支援力の向上を両立させる努力を続けています。個人の精神的な面に関する相談等は基本的に施設長が対応していますが、必要に応じて理事長が対応する場合もあります。福利厚生は福祉協会に加入しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員一人ひとりの目標管理シートを作成し、目標設定から個人の成長方向の明確化を図り、適切なトレーニングやスキル向上の機会を提供しています。また、継続的な学習の重要性を強調し、外部研修への参加を奨励する等、職員が自己研鑽を図り、組織全体の成果に貢献できる力を育成しています。中間期に個別面談を実施し、目標達成度の進捗中間チェックを行い、必要に応じて修正を図り進めていかれると尚良いでしょう。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

職員の教育・研修に関する基本方針と計画を策定し、目標管理シートを活用し、個々の目標設定を定め、スキルアップに取組んでいます。新任職員の場合はチューター制度により現場のOJTを中心に育成しています。法人全体で「5つのS」を掲げ、事業所内でも取組んでいますが、現場職員の浸透への取組は課題としています。今後、現場での実践を重視した研修内容の見直し、職員の意見を反映させたプログラムの開発も進めていく予定であり、組織のさらなる成長と職員のスキルを相乗させる効果的な教育体制の確立が期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

法人全体の研修として、新人研修、階層別研修を定期的に実施し、各施設・事業所から該当者が参加しています。新入職員は基本スキルと組織文化を習得し、主任はリーダーシップを強化し、さらに、職員全体研修で最新情報や業務スキルを提供し、実務力を高める環境を構築しています。今年度の階層別研修は主任を2グループに分け、それぞれ2回実施する計画となっています。また、非常勤職員を含めeラーニングの環境を整え、一人ひとりが自由に研修に参加し、スキルアップが図れるようにしています。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:c】

実習生を受入れる意向はありますが、実習受入れマニュアル、プログラムが未整備であり、また、実習要請において対応できる専門職の不足を課題としています。保育士の社会福祉施設の実践見学において、法人系列他施設・他部署(通所、グループホーム、児童入所施設、障害者支援センター)からの実習生受入れの協力はしています。今後、実習生受入れの基本姿勢の明示、マニュアルの整備を期待します。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

社会福祉法人としてホームページに、理念や基本方針、決算情報を公開し、運営の透明性を確保し、法人の存在意義や役割について明確にしています。定期的に広報誌「KAWARABANよるべ」を配布し、地域に向けた情報発信に努めています。理念に、「障害のある人もない人も、平等に、自立に向かって努力し、共に暮らし合う社会をめざし、そのためにも地域社会の福祉に積極的に貢献する」と定めており、地域との関係を大切にしています。今回受審した第三者評価結果はかながわ福祉サービス第三者評価推進機構及びWAMNETのホームページ、他に開示されます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

不正な取引は行わず、一定金額以上の購入については、法人が直接行うと共に、必ず複数の見積もりを取ること、反社会的団体との取引は行わないことを定めています。内部監査も年2回定期的に実施しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者は法人が運営している近隣の3つのグループホームの利用者や地域在住の方々であり、ご家族を含めた近隣との接触もあり地域に密着した事業所です。近隣との交流では、コロナ禍では交流は制限されていましたが、地域の行事(催しへの参加、盆踊り練習等)には積極的に参加する体制とし交流を広げるよう努めています。また、事業所の行事には地域の方々を迎え、利用者と地域の交流を深める機会としています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

梅香園では月2回程度、利用者と作業を一緒に行うボランティア団体を受入れています。ボランティア団体には決り事を事前に伝え、記録を残しています。学校教育への協力では、高等学校や養成校から研修で作業に参加することもあり、各学校の担当教員と連携を行っています。受入れの体制はありますが、今後、ボランティア受入れに関する基本姿勢の明示、及び、登録手続き、ボランティアの配置、事前説明等に関する項目が記載されたマニュアルの整備が望まれます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の絆を深めるための関係団体の集まり「絆深めたい」に参加しています。「絆深めたい」のメンバーは、地域の行政(小田原市、二宮町、大井町等の地域福祉課)、地域の小・中・高の校長、民生委員、自治会会長、ボランティア団体の会長、商工会議所、地区社会福祉協議会等であり、連携を図り親交があります。社会資源の情報は必要に応じて引き出せるようにしてあります。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の福祉ニーズの把握については、前述の「絆深めたい」に参加し、県西地域の福祉推進の一翼を担い、福祉のニーズ・生活課題等を把握するよう取組んでいます。また、各自治会の役員とは必要に応じて交流及び連携を図り、実務レベルで支障が無いよう推進を図っています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

事業所においては、有する機能をもって地域の福祉ニーズ等の解決・緩和する活動・事業の実施主体となり、地域住民の主体的な活動を促進・支援する等の取組が求められます。特に、社会福祉法人については、法人固有の使命・役割と社会福祉法等の関係・事項等を具体化するため、既存制度では対応しきれない生活困窮、生活問題等の支援・解決等、地域社会での貢献活動を主体的、積極的に進めていくことが重要としています。梅香園独自として、利用者において一人暮らしで管理が難しい方へ有形無形の支援を行い、コロナ禍では自宅待機において準隔離が難しい家庭に対して、法人系列のグループホームで一時預かりをする等、貢献活動を主体的に支援しています。また、地域住民の生活に役立つ講演会や研修会等を開催し、地域住民の福祉に対する理解の促進を一考していかれると尚良いでしょう。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者を尊重した福祉サービス提供については、理念・基本方針は倫理綱領に明記され、毎月、サービス向上会議で法人系列各事業所より計画に基づいた取組みを報告し確認しています。梅香園は、日常的に利用者を尊重した福祉サービスの提供を心がけており、権利擁護について基本的人権の尊重を大前提として勉強会、研修会を実施し共通理解を図っています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

利用者の日常生活におけるプライバシー保護は、利用者を尊重した福祉サービス提供における重要事項であり、職員に対して、職員ハンドブック、就業規則の規定に基づき新人研修時に教育、理解を促しています。個人情報(写真、氏名等の公表)に関しては契約時に保護者の承諾を得ています。トイレは男性用、女性用の他に男女兼用(施錠可能)の設備があり、プライバシーは保たれています。今後、事業所の特性に応じた留意点に関する規程・マニュアル等を作成し職員への理解及び取組を期待します。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

事業所の情報は基本的にホームページで提供しています。見学や利用希望者へは分かりやすいパンフレットを作成し、配付及び事業所内を案内しています。見学の日程等は柔軟に対応し、作業・日課の流れや入所者の状況等について情報を提供しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

サービス開始・内容等の変更時には変更内容に関する説明を行い、メニューの選択は利用者本人、保護者に決定してもらい同意を得ています。説明に関しては、理解をしやすいよう工夫し納得して決定できるよう配慮しています。意思決定が困難な利用者への配慮については、個別に対応することとしており、適正な説明に努めています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

サービスの内容を変更する場合には、内容を変更することによって利用者の不利益にならないよう配慮しています。生活介護の利用者へは、計画相談支援センターが仲介する場合があり説明するようにしています。保護者に対しては、要望を受けた場合は説明しています。また、相談できる窓口・担当者を設置し、様々な相談に対応しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者満足の把握については、特に、文章化したアンケート等での満足度調査は実施していませんが、半年に1回、利用者の「同意会」を通して確認するようにしています。利用者の意を汲み、作業内容・作業とのマッチングや、楽しみ作り等を改善し計画を立て、実行につなげています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の仕組みについては「重要事項説明書」の中に、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員等を明示し、苦情解決の仕組みは事業所内にも掲示しています。「重要事項説明書」は、利用開始時に詳細を説明し、同意を得ています。また、苦情受付ボックス(投書箱)を設置し、受けた苦情は記録し、申し出た個別にフィードバックしています。苦情があった場合は積極的に捉え、サービスの質の向上に結び付けるようにしています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

利用者が相談したり意見を述べたりする際に、担当者以外でもどの職員にでも相談して良いことを話しています。複数の方法や相手を自由に選べることを分かりやすく説明した文書の作成があると尚良いでしょう。また、その文書の配付、場所を掲示する等の取組もあると良いでしょう。意見については、投書箱を設置し、苦情解決ネットワーク等での体制を整えています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

職員は、利用者が相談しやすく意見を述べやすいよう配慮し、適切な相談対応と意見の傾聴に努めています。相談や意見を受けた際の記録については、日誌や個人記録に記載していますが、記録方法や報告の手順、対応策の検討等を定めたマニュアルの整備に期待します。今後、ケース担当者を中心に手順書等の作成を検討しています。また、利用者の意見や通所する楽しみを考え、食事メニューの選択やお楽しみメニュー等を検討し、サービスの質の向上に努めています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスクマネジメントに関する責任者(リスクマネージャー)の明確化はされていませんが、毎日ヒヤリハットを確認し、リスクマネジメント委員会(特定の職員)を設置して毎月開催する等、体制を整えています。また、利用者の安心・安全の為に事例収集、対応策の検討及び実施を積極的に行っています。ISO品質活動委員会はサービス向上委員会に引き継がれ、「品質マニュアル」に関しては再構築の最中であり、さらに事故発生時の対応及び安全確保について責任、マニュアル等の明確化・体制の確立を期待いたします。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

数年のコロナ禍により、事業所内での感染症の予防策の重要性を鑑みて、発生時等の緊急時の利用者の安全確保について組織として管理体制を整えるようにしています。感染症が発生した場合は、自宅待機期間を7日間とし、個別対応にて衛生管理に努めます。今後、感染症の予防と発生時等の対応マニュアル等を作成し、職員への十分な周知を期待します。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

梅香園は酒匂川と狩川が飯泉橋付近で合流する合流点近くにあり、洪水危険地域に指定されており、防災訓練を年3回実施し、内1回は、地域の消防分団との連携を深め、合同で訓練を実施しています。また、自然災害BCP計画を策定し、平常時の準備、BCP発動の基準、発動後の対応等を定めて徹底を図っています。今年度、BCP計画の見直しを実施中です。災害が及ぶ可能性がある日には朝礼で出席者を確認し、危険が接近した場合は自宅待機とし事業所には立ち入ることができないよう対策を講じています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

業務マニュアルは20年前から導入したISOに沿って作成されたものが用意されていますが、個人の状況に合わせた見直しや改善点が多々あり、共通認識の確認、OJT、個別指導等に統一した支援ができる内容への標準化を検討しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

標準的な実施方法(マニュアル等)の見直しについても、業務マニュアルと併せて見直しを検討しています。生活支援では、「ほがらか」(個性を活かして楽しく過ごす)と「にこにこ」(好みとできる状態に合わせた作業の選択)を区分けし、就労継続支援B型は、利用者本人の好みと力量に応じた作業班の設定をでき得る範囲内で選択の自由度を持たせる等、作業手順の標準化に合わせて業務マニュアル等の見直しを進めています。標準的な実施方法は文書化され、職員がいつでも閲覧でき日常的な活用ができる状態とするよう期待いたします。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

個別支援計画の策定については、責任者を設置し(サービス管理責任者)、アセスメントを行い、利用者本人のニーズに応じて作成しています。さらに、適切なアセスメントに向けて、職員一人ひとりのレベルアップを求め、サービス管理責任者の資格取得を推奨しています。利用者について、業務の進捗度合いや利用者一人ひとりの様子等に配慮し、改善点を検討し支援に反映する等、個別支援計画に沿ってサービスが行われていることを確認し機能しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

個別支援計画は、検討会議に参加した職員の同意、利用者の意向把握と同意を得る方法、組織的な仕組みを定め、実施しています。個別支援計画の内容は、職員会議やアセスメント会議において関係職員に周知を図っています。個別支援計画を緊急に変更する場合は、担当職員とサービス管理責任者で確認し変更を行っています。実績の蓄積データ保管については安全管理に努めています。現在、仕組みのシステム管理体制を構築中であり、データの有効活用が望まれます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

実施状況の記録は、日誌ソフトにデータ管理を行い、いつでも閲覧できるようになっています。さらに、必要なファイルが見つけやすいよう、データ管理の改善を進めています。また、検索ワードを統一し、情報がスムーズに集計できるよう工夫しています。ネットワークの保全については、現在できる最善の体制を整え、必要に応じてその都度、改善に努めています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

個人情報保護規程を備え、利用者の記録の保管・保存・廃棄・情報の提供に関して定め、記録等の管理責任者は施設長とし、個人情報の不適正な利用や漏洩禁止等について周知徹底を図っています。また、職員に対して、教育・研修を行い、個人情報保護に関する誓約書を交わしています。利用者の記録について、規定された年数の保管をし、漏洩や不正な利用が無いよう努めています。セキュリティーに関しては規定を定め事業所内で統一に努めていますが、完全とは言い難く今後の課題としています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

梅香園の作業では、作業班を設けて合理的配慮を行い、利用者の自己決定を尊重する個別支援を行っています。また、特に、就労継続支援B型では全員で行う作業体制上、個々の作業スキル向上と作業能力維持のため、認定免許制度(社内制度)等で一人ひとりの働く力や可能性を引き出す取組を行っています。利用者の権利については、法人主催の研修にて職員は理解・共有を図っています。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

利用者の権利擁護については、法人主催の研修への参加、職員ハンドブック(よるべ会で働くあなたへ)を配付し職員へ理解を促しています。今年度、サービス向上計画の1項目に権利擁護を挙げ、年2回職員研修の実施及び権利擁護のための自己チェックを実施する計画を立案し、虐待の定義の理解とその人らしさの創造を目指して取組むよう進めています。また、権利侵害が発生した場合に再発防止策等の検討を行う体制、実践する仕組みの明確化を期待いたします。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者一人ひとりの状況に応じて、利用者の生活と活動の範囲が維持、拡大できるよう、生活支援では、洗濯物の畳み方等、自宅でも実践するよう自律・自立生活のための動機付けを行っています。また、生活習慣の理解につなげ、その人らしく生き生きと生活できるよう支援しています。自律・自立生活のための情報提供について、ご家族、利用者本人、関係者(後見人や生活相談の方等)の集まる同意会を年2回開催し、利用者の意向や関係者の意見を聞き、状況を把握しています。行政手続、生活関連のサービス等の利用については、関連する障害福祉サービスや支援の活用等を含め、利用者、ご家族に説明しサポートしています。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者との意思疎通やコミュニケーションを図るよう、利用者の状況において個別的に配慮しています。意思表示や伝達が困難な利用者については、例えば、言語障害を持つ利用者については、ご家族に発している言葉の意味を理解して対応し、書字障害の利用者へは職員が文字を書いて確認する等、個別的にコミュニケーション手段を検討して適切な理解のための取組を進めています。対応に限界はあるかと思いますが、利用者のコミュニケーション能力を高める支援と共に、コミュニケーション機器の活用等、支援の工夫を期待します。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

相談内容については、関係職員間で検討し理解・共有を図り、解決策・改善策を実行し個別支援計画への反映を含め支援内容の調整等を行い支援しています。利用者の相談支援については、コミュニケーション支援を行いながら意向等を把握し、利用者の状況に応じた支援を個別的に行っています。さらに意思決定の支援について、梅香園の考え方と共に仕組みや手順等、組織的な取組を期待いたします。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の家庭での生活、心身の状況に配慮しつつ、利用者一人ひとりの意向を尊重した日中の過ごし方や個別支援計画に基づいた日中活動の利用ができるよう支援、工夫をしています。個別の状況に合わせて選択できるメニューを設け、活動やプログラム等へ参加できるよう支援・工夫をしています。事業所の行事についてはご家族にもお知らせしています。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は、障害に関する事業所内・外の研修に参加する他、自主的に研修に参加する等、専門知識の習得と支援の向上を図るよう研鑽しています。利用者の障害による行動や生活状況等を把握し、職員間で支援方法等の検討、理解・共有を図っています。例えば、不適応行動の対応については、支援方法等の効果や状況を検証し改善案を実施するサイクルで支援を行い、行動障害については支援方法等を検討し環境整備に配慮を行う等、個別支援計画にも反映させています。レクリエーションは担当者が提案して教室等でジェスチャーゲーム等を行い、利用者間の関係調整等にもつなげています。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

日常生活支援は、個別支援計画に基づいて利用者の心身の状況・体調に応じて適切に実施しています。梅香園の支援対象項目は、食事、排泄、移動・移乗とし、その日の体調不調等、気付いた点は速やかに看護師、上司に報告し、相談及び指示を仰いで対応しています。食事支援では調理は外部に委託し、毎月の給食会議で献立や味付け等の要望や情報共有を図り、利用者が食事をおいしく食べられるよう取組んでいます。排泄支援は利用者の意向や心身の状況に応じた方法にて支援を行い、尊厳に配慮し適切に支援しています。移動・移乗支援については、送迎サービスを実施し、利用者の障害や心身の負担に配慮しながら、できる限り利用者の希望に応じて実施しています。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

梅香園の建物の構造は鉄骨2階建てであり、2階は会議室、食堂・厨房を主とし、1階が日中活動の場として相談室、多目的室を設け、安心・安全に配慮されています。機能訓練は食堂を使用し、多目的室にはプレイコーナーがあり、利用者が思い思いに過ごせ、休息ができる等生活環境づくりが成されています。作業室については、廊下を挟み、生活介護と就労継続支援B型の作業を分け、各3つのパートに分けて行う等、労働安全に配慮し、必要に応じてレイアウト変更も行っています。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

機能訓練・生活訓練については、法人で理学療法士を非常勤職員として雇用し、法人系列の3事業所を毎週1回巡回しており、梅香園には3週間に1回勤務し、理学療法士と関係職員で相談・連携を図り、利用者一人ひとりの身体機能の状況に合わせた機能訓練プログラムを作成し機能訓練を行っています。 

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

家庭での健康管理について利用者、ご家族へ情報提供等を行い、服薬管理、慢性疾患やアレルギー疾患等のある利用者については医師の指示に基づいて適切に支援を行っています。医師は常駐していませんが、ガイドライン作成時に助言を得る等、連携を図っています。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:b】

慢性疾患やアレルギー疾患等のある利用者については、かかりつけ医の指示に基づいて適切に支援を行っています。服薬の管理は看護師を中心に行い、誤薬や落薬防止のためマニュアルを整備し職員2名体制で安全、確実に行っています。事業所内での急な発熱やケガ等に関しては、看護師、上司へオンコールにて対応を相談し処置を行っています。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者の希望と意向から、「もっと作業をしたい」、「施設の外に行きたい」、「働いてグループホームへ行きたい」等を受止め、実際に、利用者5名が法人系列事業所(グループホーム)を利用しています。また、地域住民との交流や体験の場として、近隣の農家の定植や収穫の手伝い、法人系列事業所と連携して公園のトイレ清掃等を行っています。社会参加はできる範囲で行っていますが、学習のための支援については利用者のニーズは無く実施していません。尚、通所支援では「利用者の外出・外泊や友人との交流等について、利用者を尊重して柔軟な対応や支援を行っている。」は適用外となります。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者の希望と意向を尊重し、地域生活への移行や地域での生活が継続できるよう支援しています。
地域生活等を継続するために、関係機関等と調整、連携を図り生活環境への配慮や支援を可能な限り行っています。生活介護の利用者へは、計画相談支援センターが仲介する場合があり説明するようにしています。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

年2回、同意会を開催し、利用者等の意向、意見を聞き、交流及び家族支援を行っています。また、利用者への支援の状況、金銭管理等の近況報告等を行い、同意を得ています。同意会での議事録は記録に残し、個別支援計画に記載して支援につなげています。利用者の体調不良や急変時は、家族等へ連絡するルールを明確化し事業所への迎えをお願いしています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

事業所は成人を対象としており、非該当です。

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

梅香園では、作業種の精度を上げるための認定免許制度(社内制度)を設け、働く意欲の維持・向上への支援を行っています。また、法人内の就労援助センターと共同し、作業の受注を受ける地域の企業との連携及び、就労に協力してくれる企業の拡大を心がけています。生活介護の利用者についても、就労の意欲がある方には就労継続支援B型に移行して実務を経験した上で就労支援を行っています。

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:b】

仕事の内容については、利用者の意向、希望を把握の上、個々の障害の特性を加味して提供しています。また、利用者が選択できるよう、仕事内容はできるだけ多様化に努め、利用者本人の好みに応じた仕事に従事できるよう工夫しています。仕事の内容・工程等の計画については、具体化が難しい面を考慮し、職員が原案を作成の上、利用者に意見を聞いています。工賃については、利用者のモチベーションに配慮した設定とし支払いを確保しています。今後、利用者の労働安全衛生の関連法令に基づき、必要となる規程やマニュアル等を整備していかれることを期待します。

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:b】

職場や受注先の開拓については、地域の企業等との関係性の構築や障害者が働く場における合理的配慮を促進する取組、働きかけを心がけ、ハローワーク、ホームページでの広報等に努め、併せて自主製品の販売促進も行っています。利用者個々の障害の状況や働く力に合わせて、利用者と企業とのマッチング等の就職支援にも努めています。就労後の支援として、職場定着等の支援の実施、地域の障害者が離職した場合等の受入や支援を行っています。これら施策は法人内の就労援助センターと共同で行っていますが、法人の推進と共に梅香園のさらなる努力を期待しています。