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特別養護老人ホーム ひらまの里

2024年03月19日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 特別養護老人ホーム ひらまの里 評価対象サービス 2022~ 高齢者福祉サービス版
対象分野 短期入所生活介護, 介護予防短期入所生活介護, 特別養護老人ホーム 定員 100(内特養90名、ショートステイ10名)他 名
所在地 〒211-0013
川崎市中原区上平間611-1
TEL 044-544-3994 ホームページ http://kfj.or.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1999年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 川崎市社会福祉事業団
職員数
常勤職員:39 名
非常勤職員:9 名
専門職員
介護福祉士:24 名
介護支援専門員:3 名
社会福祉士:2 名
看護師:5 名
理学療法士:1 名
管理栄養士:1 名
施設・設備の概要
居室:一人部屋(10室)
居室:二人部屋(9室)
居室:四人部屋(18室)
設備:厨房
設備:食堂
設備:デイサービス事務所
設備:デイサービス食堂
設備:デイルーム
設備:機能訓練室
設備:地域交流室
設備:ボランティア室
設備:福祉用具展示コーナー
設備:介護サービスステーション
設備:洗濯室
設備:事務室
設備:会議室
設備:面接室
設備:休憩室
設備:静養室
設備:脱衣室
設備:医務室
設備:一般浴室
設備:中間浴室
設備:更衣室
設備:宿直室
設備:警備室
設備:トイレ
設備:車イス用トイレ
設備:中庭
設備:テラス
設備:エレベーター

③ 理念・基本方針
<理念>
1.充実した質の高いサービスの提供
2.地域に根差した施設運営
3.人材の確保・定着・育成
4.法人の経営基盤の整備

<基本方針>
1.ご利用者様の尊厳を支えご利用者様お一人お一人が充実した1日を過ごせるようご支援します。
2.職員の資質の向上を図り専門性の高いサービスをご提供します。
3.地域に開かれた施設として相談・サービス情報の提供・人的交流等を通して高齢者福祉を中心とした地域福祉のネットワーク作りを行います。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<特別養護老人ホームひらまの里の特徴的な取組>(基本情報Ⅰ-3の記載事項)
●個別ケア(経口摂取維持に関するケア、トランス・ポジショニング技術、オムツだけに頼らない排泄ケア)の充実のため、各担当で定期的に話し合い、研修を行う等学びを深めている。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/07/25(契約日) ~2024/03/07(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3 回(2018年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【特別養護老人ホーム ひらまの里の概要】
●特別養護老人ホームひらまの里(以下、ひらまの里という)は、社会福祉法人川崎市社会福祉事業団(以下、法人という)の運営です。ひらまの里は、南武線鹿島田駅と平間駅の中間辺りに位置し、近くに川崎市営バス上平間営業所があり、バスの便も良い立地です。また、県営上平間ハイムや川崎住宅、上平間五瀬渕住宅等の集合住宅が点在する中、戸建て住宅も多く立ち並ぶ住宅地の中に溶け込み、訪問しやすい施設です。

●事業については、定員90名の従来型の多床室中心の特別養護老人ホームの他、短期入所生活介護・介護予防短期入所生活介護(定員10名)、通所介護・介護予防通所介護(デイサービス:定員35名)、居宅介護支援(ケアプランの作成等)、地域包括支援センターのサービスを提供しています。運営方針は、①「ご利用者様の尊厳を支えご利用者お一人お一人が充実した1日を過ごせるようご支援します」、②「職員の資質の向上を図り専門性の高いサービスをご提供します」、③「地域に開かれた施設として相談・サービス情報の提供・人的交流等を通して高齢者福祉を中心とした地域福祉のネットワーク作りを行います」とし、さらに今後、地域の自治会やボランティア団体との連携強化を目指しています。ひらまの里の特色は、個別ケアの実施と、利用者一人ひとりに合わせた介護を提供し、ノーリフティングケアを行い、双方に負担のないケア技術で安全・安心な介助を実施しています。また、看取りケアに力を入れ、利用者の暮らしと安心を叶えるよう支援しています。

◇特徴や今後期待される点
1.【質の高い個別ケアの提供と利用者の尊厳保持】
ひらまの里では、質の高い個別ケアを提供するために、歯科医、歯科衛生士と協力して、利用者の口腔衛生環境と嚥下機能の維持向上について、職員研修を年2回開催し知識・技術を深めています。排泄についてはオムツだけに頼らない、利用者の状況に合わせたケアができているかを毎月、排泄会議で確認し、その状況を現場職員へ周知を図り、利用者一人ひとりに合わせたケアが実現できています。また、利用者等に対する言葉遣いについては、敬語、丁寧語を遣い、相手の立場に立った対応を行うよう、毎日のミーティングや、目標管理の面接等の機会に繰り返し周知徹底し、結果として利用者の尊厳を保持することができています。

2.【コロナ禍後の利用促進への取組と利用しやすいサービスの提供】
短期入所者生活介護(ショートステイ)では、毎月の実績報告書と空き情報を各居宅介護事業所へ届け、その際にケアマネジャーと直接話をすることにより、顔の見える関係性の再構築、密な連携を図ることにつなげています。空き情報について、X(旧ツイッター)を開設し、定期的に更新を図り、4週間先の空き情報をアップすることにより最新の情報を提供することができています。また、紙ベースで毎月、3ケ月分の空き情報の配布やFAX送信等により多くの事業者へ発信することで、新規利用者の獲得並びにコロナ禍で遠のいていた利用者の利用促進につながっています。

3.【地域に対する取組】
地域における公益的な取組において、近隣の玉川小学校4年生に向けた勉強会とデイサービス利用者との交流会を年3回実施し、高齢者に対する意識の醸成と高齢者への接し方等について子どもが体験できる機会を提供しています。また、昨年度からつながりがある平間こども文化センターと共同で車いす体験の交流会を開催し、20名余の子どもが体験しました。また、玉川こども文化センターでは、職員向けに地域包括ケアセンターの勉強会と認知症サポーター養成講座を開催しています。今年度から新たな取組として、「見守りの担い手作り」とするよう、積極的に中・高生のボランティアの受入れを進め、5名の学生に対して高齢者福祉の学習とデイサービスでの、短時間のボランティア体験を実施しました。今後も地域施設と共に様々な企画を実施することで、地域社会へのより一層の浸透を図って行かれることを期待します。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 特別養護老人ホーム ひらまの里  
            
≪第三者評価を受審した感想、自己評価に取組んだ感想≫
外部の方からの意見をいただくことで、自らは気付き難い部分に気付くことができました。(強み・弱み・両方とも)。

今後は、より利用者さんの立場に立ったサービス提供を心掛けていきたいと思います。

≪評価後取り組んだ事として≫
1.掲示物の更新
2.報告書が完成したら内容を確認し、取組むべきことを考えていきます。

詳細評価PDF 詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

ひらまの里は、平成11年4月に社会福祉法人川崎市社会福祉事業団により設立された従来型多床室の特別養護老人ホームです。ホームの基本理念(法人理念と同じ)についてはパンフレット及びホームページに掲載し、入所に際して理念に伴う介護方針の説明を行い、各フロアにおいて、毎月の目標を決め、基本理念と共に毎月貼り出して共通認識の下、実践に努めています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

施設長は事業の動向について、厚生労働省や全国及び県社会福祉協議会等から得た全体的な傾向や、中原区役所や川崎市、中原区社会福祉協議会等から地域の情報を入手して確認しています。地域の課題については、施設入所状況等を確認及び把握し、潜在的利用者の推定を行っています。利用者の情報は施設内のショートステイ、居宅介護支援事業所、デイサービスの情報の他、市内の居宅介護事業所等との連携から得た情報を把握しています。今後は、力を入れている地域の自治会やボランティア団体との連携から情報が得られるよう推進を図っていきます。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

法人系列施設全体で施設長会議が開催される中、それぞれの様々な課題について問題提起や報告を行っています。法人における各専門部署別に統括官を設置し、法人の方向性や課題について話し合い、円滑に改善が図れるよう取組んでいます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人は、理念達成に向けた中・長期計画を策定し、法人系列の各施設は法人の中・長期計画及び単年度事業計画を受け、単年度の事業計画を策定しています。従って、ひらまの里の事業計画は、中期計画を含めた事業計画として策定されており、現状把握、今後取組むべき課題を明確にし、職員の意識向上につなげています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

ひらまの里の単年度の事業計画は、法人本部の中・長期計画を踏まえて作成しています。令和5年度の事業計画では①「利用者の尊厳を支え、一人ひとりのニーズに合った支援をする。」、②「職員の資質の向上を図り、専門性の高いサービスを提供する。」、③「地域に開かれた施設として、相談・サービス情報の提供・人的交流等を通して、高齢者福祉を中心とした地域福祉のネットワーク作りを行う。」を、施設の基本方針としています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

ひらまの里では、事業計画を策定する前に前年度の目標達成状況の振り返りと反省、及び今年度の目標における課題を検討し、課題解決のための内容と事業方針・施設の理念に沿って事業計画を策定しています。令和5年度からは事業継続計画(BCP)計画も策定し、非常時の対応手順や地域住民の受入れ等も視野に入れた検討を行っています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

利用者等への事業計画の周知については、事業計画の直接的な説明や資料の配布は行っていませんが、単年度の事業計画に基づく行事計画等については、利用者の参加を促す観点から家族会等で周知しています。但し、事業計画・事業報告は施設の受付に、ファイリングして閲覧できるよう設置し、ホームページにも掲載しています。事業計画の主な内容は、福祉サービスの提供、住環境の設備等、利用者の生活に密接に関わる事項なので、説明及び理解しやすい工夫を行うよう期待いたします。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

福祉サービスの質の向上において、組織的にPDCAサイクルの活用を心がけています。支援計画については毎月チェックを行い、年間の支援計画改定(P)に沿って実施(D)し、毎月及び改定時に見直し(C)、課題の抽出及び課題を時期計画に組み込む(A)活動を心がけています。実務的にはアセスメントの実施とそれに向けてのモニタリングはしっかり実施しています。毎月、フロア単位でフロア会議及び、全体の係会議を行い、サービスの質の向上に向けた提案や意見交換を実施しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

毎月、フロア単位でのフロア会議、施設全体として係会議を開催し、福祉サービスの質の向上に向けた提案や話し合いを実施しています。フロア会議、係会議を通して職員間で課題の共有化が図られています。課題の改善策の策定に当たっては、職員も参加し、改善に向けて取組んでいます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

施設長の権限と責任については組織図・職務分掌表・事業運営要綱で示し、日常の業務は職制に権限を委譲して推進しています。施設長は、連絡会議の場で施設の方針や経営等について伝え、職員に理解を促しています。組織内で、ご家族向けのお知らせ(広報誌/ひらまの里お知らせ)を作成し、施設の様子やご家族へのお知らせ等を伝えています。災害時等職務権限移譲については、災害時のBCP等で職員全員に伝えています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設長は、老人福祉法、高齢者虐待防止法、運営基準等を確認しながら適正な運営に努めています。施設長は、法令遵守の観点から様々な研修に参加し、遵守すべき法令等について十分理解しています。施設長は、職員に対しても遵守すべき法令等を周知し、法令の利用者尊重の精神の下、日々の介護が実践されるよう取組んでいます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

福祉サービスの質の向上に向けて、職員が属する分野ごとに目標を設定すると共に方向性を示し、でき得る範囲で共有を図りながら取組んでいます。研修委員会を設置し、分野別、フロア別に研修を実施し、動画研修も取り入れ、各職員が時間の調整や職員間で交代して視聴できるようにしています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は、経営の改善や業務の実効性の向上に向けて、施設の経理担当職員と共に施設労務・財務について分析を行い、会議等で職員へ周知しています。施設の組織図の下、各セクションの責任者に権限を委譲し、責任者は組織の統括を行っています。法人研修では、経営改善や業務遂行の向上について学び意識を高めています。法人の施設長会議では、法人としての組織の方向付けを理解し、現有勢力で取り得る最良の体制の構築に向けた検討を行っています。人事財務労務については業務遂行の向上に向けて検討し、適材適所を模索して進めています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

人材の確保については、法人、各事業所共に苦慮が見受けられます。人事採用については、正規職員は法人で採用し、契約職員は各事業所で採用しています。正規職員、契約職員共に定着率は安定していますが、応募者が少ないこともあり、現状、離職しないことが最大の人事管理でもあり、働きやすい環境作りと共に職員一人ひとりへの配慮に努めています。人材育成に関しては、入職初日に研修・教育を実施しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

ひらまの里の「期待する職員像」に関して、法人のハンドブック及び、ひらまの里事務分担表に記載があり、職員個々に特定できる業務が明確になっています。キャリアパス同等まではいきませんが、キャリアパス=「期待する職員像」=資格要件の見える化については、最後の等号について課題が残る状況です。例えば、主任になるための要件等、明確な基準が要されます。しかし、目標管理表、人事考課表を整え、綱目17に「職員像が理解できるよう冊子を配布」と示し、その内容がキャリアプラン(期待する職員像)に相当するとも考えられます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

職員の就業状況に配慮し、働きやすい職場作りを心がけています。シフトについては職員の要望を聞き、不公平さを避けるよう留意し調整しています。有給休暇や休日は希望通り取得できるよう配慮しています。職員の心身の健康に留意し、悩み相談については法人に職員が相談できる部署・窓口を設けています。福利厚生では健康保険に加盟し、個人のワーク・ライフ・バランスに関しても概ね、休日を取り易い体制となっています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

各職員に、人事考課の意義や目標管理の必要性等、「期待する職員像」が理解できるよう冊子を配付しています。人材育成の一環として、全職員への面接を年2回実施しています。個別面接は職員の仕事に対する思いを知る機会としても貴重な機会であると捉え、育成につなげています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

「期待する職員像」は人事考課ガイドブックに記載され、福祉サービスの内容や目標を踏まえ、必要とされる専門技術や資格を明示し、階層別に研修計画を策定しています。研修計画に基づき、質の高い職員の人材育成、教育・研修に努め、技術・知識の向上を推進しています。研修は研修委員会が担当し、年間研修計画を策定・実施し、研修内容やカリキュラムに関しては毎年評価及び見直しを図り、次期計画につなげています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

個々の職員の支援に対する知識、技術については組織的に把握し、必要に応じて助言や教育の場を設けています。外部研修については、職員の配置状況の問題はありますが、オンラインの動画研修を取り入れる等、新しい情報も習得できるように工夫し、ある程度の頻度で参加をしています。研修参加の時間確保については、福祉サービスの質の向上にも直結するため、重要な課題として捉えています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生の受入れは、職員の振り返り、日常業務の気付きを得る機会となり、地域の福祉資源として、コロナ禍においても十分対策をした上で積極的に受入れを行っていました。昨年度は、感染症対策を徹底しながら延べ89名の実習生を受入れました。技能実習生、社会福祉士の実習生等、専門職種に配慮したプログラムも用意し、実習指導者の資格を有した職員が実習に当たり、毎日、反省会を実施し日誌に記し、効果的な実習となるよう努めています。実習生受入れマニュアルに関しては、基本的に実習依頼校のカリキュラムに沿って実習を行っていることもあり、文書はありますが整備されていません。実習生の研修・育成における受入れマニュアルを作成されることを期待します。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人は社会福祉法人であり、事業・運営内容を公表しています。理念・基本方針、運営方針、事業計画・報告等は文書で公表すると共に、ホームページでも公表しています。利用者ご家族へも地域の一員として運営の透明性と情報公開に努めています。基本方針である「地域に開かれた施設として、相談・サービス情報の提供・人的交流等を通して、高齢者福祉を中心とした地域福祉のネットワーク作りを行う。」に則り、福祉に携わる様々な人、事業所と顔の見える関係作りの構築に努めています。今回の第三者評価結果はWAMNET、機構ホームページに公開予定です。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

公正かつ透明性の高い適正な経営については、内部管理体制の整備に努め、法人内で経理等の監査、コンプライアンス確認等を行っています。また、経理監査を踏まえて経営改善にも努めています。各種マニュアルの整備、組織体制の整備、内部監査体制の整備、専門家による監査等、組織の公正性、透明性に関する管理体制の整備に努めています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域との関わりについては、理念、基本方針に掲げており、コロナ禍以前は地域のボランティアの活用及び交流を行っていましたが、昨年度はデイサービスでの受入れに止まっています。今後は、外部掲示板を活用して地域に向けた情報を発信したり、地域の団体・グループの福祉イベントのPR等を通じて交流を促進していきます。また、受入れていた地域のボランティアの復活等も予定しています。地域との連携では、町内会とコミュニケーションを取っていく他、地域包括支援センター経由で「認知症キャラバンメイト」への参加や、認知症サポーター研修等も行っていくことを検討しています。今後の取組に期待いたします。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティア受入れ時の注意事項(マニュアル)を備え、受入れ体制を整えています。コロナ禍で中断しているものが多い状況ですが、受入れの本格的な再開を目指し、施設長がボランティア担当となり、以前のボランティアの再開と開拓に尽力しています。試みとして、デイサービスのフロアでボランティアに介護体験をしてもらう取組を始めています。今後のさらなる取組・工夫に期待します。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

社会資源としては、協力医療機関、保健所等の公的機関・地域の保健施設の他、地域包括支援センター等の社会資源や地域の関係機関・団体のリスト・資料を作成しています。今後、職員への情報の活用及び共有化を図る取組に期待します。また、中原区社会福祉協議会の委員会に所属しており、近隣のボランティア団体等のリストを入手し今後のボランティア活用に生かしていく予定でいます。施設は、災害時二次避難所の指定を受けており、川崎市老人福祉施設事業協会の会員であり連携を図っています。また、毎月、地域の各種会議に参加し協力体制を整えています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

中原区社会福祉協議会の高齢部会等の会議に参加し、地域の課題解決等に向けて話し合いを行っています。入所者の申込に際して地域の福祉ニーズ等に関する情報を得ることは難しい状況ですが、中原区社会福祉協議会、川崎市、中原区の行政等や、川崎市老人福祉施設事業協会会員の福祉施設間等において、福祉ニーズ等の把握に努めています。今後、継続して取組んでいかれることを期待します。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の福祉ニーズ等に基づく公益的な事業・活動については、情報の入手・把握により協力しており、また、災害時二次避難所の指定施設であることを踏まえ、災害時には福祉ニーズに基づいた支援を行います。ひらまの里では、地域コミュニティの活性化につながるよう、地域に対して施設内の地域交流室の貸し出しを実施しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人のハンドブックに、福祉人材としての心構え、個人情報保護の考え方、虐待の禁止、守秘義務について等、利用者を尊重する姿勢として定めています。ひらまの里の基本方針の1つに「ご利用者様の尊厳を支えご利用者様お一人お一人が充実した1日を過ごせるようご支援します。」とあり、職員は共通理解を持って取組んでいます。施設では、職員が利用者に対し、常に敬語・丁寧語を遣い、穏やかな対応をすることをルールとして定めており、職員に周知しています。また、「倫理規定」には、一貫して「利用者尊重」を法人及び施設の基本としていることを示しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

プライバシー保護については、重要事項説明書の中の項目6に個人情報保護についての記載があり、十分注意しています。居室は4床室が18室、2床室が9室、個室が10室あり、4床室が中心ですが仕切りによりプライバシーが保てるよう配慮しています。入浴に関しては希望に応じて同性介助の対応を行い、トイレ(共用)についてもプライバシーの配慮が成されており、プライバシー保護を徹底しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

利用希望に対する情報提供に関しては、パンフレット、ホームページ、広報紙等で積極的に提供しています。希望者にはホームページを閲覧の上、資料請求してもらい、施設見学等の際にはパンフレットで説明を行い、分かりやすいよう取組んでいます。見学日時は、極力利用者・ご家族の都合に合わせるよう配慮し、入所前にはショートステイの活用も可能であり、入所について利用者・ご家族が納得して入所してもらえるようにしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

入所時や入所前に丁寧に説明を行い、入所に当たって必要な情報の文書を手渡しし、利用者・ご家族の意向を伺いながら、初期施設サービス計画書を作成しています。また、必要に応じて変更も行っています。入所後は、利用者の状態に応じてサービスの見直しを行い、施設サービス計画書を作成し直し、説明の上、同意を得た上でサービスを開始するようにしています。意思決定が困難な利用者等への説明については、説明相手の選定において個別に対応しています。配慮が必要な利用者等への説明については、どの職員でも同じ説明手法を取ることをルール化しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設の特性上、サービスの移行は殆どありませんが、福祉サービスの内容の変更は入所している利用者にとっては大きな問題であり、従前の内容から変更や不利益が生じないよう、事前の説明を行っています。特に、事前の検討会にてご家族に説明し、福祉サービスの継続性に配慮した手順と引継ぎ文書を定め、同意を得た上で移行するようにしています。また、介護保険法の改定によるものであっても、利用者は従前のサービスに比し不利益が生じないよう配慮することを重要とし、利用者のサービスが終了する場合でも同様に配慮しています。また、長期入院となった場合には契約は終了となりますが、状況に応じて再度サービスが開始できることも説明しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

定期的に利用者満足度調査を実施し、利用者・ご家族の要望については、施設運営の改善に向けて話し合う場を設けています。利用者の個別の要望、満足度等についてはケアマネジャーが聞いています。家族会はコロナ禍の感染対策で開催できていません。アンケート結果は集計・分析し、施設計画の変更等に生かし、利用者満足の向上につなげています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の仕組みについて、重要事項説明書に、利用者からの苦情に対して、管理者が迅速かつ適切に対応する旨を明記し、施設・法人・市・区の相談窓口を記載しています。また、玄関口に苦情解決のフローを貼り、利用者等に周知しています。意見箱を設置し、意見を受けた場合は記録に残しています。施設運営に関する意見は運営会議で話し合い、利用者支援についてはフロア会議、係会議で話し合い、解決に向けて取組んでいます。利用者からの相談や意見・希望等は日頃の会話から傾聴し、相談・苦情としてまとめ、職員会議の中で改善策を討議し、改善につなげています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

利用者が相談や意見を述べやすいよう、意見箱を設置したり、利用者の表情や様子から思いを汲み取り、気になった場合には職員から声をかけるようにしています。多床室で話しにくい場合には場所を変えて、落ち着いて話ができるよう配慮しています。ご家族には、相談に際して複数の相手・方法が自由に選べ、第三者委員に意見を述べることができることを伝えています。日常的に相談窓口を明確にした上で、その内容を分かりやすい場所に掲示する、日常的な言葉かけを積極的に行う等の取組があると尚良いでしょう。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

利用者満足度調査の結果を基に、利用者・ご家族の思いを運営に反映させるようにしています。利用者からの意見・要望に関しては記録に残し、上長に報告することを定める等、組織的かつ迅速に対応できる体制を敷き、早期解決に努めています。すぐに対応が難しいケースについては、利用者に途中経過を含め速やかに状況を説明しています。対応マニュアル等の見直しは定期的に実施されることを期待します。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

施設内の事故の分析・対応策について、事故防止委員会をリスクマネジメントに関する委員会に据え、会議で責任者の明確化、事故発生時の対応、手順の明確化、安全確保の責任、組織体制について検討し、職員に周知しています。利用者の継続利用を法人の責務として心得、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を持ち、事業を継続できる体制が確立しています。また、施設内研修で事故事例を取り上げて話し合い、事故防止に努めています。危険が想定される事例等ではヒヤリハットを細目に記入し、分析と原因究明を行い、事故防止に活用しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症対策について、感染症対応マニュアルを作成し周知徹底を図り、看護師が中心となり、介護職員等と連携を取りながら、毎日の検温等の中で早期発見、早期治療に努めています。感染症に関しては「感染症対策委員会」で対応し、利用者間での蔓延防止、蔓延による体調の悪化、重篤な状態にさせないよう適切な早期対応に努め、感染症時対応策の見直し、感染症対策に関する職員研修を実施しています。必要に応じて嘱託医の意見を聞き、最新の感染症に対する予防方法についても検討しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

防災委員会を設定し、防災管理責任者の責務、一般職員の役割、分掌職務、緊急連絡網、災害発生時の流れ、体制等を決め、毎月、火災・地震等を想定した防災訓練を実施し、内1回は夜間を想定して訓練を行っています。また、地理的に多摩川に近い立地から洪水対策を想定し、施設3階への垂直避難訓練も実施しています。備蓄については栄養士が担当し、在庫数を明記した在庫管理表を備え、適切に管理しています。災害時のBCPも作成しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

提供する福祉サービスの標準的な実施方法(業務マニュアル)を作成し、基本として利用者の尊重、プライバシーの保護、権利擁護に関わる姿勢を明示しています。標準的な実施方法では、入浴、排泄、移乗、口腔ケア、食事等、必要な項目が決まっており、研修、OJT、個別指導等により職員へ周知徹底を図っています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

標準的な実施方法(業務マニュアル)については、入浴・排泄・移乗・口腔ケア・食事等、分野ごとにマニュアルを整備し、細かい変更はその都度修正を図り、全体の見直し時に提案し反映させています。マニュアルの見直しは常に各部署で実施され、施設の課題として捉えた事案については事業計画等の重点目標に上げていくようにしています。見直しに際しては、担当職種のみならず他職種の意見も聞き、幅広い提案の下、反映させる仕組みを構築しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な福祉サービス実施計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

介護支援専門員を各部署に配置し、個別の実施計画を作成しています。ひらまの里では、要介護度1~5までの利用者を受入れており、それぞれの状況に応じて最適な個別ケアを提供できるよう努めています。利用者やご家族の思いを汲み取り、計画書を作成し、モニタリングや担当者会議で多職種の意見を聞いて見直し等も行っています。特に利用者の状態が変化した際は見直しを行うようにしています。実施計画の決定後は実施しつつ稼働状況をモニタリングし、次の計画へとつなげています。支援困難ケースにも積極的かつ適切に対応を続けています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に福祉サービス実施計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

実施計画の見直しにおいては、見直す時期、検討会議の参加職員、手順等を定め、適切に実施しています。利用者の状態に変化があった場合は、その都度見直しを行い、関係職員に周知・共有しています。変更が大幅となる場合は、期間内でも新たな実施計画を策定することもあります。実施計画を変更した場合は、評価した結果を次の実施計画の作成に生かしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

各利用者の介護の実施状況、アセスメントからの介護計画書、モニタリング表、担当者会議等の書類についてはパソコンで管理しており、職員間で共有化しています。記録作成時には、作成者によって内容や書き方の差異が生じることのないよう留意しています。セキュリティの確保に努めつつ、蓄積されたデータを分析・活用することでより良いサービスの提供ができるよう取組んでいます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

利用者に関する記録の保管、保存、廃棄、情報の提供については、個人情報保護規定等に則り、規定を定め適正に管理しています。個人情報の不適正な利用や漏洩対策として、記録管理責任者を設置することが望まれます。また、記録の管理及び個人情報規程について、職員が正しく理解・遵守できるような取組に期待致します。個人情報取り扱いに関しては利用者及びご家族に説明し、肖像等を掲載する場合は確認する等、配慮しています。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

サービス計画書に基づき、食事・排泄・身だしなみ等、利用者の状態に応じた日常生活の支援を行っています。入浴は週2日、体操やゲーム等、個別に動機づけし楽しめる配慮と工夫を行っています。社会参加については、コロナ禍の影響やADLの問題もありご家族等と出かける外出程度に留まっています。利用者の体調に異変があった際は、介護職員が看護師に速やかに報告し、看護師は医師の指示を受け適切に対処しています。

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:a】

利用者の心身状況を把握し、利用者に合わせた支援(外気浴、散歩、買い物等)を行っています。買い物については、利用者の日用品や好みに合わせて希望するものを購入し預り金にて支払い、預り金台帳に記載しています。必要に応じて成年後見制度についても利用につなげています。また、利用者の健康状態や、食事の形態について等、状況に応じて判断し、一人ひとりが自立した生活を送れるよう変更等も行い、安心・安全な生活の確保に努めています。

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:a】

生活相談等を通じ、利用者一人ひとりのニーズを把握し、利用者が自分らしく充実した毎日を送れるよう、利用者本位の支援を行うことを心がけています。居宅介護支援では、利用者の状況を把握し、本人の思いに沿ったサービスへつなげています。できるだけ地域での見守り体制を整え、その人らしく生活が送れるよう支援しています。また、看護師の夜勤体制が無いため、入所においては夜間に医療行為の必要がない方とし、現体制で提供できる利用者の体制を調えています。

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の支援を通して適切な言葉がけを心がけ、利用者の心身の状態を理解し、それに応じて関わるようにしています。利用者との信頼関係の構築に努め、個々の状況に応じたコミュニケーションにより、生活環境の向上と満足度が高まるよう努めています。職員は常に心を平常に保つよう心がけ、非言語コミュニケーションに気を配り、明るく肯定的な言葉で話しかけるよう留意しています。

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

権利擁護についての規定があり、虐待防止委員会で不適切なケアについて話し合いを行い、身体拘束を緊急やむを得ない場合に一時的に実施する際の具体的な手続と実施方法等を明確に定めています。職員は、権利擁護や認知症のアセスメントに関する研修の受講等を通じ、理解を深めることで「その人らしい生き方」が実現できるような個別ケアを目指しています。虐待が発覚した場合は、必要に応じて所管行政への連絡を行うように定め、虐待の届出・報告手順を明確にしています。利用者の権利擁護のマニュアルの作成及び、防止と早期発見のための具体的な取組に期待します。

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:a】

ひらまの里は多摩川の堤防近くに位置し、多摩川河川敷内は市民の憩いの場として活用され自然も多く残っています。また、川崎駅へのアクセスもスムーズであり、都市型の特別養護老人ホームとして住宅地の中にその存在が溶け込んでいます。開所して24年ですが、施設内は設計にゆとりがあり、掃除が行き渡り清潔感があり、職員等の挨拶の言葉が行き交う明るい雰囲気です。フロア内はゆったりと過ごせるよう配慮され、室温調整、利用者の快適さ、寛げるよう、環境作りを大切にして配慮しています。また、利用者の意向等を把握し、改善の工夫に努めています。

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

入浴について、週2日、曜日は決まっていますが、利用者の状況に合わせて入浴支援を行っています。浴槽形態では特別浴、中間浴、一般浴を備え、介護度に合わせて選択しています。殆どの方が職員と1対1の入浴方法を取っていますが、必要に応じて2人介助で支援しています。入浴の可否については、朝にバイタルチェックを実施し、入浴前に健康チェックを行った後、入浴支援をしています。医療的な所見のある方については、医師の診断に沿って入浴介助を行っています。

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

排泄の支援については、利用者の心身の状況や意向を踏まえ、且つ、プライバシーに配慮して支援しています。また、できるだけ自然な排泄となるよう、トイレ誘導を行い、トイレでの排泄とし、必要に応じて介助する場合でも利用者の尊厳・羞恥心に配慮しています。排泄状況は個別に記録に残し、必要時は排便のコントロールも行っています。水分の摂取量の基準について、個人別の年令・体格に合わせてその方の基準量を決め、水分摂取を提供するようにしています。それにより自然な排泄につながり、現在、トイレ誘導の方は半数位であり、失禁改善が見られたケースもありました。

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

移動支援については、利用者の心身の状況を踏まえ、残存能力を考慮し移動の自立に向けた働きかけを行っています。職員間でADL状況、現病歴や既往歴等の情報を共有しながら、介助方法について検討と見直しを行い、利用者一人ひとりの能力を見極め必要な支援を行っています。車椅子の方には機能訓練を踏まえた訓練を行っています。脚力が落ちてきている利用者については、理学療法士に評価をしてもらい、適切で安全な移動方法を模索しています。

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食事については、「食べること」を通じた栄養ケアマネジメントとして捉え、多職種が協働で栄養アセスメントを実施し、個別の必要栄養量の決定や栄養ケアプランを作成しています。献立については給食委託会社に委託し、バランスの取れた食事を提供しています。献立は、給食委託会社の提案献立をチェックし、管理栄養士が中心となって衛生管理の徹底指導や食事介助の助言も行っています。食事環境と雰囲気作りに配慮し、できる限り利用者自身で食せるよう、個々の特性に応じて食具を用意して支援しています。食事の際は、誤嚥予防のため、利用者の観察に努めています。

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

食事に関しては、利用者の体調、嚥下状況、栄養面に配慮した食事を提供しています。管理栄養士は、利用者一人ひとりの栄養状態を把握し、栄養ケアマネジメントを行い、安全で栄養に配慮した食事を提供しています。管理栄養士は利用者の食事の様子を巡回しながら確認し、食事提供、支援・介助方法等について常に検討と見直しを行っています。また、食事、水分の摂取量を把握し、食事への配慮及び水分補給等を行っています。誤嚥、窒息等、食事中の事故発生の対応方法は確立していますが、日頃からの確認の徹底を図る取組があると尚良いでしょう。

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

口腔機能の維持・改善に主体的に取組めるよう、利用者一人ひとりに合った口腔ケアを歯科医に指導・助言を得て行い、嚥下部位の検査も実施しています。経口維持加算の対象者には個別の口腔ケア計画を策定し、対象外の方は、施設全体の計画に沿った口腔ケアを行っています。職員に対しては昨年度、口腔ケアに関する研修を2回実施し、職員の知識・技術の向上に取組んでいます。

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

褥瘡に関しては、対策の指針を整備し、予防における実施方法を確立し、褥瘡防止委員会で定期的に話し合い、褥瘡スケールを使用して利用者の褥瘡リスクの把握と対応方法を検討しています。褥瘡予防では、栄養・衛生、寝具・体位交換等の適正についても検討し、新しい情報の入手に努めています。また、褥瘡予防・対策、方法について全職員で共有し、常に褥瘡発生の現状把握に努め、褥瘡に関する研修を実施し、日常のケアに生かしています。ひらまの里では、褥瘡の発生予防・早期対処により、現在褥瘡率が皆無であることは特色の1つです。

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

ひらまの里では、看護師の夜勤体制が無い為、夜間に医療行為が必要な利用者はいませんが、日中の喀痰吸引については、看護師が行っています。正規職員は、定期的に喀痰吸引の研修に参加し、3/4以上が資格を取得しています。さらに、個別に看護師が指導を行っています。経管栄養については看護師が行い、介護職員は行っていません。

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:a】

機能訓練に関しては、定期的に理学療法士が来所し、リハビリメニューの策定や介護職員へ助言等を行っています。理学療法士を中心に、利用者一人ひとりの状況に合わせた訓練方法を介護計画策定時に助言を受け、計画に沿った機能訓練を実施しています。但し、特別養護老人ホームであり、介護老人保健施設とは療養内容が異なるため、機能訓練はあくまで介護計画の範囲の中で、介護職員が支援しています。

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

ひらまの里では、認知症専用フロアは設けてはいませんが、あらゆる場面で職員等は全利用者に配慮し、支持的、受容的な関わり・態度を重視した援助を行い、ケアプランの評価を毎月実施しています。認知症の状態にある利用者に対しては、認知症状に合わせた支援を行い、安心して落ち着ける環境作りを工夫し配慮しています。行動・心理症状(BPSD)がある利用者には、一定期間の観察と記録を行い、症状の改善に向けたケアプランや生活上の配慮を行っています。職員に対して、認知症に関する研修を行い、認知症の理解を深め、知識・情報を得るよう研鑽しています。

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者の急変時の対応については、急変時の対応についてのマニュアルを整備し、日頃から利用者の状態に目を配り、状態の変化があった場合は看護師へ連絡し、医師に指示を仰ぎ、迅速な対応をとっています。服薬等に関する研修は行っていませんが、看護師から薬の情報や、感染症の対応等の研修は受けています。利用者の状況に応じて適切に服薬管理及び確認をしています。新人職員には、体調変化時の対応等や高齢者の健康管理や病気、薬に関する個別指導等を行っています。今後、薬に関する正しい知識を得る研修の実施を期待します。

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

終末期の対応については、嘱託医との連携、協力の下、体制が確立しています。終末期対応はご家族に入所前と終末期に入る時期に説明を行い、希望に沿った終末期の対応を行っています。また、看取り介護を特別とせず、通常の介護の延長上として捉えるよう提供しています。職員の精神的なケアについては、特に新人職員に対して終末期ケアの対応の研修を行い、会議や委員会等でも振り返りを行い、担当職員の思いを聞くようケアをしています。

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

生活相談員を中心に、定期的または変化があった時にご家族に利用者の状況を報告・連絡・相談を行っています。ご家族からの相談等に関しては内容を記録に残し、全職員が共有できるようにしています。利用者とご家族がつながりを持てるよう毎月、「ひらまの里お知らせ」を発行し行事の写真等を掲載して利用者の「今」が分かるよう情報を提供しています。

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員全体にサービスの実施方法・手順等を周知徹底するため、朝・夕のミーティングを実施し確認しています。併せて、安定した継続的なサービスを提供するため、ICT化を進め、全職員が利用者の記録、状況を確認できるよう取組んでいます。また、定期的にケアカンファレンスを開催し、必要に応じて相談・助言が得られる機会を設けています。今後、ICT化により、職員の業務負担を減らすことにより人材の定着につながり、介護の質を向上させることができるよう期待します。