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特別養護老人ホーム 片平長寿の里

2023年05月31日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 特別養護老人ホーム 片平長寿の里 評価対象サービス 2022~ 高齢者福祉サービス版
対象分野 特別養護老人ホーム 定員 140 名
所在地 〒215-0023
川崎市麻生区片平1829
TEL 044-455-4188 ホームページ
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1986年02月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 川崎市社会福祉事業団
職員数
常勤職員:59 名
非常勤職員:20 名
専門職員
介護福祉士:44 名
介護支援専門員:11 名
社会福祉士:6 名
看護師:6 名
管理栄養士:1 名
理学療法士:1 名
施設・設備の概要
居室:一人部屋4室
居室:二人部屋8室
居室:四人部屋20室
居室:ユニット型一人部屋40室
設備:洗濯・乾燥室1室
設備:浴室6室
設備:機械浴室1室
設備:一般浴室1室
設備:脱衣室5室
設備:調理室1室
設備:食堂6室
設備:医務室1室
設備:静養室1室
設備:トイレ36室
設備:汚物処理室2室
設備:デイ活動スペース1室
設備:ボランティア室1室
設備:地域交流室1室
設備:談話コーナー2室
設備:居間4室
設備:中庭3ヶ所

③ 理念・基本方針
<理念>
1充実した質の高いサービスの提供
2地域に根ざした施設運営
3職員の資質・能力の向上

<基本方針>
1.利用者のみなさま一人ひとりの生活習慣や意思を尊重し、その方らしい生活が継続できるよう支援します。
2.利用者の皆様が健康で安心して生活が送れるよう、嘱託医や協力病院と連携し健康管理を支援します。
3.職員はいつも笑顔を絶やさず思いやりのある態度で接し、家庭的な雰囲気作りに努めます。
4.サービスの基本は人であり専門性の高いサービスを提供できるよう職員の資質の向上をはかります。
5.地域に開かれた施設として、地域との交流を大切にし、地域に根ざし、地域社会の高齢者福祉に貢献します。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<片平長寿の里の特徴的な取り組み>
●小鳥のさえずりが聞こえる緑の多い環境で穏やかに生活が送れる施設です。開所して12年、施設内はゆとりがあり明るく落ち着いた雰囲気が特徴です。
●事業については、特別養護老人ホームと短期入所者生活介護があります。特別養護老人ホームについては、従来型とユニット型があり、利用者の好みや状況に合わせ居室の選択ができます。
●短期入所者生活介護では、地域のケアマネジャと連携を取り地域のニーズに合わせた事業を行っています。
●地域の関わりについては社会福祉協議会会議に出席し麻生区や柿生地区の福祉のあり方について検討しています。今後は地域の自治会やボランティア団体と連携を強めていきたいと思っています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/10/14(契約日) ~2023/04/18(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2014年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【特別養護老人ホーム 片平長寿の里の概要】
●特別養護老人ホーム 片平長寿の里は、社会福祉法人川崎市社会福祉事業団(以下、法人という)の経営です。法人は、川崎市内に障害者施設(GH含め14施設)、相談支援センター(5)・地域包括支援センター(2)、高齢者施設(3施設)、児童施設(10施設)を幅広く運営し、福祉サービスにおいて地域に大きく貢献しています。法人は基本的な方向性として、「法人の魅力と強みを活かした質の高いサービスの提供と地域包括ケアシステム構築に向けた取組の推進」を目指しています。シンボルマークは、「温かさ、純粋な心、希望」を表す3色の輪を、川崎の「川」の字にデザインし、幸せの四葉のクローバーと「K(川崎)・F(福祉)・J(事業団)」の頭文字を配置して法人のアイデンティティとして確立しています。

●片平長寿の里は、小田急多摩線五月台駅から徒歩15分程度の丘陵地に位置し、木々の間から小鳥のさえずりが聞こえる緑豊かな環境にあり、利用者が穏やかにゆったりと過ごせる施設であり、明るく落ち着いた雰囲気が特徴です。設備では、開放感溢れる明るいフロント、皆が集える談話コーナー、緑が映える中庭が設けられ、広くて使いやすい共用部分や、洗面台付きユニット型居室等、明るく清潔な空間が確保されています。

●片平長寿の里は、特別養護老人ホームと短期入所生活介護の事業を実施しています。特別養護老人ホームについては、従来型とユニット型を設定し、利用者の好みや状況に合わせて居室の選択ができます。短期入所生活介護では、地域のケアマネジャと連携を図り、地域のニーズに合わせた事業を行っています。運営方針は、「利用者の意思を尊重し、その人らしい生活の継続を支援し、職員は笑顔を絶やさず、思いやりの態度で接し、家庭的雰囲気作りに努める」を掲げています。

●近年における新型コロナウィルス禍(以下、コロナ禍という)の中においても、専門性の育成・教育に貢献し、感染予防を徹底した上で実習生を受入れ、社会福祉士養成課程、音楽療法士の実習生の受入れを実現しています。特に、音楽療法士の実習については、利用者・実習生とのリモートを活用して安全に実施することができ、利用者の楽しみにもなりました。地域との関わりについては、社会福祉協議会会議に出席し、麻生区や柿生地区の福祉のあり方について検討・協議を図り、今後はさらに、地域の自治会やボランティア団体と連携を強めていく予定でいます。
◇特長や今後期待される点
1.【職員の質の向上と職員間のチームワークの再構築】
片平長寿の里の最終命題は、利用者に対する専門的で質の高いサービスです。昨年度、命題の達成に向けて、「職員の資質の向上」と「職員間のチームワーク」に取り組みました。特に資質の向上に関しては、日頃の言葉遣いや対応等、接遇について振り返り、改善に向けて「高齢者虐待防止・身体拘束委員会」を中心に、委員が職員のチェック機能となり、利用者の思いに沿った支援の大切さを伝えて行きました。また、ユニット型フロアでは職員間のチームワークの体制作りの強化に向け、各フロア間において担当ユニット外の勤務に当たることにより、協力意識と職員間のコミュニケーションの機会となり、結果、チームワークの再構築につながる等、成果を出しています。これらの取り組みを通して、職員一人ひとりが利用者のニーズを少しでも多く受け止め、高い専門性へのステップアップにつながっていくよう、今後も継続して取り組んで行きます。

2.【地域のケアマネジャとの信頼関係の構築】
利用者に対する専門的で質の高いサービスの取り組みとして、「地域ケアマネジャとの信頼関係の構築」です。特別養護老人ホーム片平長寿の里には3つの機能があり、事業として①従来型多床室、②ユニット型居室、③短期入所生活介護の3つがあります。従来型多床室は、利用料金の兼ね合いもあり待機者は順番待ちの状況にあり、ユニット型居室は利用料金が多床室より高く、短期入所生活介護については利用率の不安定さ等があります。短期入所生活介護でコンスタントに利用、安定を得るには居宅介護支援事業所の協力が不可欠であることを認識し、地域のケアマネジャとの情報共有と、迅速に施設内の各部署と調整を図る等、適切な実施の下、ケアマネジャとの良い関係性が構築できました。継続して、ケアマネジャと共に今後の利用者支援について考え、必要に応じて入所等の提案や、柔軟な対応に努めて行きます。

3.【医療との連携強化と質の高いケアマネジメントの提供】
施設に併設している居宅介護支援センターでは、医療ニーズが高い利用者に対して、必要な医療が継続的に受けられるよう医師等と連携を取り、円滑なサービス調整を行っています。特に、看取りの時期が近い利用者へは迅速にサービスの提供とサービス調整を行い、在宅でその人らしい、安心した生活を最後まで送ることができるよう支援しています。施設同様に運営方針を共有し、利用者のニーズを少しでも多く受け止め、専門性の高さを1歩前へ進める活動の一環として、全部署での展開の事例として評価できる活動と考えます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名:特別養護老人ホーム 片平長寿の里         

<評価(自己評価等)に取り組んだ感想>
   
今回、第三者評価を受審し、自己評価を行うことで、自分自身が行うべきことや施設として取り組むことなどがとても明確になった。
特に職員の人材育成については施設として力を入れていきたい項目でもあり、評価後のアドバイス等を踏まえて取り組んでいきたい。

<評価後取り組んだ事として>

1.ご利用者、ご家族アンケートから、機能訓練や活動にやや不満があるとの回答が多かったこともあり、次年度に向けて検討した。コロナ禍でPTの所属している施設等でコロナ患者が出てしまったり、当施設でコロナ罹患者が出てしまうことで機能訓練回数が減ってしまった。そのため次年度からはPT2名体制にし、突発の休みにも対応できるよう体制を整えた。

2.地域との関わりについては、近隣住民との交流の機会を持ったり近隣の施設と協働で地域の住民向けの研修を行うことが出来た。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

特別養護老人ホーム片平長寿の里は、従来型多床室とユニット型を併設した特別養護老人ホームです。施設の基本理念についてはパンフレット及びホームページに掲載し、入所に際しては基本理念、基本方針の説明を行っています。施設内の各委員会・研修会は基本理念を根底にして進めています。ユニット型では基本理念に沿った行動基準の決意表明を作成し、職員は日々心得て支援に当たっています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

事業の動向については、厚生労働省や全国及び県の社会福祉協議会等から得る全体的な傾向や、麻生区社会福祉協議会等からの地域情報で確認しています。地域の課題については、施設で状況確認等は行っていますが、潜在的利用者の情報収集等までは入手し難い状況です。現状、入居率はコロナ禍により下回りが目立ちます。利用者の情報では、居宅介護支援事業所やデイサービスからの情報は希薄であり、ロングショート利用者からの情報は入所のケースもあり有効性の高い情報であり、医療行為を必要とする方等は情報が少ない状況が見られる等、取り巻く環境から情報を把握しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

法人全体の施設長会議では、社会、制度、自施設等の様々な課題についての問題提起や報告を行い、共有しています。法人における各専門部署別に統括官を設置し、法人の方向性や課題について話し合っています。各実施事業(高齢、障害、児童、相談支援・地域包括)にも統括官を置くことにより、法人の情報が入り易く、共通理解により円滑に改善が図れる状況となっています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

法人として理念達成に向けた中・長期計画が策定され、各事業所は中・長期計画及び法人の単年度事業計画を受けて年度ごとの事業計画を策定しています。それらに沿い、片平長寿の里の事業計画も法人の中・長期計画に沿って策定されており、中期計画の側面も含めた内容となっています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

単年度の事業計画は、法人の中・長期計画を踏まえて作成しています。具体的には、①利用者・家族のニーズに沿った支援の提供と目標利用率の達成・継続、②入居者主体のケアの充実と重度化する入居者の支援に向けた取り組み、③地域の方から選ばれる体制作りと利用率向上、④地域包括支援センターとの連携と給付管理数の向上、としています。法人内の中・長期計画は年度ごとに振り返りと修正を図り、各事業所では毎年、法人の中・長期計画を視野に入れて検討し、事業計画に反映させています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業計画は、前年度の目標達成状況の振り返りと反省及び、課題抽出を行い、課題解決のための内容と事業方針や基本理念に沿った形で策定しています。令和5年度からはBCP計画も策定予定であり、地域への取り組みも視野に入れ検討していきます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

事業計画の利用者等への周知については、事業計画を噛み砕いた施設長のメッセージや、施設のビジョン、行事計画を提示しています。また、事業計画・事業報告は施設内に掲示すると共にホームページにも掲載して周知しています。さらに、施設の広報紙に施設長のメッセージを掲載し、告知に努めています。施設での行事については年間計画で示し、施設内にも掲示し、利用者等の参加を呼びかけています。施設からの案内については所内の掲示板に貼り出し、利用者ご家族の来訪時に閲覧してもらい、必要に応じて職員が説明するようにしています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

福祉サービスの質の向上に対しては、科学的手法に基づくPDCAサイクルの活用を心がけています。支援計画については毎月チェックを行い、年間の支援計画改定(P)に沿って実施(D)し、毎月及び改定時に見直し(C)を図り、課題の抽出をし、課題を次期計画に組み込む(A)活動を心がけています。実務的にはアセスメントの実施とそれに向けてのモニタリングは確実に実施しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

各職員の個人目標については自身が管理を行い、職員一人ひとりで評価を行っています。達成できなかった課題等は再度チャレンジしていきます。チーム目標については各チームの目標を職員間で考え、チーム全体で実行しています。その為、目標の共有はできており、期末に評価と課題を出して改善に努めています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

施設長の権限と責任については組織図・事務分担表で示し、日常の業務については職制に権限を委譲して推進しています。施設内の運営会議で方針や経営等の話し合いの場を設けています。研修についても動画視聴を取り入れ、全職員が参加できる研修を行っています。また、家族向けのお知らせ(広報誌)を今年度より作成し、施設の様子や利用者ご家族へのお願い事等を記載しています。施設長は、「新年度を迎えて」と題したメッセージの中で、法人と施設の橋渡しが施設長の責任であることを伝えています。災害時等職務権限移譲については、災害時のBCP等で全職員に周知しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設長は、遵守すべき法令等について常に把握し、法人の担当職員と共に、組織として適正・公正な施設運営に取り組んでいます。法令の範囲では環境への配慮も要請されていますが、基本方針の1つとして「法令を遵守した運営」を掲げ、職員会議や施設内研修会でも法令について取り上げ、話し合いを持っています。リサイクルや産業廃棄物の扱いには留意しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

福祉サービスの質の向上に向けた目標を立て、方向性を示し、取り組みについて共有しています。内部研修については、小人数のユニット型では全職員参加は不可能であることを鑑み、研修の動画視聴方式を取り入れました。作成者は関係職員、各委員会の委員、施設長とし、動画を共有のパソコン内に設定し、各職員の時間が空いた時や交代で視聴する方法を構築しました。昨年、作成した「不適切なケア」の動画は法人内の研修会でも活用しています。虐待に関する動画は毎年、新入社員の入職時に教育教材としています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は、経理担当職員と共に施設労務・財務について分析を行い、結果を会議等で職員へ周知しています。組織図での各セクションの責任者に権限を委譲し、責任者を通して組織の統括を行っています。法人研修では、経営改善や業務遂行の向上について学び意識を高めています。また、法人の施設長会議では、法人としての組織の方向付けを理解し、現有勢力で取り得る最良の体制の構築に向けた検討を行っています。人事財務労務については業務遂行の向上に向けて検討し、適材適所を模索しつつ進めています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

人材の確保については、法人、各事業所共に苦慮しています。人事採用については、正規職員は法人で採用し、契約職員は各事業所で採用しています。正規職員、契約職員共に定着率は高く、業務で疲労が見られる職員には面談を設けてフォローする等、配慮しています。復職後についてもサポートを行い、復職した職員も多く在籍しています。現状、離職しないことが最大の人事管理でもあり、働きやすい環境作りと共に職員一人ひとりへの配慮に努めています。人材育成に関しては、入職初日に研修・教育を実施しています。調査訪問時の職員インタビューで、施設は働きやすく安心した職場であるという意見が挙がっていました。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

「期待する職員像」に関しては、「片平長寿の里事務分担表」に詳細に明示しています。これにより、個々の職員に特定した業務が明確になっており、キャリアパス同等まではいきませんが、キャリアパス=「期待する職員像」=資格要件の見える化については、まだ最後の等号について課題が残る状況です。しかし、綱目17に「職員像が理解できるよう冊子を配布」と示し、その内容が相当するとも考えられますが、例えば、主任になるための要件等、明確な基準が要されると思われます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

職員の就業状況に配慮し、働きやすい職場作りを心がけています。シフトについては職員の要望を聞き、不公平さを避けるよう留意し調整しています。有給休暇、休日は希望通り取得できるよう配慮しています。職員の心身の健康に留意し、悩み相談については法人に職員が相談できる部署・窓口を設けています。福利厚生では健康保険に加盟し、個人のワーク・ライフ・バランスに関しても休日を取り易い体制を整えています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

各職員に人事考課の意義や目標管理の必要性等、「期待する職員像」が理解できるよう冊子で配付しています。職員の面接については、人材育成の一環として年に1~2回は実施しています。面接では職員の仕事に対する思いを知る機会としても貴重な機会であると捉え、育成につなげています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人のキャリアプランに沿い、福祉サービスの内容や目標を踏まえ、必要とされる専門技術や専門資格を明示し、階層別に研修計画を策定しています。研修計画に基づき、質の高い職員の人材育成を目指し、教育・研修を実施しています。また希望により外部研修の受講も可能とし、技術・知識の向上を推進しています。研修内容やカリキュラムに関しては毎年評価及び見直しを図り、次期計画につなげています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員一人ひとりの支援に対する知識、技術については組織的に把握し、必要に応じて助言や教育の場を設けています。外部研修についてはシフト調整をして考慮する等、職員の継続的な教育を通じて専門的スキルを向上させるよう努めています。現在、新しいノーリフト(持ち上げない介護)等の研修に参加させています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生の受入れは、職員の振り返り、気付きとなり、地域の福祉資源として、コロナ禍においても十分対策を徹底した上で受入れを行っています。技能実習生、社会福祉士の実習生等、専門職種に配慮したプログラムも用意し、実習依頼校と連携を図り、実習日終了後は振り返りを行い、効果的な実習となるよう努めています。実習生受入れマニュアルの作成があると尚良いでしょう。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人において、事業・運営内容を公表し、理念・基本方針、運営方針、事業計画・報告等は文書で公表すると共に、法人の方向性等ホームページでも公表しています。毎年、川崎市開催の福祉大会に参加し、法人の理念、ビジョン等を広く一般にお知らせし、地域の文化施設の1つとして認識してもらう活動を実施しています。利用者ご家族へも地域の一員として運営の透明性と情報公開に努めています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

公正かつ透明性の高い適正な経営については、内部管理体制の整備に努め、法人内で経理等の監査、コンプライアンスの確認等を行っています。また、経理監査を踏まえ経営改善にも努めています。各種マニュアルの整備、組織体制の整備、内部監査体制の整備、専門家による監査等、組織の公正性、透明性に関する管理体制の整備に努め、第三者評価実施についても職員の意識の面で大きな効果があると考えています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

地域との関わりついては、法人の方針や重点目標に掲げており、コロナ禍以前は地域のボランティアの活用を積極的に行ってきました。現在も継続して理美容は来訪を受けています。今後の予定として、施設内の交流室の地域への開放等を計画しています。また、利用者に対しては、談話室に神殿を作り初詣をしたり、車でドライブの再開等を企画しています。コロナ禍で中断していた居宅介護支援事業所や地域のサービス拠点と連絡を取り合い、収束後には再開を進めたいと考えています。地域と共に歩みながら築き上げた歴史を大切にし、交流にも力を入れて行く予定にしています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

平時でのボランティア受入れの実績はあり、実習生、ボランティア受入れ時の注意事項(マニュアル)を作成し、施設の方針、事業内容を明文化して受入れ体制を整えています。コロナ禍により中断している状況ですが、徐々に10年以上来訪している生け花のボランティアや、音楽療法を受入れ始めています。施設は麻生区社会福祉協議会の委員会に所属しており、近隣のボランティア団体等のリストを有し、必要に応じて連絡が取れるよう整備しています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

社会資源として、近隣の病院、保健所等、医療・保健施設の他、地区センターや地域ケアプラザ等の社会資源、地域の関係機関・団体のリスト・資料を作成し、活用しています。また、毎月地域の会議への参加を含め、職員間で地域情報の共有を図り、活用するようにしています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の会議に定期的に参加し、共に地域の課題解決に向けて話し合い(近隣の町内会の会合や地区社会福祉協議会の高齢部会について等)を行っています。また、麻生区社会福祉協議会、川崎市、麻生区の行政の担当者、会員の福祉施設の方々から情報を得、地域の福祉ニーズ等に基づく公益的な事業・活動の情報を把握し、協力しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の福祉ニーズ等に基づく公益的な事業・活動については、地域の福祉ニーズの把握に努めつつも具体的な事業活動には至っていません。今後、事業活動として企画予定であり、施設の方針等に盛り込んでいます。地域の特性上(行政、施設等の存在がないこと)、片平長寿の里が中心となって活動を行っていく環境下を理解し、施設が有する機能・ノウハウを地域へ還元したいと考え、検討しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者を尊重する姿勢として、基本方針である「利用者のみなさま一人ひとりの生活習慣や意思を尊重し、その方らしい生活が継続できるよう支援します。」以下4項目を掲げ、利用者を大切にする方針としています。また、倫理規定に、一貫して利用者尊重が法人及び施設の基本となっていることを示しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

プライバシー保護については、重要事項説明書の中の7項目に個人情報保護についての記載があり、個人情報の扱いについては十分注意しています。居室は4床室が20室(80人)、2床室が4室(8人)、従来型個室が2室(2人)、ユニット型個室が40室(40人)を有し、4床室は衝立、家具とカーテンで仕切り、プライバシーを確保できるよう配慮しています。また、トイレは共用ですが、プライバシーの配慮が為されています。入浴に関しては希望に応じて同性介助の対応をしています。掲示物の内、個人の写真等については肖像権に配慮して入所時に掲載の可否を利用者ご家族に確認しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

利用希望者に対する情報提供に関しては、パンフレット、ホームページ、広報紙等で積極的に提供しています。また、施設見学等の際にパンフレットを基に説明を行い、可視的にて分かりやすいよう取り組んでいます。施設見学の日時は、コロナ禍により極力、利用者の都合に合わせるよう配慮しています。入居前には、居宅支援事業所経由で希望によりショートステイを活用して体験してもらい、入居の際もご家族・利用者が納得して入居してもらうようにしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

福祉サービスを開始する前に利用者・家族の意向を伺い、施設サービス計画書を作成し説明を行い、必要に応じて変更を行う等、納得して入居してもらっています。入居後、利用者の状態に応じてサービスの見直しを行い、再度、施設サービス計画書を作成し説明を行い、同意を得た上で福祉サービスを開始するようにしています。配慮が必要な利用者等への説明については、職員全員でコンセンサスを図ることを大切とし、どの職員でも同じ説明手法をルール化しています。意思決定が困難な利用者等への説明については同様としながらも、説明相手の選定(異なる縁故者、成年後見人等)において個別に対応することを検討しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

福祉サービスの内容変更は入所している利用者にとっては大きな問題です。変更により従前の内容が著しく変わったり、不利益が生じないことが大前提ですが、良い変化が有る点と無くなる点等があり、事前の説明が必要です。変更に当たっては、事前の検討会でご家族に説明し、やり取りを文書に残し(同意書)、納得を前提とした移行をするようにしています。また、介護保険法の改定によるものであっても、利用者は従前のサービスに比し不利益が生じないよう配慮することが重要とし、利用者のサービスが終了する場合でも不利益にならないよう対応しています。例えば、入院が長期になる場合には契約は終了となりますが、状況に応じて再度サービスが開始できることを説明しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者満足度調査(アンケート)は年1回実施し、利用者・家族の要望については、施設運営の改善に向けて施設内で話し合う場を設けています。現在家族会はありませんが、今後、利用者会は行いたいと考えています。アンケート結果は集計・分析し、施設計画の変更等に生かし、利用者満足の向上につなげています。また、処遇改善会議を通して話し合い、サービス向上に取り組んでいます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の仕組みについては、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員を定め、エントランスに苦情解決のフローを貼り出すと共に、連絡先、重要事項説明書にも掲載し周知しています。また、目安箱を設置し、記入用紙も置き、利用者等からの苦情等は記録に残しています。施設運営に関しては運営委員会で話し合い、利用者支援については「高齢者虐待防止委員会」等で話し合い、解決に向けて取り組んでいます。相談や意見・希望は日頃の会話を通して傾聴に努め、相談・苦情とまとめて職員会議の中で改善策を話合い、改善につなげています。改善の内容については公表するようにしています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

施設での個室もしくは多床室はカーテンで仕切られており、定時の検温等の折に、職員に相談ができる体制を整えています。職員は、話しやすい雰囲気を心がけて意見等を聞くようにしています。多床室において利用者が話し難い場合には相談室等の活用も可能にしています。ご家族には相談する際の複数の方法や相手を自由に選べることを伝えています。また、第三者委員の紹介もしています。今後、家族宛のお知らせ文書に、意見等に関する一文を記載するよう考えています。利用者にもお知らせ文書を掲示していく予定でいます。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

利用者満足度調査の結果を基に、利用者・家族の思いを運営に反映させるようにしています。利用者からの意見・要望に関しては、職員が記録に残し、上長に報告することを定め、速やかに検討し対応するようにしています。苦情、相談を受けた場合は、組織的かつ迅速に対応できる体制を敷き、早期に解決策を公表し改善に努めています。また、改善の進捗を見られるように工夫しています。直ぐに処理が難しいケースでは途中経過を知らせ、取組んでいることを伝えています。施設の体制として、意見を述べやすい環境作りを心がけ、具体的にはアセスメント時に意見等を聞くようにしています。対応マニュアルは見直しも行っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

毎月、施設内の事故の分析・対応策について、安全対策担当の職員が中心となり、会議で検討し、研修も企画・実施しています。リスクマネジメント体制については「安全衛生委員会」を中心に責任者の明確化、事故発生時の対応、手順の明確化、安全確保の責任、組織体制について検討し、事故対応と再発防止体制を確立しています。特に、利用者の継続利用が法人の責務を心得、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を持ち、事業を継続できる体制があります。また、施設内研修で事故事例を取り上げ、話し合い、事故防止に努めています。危険が想定される事例等ではヒヤリハットを細目に記入し、分析と原因究明を行い、事故防止に活用しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症に関しては、施設内の利用者間での蔓延防止、感染による体調の悪化、重篤な状態を避けることを最大の課題とし、適切な対応により蔓延を最小限に止める対応を心がけています。具体的には、先ず地域の感染症発生状況を把握し、事前に対応するよう努めています。施設内で感染症が見られた場合には看護師が中心となり、医師と連携を取りながら、速やかな対応により拡大防止に努めています。介護職員にも感染症マニュアルを周知徹底し、看護師と連携を取りながら、毎日の検温等の中で早期発見、早期治療に努めています。また、「感染症対策委員会」が中心となり感染症時の対応策の見直し、研修を企画・実施しています。必要に応じて嘱託医の意見を聞き、最新の感染症に対する予防方法についても検討しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

防災管理責任者の責務、一般職員の役割、分掌職務、緊急連絡網、災害発生時の流れ、体制等を決め、防災訓練を毎月実施し、災害時の訓練として炊き出し訓練を年1回行っています。立地は丘陵にあり、近くに民家等は無い為、土砂崩れ、水害は無い地域と考えられ、火災、地震が主な対象です。災害時における利用者の安否確認の方法も定めています。備蓄については、栄養士が管理を担当し、在庫数を明記した在庫管理表を備え、賞味期限前に食して補充しています。また、行政や社会福祉協議会を通じて市内の報告訓練を行い、近隣施設との意見交換等も行っています。災害時のBCPを作成し現在動画視聴にて全職員に周知を図っています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

提供する福祉サービスの標準的な実施方法(業務マニュアル)を作成し、基礎は入職時に教育しています。標準的な実施方法では、バイタルチェック、入浴、食事、おやつ、健診等必要な項目が決まっており、研修、OJT、個別指導等により職員へ周知徹底を図っています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

標準的な実施方法(業務マニュアル)については、細かい変更はその都度修正・活用し、全体の見直し時に提案し修正します。マニュアルの見直し等は常に各部署で行っており、施設の課題として捉えた事案については事業計画等の重点目標に上げていくことにしています。見直しに際しては担当職種のみならず、他職種の意見を聞き、幅広く検討するようにしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な福祉サービス実施計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

介護支援専門員を各部署に配置し、個別計画を作成しています。利用者やご家族の思いを汲み取り、計画書を作成し、モニタリングや担当者会議で多職種の意見を聞いて見直し等も行っています。特に利用者の状態が変化した際は見直しを行うようにしています。アセスメントの為の担当者会議は、個人別の実施計画を策定する介護支援専門員が招集します。基本的には担当介護職員とそのリーダーを中心とし、テーマによっては看護師、リハビリテーション、薬剤師、管理等からの参加も要請します。担当者会議による実施計画の検討には利用者及びそのご家族にも参加を要請しています。アセスメントの手法については施設として定着し、新人職員についても教育しています。実施計画が固まった後は着実に実施しつつ稼働の状況をモニタリングし、次の実施可能な計画へとつなげています。支援困難ケースにも積極的かつ適切に対応を続けています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に福祉サービス実施計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

業務的には実施計画を朱記にて変更し、進捗、内容も状況に応じて変更したもので進めています。変更が大幅な場合は、期間内でも新しい実施計画を策定することもあります。緊急に変更する場合の仕組みに関しては、例えば、課題や利用者のADL等の変化が著しい等状況が明確な場合を前提に備えています。実施計画を朱記して変更した場合には、評価した結果を次の指導計画の作成に生かしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

利用者に関する介護の実施状況、アセスメントから介護計画書、モニタリング表、担当者会議等の書類についてはパソコンから閲覧できるようになっており、職員間で共有化されています。高齢者をケアして行く上で積み重ねたデータこそが正しい方向性を示すと考え、正しいデータの蓄積とセキュリティの確保に努めています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

利用者に関する記録の保管、保存、廃棄、情報の提供等の規程は、法定のものと施設自体の規定を設け、規程での年数の保管を行っています。個人情報の不適正な利用や漏えいの対策として、記録管理責任者を設置し、個人情報の取扱いについて利用者及びご家族に説明しています。個人情報を他に知らせる際には、必ず利用者及びご家族に承諾を得てから行うようにしています。公式には個人情報保護規程等を理解し、遵守するようにしています。入所に際して、写真等を掲載する場合には必ず確認するよう配慮しています。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

サービス計画書に基づき、利用者の状況に合わせた支援を行っています。基本的には個人別に1日の流れが決まっており、食事~食後の排泄~午前のお風呂(週2日)~おやつ~体操・ゲーム等、個別に楽しめる工夫が成されています。従来型ユニット型では複数の活動メニューを実践しています。従来型多床室フロアでは、体操やリハビリをメインに活動を行い、一般的には団体で動く活動が多く、ユニット居室型フロアはクラブ活動等、個人的な活動も行っています。看護師は介護職員から報告を受け、体調不良の情報があれば医師の指示を受け適切に対処しています。

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:a】

従来型、ユニット型共に利用者の心身状況を把握し利用者に合わせた支援を行っています。買い物については利用者の日用品や好みに合わせて希望するものを購入し、預り金にて支払い、領収書をご家族へ送付しています。必要に応じて成年後見制度についても利用につなげています。入居者の状況に薬が合っているか、食事の形態が合っているかを常に確認・判断し、利用者が楽しい生活が送れるよう変更等も含めて考え、安心・安全な生活の確保に努めています。

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:a】

居宅介護支援については、利用者の状況を把握し、利用者の思いに沿ったサービスへつなげています。安易に施設入所を勧めず、地域の見守り体制を築き、その人らしく生活が送れるよう支援しています。看護師の夜勤体制が無いため、入所の際に夜間に医療行為が必要な利用者の入所は避け、現体制で網羅できる利用者の体制を整えています。

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:a】

コミュニケーションが支援の第一歩と考え、職員は適切な言葉がけを心がけています。必要に応じて筆談を利用したり、言葉がけをゆっくり行う等利用者の状態に合わせて行っています。利用者対応に関しては、職員の表情や態度に不快感が見えると利用者は敏感に気付くことを知り、常に平常心で対応するよう心がけています。特に職歴の浅い職員には表情に留意し、互いに対応を注意し合うよう指導しています。

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

権利擁護については、契約時にご家族に説明し、いつでも内容が確認できるようにしています。「虐待防止委員会」にて不適切なケアについて話し合い(経過確認と改善確認の実施)、必要に応じて行政に連絡することを定めています。身体拘束についても一時的に必要になった場合は、臨時で「身体拘束委員会」を開催し、必要性について論議し、対応方法の検討及び、必要時にはご家族へ報告、期間延長についての同意を得るようにしています。身体拘束が必要になった場合には利用者の状態を細かく記録に残し、状況確認を怠らないように注意しています。

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:a】

片平長寿の里の周辺環境は、豊かな緑に囲まれ、四季折々に移り行く季節を感じ、小鳥のさえずりが聞こえ、穏やかに生活が送れる施設です。開所して12年、施設内はゆとりがあり明るく落ち着いた雰囲気です。フロア内はゆったりと過ごせるよう配慮し、照明は全てLEDに切り換え、室温調整についても快適さを大切に配慮しています。特別養護老人ホームと短期入所生活介護があり、特別養護老人ホームは、従来型とユニット型があり、短期入所生活介護は、地域のケアマネジャと連携を取りながら、地域のニーズに応えて事業を展開しています。

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

入浴については利用者の状況に合わせ、なるべく待ち時間がないよう配慮しています。従来型では感染症予防の一環として、コロナ禍前は2階・3階フロア合同で利用者の状態に合わせた入浴を行ってきましたが、現在は2階と3階フロア別々に入浴方法を取っています。ユニット型については一人ひとりの個別入浴を行い、自ら行えることは行ってもらいながら、できない部分については入浴介助支援を行っています。

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

排泄の支援については、プライバシーへの配慮を行い支援しています。排泄については、できるだけ自然な排泄、トイレ誘導にてトイレでの排泄、必要に応じて介助する場合にも利用者の尊厳・羞恥心に配慮して介助しています。排泄状況を記録に残し、必要時は排便のコントロールも行っています。また、水分をできるだけ摂取してもらい、自然な排便を促しています。水分の摂取量の基準については、k・体格に合わせて利用者一人ひとりの基準量を栄養士が決め、提供するようコントロールしています。

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

移動支援については利用者の心身の状況を踏まえ、残存能力を考慮し、車椅子の方には機能訓練を踏まえた訓練を行い、ADL状況、現病歴や既往歴を考慮して職員間で情報を共有しながら一人ひとりの能力を見極めて必要な支援を行っています。脚力が落ちてきている利用者については理学療法士に評価をしてもらい、適切で安全な移動方法を模索しています。

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食事・献立については給食委託会社に委託し、バランスの取れた食事を提供しています。給食委託会社の栄養士が献立を考えますが、施設にも常勤で管理栄養士が在籍し、給食委託会社の提案献立をチェックし、また、管理栄養士が中心となって衛生管理の徹底指導や、食事介助の助言も行っています。食事は利用者にとって1日の楽しみでもあり、できる限り自身で食せるよう利用者一人ひとりの特性に応じて食べやすい食具を用意し、支援しています。なるべく温かい食事提供に努め、献立も利用者の好みを聞いて反映させるようにしています。ユニット型ではご飯はユニットで炊き、汁物等はユニットで温めて提供しています。

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

食事に関しては、利用者一人ひとりの体調、嚥下状況、栄養面を配慮し、確認しながら個人に合った食事を提供し、食事はなるべく利用者自身で摂取してもらい、必要に応じて歯科医に相談し嚥下の評価等も行っています。管理栄養士が栄養ケアマネジメントを行い個別に状況を把握し、安全で栄養に配慮したより良い食事を提供しています。管理栄養士はなるべく利用者と一緒に食事を行い、様子等を確認するようにしています。食事提供、支援・介助方法等について利用者の心身の状況に合わせ、常に検討と見直しを行っています。

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者一人ひとりに合った口腔ケアを行うために歯科医に指導・助言を得、嚥下部位の検査も実施しています。必要に応じて受けた指導・助言をご家族にも説明しています。一人ひとりに応じた口腔ケアの計画の作成について、不十分な面を確認し、次年度に職員に対する口腔ケア研修を行う予定としています。

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

褥瘡に関しては、「褥瘡防止委員会」にて2か月ごとに話し合い、褥瘡のある利用者の把握と対応方法の検討を行っています。褥瘡予防について多角的に捉え、栄養・衛生、寝具・体位交換等の適正化についても検討を行っています。予防・対策方法を検討し、全職員に周知及び共有し、褥瘡ケアの最新の情報を収集し、日常のケアに取り入れるようにしています。常に褥瘡発生の現状把握を行い、職員に研修を実施しています。職員の速やかな対応と対処により現在褥瘡率が皆無であることは、この施設の特色でもあります。

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

片平長寿の里では、看護師の夜勤体制がないため、入所の際に夜間に医療行為が必要な利用者の受入れは控えるようにし、現体制でカバーできる利用者の体制を整えています。日中の喀痰吸引については、研修を受講した職員が医師の指示の下行っています。経管栄養については看護師が行い、介護職員は行っていません。喀痰吸引の定期的な研修は行っておらず、個別に看護師が指導しているに留まっています。

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:a】

機能訓練に関しては、理学療法士1名が在籍しており理学療法士を中心として、一人ひとりの身体条件に合わせた訓練方法を介護計画策定時に助言を受け、計画に沿った機能訓練を実施しています。但し、特別養護老人ホームは、リハビリを中心とする介護老人保健施設とは療養内容が異なるため、ここでの機能訓練はあくまで介護計画の範囲の中で介護士が行うものです。

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

認知症ケアについては、特別に認知症のフロアは設けてはいません。認知症の方と一般の方がフロアに混在していますが、ケアプランの評価を毎月実施し、あらゆる場面で職員等は利用者に配慮し、支持的、受容的な関わり、態度を重視した援助を行っています。行動・心理症状(BPSD)がある利用者(今はあまり顕著な人はいません)には、一定期間の観察と記録を行い、症状の改善に向けたケアプランや生活上の配慮を行っています。認知症についての研修を行い、認知症の理解に努めています。認知症の利用者に対しては、認知症状に合わせた支援を行い、安心して落ち着ける環境作りを工夫して配慮しています。

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

片平長寿の里では、日頃から利用者の状態に目を配り、状態の変化があった場合は看護師へ連絡し、医師に指示を仰いでいます。急変時の対応についてのマニュアルを整備し、迅速な対応を取っています。看護師から薬の情報は得ていますが、薬についての研修は行っていません。新人職員には高齢者の健康管理や病気、薬の効果や副作用等に関する研修をOJTも含め実施し、個別指導やその後の告知指導も行っています。

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

終末期の対応については、医師の全面的な協力的により取り組みが行えています。終末期対応はご家族に入所前と終末期に入る時期に説明を行い、希望に沿った終末期の対応を行っています。職員の精神的なケアについては、会議や委員会等で振り返りを行い、担当職員の思いを聞くようにしてサポートしています。

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

生活相談員が中心となり、ご家族に報告・連絡・相談を行っています。それらは記録に残し、全職員が共有できるようにしています。ご家族への情報提供の1つとして施設から毎月お知らせを送付しており、行事等での写真も掲載し、利用者の様子が分かるようにして安心を提供しています。

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員全員にサービスの実施方法・手順等を徹底するために朝・夕のミーティングを実施して確認及び共有化を図っています。併せて、安定した継続的なサービスを提供するため、ICT化を進め、全職員が利用者の記録を確認できるようにし、利用者の状況を共有しています。また、定期的にケアカンファレンスを開催し、必要に応じて相談・助言が得られる機会を設けています。