社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

駒岡保育園

2023年12月25日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 駒岡保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 65(64) 名
所在地 〒230-0071
横浜市鶴見区駒岡4-5-31
TEL 045-582-2250 ホームページ https://www.komaoka-hoikuen.com
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1978年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 鶴見乳幼児福祉センター
職員数
常勤職員:14 名
非常勤職員:15 名
専門職員
保育士:22 名
栄養士:1 名
調理師:1 名
子育て支援員:3 名
施設・設備の概要
居室:0歳児室
居室:1歳児室
居室:2歳児室
居室:3歳児室
居室:4歳児室
居室:5歳児室
設備:調理室
設備:ランチルーム
設備:子育て支援室
設備:事務室
設備:休憩室
設備:乳児トイレ
設備:幼児トイレ
設備:屋上
設備:園庭

③ 理念・基本方針
<理念>
1.温かく見守り、子どもの最善の利益を考慮します。現在最も良く生きられ、将来望ましい未来をつくり出せる力を養えるよう適切な援助をして、日々の保育活動を行います。
2.一人一人が快適に過ごせる環境造りと共に、保育士を含めた周りの環境に自ら関わり、その中でいろいろな経験をしながら遊びを展開していける保育活動を行います。また、子どもが愛されている・自分は大切な存在(自己肯定)と感じられる保育活動も行います。

<基本方針>
1.地域社会や保護者の意見を大切に、相互の連携を密にして信頼関係に基づく保育運営に努めます
2.保育の専門性を持って明るい保育を目指し、子どもたちの人間形成の基礎造りをします
3.地域に開かれた施設として、保育園で持っている乳幼児保育に必要な事柄の提供・開放を行います

<保育目標>
じぶんがすき みんながすき いっしょに育ちあおう
1. Smile and Heart
2. いっぱいたべて元気な子
3. ワクワク どきどき 大好きをみつけよう
4. みんなちがっていい一緒におおきくなろう
5. たくさんあそぼう
6. 自分らしくいきいきと

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<駒岡保育園の特徴的な取組> (基本情報Ⅰ-3の記載事項)
●子ども一人一人の意思を尊重し、自己肯定感や達成感が感じられるような保育を大切にしています。
一人一人違っていい、苦手なことはあっていい、得意なことは発揮し、互いに認め合うことを大切にしています。障がい児保育も行っています。
●乳児クラスは担当制保育を行い、乳児期のアタッチメントを大事にしています。
●幼児クラスでは、異年齢での遊びや活動を一緒にする時間を設け、かかわりを深め、一人ひとりの成長を大切にしていきます。
●地域の子育て中の方々のために園庭開放、交流保育、育児講座を行っています。一時保育・育児相談も行っています。また、実習生の受け入れ、中学・高校生のボランティア等、世代間交流も図っています。
●年長児は、就学前に姉妹園や地域の保育園・小学校との交流を取り入れています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/06/13(契約日) ~2023/12/11(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2017年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【駒岡保育園の概要】 
●駒岡保育園は、昭和53年に横浜市立駒岡保育園として開設し、平成21年に横浜市から民間移管として、社会福祉法人鶴見乳幼児福祉センター(以下、法人という)が運営・管理を行っています。法人は、「自分を愛することができ、友達を愛することができる大人」に育つように願って、横浜市鶴見区に3保育園を運営し、乳幼児期の育児・子育ての支援を行っています。

●駒岡保育園は、JR京浜東北線鶴見駅・東急東横線綱島駅より、横浜市営バス13系統乗車「駒岡八幡神社前」下車、徒歩5分の静かな住宅街の一角に位置しています。園周辺には、公園や小学校、養護学校があり、子育て世帯が多い地域です。保育方針でもある「地域に開かれた保育園」をめざして、園庭・園内開放・育児講座・育児相談等・交流保育・一時保育等の子育て支援事業を実施し、地域との関わりから子どもの豊かな育みへとつなげています。

●駒岡保育園の定員は65名、0歳児~5歳児までの保育を実施し、現在64名の園児が在園しています。園舎の老朽化に伴い平成31年3月に、これまでの平屋建てから鉄骨造り2階建てに改築されました。新園舎は、各年齢の保育室の他に「子育て支援室」を含めたゆとりのある造りです。園庭も広々として、築山を中心に、周りに木々が植栽されており自然と触れ合える環境があります。また、園庭の端には畑もあり、子どもたちは季節の野菜を育て・収穫する体験をしています。近隣には公園も多く点在し、豊かな自然に恵まれ、子どもたちの活力と笑顔が溢れる保育園です。

◇特長や今後期待される点
1.【子どもが主役の保育園】
駒岡保育園(以下、当園という)の特徴の1つに、豊かな環境が挙げられます。広い園舎と園庭、周辺には公園も多く、子どもたちが四季折々の自然に触れて伸び伸び遊べる環境です。園舎は、子どもたちが日々異年齢児と関わりが持てるよう、0歳児~5歳児までのクラスがホール(ランチルーム)を囲み、一望できる造りとなっており、登降園の際はもとより、遊びの中でも自ずと異年齢児同士の関わりが見られます。当園では、各年齢に応じた保育を土台に、幼児クラスでは、異年齢児保育を取り入れています。『子どもファースト』で楽しい一日が過ごせるように、「クラスミーティング」・「サークルタイム」を設け、子どもたちで意見や提案を出し合い、話し合ってクラス運営ができるよう配慮し、保育実践につなげています。また、「ランチタイム制」を設け、食べたい時間に好きな友だちと一緒に食事が楽しめるように時間の幅を持たせています。調査日は、誕生会の日に当たり、和やかで楽しい誕生会が見られました。メニューは、当園の子どもたちに1番人気の「唐揚げ」で、どの子も笑顔が溢れ、大いに食事を楽しんでいました。調査者も給食の提供を受け、唐揚げの味付けは絶妙で、とても美味しく、人気の理由が分かりました。異年齢児保育は、初めて出会う小さな社会と言えます。職員は常に子どもの声を傾聴し、ありのままの姿を受け入れ、安心して自己発揮ができるよう自己肯定感を育む保育実践に努めています。今回の保護者アンケートに「先生方は親切で優しい」・「アットホームである」・「園舎・園庭が広い」等の声が多く寄せられ、保育への高い評価が窺えます。

2.【体験から学ぶ保育】
当園では、体験から学ぶ保育を大切にしています。室内では「遊べるコーナー」作りを工夫し、子どもたちが自分で選んで遊べるようにしています。園庭では四季折々の草花を子どもが自由に摘んで「おままごと」遊びを楽しんでいます。園庭に設けられた畑を活用した食育も盛んです。調査日は、さつま芋を掘った跡が伺えました。たわわに実った稲や里芋の大きな葉っぱが目を引きます。年長児は、カイコを育てています。卵から小さなカイコが生まれ、育ち、繭を作るまで、毎日の世話を通して変化を感じ、感動や命の大切さが、実体験を通して感じられています。なお、桑の木も園庭に大きく育っていて、カイコの世話に桑の葉が十分賄えていました。繭は、年長児が卒園式でつける「コサージュ」にし、職員の手作りにて、その年の子どもたちが好きな草花のイメージで製作されています。また、歴代のコサージュが飾られ、温かい雰囲気が感じられます。年齢に応じたカリキュラムには、「リズム遊び」・「わらべうた」を導入し、柔軟な体の動きを促すと共に、遊びを通して順序やルールが学べるように取組んでいます。大人からの指示で動くのではなく、子どもの意思を尊重した取組で、自主性を育み、法人の理念の1つである「子ども達一人一人を大切にする保育」につながると言えます。

3.【地域に開かれた保育園】
当園の基本方針「地域に根ざし開かれた保育園」を目指し、いろいろな子育て支援事業を意欲的に取り組んでいます。職員は、「三事業委員(地域支援交流・世代間交流・育児支援)」を中心に、年間予定(園庭・園内開放・育児講座・育児相談・交流保育・とちのき文庫等)を立て、地域向けに「いっしょにあそぼう」を発行し、ホームページ、鶴見区の子育て支援拠点「わっくんひろば」、横浜市子ども若者情報サイト「ヨコハマはぴねすぽっと」等で情報を提供し、参加者を募っています。散歩先でもリーフレットを地域の方に手渡し、ポスター掲示等でも知らせていました。園児とのふれあい遊び「リズム交流」や親子の試食会が人気で、参加した親から「子どもが大喜び」・「参加して楽しかった」等の感想が多く寄せられていました。また、地域のボランティアや鶴見図書館の方による「お話会」、外部講師による「お茶会(お抹茶&和菓子)」等、魅力的な内容を盛り込むと共に、地域の方々との友好的な関係作りに努めています。閑静な住宅地の中にある保育園として、必要な福祉ニーズを把握し、保育園の機能を生かした子育て支援の実施が図られています。

4.【人材育成への取組】
園長・主任を中心に職員が働きやすい職場となるように、常にコミュニケーションを図り、一人ひとりのワーク・ライフ・バランスに配慮した取組を行っています。今年度より、ICT化を図り、コドモン(保育連絡アプリ)導入により、保育事務の軽減につながっています。保育内容の向上には、人的要因が不可欠であると認識して、正規職員・非常勤職員を含めた職員会議や園内研修を実施しています。毎年、職員の「自己評価」から、「保育園の自己評価」を行い、ホームページで公開しています。前年度末の振り返りでは、KJ法(付箋等を使いグループの意見を集約・発展させる手法の一つ)で、全職員が自由に意見交換して、内容をまとめていました。その結果、保育者は「保育者自身も環境の一部と認識して保育する」、栄養士・調理師では「メニューを工夫し楽しい給食につなげる」を挙げ、今年度の園内研修の取組に生かされていました。また、職員の経験に応じたトレーナー制度やOJT体制を敷いています。当園の現状は、常勤職員の平均年齢が40.2、平均在職期間が9.23と職員の定着率は高いと言えます。今後は、非正規職員(短時間パート)の質の向上を目指し、計画を立てて取組む予定でいます。さらなる人材育成の取組みに期待します。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 駒岡保育園

≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取り組みの感想≫
前回の第三者評価より職員数名が代わり、改めて全職員で自己評価を取組むことで、共通理解を深めることができました。また、できているところは「これでいいのだ」と確信と自信を持つことができ、足りないところが明確になることで改善につなげる良い機会となりました。
アンケートに関しましては、ご協力いただいた保護者の皆様に感謝申し上げます。高い評価をいただいた点は、引き続き継続し、改善を要する点は職員全体で話し合う機会を持ち、さらに保育の質の向上に努めていきたいと思います。

≪評価後取り組んだ事として≫
1.接遇マニュアルを法人として園長・主任間で作成し、子ども・保護者・職員同士等に対しての心がけを明確にしていくことにしました。

2.保護者様からのアンケート結果を職員間で共有し、意見を受け止め、一つ一つ話し合いました。改善すべきところは全職員で意識して取組んでいくことにしました。

詳細評価PDF 詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

理念、基本方針については、法人で確立され、法人系列全園で周知されています。理念や基本指針は、ホームページ、入園のしおり(兼重要事項説明書)、リーフレットに掲載され、入園希望者に配付しています。理念、保育目標、大切にしたいことは、全職員が確認し、保護者に対しても入園説明会や懇談会等で説明して理解してもらうように努めています。年度初めに全体的な計画の見直しを行い、全職員が確認して年間計画を立てる等、職員への周知が図られています。また、理念・方針を踏まえた「園目標」は、園だよりに掲載すると共にランチルームに掲示する等、継続的な周知に取組んでいます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

事業経営の把握・分析は、主として法人が担っています。園長は、法人系列園長会議・鶴見区園長会議に出席し、社会福祉事業の動向や国・横浜市や区からの情報を入手し把握しています。当園が立地する地域の動向やニーズの変化、課題等については、子育て支援事業開催時に地域の保護者と対話を通して把握し、内容は法人内で共有しています。経営状況の分析については、法人と連携して助言を得て、適切な運営に努めています。今後も入所児の動向を的確に把握し、欠員が出ないように対応していくと共に、横浜市に立地する保育園として、市行政の動きに対応した取組も必要と感じています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

園を取り巻く経営環境と運営状況の分析に基づき、組織体制、人材育成、財務状況等、経営課題を明確にして具体的な取組を進めています。園長は、法人の経営会議(月1回)にて情報収集し、地域の特性に応じた福祉充実計画を策定しています。経営面については、コンサルティング会社による経営分析や会計事務所からのアドバイスを受け、園内で経営会議を開き改善を図っています。経営会議の分析や改善策、今後の計画については、法人の上層部と共有化を図ると共に、職員に周知しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人として各事業所の地域社会のニーズを捉えて福祉充実計画を策定しています。短期(1~3年)、中期(3~6年)、長期(6年~)の事業計画を経営・保育事業・人材育成の面から、長期展望の下、「子どもの幸せと組織の発展」を踏まえて策定しています。新園舎の完成(平成31年3月)から4年が経過し、計画の見直し等を含めて、法人の中期・年度事業計画を令和6年度より作成する予定になっています。法人のビジョンに合った計画を策定し、目標の達成に向けて計画的な事業実施に期待します。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

法人のホームページで事業計画等、情報公開しています。法人の事業計画を踏まえて、園の単年度の計画を策定しています。事業計画に沿った単年度の計画として全体的な計画が策定され、各年齢の保育目標、保育内容、家庭・地域との連携が盛り込まれ、園の独自性も反映しています。また、年間を通して実行可能な計画となるように、その年の利用状況や子どもの様子に合わせた職員配置・行事計画にする等、具体的な内容になっています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

園の事業計画として、全体的な計画、年間指導計画が挙げられます。事業計画は、中・長期計画及び昨年度末の保育園・保育士の自己評価を全職員で取組み、その評価を基に次年度の計画を策定しています。各年齢の指導計画は、職員会議等で話し合い、周知から見直しまで行っています。また、事業計画は3月に計画を提案、6月・11月に中間報告を理事会で行う手順になっており、定期的な評価・見直しが実施されています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

保育園の事業計画については、保護者に年度初めに「行事予定」として配付し、丁寧に説明し、理解を促しています。中でも保護者参加の行事については、具体的な内容を配付や掲示、口頭等で分かりやすく保護者に伝え、理解を得ています。保護者への周知を図るための情報提供として、ホームページや回覧、コドモン、園内掲示でのお知らせ、園だより等を発行し、保護者との連携を図っています。さらに、ホームページや園だより等で、実施時の子どもたちの様子を伝えると共に、今後の予定を伝えています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

保育の質の向上に向けて、PDCAサイクルに基づき、各年齢の年間指導計画に沿った月間指導計画等の振り返りが記載され、組織的・計画的に行われています。日々の保育の自己評価は、園長により内容を確認し、計画、実行しています。指導計画や日誌には、振り返りと次への展望を記入する評価欄があり、PDCAサイクルが行えるようになっています。また、年1回保育所の自己評価と保育士の自己評価を実施しています。今年度、第三者評価を受審し、全職員で保育の振り返り、取組む中での気づきを得ています。評価結果を基に、職員間で保育の質の向上に向けた取組を計画しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

保育所の自己評価を毎年行っています。令和3年、4年はクラスごとに「ねらい」に応じたドキュメンテーションを用いた発表を行い、職員の意見を出し合い評価を行い、結果を園だよりやホームページで保護者に報告しています。今年度は前年度の課題に応じて、講師を依頼し園内研修に取組んでいます。今回、第三者評価を受審し、評価結果で取組むべき課題が発生した場合、職員や保護者に周知を図ると共に、改善計画を策定して実施するよう計画しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、自らの役割と責任を自覚して毎月「園だより」を発行し、取組んだ事業の報告をしています。また、毎月の事業活動計算書を確認し、的確な運営に努めています。保育内容については、園の年間「ねらい」を立て、職員に周知すると共に、職員にも具体的な目標を立てさせ、組織的に「ねらい」が達成できるよう取組んでいます。園長は平常時のみならず、有事における役割と責任も職員に表明し、不在時の権限委任も含め主任が担うことを明確にしています。有事(災害、事故等)発生時の連絡体制については、マニュアルに沿って行う等、全職員に周知しています。保護者向けには、入園のしおり(兼重要事項説明書)で入園時に説明を行うと共に、園だよりを活用して周知を図っています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人の運営規定や就業規則、個人情報保護規則に、園長が遵守すべき法令等に関する記載があり、理解を深めています。また、園長は法人園長会、鶴見区園長会、園長研修等で横浜市や区と情報共有し、法令遵守や経営に関する情報を得ています。具体的な内容(人権や虐待、環境「ヨコハマ3R(スリ)夢(ム)」)等については、会議やミーティング等で職員に周知し、知識の共有化を図っています。守秘義務に関しては、職員と誓約書を交わし、内容についても理解しています。保護者には、入園のしおり(兼重要事項説明書)で丁寧に説明し、個人情報保護の観点から「個人情報使用同意書」に署名、捺印をもらい理解を得ています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長自ら保育に入り、相談やアドバイスを行う等、保育の質の向上に意欲を持って取組んでいます。また、トレーナー制度を取り入れ、OJT育成シートを活用した評価・面談を実施し、キャリア組織を構成し一人ひとりが目的を持って園運営に参加するようにしています。年間の園内研修では、その時期に応じて必要な内容の討議と共に、課題の改善策について職員間で十分に討議して職員の意見を反映し、保育の質の向上に取組んでいます。外部研修には、全職員が均等に受講できるよう体制作りを行い、各職種の質の向上を図っています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は、経営の改善や業務の実効性の向上に向けて、園における人員体制や業務内容、財務状況等の現状分析を行っています。財務状況では、会計士からのアドバイスも受け、自らも経営会議に参加しています。また、働きやすい職場環境になるように、組織(経験値、実績、本人の意向)を考慮して、組織表を作成し、一人ひとりが役割を認識し、目的を持った行動につなげています。今後はワーク・ライフ・バランスを考えた保育業務の軽減を、ICTシステムも取入れながら目指していくとのことで、さらなる取組に期待します。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人で必要な福祉人材の確保・人員体制に関する基本的な考え方や、方針は確立しています。運営規程に明記し、採用案を法人内で検討し実行しています。また、ホームページや意向調書に基づく求人ブースの活用、養成校への求人募集(今年度3名採用)等、福祉人材の確保に努めています。人材育成では、マニュアルに基づいたトレーナー制度、OJTに取組むと共に、等級表に基づき計画的に行われています。法人全体で「ドリームプロジェクト」を開催し、新人研修を年3回行い、頑張りを認める機会を作っています。当園の現状は、常勤職員の平均年齢が40.2歳、平均在職期間が9.23年と職員の定着率は高いと言えます。引き続き職員の定着につながるように、長く働いていたいと思える環境作りへの取組に期待します。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

総合的な人事管理については、法人で人事考課制度を確立しています。職員一人ひとりの人材育成や能力開発につなげていくことを目的とし、人材育成計画に沿って就業規則、職員ハンドブック、業務運用マニュアルを策定し、人員配置や昇進・昇給に関する給与規定(等級表に準ずる)を定め、職員に周知しています。園長は、職員面談で人事考課の目標設定を行い、目標の3要素を基に助言・指導を行い、目標に向けた取組と共に考え、共通認識を図り、評価に反映させ、モチベーションアップにつなげています。また、年度末には振り返り、目標シートでフィードバックを行い、次年度に反映させています。園長は職員との面談や年度末総括(職員の自己評価結果)を把握し、課題の改善策を園内研修や職員会議で検討しています。クラス配置については、職員の意向や職務遂行能力、OJT等を総合的に判断して決めています。今後は、人事考課を含めた法人の待遇により、職員が自ら将来の姿を描くことができるような仕組み作りに期待します。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

人事労務管理に関しては、職員の出退勤、超過勤務、休暇取得状況を管理し、休暇取得と仕事の進捗状況の双方のバランスを確認・実施しています。産休、育児休暇、介護休業、有給休暇等を取りやすい環境を整備しています。また、ワーク・ライフ・バランスに配慮して短時間勤務を導入し、子育てと仕事を両立できるようにしています。保育業務では、ICT化を図り、コドモン導入により、保育事務の軽減につながっています。職員の心身の健康については、年1回ストレスチェック・健康診断の実施、予防接種の補助金、ハマふれんど加入等、健康維持につなげています。園長は、面談を通して職員の意向等を把握し、必要に応じて相談対応しながら、働きやすい職場環境の整備に努めています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員一人ひとりの育成に向けた取組では、育成マニュアルに沿い、年2回トレーナー、パートナーでの面談を行っています。育成シートを活用して、目標設定や目標達成度について振り返りを行い、自己の課題を明確にして次年度に反映するようにしています。一人ひとりの得意分野を把握し、助言を行い育成に努めています。組織として「期待する職員像」は、等級フレームにて等級ごとに「期待像」が示され、職員に周知されています。非常勤職員についても園長との面談(クラス意向調書)の際に、今年度の目標達成度・次年度の目標を確認しています。今後も職員一人ひとりの目標達成に向け、職員育成の取組に期待します。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人の基本方針や計画の中に、「期待する職員像」が明示され、事業計画に基づき研修計画が策定され、実施しています。職員のキャリアパスを見据え、体系的な研修計画に沿って行い、正規・非常勤も含め法人主催の研修の他、横浜市や鶴見区の研修に職員が参加し、知識や技術の取得に努めています。園外研修の場合は、就業時間内に参加することができるよう体制作りがされています。研修後は、職員会議・非常勤会議等で報告の機会を設け、知識や情報の共有を図り、園内研修に生かしています。当園の研修計画は、年度ごとに、職員の受講実績等を勘案し、策定しています。職員の能力アップを図ることにより、園全体のレベルアップにつながるように努めています。今後も継続した人材育成に期待します。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員一人ひとりの専門資格の取得状況や知識・技術水準等は、入職時及びその後の研修受講履歴で把握しています。職員は、法人の等級表「職位別の研修計画」があり、各職位に応じた研修を受講することにより、キャリアアップにつなげています。職員へのOJTについては、それぞれのサポーターが育成シートを活用し、面談を通して適切に実施しています。役所等の公的機関が実施する外部研修(神奈川県、横浜市、鶴見区主催)の情報は、全職員に周知し参加を促しています。各研修で得た内容は、職員間で情報共有しています。全職員が習熟度に配慮した研修(新任、中堅、主任、園長)に参加し、スキルの向上に努めています。非常勤職員も含め、職員一人ひとりに研修の機会が確保されるよう取組んでいます。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

実習生受入れマニュアルを整備し、基本姿勢・受入れ手順・配慮事項等を明文化しています。実習生受入れ担当は園長または主任が行い、養成校との連携を図り、実習生に事前オリエンテーションを行い、目的、責任実習の有無等を打ち合わせ、実習生本人の希望が叶うよう調整しています。実習期間中は毎日、担当保育士と振り返り、具体的に指導を行い、最終日には園長を含め関わった職員と反省会を設け、全体の振り返りを行っています。全職員は、実習生、ボランティア、職業体験等の学生に対して、後輩育成の観点から指導、助言、相談を行う姿勢を持ち、対応する旨を申し合わせています。保護者には、園だよりや園内掲示にて周知し、理解を促しています。職員は、横浜市主催の「指導者研修」に参加して、スキル向上に努めています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人や園のホームページに、理念、基本方針、保育の内容等を公開しています。入園のしおり(兼重要事項説明書)、リーフレット等でも情報を提供しています。保護者には、入園説明会等で詳しく伝えています。
地域の福祉向上のための取組の実施状況、第三者評価の受審結果、苦情・相談の体制・内容・改善対応の状況についても公表しています。地域に向けた活動やイベント等は、鶴見区の子育て支援拠点「わっくんひろば」、横浜市子ども若者情報サイト「ヨコハマはぴねすぽっと」で情報を提供しています。また、園見学や散歩先等にて、園行事お知らせのリーフレットの配布やポスターを掲示する等、継続して取組んでいます。イベント終了後は、アンケートを実施・集計及び改善し「園だより」等で公表しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人経理規定等に基づき、事務、経理、取引、契約等の業務に関するルールを明記しています。また、法人契約の会計事務所による適切な経営指導を受け、指摘事項がある場合には改善を行っています。さらに、年1回、法人監査、横浜市の行政監査を受ける等、公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域との基本的な関わりについては、園の事業計画に明記し全職員で共通認識しています。具体的には三事業委員に職員が入り、目標を立てて積極的な取組(園庭・園内開放・リズム遊び交流・試食会・行事への参加等)を実施しています。子どもたちも散歩時に、近隣の方と挨拶や会話を通した関わりや、地域のボランティアの方との交流を楽しんでいます。また、地域の文化施設(駒岡地区センター、駒岡ケアプラザ)を利用して、地域の子どもたちとの交流・保育士を派遣した育児講座等、地域の子育て支援に尽力しています。園舎入口に掲示版を設置し、園や地域の情報を掲示し、必要に応じて具体的な内容を地域の方々に案内しています。保育方針「地域に開かれた保育園」を目指して、今後も地域との交流を広げるための取組に期待します。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティア、職業体験等の受入れに対する基本姿勢を明確にしたマニュアルを備え、積極的に受入れています。受入れ担当は園長または主任とし、事前にオリエンテーションを行い、基本的な考え方や園の方針の説明、利用者への配慮、守秘義務等について十分に理解を促しています。地域の小・中学校の職業体験や高校生のインターンシップ、夏期ボランティア等の受入れを行い、意見交換や保育の仕事に対する興味を促し、交流を図っています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

事故発生時等に受診ができる病院・医院や緊急時の消防署、警察署等をリスト化し、職員に周知しています。保護者には、入園のしおり(兼重要事項説明書)を配付し、周知を図っています。障害児保育については、鶴見区こども家庭支援課・鶴見区保健センターの保健師・横浜市東部地域療育センターと連携を図り、年1回療育巡回を受けています。同様に、家庭内等での虐待等権利侵害が疑われる子どもについても横浜市中央児童相談所等、関係機関と連携を図り、「要保護児童対策協議会」・「虐待カンファレンス」に参加し情報を得ています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

当園の子育て支援事業(園庭・園内開放、育児講座、育児相談、交流保育、一時保育等)にて、地域の方々の声を聞き、保育園の専門的な知識や技術を生かして、子育てに関する相談に応じる等、子育てに必要な支援を行っています。園長は、鶴見区園長会、私立保育園長会、幼保小連絡会、子育て支援会議等に出席し、地域の情報収集や情報交換を図り、福祉ニーズを把握しています。5歳児担当保育士は、幼保小連携の活動に参加し子育て支援のニーズの把握に努めています。地区の子育て支援イベント等を通して、民生委員・児童委員の方々と関わり、園行事(入園式、卒園式)へ参加してもらい交流を図っています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

把握した福祉ニーズに基づき、一時保育を実施している他、施設開放、絵本の貸し出し「とちのき文庫」、育児相談、育児講座、出張保育(育児イベント、パパ講座)等の取組を計画的に策定し実施しています。園の情報提供では、鶴見区の子育て情報サイトに掲載して情報提供しています。また、ホームページでも子育て相談の案内、一時保育の受け入れ、園の紹介を掲載し、育児相談に応じる旨を発信しています。環境整備では、横浜市の3R(スリ)夢(ム)政策に沿って、ゴミの減量化・分別、リサイクル活用、省エネルギーの促進、緑化の促進をマニュアルに明記し、園全体で取組んでいます。災害時等の際は、園児の安全確保を行った上で、地域住民に対する備蓄品(仮設トイレ、浄水器)の提供や一時的な避難場所としての施設開放等を行う体制を整備しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

当園は、法人施設共通の保育理念「子どもの人権 人格の尊重 子どもの意志 自立への援助」を基に、「子ども時代を子どもらしく生きる」「子ども達一人一人を大切にする保育」をモットーに、全職員で子どもを尊重した保育を展開しています。保育理念や保育方針は、入園のしおり(兼重要事項説明書)を通じて、保護者に示しています。日常の保育の中で、常に子どもの思いを聞き、子どもの思いに寄り添った保育の実践を心がけ、その日の保育日誌等で振り返りを行っています。毎月の職員会議では、各クラスの子どもへの配慮すべきことを話し合い、全職員で情報を共有しています。年度初めに横浜市こども青少年局発行「人権擁護のためのセルフチェックリスト」を活用して職員間で学び合い、互いに尊重する心、性差別や先入観による固定的な対応をしないことを共通認識として、日々の保育に取組んでいます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシー保護については、法人の職員就業規則、個人情報保護規定に個人情報に関する職員の守るべき姿勢を定めています。職員とは、守秘義務の定義や目的について、採用時研修会で説明を行い、職務遂行する守秘義務について誓約書を交わしています。保護者には、入園のしおり(兼重要事項説明書)で園における個人情報の内容・保護方針を明記し、同意を得ています。インターネット上に写真や動画を載せる際は、事前確認や同意書を得ています。日々の保育の中では、常にプライバシーに配慮した対応(オムツ交換・着替え・シャワー等)を心がけ、帽子や靴箱等は個人名を記入せず、個人マークで対応しています。子ども・保護者に関する書類等は、鍵付きの書棚にて厳重に保管・管理しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

利用希望者に対する保育所選択に必要な情報提供については、ホームページやリーフレット等に掲載し、理念や基本方針・施設の概要・保育の内容・園の特色等を紹介しています。園のリーフレットは、ホームページ「えんみっけ!」でダウンロードできるようになっています。日常の保育の内容は、分かりやすく写真や動画を用いてホームページで紹介し、保護者や地域の方々、利用希望者に見てもらえるようにしています。また、園見学は1年通して実施し、希望があれば随時対応し、保育園のリーフレットを渡し、園長や主任が丁寧に説明しています。入園のしおり(兼重要事項説明書)は、定期的(毎年12月頃)に職員間で見直しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

保育の開始時の説明と同意については、保護者の意向をできる範囲で配慮し、個別対応しています。入園時に、全文ルビ付きの入園のしおり(兼重要事項説明書)を基に、施設の概要・職員体制・保育計画・利用について、留意事項や緊急時の対応等、保護者に分かりやすく説明し、同意を得た上で、その内容を書面に残しています。入園後に大幅な変更をする場合は、再配付か変更箇所を配付し、再度同意書を取り交わしています。保育内容が変更される場合には、マチコミ(メール連絡網)・コドモン・室内掲示板・クラスノートを活用して分かりやすく伝え、理解を得ています。特に配慮が必要な保護者への説明についても、十分に配慮し個別対応していますが、ルール化はしていません。適切な説明・運用を図るためのルール化を課題として、取組むことにしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育所等の変更の際は、保育の継続性に配慮し、児童の経過記録を作成して転園先に渡しています。年長児(5歳児)は、保育所児童保育要録を作成し、各小学校へ提出しています。また、必要に応じて電話対応も行っています。卒園児や保護者が困った時に相談できるように、電話番号を記載した「ハートテレフォン」を配付し、担当者や窓口を設置しています。いつでも相談ができる旨は口頭で伝えています。文書化や文書での配付があれば、尚良いでしょう。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもについては、日々の保育の中で子どもの表情、遊びへの意欲等を観察すると共に、子どもの話を聞きながら、子ども自身の満足を把握するように努めています。保護者については、園児の様子を口頭やコドモンで伝え、安心感や満足度を感じ取り、柔軟に対応するようにしています。毎回、園行事後に保護者アンケートを実施し、満足度を把握すると共に、課題があれば全職員で改善策を検討し、結果を保護者へ伝えています。また、園長が保護者会に参加し、保護者のニーズの把握に努めています。クラス懇話会は年2回、個人面談は年1回実施しています。今回、第三者評価の利用者(保護者)アンケートによっても、保育園へのニーズや満足度が明らかになりました。課題解決については、次年度に改善するよう、保育運営に取り組んでいます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決責任者を園長、苦情受付担当者を主任が努め、第三者委員を2名設置して、苦情解決の体制を整備しています。入園のしおり(兼重要事項説明書)に明記し、保護者に周知すると共に、園内にも掲示しています。保護者からの要望や意見等を聞く機会としては、園内の図書コーナーに「意見箱」を設置し、行事ごとにアンケートを実施し、要望・苦情等があった場合は速やかに対応し、回答しています。これまでの相談内容等は「苦情・相談記録簿」に記録し、保存しています。今後も保護者からの意見等があった場合は、全職員で解決に向けて取組み、保育の質の向上に役立てるつもりでいます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者が相談や意見を述べやすい環境に関しては、面接、電話、文章等でいつでも受け付けることを入園のしおり(兼重要事項説明書)に明記すると共に、「意見箱」の設置場所についても伝えています。また、苦情相談窓口についても記載し、園内にも掲示し、周知を図っています。日頃から、連絡帳での情報交換や送迎時等の声がけで信頼関係を築き、話しやすい雰囲気作りをしています。相談や意見があった場合、園長は保育士から報告を受け、保護者から知り得た情報を共有しています。相談については、事務室を活用して行い、面談中は扉を閉めてプレートを掛け、プライバシーを確保しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

職員は、毎日の送迎時や連絡帳等で保護者とのコミュニケーションを取り、保護者が相談しやすく意見を述べやすいよう配慮しています。また、コドモン、懇談会、アンケート、個人面談、意見箱等、保護者の意見を積極的に把握する機会・取組を行っています。保護者からの相談や意見を受けた場合は、担任と主任で対応し、園長に報告すると共に全職員が情報を共有できるよう会議等で周知を図っています。園長は事実確認を行い、適切かつ迅速に改善に向けて取組み、改善結果を提案者に伝えるようにしています。継続的なフォローが必要な場合については、経過は記録に残しています。保護者からの相談・意見は保育の質の向上や運営の改善に生かすよう心がけています。対応マニュアル等は、定期的(年1回)に見直し、全職員で結果を共有しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメントに関する責任者は園長とし、園長不在時は主任と定め、災害時、地震、子どものケガ、行方不明等の状況別にマニュアルに明記し、職員体制を敷いています。当園では、安全委員会を設けて、年間避難訓練計画を作成し、毎月、火災・地震・不審者対策の訓練を実施し、反省点を生かして見直しや改善につなげています。また、安全計画から園内外の安全点検や保育(散歩、遊び、ブレスチェック)等を見直すと共に、事故報告書で状況の分析と原因究明を行い、改善策・再発防止策を検討・実施しています。事故に至らないヒヤリハット事案についても、全職員で共有し、対応方法等を検討しています。職員は、外部研修(スクールサポーターによる研修・心肺蘇生研修等)を受け、園内研修の題材として取り上げる等、日々の安全管理に生かしています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

国が策定した「保育所における感染症対策ガイドライン」に則り、感染症対応マニュアルを作成しています。登園停止基準や保育中に感染症等の疑いが生じた場合の対応について、入園のしおり(兼重要事項説明書)に明示して保護者に説明しています。園内での感染症発生時は、速やかに全職員に伝えて蔓延防止策を講じ、保護者には園内掲示、園だより等で、周知を図っています。また、最新の感染症情報を行政や地域から入手し、職員間で共有すると共に、保護者にもコドモン・マチコミで知らせ注意喚起をしています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

年間消防計画、災害時の対応マニュアル等を作成し、災害時の対応策や災害発生時の初動対応を定めています。毎年、消防組織図を作成し、全職員が担当・役割を周知しています。毎月、災害発生を想定した避難訓練を実施し、反省点も含め記録に残し、次回の訓練に反映させています。また、定期的に消防署にも報告しています。園長・主任の下、安全委員が責任者として備蓄品(食料・ミルク・水・オムツ等)のリストを作成し、備蓄品の整理や管理、保管場所の整備を行っています。入園のしおり(兼重要事項説明書)では、「非常事態発生時の対応」として、避難場所や保護者への引き渡し等の必要項目を明記し、保護者に周知しています。園の出入り口は電子錠になっており、IDカードで開錠を行い、玄関に防犯カメラを設置して安全面に十分配慮しています。不審者情報は、鶴見警察署、鶴見区保健福祉センター、小学校、保護者等から情報を入手し、マチコミにて共有しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

保育の実施方法に関する各種マニュアルや運営規定があり、保育の標準的な実施方法と子どもを尊重した保育やプライバシー保護、権利擁護に関わる職員としての姿勢を明示しています。保育の標準的実施方法としては、全体的な計画を基に年間計画を作成し、保育指導計画、行事計画、食育計画等に沿った保育活動を行っています。標準的で一定水準の保育ができているかについては、各クラスの指導計画の評価欄や保育日誌等を基に、保育士の自己評価について職員間でPDCAを実施しています。当園は、異年齢児保育を実施しており、標準的な実施方法の土台があり、それを基に年齢に合わせた保育を実践しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

各年齢のカリキュラムに応じた日々の保育の実践を振り返る中で、職員同士の気づきを伝え合う等、保育の標準的な実施方法の検証・見直しにつなげています。また、各クラスの指導計画の内容を必要に応じて反映させている他、行事後に行う保護者アンケートや個人面談等を通じて、保護者の意向や提案を把握し、各種マニュアルの見直しに反映できるようにしています。マニュアルは年1回年度末に見直しているとのことですが、保育の標準的な実施方法について、定期的に検証して見直しを行う仕組み作りを行う等、実態に沿ったマニュアルを再整備されると尚良いでしょう。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

指導計画は、アセスメント(担当者会議)の手法が確立され、各職員が持っている個々の情報が集約され、指導計画に反映しています。指導計画は、全体的な計画に基づいて作成し、正規職員、非常勤職員が協働し、アセスメントで修正を図って保育を実践しています。個別指導計画は、クラス内での振り返りや話し合いを基に、担当者が作成し、クラスリーダーや主任が確認し、園長の承認で確定しています。支援困難ケースの対応については、ケース検討会議を通して、個々の状況に応じた「個別支援計画」を適切に作成し実践すると共に、必要に応じて保護者の同意の下、鶴見区福祉保健センター、横浜市東部地域療育センター、中央児童相談所、医療機関等に状況報告を行い、訪問・助言・指導を受けています。当園の保育目標「じぶんがすき みんながすき いっしょに育ちあおう」を基に、共に育ち合うことを大切にして日々の保育につなげています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画の評価・見直しについては、各年齢のカリキュラムの自己評価を基に、定期的(期・月・週・日)に振り返りを行い、次の計画の作成につなげています。具体的には月間指導計画は、クラス内で振り返りを行いながら意見交換を行い、評価欄を記載して次月の計画作成に生かしています。個別指導計画は、柔軟に変更や見直しを行い、子どもの発達状況に合わせて、適切な保育につなげています。指導計画の変更等がある場合は、その都度、会議やミーティングで周知を図り、計画表に赤字で修正を入れるようにしています。指導計画の見直しに当たっては、乳幼児期に大切な人との関係を構築することや自己肯定感の獲得について考慮し、保育実践を振り返り、保育の質の向上に関わる課題点を明確にしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもに関する保育の実施状況の記録は、園様式に記録して保管しています。記録内容は、クラスリーダー・主任が確認し、園長がチェックし、職員会議で情報を共有しています。また、書き方に差異が生じないよう、個別に指導を行っています。0歳児~2歳児まで月間指導計画に応じた個別指導計画が適切に作成され、保育の実践が記録を通して確認できました。保育に関する記録等は、クラウド上で職員が確認できます。毎日のミーティングや各会議の開催時に加え、コンピューターネットワークを通じて、園内の情報を共有する仕組みが整備されています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

法人の「個人情報保護規定」により、子どもに関する記録の取り扱いを定めています。守秘義務の定義
や目的については、採用職員研修時に説明し、職員と個人情報の遵守に関して、守秘義務誓約書を交わしています。利用者の個人情報については、入園時に入園のしおり(兼重要事項説明書)にて保護者に説明し、理解を得て、利用契約書を交わしています。園長は、記録管理の責任者として書類等の管理を行い、過去の書類も含めて鍵がかかる書庫に保管しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、児童憲章、保育所保育指針等の趣旨を踏まえ、法人の理念、保育方針、保育目標に基づき、当園の特徴、地域の実態等を考慮して作成しています。法人施設共通の保育理念「子どもの人権 人格の尊重 子どもの意志 自立への援助」を基に、子どもの最善の利益を第一義として作成されています。全体的な計画に沿った各指導計画や行事等は、定期的に評価・反省を行っています。全体的な計画の見直しは、各指導計画や年齢毎のカリキュラムを基に、子どもの成長・発達、保護者、地域の実態等について職員会議で話し合い、次年度の計画に反映しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

当園は「衛生管理マニュアル」を整備し、掃除表を基に、毎日、朝・夕に職員が交代で清掃を行い、園内外を清潔に保っています。保育室の採光・温度・湿度等、常に適切な状態に保持し、子どもたちが心地良く過ごせるようにしています。各クラスの温度・湿度は、毎日、確認して日誌に記入しています。保育室内や玩具等、子どもたちが触れる部分の衛生管理を徹底して行い、感染症予防対策に取組んでいます。当園は園舎建て替えから4年目で、四季を通して快適に過ごせるように、床暖房と空調設備を完備しています。また、木の温もりが感じられるゆとりのある造りで、食事・遊び・午睡の場が確保され、より安全で衛生的に過ごしています。トイレや手洗い場は明るく清潔で、子どもが使いやすい設備となっています。職員は、「とちのき文庫」やコーナー作りを工夫し、一人ひとりの子どもが、寛ぎ、落ちつける場所を設けています。園庭も広々としており、今回の保護者アンケートに「園庭が広い」・「園舎が広い」の声が寄せられ、満足回答率74%を得ています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人の保育理念は「子どもの人権 人格の尊重 子どもの意志 自立への援助」であり、理念を基に「子ども時代を子どもらしく生きる」・「子ども達一人一人を大切にする保育」を基本とした子どもへの対応について、一人ひとりの発達段階を見極め、個人差を十分に把握し、子どもを尊重した保育を行っています。子どもに対する言動・対応・援助の仕方等についても、園内研修で学び合い共通認識を図っています。職員は常に子どもの気持ちに寄り添い、否定的な言葉は遣わないよう、保育士の自己満足での保育は行なわないよう心がけています。「子どもが主役」をモットーに、幼児クラスはランチタイム制を取り入れ、一人ひとりの生活リズムや活動に応じて、ある一定時間内に自分で決めた時に、好きな友だちと昼食が取れるようにしています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本的な生活習慣の習得については、一人ひとりの子どもの発達に合わせて、励ましたり、褒めたりしながら援助し、少しずつ身につけられるように、家庭と連携して進めています。子どもの主体性「自分でやろう、自分でやりたい気持ち」を尊重し、子どもの要求を満たしつつ援助を行っています。トイレトレーニングでは、個人差があることを十分に理解し、一人ひとりの発達状況に応じて、保護者の考え方を尊重し、コドモンで状況を伝える等、連携して進めています。また、個別カリキュラムに基づき、子どもが理解しやすい言葉や絵カード等を使いながら、遊びを通して楽しく基本的な生活習慣が身につくように取組んでいます。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

当園では「子どもが主役」を目指し、子どもたちが自主的、自発的に遊べるよう年齢や発達に合わせて環境を整えています。子どもが自分で選んで遊べるコーナーや子どもの成長に合わせて絵本や手作り玩具等を見直し、入れ替えを行い、遊びが発展・展開していくよう工夫しています。園庭では、四季折々の草・花を自由に摘んで遊び、散歩へ出かけて身近な自然に触れ、地域の方と挨拶を交し、交通ルールを学ぶ等、子どもたちは様々な活動を体験しています。また、リズム遊びを取り入れ、楽しみながらスムーズな体の動きを促すよう取組んでいます。異年齢グループ活動や「わらべうた遊び」等を通して、友だちとの関わりや異年齢児との交流を主体的に進め、子どもたちが自然にルールを身に付けられるよう取組んでいます。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児保育室は、1歳児と同じスペースになっていますが、ほふくコーナーや一人ひとりがじっくり遊べるように仕切りを付け、十分なスペースを確保しています。また、安全・衛生面に十分配慮した玩具や手作り遊具等、見る・聞く・触れる経験が十分に楽しめるように環境作りを工夫しています。一人ひとりの生活リズムや発達状況に応じた個別指導計画とクラスの指導計画を作成し、子どもの心身の発達に関する情報を職員間で共有し、保育を実践しています。保護者とは、毎日コドモンにて丁寧に子どもの様子を伝えると共に、送迎時等の会話を通して、情報を共有し、信頼関係の構築に努めています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳未満児(1・2歳児)の保育では、年間指導計画を基に、月のカリキュラムに養護と教育の両面から、一人ひとりの発達状況を把握し、子どもの状況に応じた保育を実施しています。子どもが自分でしようとする気持ちを尊重し、安全の範囲内で探索活動を見守り、自立心の育みを支援しています。年齢的に自我の芽生え期にあり、自己中心的な行動により友だちとのトラブルもありますが、保育士が仲立ちとなって解決し、保護者には事実を伝え、互いの子どもの育ちの理解を促しています。日頃の様子はコドモン、登降園時の会話、個人面談等を通して保護者とコミュニケーション及び連携を図っています。当園のホールを囲んだ保育室の配置を生かし、自然に異年齢児交流が図れると共に、地域や実習生等の交流も大切にしています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳以上児については、日常的に同一スペースで3歳児~5歳児まで過ごす時間があり、異年齢児保育を通して、子ども同士が育ち合える環境を整えています。各年齢に応じた指導計画を作成し、担任間で子どもたちの状況を討議、検討、確認しながら遊びの構成を考え遊びの幅が広がるよう環境設定しています。クラスミーティング(サークルタイム)を取り入れ、子どもが意見を出し合い、子ども主体でクラス運営ができるよう配慮しながら、保育実践につなげています。保護者には、園での活動内容を「ほいくだより」、ドキュメンテーション、コドモンの一斉配信等で伝え、家庭での子どもの成長に応じた対応を促すようにしています。年長児(5歳児)については保育所児童保育要録を作成し、小学校へ郵送すると共に、小学校からの聞き取りに対し申し送りを行う等、就学に向けて対応しています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

障害のある子どものための環境整備では、園舎内はバリアフリー・ユニバーサルトイレ仕様になっています。障害認定を受けた子どもや支援が必要な子どもについては、クラスの指導計画と関連付けた個別指導計画を作成し、記録しています。障害のある子どもに応じて、個別対応できるよう職員配置に工夫しています。担当職員は、保護者と連携(コドモン、口頭、面談)し、成長の喜びを共有しながら、支援の方向性を確認し、適切な支援が行えるように親子のサポートに努めています。また、療育機関の訪問、個別療育への参観等、必要に応じて情報交換を行っています。入園のしおり(兼重要事項説明書)に「障がい児保育」について、「『共に育ち合うことの大切さ』が実感できる保育を心がけている。」と記載しています。全職員は、障害児保育に関する研修を受講し、必要な情報を得て、適切な支援が行えるようにしています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

当園の各年齢の月間指導計画に「長時間における保育」を掲げ、年齢に応じた休息時間や1日の活動に「動と静」の時間を設けるように配慮しています。子どもの状況や登園時間に合わせたリズムが作れるように、子どもの体調・状態に応じた個別対応を心がけています。年齢の異なる子どもが一緒に過ごすことへの配慮も十分行いながら、異年齢児保育を実施しています。また、子どもの状況に応じて個別で過ごせる図書コーナーや押し入れの下等に、安心できるスペースも用意しています。子どもたちの遊びが継続できるように、一人ひとりの「とっとくカード」を活用した取組も行っています。子どもの主体性を尊重し、昼食やおやつの際は、ランチタイム制を取り入れ、食べたい時に食べられるように時間の幅を持たせています。保護者とは、コドモンや口頭等で、連携を図っています。職員間では、口頭、ミーティング、引き継ぎノート等で、朝夕の引き継ぎを適切に行い、情報共有を図っています。家庭的な雰囲気の中で、一人ひとりに寄り添う保育を心がけ、延長保育時には延長おやつ、夕食を提供しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画の中に、小学校との連携・就学を見通した保育に関する取組を位置づけ、近隣保育園との年長児交流会、保育者と小学校教諭との情報交換事業に参加しています。アプローチカリキュラムを作成し、それに基づいて保育を進めています。その中で、一人ひとりの生活習慣の見直しを確認しながら、入学への期待が持てるように配慮しています。また、日頃から、運動会や避難訓練等を通して、小学校との連携を図っています。今年度、稲の苗が余った際に近隣の小学校に渡すことで、職員や子どもたちと自然な交流が持てました。子どもたちが就学する小学校には、保育所児童保育要録を作成して送り、併せて電話等で情報を提供しています。小学校のパンフレットを室内に掲示し情報提供を図っています。今後も保護者に就学前に身につけて欲しい生活習慣等を伝え、小学校以降の生活について見通しが持てるように取組んでいかれることを期待します。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康管理については、入園時の面談や健康台帳、児童票等で子ども一人ひとりの心身の健康状態を把握しています。日々の保育の中では、朝の受け入れ時に保護者に子どもの健康状態を確認し、職員間で情報共有しています。年度に合わせた保健計画を作成し、各クラスはそれに基づいて手洗い指導、園児の健康増進、感染症予防等の取組を行っています。感染症に関しては、入園のしおり(兼重要事項説明書)にて、園の方針を保護者に伝えています。SIDS(乳幼児突然死症候群)予防のため、睡眠チェックを0歳児は5分ごと、1歳児は10分ごと、幼児クラスは必要に応じて行い、うつぶせ寝はしないように職員間で認識しています。保護者にも入園前説明会で説明し注意喚起をしています。職員は、安全衛生に関する研修に毎年参加し、必要な情報の習得と対応に努めています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

定期的に嘱託医による健康診断・歯科健診を実施し、結果は、健康台帳に記載し保管しています。健診結果は、クラス担任、園長、主任で情報共有しています。保護者には、口頭及びコドモン等で伝えると共に、場合によっては通院を勧めています。通院が必要な家庭については、結果・経過確認を行い、フォローを含め連携を密に取り合っています。また、月1回の身体測定の結果も保護者に知らせています。歯科医師からは健診を終えての感想を文章にしてもらい、園だよりで伝えています。健診で配慮が必要な事項が見られたケースは、個別カリキュラムを見直し、家庭と連携して取組んでいます。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもに対しては、「保育所における食物アレルギー対応マニュアル」を基に、子どもの状況に応じた適切な対応を行っています。入園のしおり(兼重要事項説明書)に記載し、入園説明会時には、アレルギー対応を行っていることを保護者へ伝え、該当児には除去食を提供しています。アレルギー児の除去食対応では、保護者と連携し「生活管理表」を基に、医師の指示書に従って適切に対応しています。また、園長・担任・栄養士・保護者による「アレルギー会議」を必要に応じて行い、除去食を確認しています。食事の提供時は、調理員、担任間で指さし確認し、アレルギー児専用の食器やトレイを用いて提供することで、他児への意識や職員の誤配膳防止につなげています。職員は、最新情報を得るためアレルギー研修に積極的に参加し、知り得た情報を園内研修等で伝え、職員間の対応について周知を図っています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食育を各年齢の年間指導計画・月間指導計画に位置付け、計画に基づいて食事がより楽しめるように取組んでいます。子どもが食に対する興味・関心が持てるよう、食材に触れて形、硬さ、匂い等を感じたり、子どもたちに菜園活動(野菜の種まき、水やり、収穫)を通して、食を身近に感じられるよう工夫しています。給食では、年齢に応じて食べられる量を把握し、各クラスの担任が個々に合わせた対応をしています。食器や食具も年齢に応じて配慮し、子どもの育ちに合わせて箸の使用も開始しています。当園は、その日の天候や子どもの状況に応じて、ランチルーム、テラス、保育室等で食事ができる環境があるのは魅力です。また、子どもの自主性を大切にした「ランチタイム制」により、食べたい時間に好きな友だちと一緒に食事を楽しんでいます。0歳児クラスでは、離乳食を提供し、食材の形状、固形物の柔らかさの度合い等、家庭と連絡を取り合い、子どもの発達や個々の咀嚼に合わせて次段階へ移行しています。保護者には、献立表の配付、毎日の食事内容を写真(コドモン配信)で知らせ、園の食事の理解につなげています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

年度初めに「食のテーマ」を決め、年間を通して子どもたちが食に興味・関心が持てるように工夫しながら取組んでいます。令和5年度は、「郷土料理」を取り入れ、各地域に因んだ料理を地図や写真で紹介し、様々な食文化に触れられるようにしています。毎月の献立には、旬の食材を使用し、季節、行事食、栄養価等、工夫を凝らし、見た目も楽しく、おいしく、安心して食べることのできる食事を提供しています。子どもの発達段階に応じて、自発的に食べられるように、食材の大きさ・硬さ等を調節しています。栄養士や調理師が食事の様子を各クラスを巡視し、ランチルームから調理室が見えることからも日常的に交流が図られています。給食日誌に毎日の残食、喫食状況を記録し、献立・調理の工夫に反映させています。月1回の職員会議では、栄養士と保育士が意見を交換し、献立の工夫や改善につなげています。衛生管理体制は、給食衛生管理マニュアルを基本とし、徹底した衛生管理を行っています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

入園のしおり(兼重要事項説明書)に「保護者との連携」が記載され、連絡体制(マチコミ、コドモン、掲示板、クラスノート)の下で、家庭と連携を密に取り合っています。毎日の保育の状況を伝えると共に、懇談会、個人面談、保育参加、行事参加等を通して、一人ひとりの子どもの成長を保護者と共有できるように取組んでいます。クラス担任だけではなく、早番・遅番保育士とも漏れのないよう引き継ぎ、情報を共有しています。毎月の「園だより」には、保育のねらいや子どもたちの様子を伝え、保育への理解につなげています。また、家庭状況や情報交換等の内容は、必要に応じて記録し、その後の家庭支援や保育に生かしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

保護者からの相談、報告等に対しては丁寧に傾聴し、信頼関係を築くように取組んでいます。園長は、保護者が相談しやすいように、朝の受入れ時に挨拶、コミュニケーションを図っています。保護者から相談を受けた際は、保護者の気持ちを受け止め、担任、主任、園長が迅速に対応し返答するよう体制を整えています。また、内容によっては、園長から法人へ報告・対応の体制があります。面談室は個人情報に配慮して設定し、保護者が安心して相談できるようにしています。個人面談の相談内容は記録し、保管しています。他の職員へは職員会議時等にその内容を報告し、共通認識を図っています。日々保護者とコミュニケーションを図り、信頼関係を築けるような関わりを意識して行っています。期間を設けての個人面談は年1回ですが、希望があればいつでも面談できることを保護者に伝えています。保護者の思いや意向、要望、不安や悩み等の相談に対して、どの職員も同じように対応できる体制作りに期待します。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

「虐待防止マニュアル」に基づきチェックリストを備え、家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めています。登園時の親子の表情や会話、保育中に身体のあざ等の確認(着替え、シャワー等)を行い、不審なケガやあざ等があれば、写真に記録しています。虐待が明らかになった場合は、鶴見区こども家庭支援課や横浜市中央児童相談所等に、通告・連絡の体制を整えています。職員は、外部研修への参加や園内研修を通して、専門知識や技能を深め確認し合う等、指導・育成への取組も行っています。マニュアルは横浜市作成のものを利用していますが、日常の保育の中で活用できる手順書等があれば、尚良いと思われます。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

保育実践の振り返り(保育士の自己評価)については、「年間指導計画」に基づき「月間指導計画」「週案」を策定し、月末・週末に振り返り見直しをしています。日々の保育の振り返りから、課題について職員会議で話し合い、保育目標「子どもが主役」の保育展開ができるように、環境や援助の方法等を見直し、保育の向上につなげています。また、職員は「自己評価シート」を使用し、園長との面談を通して自己目標を設定、途中の進捗状況を確認しながら自己評価を行った後に再度、園長面談にて助言・指導を受けて自己の課題を確認・フィードバックし、次の目標につなげています。園長は、職員の希望や意向を把握し、各階層別に期待業務を明文化し、行事分担表に担当を決めて責任を明確にしています。職員の自己評価を基に、毎年「保育園の自己評価」を行い、ホームページで公開しています。